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とする この 場 合 育 児 休 業 中 の 期 限 付 職 員 が 雇 用 契 約 を 更 新 するに 当 たり 引 き 続 き 育 児 休 業 を 希 望 する 場 合 には 更 新 された 雇 用 契 約 期 間 の 初 日 を 育 児 休 業 開 始 予 定 日 として 育 児 休 業 申

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該 介 護 休 業 が 終 了 する 日 までに, 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 が 死 亡 したとき 又 は 離 婚, 婚 姻 の 取 消, 離 縁 等 により 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 との 親 族 関 係 が 消 滅 した とき (3) 配 偶

5 次 のいずれにも 該 当 する 従 業 員 は 子 が1 歳 6ヶ 月 に 達 するまでの 間 で 必 要 な 日 数 について 育 児 休 業 をするこ とができる なお 育 児 休 業 を 開 始 しようとする 日 は 原 則 として 子 の1 歳 の 誕 生 日 に 限 るものとする (1

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後 にまで 及 んでおり(このような 外 部 研 究 資 金 を 以 下 契 約 理 由 研 究 という ) かつ その 者 が 退 職 後 も 引 き 続 き 研 究 代 表 者 となることを 研 究 所 が 認 める 場 合 とし 理 事 室 の 命 を 受 けて 発 議 書 ( 別 に 定 め

定款  変更

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定款

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就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

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鹿 児 島 厚 生 年 金 事 案 600 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 は 申 立 期 間 に 係 る 脱 退 手 当 金 を 受 給 していないものと 認 められるこ とから 申 立 期 間 に 係 る 脱 退 手 当 金 の 支 給 の 記 録 を 訂 正 することが 必 要 で

【労働保険事務組合事務処理規約】

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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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特 定 が 必 要 であり, 法 7 条 の 裁 量 的 開 示 を 求 める 第 3 諮 問 庁 の 説 明 の 要 旨 1 本 件 開 示 請 求 について 本 件 開 示 請 求 は, 処 分 庁 に 対 して, 特 定 法 人 が 大 森 税 務 署 に 提 出 した, 特 定 期 間 の

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

(5) 人 権 侵 害, 差 別 又 は 名 誉 毀 損 となるもの, 又 はおそれがあるもの (6) 他 人 を 誹 謗 し, 中 傷 し, 又 は 排 斥 するもの (7) 投 機 心, 射 幸 心 をあおるもの, 又 はそのおそれがあるもの (8) 内 容 が 虚 偽 誇 大 であるなど 過

(2) 懲 戒 については 戒 告 は 3 ヵ 月 減 給 は 6 ヵ 月 停 職 は 9 ヵ 月 4 病 気 休 暇 休 職 欠 勤 により 勤 務 しなかった 職 員 が 再 び 勤 務 するに 至 った 場 合 において 他 の 職 員 との 均 衡 上 必 要 があると 認 められるときは

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中 間 利 払 日 とし 預 入 日 または 前 回 の 中 間 利 払 日 からその 中 間 利 払 日 の 前 日 までの 日 数 および 通 帳 または 証 書 記 載 の 中 間 利 払 利 率 によって 計 算 した 中 間 利 払 額 ( 以 下 中 間 払 利 息 といいます )を 利

はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

自動継続自由金利型定期預金(M型)規定

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2004年度第2回定期監査(学校)事情聴取事項

平 均 賃 金 を 支 払 わなければならない この 予 告 日 数 は 平 均 賃 金 を 支 払 った 日 数 分 短 縮 される( 労 基 法 20 条 ) 3 試 用 期 間 中 の 労 働 者 であっても 14 日 を 超 えて 雇 用 された 場 合 は 上 記 2の 予 告 の 手 続

労働時間と休日は、労働条件のもっとも基本的なものの一つです

2 前 項 に 定 める 日 に 支 給 する 給 与 は 総 額 給 与 を12 分 割 した 額 ( 以 下 給 与 月 額 という ) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 及 び 業 績 手 当 並 びに 前 月 分 の 超 過 勤 務

第 4 条 (1) 使 用 者 は 2 年 を 超 えない 範 囲 内 で( 期 間 制 勤 労 契 約 の 反 復 更 新 等 の 場 合 は その 継 続 勤 労 した 総 期 間 が2 年 を 超 えない 範 囲 内 で) 期 間 制 勤 労 者 を 使 用 することができる ただ し 次 の

るよう 工 事 打 合 せ 簿 ( 様 式 2)により 受 注 者 に 求 めます 5-1 理 由 書 ( 様 式 3)が 提 出 され 特 別 の 事 情 を 有 すると 認 めた 場 合 は 社 会 保 険 等 の 加 入 が 確 認 できる 書 類 を 提 出 するよう 工 事 打 合 せ 簿

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認 し 通 常 の 立 入 検 査 に 際 しても 許 可 内 容 が 遵 守 されていることを 確 認 するこ と 2 学 校 薬 剤 師 業 務 の 兼 任 学 校 薬 剤 師 の 業 務 を 兼 任 する 場 合 の 取 扱 いは 次 のとおりとする (1) 許 可 要 件 1 薬 局 等 の

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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加 算 税 制 度 の 見 直 し 等 1. 現 行 制 度 の 概 要 関 税 においては 国 税 ( 輸 入 貨 物 に 対 する 内 国 消 費 税 を 含 む 以 下 同 じ ) の 制 度 と 同 様 の 過 少 申 告 加 算 税 無 申 告 加 算 税 及 び 重 加 算 税 の 制

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取 り 消 された 後 当 該 産 前 の 休 業 又 は 出 産 に 係 る 子 若 しくは 同 号 に 規 定 する 承 認 に 係 る 子 が 死 亡 し 又 は 養 子 縁 組 等 により 職 員 と 別 居 することとなったこと (2) 育 児 休 業 をしている 職 員 が 休 職 又

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

<4D F736F F D F582CC88E78E998B788BC C98AD682B782E92E646F63>

1 正 規 団 員 希 望 者 は 入 団 希 望 日 から1ヶ 月 間 の 仮 団 員 期 間 を 経 て 団 員 となることができる 仮 団 員 期 間 は 団 費 は 発 生 せず 入 団 届 けに 明 記 した 入 団 日 がその 月 の15 日 以 前 ならば 当 月 16 日 以 降 な

接 支 払 制 度 を 活 用 するか 意 思 を 確 認 する 確 認 に 当 たっては 次 の 各 号 に 掲 げる 事 項 について 書 面 により 世 帯 主 の 合 意 を 得 て 代 理 契 約 を 締 結 するものとする (1) 医 療 機 関 等 が 本 市 に 対 し 世 帯 主

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

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2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

注 意 すべきポイント 1 入 社 誓 約 書 は 社 員 の 入 社 にあたり 入 社 前 に 社 員 としての 自 覚 を 促 すとともに 正 当 な 理 由 のない 内 定 辞 退 を 防 止 するために 提 出 させるものです 2 2 以 降 の 注 意 すべきポイントについては マイ 法

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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

異 議 申 立 人 が 主 張 する 異 議 申 立 ての 理 由 は 異 議 申 立 書 の 記 載 によると おおむね 次 のとおりである 1 処 分 庁 の 名 称 の 非 公 開 について 本 件 審 査 請 求 書 等 について 処 分 庁 を 非 公 開 とする 処 分 は 秋 田 県

( 共 済 金 の 決 定 についての 異 議 の 申 出 ) 第 9 条 共 済 金 の 決 定 について 不 服 のある 共 済 契 約 者 は 本 組 合 に 対 して 異 議 の 申 出 をし 再 審 査 を 請 求 することができる 2 理 事 長 は 前 項 の 申 出 があったときは

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

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養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

に 公 開 された 映 画 暁 の 脱 走 ( 以 下 本 件 映 画 1 という ), 今 井 正 が 監 督 を 担 当 し, 上 告 人 を 映 画 製 作 者 として 同 年 に 公 開 された 映 画 また 逢 う 日 まで ( 以 下 本 件 映 画 2 という ) 及 び 成 瀬 巳

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平成21年9月29日

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鳥 取 国 民 年 金 事 案 177 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 の 昭 和 37 年 6 月 から 38 年 3 月 までの 国 民 年 金 保 険 料 については 納 付 していたものと 認 められることから 納 付 記 録 を 訂 正 することが 必 要 である 第 2 申

Transcription:

愛 労 委 平 成 26 年 ( 不 ) 第 8 号 事 件 (7 条 1 号 2 号 3 号 ) 1 事 案 の 概 要 本 件 は 被 申 立 人 会 社 が 申 立 人 組 合 の 分 会 の 組 合 員 に 対 し 1 組 合 の 誹 謗 中 傷 等 を したことが 労 組 法 7 条 3 号 に 23 名 の 異 動 辞 令 を 発 したことが 同 条 1 号 にそれぞれ 該 当 する 不 当 労 働 行 為 であるとして 平 成 26 年 7 月 3 日 に 当 初 申 立 てがなされ その 後 3 恫 喝 行 為 を 行 い 4 異 動 辞 令 を 発 し 5 監 視 カメラにより 監 視 し 6 始 末 書 の 提 出 を 指 示 し 7 有 給 休 暇 取 得 相 当 分 の 賃 金 を 削 減 したことが いずれも 同 号 に 該 当 する 不 当 労 働 行 為 であるとして 同 年 9 月 25 日 に 追 加 申 立 てがなされ 更 に 8 同 年 の 夏 期 賞 与 の 支 給 を 遅 延 したこと 並 びに 同 年 の 夏 期 及 び 冬 期 賞 与 を 減 額 したことが 同 号 に 98に 係 る 団 交 に 誠 実 に 応 じないことが 労 組 法 7 条 2 号 にそれぞれ 該 当 する 不 当 労 働 行 為 であると して 平 成 27 年 2 月 2 日 に 追 加 申 立 てがなされた 事 件 である 2 主 文 (1) 会 社 は 組 合 の 組 合 員 に 対 し 組 合 を 誹 謗 中 傷 する 発 言 及 び 組 合 からの 脱 退 を 迫 る 又 は 勧 める 言 動 をしてはならない (2) 会 社 は 分 会 の 組 合 員 Aに 対 する 平 成 26 年 9 月 2 日 付 け 異 動 命 令 及 び 分 会 長 Bに 対 する 同 年 10 月 17 日 付 け 異 動 命 令 を 撤 回 し 両 名 を 名 古 屋 市 中 村 区 の 事 業 所 に 復 帰 さ せ かつ 当 該 異 動 命 令 前 の 職 務 に 従 事 させなければならない (3) 会 社 は 組 合 の 組 合 員 に 対 して 脅 迫 行 為 をしてはならない (4) 会 社 は 組 合 の 組 合 員 が 就 労 する 場 所 に 設 置 した 監 視 カメラにより 組 合 の 組 合 員 の 動 向 を 監 視 してはならない (5) 会 社 は 組 合 の 組 合 員 に 対 し 始 末 書 の 提 出 を 命 ずるに 当 たっては 当 該 命 令 が 懲 戒 処 分 であるか 否 かを 明 示 しなければならず 懲 戒 処 分 として 命 ずる 場 合 には 就 業 規 則 上 の 根 拠 規 定 を 示 し かつ 弁 明 の 機 会 を 与 えるなど 適 正 な 手 続 を 踏 まなければ ならない (6) 会 社 は 分 会 の 組 合 員 に 対 し 分 会 結 成 前 の 慣 例 ( 前 日 までの 申 請 及 び 当 日 事 後 の 申 請 ( 有 給 休 暇 を 取 得 しようとする 日 の 始 業 前 に 連 絡 をし 後 日 休 暇 届 を 提 出 する 方 法 ) 並 びに 半 休 時 間 単 位 の 取 得 )に 従 い 申 請 された 有 給 休 暇 に 係 る 相 当 分 の 賃 金 のうち 未 払 分 を 支 払 わなければならない (7) 会 社 は 分 会 の 組 合 員 の 平 成 26 年 夏 期 及 び 冬 期 賞 与 について 分 会 結 成 前 の 水 準 と の 差 額 を 分 会 の 組 合 員 に 支 払 わなければならない (8) 会 社 は 下 記 内 容 を 縦 1.5 メートル 横 1メートルの 大 きさの 紙 に 明 瞭 に 記 載 し 本 命 令 書 交 付 の 日 から7 日 以 内 に 名 古 屋 市 中 村 区 の 事 業 所 内 及 び 同 市 中 川 区 の 工 場 内 の 従 業 員 の 見 やすい 場 所 に それぞれ 10 日 間 掲 示 しなければならない 記 貴 組 合 又 は 貴 組 合 の 分 会 の 組 合 員 に 対 して 行 った 次 に 掲 げる 当 社 の 行 為 が 労 働 組 合 法 第 7 条 第 1 号 第 2 号 又 は 第 3 号 の 不 当 労 働 行 為 に 該 当 すると 愛 知 県 労 働 委 員 1

会 により 認 定 されました 今 後 このような 行 為 を 繰 り 返 さないようにいたします (1) 分 会 組 合 員 に 対 し 貴 組 合 を 誹 謗 中 傷 する 発 言 及 び 貴 組 合 からの 脱 退 を 迫 る 又 は 勧 める 言 動 をしたこと (2)Bに 対 し 平 成 26 年 6 月 17 日 付 け 及 び 10 月 17 日 付 け 異 動 命 令 をしたこと A に 対 し 同 年 6 月 20 日 付 け 及 び9 月 2 日 付 け 異 動 命 令 をしたこと 並 びにCに 対 し 同 年 6 月 20 日 付 け 異 動 命 令 をしたこと (3)Dに 対 し 同 年 7 月 17 日 に 脅 迫 行 為 をしたこと (4) 同 月 14 日 以 降 に 分 会 組 合 員 が 就 労 する 場 所 に 設 置 した 監 視 カメラにより 分 会 組 合 員 の 動 向 を 監 視 したこと (5)B 及 びAに 対 し 同 年 9 月 1 日 に 始 末 書 を 提 出 するよう 要 求 したこと (6) 分 会 組 合 員 に 対 し 分 会 結 成 前 の 慣 例 に 従 い 申 請 された 有 給 休 暇 取 得 相 当 分 の 賃 金 を 削 減 したこと (7) 分 会 組 合 員 に 対 し 平 成 26 年 の 夏 期 賞 与 の 支 給 を 遅 延 したこと 並 びに 同 年 の 夏 期 及 び 冬 期 賞 与 を 減 額 したこと (8) 平 成 26 年 12 月 25 日 の 団 体 交 渉 に 関 し 同 年 の 夏 期 及 び 冬 期 賞 与 金 額 について 根 拠 となる 資 料 を 提 示 しなかったこと 及 び 説 明 をしなかったこと 並 びに 交 渉 権 限 を 有 する 者 を 出 席 させなかったこと 年 月 日 ( 組 合 代 表 者 ) 様 ( 会 社 代 表 者 ) 3 判 断 の 要 旨 (1) 平 成 26 年 5 月 28 日 から 同 年 6 月 25 日 にかけて 会 社 が 組 合 員 に 対 し 行 った 発 言 が 労 組 法 7 条 3 号 の 不 当 労 働 行 為 に 当 たるとしても 本 件 申 立 て 後 に 是 正 され 救 済 利 益 が ないといえるかについて これらの 発 言 は 会 社 の 代 表 者 及 び 役 員 のものであることからすれば 会 社 の 組 合 嫌 悪 の 情 の 現 れとみなせるものであり 組 合 の 弱 体 化 をもたらすおそれがあるものであ って 労 組 法 7 条 3 号 に 該 当 する 不 当 労 働 行 為 であることは 明 らかである そして 本 件 申 立 て 後 も 会 社 が 組 合 員 に 組 合 脱 退 を 求 める 等 の 行 為 を 繰 り 返 してい るとして 組 合 から 審 査 の 実 効 確 保 のための 措 置 勧 告 申 立 てがされ 平 成 27 年 12 月 15 日 当 委 員 会 は 会 社 に 対 し 不 当 労 働 行 為 と 疑 われるような 行 為 を 慎 むよう 勧 告 した が 会 社 がこれに 応 じたとの 事 情 はうかがわれない したがって 本 件 申 立 て 後 に 会 社 の 組 合 に 対 する 対 応 が 是 正 されたとは 到 底 認 めら れないことから これを 是 正 するよう 促 す 必 要 がある よって 組 合 には 救 済 利 益 があるといえる (2) 会 社 が 平 成 26 年 6 月 17 日 付 けのBに 対 する 異 動 辞 令 同 月 20 日 付 けのCに 対 する 2

異 動 辞 令 及 び 同 日 付 けのAに 対 する 異 動 辞 令 を 発 出 したことが 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 当 たるとしても これらは 撤 回 され 救 済 利 益 がないといえるかについて これらの 異 動 命 令 が 事 前 に 何 ら 説 明 もなく 唐 突 に 発 せられ しかも 当 該 異 動 命 令 の 内 容 が 不 合 理 であることは 組 合 員 にとって 不 利 益 であり かつ 上 記 (1)の 不 当 労 働 行 為 の 最 中 に 発 せられたことからすれば B 組 合 員 ら3 名 が 組 合 員 であるが 故 に 行 われたと 解 するのが 相 当 であり 当 該 異 動 命 令 は 労 組 法 7 条 1 号 に 該 当 する 不 当 労 働 行 為 であることが 明 らかである その 後 B 組 合 員 ら3 名 の 異 動 命 令 はいずれも 撤 回 されたことが 認 められ 当 該 異 動 命 令 自 体 の 救 済 の 必 要 性 はないといえる しかしながら 上 記 (1)で 判 断 した 本 件 申 立 て 後 の 会 社 の 組 合 に 対 する 対 応 からして 労 使 関 係 の 正 常 化 が 果 たされたとは いえず 今 後 このような 行 為 が 繰 り 返 されるおそれがあり かつ 過 去 の 出 来 事 につ いて 反 省 を 促 す 必 要 もある よって 組 合 には 救 済 利 益 があるといえる (3) 平 成 26 年 7 月 17 日 会 社 がD 組 合 員 を 脅 した 事 実 が 認 められるか 認 められる 場 合 かかる 会 社 の 行 為 は 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 当 たるかについて 社 長 室 に 一 人 だけ 呼 ばれ 二 人 の 役 員 を 前 に 給 料 の 減 額 の 承 諾 を 迫 られ かつ そ の 一 人 は 日 本 刀 を 手 にしているという 状 況 は 通 常 労 働 者 に 恐 怖 心 を 覚 えさせるも のであり 現 にD 組 合 員 も 手 が 震 えて 社 長 から 求 められた 文 書 を 途 中 までしか 書 くこ とができなかったのであるから 会 社 は 同 人 を 脅 したといえる そして 上 記 の 会 社 による 脅 迫 行 為 は 同 人 に 精 神 的 不 利 益 を 与 えたことは 明 らか であり 当 該 脅 迫 行 為 の 前 日 の 夜 に 第 2 回 団 交 が 開 催 され 同 人 が 初 めて 出 席 したこ と 及 び 同 脅 迫 行 為 が 上 記 (1) 及 び(2)で 判 断 した 不 当 労 働 行 為 が 行 われた 時 期 と 近 接 した 時 期 になされたことを 併 せ 考 えれば 同 脅 迫 行 為 は 同 人 が 組 合 員 である が 故 に 行 われたものと 優 に 認 められる よって 会 社 の 当 該 行 為 は 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 該 当 する (4)ア 会 社 がA 組 合 員 に 対 し 平 成 26 年 9 月 2 日 付 けで 異 動 辞 令 を 発 出 したこと( 以 下 9.2 命 令 という )が 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 当 たるかについて 異 動 命 令 が 異 動 日 の 直 前 に その 理 由 を 付 されることなく 突 然 発 せられ こ れによって6 年 近 く 従 事 した 業 務 内 容 及 び 業 務 場 所 と 異 なる 業 務 に 変 更 させられ ることは 会 社 の 従 業 員 にとって 不 意 打 ちであり 不 利 益 であることは 否 めない この 点 会 社 は 工 場 が 慢 性 的 に 人 手 不 足 であったこと 及 びA 組 合 員 の 社 長 室 への 入 室 拒 否 等 による 社 長 とのトラブルを 避 ける 必 要 があったことを 異 動 命 令 の 理 由 として 主 張 する しかし 前 者 について 何 ら 疎 明 はなく 後 者 については D 組 合 員 に 対 する 社 長 室 での 脅 迫 事 件 の 後 に 開 催 された 第 3 回 団 交 において 組 合 が 会 社 に 対 し 社 長 室 に 組 合 員 を1 人 で 呼 び 出 すことを 止 めるよう 要 求 したこ とが 認 められ A 組 合 員 の 上 記 社 長 室 への 入 室 拒 否 がかかる 事 情 を 背 景 に 行 われ 3

たことからすれば 同 人 の 行 動 は 是 認 できるものであり これを 理 由 とする 異 動 命 令 には 何 ら 合 理 性 はない したがって 会 社 の 主 張 は 採 用 できない 合 理 的 な 理 由 のない 9.2 命 令 が 分 会 結 成 後 組 合 員 として 活 動 しているA 組 合 員 に 対 する 同 年 6 月 23 日 の 実 態 のない 場 所 への 異 動 命 令 同 月 25 日 の 組 合 嫌 悪 とみられる 発 言 並 びに 同 年 8 月 及 び9 月 の 始 末 書 の 提 出 要 求 に 引 き 続 いて 行 われ たこと 分 会 結 成 前 に 本 社 で 事 務 の 仕 事 をしていた 者 が 工 場 へ 異 動 した 例 はなか ったこと 並 びに 上 記 (1) (2) 及 び(3)で 判 断 した 不 当 労 働 行 為 の 状 況 を 併 せ 考 えれば 9.2 命 令 は 同 人 が 組 合 員 であるが 故 に 行 われたものと 優 に 認 めら れる よって 9.2 命 令 は 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 該 当 する イ 会 社 がB 組 合 員 に 対 し 平 成 26 年 10 月 17 日 付 けで 異 動 辞 令 を 発 出 したこと( 以 下 10.17 命 令 という )が 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 当 たるかについて 異 動 命 令 が 異 動 日 の 直 前 に 突 然 発 せられることは たとえその 理 由 が 明 示 さ れていたとしても 会 社 の 従 業 員 にとって 不 意 打 ちであることに 変 わりなく また それからわずか2か 月 以 内 に 辞 令 に 記 載 された 内 容 とは 異 なり かつ 応 募 時 の 内 容 とも 異 なる 業 務 に 変 更 されたことは 不 利 益 であることは 否 めない この 点 会 社 は B 組 合 員 が 商 品 開 発 について 報 告 をせずに 未 着 手 のままであ ったことから 工 場 のほうが 本 社 よりも 商 品 開 発 の 状 況 をチェックする 体 制 の 面 で 優 れていることを 異 動 命 令 の 合 理 的 な 理 由 として 主 張 する しかし 工 場 のチ ェック 体 制 がより 優 れていることについて 会 社 から 何 ら 疎 明 はない また 仮 に 工 場 のチェック 体 制 がより 優 れているとしても 会 社 は 10.17 命 令 からわずか2か 月 以 内 に 同 人 に 対 して 同 辞 令 とは 別 の 業 務 を 命 じたのであって 結 局 のところ 当 該 チェック 体 制 が 意 味 のないものとなることから 当 該 異 動 の 目 的 が 同 人 の 任 務 懈 怠 の 防 止 にあったとは 認 め 難 い 更 に 会 社 が 同 人 に 対 して 同 年 6 月 17 日 に 工 場 への 異 動 を 命 じ 約 1か 月 後 にはこれを 撤 回 したことが 認 められ これらと 10.17 命 令 を 併 せ 考 えれば 約 4か 月 の 間 に 同 人 に 対 する 工 場 への 異 動 命 令 が 繰 り 返 されており このような 会 社 の 行 為 には 一 貫 性 があるとはいえない したがっ て 会 社 の 主 張 は 採 用 できない 合 理 的 な 理 由 のない 10.17 命 令 が 分 会 の 代 表 者 であるB 組 合 員 に 対 する 同 年 6 月 16 日 の 組 合 嫌 悪 とみられる 発 言 翌 17 日 の 工 場 への 異 動 命 令 同 年 7 月 18 日 の 理 由 のない 休 業 命 令 及 び 9.1 始 末 書 命 令 に 引 き 続 いて 行 われたこと 分 会 結 成 前 に 本 社 で 商 品 開 発 の 仕 事 をしていた 者 が 工 場 へ 異 動 した 例 はなかったこと 並 びに 上 記 (1) (2) 及 び(3)で 判 断 した 不 当 労 働 行 為 の 状 況 を 併 せ 考 えれ ば 10.17 命 令 は 同 人 が 組 合 員 であるが 故 に 行 われたものと 優 に 認 められる よって 10.17 命 令 は 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 該 当 する (5) 平 成 26 年 7 月 14 日 以 降 会 社 が 会 社 本 社 事 務 所 に 監 視 カメラを 設 置 したことが 労 4

組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 当 たるかについて 労 働 者 にとって 使 用 者 から 一 挙 手 一 投 足 を 監 視 され いついかなる 理 由 で 呼 び 出 されるか 分 からない 状 況 の 中 で 業 務 を 遂 行 しなければならないという 精 神 的 苦 痛 は 想 像 に 難 くなく 使 用 者 が 監 視 カメラを 設 置 し 従 業 員 を 監 視 することは 不 利 益 取 扱 い にほかならない 会 社 は 監 視 カメラの 設 置 目 的 について 商 品 サンプルへの 異 物 混 入 等 の 事 故 を 防 止 するためである 旨 主 張 するが そうであるならば 監 視 カメラが 商 品 サンプルよ りも 異 物 混 入 の 及 ぼす 影 響 の 遥 かに 大 きい 商 品 そのものを 製 造 する 工 場 に 最 初 に 設 置 されて 然 るべきところ 実 際 には 工 場 に 設 置 されたのは 本 社 より 10 か 月 余 りも 遅 れて いたこと 本 社 において 商 品 開 発 を 行 う 部 屋 のみでなく 事 務 室 及 び 応 接 室 にも 設 置 さ れていたこと 並 びに 架 電 先 を 確 認 するという 些 細 な 理 由 によりB 組 合 員 を 呼 び 出 す ために 使 われていたことからすると 会 社 の 当 該 主 張 は 合 理 性 を 欠 き 採 用 できない このように 監 視 カメラの 設 置 目 的 に 係 る 会 社 の 主 張 は 信 用 し 難 く その 運 用 実 態 は 合 理 性 を 欠 く 上 その 設 置 時 期 の 前 後 に 上 記 (1) (2) (3) 及 び(4)で 判 断 した 会 社 の 一 連 の 不 当 労 働 行 為 が 近 接 していることからすれば その 設 置 は 組 合 員 に 対 する 不 当 労 働 行 為 意 思 の 実 現 として 行 われたことは 否 定 できない よって 平 成 26 年 7 月 14 日 以 降 会 社 が 会 社 本 社 事 務 所 に 監 視 カメラを 設 置 した ことは 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 該 当 する (6) 平 成 26 年 9 月 1 日 会 社 がA 組 合 員 及 びB 組 合 員 に 対 し 始 末 書 を 提 出 するよう 求 め たこと( 以 下 9.1 始 末 書 命 令 という )が 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 当 たる かについて 会 社 は 9.1 始 末 書 命 令 は 懲 戒 処 分 ではなく 業 務 命 令 である 旨 主 張 するが 就 業 規 則 以 外 に 始 末 書 提 出 の 根 拠 はなく かつ 社 長 らが 顛 末 書 の 受 取 りを 拒 否 し 始 末 書 にこだわったことからすれば 9.1 始 末 書 命 令 は 会 社 が 懲 戒 処 分 として 発 したと 考 えるほかない 始 末 書 の 提 出 命 令 が 懲 戒 処 分 であること 及 びその 根 拠 を 明 示 されることなく か つ 弁 明 の 機 会 も 与 えられずに 発 せられるということは 労 働 者 にとって 不 利 益 であ ることは 明 らかである そして 会 社 が 分 会 結 成 前 にB 組 合 員 及 びA 組 合 員 の 行 った 行 為 に 匹 敵 するような 内 容 で 始 末 書 の 提 出 を 求 めたことがなかったことに 加 え 9.1 始 末 書 命 令 の 前 後 に 上 記 (1) (2) (3) (4) 及 び(5)で 判 断 した 会 社 の 一 連 の 不 当 労 働 行 為 が 近 接 し ていることからすれば 9.1 始 末 書 命 令 は 両 名 が 組 合 員 であるが 故 に 行 われたものと みるのが 相 当 である よって 9.1 始 末 書 命 令 は 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 該 当 する (7) 会 社 が 組 合 員 に 対 し 有 給 休 暇 取 得 相 当 分 の 賃 金 削 減 を 行 った 事 実 が 認 められるか 認 められる 場 合 かかる 会 社 の 行 為 は 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 当 たるかに 5

ついて 平 成 27 年 1 月 B 組 合 員 及 びA 組 合 員 が 会 社 に 対 し 平 成 26 年 6 月 から 11 月 まで の 間 に 有 給 休 暇 取 得 分 として 減 額 された 賃 金 相 当 分 を 支 払 うよう 請 求 したこと 及 び 平 成 27 年 2 月 に 名 古 屋 西 労 働 基 準 監 督 署 が 会 社 に 対 し 同 期 間 における 有 給 休 暇 取 得 分 に 係 る 未 払 賃 金 の 支 払 を 勧 告 したことが 認 められ このことから 両 名 の 賃 金 が 同 期 間 において 減 額 されていた 事 実 は 明 らかである 分 会 結 成 前 は 有 給 休 暇 について 前 日 までの 申 請 及 び 当 日 事 後 の 申 請 並 びに 半 休 時 間 単 位 の 取 得 が 慣 例 的 に 承 認 されていたことが 認 められ これらに 係 る 賃 金 が 減 額 されるということは 想 定 されていなかったといえる したがって 分 会 結 成 後 にB 組 合 員 及 びA 組 合 員 の 有 給 休 暇 取 得 相 当 分 に 係 る 賃 金 が 減 額 されるということは 慣 例 に 反 するものであって 不 利 益 にほかならない なお 会 社 は 有 給 休 暇 は1 週 間 前 までに 届 け 出 るとの 内 規 があり これを 従 業 員 に 周 知 していた 旨 主 張 するが これについて 何 ら 疎 明 はなく 当 該 主 張 は 採 用 できな い また 会 社 によるB 組 合 員 及 びA 組 合 員 に 対 する 有 給 休 暇 取 得 相 当 分 の 賃 金 削 減 が 分 会 結 成 の 翌 月 以 降 からであることに 加 え 上 記 (1) (2) (3) (4) (5) 及 び(6)で 判 断 した 会 社 の 一 連 の 不 当 労 働 行 為 の 時 期 と 重 なっていることからすれば 両 名 が 組 合 員 であるが 故 に 行 われたものとみるのが 相 当 である よって 会 社 が 組 合 員 に 対 し 有 給 休 暇 取 得 相 当 分 の 賃 金 削 減 を 行 った 事 実 が 認 めら れ かかる 会 社 の 行 為 は 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 該 当 する (8) 会 社 が 組 合 員 に 対 し 平 成 26 年 の 夏 期 賞 与 を 例 年 より 遅 く 同 年 11 月 10 日 に 支 払 った こと 並 びに 会 社 が 組 合 員 に 対 する 同 年 の 夏 期 及 び 冬 期 賞 与 を 例 年 に 比 し 減 額 したこと が 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 当 たるかについて ア 夏 期 賞 与 について 会 社 は 組 合 員 に 対 する 平 成 26 年 の 夏 期 賞 与 について 支 給 が 例 年 よりも 大 幅 に 遅 れ かつ 大 幅 に 減 額 した 理 由 について 赤 字 決 算 であったからである 旨 主 張 す る しかし 会 社 が 当 該 赤 字 決 算 を 証 するものとして 当 委 員 会 に 提 出 した 唯 一 の 証 拠 である 証 明 書 は 直 近 3 期 分 の 所 得 金 額 の 申 告 欄 の 額 が 記 載 されているにすぎず これのみでは 会 社 が 赤 字 決 算 であることを 判 断 することは 到 底 できない 加 えて 会 社 が 平 成 26 年 の 夏 期 賞 与 を 組 合 非 加 入 のパート 従 業 員 に 対 して 例 年 ど おりの 時 期 及 び 額 で 支 払 っていること 並 びに 平 成 26 年 7 月 期 と 平 成 25 年 7 月 期 の 証 明 書 の 所 得 金 額 の 申 告 欄 の 記 載 は 同 じ 零 円 であるにもかかわらず 会 社 が 平 成 25 年 の 夏 期 賞 与 を 各 従 業 員 に 対 して 例 年 どおり 支 払 っていることからすれば 会 社 の 平 成 26 年 7 月 期 に 赤 字 決 算 であったとする 主 張 はにわかには 信 じ 難 い このように 会 社 による 組 合 員 のみを 対 象 とした 夏 期 賞 与 の 支 給 遅 延 及 び 減 額 は その 合 理 的 理 由 を 何 ら 見 出 し 難 い 上 上 記 (1) (2) (3) (4) (5) (6) 6

及 び(7)で 判 断 した 会 社 の 一 連 の 不 当 労 働 行 為 の 時 期 と 重 複 していることからす れば 当 該 行 為 が 組 合 員 であるが 故 に 行 われたものとみるのが 相 当 である イ 冬 期 賞 与 について 会 社 は 組 合 員 に 対 する 平 成 26 年 の 冬 期 賞 与 を 大 幅 に 減 額 した 理 由 について 同 年 の 夏 期 賞 与 と 同 様 赤 字 決 算 であったからである 旨 主 張 するが 当 該 理 由 に 何 ら 合 理 性 を 見 出 し 難 いことは 上 記 アで 述 べたとおりであり 会 社 による 組 合 員 のみを 対 象 とした 冬 期 賞 与 の 減 額 が 上 記 (1) (2) (3) (4) (5) (6) 及 び(7) で 判 断 した 会 社 の 一 連 の 不 当 労 働 行 為 の 時 期 に 引 き 続 いていることからすれば 当 該 行 為 が 組 合 員 であるが 故 に 行 われたものとみるのが 相 当 である ウ なお 会 社 は パート 従 業 員 に 支 給 した 金 銭 について 賞 与 ではなく 手 当 である 旨 主 張 するが 当 該 金 額 は 賞 与 明 細 書 の 賞 与 額 欄 に 記 載 されており これを 覆 す 疎 明 もないのであるから 当 該 主 張 は 詭 弁 であって 採 用 できない エ 以 上 より 会 社 が 組 合 員 に 対 し 平 成 26 年 の 夏 期 賞 与 を 例 年 より 遅 く 同 年 11 月 10 日 に 支 払 ったこと 並 びに 同 年 の 夏 期 及 び 冬 期 賞 与 を 例 年 に 比 し 減 額 したことは いずれも 労 組 法 7 条 1 号 の 不 当 労 働 行 為 に 該 当 する (9) 平 成 26 年 12 月 25 日 の 団 交 ( 以 下 12.25 団 交 という )に 関 し 会 社 が 夏 期 及 び 冬 期 賞 与 金 額 について 根 拠 となる 資 料 を 提 示 し 説 明 しなかった 事 実 並 びに 会 社 が 夏 期 及 び 冬 期 賞 与 について 交 渉 権 限 を 有 する 者 を 出 席 させなかった 事 実 が 認 められるか 認 められる 場 合 かかる 会 社 の 行 為 は 労 組 法 7 条 2 号 の 不 当 労 働 行 為 に 当 たるかに ついて 12.25 団 交 において 会 社 は 夏 期 及 び 冬 期 賞 与 金 額 について 何 ら 資 料 を 提 示 せず 納 得 のいく 説 明 も 行 わなかったものであり 出 席 したE 弁 護 士 及 びF 部 長 は 組 合 か らの 質 問 に 対 して 具 体 的 なことは 何 も 答 えることができず 4 日 後 に 迫 った 冬 期 賞 与 の 支 払 金 額 ですら 全 く 把 握 しておらず 社 長 のみが 実 情 を 把 握 していることを 述 べる にとどまり 交 渉 担 当 者 としての 役 割 を 果 たしているとは 到 底 いい 難 い よって 12.25 団 交 に 関 し 会 社 が 夏 期 及 び 冬 期 賞 与 金 額 について 根 拠 となる 資 料 を 提 示 しなかったこと 及 び 説 明 をしなかったこと 並 びに 交 渉 権 限 を 有 する 者 を 出 席 させ なかったことの 各 事 実 が 認 められることから かかる 会 社 の 行 為 は 労 組 法 7 条 2 号 の 不 当 労 働 行 為 に 該 当 する 7