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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 2 年 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものです ( 単 位 : ) 3 職 員 の 平 均 給 与 月

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公表表紙

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

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技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 最 高 号 給 の 給 料 月 額 243,7 37,8 35

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1 総括

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) (H25.4.1) (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.7.1) (H25.4.1) (H25.7.1)

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特 集 外 国 人 労 働 の 現 状 と 課 題 国 際 人 口 移 動 の 選 択 肢 とそれらが 将 来 人 口 を 通 じて 公 的 年 金 財 政 に 与 える 影 響 石 井 太 ( 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 部 長 ) 是 川 夕 ( 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 主 任 研 究 官 ) 本 研 究 では, 外 国 人 受 入 れ 及 びその 公 的 年 金 制 度 適 用 に 関 する 複 数 の 前 提 条 件 の 下 に, 外 国 人 人 口 受 入 れによる 将 来 人 口 の 変 化 について 仮 想 的 シミュレーションを 行 い, 公 的 年 金 に 与 える 財 政 影 響 に 関 して 人 口 学 的 観 点 からの 分 析 を 行 った 様 々なパターンに 共 通 して, 受 け 入 れた 外 国 人 を 厚 生 年 金 に 適 用 する 場 合 には 所 得 代 替 率 上 昇 効 果 があるのに 対 して, 国 民 年 金 に 適 用 する 場 合 は 大 きな 効 果 は 見 られなかった 特 に, 受 け 入 れた 外 国 人 を 厚 生 年 金 へ 適 用 する 場 合, 基 礎 年 金 の 水 準 低 下 幅 の 拡 大 が 抑 えられることから, 基 礎 年 金 水 準 低 下 問 題 に 対 応 する 効 果 があることが 明 らかとなった しばしば, 外 国 人 労 働 者 受 入 れに 関 する 議 論 は, 当 面 の 労 働 力 不 足 を 補 うだけの 短 期 的 視 点 で 行 われることがあるが, 本 研 究 の 成 果 によれば, 受 け 入 れた 外 国 人 は 将 来, 高 齢 化 して 年 金 受 給 者 に 回 る 一 方 で, 家 族 呼 び 寄 せや 出 生 行 動 等 は 新 たな 支 え 手 を 生 み 出 す 原 動 力 ともなっている また, 長 期 的 な 人 口 動 向 や 年 金 制 度 への 影 響 は, 選 択 する 国 際 人 口 移 動 の 政 策 やそれに 伴 う 出 生 水 準 等 の 人 口 学 的 要 因,また 適 用 する 年 金 制 度 によって 様 々に 異 なる 外 国 人 受 入 れに 関 する 公 的 年 金 への 影 響 評 価 にあたっては, 本 研 究 で 考 察 を 行 ったような 様 々な 影 響 を 織 り 込 んだ 長 期 的 な 評 価 を 行 うことが 具 体 的 な 施 策 の 議 論 にとって 極 めて 重 要 である 目 次 Ⅰ はじめに Ⅱ 先 行 研 究 Ⅲ データと 方 法 Ⅳ 結 果 と 考 察 Ⅴ まとめ Ⅰ はじめに わが 国 は 現 在, 先 進 諸 国 の 中 でも 極 めて 低 い 出 生 水 準 となっており,また,このような 低 水 準 出 生 率 の 継 続 が 見 込 まれることから, 今 後, 恒 常 的 な 人 口 減 少 過 程 を 経 験 するものと 見 られている さらにこれに 加 え, 平 均 寿 命 は 国 際 的 にトップク ラスの 水 準 を 保 ちつつ,なお 延 伸 が 継 続 しており, 少 子 化 と 長 寿 化 が 相 俟 って, 他 の 先 進 諸 国 でも 類 を 見 ないほど 急 速 に 人 口 の 高 齢 化 が 進 行 するもの と 見 られている わが 国 ではこれまで, 外 国 人 人 口 受 入 れに 関 し ては 比 較 的 保 守 的 な 政 策 を 採 ってきたことから, これら 少 子 高 齢 化 がもたらす 問 題 の 解 決 策 とし ての 外 国 人 人 口 受 入 れに 関 する 本 格 的 な 定 量 分 析 が 十 分 に 行 われてきたとは 言 い 難 い 状 況 にある 本 研 究 は,このような 分 析 を 行 った 先 行 研 究 であ る 石 井 是 川 武 藤 (2013)を 発 展 させ, 複 数 の 前 提 条 件 の 下 に, 外 国 人 人 口 受 入 れによる 将 来 人 口 の 変 化 について 仮 想 的 シミュレーションを 行 っ てこれが 公 的 年 金 に 与 える 財 政 影 響 を 人 口 学 的 観 点 から 分 析 することを 目 的 とする 日 本 労 働 研 究 雑 誌 41

Ⅱ 先 行 研 究 移 民 は, 通 常, 貧 しい 国 から 経 済 的 に 発 展 した 国 へ 向 かうことから, 受 入 れ 国 における 財 政 影 響 がしばしば 問 題 とされる 移 入 者 は 公 的 援 助 を 必 要 としたり, 子 どもへの 教 育 費 用 がかかることか ら, 非 移 入 者 の 税 負 担 増 を 招 くのではないかとい う 議 論 がある 一 方 で, 高 齢 化 を 緩 和 し, 年 金 の 負 担 を 軽 減 するのではないかという 議 論 もある 一 般 に, 多 くの 移 入 者 は 負 担 をするとともに 受 益 も あることから,ネットでの 財 政 影 響 が 問 題 となる このような 外 国 人 受 け 入 れに 関 して 影 響 評 価 を 行 った 人 口 学 分 野 での 代 表 的 な 先 行 研 究 として LeeandMiller(1997) が 挙 げられる Leeand Miller(1997)では, 移 入 者 の 受 益 負 担 に 関 す る 年 齢 プロファイルを 世 代 毎 に 推 定 し, 長 期 的 な 人 口 プロジェクションと 組 み 合 わせることによ り, 追 加 的 移 民 に 関 する 影 響 を 評 価 している LeeandMiller(1997)の 研 究 の 対 象 は 公 的 年 金 に 限 らず, 全 ての 受 益 と 負 担 であるが, 長 期 的 な 人 口 シミュレーションを 用 いて 移 民 の 影 響 を 評 価 するという 点 は 本 研 究 と 共 通 している 特 に, 年 金 財 政 への 評 価 に 関 し,このようなアプローチは アクチュアリアル( 年 金 数 理 的 )な 財 政 影 響 評 価 法 とも 共 通 性 があるものと 考 えられる 公 的 年 金 の 財 政 をアクチュアリアルに 評 価 するものの 代 表 例 は 厚 生 労 働 省 が 行 っている 財 政 検 証 ( 旧 財 政 再 計 算 )( 厚 生 労 働 省 2010)であるが, 財 政 検 証 では 人 口 プロジェクションを 基 礎 データとして 用 いて おり, 人 口 シミュレーションとの 親 和 性 が 高 い 一 方,わが 国 に 外 国 人 を 受 け 入 れるとした 場 合 の 公 的 年 金 への 影 響 に 関 する 先 行 研 究 としては 様 々な 角 度 のものがあり, 外 国 人 の 社 会 保 障 制 度 上 の 取 扱 いについて 制 度 面 からアプローチした 高 藤 (2001)や, 経 済 理 論 面 からアプローチしたも のとして, 公 的 年 金 と 移 民 受 け 入 れに 関 して 移 民 の 経 済 厚 生 格 差 への 影 響 を 評 価 した 上 村 神 野 (2010)などが 挙 げられるが, 本 研 究 に 関 しては, シミュレーションやモデル 等 を 活 用 した 定 量 的 な 財 政 影 響 評 価, 特 にアクチュアリアルなアプロー チを 用 いて 財 政 影 響 評 価 を 行 ったものがより 直 接 42 的 な 先 行 研 究 といえよう 公 的 年 金 に 関 してその 財 政 をアクチュアリアル に 評 価 するものの 代 表 例 が 財 政 検 証 であることは 先 述 の 通 りであるが, 学 術 分 野 においても 公 的 年 金 財 政 をアクチュアリアルなアプローチを 用 いて 評 価 した 先 行 研 究 は 多 数 存 在 する 山 本 (2010b) はそれらに 関 する 包 括 的 なレビューを 行 ったもの であるが,OSU モデルを 提 案 した 八 田 小 口 (1999)や 財 政 検 証 のプログラムを 応 用 した 山 本 (2010a)や 山 本 (2012)などが 代 表 的 なものとし て 挙 げられる また, 公 的 年 金 財 政 への 影 響 を 念 頭 に, 外 国 人 の 移 入 などを 変 化 させた 場 合 の 長 期 的 な 将 来 人 口 の 動 向, 特 に 老 年 従 属 人 口 指 数 に 与 える 影 響 を 分 析 したものとして 石 井 (2008)が 挙 げられる こ れをさらに 具 体 化 し,わが 国 に 外 国 人 労 働 者 を 受 け 入 れたとした 場 合 の 長 期 的 な 将 来 人 口 の 動 向 を シミュレーションするとともに,その 公 的 年 金 等 に 与 えるマクロ 的 な 財 政 影 響 を 定 量 的 に 評 価 した のが 石 井 是 川 武 藤 (2013)であるが, 本 研 究 はこの 研 究 をさらに 発 展 させ, 国 際 人 口 移 動 に 関 してより 幅 広 い 選 択 肢 を 設 定 し,それらに 対 応 す る 外 国 人 女 性 の 出 生 パターンの 違 いを 考 慮 して 評 価 を 行 うものである Ⅲ データと 方 法 本 研 究 で 行 うシミュレーションの 全 体 構 成 は 石 井 是 川 武 藤 (2013)と 同 様, 図 1 に 示 すとお りであり, 将 来 の 人 口 シミュレーションを 行 う 人 口 ブロック と 年 金 制 度 ( 厚 生 年 金 国 民 年 金 ) への 評 価 を 行 う 年 金 ブロック から 成 る 人 口 ブロックでは, 外 国 人 受 入 れに 関 するシナリオ 設 定 とともに, 外 国 人 人 口 の 長 期 シミュレーション を 実 行 する 年 金 ブロックでは, 人 口 ブロックで 推 計 された 人 口 に 基 づき 給 付 費 推 計 を 行 い, 全 体 の 収 支 計 算 を 実 行 する 1 人 口 ブロック 外 国 人 受 入 れに 関 する 将 来 人 口 の 変 化 について は, 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 (2007)の 日 本 の 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 18 年 12 月 推 計 )の 仮 定 No.662/September2015

論 文 国 際 人 口 移 動 の 選 択 肢 とそれらが 将 来 人 口 を 通 じて 公 的 年 金 財 政 に 与 える 影 響 図 1 シミュレーションの 全 体 構 成 値 及 び 推 計 結 果 を 利 用 し,これにさらに 以 下 のよ うな 前 提 の 下 に 外 国 人 労 働 者 を 政 策 的 に 受 け 入 れ たとして 将 来 人 口 の 仮 想 的 シミュレーションを 実 行 した まず, 政 策 的 に 労 働 者 として 受 け 入 れる 外 国 人 については, 以 下 の 3 つのパターンを 想 定 した すなわち,パターン 1: 男 性 労 働 者 ( 低 賃 金 ),パ ターン 2: 男 性 労 働 者 ( 高 賃 金 ),パターン 3: 女 性 労 働 者 ( 低 賃 金 )の 3 通 りである 受 け 入 れる 外 国 人 労 働 者 の 規 模 については, 韓 国 の 雇 用 許 可 制 などを 参 考 にした 石 井 是 川 武 藤 (2013) 同 様, 毎 年 10 万 人 とすることとし, 受 入 れ 外 国 人 労 働 者 の 年 齢 分 布 については, 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 (2012) 日 本 の 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 24 年 1 月 推 計 )における 18 34 歳 の 外 国 人 入 国 超 過 年 齢 分 布 を 利 用 した 一 般 に, 移 入 した 外 国 人 は, 滞 在 長 期 化 家 族 呼 び 寄 せ 現 地 での 家 族 形 成 などの 過 程 を 経 て 定 住 化 していくとされている そこで, 本 研 究 にお いては, 単 純 に 政 策 的 に 外 国 人 労 働 者 のみを 受 け 入 れ, 彼 らが 定 住 すると 考 える 受 入 れケース A に 加 え,さらに, 配 偶 者 等 の 家 族 の 帯 同 呼 び 寄 せ,また,そこからの 第 2 世 代 の 誕 生 などを 前 提 とする 受 入 れケース B という 複 数 のシナリオ を 設 定 することとした ここで,パターン 1 とパ ターン 2 については, 先 行 研 究 と 同 様, 配 偶 者 等 の 家 族 の 帯 同 呼 び 寄 せを 考 えるが,パターン 3 については, 配 偶 者 は 日 本 人 男 性 であると 仮 定 し, 配 偶 者 等 の 家 族 の 帯 同 呼 び 寄 せは 行 わないこと とした したがって, 同 じ 受 入 れケース B で あっても,パターン 1 とパターン 2 については 第 1 世 代 として 移 入 するレベルが 受 入 れケース A よりも 大 きいのに 対 し,パターン 3 について は 同 じであり, 両 者 の 移 入 レベルが 違 っているこ とに 注 意 する 必 要 がある なお,パターン 1 とパ ターン 2 における 配 偶 者 や 家 族 の 帯 同 呼 び 寄 せ に 関 する 仮 定 は 石 井 是 川 武 藤 (2013)と 同 様 とした 1) 次 に, 外 国 人 女 性 の 出 生 仮 定 について 述 べる 石 井 是 川 武 藤 (2013)では, 将 来 人 口 推 計 で 用 いている 外 国 人 出 生 率 仮 定 をそのまま 用 いるこ とを 基 本 としているが,これはわが 国 の 現 在 にお ける 様 々な 国 籍 が 混 在 する 外 国 人 女 性 の 出 生 状 況 を 固 定 したものであり, 特 定 の 外 国 人 労 働 者 受 入 れの 政 策 に 応 じて, 日 本 国 内 で 起 こると 考 えられ る 出 生 パターンの 変 化 を 反 映 することができな い 一 方 で, 出 生 パターンの 変 化 は 長 期 の 出 生 動 向 に 大 きな 影 響 を 及 ぼすことから, 国 際 人 口 移 動 の 選 択 肢 に 応 じてこのような 出 生 パターンの 変 化 を 織 り 込 むことが 人 口 学 的 には 望 ましいと 考 えら 日 本 労 働 研 究 雑 誌 43

図 2 国 籍 別 年 齢 別 出 生 率 れる そこで, 本 研 究 においては, 先 に 設 定 した 3 つのパターンに 応 じて, 外 国 人 女 性 の 出 生 率 に 変 化 を 持 たせることとした 外 国 人 女 性 の 年 齢 別 出 生 率 の 基 礎 データとして は, 是 川 (2013)の 推 計 結 果 を 用 いた 是 川 (2013) は, 国 勢 調 査 の 個 票 データを 利 用 し, 在 日 外 国 人 について, 韓 国 朝 鮮, 中 国,フィリピン, タイ,ベトナム,ブラジルの 国 籍 保 有 者 に 関 する 女 性 の 年 齢 5 階 級 別 出 生 率 を 同 居 児 法 により 推 計 したものである それぞれの 国 際 人 口 移 動 の 選 択 肢 に 対 応 する 出 生 パターンとして,パターン 1( 男 性 労 働 者 ( 低 賃 金 ))については, 現 在, 製 造 業 等 に 多 いと 考 えられるブラジル 国 籍 の 出 生 パターンとすること とした ブラジル 国 籍 の 合 計 出 生 率 は 1.22, 平 均 出 生 年 齢 は 29.4 である 比 較 のため, 外 国 人 国 籍 と 同 様 に 同 居 児 法 によって 求 めた 日 本 人 の 合 計 出 生 率 は 1.34, 平 均 出 生 年 齢 は 31.2 となってい ることから, 合 計 出 生 率 は 日 本 よりやや 低 いが, 出 生 タイミングは 日 本 よりも 早 いものとなってい る 次 に,パターン 2( 男 性 労 働 者 ( 高 賃 金 ))は 知 的 労 働 者 等 に 多 いと 考 えられる 中 国 国 籍 の 出 生 44 パターンとした 中 国 国 籍 の 合 計 出 生 率 は 0.88 と 日 本 人 よりもかなり 低 く, 平 均 出 生 年 齢 も 32.3 と 晩 産 化 が 進 んだパターンとなっている 最 後 に, パターン 3( 女 性 労 働 者 ( 低 賃 金 ))は, 介 護 労 働 などを 念 頭 にフィリピン 国 籍 の 女 性 パターンを 利 用 することとした フィリピン 国 籍 の 合 計 出 生 率 は 1.42 であることから 日 本 よりもやや 高 く,また, 平 均 出 生 年 齢 も 29.2 と 日 本 よりも 早 いパターン となっている なお, 将 来 人 口 のシミュレーションにあたって は,5 歳 階 級 ではなく, 年 齢 各 歳 での 出 生 率 関 数 が 必 要 となる そこで,5 歳 階 級 別 出 生 率 の 累 積 分 布 関 数 にスプライン 曲 線 を 当 てはめ 2),これを 各 歳 の 累 積 分 布 関 数 とすることによって 年 齢 別 出 生 率 を 求 めた( 図 2) 2 年 金 ブロック 年 金 の 財 政 影 響 評 価 に 当 たっては, 厚 生 労 働 省 年 金 局 (2010)の 平 成 21 年 財 政 検 証 システムを 基 本 とし,これに 外 国 人 労 働 者 を 受 け 入 れた 場 合 の 影 響 を 評 価 できるようなモジュールを 独 自 に 開 発 して 加 えることによってシミュレーションを 実 No.662/September2015

論 文 国 際 人 口 移 動 の 選 択 肢 とそれらが 将 来 人 口 を 通 じて 公 的 年 金 財 政 に 与 える 影 響 行 した 本 研 究 では, 図 1 で 示 したとおり, 人 口 ブロッ クで 推 計 された 外 国 人 人 口 に 基 づいて 外 国 人 被 保 険 者 数 およびこれに 対 応 する 給 付 費 を 推 計 し, 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 推 計 及 び 国 民 年 金 厚 生 年 金 収 支 計 算 にこれらを 投 入 することによって 公 的 年 金 への 財 政 影 響 を 評 価 している これにより, 財 政 検 証 と 整 合 的 かつ 制 度 に 忠 実 にシミュレー ションを 行 うことが 可 能 となっている 公 的 年 金 に 関 しては, 平 成 21 年 財 政 検 証 以 降, 社 会 保 障 税 一 体 改 革 の 中 で 年 金 関 連 四 法 2) が 成 立 し,その 後, 社 会 保 障 制 度 改 革 国 民 会 議 の 議 論 を 踏 まえて 成 立 した 社 会 保 障 改 革 プログラム 法 に おいて,マクロ 経 済 スライドの 見 直 し, 短 時 間 労 働 者 に 対 する 被 用 者 保 険 の 適 用 拡 大, 高 齢 期 の 就 労 と 年 金 受 給 の 在 り 方, 高 所 得 者 の 年 金 給 付 の 見 直 し,という 4 つの 検 討 課 題 が 明 記 された そし て, 新 たに 平 成 26 年 財 政 検 証 が 行 われるととも に,これらの 検 討 課 題 に 対 応 した オプション 試 算 が 実 施 され,これに 基 づいて 社 会 保 障 審 議 会 年 金 部 会 において 行 われた 議 論 の 整 理 が 本 年 1 月 に 取 りまとめられている このように, 平 成 21 年 財 政 検 証 に 代 わる 平 成 26 年 財 政 検 証 が 行 われ たこと,また,その 後 の 法 改 正 などを 踏 まえると, 今 後 の 年 金 制 度 の 姿 やその 評 価 に 関 する 状 況 は, 平 成 21 年 財 政 検 証 時 点 と 現 在 では 異 なっている 面 があることは 否 めない しかしながら, 現 在 の ところ 平 成 26 年 財 政 検 証 のシステムはまだ 公 開 されておらず 利 用 可 能 な 状 況 にないこと, 一 方 で 本 研 究 が 目 的 としているのは, 外 国 人 労 働 者 を 受 け 入 れたとした 場 合 に 公 的 年 金 がいかなる 影 響 を 受 けるかを 評 価 することであり, 平 成 21 年 財 政 検 証 ベースでのシミュレーションによっても, 相 対 的 な 影 響 の 方 向 性 やインパクトを 評 価 すること は 十 分 に 可 能 である したがって, 本 研 究 におい ては 平 成 21 年 財 政 検 証 結 果 を 基 本 ケースとして 評 価 を 行 うこととした また, 現 在 の 年 金 制 度 においては, 短 期 に 滞 在 した 外 国 人 に 対 しては 国 民 年 金, 厚 生 年 金 から 脱 退 一 時 金 を 請 求 することができる 他,15 カ 国 (2015 年 5 月 現 在 )の 間 で, 保 険 料 の 二 重 負 担 防 止 及 び 年 金 加 入 期 間 の 通 算 の 観 点 からの 社 会 保 障 協 定 が 締 結 されている このように, 現 行 法 にお いては 外 国 人 の 年 金 制 度 上 の 取 扱 いは 日 本 人 とは 異 なるものとなっている これまで,わが 国 では 国 際 人 口 移 動 の 水 準 が 低 く,また 定 住 化 する 者 も それほど 多 くなかったと 考 えられ, 日 本 での 一 定 期 間 の 滞 在 後 帰 国 し 脱 退 一 時 金 を 受 け 取 ることで 年 金 制 度 上 の 影 響 もほとんど 考 慮 する 必 要 がな かったと 考 えられる しかしながら, 本 研 究 で 評 価 を 行 おうとしているのは,より 本 格 的 に 外 国 人 労 働 者 を 受 け 入 れ,かつ, 彼 らが 定 住 化 し, 家 族 形 成 などを 行 ったとした 場 合 の 影 響 についてであ り, 本 研 究 においては, 受 け 入 れた 外 国 人 は 年 金 制 度 上 日 本 人 と 全 く 同 じ 取 扱 いをするという 前 提 を 置 いている 次 に, 年 金 制 度 への 適 用 に 関 するシナリオ 設 定 について 述 べる 外 国 人 労 働 者 を 受 け 入 れ,かつ その 配 偶 者 等 の 家 族 が 日 本 に 定 住 化 した 場 合 に 彼 らが 適 用 される 年 金 制 度 には 様 々なケースが 考 え られる 労 働 者 がフルタイムで 働 く 場 合 には 厚 生 年 金 の 被 保 険 者 として 適 用 されると 考 えられる が,パートタイマーになった 場 合 には 国 民 年 金 1 号 被 保 険 者 となるケースも 考 えられる また, 受 け 入 れた 外 国 人 の 配 偶 者 についても 様 々なケース が 想 定 される そこで, 本 研 究 では 以 下 のような 対 照 的 な 2 つのシナリオを 想 定 することとした 受 入 れケース A,B: 受 け 入 れた 外 国 人 労 働 者 (18 64 歳 )は 全 て 厚 生 年 金 に 適 用 され ると 考 えるケース 受 入 れケース B では, 第 2 世 代 以 降 の 男 性 を 厚 生 年 金 適 用 とし, 男 性 労 働 者 を 受 入 れた 場 合 の 第 1 世 代 女 性 配 偶 者,また, 第 2 世 代 以 降 の 女 性 については 全 て 国 民 年 金 3 号 被 保 険 者 (20 59 歳 )とな るものとする 受 入 れケース A,B : 受 け 入 れた 外 国 人 労 働 者 (20 59 歳 )は 全 て 国 民 年 金 1 号 とな ると 考 えるケース 受 入 れケース B では, 第 2 世 代 以 降 の 男 性, 配 偶 者 やその 子 世 代 の 女 性 についても 全 て 国 民 年 金 1 号 被 保 険 者 (20 59 歳 )となるものとする 実 際 には 受 け 入 れた 外 国 人 労 働 者 は 両 ケースの 中 間 となると 考 えられることから, 年 金 制 度 への 財 政 影 響 についても,この 両 ケースの 結 果 からあ 日 本 労 働 研 究 雑 誌 45

表 1 外 国 人 受 入 れに 関 するパターン ケース 分 けと 厚 生 年 金 の 所 得 代 替 率 推 計 結 果 ケース 厚 生 年 金 で 受 入 れ 国 民 年 金 で 受 入 れ 受 入 れ 外 国 人 のみ 帯 同 者 第 2 世 代 あり 受 入 れ 外 国 人 のみ 帯 同 者 第 2 世 代 あり 政 策 受 入 れのパターン 外 国 人 女 性 出 生 パターン 国 籍 合 計 出 生 率 平 均 出 生 年 齢 A B1 ( 第 2 世 代 低 賃 金 ) B2 ( 第 2 世 代 高 賃 金 ) A B パターン 1: 男 性 労 働 者 ( 低 賃 金 ) ブラジル 1.22 29.4 53.9 57.2 57.7 50.2 51.7 パターン 2: 男 性 労 働 者 ( 高 賃 金 ) 中 国 0.88 32.3 54.9 58.2 58.5 50.2 51.4 パターン 3: 女 性 労 働 者 ( 低 賃 金 ) フィリピン 1.42 29.2 53.0 55.4 56.0 50.1 51.0 る 程 度 類 推 することが 可 能 となる 受 入 れケース A,B においては, 受 け 入 れた 外 国 人 労 働 者, 及 び 第 2 世 代 以 降 の 男 性 の 賃 金 プロ ファイルについての 仮 定 が 必 要 となる 受 け 入 れ た 外 国 人 労 働 者 については,パターン 1 は 男 性 低 賃 金,パターン 2 は 男 性 高 賃 金,パターン 3 は 女 性 低 賃 金 との 仮 定 であることから, 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 の 中 学 卒 男 性, 大 学 卒 男 性, 中 学 卒 女 性 のデータを 利 用 して 設 定 を 行 った 受 入 れ ケース B における 第 2 世 代 以 降 の 男 性 について は, 低 賃 金 (B1)と 高 賃 金 (B2)の 2 通 りの 前 提 に 基 づいてシミュレーションを 行 うが,それぞれ パターン 1,パターン 2 と 同 じ 賃 金 プロファイル を 設 定 している 本 研 究 で 行 った 外 国 人 受 入 れに 関 するパター ン ケース 分 けの 全 体 像 を, 次 節 で 述 べる 厚 生 年 金 の 所 得 代 替 率 とあわせて 示 したものが 表 1 であ る 外 国 人 の 政 策 的 な 受 入 れに 関 する 3 つのパ ターンに 対 して,それぞれ 厚 生 年 金 で 受 入 れを 行 う 3 ケースと 国 民 年 金 で 受 入 れを 行 う 2 ケースが あることから, 全 体 で 15 通 りのシミュレーショ ンが 実 行 されることになる Ⅳ 結 果 と 考 察 1 人 口 ブロック 総 人 口 のシミュレーション 結 果 を 示 したものが 図 3 である 基 本 ケースでは, 総 人 口 は 2050 年 において 約 9500 万 人,2100 年 において 約 4800 万 人 まで 減 少 するものと 見 込 まれる これに 対 し, 政 策 的 に 受 け 入 れた 外 国 人 労 働 者 の 分 だけ 総 人 口 が 増 加 するケース A については,パターン 1 と パターン 2 の 推 計 結 果 は 同 じであり,2050 年 に 46 おいて 約 9900 万 人 と 約 400 万 人 の 増 加,2100 年 において 約 5400 万 人 と 約 600 万 人 の 増 加 となる 一 方,パターン 3 では 受 け 入 れる 女 性 労 働 者 の 規 模 は 同 じであるものの, 女 性 の 死 亡 率 が 男 性 より 低 いため, 長 期 的 な 人 口 規 模 はパターン 1 及 びパ ターン 2 に 比 べて 若 干 大 きいものとなる パター ン 3 では 2050 年 の 総 人 口 は, 約 9900 万 人 と 基 本 ケースに 比 べて 約 400 万 人 の 増 加,2100 年 にお いては 約 5400 万 人 と 約 700 万 人 の 増 加 となって いる 次 に,ケース B についてはそれぞれ 異 なった 結 果 となる まず,パターン 1 について 見 ると, 総 人 口 は 2050 年 において 約 1 億 700 万 人 と 基 本 ケースに 比 べて 約 1200 万 人 の 増 加,2100 年 にお いて 約 7400 万 人 と 約 2700 万 人 の 増 加 となる 一 方,パターン 2 では,2050 年 において 約 1 億 600 万 人 と 基 本 ケースに 比 べて 約 1100 万 人 の 増 加, 2100 年 において 約 7000 万 人 と 約 2300 万 人 の 増 加 となる このように,パターン 2 では 第 2 世 代 を 再 生 産 する 際 の 出 生 水 準 がパターン 1 よりも 低 いことが 起 因 し, 長 期 的 な 人 口 の 規 模 に 差 が 生 じ ていることがわかる 次 に,パターン 3 では, 総 人 口 は 2050 年 において 約 1 億 300 万 人 と 基 本 ケー スに 比 べて 約 800 万 人 の 増 加,2100 年 において 約 6900 万 人 と 約 2100 万 人 の 増 加 となる 2050 年 における 総 人 口 の 増 加 数 を 見 ると,パターン 1 の 約 1200 万 人,パターン 2 の 約 1100 万 人 と 比 べ た 際 にかなり 小 さいものとなっているが,これは 先 に 注 意 したように,パターン 3 では, 第 1 世 代 の 配 偶 者 等 の 帯 同 を 考 慮 していないため, 第 2 世 代 以 降 の 誕 生 によってのみ 人 口 が 増 加 することに よるものである しかしながら,2100 年 を 見 ると, パターン 2 の 約 2300 万 人 の 増 加 に 対 して,パター ン 3 においても 約 2100 万 人 となっており,パター No.662/September2015

論 文 国 際 人 口 移 動 の 選 択 肢 とそれらが 将 来 人 口 を 通 じて 公 的 年 金 財 政 に 与 える 影 響 図 3 総 人 口 の 見 通 し ン 2 に 迫 るレベルとなっていることがわかる こ のように,パターン 3 では 第 1 世 代 の 移 入 という 要 因 がないにもかかわらず, 高 出 生 水 準 による 第 2 世 代 以 降 の 再 生 産 が,それを 補 っていることが 理 解 できる 次 に, 公 的 年 金 財 政 に 大 きく 影 響 を 与 える 老 年 従 属 人 口 指 数 (20 64 歳 人 口 に 対 する 65 歳 以 上 人 口 の 指 数 )をみてみよう( 図 4) 基 本 ケース では, 老 年 従 属 人 口 指 数 は 2050 年 において 0.819, 2100 年 において 0.862 まで 増 加 するものと 見 込 ま れる ケース A については,パターン 1 とパター ン 2 では 2050 年 において 0.759 と 0.060 ポイント の 低 下,2100 年 において 0.808 と 0.054 ポイント の 低 下 となる 一 方,パターン 3 では,2050 年 において 0.758 と 0.061 ポイントの 低 下,2100 年 において 0.827 と 0.035 ポイントの 低 下 となる ケース A では 政 策 的 な 労 働 者 の 受 入 れによる 分 母 人 口 の 増 加 を 受 け, 老 年 従 属 人 口 指 数 は 直 ちに 基 本 ケースに 比 べて 低 下 する 効 果 が 見 込 めるが, 時 間 の 経 過 とともに 移 入 した 外 国 人 の 高 齢 化 に よって, 長 期 的 にはその 効 果 が 薄 まっていくこと がわかる 特 に,2100 年 での 老 年 従 属 人 口 指 数 の 低 下 幅 を 比 べると, 男 性 労 働 者 を 受 け 入 れたパ ターン 1 とパターン 2 が 0.054 ポイントであるの に 対 して, 女 性 労 働 者 を 受 け 入 れたパターン 3 で は 0.035 ポイントに 留 まっており, 女 性 の 死 亡 率 が 低 いことから 移 入 外 国 人 の 高 齢 化 の 影 響 をより 強 く 受 ける 構 造 となっていることがわかる 次 に,ケース B について,まずパターン 1 では, 老 年 従 属 人 口 指 数 は 2050 年 において 0.690 と 基 本 ケースに 比 べて 0.129 ポイントの 低 下,2100 年 において 0.668 と 0.194 ポイントの 低 下 となる 一 方 パターン 2 では,2050 年 において 0.694 と 基 本 ケースに 比 べて 0.125 ポイントの 低 下,2100 年 において 0.697 と 0.166 ポイントの 低 下 となる ケース B のパターン 1,2 では 政 策 的 な 男 性 労 働 者 の 受 入 れに 加 えて, 配 偶 者 家 族 の 帯 同 呼 び 寄 せの 効 果 があることから, 受 入 れ 直 後 の 分 母 人 口 の 増 加 の 効 果 も 大 きく,2050 年 における 老 年 従 属 人 口 指 数 の 低 下 も 大 きい また, 長 期 的 には 日 本 労 働 研 究 雑 誌 47

図 4 老 年 従 属 人 口 指 数 の 見 通 し 第 2 世 代 以 降 の 誕 生 による 効 果 があることから 2100 年 での 低 下 幅 もより 大 きいものとなってい る ただし,パターン 1 とパターン 2 を 比 較 する と, 仮 定 した 出 生 水 準 が 高 いパターン 1 の 老 年 従 属 人 口 指 数 の 低 下 幅 がより 大 きいものとなってお り, 受 入 れ 政 策 の 選 択 がもたらす 長 期 的 な 人 口 構 造 の 違 いが 観 察 できる 次 に,パターン 3 では, 老 年 従 属 人 口 指 数 は 2050 年 において 0.738 と 基 本 ケースに 比 べて 0.081 ポイントの 低 下,2100 年 において 0.685 と 0.177 ポイントの 低 下 となる パターン 3 では, 第 1 世 代 の 配 偶 者 等 の 帯 同 を 考 慮 していないため,2050 年 での 老 年 従 属 人 口 指 数 の 低 下 幅 はパターン 1,2 と 比 べて 極 めて 小 さ いものとなっている ところが,2100 年 の 低 下 幅 0.177 ポイントはパターン 1 の 0.194 ポイント ほどではないものの,パターン 2 の 0.166 ポイン トを 上 回 るものである これは,パターン 3 にお いては, 出 生 水 準 の 高 さに 加 え, 第 1 世 代 の 配 偶 者 家 族 の 高 齢 化 の 効 果 を 受 けないことも 影 響 を 与 えていると 考 えられる このように, 選 択 する 国 際 人 口 移 動 の 政 策 やそ 48 れに 伴 う 出 生 水 準 等 の 人 口 学 的 要 因 は, 将 来 の 人 口 の 規 模 や 構 造 に 様 々な 影 響 を 与 える 特 に, 長 期 的 な 人 口 動 向 には, 第 1 世 代 の 高 齢 化 や 第 2 世 代 以 降 の 再 生 産 の 規 模 などが 大 きいインパクトを 与 えていることに 注 意 が 必 要 である 2 年 金 ブロック 次 に, 年 金 に 関 する 財 政 影 響 評 価 の 結 果 につい て,まず, 公 的 年 金 被 保 険 者 数 の 見 通 しから 述 べ ることとする 公 的 年 金 被 保 険 者 数 の 動 向 は, 外 国 人 の 政 策 受 入 れのパターンや 適 用 する 年 金 制 度 により 異 なるが, 図 5 にパターン 1 について 厚 年 グループで 適 用 する 場 合 を 示 した これを 見 ると,ケース A では 第 1 世 代 として 入 国 し 定 住 する 男 性 外 国 人 労 働 者 が 厚 生 年 金 被 保 険 者 数 の 増 となる 一 方,ケース B では 厚 生 年 金 被 保 険 者 数 としては 第 2 世 代 以 降 として 生 まれて くる 男 性 が 加 わるとともに, 第 3 号 被 保 険 者 数 に 女 性 外 国 人 が 加 わることが 観 察 される これに 対 し,パターン 1 について 国 年 グループでの 適 用 を 行 う 場 合 では,ケース A,B とも 被 保 険 者 数 の No.662/September2015

論 文 国 際 人 口 移 動 の 選 択 肢 とそれらが 将 来 人 口 を 通 じて 公 的 年 金 財 政 に 与 える 影 響 図 5 公 的 年 金 被 保 険 者 数 の 見 通 し 差 異 は 第 1 号 被 保 険 者 のみにおいて 生 じる 特 に, ケース B では 全 体 の 被 保 険 者 数 が 2010 年 の 約 6820 万 人 から 2100 年 の 約 3520 万 人 へと 減 少 す る 中, 第 1 号 被 保 険 者 数 は 2010 年 の 約 1910 万 人 から 2100 年 の 約 1960 万 人 へと 増 加 傾 向 となり, 公 的 年 金 被 保 険 者 に 占 める 第 1 号 の 割 合 が 大 きく 増 加 するとの 特 徴 が 現 れる パターン 2 についても, 大 まかな 傾 向 はパター ン 1 と 同 様 である 一 方 で,パターン 3 について は, 厚 年 グループで 適 用 するケース B で 第 3 号 被 保 険 者 数 に 変 動 が 生 じるのは 2030 年 以 降 のみ となる これは,パターン 3 では 受 け 入 れた 女 性 外 国 人 は 厚 生 年 金 に 適 用 され, 第 2 世 代 のみから しか 新 たな 第 3 号 被 保 険 者 が 生 じないためである なお,これらの 被 保 険 者 数 は, 各 給 付 費 等 のシ ミュレーションに 直 接 影 響 を 与 えるだけではな く, 公 的 年 金 被 保 険 者 数 全 体 の 減 少 率 としてマク ロ 経 済 スライドの 基 礎 となることにも 注 意 が 必 要 である 平 成 21 年 財 政 検 証 の 基 本 ケースでの 2025 年 度 における 公 的 年 金 被 保 険 者 数 の 減 少 率 は 0.6%,マクロ 経 済 スライドに 用 いる 調 整 率 は 0.9% となっている これに 対 して,パターン 1 では,これらに 対 応 する 率 は,ケース A では 0.4% と 0.7%,ケース B では 0.2% と 0.5% と 減 少 率 等 はより 緩 やかなものとなる 一 方,パターン 3 ではケース A と B の 間 に 公 的 年 金 被 保 険 者 数 の 差 異 が 生 じるのは 2030 年 以 降 であり,2025 年 度 時 点 ではケース A,B とも 0.4% と 0.7% と なっている このように, 国 際 人 口 移 動 の 政 策 や 適 用 する 年 金 制 度 によって,マクロ 経 済 スライド の 調 整 状 況 にも 変 化 が 生 じることとなる 次 に,これらを 利 用 して 行 った 厚 生 年 金 の 財 政 影 響 評 価 の 結 果 について 述 べる 現 在 の 制 度 では 保 険 料 固 定 方 式 が 採 られていることから, 人 口 や 経 済 前 提 の 変 動 の 影 響 は, 通 常, 厚 生 年 金 の 最 終 的 な 所 得 代 替 率 で 比 較 される 本 研 究 でもこの 方 法 により 評 価 を 行 うが,それに 先 立 ち, 人 口 ブロッ クでの 長 期 的 な 人 口 シミュレーションと 厚 生 年 金 財 政 との 結 びつきを 明 らかにする 観 点 から,マク ロ 経 済 スライドによる 給 付 調 整 を 行 う 前 の 厚 生 年 金 の 賦 課 保 険 料 率 の 見 通 しを 比 較 する 図 6 は 各 パターン ケースに 対 応 した 賦 課 保 険 料 率 の 見 通 しを 示 したものである まず, 厚 年 グ ループで 適 用 するケースである, 受 入 れケース A, 日 本 労 働 研 究 雑 誌 49

図 6 厚 生 年 金 の 賦 課 保 険 料 率 (スライド 調 整 前 )の 見 通 し B1,B2 と 基 本 ケースの 賦 課 保 険 料 率 の 関 係 を 見 てみると, 図 4 において 示 した 老 年 従 属 人 口 指 数 の 動 向 との 類 似 性 が 観 察 できる すなわち,ケー ス A,B1,B2 とも 外 国 人 労 働 者 の 受 入 れの 開 始 に 伴 い, 賦 課 保 険 料 率 は 基 本 ケースに 比 べて 直 ち に 低 下 する 効 果 が 見 込 めるが,ケース A では 移 入 した 外 国 人 の 高 齢 化 によって, 長 期 的 にはその 効 果 が 薄 まっていく 一 方,ケース B1,B2 では, 第 2 世 代 以 降 が 長 期 的 に 賦 課 保 険 料 率 を 低 下 させ る 効 果 を 持 つのである さらに,B2 では 第 2 世 代 以 降 が 高 賃 金 となることから, 引 き 下 げ 効 果 は 50 さらに 大 きいものとなる さらに, 賦 課 保 険 料 率 の 動 向 には 外 国 人 受 入 れ パターンによる 違 いも 見 られる パターン 1 とパ ターン 2 を 比 較 すると,ケース A での 賦 課 保 険 料 率 引 き 下 げ 効 果 は, 高 賃 金 であるパターン 2 の 方 がパターン 1 よりもかなり 大 きい しかしなが ら,パターン 2 では 出 生 率 が 低 いことから,ケー ス A とケース B1,B2 の 差 は 逆 にパターン 1 よ りもかなり 小 さいことがわかる 一 方,パターン 3 は 厚 生 年 金 に 適 用 される 外 国 人 が 女 性 で 低 賃 金 であること, 女 性 の 死 亡 率 が 低 いことなどから No.662/September2015

論 文 国 際 人 口 移 動 の 選 択 肢 とそれらが 将 来 人 口 を 通 じて 公 的 年 金 財 政 に 与 える 影 響 表 2 厚 生 年 金 の 所 得 代 替 率 のシミュレーション 結 果 ( 単 位 :%) 厚 生 年 金 で 受 入 れ 国 民 年 金 で 受 入 れ ケース A ケース B1 ケース B2 ケース A ケース B ( 基 本 ケース) 政 策 受 入 れのパターン 所 得 代 替 率 基 本 ケー スとの 差 調 整 終 了 年 度 所 得 代 替 率 基 本 ケー スとの 差 調 整 終 了 年 度 所 得 代 替 率 基 本 ケー スとの 差 調 整 終 了 年 度 所 得 代 替 率 基 本 ケー スとの 差 調 整 終 了 年 度 所 得 代 替 率 基 本 ケー スとの 差 調 整 終 了 年 度 所 得 代 替 調 整 終 了 率 年 度 所 得 代 替 率 53.9 3.8 57.2 7.1 57.7 7.5 50.2 0.1 51.7 1.5 50.1 パターン 1: 男 性 ( 比 例 ) 労 働 者 ( 低 賃 金 ) 24.5 1.2 2015 23.8 0.4 2019 24.3 0.9 2016 23.6 0.3 2019 23.8 0.4 2019 23.4 2019 ( 基 礎 ) 29.4 2.6 2035 33.4 6.6 2024 33.4 6.6 2024 26.6-0.2 2041 27.9 1.1 2041 26.8 2038 所 得 代 替 率 54.9 4.8 58.2 8.1 58.5 8.4 50.2 0.1 51.4 1.3 50.1 パターン 2: 男 性 ( 比 例 ) 労 働 者 ( 高 賃 金 ) 25.6 2.2 ( 調 整 なし) 25.2 1.9 2012 25.6 2.2 ( 調 整 なし) 23.6 0.3 2019 23.8 0.4 2019 23.4 2019 ( 基 礎 ) 29.4 2.6 2035 33.0 6.2 2026 33.0 6.2 2026 26.6-0.2 2041 27.6 0.8 2041 26.8 2038 所 得 代 替 率 53.0 2.9 55.4 5.3 56.0 5.8 50.1 0.0 51.0 0.9 50.1 パターン 3: 女 性 ( 比 例 ) 労 働 者 ( 低 賃 金 ) 23.8 0.4 2018 23.9 0.6 2017 24.4 1.1 2015 23.6 0.3 2019 23.8 0.4 2018 23.4 2019 ( 基 礎 ) 29.3 2.5 2035 31.5 4.8 2029 31.5 4.8 2029 26.5-0.3 2041 27.3 0.5 2039 26.8 2038 ケース A の 引 き 下 げ 効 果 が 最 も 低 い ところが 出 生 率 が 高 いことから, 長 期 的 にはケース B1, B2 の 効 果 は 大 きいものとなっている 他 方, 国 年 グループで 適 用 するケース A,B ではどのパ ターンにおいても 基 本 ケースとの 差 はそれほど 大 きいものとはなっていないことが 観 察 できる 次 に, 厚 生 年 金 の 最 終 的 な 所 得 代 替 率 によって 財 政 影 響 を 評 価 しよう 平 成 21 年 財 政 検 証 にお ける 基 本 ケースでは 厚 生 年 金 の 標 準 的 な 年 金 受 給 世 帯 の 所 得 代 替 率 は 最 終 的 に 50.1% となるが,そ の 内 訳 は 報 酬 比 例 部 分 ( 以 下 比 例 )23.4%, 基 礎 年 金 部 分 ( 以 下 基 礎 )26.8% である また, マクロ 経 済 スライドによる 給 付 水 準 調 整 の 終 了 年 度 は, 比 例 2019 年 度 に 対 し, 基 礎 2038 年 度 であ り, 特 に 基 礎 年 金 の 給 付 水 準 調 整 が 長 く 続 き, 将 来 的 な 基 礎 年 金 水 準 が 相 対 的 に 低 下 していく 構 造 となっている これに 対 し, 外 国 人 受 入 れの 各 パ ターン ケースに 基 づく 厚 生 年 金 の 所 得 代 替 率 を 示 したものが 表 2 である まず, 受 入 れケース A を 見 ると 53.0 54.9% と 基 本 ケースに 対 して 2.9 4.6% ポイント 上 昇 するのに 対 し, 受 入 れケー ス B1 では 55.4 58.2% と 5.3 8.1% ポイント, 受 入 れケース B2 では 56.0 58.5% と 5.8 8.4% ポイントの 上 昇 となった ケース A では 代 替 率 は 上 昇 するものの 長 期 的 には 移 入 者 の 高 齢 化 によ る 影 響 を 免 れていないのに 対 し,ケース B1,B2 の 代 替 率 上 昇 はより 大 きく, 第 2 世 代 以 降 の 影 響 が 大 きいことがわかる また,パターンで 見 ると, 代 替 率 はパターン 2 が 最 も 高 く, 次 いで 1,3 の 順 となっている 一 方, 国 民 年 金 での 適 用 を 行 う 受 入 れケース A では 50.1 50.2% と 0.0 0.1% ポイントの 上 昇, 受 入 れケース B では 51.0 51.7% と 0.9 1.5% ポイントの 上 昇 であり, 厚 生 年 金 への 所 得 代 替 率 の 効 果 は 大 きくないことがわかる また, 基 礎 年 金 部 分 に 着 目 すると,ケース A ではいずれのパ ターンでも 所 得 代 替 率 は 低 下 し, 給 付 水 準 調 整 の 終 了 年 度 も 基 本 ケースより 3 年 長 い 2041 年 度 と なっている ケース B では 基 本 ケースに 比 べて 若 干 代 替 率 は 上 昇 するものの,やはり 終 了 年 度 は 基 本 ケースよりも 遅 くなっている これは, 第 1 号 被 保 険 者 の 基 礎 年 金 拠 出 金 按 分 率 が 上 昇 し 拠 出 金 が 増 加 すること,また, 外 国 人 受 入 れ 等 による 公 的 年 金 被 保 険 者 数 の 減 少 率 の 逓 減 により 基 礎 年 金 の 給 付 水 準 調 整 が 緩 やかになることなどが 要 因 となっていると 考 えられる 一 方, 厚 生 年 金 で 適 用 を 行 うケースでは, 基 礎 年 金 の 所 得 代 替 率 は 大 きく 上 昇 し, 給 付 水 準 調 整 終 了 年 度 も 基 本 ケース より 早 まっており, 外 国 人 を 受 け 入 れて 厚 生 年 金 で 適 用 することは 基 礎 年 金 水 準 低 下 問 題 に 対 応 す る 効 果 もあることが 明 らかとなった Ⅴ ま と め 本 研 究 では, 複 数 の 前 提 条 件 の 下 に, 外 国 人 人 口 受 入 れによる 将 来 人 口 の 変 化 について 仮 想 的 シ ミュレーションを 行 い, 公 的 年 金 に 与 える 財 政 影 響 に 関 して 人 口 学 的 観 点 からの 分 析 を 行 った 本 研 究 で 得 られた 結 果 の 考 察 から, 外 国 人 労 働 者 の 受 入 れの 公 的 年 金 財 政 への 影 響 については, 長 期 日 本 労 働 研 究 雑 誌 51

的 な 観 点 に 立 った 定 量 的 評 価 を 行 うことが 重 要 で あることが 明 らかとなった しばしば, 外 国 人 労 働 者 受 入 れに 関 する 議 論 は, 当 面 の 労 働 力 不 足 を 補 うだけの 短 期 的 視 点 で 行 われることがあるが, 本 研 究 の 結 果 によれば, 受 け 入 れた 外 国 人 は 将 来, 高 齢 化 して 年 金 受 給 者 に 回 る 一 方 で, 家 族 呼 び 寄 せや 出 生 行 動 等 は 新 たな 支 え 手 を 生 み 出 す 原 動 力 ともなっている また, 長 期 的 な 人 口 動 向 や 年 金 制 度 への 影 響 は, 選 択 する 国 際 人 口 移 動 の 政 策 や それに 伴 う 出 生 水 準 等 の 人 口 学 的 要 因,また 適 用 する 年 金 制 度 によって 様 々に 異 なる 特 に, 受 け 入 れた 外 国 人 を 厚 生 年 金 へ 適 用 する 場 合, 基 礎 年 金 の 水 準 低 下 幅 の 拡 大 が 抑 えられることから, 基 礎 年 金 水 準 低 下 問 題 に 対 応 する 効 果 があることが 明 らかとなった このように, 外 国 人 受 入 れに 関 する 公 的 年 金 への 影 響 評 価 にあたっては, 本 研 究 で 考 察 を 行 ったような 様 々な 影 響 を 織 り 込 んだ 長 期 的 な 評 価 を 行 うことが 具 体 的 な 施 策 の 議 論 に とって 極 めて 重 要 であるといえよう なお, 本 研 究 では 外 国 人 受 入 れの 影 響 について, 公 的 年 金 に 対 して 将 来 人 口 が 与 えるインパクトの 評 価 を 対 象 として 行 ったが, 外 国 人 の 受 入 れにつ いては 年 金 だけではなく, 教 育 や 治 安 の 問 題,ま た, 文 化 的 側 面 など, 多 様 な 角 度 からの 議 論 も 必 要 である 本 研 究 は,そのような 様 々な 観 点 から の 議 論 を 行 うための 一 つの 視 点 として,これまで あまり 行 われてこなかった 複 数 のシナリオに 基 づ いた 定 量 的 な 長 期 シミュレーション 結 果 を 研 究 成 果 として 提 示 したものである 今 後 の 外 国 人 労 働 者 の 受 入 れに 関 する 政 策 議 論 にあたって, 本 研 究 で 提 示 したシミュレーション 結 果 が 活 用 され, 人 口 学 的 な 視 点 を 踏 まえた, 長 期 的 かつ 幅 広 い 観 点 からの 定 量 的 な 議 論 が 行 われることを 望 むもので ある * 本 研 究 は, 平 成 26 28 年 度 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 政 策 科 学 総 合 研 究 事 業 ( 政 策 科 学 推 進 研 究 事 業 ) 人 口 減 少 期 に 対 応 した 人 口 世 帯 の 動 向 分 析 と 次 世 代 将 来 推 計 システムに 関 する 総 合 的 研 究 ( 研 究 代 表 者 : 石 井 太 )から 助 成 を 受 け ている 1) 配 偶 者 の 帯 同 呼 びよせとして, 毎 年 の 受 入 れ 外 国 人 男 性 に 対 し,82.5% の 18 34 歳 の 女 性 が 同 時 に 入 国 することを 仮 定 した この 82.5% は,2010 年 の 国 勢 調 査 に 基 づく 男 性 の 53 歳 時 点 での 未 婚 率 の 補 数 であり, 夫 婦 の 年 齢 差 を 3 歳 52 とした 場 合, 女 性 の 50 歳 時 点 における 男 性 の 未 婚 率 の 補 数 に 相 当 する 数 値 となる すなわち,53 歳 になるまで 未 婚 で あり 続 ける 男 性 以 外 は 帯 同 あるいは 呼 び 寄 せの 形 で 配 偶 者 を 持 つと 考 え, 実 際 にはタイムラグがあるとしても 同 時 に 入 国 するとの 仮 定 の 下 でシミュレーションを 行 っている なお, これらの 女 性 は 有 配 偶 者 のみが 入 国 するという 仮 定 となるた め, 出 生 率 は 0.825 で 除 することによりインフレートしてい る 一 方, 第 2 世 代 として 誕 生 した 女 性 についてはそのまま 外 国 人 出 生 率 を 適 用 する また, 子 どもの 帯 同 については, 平 成 24 年 推 計 の 外 国 人 入 国 超 過 年 齢 分 布 を 用 い, 男 性 の 18 34 歳 労 働 者 に 相 当 する 17 歳 以 下 の 男 女 入 国 者 数 を 設 定 し た 2)15 49 歳 の 範 囲 だけで 当 てはめを 行 うと 15 19 歳,45 49 歳 の 階 級 で 不 自 然 な 関 数 形 が 出 現 することから,F(x) を 累 積 分 布 関 数 として,0,0,0,F(20),F(25),F(30), F(35),F(40),F(45),F(50),F(50),F(50)という 系 列 に 当 てはめ,さらにマイナスが 生 じる 場 合 には 0 として 当 該 年 齢 階 級 の 他 の 年 齢 を 補 正 することによって 年 齢 別 出 生 率 を 求 めている 3) 年 金 受 給 資 格 期 間 の 短 縮 や 短 時 間 労 働 者 への 厚 生 年 金 の 適 用 拡 大 等 を 盛 り 込 んだ 公 的 年 金 制 度 の 財 政 基 盤 及 び 最 低 保 障 機 能 の 強 化 等 のための 国 民 年 金 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 24 年 8 月 10 日 成 立 ), 被 用 者 年 金 制 度 を 一 元 化 す ることなどを 盛 り 込 んだ 被 用 者 年 金 制 度 の 一 元 化 等 を 図 る ための 厚 生 年 金 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 24 年 8 月 10 日 成 立 ), 年 金 額 の 特 例 水 準 (2.5%)について 平 成 25 年 度 から 27 年 度 までの 3 年 間 で 解 消 することなどを 含 む 国 民 年 金 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 24 年 11 月 16 日 成 立 ), 年 金 受 給 者 のうち 低 所 得 高 齢 者 障 害 者 等 に 福 祉 的 な 給 付 を 行 う 年 金 生 活 者 支 援 給 付 金 の 支 給 に 関 する 法 律 ( 平 成 24 年 11 月 16 日 成 立 ) 参 考 文 献 石 井 太 (2008) 人 口 変 動 要 因 が 将 来 推 計 人 口 の 年 齢 構 造 に 与 える 影 響 老 年 従 属 人 口 指 数 を 中 心 として 人 口 学 研 究 第 43 巻,pp.1-20. 是 川 夕 武 藤 憲 真 (2013) 外 国 人 受 入 れが 将 来 人 口 を 通 じて 社 会 保 障 に 及 ぼす 影 響 に 関 する 人 口 学 的 研 究 人 口 問 題 研 究 第 69 巻 第 4 号,pp.65-85. 上 村 敏 之 神 野 真 敏 (2010) 公 的 年 金 と 移 民 受 け 入 れ: 移 民 の 経 済 厚 生 格 差 への 影 響 経 済 学 論 究 第 64 巻 第 3 号, pp.149-167. 厚 生 労 働 省 (2010) 平 成 21 年 財 政 検 証 結 果 レポート 厚 生 労 働 省 年 金 局 数 理 課. 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 (2007) 日 本 の 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 18 年 12 月 推 計 ) ( 財 ) 厚 生 統 計 協 会. (2012) 日 本 の 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 24 年 1 月 推 計 ) 一 般 財 団 法 人 厚 生 労 働 統 計 協 会. 是 川 夕 (2013) 日 本 における 外 国 人 女 性 の 出 生 力 国 勢 調 査 個 票 データによる 分 析 人 口 問 題 研 究 第 69 巻 第 4 号, pp.86-102. 高 藤 昭 (2001) 外 国 人 と 社 会 保 障 法 明 石 書 店. 八 田 達 夫 小 口 登 良 (1999) 年 金 改 革 論 積 立 方 式 へ 移 行 せよ 日 本 経 済 新 聞 社. 山 本 克 也 (2010a) 厚 労 省 財 政 検 証 プログラムを 用 いた 公 的 年 金 改 革 案 の 提 示 家 計 経 済 研 究 第 85 号,pp.56-63. (2010b) 年 金 制 度 の 歴 史 的 展 開 と 保 険 数 理 モデルの 変 遷 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 ( 編 ) 社 会 保 障 の 計 量 No.662/September2015

論 文 国 際 人 口 移 動 の 選 択 肢 とそれらが 将 来 人 口 を 通 じて 公 的 年 金 財 政 に 与 える 影 響 モデル 分 析 これからの 年 金 医 療 介 護 東 京 大 学 出 版 会,pp.85-107. (2012) 実 行 可 能 性 からみた 最 低 保 障 年 金 制 度 生 活 経 済 学 研 究 第 35 巻,pp.1-16. Lee,R.D.andT.W.Miller(1997) TheFutureFiscalImpacts ofcurrentimmigrants, inj.p.smithandb.edmonston eds. The New Americans: Economic, Demographic, and Fiscal Effects of Immigration, National Academy Press, pp.297-362. いしい ふとし 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 人 口 動 向 研 究 部 長 最 近 の 主 な 論 文 に 死 亡 率 曲 線 の 自 由 な 方 向 への 変 化 を 表 現 する 数 理 モデルとわが 国 の 生 命 表 への 応 用 人 口 問 題 研 究 (2013) 第 69 巻 第 3 号,pp.3-26 人 口 学 専 攻 これかわ ゆう 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 人 口 動 向 研 究 部 主 任 研 究 官 最 近 の 主 な 論 文 に 外 国 人 労 働 者 の 流 入 による 日 本 の 労 働 市 場 の 変 容 外 国 人 労 働 者 の 経 済 的 達 成 の 特 徴, 及 びその 決 定 要 因 の 観 点 から 人 口 問 題 研 究 (2015) 第 71 巻 第 2 号,pp.122-146 社 会 人 口 学 専 攻 日 本 労 働 研 究 雑 誌 53