柳之御所遺跡第 75 次調査の成果 平泉町 岩手県平泉遺跡群調査事務所 櫻井友梓 伊藤みどり 岩渕 計 佐藤郁哉 1 今年度の調査位置と目的 今年度の調査は柳之御所遺跡の南西部にあたり 無量光院跡と近接し 猫間が淵跡と呼ばれ る低地帯にかけての範囲を対象にしました 堀内部と外部とを区切る2条の堀跡が位置すると 考えられてきた範囲を対象としています 図1 この地点は 水田として利用されてきました が 周囲の調査状況から2条の堀跡が延長すると考えられ 後世の改変が少なく良好に残存す ることが期待されていた範囲です 以前の調査で一部トレンチを設定し調査を行っており 堀 跡を確認していますが 周辺の状況など不明な点が多く残されていました 今年度は 2条の堀跡の存在が推測され 無量光院跡周囲の地形の観察から遺構の所在が想 定できる範囲の遺構を確認し 一部にトレンチを設定して遺構の分布や堆積の状況 遺物の様 相を検討することを目的に調査を行いました 2 調査成果 調査範囲では内側と外側の堀跡 2時期 にわたる整地層 橋状の遺構を確認しまし ②72次調査区 た 内側の堀跡 内側の堀跡は 現在の町道に沿うように 確認しました 柳之御所遺跡側の上端は現 在の道路の下に伸びており確認できていま ③73次調査区 ④今年度調査範囲 今年度調査位置 2 2 5& 2 2 2 2 2 2 5& せんが 底面からの立ち上がりから幅は10 12m程と考えられます 深さは2m程 で 断面の形状は逆台形となっています 25年度調査範囲 他の地点では4m程の深さで確認されて おり やや浅く感じられますが 柳之御所 遺跡の内部からの比高を考えると 今回確 中心建物 認した外側部分との比高より深くなること が想定でき 遺跡内部からみた際には他地 点と同規模の堀跡であったと考えられま 池跡 す また 断面の形状は今回確認した範囲 では逆台形状ですが V字の範囲があるな ①21 69 70次調査区 ど 地点によって異なっていたことがわか 堀跡 ります 外側の堀跡 幅は5 6m程 深さ2m程の逆台形の 図1 柳之御所遺跡第75次調査位置図 8
鍳
鍳
鍳
餺
餺 餺 餺 餺 餺 餺 餺 餺 餺 餺 餺
餺 餺 餺 餺
餺 揪 餺 虀