報 道 発 表 科 学 技 術 学 術 政 策 研 究 所 平 成 26 年 6 月 5 日 ポストドクターの 正 規 職 への 移 行 に 関 する 研 究 科 学 技 術 学 術 政 策 研 究 所 ( 所 長 榊 原 裕 二 )は 若 手 研 究 者 のキャリア 形 成 に 関 する 問 題 を 詳 しく 検 討 するために ポストドクターから 安 定 した 正 規 職 ( 常 勤 任 期 なし)への 移 行 に 関 する 分 析 を 行 いました その 結 果 正 規 職 への 年 間 平 均 移 行 率 6.3%( 近 似 値 )で 一 般 大 卒 者 の 非 正 規 職 から 正 規 職 への 移 行 率 よりも 著 しく 低 い 状 況 にあり 特 に 女 性 理 学 保 健 ( 医 学 等 ) 競 争 的 資 金 で 雇 用 されている 者 の 移 行 率 が 有 意 に 低 いことが 明 らかになりま した 但 し 有 期 の 特 任 助 教 等 から 正 規 職 へ 移 行 する 者 に 関 しては このデータでは 捕 捉 さ れていません 正 規 職 への 移 行 率 を 高 めるために 任 期 の 切 れ 目 である5 年 目 前 後 までに 安 定 した 職 へ 移 行 できるような 支 援 が 必 要 であると 述 べています 本 研 究 では 文 部 科 学 省 科 学 技 術 学 術 政 策 局 基 盤 政 策 課 ( 当 時 )で 実 施 した ポス トドクター 等 の 雇 用 進 路 に 関 する 調 査 - 大 学 公 的 研 究 機 関 への 全 数 調 査 (2009 年 度 実 績 ) の 個 票 データを 用 いた 分 析 を 行 っています この 調 査 では 研 究 機 関 や 大 学 で 任 期 制 の 研 究 員 として 在 職 していた 約 17,000 人 ( 延 べ 人 数 )のポストドクターについて 調 査 を 行 っていますが 年 齢 は 30-34 歳 で 最 も 多 く 博 士 課 程 修 了 後 の 年 数 は 平 均 4~5 年 です 次 年 度 の 雇 用 状 況 から 正 規 職 への 移 行 を 見 ると 平 均 的 な 年 間 移 行 率 は 男 性 7.0% 女 性 4.4%( 近 似 値 )で 年 齢 が 上 がるとともに 女 性 の 比 率 が 上 昇 します 異 動 後 の 職 業 は 研 究 開 発 職 が 大 半 で 非 研 究 開 発 職 は1 割 に 満 たない 状 況 です 任 期 の 切 れ 目 で 移 行 するケースが 多 いのですが 回 帰 分 析 により 個 人 の 属 性 による 違 いを 見 ると 工 学 系 博 士 号 取 得 者 日 本 学 術 振 興 会 特 別 研 究 員 等 による 雇 用 等 で 移 行 率 が 有 意 に 高 くなっています これらの 結 果 を 踏 まえ 博 士 の 順 調 なキャリア 形 成 支 援 のための 知 見 政 策 的 示 唆 を 示 しています 本 報 告 書 (DISCUSSION PAPER No.106)につきましては 科 学 技 術 学 術 政 策 研 究 所 ウェブサイト (http://www.nistep.go.jp/)に 掲 載 されますので そちらで 電 子 媒 体 を 入 手 することが 可 能 です <お 問 合 せ> 科 学 技 術 学 術 政 策 研 究 所 担 当 : 第 1 調 査 研 究 グループ: 小 林 渡 辺 TEL:03-3581-2395( 直 通 ) FAX: 03-3503-3996 e-mail:yoshietk@nistep.go.jp
概 要 近 年 研 究 者 としてのキャリアの 入 り 口 として 広 く 認 識 されつつあるポストドクターは 任 期 付 の 職 位 である 本 稿 ではポストドクターから 任 期 のない 正 規 の 雇 用 ( 正 規 職 )への 移 行 状 況 及 び 移 行 パターンを 文 部 科 学 省 科 学 技 術 学 術 政 策 局 基 盤 政 策 課 で 実 施 した ポストドクター 等 の 雇 用 進 路 に 関 する 調 査 - 大 学 公 的 研 究 機 関 への 全 数 調 査 (2009 年 度 実 績 ) の 個 票 データを 用 いて 明 らかにする また 正 規 職 への 移 行 に 関 する 要 因 分 析 により どのような 人 が 正 規 職 に 移 行 しやすいか またポストドクターとしての 経 験 が 博 士 号 取 得 後 の 追 加 的 な 研 究 能 力 の 獲 得 期 間 として 機 能 しているかどうかについて 詳 しく 検 討 を 行 っている これらの 結 果 を 踏 まえ 博 士 の 順 調 なキャリア 形 成 支 援 のための 政 策 的 知 見 を 示 すことを 試 みる 1.ポストドクターの 定 義 日 本 でポストドクターという 用 語 が 用 いられるようになったのは 比 較 的 新 しく 研 究 に 携 わる 者 と いう 職 務 と 任 期 制 という 雇 用 形 態 を 同 時 に 示 す 語 であるため その 意 味 するところは 変 動 的 であ る 広 義 のポストドクターとは 博 士 号 取 得 者 あるいは 博 士 課 程 修 了 者 全 体 を 指 す 一 方 で 狭 義 のポストドクターとは 研 究 機 関 や 大 学 に 在 職 し 任 期 制 の 研 究 員 として 職 を 得 ているもの に 限 定 される 文 部 科 学 省 が 実 施 する 博 士 人 材 に 関 する4つの 主 要 な 調 査 ポストドクター 調 査 博 士 課 程 修 了 者 調 査 学 校 基 本 調 査 民 間 企 業 の 研 究 活 動 に 関 する 調 査 におけるポストドクター の 定 義 は 以 下 の 通 りであり いわゆる 教 員 を 除 いているために 近 年 増 加 している 有 期 雇 用 の 特 任 助 教 や 特 任 准 教 授 が 捕 捉 されていない また 各 調 査 のポストドクターの 例 示 が 少 しずつ 異 なり 誤 差 が 発 生 している 可 能 性 がある ポストドクター 等 : 博 士 の 学 位 を 取 得 後 任 期 付 で 任 用 される 者 であり 1 大 学 等 の 研 究 機 関 で 研 究 業 務 に 従 事 している 者 であって 教 授 准 教 授 助 教 助 手 等 の 職 にない 者 2 独 立 行 政 法 人 等 の 研 究 機 関 において 研 究 業 務 に 従 事 している 者 のうち 所 属 する 研 究 グループのリーダー 主 任 研 究 員 等 でない 者 を 指 す ( 博 士 課 程 に 標 準 修 業 年 限 以 上 在 学 し 所 定 の 単 位 を 修 得 の 上 退 学 した 者 (いわゆる 満 期 退 学 者 )を 含 む ) 1
2. 使 用 データ 本 研 究 で 用 いたデータは 文 部 科 学 省 科 学 技 術 学 術 政 策 局 基 盤 政 策 課 で 実 施 した ポ ストドクター 等 の 雇 用 進 路 に 関 する 調 査 - 大 学 公 的 研 究 機 関 への 全 数 調 査 (2009 年 度 実 績 ) である 平 成 21 年 度 中 ( 平 成 21 年 4 月 1 日 ~ 平 成 22 年 3 月 31 日 )に 当 該 期 間 に 在 籍 してい た 者 全 員 について 回 答 を 依 頼 しているが ポストドクターとしての 在 籍 期 間 が2か 月 未 満 の 者 は 除 いた 延 べデータである 過 去 の 調 査 を 見 ると 延 べ 人 数 は 2007 年 度 17,804 人 2008 年 度 17,945 人 2009 年 度 は 17,116 人 で 2008 年 度 をピークに 微 減 となっている 本 研 究 では 通 常 の 定 年 年 齢 である 60 歳 以 上 を 除 いた また 2010 年 4 月 1 日 現 在 の 雇 用 状 況 の 変 化 について 検 証 を 行 うために 当 該 機 関 に 入 職 したばかりの 2010 年 1 月 ~3 月 の 入 職 者 で 前 職 がポストドクターでない 者 を 除 いている サンプルの 総 数 は 16,624 人 であり 本 稿 におけ る 集 計 分 析 推 計 のすべてにこのサンプルを 用 いている 3.ポストドクターは 30-34 歳 が 最 も 多 い 女 性 は 少 数 であるが 高 齢 で 滞 留 概 要 図 表 1のようにポストドクターの 内 4 分 の3は 男 性 4 分 の1が 女 性 である また 全 体 の4 分 の3は 日 本 国 籍 を 持 ち 4 分 の1が 外 国 籍 である また 分 野 別 で 見 ると 理 学 と 工 学 でそれぞれ 約 30%を 占 め 農 学 保 健 ( 医 歯 薬 看 護 ) 人 文 社 会 は 各 10% 台 となっている 概 要 図 表 1 ポストドクターの 性 国 籍 分 野 別 構 成 女 性 4,170 人, 25% 男 性 12,454 人 75% 保 健, 2,346 人 (14.2%) 人 文 社 会 2,223 人 (13.4%) その 他 288 人 (1.7%) 理 学, 5,271 人 (31.8%) その 他, 4,094 人, 25% 日 本 国 籍, 12,530 人, 75% 農 学, 1,813 人 (10.9%) 工 学 4,624 人 (27.9%) 2
年 齢 構 成 および 女 性 比 率 について 見 たのが 概 要 図 表 2である 40 歳 未 満 の 若 年 層 で 全 体 の 87%と 大 半 を 占 め 30-34 歳 が 最 も 人 数 的 に 多 く 全 体 の 約 半 数 が 集 中 している 平 均 年 齢 は 男 性 34.5 歳 で 女 性 で 35.3 歳 である 40 歳 代 以 降 年 齢 が 上 がると 共 に 全 体 数 が 急 減 する 中 で 女 性 の 比 率 は 上 昇 する 女 性 の 方 が 正 規 職 へ 移 行 せずに ポスドクとして 滞 留 しているケ ースが 多 いことが 示 唆 されている 概 要 図 表 2 ポストドクターの 年 齢 階 構 成 および 女 性 比 率 (5 歳 階 級 別 ) 人 10,000 100% 40 歳 未 満 で87%を 占 める 9,000 90% 8,000 7,617 人 (45.8%) 80% 7,000 70% 6,000 60% 5,000 4,000 4,127 人 (24.8%) 41.2% 41.9% 47.2% 50% 40% 人 数 女 性 比 率 3,000 1,404 人 (16.2%) 23.5% 25.9% 28.7% 30% 2,000 1,000 0 21.2% 1,368 人 (8.2%) 522 人 (31%) 198 人 (1.2%) 108 人 (0.7%) 25-29 歳 30-34 歳 35-39 歳 40-44 歳 45-49 歳 50-54 歳 50-59 歳 20% 10% 0% 年 齢 階 級 4. 同 一 機 関 でポストドクターを 継 続 するのが 8 割 正 規 職 への 移 行 率 は 平 均 6.3%で 30 歳 代 後 半 での 移 行 率 が 最 も 高 い 女 性 は 50 歳 代 になると 急 速 に 移 行 率 が 低 下 次 年 度 開 始 時 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 ) 同 一 機 関 に 在 籍 する 者 は 全 体 の8 割 で 1 万 人 を 超 え 所 属 機 関 を 転 出 異 動 するのは2 割 ほどである 移 動 した 者 の 中 でも 次 職 が 任 期 制 の 場 合 が6 割 を 超 える 常 勤 で 任 期 なしの 職 を 正 規 職 とすると 次 年 度 までの 正 規 職 への 移 行 は 6.3%( 但 し 不 明 者 を 除 く)である 移 行 率 が 最 も 高 いのは 35-39 歳 で 女 性 は 50 歳 代 になると 移 行 率 が 急 激 に 下 がる ( 概 要 図 表 3) 3
概 要 図 表 3 正 規 職 への 移 行 率 ( 性 年 齢 階 級 別 ) 全 体 男 性 性 のみ のみ 女 女 性 のみ 性 のみ 25-29 歳 5.6% 5.6% 6.2% 6.2% 3.1% 3.1% 10.0% 9.0% 30-34 歳 6.1% 6.1% 6.6% 6.6% 4.7% 4.7% 8.0% 8.0% 8.0% 35-39 歳 7.2% 7.2% 8.0% 8.0% 4.9% 4.9% 7.0% 6.2% 6.6% 40-49 歳 6.8% 6.8% 8.0% 8.0% 4.4% 4.4% 50-59 歳 3.3% 3.3% 5.3% 5.3% 0.9% 0.9% 平 均 6.3% 6.3% 7.0% 7.0% 4.4% 4.4% 6.0% 5.0% 4.0% 3.0% 3.1% 4.7% 4.9% 4.4% 5.3% 男 性 女 性 50-59 歳 3.3% 5.3% 0.9% 2.0% 平 均 6.3% 7.0% 4.4% 1.0% 0.9% 0.0% 25-29 歳 30-34 歳 35-39 歳 40-49 歳 50-59 歳 5. 学 歴 別 の 移 行 率 は 一 般 大 卒 に 比 べ 著 しく 低 い 概 要 図 表 4は 慶 應 家 計 パネル(Keio Household Panel Survey, KHPS)で 算 出 された 移 行 率 と の 比 較 である KHPS は 社 会 全 体 の 人 口 構 成 を 反 映 した 家 計 パネル 調 査 であり 契 約 社 員 や 派 遣 社 員 などの 非 正 規 職 から 正 規 職 への 移 行 率 を 学 歴 別 男 女 別 に 示 している ポストドクターから 正 規 職 への 移 行 率 は 男 女 とも 著 しく 低 い また 一 般 男 性 の 場 合 は 学 歴 が 高 く なるほど 移 行 率 が 下 がる 傾 向 にあるが ポストドクターの 場 合 は 一 般 大 卒 以 上 の 移 行 率 (21.7%) に 比 べて3 分 の1 程 度 と 相 当 に 低 い 逆 に 一 般 大 卒 女 性 は 他 の 学 歴 よりも 移 行 率 が 高 いが ポス トドクターの 場 合 は 4.4%と 中 高 卒 以 下 である 概 要 図 表 4 学 歴 別 正 規 職 への 移 行 率 30.0% 28.1% 男 性 女 性 中 高 卒 28.1% 5.5% 25.0% 20.0% 22.6% 21.7% 高 専 短 大 卒 22.6% 4.9% 15.0% 男 性 女 性 大 卒 以 上 21.7% 8.3% 博 士 卒 (ポストドクター) 7.0% 4.4% 注 ) 博 士 卒 以 外 の 学 歴 についてはKHPSより 10.0% 5.0% 0.0% 5.5% 4.9% 8.3% 7.0% 4.4% 中 高 卒 高 専 短 大 卒 大 卒 以 上 博 士 卒 (ポストドクター) 4
6. 移 行 までの 期 間 は4~5 年 程 度 任 期 の 変 わり 目 に 異 動 博 士 号 取 得 後 平 均 的 に 何 年 でテニュアポストに 移 行 できるのだろうか 本 調 査 からテニュア 職 に 移 行 した 者 について 平 均 値 を 算 出 すると 4.80 年 ( 動 態 平 均 ) また 全 員 について 博 士 課 程 修 了 からの 経 過 年 数 を 見 ると 4.82 年 ( 全 体 平 均 )である 平 均 的 に4~5 年 目 に 正 規 職 に 移 行 してい る( 概 要 図 表 5) 概 要 図 表 5 博 士 課 程 を 修 了 後 の 年 数 (~ 年 目 ) Mean Std. Dev. Min Max 動 態 平 均 正 規 職 へ 移 行 した 者 のみ(747 人 ) 4.80 3.50 1 25 全 体 平 均 (15,584 人 ) 4.82 3.76 1 32 概 要 図 表 6を 見 ると 博 士 課 程 修 了 後 5~7 年 目 で 正 規 職 への 移 行 率 が 高 まっている 任 期 の 変 わり 目 で 正 規 職 へ 移 行 しており ポストドクター 制 度 が 博 士 課 程 修 了 後 のトレーニング 期 間 と して 効 果 を 発 していると 考 えられる 10 年 目 以 降 は 人 数 が 少 なくなることもあり 移 行 率 は 変 動 が 大 きい 概 要 図 表 6 博 士 課 程 修 了 からの 経 過 年 数 と 正 規 職 への 移 行 率 (12 年 目 まで) 人 3,000 30.0% 2,575 2,500 25.0% 2,000 2,042 20.0% 1,604 1,500 1,404 15.0% 人 数 1,171 正 規 職 移 行 率 1,000 915 10.0% 739 500 564 460 346 5.0% 237 213 0 1 年 目 2 年 目 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 博 士 課 程 修 了 後 の 年 数 5 0.0%
7. 転 出 移 動 後 の 職 種 は 研 究 開 発 職 が 大 半 他 機 関 などに 移 動 した 人 たち( 全 体 の2 割 )の 職 業 と 職 位 について 整 理 したのが 概 要 図 表 7 である 移 動 後 も 非 正 規 職 である 場 合 が 多 く 中 でもポスドクを 繰 り 返 している 人 が 3 割 以 上 に 上 る 正 規 職 へ 移 行 した 場 合 は 半 数 程 度 が 大 学 教 員 で 非 研 究 開 発 職 への 移 行 は 1 割 に 満 たな い 博 士 人 材 の 多 様 なキャリアパスを 支 援 するためには 研 究 開 発 職 以 外 の 職 業 の 幅 を 広 げるこ とが 重 要 だろう 概 要 図 表 7 転 出 移 動 後 の 職 業 非 正 規 職 非 正 規 職 ( 非 正 ( 非 規 正 職 規 内 職 での 内 での 比 比 率 率 ) ) ポストドクター ポストドクター 721 721 (34.7%) (34.7%) 正 規 職 正 規 職 ( 正 ( 規 正 職 規 職 内 内 での での 比 率 ) 大 学 大 教 学 員 教 員 447 447 (21.5%) (21.5%) 413 413 (48.5%) (48.5%) 大 学 特 大 任 学 特 非 任 常 非 勤 常 等 勤 等 371 371 (17.8%) (17.8%) 26 26 (3.1%) (3.1%) 研 究 開 研 発 究 職 開 発 職 民 間 民 間 15 (0.7%) 15 (0.7%) 117 117 (13.7%) 公 的 研 公 究 的 研 機 究 関 機 等 関 等 125 125 (6.0%) (6.0%) 215 215 (25.3%) その 他 その 他 97 (4.7%) 97 (4.7%) 9 (1.1%) 9 教 育 教 関 育 係 関 係 20 (1.0%) 20 (1.0%) 10 10 (1.2%) 非 研 究 非 開 研 発 究 職 開 発 職 医 師 医 師 16 (0.8%) 16 (0.8%) 12 12 (1.4%) その 他 その 他 24 (1.2%) 24 (1.2%) 49 49 (5.8%) その 他 その 他 学 生 学 生 31 (1.5%) 31 (1.5%) 主 婦 主 無 婦 職 無 職 213 213 (10.2%) (10.2%) 合 計 合 計 1864 1864 880 880 6
8. 正 規 職 への 移 行 率 の 決 定 要 因 で 最 も 強 いのは 任 期 専 門 分 野 や 雇 用 財 源 も 影 響 同 一 機 関 での 職 位 が 変 わり 任 期 なしの 常 勤 になるケース( 昇 進 )が3 割 正 規 職 として 他 機 関 に 移 動 するのは7 割 である 推 計 結 果 は 以 下 枠 内 の 通 りである 任 期 の 満 了 時 に 正 規 職 に 移 行 す るケースが 多 いと 考 えられる またポストドクターとしての 雇 用 資 金 はより 安 定 的 な 資 金 である 場 合 移 行 率 が 高 い 詳 細 な 結 果 は 本 文 を 参 照 回 帰 分 析 の 結 果 所 属 開 始 年 2005 年 2004 年 が 強 く 影 響 その 他 の 変 数 で 有 意 な 結 果 が 得 られたものは 男 性 > 女 性 日 本 > 北 米 ヨーロッパ 工 学 > 理 学 > 保 健 学 位 あり >なし 前 職 が 学 生 > 前 職 が 無 職 フェローシップ > 自 主 財 源 > 競 争 的 資 金 9.まとめ 狭 義 のポストドクターの 問 題 点 はキャリアパスの 不 透 明 さである 本 研 究 では 任 期 制 の 職 か ら 正 規 職 の 移 行 に 着 目 した 分 析 を 行 い 以 下 の 様 な 知 見 を 得 た ポストドクターは 30-34 歳 が 最 も 多 い 女 性 は 少 数 であるが 高 齢 で 滞 留 している 次 年 度 に 同 一 機 関 でポストドクターを 継 続 するのが8 割 と 大 半 正 規 職 への 移 行 率 は 平 均 6.3%で 30 歳 代 後 半 での 移 行 率 が 最 も 高 い 女 性 は 50 歳 代 になると 急 速 に 移 行 率 が 低 下 する 学 歴 別 に 見 たポストドクターの 正 規 職 への 移 行 率 は 一 般 大 卒 に 比 べ 著 しく 低 い 移 行 までの 期 間 は4~5 年 程 度 任 期 の 変 わり 目 の 異 動 とともに 正 規 職 へ 転 出 移 動 後 の 職 種 は 研 究 開 発 職 が 大 半 で 非 研 究 開 発 職 は 1 割 未 満 正 規 職 への 移 行 率 の 決 定 要 因 で 最 も 強 いのは 任 期 ( 満 了 期 )である 専 門 分 野 や 雇 用 財 源 学 位 なども 影 響 する 今 後 の 課 題 としては 博 士 課 程 修 了 者 のパネル( 追 跡 ) 調 査 の 実 施 で 研 究 者 のキャリアコース 全 体 を 把 握 すること また 雇 用 統 計 に 即 したデータを 構 築 し 分 析 を 行 うことなどが 挙 げられる( 詳 し くは 本 編 を 参 照 ) 7