TRIレポート第170号



Similar documents
の と す る (1) 防 犯 カ メ ラ を 購 入 し 設 置 ( 新 設 又 は 増 設 に 限 る ) す る こ と (2) 設 置 す る 防 犯 カ メ ラ は 新 設 又 は 既 設 の 録 画 機 と 接 続 す る こ と た だ し 録 画 機 能 付 防 犯 カ メ ラ は

・モニター広告運営事業仕様書

(Microsoft Word - \203A \225\345\217W\227v\227\314 .doc)

0605調査用紙(公民)

Taro-学校だより学力調査号.jtd

第1回

円 定 期 の 優 遇 金 利 期 間 中 に 中 途 解 約 す る と 優 遇 金 利 は 適 用 さ れ ず お 預 け 入 れ 日 か ら 解 約 日 ま で の 所 定 の 期 限 前 解 約 利 率 が 適 用 さ れ ま す 投 資 信 託 ( 金 融 商 品 仲 介 で 取 り 扱

J A K カ イ ロ プ ラ ク テ ィ ッ ク 協 同 組 合 規 約 ( 目 的 ) 第 1 条 組 合 員 の 権 利 義 務 等 は 定 款 に よ っ て 定 め ら れ て い る が 定 款 の 第 6 条 の 規 定 に よ り 定 款 に 記 載 さ れ な い 必 要 事 項

東京都立産業技術高等専門学校

Microsoft Word - 養生学研究投稿規定(改)

雇用保険被保険者資格取得届(様式)編

サッカーの話をしよう 旅するワールドカップ 立ち読み版

イ ン チ ー ザ ヴ ィ チ ェ ン ツ ァ ヴ ィ ッ ロ ル バ ( ト レ ビ ゾ 近 郊 ) ヴ ィ ン チ ヴ ェ ル バ ニ ア ヴ ェ ロ ー ナ エ リ チ ェ カ タ ー ニ ャ ( 3 月 ~ 1 0 月 ) ( 1 1 月 ~ 2 月 ) 5 0 ユ ー ロ 以 上 介 護

2016年夏のボーナス見通し

人見知りを克服する方法


道 内 シ ル バ ー 人 材 セ ン タ ー の 現 状 に つ い て は 契 約 金 額 に お い て は 請 負 契 約 で は 減 少 し た も の の シ ル バ ー 派 遣 事 業 の 大 幅 な 伸 び に よ り 5 年 ぶ り に 前 年 実 績 を 上 回 っ た が 会

西関東書式

別紙3

47 高 校 講 座 モ オ モ 圏 比 較 危 述 覚 普 第 章 : 活

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

ATOK Syncの設定方法と使い方(Mac用)

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

神の錬金術プレビュー版

< F2D A C5817A C495B6817A>

Taro-契約条項(全部)

Taro-別紙1 パブコメ質問意見とその回答


編 5ヶ 月 6 総 論 7 抜 ピ ド ピ ド 速 永 久 繰 ロ セ 慣 容 易 結 共 通 決 々 5 照 づ 具 ご 紹 介 与 監 査 比 較 場 限 提 始 箇 提 進 ご 安 心 話 提 与 監 査 雑 把 与 締 役 緒 算 類 作 機 関 従 来 税 始 忘 生 物 繰 切 忘 葉

Microsoft Word - 07②-2 補足説明資料1.docx

2 じ 3! 書 手 取 ご ざ お 願 3 ず じ 読 劇 的 変 ヒ 書? 辞 働 誰 何 縛 ず ょ 目 指 流 ビ

3 会 場 使 用 費 の 支 払 い 大 会 当 日, 会 場 使 用 費 を 各 学 校 ご と に ま と め て 大 会 本 部 に 納 め る 4 各 地 区 主 任 に よ る 手 続 き 各 地 区 主 任 は, 参 加 校 分 の 大 会 申 込 書 地 区 大 会 結 果 を 代

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

Microsݯft Word - 91 forܠ2009November.docx

更 新 申 請 全 般 Q1 宅 建 業 免 許 の 更 新 は ど の よ う に す れ ば よ い の で し ょ う か? A1 申 請 書 類 を 作 成 し 必 要 書 類 を そ ろ え 埼 玉 県 庁 第 二 庁 舎 1 階 建 築 安 全 課 宅 建 業 免 許 担 当 の 窓 口

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

入札公告 次 の と お り 一 般 競 争 入 札 に 付 し ま す 平 成 2 7 年 7 月 1 6 日 経 理 責 任 者 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 富 山 病 院 長 嶋 大 二 郎 調 達 機 関 番 号 所 在 地 番 号 1 6 第

がん専門病院における薬剤師養成のあり方に関する調査研究

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

< F2D D D837C815B B8EC08E7B97768D80>

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

158 高 校 講 座 習 モ 現 ラ 習 モ 距 離 置 示 終 向 据 示 唆 与 取 ょ 第 7576 回 第 :

大学と学生第545号ビジネスモデルからみた卒業生就職支援の課題_関西学院大学(澤谷 敏行)-JASSO

1 育 児 休 業 代 替 任 期 付 職 員 ( 一 般 事 務 職 )とは 育 児 休 業 代 替 任 期 付 職 員 とは 一 般 の 職 員 が 育 児 休 業 を 取 得 した 際 に 代 替 職 員 とし て 勤 務 する 職 員 です 一 般 事 務 職 については 候 補 者 として

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始


入 札 公 告 次 の と お り 一 般 競 争 入 札 に 付 し ま す 平 成 28 年 1 月 5 日 経 理 責 任 者 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 山 口 宇 部 医 療 セ ン タ ー 院 長 上 岡 博 調 達 機 関 番 号 597 所 在 地 番 号 35

< F31332D8E8A8AAF95F F A C5816A2E6A>

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

入札公告 機動装備センター

2. 居 住 用 財 産 を 売 却 し た 場 合 の 特 例 譲 渡 資 産 は 居 住 用 財 産 で す か? 住 宅 取 得 特 別 控 除 の 適 用 を 受 け て い ま せ ん か? 所 有 期 間 が 1 0 年 を 超 え て い ま す か? 居 住 期 間 は 3 0 年

の た め 委 託 事 業 者 の 選 定 に あ た っ て は こ れ ら C M 業 務 の 遂 行 能 力 及 び 業 務 実 績 に つ い て も 本 業 務 の 審 査 項 目 と し て 重 視 す る も の と す る 3 参 加 資 格 提 案 書 を 提 出 す る も の(

平 政 種 郵 便 物 認 可 信 無 埋 般 触 機 可 能 面 幅 繋 待 道 口 ギ 握 定 友 共 感 現 揺 ぶ 趣 志 向 析 展 揺 ぶ 始 博 爆 博 ネ 無 料 ゾ 閉 鎖 室 建 物 空 移 = ゴ 続 難 夢 室 校 病 院 東 六 木 降 湾 ガ 熱 狂 渦 巻 6 員 録

jouhoukyouikubukai

(平成13年9月25日現在)

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

は じ め に 懸 賞 フ ァ ン の 皆 さ ん 毎 日 応 募 し て い ま す か? 成 果 は い か が で す か? イ ン タ ー ネ ッ ト で は 毎 日 非 常 に た く さ ん の ホ ー ム ペ ー ジ で 膨 大 な 数 の 懸 賞 プ レ ゼ ン ト が 実 施 さ

札 者 を 決 定 す る 総 合 評 価 方 式 の 工 事 で あ る 3 本 工 事 は 一 定 の 条 件 に 該 当 す る 低 入 札 価 格 調 査 対 象 工 事 業 者 の 入 札 へ の 参 加 を 制 限 す る 等 の 試 行 工 事 で あ る 4 本 工 事 は 低 入

(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 が 無 い た め 記 載 し て お り ま せ ん 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 ( 参 考 ) 区 分 民 間 給 与 A 公 務 員 給 与 B 較 差 A - B 勧 告 ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 国 の 改

Microsoft Word - 全国エリアマネジメントネットワーク規約.docx

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>


(6) Qualification for participating in the tendering procedu

区議会月報 平成19年4-5月

< F2D E616C817A91E D868FF096F189BC>

m07 北見工業大学 様式①

2 シ ス テ ム が 2 4 時 間 日 安 定 的 に 稼 働 す る 機 材 と 設 置 環 境 を 整 え る こ と ( 2 ) ソ フ ト ウ ェ ア 1 既 に 導 入 実 績 の あ る CMS で あ る こ と 2 Windows7(Windows IE1 1 ) で

入札公告 次 の と お り 一 般 競 争 入 札 に 付 し ま す 平 成 3 0 年 1 月 1 9 日 経 理 責 任 者 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 い わ き 病 院 長 関 晴 朗 調 達 機 関 番 号 所 在 地 番 号 0 7 第

募集要項

ブック 1.indb

ら 情 報 せ 先 先 ホムペジ

(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 の 設 置 なし 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 A B A-B ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 ( 参 考 ) 国 の 改 定 率 24 年 度 円 円 円 円 ( ) 改

目 次 第 1 章 は じ め に... 3 第 2 章 基 本 的 な キ ー 操 作... 4 第 3 章 メ ニ ュ ー 画 面... 6 第 4 章 入 荷 業 務... 7 第 5 章 出 荷 業 務... 9 第 6 章 商 品 照 会...11 第 7 章 棚 卸 業 務...12 第

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

インターネット取引に関する調査結果(平成13年3月末)について

<4D F736F F D CBB8BB55F8CA48B865F33335F30315F90AD8DF48CA48B8691E58A E58A775F90AD8DF48CA48B8689C82E646F63>

Ⅰ. は じ め に 27 年 か ら の 不 況 の 影 響 で 不 動 産 競 売 物 件 が 増 加 し て い る 29 年 9 月 は 全 国 で 8 件 を 超 え た ( 前 年 同 月 は 約 6 件 ) ま た 不 動 産 競 売 の 情 報 が イ ン タ ー ネ ッ ト で 公

柏市防犯灯LED化事業

Taro-官報原稿(佐賀病院)

損 益 計 算 書 ( 平 成 25 年 10 月 1 日 から 平 成 26 年 9 月 30 日 まで) ( 単 位 : 千 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 304,971 営 業 費 用 566,243 営 業 総 損 失 261,271 営 業 外 収 益 受 取 利 息 3,545


入札公告 次 の と お り 一 般 競 争 入 札 に 付 し ま す 平 成 2 4 年 6 月 1 1 日 経 理 責 任 者 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 東 京 医 療 セ ン タ ー 院 長 松 本 純 夫 調 達 機 関 番 号 所 在 地 番 号 1 3

< F2D8CF68D908A BA97AC89CD90EC8FF38BB592B28DB8>

-2-

定款  変更

Taro-29職員退職手当支給規程

一般資料選定基準

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (5 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 類 団 府 分 似 体 平 均 年 齢

(6) Qualification for participating in the tendering procedu

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

ロ ペ ミ ッ ク 小 児 用 % C ゲ シ ン L 錠 5 0 m g G ソ レ ル モ ン S R カ プ セ ル m g N1

図 表 1 住 開 始 分 ま で の 5 年 間 延 長 さ れ ま し た 住 宅 ロ ー ン 控 除 の た め の フ ロ ー チ ャ ー ト 住 宅 ローンで 住 宅 及 びその 敷 地 を 取 得 し 取 得 の 日 から6か 月 以 内 に 居 住 して いますか? 所 得 金 額 が

はじめに.indd

第三十六号の二様式(第五条関係)(A4)

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

新 市 建 設 計 画 の 変 更 に 係 る 新 旧 対 照 表 ページ 変 更 後 変 更 前 表 紙 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 平 成 27 年 3 月 変 更 安 中 市 6 2. 計 画 策 定 の 方 針 (3) 計

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

Transcription:

メディア 情 報 工 作 全 開 総 選 挙 後 日 本 の 不 安 禁 複 写 金 利 為 替 株 価 特 報 ( 2012 年 12 月 14 日 号 )170 < 目 次 > 1. 概 観 公 共 事 業 バ ラ マ キ 金 融 緩 和 強 制 の 連 想 ゲ ー ム 2. 政 局 メ デ ィ ア 情 報 工 作 は 何 を 目 的 に 動 い た か 3. 政 策 行 き は よ い よ い 帰 り は 怖 い 日 本 経 済 4. 株 価 1 9 3 7 年 と 1 9 7 2 年 の 教 訓 5. 米 国 オ バ マ は 財 政 の 崖 を 転 落 す る か 6. 金 利 日 本 金 利 の 米 国 金 利 離 れ 7. 為 替 欧 州 危 機 は 最 悪 期 を 脱 し た か 8. 中 国 原 油 調 整 持 続 の 中 国 9. 投 資 戦 略 ミ ニ バ ブ ル と 反 動 スリーネーションズリサーチ リサーチ 代 表 植 草 一 秀 年 内 最 終 レ ポ ー ト は 1 2 月 2 5 日 発 行 の 予 定 で す 新 年 は 第 1 号 発 行 が 1 月 1 2 日 土 曜 日 そ の 後 は 1 月 2 5 日 2 月 8 日 2 月 2 2 日 3 月 8 日 3 月 2 2 日 の 第 2 第 4 金 曜 日 に 発 行 予 定 で す な お 経 済 統 計 日 程 と 政 治 経 済 金 融 情 勢 に よ り 予 告 な く 発 行 日 を 小 幅 変 更 す る こ と が あ り ま す の で あ ら か じ め ご 了 承 く だ さ い 年 明 け 後 2 月 1 8 日 月 曜 日 の 午 後 6 時 よ り 9 時 の 日 程 で 第 2 回 T R I 政 経 塾 を 開 催 い た し ま す 前 回 は ご 参 加 申 し 込 み が 定 員 に 達 し た た め に 多 く の 皆 様 の ご 参 加 希 望 に 沿 う こ と が で き ま せ ず お 詫 び 申 し 上 げ ま す 定 員 2 1 名 の 勉 強 会 で 先 着 順 に お 受 け 付 け さ せ て い た だ き ま す の で ご 参 加 希 望 の 皆 様 は 早 め に お 申 し 込 み く だ さ い ま す よ う ご 案 内 申 し 上 げ ま す 会 場 は 新 宿 野 村 ビ ル 4 8 階 野 村 コ ン フ ァ レ ン ス プ ラ ザ ボ ー ド ル ー ム で 午 後 6 時 よ り 午 後 8 時 ま で 参 加 費 は お 食 事 資 料 費 込 み で 1 万 円 に な り ま す 参 加 ご 希 望 の 方 は info@uekusa- tri.co.jp ま た は F A X 0 2 0-4 6 2 3-8 8 9 7 ま で お 申 し 込 み を お 願 い 申 し 上 げ ま す 1

1. 概 観 公 共 事 業 バ ラ マ キ 金 融 緩 和 強 制 の 連 想 ゲ ー ム 1 2 月 1 6 日 に 第 4 6 回 衆 議 院 議 員 総 選 挙 が 実 施 さ れ る 本 レ ポ ー ト 執 筆 は 1 2 月 1 3 日 で あ る の で 現 時 点 で 結 果 は 判 明 し て い な い メ デ ィ ア が 発 表 し て い る 調 査 結 果 で は 自 民 圧 勝 が 示 さ れ て い る が 多 分 に 情 報 操 作 が 行 わ れ て い る 形 跡 が あ る 情 報 操 作 が 有 権 者 の 投 票 行 動 に 影 響 を 与 え る 面 を 否 定 で き な い メ デ ィ ア の 情 報 工 作 は 次 の 二 点 を 柱 と し て い た 第 一 は 選 挙 が 民 自 維 新 の 三 極 で 行 わ れ る と の イ メ ー ジ を 刷 り 込 む こ と 第 二 は 民 主 党 の 本 来 の 主 流 派 で あ る 小 沢 一 郎 新 党 に 関 す る 報 道 を 封 殺 す る こ と そ の 狙 い は 既 得 権 益 の 政 治 の 堅 持 に あ る メ デ ィ ア が 執 拗 に 小 沢 - 鳩 山 体 制 を 攻 撃 し 続 け て き た の は 小 沢 - 鳩 山 体 制 が 既 得 権 益 の 政 治 を 破 壊 し 主 権 者 国 民 の 政 治 を 指 向 し て い た か ら だ 日 本 の 既 得 権 益 と は 米 官 業 政 電 の 五 者 で あ る 既 得 権 益 ペ ン タ ゴ ン だ 小 沢 - 鳩 山 体 制 は 既 得 権 益 に と っ て の 重 大 な 脅 威 で あ っ た そ の 脅 威 を 取 り 除 く た め に 既 得 権 益 は 謀 略 を 張 り 巡 ら し こ の 勢 力 の せ ん 滅 に 全 力 を 注 い で き た の で あ る こ れ を 第 一 の 目 的 と し て 今 回 総 選 挙 が 実 施 さ れ た メ デ ィ ア は 次 の 三 つ を 繰 り 返 し 流 布 す る こ と に よ る 情 報 操 作 を 実 行 し た 第 一 は 自 民 党 圧 勝 予 想 を 流 布 し て 有 権 者 の 勝 ち 馬 に 乗 る 行 動 を 誘 導 し た 第 二 は 選 挙 結 果 が 確 定 的 で あ る と の 印 象 を 刷 り 込 み 投 票 率 の 引 き 下 げ を 誘 導 し た 第 三 は 日 本 未 来 の 党 支 持 率 を 著 し く 低 く 発 表 し て 反 民 自 票 が 日 本 未 来 の 党 に 集 中 す る こ と を 阻 止 し た こ の 策 略 が 目 論 み 通 り の 結 果 を 生 み 出 す の か ど う か 現 時 点 で は 明 ら か で な い が 日 本 の 情 報 空 間 を 支 配 す る マ ス メ デ ィ ア の 不 正 な 情 報 工 作 が 強 い 影 響 力 を 発 揮 し た こ と は 間 違 い な い 公 職 選 挙 法 は ネ ッ ト を 活 用 し た 選 挙 運 動 を 禁 止 し て い る が マ ス メ デ ィ ア の 投 票 誘 導 行 動 が 野 放 し に な っ て い る こ と は 明 ら か に バ ラ ン ス を 欠 い て い る ネ ッ ト を 活 用 し た 選 挙 運 動 を 禁 止 す る な ら マ ス メ デ ィ ア の 偏 向 報 道 不 正 報 道 を 取 り 締 ま る の が 当 然 で あ る 反 民 自 勢 力 の 連 携 が 構 築 さ れ る 前 に 解 散 総 選 挙 に 突 入 し た こ と で 反 民 自 勢 力 が 著 し く 不 利 な 状 況 に 置 か れ た こ と は 事 実 で あ る 他 方 自 民 党 は 前 回 落 選 組 が 3 年 間 の 活 動 を 継 続 し た 状 況 に あ り い わ ゆ る 次 点 バ ネ が 強 く 働 き や す い 環 境 に あ る こ の 結 果 と し て 自 民 党 が 政 権 に 復 帰 す る 可 能 性 が 高 い 2

円 ユ ー ロ レ ー ト の 推 移 ( 2 0 0 7 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) 日 経 平 均 株 価 の 推 移 ( 2 0 0 7 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) 自 民 党 党 首 の 安 倍 晋 三 氏 は 1 0 年 で 2 0 0 兆 円 の 公 共 事 業 実 施 と 日 銀 の 金 融 緩 和 政 策 強 制 を 公 約 と し て 提 示 し て い る 金 融 市 場 は 安 倍 政 権 誕 生 を 先 読 み し て 公 共 事 業 拡 大 金 融 緩 和 = 円 安 政 策 推 進 を 織 り 込 み 始 め た 本 レ ポ ー ト で は 1 0 月 2 9 日 号 第 5 節 に 米 国 株 価 連 動 で な く 為 替 連 動 の 日 本 株 価 と 題 し て 日 本 円 が 米 ド ル や ユ ー ロ に 対 し て 下 落 基 調 に 転 じ る な ら 日 本 の 株 価 上 昇 を 期 待 で き る と 記 述 し た 第 1 節 概 観 日 本 円 下 落 3

日 経 平 均 株 価 の 推 移 ( 2 0 1 1 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) 落 が 引 き 起 こ す 大 き な 変 化 に は 日 本 の 金 融 政 策 に お い て さ ら に 量 的 な 緩 和 措 置 が 強 化 さ れ る 可 能 性 が 生 ま れ る こ と を 考 慮 す る と 日 本 円 の 中 期 ト レ ン ド が 円 高 で は な く 円 安 に 転 じ る 可 能 性 を 否 定 で き な い と 記 述 し た つ ま り 金 融 緩 和 政 策 が 強 制 さ れ 金 利 低 下 = 円 安 = 株 価 上 昇 の 反 応 が 生 ま れ る 可 能 性 が 高 い こ と を 予 測 し た の で あ る 上 記 グ ラ フ に 示 さ れ て い る よ う に 1 1 月 1 3 日 を 転 換 点 に 予 測 通 り の 金 融 変 動 金 利 低 下 = 円 安 = 株 価 上 昇 の 流 れ が 現 実 化 し た 新 政 権 は 1 2 月 2 6 日 に 発 足 の 見 通 し で あ る 7 年 間 で 8 つ 目 の 政 権 の 誕 生 で あ る 毎 年 の 恒 例 行 事 に な っ た 首 相 の 交 代 が 今 年 も ま た 実 施 さ れ る 安 倍 晋 三 氏 が 新 首 相 に 就 任 す る な ら 首 相 へ の 返 り 咲 き と い う こ と に な る ご 祝 儀 相 場 で 高 支 持 率 で の 発 足 が 予 想 さ れ 金 融 市 場 は 足 元 で 金 利 低 下 = 円 安 = 株 高 を 期 待 し て お り 当 面 は こ の 反 応 が 予 想 さ れ る し か し そ の ま ま バ ラ 色 の 未 来 が 広 が る と 考 え る の は 時 期 尚 早 だ 政 府 財 務 省 に よ る 日 銀 支 配 消 費 税 大 増 税 に は 大 き な 副 作 用 が あ る 目 先 と そ の 先 の 中 期 を 峻 別 し て 金 融 市 場 変 動 を 洞 察 す る こ と が 不 可 欠 で あ る 2. 政 局 メ デ ィ ア 情 報 工 作 は 何 を 目 的 に 動 い た か 1 2 月 1 6 日 に 総 選 挙 が 投 開 票 日 を 迎 え る 追 い 詰 め ら れ た 野 田 佳 彦 氏 が つ い に 解 散 総 選 挙 を 決 断 し た が 野 田 氏 が 再 重 視 し た の は 民 主 党 の 敗 北 を 縮 小 4

す る こ と で は な か っ た 野 田 氏 が 意 図 し た の は 小 沢 新 党 の せ ん 滅 で あ る 日 本 を 支 配 す る 既 得 権 益 で あ る 米 官 業 政 電 の 中 心 に 位 置 す る の は 言 う ま で も な く 米 国 で あ る 米 国 は 既 得 権 益 の 政 治 を 破 壊 す る 存 在 を 許 さ な い 米 国 が 標 的 に し た 攻 撃 対 象 は 小 沢 新 党 で あ る 振 り 返 れ ば 2 0 0 9 年 に 政 権 交 代 を 実 現 し た 中 核 に 位 置 し た の が 小 沢 一 郎 氏 と 鳩 山 由 紀 夫 氏 で あ る 小 沢 一 郎 氏 は 西 松 陸 山 会 の 二 つ の 政 治 謀 略 事 件 が な け れ ば 2 0 0 9 年 以 降 日 本 の 内 閣 総 理 大 臣 に 就 任 し 日 本 政 治 の 刷 新 を 実 現 し て い た は ず の 人 物 で あ る こ の 小 沢 一 郎 氏 を 標 的 に 3 年 半 に わ た っ て 小 沢 一 郎 氏 攻 撃 が 実 行 さ れ た そ の 結 果 と し て 鳩 山 政 権 は 倒 閣 さ れ 2 0 1 0 年 9 月 の 民 主 党 代 表 選 で も 小 沢 一 郎 氏 の 新 代 表 就 任 が 不 正 選 挙 で 阻 止 さ れ た 今 回 総 選 挙 は 本 来 民 自 維 新 の 既 得 権 益 勢 力 と 小 沢 新 党 を 軸 と す る 主 権 者 国 民 勢 力 と の 間 で 繰 り 広 げ ら れ る も の で あ っ た こ の 図 式 を 破 壊 し て 総 選 挙 の 位 置 付 け を 改 変 し た の が マ ス メ デ ィ ア で あ る マ ス メ デ ィ ア の 情 報 工 作 が 今 回 総 選 挙 の 基 本 性 格 を 根 本 か ら 捻 じ 曲 げ た の だ 野 田 佳 彦 氏 は 民 主 党 が 惨 敗 す る こ と を 踏 ま え て 今 回 総 選 挙 実 施 に 踏 み 切 っ た そ の タ イ ミ ン グ は 小 沢 新 党 の 選 挙 態 勢 が 整 っ て い な い こ と 小 沢 新 党 の 選 挙 資 金 が も っ と も 減 少 す る 時 期 を 選 定 し て 決 定 さ れ た 総 選 挙 の 本 来 の 争 点 は 原 発 消 費 税 T P P の 三 つ で あ る 総 選 挙 は こ れ ら の 重 要 政 策 課 題 に つ い て 主 権 者 で あ る 国 民 が 最 終 判 断 を 示 す 政 策 選 択 選 挙 と 呼 ぶ べ き も の で あ っ た こ の 三 つ の 重 要 政 策 に つ い て 民 主 自 民 維 新 の 間 に 大 き な 相 違 は な い 民 主 が 惨 敗 し て 自 民 が 議 席 を 増 や し て も 既 得 権 益 の 政 治 を 守 る 勢 力 が 政 権 を 維 持 す る 限 り 既 得 権 益 の 実 害 は な い の で あ る こ う し た 基 本 判 断 に 基 づ い て 総 選 挙 実 施 が 決 定 さ れ た が こ の な か で マ ス メ デ ィ ア は 徹 底 し た 情 報 工 作 を 展 開 し た メ デ ィ ア が 実 行 し た 情 報 工 作 と は 前 節 に も 記 述 し た よ う に 1 自 民 圧 勝 予 測 の 意 図 的 な 流 布 2 選 挙 結 果 が 確 定 的 で あ る と す る こ と に よ る 投 票 率 引 下 げ 工 作 3 日 本 未 来 の 党 支 持 率 の 人 為 的 抑 制 の 三 つ で あ っ た 明 ら か な 選 挙 妨 害 活 動 で あ る 同 時 に 実 行 さ れ た の が 争 点 す り 替 え で あ る メ デ ィ ア は 景 気 対 策 雇 用 が 再 重 要 争 点 だ と 喧 伝 し た が 本 来 は 景 気 雇 用 消 費 増 税 が 主 要 争 点 な の だ 景 気 雇 用 を 重 視 し て 消 費 増 税 推 進 は 完 全 な る 自 己 矛 盾 で あ 5

る 消 費 税 増 税 を 財 政 再 建 と セ ッ ト に し て 主 要 争 点 か ら 外 す 工 作 が 実 行 さ れ た ま た 原 発 政 策 が 突 然 主 要 争 点 か ら 消 し 去 ら れ た 福 島 の 事 故 を 踏 ま え て 日 本 の 主 権 者 国 民 が 原 発 ゼ ロ に 向 け て 立 ち 上 が っ た 官 邸 前 示 威 行 動 の 盛 り 上 が り は 日 本 の 主 権 者 国 民 の 自 発 的 な 行 動 で あ っ た 原 発 推 進 派 は 原 発 ゼ ロ を 実 現 す れ ば 電 力 料 金 が 上 昇 す る と 反 論 す る が 原 発 が 低 コ ス ト の 発 電 方 式 で あ る と い う の は 虚 偽 で あ る 原 発 事 故 の 損 害 賠 償 費 用 を 発 電 コ ス ト に 算 入 す る だ け で 原 発 は も っ と も 高 コ ス ト の 発 電 方 式 に な る 日 本 は 国 策 と し て 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー に よ る 電 力 供 給 体 制 の 確 立 に 進 む べ き で あ る ま た 現 行 の 電 力 料 金 は 総 括 原 価 方 式 で 異 常 に 高 価 な L N G 購 入 価 格 な ど が 前 提 と さ れ て い る ド イ ツ で 電 力 料 金 が 1.8 倍 に な っ た こ と な ど が 引 き 合 い に 出 さ れ る が こ れ ま で の 高 コ ス ト 体 質 の 見 直 し を 進 め れ ば 電 力 料 金 の 大 幅 引 き 上 げ は 必 ず 回 避 で き る は ず で あ る 既 得 権 益 の 政 治 死 守 を 目 的 に し た メ デ ィ ア の 情 報 工 作 全 開 を 見 落 せ な い 3. 政 策 行 き は よ い よ い 帰 り は 怖 い 日 本 経 済 仮 に 安 倍 晋 三 政 権 が 発 足 す る と し て 日 本 経 済 の 展 望 は ど の よ う に 変 化 す る で あ ろ う か 安 倍 晋 三 氏 が 選 挙 期 間 中 に 示 し た 経 済 政 策 に は 自 己 矛 盾 が 数 多 く 含 ま れ て い る 金 融 市 場 は あ る 意 味 で い い と こ 取 り を し て 金 利 低 下 = 円 安 = 株 高 の 反 応 を 示 し た が 政 権 が 発 足 す れ ば い い と こ 取 り を 中 断 し て 冷 静 な 思 考 を 試 み る こ と に な る だ ろ う N Y ダ ウ の 推 移 (2 0 0 8 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) 6

金 融 市 場 は 安 倍 氏 が 日 銀 法 を 改 正 し て 金 融 緩 和 政 策 を 強 制 す る と 発 言 し た こ と に 反 応 し た こ の 結 果 と し て 金 利 低 下 = 円 安 = 株 高 の 反 応 が 生 ま れ た し か し 他 方 で 安 倍 氏 は 1 0 年 で 2 0 0 兆 円 の 公 共 事 業 を 提 案 す る と と も に 消 費 税 大 増 税 に 原 則 賛 同 す る 意 向 を 表 明 し た ま た 民 主 党 政 権 の 予 算 編 成 に お け る 予 算 規 模 拡 大 を 批 判 も し た 積 極 財 政 緊 縮 財 政 予 算 規 模 縮 小 と 同 時 に は 成 り 立 た な い 政 策 を ご ち ゃ ま ぜ に し て 発 言 し て い た の で あ る 金 融 市 場 は 現 在 の 金 利 低 下 = 円 安 = 株 高 の 流 れ の 限 界 を ト ラ イ す る 可 能 性 が 高 い つ ま り 現 在 の 金 融 市 場 変 動 が 当 面 は 持 続 す る 可 能 性 が 高 い し か し そ れ が 持 続 す る 可 能 性 は 低 い 他 方 で 建 設 国 債 増 発 = 日 銀 の 国 債 購 入 増 額 の 方 策 を 示 し て い る か ら で あ る 他 方 2 0 1 4 1 5 年 度 に は 超 巨 大 増 税 を 実 施 す る 可 能 性 が 高 い 1 9 9 6 年 も 橋 本 政 権 が 消 費 税 増 税 の 方 針 を 閣 議 決 定 し た 瞬 間 に 株 価 は 下 落 ト レ ン ド に 転 じ た 2 0 1 3 年 後 半 に 消 費 税 大 増 税 を 決 定 す れ ば こ れ を 契 機 に 先 行 き 景 気 後 退 不 安 が 一 気 に 強 ま る だ ろ う ま た 安 倍 政 権 は 2 0 1 3 年 春 の 日 銀 総 裁 人 事 で 財 務 省 O B の 武 藤 敏 郎 氏 の 日 銀 総 裁 就 任 を 容 認 す る と 見 ら れ る 日 銀 の 独 立 性 は 著 し く 低 下 し 長 期 的 に 日 本 円 の 信 認 は 揺 ら ぐ こ と に な る 金 融 緩 和 強 制 派 の 主 張 は 歴 史 の 視 座 を 欠 い て い る 小 泉 竹 中 政 治 の 流 れ を 汲 む 勢 力 が 背 後 で 蠢 い て お り こ の 勢 力 が 再 び 経 済 失 政 を 誘 導 す る こ と が 予 想 さ れ る こ の 意 味 で 新 政 権 は 行 き は よ い よ い 帰 り は 怖 い の 展 開 に 陥 る 可 能 性 が 高 い 目 先 と 中 期 を 峻 別 し た 経 済 動 向 洞 察 が 求 め ら れ る 4. 株 価 1 9 3 7 年 と 1 9 7 2 年 の 教 訓 新 年 の 金 融 市 場 を 展 望 す る に 当 た り 二 つ の 歴 史 教 訓 を 念 頭 に 入 れ て お く こ と が 有 用 で あ る 1 9 3 7 年 の 教 訓 と 1 9 7 2 年 の 教 訓 だ 1 9 3 7 年 の 教 訓 と は 米 国 の 経 済 政 策 が 大 緊 縮 に 転 じ た こ と を 意 味 す る 1 9 2 9 年 に 始 ま る 世 界 大 恐 慌 こ の 不 況 を 深 刻 化 さ せ た の が 共 和 党 の ハ ー バ ー ト フ ー バ ー 大 統 領 だ っ た 私 が 在 籍 し た ス タ ン フ ォ ー ド 大 学 の フ ー バ ー 研 究 所 の 創 設 者 で も あ る フ ー バ ー 大 統 領 は 世 界 恐 慌 に 直 面 す る な か で 財 政 均 衡 主 義 を 重 視 し ま た 保 護 貿 易 政 策 を 実 行 し て 恐 慌 を 深 刻 化 さ せ た こ の 政 策 を 修 正 し た の が 民 主 党 の フ ラ ン ク リ ン ル ー ズ ベ ル ト 大 統 領 だ っ た ニ ュ ー デ ィ ー ル 政 策 を 提 唱 し て 積 極 財 政 で 恐 慌 に 対 処 し た 1 9 3 3-3 6 年 7

1 9 7 0-1 9 7 4 年 の 日 経 ダ ウ 平 均 株 価 推 移 に か け て 積 極 政 策 が 効 果 を 発 揮 し て 米 国 経 済 は 浮 上 し た と こ ろ が ル ー ズ ベ ル ト 大 統 領 は 1 9 3 7-3 8 年 に か け て 財 政 政 策 を 超 緊 縮 に 転 向 し た そ の 結 果 回 復 途 上 の 米 国 経 済 は 底 割 れ を 起 こ し て 世 界 不 況 を 深 刻 化 さ せ て し ま っ た 2 0 1 3 年 に 始 動 す る 米 国 の 財 政 の 崖 2 0 1 4-1 5 年 に 予 定 さ れ る 日 本 の 巨 大 増 税 が 1 9 3 7 年 の 米 国 経 済 政 策 と ぴ た り と 符 合 す る の で あ る も う ひ と つ の 教 訓 が 日 本 の 1 9 7 0-7 4 年 の 経 験 で あ る 時 代 は 田 中 角 栄 首 相 の 列 島 改 造 の 時 代 で あ る 日 銀 総 裁 の 職 に あ っ た の が 佐 々 木 直 氏 で あ っ た 佐 々 木 総 裁 は 政 府 の 金 融 緩 和 要 請 に 対 抗 で き ず 行 き 過 ぎ た 金 融 緩 和 政 策 を 実 行 し た 日 銀 が 政 府 に 蹂 躙 さ れ た と の 教 訓 で あ る 上 記 グ ラ フ に 示 さ れ る よ う に 日 本 の 株 価 は 1 9 7 2 年 に 暴 騰 し た 過 剰 流 動 性 の 供 給 が 資 産 価 格 上 昇 を 生 み 出 し た の で あ る し か し こ の タ イ ミ ン グ で 第 一 次 石 油 危 機 が 発 生 す る 日 本 は 狂 乱 物 価 に 見 舞 わ れ そ の 後 の 強 烈 な 金 融 引 き 締 め 政 策 に よ り 日 本 経 済 は 未 曽 有 の 不 況 株 価 下 落 イ ン フ レ 残 存 の 三 重 苦 に 見 舞 わ れ た の で あ る こ の 教 訓 を 踏 ま え て 金 融 政 策 に お け る 政 府 か ら の 独 立 性 が 改 め て 強 く 認 識 さ れ る こ と に な っ た 爾 来 4 0 年 の 時 間 が 経 過 し て い ま 再 び 安 倍 晋 三 氏 が 日 銀 の 政 府 支 配 下 へ の 移 行 を 提 唱 し て い る 初 め は 資 産 価 格 上 昇 の 順 風 が 吹 く と 予 想 さ れ る が そ の ツ ケ は 後 か ら 返 っ て く る 歴 史 の 教 訓 を 踏 ま え な い 経 済 政 策 論 議 は い つ の 時 代 に も 繰 り 返 さ れ る 日 銀 の 独 立 性 を 奪 う 政 策 対 応 が 長 期 的 に 大 き な 禍 根 を 残 す 点 を 見 落 と せ な い 8

金 価 格 の 推 移 ( 2 0 0 7 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) 東 証 リ ー ト 指 数 ( 2 0 0 7 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) 金 に 対 し て 日 本 円 は 過 去 4 年 間 に 半 値 に 下 落 し て い る 不 動 産 価 格 は 底 入 れ の 様 相 を 強 め て お り ミ ニ バ ブ ル の 兆 候 が 観 測 さ れ て い る の だ 9

5. 米 国 オ バ マ は 財 政 の 崖 を 転 落 す る か 2 0 1 3 年 に 予 定 さ れ て い る 米 国 の 財 政 の 崖 が も た ら す G D P 抑 制 効 果 は G D P 比 約 3 % の 規 模 で あ る オ バ マ 大 統 領 は 富 裕 層 に 対 す る 増 税 な ど を 提 案 し て い る 昨 年 同 様 に 政 府 債 務 上 限 引 上 げ 措 置 の 取 り 扱 い が 財 政 収 支 が 経 済 に 与 え る 影 響 ( 一 般 会 計 決 算 計 数 )の 推 移 ( 単 位 : 兆 円, 億 円,% ) 歳 出 歳 出 規 模 税 収 - 税 収 (A) (B) (A-B) 前 年 差 国 債 発 行 額 GDP 比 公 債 依 存 度 GDP 1995 75.9 51.9 24.0 1.4 21.2 4.3 27.9 497,740 1996 78.8 52.1 26.7 2.7 21.7 4.3 27.5 509,096 1997( 当 ) 77.4 57.8 19.6 7.1 16.7 3.3 21.6 513,613 1997 78.5 53.9 24.6 2.1 18.5 3.6 23.6 513,613 1998 84.4 49.4 35.0 10.4 34.0 6.8 40.3 503,324 1999 89.0 47.2 41.8 6.8 37.5 7.5 42.1 499,544 2000 89.3 50.7 38.6 3.2 33.0 6.5 37.0 504,119 2001( 当 ) 82.7 50.7 32.0 6.6 28.3 5.7 34.2 493,645 2001 84.8 47.9 36.9 1.7 30.0 6.1 35.4 493,645 2002 83.7 43.8 39.9 3.0 35.0 7.1 41.8 489,875 2003 82.4 43.3 39.1 0.8 35.3 7.1 42.8 493,748 2004 84.9 45.6 39.3 0.2 35.5 7.1 41.8 498,491 2005 85.5 49.1 36.4 2.9 32.3 6.4 37.8 503,187 2006 81.4 49.1 32.3 4.1 27.5 5.4 33.8 510,899 2007 81.8 51.0 30.8 1.5 25.4 4.9 31.1 515,824 2008 88.9 46.3 42.6 11.8 33.2 6.7 37.3 497,714 2009 97.0 38.7 58.3 15.7 52.0 11.0 53.6 474,037 2010 99.3 41.5 57.8 0.5 42.3 8.8 45.7 479,200 2011( 補 ) 109.0 42.0 67.0 9.2 44.3 9.4 47.9 470,100 2012( 当 ) 92.9 42.3 50.6 16.4 44.2 9.2 47.8 479,600 計 数 は 決 算 値 ただし( 当 )は 当 初 ( 補 )は3 次 補 正 後 2009 年 度 補 正 の4 兆 円 を2010 年 度 に 計 上 2011 年 度 第 4 次 補 正 の2.5 兆 円 を2012 年 度 に 算 入 10

絡 ん で お り 2 0 1 3 年 2 月 に か け て 金 融 市 場 が 再 び 動 揺 す る 可 能 性 が 高 い 米 国 株 価 は 高 値 圏 内 で 推 移 し て い る が 緊 縮 財 政 に よ る 景 気 減 速 を 見 越 し て ピ ー ク ア ウ ト す る 可 能 性 が 高 い と 考 え ら れ る 6. 金 利 日 本 金 利 の 米 国 金 利 離 れ 米 国 1 0 年 国 債 利 回 り 推 移 ( 2011/12/13 /12/13~ 2012/12/12) 日 本 1 0 年 国 債 利 回 り 推 移 ( 2011/12/13~ 2012/12/13) 日 本 の 長 期 金 利 の 米 国 長 期 金 利 連 動 が 一 時 的 に 崩 れ て い る 理 由 は 日 本 で 金 融 緩 和 政 策 が 強 化 さ れ る と の 見 通 し が 強 ま っ て い る た め で あ る 日 本 の 長 期 11

米 国 1 0 年 国 債 利 回 り の 推 移 ( 2 0 0 7 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) 円 ド ル レ ー ト の 推 移 ( 2 0 0 7 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) 金 利 の 低 下 が 持 続 し て い る こ の た め に 米 国 長 期 金 利 と 円 ド ル レ ー ト と の 連 動 関 係 も 崩 れ て い る 米 国 長 期 金 利 が 上 昇 し て い な い の に ド ル が 上 昇 = 円 が 下 落 し て い る の だ 日 本 円 下 落 の 主 因 は 米 金 利 上 昇 で な く 日 本 金 利 低 下 で あ る し か し 日 本 の 1 0 年 国 債 利 回 り は 0.7 % に ま で 低 下 し て お り 金 利 低 下 の 余 地 は 狭 ま り つ つ あ る 米 国 長 期 金 利 の 上 昇 が な け れ ば 円 安 = ド ル 高 が 長 期 間 持 続 す る 可 能 性 は 低 い 日 本 金 利 低 下 = 円 安 = 日 本 株 高 の 図 式 が 永 続 す る と 判 断 す る の は 間 違 い で あ る 相 場 の 転 換 点 が 到 来 す る こ と を 警 戒 す る べ き だ 12

7. 為 替 欧 州 危 機 は 最 悪 期 を 脱 し た か ド ル ユ ー ロ レ ー ト の 推 移 (2 0 0 7 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) ユ ー ロ が 日 本 円 に 対 し て だ け で な く 米 ド ル に 対 し て も 堅 調 な 地 合 い を 示 し 始 め て い る 欧 州 の 政 府 債 務 危 機 ユ ー ロ 分 裂 の 危 機 に 対 し て E C B と E U は 積 極 的 な 対 応 を 示 し た E C B ( 欧 州 中 央 銀 行 ) は 南 欧 国 債 の 無 制 限 購 入 を 決 定 し E U は 金 融 機 関 に 対 す る 資 本 増 強 財 政 協 定 E S M 創 設 な ど の 対 応 を 示 し た 金 融 市 場 は こ れ ら の 対 応 に 好 意 的 な 反 応 を 示 し て い る し か し E C B は 2 0 1 3 年 の ユ ー ロ 圏 実 質 経 済 成 長 率 を - 0. 3 % と 発 表 し た 景 気 情 勢 は 極 め て 厳 し く 南 欧 諸 国 を 中 心 に 政 府 が 進 め る 緊 縮 財 政 政 策 に 対 す る 国 民 の 反 発 が 強 ま っ て い る ス ペ イ ン の 財 政 状 況 が 不 安 定 化 し て お り E U の 中 心 国 ド イ ツ も 2 0 1 3 年 9 月 の 総 選 挙 を 控 え て 大 胆 な 財 政 対 応 の 余 地 が 狭 ま っ て い る 金 融 市 場 の 不 安 定 感 は 残 存 す る 可 能 性 が 高 い 8. 中 国 原 油 調 整 持 続 の 中 国 中 国 で は 1 1 月 に 習 近 平 を 新 し い 共 産 党 総 書 記 と す る 新 体 制 が 発 足 し た が 政 治 情 勢 は 安 定 化 し て い な い 江 沢 民 元 首 席 を 軸 と す る 保 守 派 が 政 権 幹 部 に 残 留 し 汚 職 排 除 な ど の 改 革 が 急 速 に 進 展 す る 見 通 し が 立 っ て い な い 2 0 1 1 年 末 以 降 の 金 融 緩 和 政 策 が 効 果 を 発 揮 す る 時 期 を 迎 え て い る が 株 価 の 底 入 れ は ま だ 確 認 さ れ て い な い 日 中 経 済 関 係 の 悪 化 が 新 た な 要 因 に 13

上 海 総 合 株 価 指 数 (2 0 0 7 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) W T I 原 油 先 物 価 格 の 推 移 ( 2 0 0 7 年 1 2 月 ~ 2 0 1 2 年 1 2 月 ) に 加 わ り 社 会 の 不 安 定 化 が 強 ま る 恐 れ が 高 い 日 本 と の 国 境 紛 争 が 拡 大 す る 可 能 性 も 高 く 政 治 上 の リ ス ク は 高 い ま ま で 推 移 す る 見 通 し だ 9. 投 資 戦 略 ミ ニ バ ブ ル と 反 動 総 選 挙 = 新 政 権 発 足 に 対 す る 先 読 み が 強 ま っ て い る 当 面 は 安 倍 政 権 誕 生 = 金 融 緩 和 政 策 強 化 を 軸 に 金 融 市 場 の 変 動 が 形 成 さ れ る 可 能 性 が 高 い い わ ゆ る 金 融 相 場 の 色 彩 が 強 ま る 可 能 性 が 高 く 不 動 産 関 連 銘 柄 が 物 色 の 中 心 に 14

位 置 す る 可 能 性 が 高 い そ の 後 の 反 動 を 警 戒 し つ つ チ ャ ン ス を 見 逃 さ な い 対 応 が 大 切 な 局 面 で あ る 2 0 1 3 年 央 ま で が 重 要 チ ャ ン ス と な る の で は な い か 参 考 銘 柄 投 資 判 断 は 厳 格 な 自 己 責 任 に 基 づ か れ ま す よ う お 願 い い た し ま す 1 8 0 5 8 三 菱 商 事 1 2 月 1 3 日 終 値 1, 5 6 7 円 総 合 商 社 は 円 高 よ り も 円 安 で の メ リ ッ ト が 大 き い ま た 債 務 残 高 が 大 き い た め 金 利 低 下 も 増 益 要 因 に な る 当 面 は 株 価 堅 調 地 合 い を 維 持 す る 可 能 性 が 高 い 2 8 8 0 2 三 菱 地 所 1 2 月 1 3 日 終 値 1,7 1 9 円 金 融 相 場 が 生 ま れ る 場 合 主 力 に な る 銘 柄 不 動 産 価 格 の 調 整 が 一 巡 し て 東 証 R E I T 指 数 も 上 昇 傾 向 を 示 し て い る 予 測 通 り の 動 意 が 観 察 さ れ て い る 15

3 9 0 0 5 東 急 1 2 月 1 3 日 終 値 4 2 8 円 不 動 産 株 同 様 に 金 融 相 場 に お け る 主 力 銘 柄 候 補 の ひ と つ 株 価 チ ャ ー ト は す で に 地 合 い が 大 き く 変 化 し て い る こ と を 示 唆 し て い る 押 し 目 買 い 継 続 有 料 メ ル マ ガ 植 草 一 秀 の 知 ら れ ざ る 真 実 も 併 せ て ご 購 読 く だ さ い 次 号 の 金 利 為 替 株 価 特 報 発 行 予 定 日 は 1 2 月 2 5 日 ( 火 )に な り ま す 金 利 為 替 株 価 特 報 2 0 1 2 年 1 2 月 1 4 日 号 = 1 7 0 号 発 行 日 料 金 月 2 回 発 行 ( 原 則 と し て 毎 月 第 2 第 4 金 曜 日 に 発 行 ) 毎 号 3 部 年 間 4 万 8 0 0 0 円 毎 号 1 部 年 間 2 万 9 8 0 0 円 ( い ず れ も 送 料 消 費 税 込 み ) 発 行 元 ス リ ー ネ ー シ ョ ン ズ リ サ ー チ 株 式 会 社 F A X 0 2 0 4 6 2 3-8 8 9 7 or 0 5 0-3 4 4 4-9 5 8 7 メ ー ル 振 込 先 info@uekusa- tri.co.jp ス リ ー ネ ー シ ョ ン ズ リ サ ー チ 株 式 会 社 代 表 取 締 役 植 草 一 秀 三 菱 東 京 U F J 銀 行 新 丸 の 内 支 店 普 通 口 座 4 3 5 6 2 5 4 本 誌 の ご 購 読 開 始 か ら 1 年 経 過 後 は 1 年 単 位 の 自 動 継 続 の お 取 り 扱 い を さ せ て い た だ い て お り ま す ご 購 読 継 続 を 希 望 さ れ な い 場 合 に は 新 規 年 度 に 入 り ま す 前 に F A X か メ ー ル に て ご 連 絡 く だ さ い ま す よ う お 願 い 申 し 上 げ ま す 小 社 の 許 可 の 無 い 複 写 複 製 転 載 電 子 的 な 手 法 に よ る 入 力 等 を 禁 じ ま す 16