5.2 浸 透 に 対 する 堤 防 強 化 工 法 堤 体 を 対 象 と し た 強 化 工 法 難 透 水 性 材 料 被 覆 材 料 ( 土 遮 水 シート 等 ) 堤 防 強 化 工 法 断 面 拡 大 工 法 ドレーン 工 法 表 のり 面 被 覆 工 法 透 水 性 材 料 ドレーン 工 堤 脚 水 路 強 化 の 原 理 効 果 計 画 設 計 上 の 留 意 点 施 工 上 の 留 意 点 維 持 管 理 上 の 留 意 点 堤 防 断 面 を 拡 大 することにより 浸 透 路 長 の 延 長 を 図 り 平 均 動 水 勾 配 を 減 じて 堤 体 の 安 全 性 を 増 加 させる のり 勾 配 を 緩 くすることによりすべ り 破 壊 に 対 する 安 全 性 を 増 加 させる 川 裏 のり 尻 近 傍 の 基 礎 地 盤 のパイピ ングを 防 止 する 押 さえ 盛 土 としての 機 能 も 兼 ねる 堤 体 の 川 裏 のり 尻 を 透 水 性 の 大 きい 材 料 で 置 き 換 え 堤 体 に 浸 透 した 水 を 速 やかに 排 水 する 堤 体 内 浸 潤 面 の 上 昇 を 抑 制 し 堤 体 のせん 断 抵 抗 力 の 低 下 を 抑 制 する のり 尻 部 をせん 断 強 度 の 大 きいドレ ーン 材 料 で 置 き 換 えるため 安 定 性 が 増 加 する 表 のり 面 を 難 透 水 性 材 料 ( 土 質 材 料 あるいは 人 工 材 料 )で 被 覆 すること により 高 水 位 時 の 河 川 水 の 表 のり からの 浸 透 を 抑 制 する 川 表 側 および 川 裏 に 用 地 を 必 要 とす る この 場 合 川 表 については 河 積 の 確 保 川 裏 については 用 地 の 確 保 に 留 意 する 築 堤 材 料 は 川 表 側 の 拡 大 では 既 設 堤 体 よりも 難 透 水 性 の 材 料 川 裏 側 の 拡 大 では 既 設 堤 体 より 高 透 水 性 の 材 料 を 使 用 する 基 礎 地 盤 が 軟 弱 地 盤 の 場 合 には 既 設 堤 防 への 影 響 ( 天 端 のクラック 等 ) について 検 討 する 堤 体 の 透 水 係 数 が10-3 ~10-4 cm/sの オーダーの 場 合 に 特 に 有 効 である 堤 脚 水 路 が 必 要 である( 用 地 を 確 保 する 必 要 がある) ドレーン 工 の 厚 さは0.5m 以 上 とし 幅 ( 奥 行 )は 平 均 動 水 勾 配 が0.3 以 上 とならないよう 設 定 する ドレーン 材 料 には 礫 または 粒 調 砕 石 を 用 い 周 囲 をフィルター 材 料 ( 通 常 は 人 工 材 料 )で 被 覆 する 透 水 性 の 大 きい 礫 質 土 や 砂 質 土 の 堤 体 で 効 果 が 期 待 される 被 服 材 料 ( 土 質 材 料 または 遮 水 シー ト 等 の 人 工 材 料 )のすべりに 対 する 安 定 性 の 検 討 が 必 要 である 遮 水 シートを 用 いる 場 合 には 覆 土 やコンクリートブロック 等 によりシ ートの 残 留 水 圧 による 浮 き 上 がりと 劣 化 を 防 止 する 難 透 水 性 地 盤 の 場 合 は 排 水 対 策 を 要 する 築 堤 材 料 を 容 易 に 入 手 できることが 望 ましい 既 設 堤 体 とのなじみをよくするため 段 切 等 を 行 う 堤 体 との 間 およびフィルター 材 料 の 継 目 に 隙 間 が 生 じないよう 留 意 する 重 機 等 によりフィルター 材 料 ( 人 工 材 料 )を 損 傷 しないよう 留 意 する 土 による 被 覆 の 場 合 には 既 設 堤 体 とのなじみをよくするため 段 切 を 行 う 遮 水 シートの 継 目 および 端 部 の 施 工 に 留 意 する 覆 土 は 十 分 に 締 め 固 める 軟 弱 地 盤 では 堤 体 が 沈 下 することが 考 えられるため 天 端 の 沈 下 量 を 継 続 的 に 計 測 し 天 端 高 の 確 保 クラ ック 等 の 発 生 等 を 管 理 する 効 果 の 長 期 的 な 安 定 性 を 確 認 するた め 堤 体 およびドレーン 工 内 に 水 位 観 測 孔 を 設 置 することが 望 ましい 出 水 時 や 多 量 の 降 雨 時 には 排 水 の 状 況 を 観 察 し 出 水 後 は 土 砂 の 流 出 等 の 有 無 を 点 検 する 土 を 用 いる 場 合 は 乾 燥 によるクラ ックの 発 生 に 留 意 する 遮 水 シートを 用 いる 場 合 には 杭 打 ちや 草 木 等 の 根 の 発 育 による 損 傷 に 留 意 する 表 のり 尻 付 近 に 浸 透 水 が 滞 留 しやす い 点 に 留 意 する 基 礎 地 盤 を 対 象 と し た 強 化 工 法 遮 水 壁 ( 鋼 矢 板 地 中 連 続 壁 等 ) ( 土 アスファルト 等 ) 川 表 遮 水 工 法 工 法 川 表 のり 尻 に 止 水 矢 板 等 により 遮 水 壁 を 設 置 することにより 基 礎 地 盤 への 浸 透 水 量 を 低 減 する 高 水 敷 を 難 透 水 性 材 料 ( 主 として 土 質 材 料 )で 被 覆 することにより 浸 透 路 長 を 延 伸 させ 裏 のり 尻 近 傍 の 浸 透 圧 を 低 減 する 止 水 壁 の 材 料 としては 鋼 矢 板 軽 量 鋼 矢 板 薄 型 鋼 板 や 連 続 地 中 壁 が 用 いられる 浸 透 水 量 を 半 減 させるためには 止 水 壁 を 透 水 層 厚 の80~90%まで 貫 入 させる 必 要 がある 高 水 敷 が 礫 質 土 や 砂 質 土 の 場 合 に 効 果 が 期 待 される 長 は30m 以 上 である 程 度 の 効 果 が 期 待 できる 土 質 材 料 ( 良 質 土 )を 用 いる 場 合 は 洗 堀 防 止 のため 厚 さは50cm 以 上 とし 張 芝 で 被 覆 する 必 要 がある 止 水 壁 の 打 設 法 は 周 辺 の 環 境 に 配 慮 して 選 定 する 止 水 壁 の 接 合 部 の 施 工 に 留 意 する 既 設 堤 体 と 止 水 壁 頭 部 の 接 合 部 の 処 理 に 留 意 する 土 質 材 料 を 用 いる 場 合 には 止 水 性 を 高 めるために 十 分 な 締 固 めを 行 う 既 設 堤 体 との 接 合 部 の 処 理 に 留 意 する 土 中 に 止 水 壁 を 設 置 するので 基 本 的 には 維 持 管 理 を 必 要 としない 土 質 材 料 を 用 いる 場 合 は 乾 燥 によ るクラックの 発 生 に 留 意 する 表 のり 尻 付 近 に 浸 透 水 が 滞 留 しやす い 点 に 留 意 する 5-2
吉野川における代表的な浸透対策箇所 浸透対策工の施工状況 ①表のり面被覆工法(遮水シート) 近年 吉野川で実施された浸透対策箇所は4地区である 浸透対策工法は 基本的に川表側での対策を優先している 堤体漏水 表のり面被覆工法(遮水シート) 基盤漏水 工法および川表遮水工法(止水矢板) 川表遮水工法(止水矢板)の採用には 周辺地下水へ及ぼす影響を検討している ②川表遮水工法(止水矢板) ①市場地区 上板地区(吉野川左岸) 張芝 1:2.5 堤防 H.W.L 河川敷 ③工法 覆土ブロック 遮水シート 止水矢板 t=1m 表土 t=1m ②鴨島地区 石井地区(吉野川右岸) 張芝 1:2.5 堤防 H.W.L 河川敷 ④覆土ブロック 覆土ブロック 遮水シート t=1m 表土 t=1m 5-3
5.3 浸 透 に 対 する 強 化 工 法 の 選 定 手 順 1 断 面 拡 大 工 法 1 断 面 拡 大 工 法 難 透 水 性 材 料 透 水 性 材 料 基 準 を 満 たす 照 査 基 準 を 満 たすか? 基 準 を 満 たさない 2 表 のり 面 被 覆 工 法 ( 遮 水 シート) 2 表 のり 面 被 覆 工 法 ( 遮 水 シート ) 被 覆 材 料 ( 土 遮 水 シート 等 ) 高 水 敷 幅 は 30m 以 上 あるか? 高 水 敷 幅 がない 高 水 敷 幅 がある 2+3 工 法 3 工 法 ( 土 アスファルト 等 ) 2+3+4 川 表 遮 水 工 法 ( 止 水 矢 板 ) 堤 脚 水 路 は 設 置 できるか? 設 置 できる 設 置 は 困 難 4 川 表 遮 水 工 法 ( 止 水 矢 板 ) 2+3+4+5 裏 のり 尻 ドレーン 工 法 遮 水 壁 ( 鋼 矢 板 地 中 連 続 壁 等 ) 安 全 性 照 査 照 査 基 準 を 満 たすか? 基 準 を 満 たさない 2,3,4,5の 組 み 合 わせ 工 法 5 裏 のり 尻 ドレーン 工 法 基 準 を 満 たす 対 策 工 の 二 次 選 定 ドレーン 工 堤 脚 水 路 5-4