2012/1 豊 島 区 庁 舎 整 備 事 業 に 関 する 調 査 報 告 書 251659264 作 成 :みんなの 党 横 浜 市 会 市 会 議 員 大 岩 まさかず 写 真 : 豊 島 区 庁 舎 ( 新 庁 舎 )
調 査 の 概 要 調 査 概 要 項 目 内 容 豊 島 区 庁 舎 整 備 事 業 豊 島 区 では 新 区 庁 舎 の 整 備 にあたり 一 般 財 源 の 負 担 がない 手 法 を 採 用 遊 休 地 の 活 用 民 間 施 設 の 一 部 誘 致 50 年 の 定 期 着 地 権 の 25 年 分 を 民 間 企 業 よ 調 査 目 的 り 一 括 前 取 りなどの 先 進 的 な 事 例 を 調 査 同 調 査 結 果 を 横 浜 市 のこれからの 庁 舎 整 備 ( 区 庁 舎 市 庁 舎 )に 生 かしてい く 事 を 目 的 としています 調 査 日 時 2012 年 1 月 23 日 調 査 地 1 豊 島 区 行 政 からの 説 明 ( 施 設 管 理 部 都 市 整 備 部 ) 2 新 区 庁 舎 工 事 現 場 視 察 参 加 議 員 <みんなの 党 横 浜 市 会 議 員 >6 名 望 月 議 員 篠 原 議 員 豊 田 議 員 有 村 議 員 藤 崎 議 員 大 岩 議 員 ( 筆 跡 ) 調 査 費 用 一 人 当 たり 1,240 円 ( 横 浜 池 袋 間 の 往 復 交 通 費 ) 交 通 手 段 や 調 査 手 法 の 相 違 によって 各 自 の 支 出 が 多 少 異 なります 正 確 な 支 出 の 報 告 は 平 成 23 年 度 政 務 調 査 費 の 公 開 の 際 に 各 議 員 の 責 任 の 下 行 わせて 頂 きます 区 の 職 員 による 説 明
はじめに 我 々が 視 察 をした 豊 島 区 の 新 庁 舎 整 備 は 区 の( 既 存 の) 資 産 を 活 用 し 区 財 政 の 負 担 を 抑 えて 整 備 する という 考 え 方 のもと 進 められています 新 庁 舎 建 設 の 為 の 建 設 基 金 が 財 政 上 の 問 題 で 底 をついてしまった という 危 機 的 状 況 から 出 発 し 税 金 ( 一 般 財 源 )の 負 担 のない 新 庁 舎 の 建 設 案 が 作 成 されています 新 庁 舎 の 建 設 に 関 わる 整 備 事 業 費 は 428 億 円 になりますが 以 下 のような 工 夫 により 一 般 財 源 や 新 たな 借 金 ( 区 債 )の 負 担 のない 計 画 がたてられています 区 の 有 休 資 産 を 活 用 ( 廃 校 となった 旧 日 出 小 学 校 跡 地 ) 再 開 発 事 業 との 一 体 計 画 により 資 産 評 価 額 が 上 昇 (34.5 億 円 85.2 億 円 ) 公 共 施 設 ( 区 庁 舎 3F 9F)と 民 間 マンション(11F 49F)の 合 築 不 足 する 事 業 費 ( 保 留 床 買 取 124 億 円 )を 現 庁 舎 の 土 地 活 用 により 捻 出 現 庁 舎 の 再 開 発 を 行 う 民 間 事 業 者 から 定 期 借 地 権 のうち 25 年 分 を 一 括 前 取 り 現 在 横 浜 市 でも 区 の 総 合 庁 舎 新 市 庁 舎 の 建 替 え 耐 震 補 強 工 事 などがすすめら れています 横 浜 市 でも 豊 島 区 の 事 例 にならい 市 民 の 皆 様 の 負 担 ( 税 金 の 負 担 )を 少 しでも 抑 える 事 業 手 法 を 積 極 的 に 検 討 すべきです < 横 浜 で 検 討 されている 横 区 庁 舎 市 庁 舎 整 備 > 事 業 費 見 込 み 資 金 手 当 て 計 画 南 区 総 合 庁 舎 建 替 100 億 円 税 金 ( 一 般 財 源 + 市 債 ) 金 沢 区 総 合 庁 舎 建 替 100 億 円 税 金 ( 一 般 財 源 + 市 債 ) 港 南 区 総 合 庁 舎 建 替 100 億 円 税 金 ( 一 般 財 源 + 市 債 ) 中 区 庁 舎 耐 震 補 強 工 事 数 十 億 円 税 金 ( 一 般 財 源 + 市 債 ) 新 市 庁 舎 整 備 700 億 円 1,000 億 円 税 金 ( 一 般 財 源 + 市 債 )
1. 豊 島 区 新 庁 舎 建 設 の 経 緯 < 豊 島 区 の 行 政 改 革 財 政 改 革 の 道 のり> 今 から 14 年 前 の 平 成 8 年 4 月 豊 島 区 は 財 政 危 機 を 理 由 として 計 画 してきた 新 庁 舎 の 着 工 延 期 を 決 定 しました 土 地 開 発 公 社 の 長 期 債 務 を 含 む 借 入 金 残 高 は 872 億 円 にまで 膨 れ 上 がり 財 政 再 建 団 体 へ の 転 落 が 現 実 性 をもって 危 惧 される 状 況 でした 新 庁 舎 等 の 建 設 基 金 についても 平 成 5 年 度 末 には 約 190 億 円 あったものが 平 成 6 年 度 以 降 財 源 対 策 として 使 い 続 け 平 成 11 年 度 にはほぼ 底 を 突 いていました 平 成 11 年 度 からの 10 年 間 は ありとあらゆる 区 財 政 構 造 改 革 を 断 行 し 続 けた 期 間 でした 公 共 施 設 の 再 構 築 施 設 や 業 務 の 委 託 化 民 営 化 職 員 定 数 の 削 減 事 務 事 業 の 見 直 しな ど 区 民 のみなさまのご 協 力 により 直 面 する 危 機 を 克 服 し 財 政 健 全 化 への 道 筋 をつけ ています こうした 改 革 により 平 成 11 年 度 に 872 億 円 あった 借 入 金 は 平 成 22 年 度 末 には 350 億 円 へと 12 年 間 で 当 時 の 3 分 の 1 まで 圧 縮 する 見 込 みです 205 億 円 もあった 土 地 開 発 公 社 のいわゆる 隠 れ 借 金 も 今 年 度 末 までに 全 て 解 消 します 一 方 今 後 の 学 校 改 築 のための 義 務 教 育 施 設 整 備 基 金 をはじめ 将 来 の 備 えとして 積 み 立 てる 区 の 基 金 総 額 については 平 成 11 年 度 のわずか 36 億 円 から 今 年 度 末 には 188 億 円 まで 増 加 する 見 込 みです 職 員 定 数 についても この 間 2,899 人 から 2,038 人 へと 約 900 人 を 削 減 し 職 員 人 件 費 は 282 億 円 から 218 億 円 へと 大 きな 抑 制 を 実 現 しました この 間 にも 庁 舎 の 老 朽 化 は 進 み 本 庁 舎 は 築 後 49 年 分 庁 舎 は 築 後 55 年 が 経 過 してい ます 庁 舎 の 狭 あい 化 による 窓 口 での 混 雑 分 散 (7 か 所 ) 災 害 時 における 防 災 拠 点 機 能 への 不 安 など 現 在 の 庁 舎 の 状 況 を 考 え 新 庁 舎 計 画 を 実 行 に 移 すことが 検 討 されました 新 庁 舎 の 整 備 を 目 的 とした 庁 舎 等 建 設 基 金 はゼロという 極 めて 厳 しい 前 提 条 件 のなか 区 有 財 産 を 最 大 限 に 活 用 し 市 街 地 再 開 発 事 業 の 手 法 を 採 用 することで 建 設 費 については 一 般 財 源 に 依 存 しない 資 金 計 画 を 立 てています
池 袋 駅 から 徒 歩 5 分 の4 階 建 て 現 本 庁 舎 ( 豊 島 区 役 所 の 窓 口 は 本 庁 舎 他 7ヶ 所 に 分 散 している) 狭 あい 化 が 問 題 となっている1F 窓 口 ( 撮 影 時 = 月 曜 日 の 14 時 点 では 比 較 的 空 いている 様 子 ) ( 通 常 時 は より 多 くの 人 で 一 杯 との 事 )
2. 新 庁 舎 整 備 計 画 の 概 要 10F 建 の 区 庁 舎 と 49F 建 のタワーマンション( 民 間 )の 合 築 となっています 11F 49F 住 宅 部 分 ( 東 京 建 物 他 が 分 譲 ) 10F 中 間 免 震 層 3F 9F 区 庁 舎 部 分 (29,100 m2) 1F 2F 商 業 施 設 B1 B3 駐 車 場 機 械 室
新 庁 舎 の 計 画 地 は 池 袋 東 口 の 東 南 570mの 場 所 に 位 置 し サンシャインシティや 東 池 袋 四 丁 目 市 街 地 再 開 発 事 業 地 区 につながっている 好 立 地 にあります もともと 廃 校 となった 旧 日 出 小 学 校 の 跡 地 ( 整 備 地 の 約 60%)と 区 民 所 有 の 土 地 ( 地 権 者 115 名 )を 再 開 発 事 業 によって 新 庁 舎 として 整 備 するものです
有 楽 町 線 東 池 袋 駅 と 隣 接 し 同 駅 と 新 庁 舎 は 地 下 通 路 で 繋 がる 計 画 です 1F 2F には 店 舗 が 入 り 街 の 賑 わいを 創 出 3F 9F の 区 庁 舎 では 1,200 1,300 名 の 区 の 職 員 が 働 く 予 定 です 11F 49F の 民 間 のタワーマンション 部 分 も 利 便 性 などの 理 由 により 人 気 の 高 い 物 件 に なる 可 能 性 が 高 い との 事 です
3. 資 金 計 画 の 概 要 新 庁 舎 は 庁 舎 等 建 設 基 金 はゼロという 厳 しい 前 提 条 件 のなか 区 有 財 産 を 最 大 限 に 活 用 し 市 街 地 再 開 発 事 業 の 手 法 を 採 用 することで 建 設 費 については 一 般 財 源 に 依 存 しない 資 金 計 画 を 立 てています < 再 開 発 組 合 の 収 支 > 収 入 支 出 1 国 区 補 助 金 111 億 円 5 調 査 設 計 費 20 億 円 2 組 合 員 負 担 金 188 億 円 6 解 体 費 5 億 円 3 保 留 床 売 却 124 億 円 7 建 物 補 償 36 億 円 4 その 他 5 億 円 8 建 物 本 体 工 事 333 億 円 9 組 合 債 16 億 円 10 その 他 18 億 円 合 計 428 億 円 合 計 428 億 円 総 事 業 費 428 億 円 の 内 豊 島 区 の 負 担 対 象 となるのは 1の 区 補 助 金 と 3の 保 留 床 売 却 の 部 分 ですが それぞれについて 豊 島 区 の 財 政 負 担 を 0 円 にしている 方 法 について 解 説 します 国 区 補 助 金 :111 億 円 について 通 常 区 庁 舎 の 整 備 事 業 の 場 合 には 国 や 東 京 都 からの 補 助 金 は 0 円 で 区 の 区 庁 舎 建 設 資 金 積 立 基 金 や 一 般 財 源 区 債 の 発 行 ( 区 の 借 金 )などで 対 応 します 今 回 の 事 業 は 区 庁 舎 建 設 事 業 市 街 地 再 開 発 事 業 にかえることにより 国 や 東 京 都 から の 補 助 金 をもらう 事 業 となっています 区 の 補 助 金 は 東 京 都 からの 財 政 調 整 金 で 戻 って くる 為 豊 島 区 の 補 助 金 負 担 は 将 来 的 には 0 円 となります < 再 開 発 事 業 の 負 担 > 国 1/3 豊 島 区 1/3( 東 京 都 から 財 政 調 整 金 による 還 付 あり) 事 業 者 1/3( 再 開 発 組 合 負 担 分 )
保 留 床 売 却 :124 億 円 について 豊 島 区 は 再 開 発 組 合 から 新 庁 舎 の 床 ( 専 有 部 分 25,500 m2)を 購 入 します 床 ( 及 び 区 分 所 有 の 土 地 )の 購 入 代 金 は A 再 開 発 前 の 土 地 の 権 利 変 換 分 (85.2 億 円 )と B 保 留 床 (124 億 円 )の 合 計 209.2 億 円 です 再 開 発 前 再 開 発 後 34.5 億 円 1 85.2 億 円 2 143 億 円 3 124 億 円 4 <209.2 億 円 の 資 金 調 達 > A 従 前 資 産 の 権 利 変 換 分 B 現 庁 舎 の 資 産 活 用 合 計 85.2 億 円 再 開 発 により 資 産 価 値 50.7 億 円 上 昇 124 億 円 25 年 分 の 定 期 借 地 権 一 括 前 取 り 209.2 億 円 再 開 発 により 従 前 資 産 ( 旧 日 出 小 学 校 他 )の 価 値 が 50.7 億 円 上 昇 しています 不 足 分 の 金 額 (124 億 円 )は 現 在 の 本 庁 舎 の 敷 地 に 50 年 の 定 期 借 地 権 を 設 定 し その 半 分 の 25 年 分 (143 億 円 )を 一 括 前 取 りする 事 により 賄 います 定 期 借 地 権 は 民 間 事 業 者 が 購 入 し 民 間 企 業 が 再 開 発 を 行 う 為 豊 島 区 の 財 政 負 担 は 0 円 となる 計 画 です 但 し 今 後 平 成 26 年 度 の 事 業 者 公 募 に 向 けて 平 成 25 年 度 に 現 庁 舎 地 の 資 産 価 値 について 再 度 の 評 価 が 行 われます 評 価 の 結 果 次 第 では 最 終 的 に 一 般 財 源 からの 負 担 や 起 債 が 必 要 となる 可 能 性 もあります
現 本 庁 舎 の 再 整 備 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 公 開 堂 分 庁 舎 敷 地 区 民 センター 敷 地 を 一 体 で 開 発 する 民 間 事 業 者 を 公 募 します 再 開 発 には 以 下 の2つの 条 件 がつきます 定 期 借 地 権 50 年 を 設 定 その 内 25 年 分 は 一 括 前 払 い 公 会 堂 ( 約 3,000 m2)を 民 間 業 者 の 資 金 で 整 備 する 民 間 業 者 にとっては 厳 しい 条 件 がつく 事 になりますが 池 袋 東 口 近 くの 繁 華 街 に 隣 接 した 場 所 の 為 制 約 条 件 を 飲 み 込 んでも 開 発 を 行 いたいという 業 者 が 多 くあらわれる 見 込 み であるとの 事 です 豊 島 区 では 同 土 地 の 25 年 分 の 定 期 借 地 権 を 143 億 円 と 試 算 しています 議 会 では 再 開 発 をする 業 者 が 現 われなかったら この 部 分 の 区 の 負 担 が 発 生 する との 反 対 の 声 があがりました しかし 同 土 地 の 立 地 資 産 価 値 等 を 詳 細 に 検 討 した 結 果 豊 島 区 では 計 画 が 高 い 確 立 で 達 成 できるとの 見 込 みをたてています
4. 終 わりに 豊 島 区 の 新 庁 舎 整 備 手 法 は 財 政 が 危 機 的 状 況 に 陥 った 事 がきっかけとなり 区 の 財 政 負 担 を 0 円 にする という 命 題 のもと 様 々な 検 討 をした 結 果 生 み 出 された 手 法 です 民 間 企 業 の 資 金 により 事 業 費 を 大 幅 圧 縮 する 再 開 発 により 従 前 資 産 の 価 値 を 上 げ 区 の 負 担 を 減 らす 不 足 資 金 を 他 の 再 開 発 から 捻 出 する 定 期 借 地 権 の 25 年 分 前 取 り の 手 法 上 記 のような 公 共 施 設 の 整 備 では 画 期 的 な 諸 手 法 が 取 られていますが 市 民 の 税 金 負 担 を 減 らす という 観 点 にたてば 採 用 されて 当 然 の 手 法 であると 思 います 豊 島 区 の 新 庁 舎 の 建 設 が 区 民 の 皆 さんの 反 対 もなく 受 け 入 れられたのも 豊 島 区 の 財 政 負 担 0 円 という 点 が 決 め 手 になっています ( 上 記 にある 反 対 なく とは 区 役 所 サイドの 見 解 であり 民 間 施 設 との 合 築 の 可 否 等 昨 年 の 区 長 選 挙 の 際 にも 争 点 となった 問 題 を 含 んでおり 全 く 反 対 もなく 進 められてい る 訳 ではない ) 現 在 横 浜 市 では 区 庁 舎 の 整 備 で 300 億 円 400 億 円 の 税 金 投 入 を そして 新 市 庁 舎 の 整 備 でそれ 以 上 の 税 金 投 入 をする 議 論 がなされています これらの 新 事 業 に 伴 う 財 政 負 担 や 市 債 発 行 による 借 金 は 現 在 の 横 浜 市 民 だけでなく 将 来 の 横 浜 市 民 の 皆 様 にも 影 響 する 大 きな 問 題 です 本 当 に これらの 施 設 が 必 要 なのか という 根 本 的 な 議 論 をする 事 はもちろんの 事 豊 島 区 の 新 区 庁 舎 整 備 事 業 と 同 様 の 手 法 を 横 浜 市 でも 積 極 的 に 検 討 し 採 用 していかなければいけないと 考 えます H27 年 4 月 の 移 転 に 向 けて 工 事 が 開 始 されている
ご 意 見 ご 提 案 をお 寄 せ 下 さい みんなの 党 横 浜 市 議 会 議 員 団 住 所 : 231-8588 神 奈 川 県 横 浜 市 中 区 港 町 1-1 電 話 :045-671-4430 FAX:045-681-8118 H P:http://yokohama.your-party.jp/ ( 調 査 報 告 書 を PDF ファイルで HP 上 に 公 開 しています )