Ⅳ 和 牛 を 取 り 入 れた 経 営 の 経 済 性 1 経 営 収 支 宗 谷 肉 牛 ( 黒 毛 繁 殖 ) 経 営 指 標 総 括 類 型 1 類 型 2 類 型 3 類 型 4 類 型 5 高 齢 者 雇 用 促 進 肉 牛 専 業 経 営 乳 肉 複 合 ( 経 産 牛 50 頭 ) 乳 肉 移 行 ( 経 産 牛 40 頭 ) 20 頭 80 頭 110 頭 肉 牛 20 頭 借 腹 ET 肉 牛 15 頭 土 地 面 積 ( 施 設 除 く) (ha) 18 58 76 56 43 53 農 業 従 事 者 ( 人 ) 2 2 3 3 3 2 頭 数 ( 頭 ) 16 62 81 25 10 18 総 労 働 時 間 ( 時 間 ) 2,584 4,678 5,000 5,199 4,950 5,081 牛 乳 収 益 0 0 0 30,411 30,411 23,414 個 体 乳 用 雌 + 雄 0 0 0 1,819 1,819 2,240 黒 毛 雌 牛 黒 2,100 9,450 11,550 2,700 1,800 黒 毛 雄 牛 毛 3,600 14,700 20,160 4,400 2,800 ET 素 牛 1,900 3,800 1,900 黒 毛 計 5,700 24,150 31,710 9,000 3,800 6,500 廃 用 160 560 1,050 260 260 140 計 5,860 24,710 32,760 11,079 5,879 8,880 その 他 農 業 収 入 0 0 0 0 0 0 合 計 5,860 24,710 32,760 41,490 36,290 32,294 種 苗 費 0 0 0 0 0 0 直 肥 料 費 760 3,150 3,960 2,342 1,847 2,207 農 薬 費 0 0 0 0 0 0 接 飼 料 費 1,560 8,206 11,383 11,227 9,511 8,710 素 畜 費 0 0 0 0 0 0 費 養 畜 衛 生 費 496 1,978 2,750 1,976 2,077 1,618 諸 材 料 費 28 110 152 688 667 562 2,844 13,444 18,244 16,233 14,102 13,097 雇 用 労 賃 0 67 67 326 160 103 賃 料 料 金 0 0 0 692 663 499 間 動 力 光 熱 費 161 334 411 2,387 2,373 2,335 修 理 費 180 1,417 1,417 2,713 2,713 2,713 接 小 農 具 費 28 110 152 100 78 83 減 価 償 却 費 0 953 953 2,387 2,387 2,387 費 費 用 214 607 796 1,898 1,700 1,481 共 済 保 険 金 469 1,146 1,500 1,339 1,104 1,112 公 課 諸 負 担 55 219 303 183 139 155 固 定 資 産 税 0 322 322 322 土 地 改 良 費 2 325 325 785 782 784 雑 費 事 務 管 理 費 0 110 152 100 100 100 支 払 地 代 0 0 0 0 0 0 支 払 利 息 5 751 1,028 233 227 231 1,113 6,038 7,104 13,466 12,748 12,305 経 営 費 合 計 3,956 19,483 25,348 29,699 26,850 25,402 農 業 所 得 ( 千 円 ) キャッシュフロー( 千 円 ) 所 得 率 (%) 個 体 単 価 ( 千 円 ) 頭 数 1 頭 当 たり 所 得 意 外 に 少 ない? 1,904 5,227 7,412 11,791 9,440 6,892 1,904 6,180 8,365 14,178 11,827 9,279 32.5 21.2 22.6 28.4 26.0 21.3 356 390 391 360 380 361 109 75 79 139 176 129 2 所 得 < 和 牛 子 牛 1 頭 当 りの 所 得 は?> 経 営 形 態 や 子 牛 価 格 によって 異 な りますが 子 牛 1 頭 当 り 専 業 で 約 8 万 円 乳 肉 複 合 で 約 13 万 円 程 度 の 所 得 と 考 えればよいでしょう 複 合 経 営 の 試 算 で 経 費 が 専 業 経 営 より 少 なくなっている のは 間 接 費 の 一 部 が 酪 農 部 門 と 共 有 されているから 複 合 のメリット 上 手 にやれば もうけられます -11-
Ⅴ 導 入 プロセス 1 導 入 手 順 肉 牛 を 開 始 するとしたら( 初 期 投 資 運 転 資 金 かかる) 導 入 頭 数 別 の 経 営 収 支 初 年 目 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 10 頭 導 入 繁 殖 牛 頭 10 10 10 10 10 10 10 10 子 牛 頭 9 8 7 7 7 7 収 支 千 円 725 1,486 1,663 1,314 964 964 964 964 施 設 素 牛 費 千 円 1,000 1,500 3,000 20 頭 導 入 繁 殖 牛 頭 20 20 20 20 20 20 20 20 子 牛 頭 18 16 15 15 15 15 収 支 千 円 1,450 2,972 3,328 2,629 2,278 2,278 2,278 2,278 施 設 素 牛 費 千 円 2,000 3,000 6,000 10 頭 導 入 20 頭 規 模 繁 殖 牛 頭 10 10 13 15 18 20 20 20 子 牛 頭 6 6 6 8 13 15 収 支 千 円 725 1,486 397 26 345 19 1,578 2,278 施 設 素 牛 費 千 円 2,000 1,500 3,000 注 ) 繁 殖 雌 牛 45 万 円 ( 導 入 ) 子 牛 35 万 円 ( 去 勢 雌 平 均 ) 畜 舎 は 初 年 度 に 投 資 繁 殖 牛 貸 付 の 償 還 :4 年 目 1/3 5 年 目 2/3 ( 道 農 業 開 発 公 社 ) 繁 殖 牛 貸 付 の 償 還 :4 年 目 1/3 5 年 目 2/3 ( 道 農 業 開 発 公 社 ) 試 算 社 団 法 人 北 海 道 酪 農 畜 産 協 会 導 入 手 順 1 9 導 入 手 順 は 下 記 の 通 りであるが 肉 用 牛 部 門 においては 牛 が 揃 うまで 収 支 が 厳 しい しかし 牛 が 揃 い 子 牛 の 事 故 率 を 低 く 抑 えることができ 分 娩 分 娩 間 隔 が 短 いほど 所 得 は 高 くなる 導 入 にあたっては 高 値 できる 血 統 を 選 び 発 育 良 好 で 肥 育 農 家 が 喜 ぶ 素 牛 を 作 ることを 考 えて 日 常 の 飼 養 管 理 を 行 う 必 要 がある 1 肉 牛 新 規 導 入 農 家 での 取 組 方 針 の 決 定 2 近 隣 等 の 肉 牛 導 入 農 家 および 優 良 農 家 等 の 調 査 3 家 畜 市 場 調 査 4 事 業 の 選 択 導 入 頭 数 や 導 入 の 仕 方 施 設 機 械 を 決 定 資 金 対 策 等 5 事 業 計 画 の 策 定 6 事 業 計 画 の 承 認 手 続 き 7 4~6の 間 に 飼 養 管 理 技 術 の 習 得 8 施 設 の 改 修 および 新 築 家 畜 飼 養 条 件 を 作 る 9 繁 殖 素 牛 の 導 入 写 真 : 南 北 海 道 市 場 ( 安 平 町 早 来 ) -12-
2 牛 のそろえ 方 ~ 授 精 卵 移 植 のみで 増 やす 場 合 ~ スター ト 年 1 月 1 2 年 目 1 月 1 3 年 目 1 月 1 4 年 目 1 月 1 5 年 目 1 月 1 6 年 目 1 月 1 販 1 売 月 7 年 目 1 が 先 行 するパ ターン 移 植 移 植 移 植 授 精 卵 移 植 のみで 増 やす 場 合 生 まれため すの 半 分 を 残 す( 毎 年 3 頭 3 年 間 ) 授 精 卵 移 植 のみで 増 やす 場 合 毎 年 3 頭 に 移 植 し 3 年 間 で の 場 合 を 確 保 できる 移 植 移 植 移 植 -13- が 先 行 するパターン が 先 行 す るパ ターン 移 植 移 植 移 植
~ 導 入 ( 繁 殖 素 牛 10ヶ 月 齢 を 購 入 )で 増 やす 場 合 のイメージ~ 導 入 牛 から 増 やす 場 合 雌 が 生 まれても 売 らずに 後 継 牛 とすると を 確 保 できる 7 年 で3 頭 ( 初 回 産 子 雌 分 娩 率 40%)の 場 合 これでは する 牛 が 少 なくな るので 所 得 に 結 びつかない 雌 が 生 まれても する 場 合 を 考 慮 し 複 数 頭 の 導 入 を 計 画 的 に 行 う 雌 の 産 子 は 血 統 や 体 格 を 見 なが ら 後 継 牛 とするかどうかの 判 断 をす る 豊 富 な 牧 草 を 十 分 に 採 食 させた 素 牛 雌 が 生 育 まれたら 成 導 入 残 すパターン ( 雌 のこす) スタート 年 1 月 導 入 導 入 1 2 年 目 1 月 1 3 年 目 1 月 1 4 年 目 1 月 1 5 年 目 1 月 1 6 年 目 1 月 1 7 年 目 1 月 1 雌 が -14-
Ⅵ 資 金 調 達 ( 平 成 21 年 現 在 ) 現 在 は 肉 用 牛 関 係 の 推 進 施 策 が 取 られており 様 々な 事 業 が 実 施 されている 宗 谷 管 内 で 肉 用 牛 を 導 入 するための 事 業 として 基 盤 強 化 遊 休 農 地 解 消 新 しい 担 い 手 の 確 保 という 視 点 で 下 記 の4 点 を 推 奨 する 1 繁 殖 雌 牛 の 導 入 促 進 事 業 ( 肉 用 牛 繁 殖 基 盤 強 化 総 合 対 策 事 業 ) 肉 牛 導 入 には 繁 殖 雌 牛 の 導 入 促 進 事 業 があり 一 頭 につき8 千 円 が 交 付 される 北 海 道 全 体 で 年 間 約 15,000 頭 前 後 の 牛 がこの 事 業 で 導 入 されている 資 金 の 償 還 は4 年 目 1/3 と5 年 目 2/3 か 5 年 目 全 額 かを 選 定 できる 2 酪 農 経 営 を 活 用 した 肉 用 牛 増 頭 の 推 進 事 業 ( 肉 用 牛 繁 殖 基 盤 強 化 総 合 対 策 事 業 ) 酪 農 家 等 で 構 成 された 生 産 者 集 団 等 が 和 牛 の 増 頭 を 図 るため 事 業 を 実 施 し た 場 合 に 奨 励 金 が 交 付 される 3 遊 休 農 地 等 を 活 用 した 放 牧 推 進 事 業 ( 肉 用 牛 繁 殖 基 盤 強 化 総 合 対 策 事 業 ) 耕 作 放 棄 地 等 における 放 牧 未 経 験 牛 の 放 牧 の 推 進 を 目 的 とした 事 業 自 給 飼 料 生 産 や 放 牧 を 推 進 するための 遊 休 農 地 等 の 借 入 簡 易 な 整 備 放 牧 用 電 気 牧 柵 の 整 備 等 を 行 える 4 新 規 就 農 円 滑 化 モデル 事 業 ( 新 しい 担 い 手 確 保 事 業 ) 肉 用 牛 を 新 規 で 開 始 する 場 合 新 規 就 農 円 滑 化 モデル 事 業 があり 家 畜 飼 養 施 設 の 1/2 繁 殖 雌 牛 の 導 入 費 1/2 以 内 ( 最 大 175 千 円 ) 農 地 の 借 入 れ 10 a 当 たり 3,800 円 で 5 年 間 農 協 等 がリースする 形 になる -15-
Ⅷ 飼 養 管 理 マニュアル 1 繁 殖 雌 牛 の 管 理 (1) 分 娩 2ヵ 月 前 の 管 理 分 娩 前 は 胎 児 が 急 速 に 成 長 する 時 期 なので 牛 が 栄 養 不 足 の 場 合 は 子 牛 の 成 長 が 悪 くなったり 流 産 にな ったりする 危 険 性 があります 実 際 に 子 牛 の 事 故 の 中 では 流 産 や 死 産 分 娩 時 の 事 故 死 が 非 常 に 多 い 現 状 に あります 子 牛 の 生 産 率 を 高 めるた めにはこの 時 期 からの 管 理 を 特 に 重 視 してください 給 与 する 飼 料 は 牧 草 を 十 分 に 与 えたうえで 胎 児 の 発 育 等 を 考 慮 し て 濃 厚 飼 料 を 与 える 必 要 がありま す 濃 厚 飼 料 の 多 給 は 内 臓 に 脂 肪 を 付 けやすく 難 産 や 繁 殖 成 績 を 低 下 させる 原 因 となるので 注 意 してください 圧 死 窒 息 死 7 頭 (12%) 下 痢 腸 炎 7 頭 (12%) 内 臓 疾 患 7 頭 (12%) 肺 炎 8 頭 (14%) 死 産 流 産 29 頭 (50%) 牛 の 死 廃 要 因 ( 平 成 12 豊 富 町 和 牛 生 産 改 良 組 合 ) (2) 分 娩 前 後 の 管 理 1 清 潔 な 分 娩 房 でのお 産 分 娩 2 週 間 前 になったら 分 娩 房 に 移 動 させ ストレスのない 環 境 で 自 然 分 娩 させてください 母 牛 が 汚 れていたり 牛 舎 内 が 汚 れていると 子 牛 の 下 痢 発 生 率 が 高 くなります 分 娩 房 は 牛 を 入 れる 前 に 必 ず 清 掃 と 消 毒 を 行 い 敷 き 料 を たくさん 入 れて 清 潔 な 環 境 を 作 ってください お 産 の 準 備 1 週 間 前 から 濃 厚 飼 料 を 中 止 する 消 毒 し 敷 きわらを 十 分 入 れた 分 娩 房 (15m2 前 後 )に 母 牛 を 入 れる 放 牧 分 娩 する 場 合 は 平 坦 な 牧 区 へ 移 動 する 狐 などの 野 生 動 物 から 保 護 する 母 牛 の 神 経 をさかなでないように 観 察 する 夜 も 時 々 観 察 する 母 牛 の 外 陰 部 尻 腰 尾 の 裏 を 消 毒 する お 産 の 立 会 い お 産 は 自 然 分 娩 を 基 本 とし 助 産 を 急 いで 行 わない 胎 児 の 肢 蹄 の 方 向 に 注 意 し 異 常 を 感 じたら 消 毒 をして 産 道 に 手 を 入 れ 分 娩 の 進 み 具 合 を 確 かめる 異 常 牛 の 助 産 は 熟 練 者 が 行 う 分 娩 後 生 まれた 子 牛 が 呼 吸 をしないときは 鼻 孔 と 口 内 の 粘 液 ふき 取 り 人 工 呼 吸 をす る 体 を 良 く 拭 いて 皮 毛 が 早 く 乾 くようにする 冬 は 暖 房 をする へそのおが 長 いときは 根 元 から5センチで 切 り 血 液 を 出 してからヨーチンを 塗 る 子 牛 が 初 乳 を 飲 んでいるか 確 認 する 初 乳 を 飲 まない 場 合 母 牛 が 飲 ませない 場 合 は 乳 牛 の 初 乳 か 人 工 初 乳 を 飲 ませる 2 昼 間 分 娩 の 実 施 分 娩 2 週 間 前 から 母 牛 へのえさ 給 与 を 夕 方 の5~7 時 ごろに1 回 だけ( 水 は 不 断 給 与 朝 の 残 飼 は 取 り 除 く)にすると 7 割 以 上 が 昼 に 分 娩 するように なります 分 娩 時 には 必 ず 立 会 い 子 牛 のへその 消 毒 とふき 取 りを 行 い 母 子 ともに 異 常 がないかを 確 認 してください -16-
(3) 分 娩 後 から けまでの 管 理 1 運 動 の 実 施 と 発 情 の 発 見 分 娩 後 はパドックや 放 牧 地 で 運 動 をさせてください 運 動 をすることによっ て 子 宮 の 回 復 が 早 くなり 繁 殖 成 績 を 向 上 させます また スタンディングによ る 発 情 兆 候 の 発 見 がしやくなります 発 情 の 観 察 は 少 なくとも1 日 2 回 行 い 発 情 の 兆 候 を 見 逃 さないようにして ください 分 娩 後 80 日 以 内 の 受 胎 が 目 標 です a 発 情 兆 候 ア 外 陰 部 の 充 血 イ 外 陰 部 の 腫 脹 中 期 に 最 大 末 期 におとろえる ウ 子 宮 外 口 部 の 弛 緩 中 期 から 末 期 にかけて 著 しい エ 粘 液 の 排 出 初 期 には 量 が 多 く 透 明 で 中 期 には 量 も 少 なく 半 透 明 末 期 には 量 はきわめて 少 なく 半 透 明 で 粘 り 強 い オ 挙 動 の 変 化 盛 んに 鳴 く 挙 動 が 不 安 で 良 く 動 く 食 欲 が 急 激 に 減 退 する ひんぱんに 少 量 ずつ 排 尿 する 他 の 牛 と 乗 り 合 いをする(スタンディング) 午 前 9 時 以 前 の 発 見 その 日 の 午 後 に け 午 前 9 時 から12 時 までの 発 見 その 日 の 夕 方 から 早 朝 に け 午 後 1 時 以 降 の 発 見 翌 日 に け b 繁 殖 の 基 本 事 項 ア け 供 用 開 始 13カ 月 齢 前 後 で 開 始 15カ 月 以 内 の 受 胎 ( 体 格 が 良 ければ 早 期 けも 可 能 ) 体 高 重 視 116~118cm 体 重 300kg 以 上 イ 発 情 持 続 時 間 16~26 時 間 が 多 く 30 時 間 を 越 すものは 病 的 なものが 多 い 栄 養 の 良 いものほど 短 くなる 傾 向 にある ウ 発 情 周 期 17~26 日 が 多 い 平 均 21 日 30 日 近 くになるのは 早 期 へい 死 が ある 短 すぎるものは 卵 巣 機 能 障 害 受 胎 は 必 ず 確 認 する 栄 養 の 良 い 物 ほど 短 くなる 傾 向 にある エ 妊 娠 期 間 雄 は289 日 (269~300 日 ) 雌 は286 日 (275~299 日 ) 産 時 が 進 むと 長 くなる 傾 向 がある 放 牧 すると 長 くなる 傾 向 がある オ 分 娩 後 の 発 情 回 帰 分 娩 後 24~70 日 平 均 48 日 子 宮 の 回 復 は 分 娩 後 40~45 日 で 分 娩 後 20 日 では 子 宮 内 は 汚 れて いる 分 娩 後 すぐに 子 牛 を 離 すと 発 情 は 早 く 戻 るが 子 宮 の 回 復 は 遅 れる 分 娩 後 に 栄 養 不 足 になると 発 情 回 帰 は 遅 れる 分 娩 前 に 低 栄 養 でも 分 娩 後 に 標 準 栄 養 になれば 発 情 回 帰 は 回 復 する 分 娩 後 運 動 をさせないと 運 動 させた 場 合 より2 週 間 発 情 回 帰 が 遅 れる -17-
2 適 切 な 栄 養 管 理 授 乳 期 間 中 は 泌 乳 に 対 する 栄 養 補 給 と 同 時 に 繁 殖 機 能 に 対 する 栄 養 補 給 が 必 要 です 泌 乳 量 が 多 い 牛 ほど 子 牛 の 増 体 も 良 くなりますが 母 牛 の 体 重 減 少 も 大 きくなり やせた 状 態 のままでは 繁 殖 成 績 が 悪 くなります 母 牛 の 肉 付 き や 毛 づやなどを 見 ながら 濃 厚 飼 料 やビタミン 剤 の 補 給 も 行 ってください ただし 子 牛 を 母 牛 から 離 して 人 工 哺 乳 する 場 合 は 濃 厚 飼 料 の 給 与 は 必 要 あ りません 中 品 質 の 牧 草 を 飽 食 させてください 繁 殖 牛 飼 料 給 与 例 飼 料 名 分 娩 前 分 娩 後 2ヶ 月 ~ 分 娩 分 娩 ~2ヶ 月 3ヶ 月 ~ 離 乳 離 乳 後 牧 草 自 由 自 由 自 由 自 由 ルーサンヘ レット 1kg 1kg 配 合 飼 料 0.5~2.0kg 2kg 1kg 700 60 日 累 積 乳 量 600 500 400 300 200 泌 乳 量 が 多 い 牛 ほど 分 娩 後 はやせていく 繁 殖 成 績 を 良 くするため に 栄 養 補 給 が 必 ず 必 要 kg 100 (1998- 中 国 農 試 ) -3-2 -1 0 1 2 栄 養 度 の 増 減 栄 養 度 の 増 減 と 分 娩 後 60 日 間 の 累 積 乳 量 の 関 係 3 制 限 哺 乳 の 実 施 授 乳 の 刺 激 は 発 情 回 帰 を 遅 らせ 繁 殖 成 績 に 影 響 するため 3カ 月 以 内 の 離 乳 が 理 想 です また 分 娩 後 14~28 日 の2 週 間 だけ 哺 乳 を1 日 1 回 に 制 限 するだけ でも 発 情 回 帰 が 早 まるため 受 胎 率 向 上 に 効 果 があります 哺 乳 の 刺 激 が 性 腺 刺 激 ホルモンの 分 泌 を 抑 制 するため 哺 乳 回 数 が 多 いほど 発 情 回 帰 が 遅 れる (1981- 鈴 木 ら) 哺 乳 回 数 と 発 情 回 帰 -18-
(4) 受 胎 後 の 管 理 受 胎 が 確 認 できたら 太 り 過 ぎ( 特 に 兵 庫 系 ) やせ 過 ぎ( 特 に 糸 桜 気 高 系 ) にならないような 栄 養 管 理 が 必 要 です 放 牧 草 や 中 品 質 の 牧 草 が 飽 食 給 与 されてい れば 濃 厚 飼 料 の 給 与 は 必 要 ありません また この 時 期 はストレスのない 環 境 さえあれば 管 理 の 省 力 化 ができます 十 分 な 運 動 と 豊 富 な 粗 飼 料 がある 放 牧 地 や 林 地 に 放 し 飼 いをして 健 康 な 牛 体 を 作 り ましょう (5) 繁 殖 成 績 と 収 益 の 関 係 分 娩 間 隔 が 長 くなればなるほど 経 営 上 の 収 益 は 減 ることになります 下 表 は 分 娩 間 隔 の 違 いによって 所 得 の 差 がどれくらいあるかを 示 したものです いくら 良 い 血 統 の 親 牛 を 持 っていても 子 牛 が 産 れなければ 所 得 も 生 まれません 分 娩 間 隔 12ヵ 月 を 達 成 している 農 家 もいるので 繁 殖 成 績 の 良 くない 場 合 は いち 早 く 改 善 に 努 めてください 分 娩 間 隔 と 繁 殖 雌 牛 1 頭 当 り 年 間 収 益 子 牛 ( 販 千 売 円 価 ) 格 分 娩 間 隔 (ヶ 月 ) 11 11.5 12 12.5 13 13.5 14 14.5 200 218 209 200 19 185 178 171 165 250 273 261 250 240 231 222 214 207 300 327 287 300 288 277 267 257 248 350 381 365 350 336 323 311 300 290 400 436 417 400 384 369 356 343 331 子 牛 価 格 350 千 円 で 分 娩 間 隔 14カ 月 の 繁 殖 雌 牛 1 頭 当 り 年 間 収 益 は 子 牛 価 格 300 千 円 で 分 娩 間 隔 12カ 月 の 場 合 と 同 である -19-
分 娩 前 初 乳 1ヶ 月 2ヶ 月 3ヶ 月 4ヶ 月 離 乳 5ヶ 月 6ヶ 月 7ヶ 月 8ヶ 月 No,1 豊 富 町 和 牛 生 産 改 良 組 合 宗 谷 農 業 改 良 普 及 センター 宗 谷 北 部 支 平 成 15 年 ( 平 成 21 年 一 部 改 訂 ) 9ヶ 月 10ヶ 月 1 分 娩 後 1 時 間 以 内 に1 回 2 24 時 間 以 内 に3 回 3 体 重 の10%/ 日 を 目 安 1 時 期 スターターを3 日 間 連 続 1Kg 以 上 食 べられるようになった 時 骨 格 づくり 体 重 のせ 飼 養 管 理 太 り 過 ぎ に 注 意 栄 養 度 の 調 整 元 気 な 子 を 生 ませる 1 分 娩 1~2ヶ 月 前 までには 栄 養 度 の 調 整 を 終 了 し そ の 後 は 維 持 2 太 り 具 合 を 見 て 配 合 による 栄 養 補 給 を 行 う 分 娩 ミルク ( 温 度 濃 度 を 一 定 に) 1リットル 2 回 2リットル 2 回 ( 濃 度 13~16% 程 度 ) スターター (CP20% 以 上 のもの) 1.5Kg 体 高 の 伸 び 液 状 飼 料 下 痢 注 意 ポイント ( 生 後 1 週 間 ~) 生 菌 剤 など 給 与 1 目 的 下 痢 予 防 2 要 相 談 です 6~8cm/ 月 肺 炎 に 注 意 換 気 をしよう 固 形 飼 料 温 度 変 化 の 少 な い 環 境 にしよう < 配 合 飼 料 CP18% 前 後 > 1 3 Kg 3.5Kg エサの 替 わり 目 の 体 調 不 良 に 注 意 体 高 の 伸 び 1 体 高 目 標 =オスもメスも90cm 以 上 2 体 重 目 標 = 95Kg 以 上 3~4cm/ 月 給 与 量 等 は 人 工 哺 乳 去 勢 の 例 です 雌 の 場 合 は 牛 の 体 格 を 見 て0.5~1.0Kg 減 < 配 合 飼 料 CP16% 前 後 > 3.5Kg 4 Kg 4 Kg 5 Kg 骨 の 発 育 目 標 体 重 へ ー 良 質 乾 草 の 飽 食 - 1 飼 そうをカラにしない 2 マメ 科 の 入 ったもの 3 早 刈 のもの 4 常 に 新 鮮 なものを 固 形 飼 料 (スタータ)の 給 与 でルーメンをつくろう ルーメンの 基 礎 は ほぼ3ヶ 月 で 完 成 する コンディション 調 整 - 過 肥 にしない - 胸 垂 にまで 脂 肪 をつけないこと 最 後 肋 骨 が 数 本 確 認 できること 尾 まくら がつき 過 ぎていていないこと 衛 生 手 続 き 駆 虫 ( 親 牛 ) 1 時 期 分 娩 1ヶ 月 前 または 春 秋 一 斉 投 与 2 薬 剤 アイボメックトピカルなど 3 量 上 記 の 場 合 約 50ml 牛 大 腸 菌 性 下 痢 ワクチン 1 初 回 分 娩 の 牛 分 娩 前 2ヶ 月 (1 回 目 ) 分 娩 前 1ヶ 月 (2 回 目 ) 2 経 産 牛 分 娩 前 1ヶ 月 出 生 報 告 1 手 順 本 人 2 期 限 3 日 以 内 3 書 類 出 生 報 告 カート の 提 出 (Faxまたはインターネット) 4 管 理 耳 標 つけ 子 牛 登 記 駆 虫 ( 子 牛 ) 1 時 期 離 乳 の 少 し 前 2 薬 剤 アイボメックトピカル サイデクチンポアオンなど ( 両 : 獣 医 師 指 示 薬 ) (アイホ メックの 例 : 体 重 1Kgに0.1cc= 体 重 100Kg=10cc) 3 下 痢 発 育 不 良 の 原 因 のひとつであるコクシジウム は サルファ 剤 で 対 応 ( 要 獣 医 師 相 談 ) 4 おかしいと 思 ったら 糞 便 検 査 をしてみましょう 1 手 順 農 協 畜 産 課 へ 2 期 限 6ヶ 月 以 内 だが 基 金 対 象 牛 は2ヶ 月 以 内 3 書 類 黒 毛 和 種 登 記 牛 分 娩 届 出 生 報 告 カード 4 他 個 体 識 別 番 号 を 正 確 に 記 入 すること 皮 膚 真 菌 症 (がんべ) 対 策 1 薬 剤 ナナオマイシンなど 2 薬 剤 塗 布 後 回 復 に2~3ヶ 月 かかる 去 勢 1 時 期 4~5ヶ 月 早 すぎると 尿 石 発 生 遅 すぎる 発 育 遅 れ 2 方 法 観 血 法 がストレスが 少 なくて 良 牛 5 種 混 合 ワクチン( 子 牛 ) 1 時 期 離 乳 後 2 薬 剤 牛 5 種 混 合 ワクチン 3 申 し 込 み 豊 富 では2か 月 ごと 尿 石 注 意 1 時 期 配 合 飼 料 が5Kg 以 上 になるとき 2 予 防 高 タンパク 飼 料 に 注 意 紘 塩 などの 常 設 3 薬 剤 カウストンなど 牛 5 種 混 合 ワクチン( 保 留 牛 ) 1 時 期 妊 娠 前 妊 娠 後 は 流 産 の 危 険 がある 出 荷 準 備 1 馴 致 外 へつないでおく 歩 行 訓 練 フ ラッシンク など 2 洗 浄 シャンプーなど ヨーネ 検 査 ( 雌 ) 1 手 順 農 協 畜 産 課 へ 2 時 期 3ヶ 月 に1 回 のとりまとめごと 3 条 件 6ヶ 月 以 上 の 牛 4 他 陰 性 証 明 がなければ 上 場 できない 出 荷 申 し 込 み 1 手 順 農 協 課 へ 2 期 限 上 場 20 日 前 まで( 日 程 表 による) 3 書 類 申 込 書 4 他 欠 場 は 罰 金 2,000 円 基 本 登 録 ( 保 留 牛 ) 1 手 順 農 協 畜 産 課 へ 2 時 期 生 後 14ヶ 月 ~30ヶ 月 ( 雌 ) 年 2 回 ( 春 と 秋 ) 3 書 類 基 本 本 原 審 査 票 登 録 審 査 申 込 連 名 簿 子 牛 登 記 証 明 書 鼻 紋 など 4 条 件 登 録 時 に 体 高 120cm 以 上 77 点 以 上 の 牛