同志社大学所蔵堺市城ノ山古墳出土資料調査報告 1 城ノ山古墳 城ノ山古墳は現在の大阪府堺市北区百舌鳥西之町1丁目 百舌鳥古墳群の東南部分 に所在していた 丘陵上に前方部を西に向けて築かれた古墳である 大山古墳の南側 百舌鳥川左 岸の台地が一段高くなる部分に築かれている 墳丘上からは大山古墳や御廟山古墳など百舌鳥古墳 群を一望に見渡せたであろう 百舌鳥古墳群では平坦な土地に築かれる古墳が多いなか 眺望のよ い城ノ山古墳の立地は特筆される 城ノ山 という地名から明らかなように中世に山城として利 用されていたが そのことも眺望の良さに起因したものと理解できる 増田 2002 城ノ山古墳の墳丘は 前述の1950年の土砂採取工事により消滅している そのため現在その痕跡 を確認することは困難である 筆者たちが現地に赴いた際も 古墳が築かれていたと考えられる場 所はマンションとして利用されており 地形の様子からも古墳の旧状を知ることはできなかった そこで注目したいのが 1946年米軍により撮影された航空写真である 撮影された時期が 土砂 採取工事以前であり 破壊される前の古墳の姿が写っている 写真からは墳丘の形態や 撮影当時 の墳丘が木々に覆われている様子が看取される 写真から計測できる墳丘長は約80mとなる 段築 の有無や周溝の様子は残念ながら確認できないが 破壊直前の古墳の状況をうかがえる貴重な資料 といえる 小森 ①城ノ山古墳 ②大山古墳 ③ミサンザイ古墳 ④御廟山古墳 ⑤いたすけ古墳 ⑥乳岡古墳 ⑦大塚山古墳 ② ⑧七観古墳 ⑨カトンボ山古墳 ⑩湯の山古墳 ⑪ニサンザイ古墳 ⑧ ⑥ ④ ③ ⑤ ⑨ 百舌鳥川 ①城ノ山古墳 ⑦ ⑩ 百済川 ⑪ 0 図1 古墳周辺図 24 500m