第 2 回 テキスト 布 を 絞 る 平 成 26 年 4 月 分 は じ め に いつまでも 寒 さが 消 えませんが 寒 さがゆるむと 花 の 蕾 がほころび また 寒 さが 戻 る 寒 暖 の 激 しいこの 頃 花 も 人 もとまどいを 感 じます お 送 りした 種 を 蒔 きま したでしょうか 寒 い 地 方 の 方 は 蒔 く 時 期 を 心 待 ちにされていることと 思 います どのくらいの 方 が 蒔 かれたか 気 になりつつ 第 2 回 の 原 稿 を 書 いています 霜 が 降 りると せっかく 芽 が 出 ても 枯 れてしまいますので 天 候 を 見 極 めて 蒔 いてくださ い ビニールハウスや 覆 いなどを 利 用 すると 早 く 植 えることが 出 来 ます 暖 かい 地 方 の 方 は 順 調 に 芽 が 出 ましたか? 今 年 の 天 候 だと3 週 間 くらいかかる と 思 いますが 2 週 間 位 経 っても 芽 が 出 ないときは 雀 に 食 べられたり 寒 さに 当 った 疑 いもあります よく 観 察 してください いつまで 経 っても 芽 が 出 なかったり 苗 が 大 きくならない 時 は 申 し 出 てください 一 年 間 の 実 習 ができなくなりますので お 力 になれるように 致 します 何 か 質 問 や 疑 問 がありましたら 質 問 用 紙 に 書 いてお 送 りください 昨 年 のデー タを 見 ますと 一 度 も 質 問 用 紙 を 使 われなかった 方 が 何 人 かおられました 私 が 忙 しいだろうと 気 を 遣 って 下 さった 方 もあるようでしたが 不 明 のまま 過 ごされる のは 私 の 望 むところではありません 納 得 の 行 くまでお 話 し 合 いをしたいと 思 い ます 質 問 の 他 私 の 予 測 しない 色 を 出 して 送 ってくださった 方 もありました こんなことを 教 えて 欲 しい もっと 詳 しく 書 いて 欲 しい 等 のご 要 望 も 取 り 上 げてい きたいと 思 っております ではさっそく よくあるご 質 問 のひとつについて 説 明 いたしましょう Q. 実 習 に 必 要 な 量 を 作 るにはどの 位 の 広 さの 土 地 が 必 要 なのか? A.1m 四 方 の 土 地 から 生 葉 で300g 乾 燥 葉 で40g(ただし 順 調 に 育 っ - 1 -
た 場 合 ) 収 穫 できますので これを2 回 収 穫 することを 前 提 に 計 算 すると 5m 四 方 の 土 地 があれば 全 実 習 のうちすくも 以 外 の 体 験 をすることができます すくもを 造 るには 最 低 でも3kgの 乾 燥 葉 が 入 用 ですので 10m 四 方 くらいの 広 さが 必 要 となります 一 応 種 はその 広 さの 量 をお 送 りしていますが 不 足 の 方 はお 早 めにお 問 い 合 せください なかには プランターでないと 育 てられない 方 もおられると 思 いますので プラ ンターに 間 を 詰 めて 植 えても(ベタ 植 え) 良 いと 思 います 13ヶくらい 植 えられ るとかなり 収 穫 することができます 少 ない 量 の 葉 で 染 められる 方 法 も 紹 介 してい きますので お 好 きな 技 法 を 選 んで 体 験 してみてください 絞 り の 技 法 5 種 類 今 回 は 藍 が 育 って 染 められるようになるまでの1ケ 月 間 を 利 用 して 染 めの 技 法 を 解 説 します まずは 布 に 絞 りを 施 す 技 法 を 解 説 します ここでは 私 独 自 の 技 法 も 取 り 上 げることにしました 見 本 や 写 真 を 添 付 しますので 参 考 にご 覧 くださ い 藍 染 めを 布 以 外 に 染 めたい 方 もあると 思 います 今 後 講 座 の 中 で 糸 や 和 紙 など の 染 めも 取 り 上 げたいと 思 っております 絞 りが 不 要 の 方 もあるかと 思 いますが ご 了 承 ください A.か ご 染 め 絞 り ( 写 真 1 2 別 紙 写 真 A タオル) 同 じかごを2つ 用 意 します 一 つ 目 のかごに 乾 いたままの 布 をひねったり しわ を 寄 せながら 詰 め 込 みます もう 一 つのかごを 上 から 押 さえに 置 きます 紐 で 縛 って 固 定 します 写 真 1のようなあられ 炒 り 用 の 網 かごが 大 変 便 利 です 布 を 濡 ら してからしわを 寄 せると にじむ 感 じでまた 違 った 模 様 になります あ い が め 写 真 1 2は 20 分 藍 甕 に 浸 ける 20 分 上 げて 酸 化 する を3 回 繰 り 返 し て 染 めています 藍 の 状 態 によっては 4~5 回 繰 り 返 して 染 めます この 他 ハ ンカチやスカーフ 等 小 さいものは 茶 漉 しなどを 使 用 します 手 で 握 り 染 めるだけ でもこの 様 な 模 様 をつけることができます もう 一 つ 新 しく 考 え 出 した 方 法 をご 紹 介 します 別 紙 かご 染 め 絞 り 作 品 例 の 写 真 ( 上 )のような 鍋 敷 き(100 円 均 一 で 購 入 できます)の 穴 を 利 用 します 粗 - 2 -
い 目 のかごでもかまいません 写 真 ( 下 )はこの 方 法 でタオルを 染 めたものです タオルの 表 ( 糸 が 出 ているほうが 裏 )を 下 向 きにして 鍋 敷 きの 上 に 載 せます その 上 から 指 でタオルを 鍋 敷 きの 穴 に 押 し 込 むようにすると 写 真 ( 上 )のような 状 態 になります その 向 きのまま( 写 真 とは 逆 向 き) 藍 甕 に 浸 けて 染 めます B. 乱 れ 運 針 絞 り ( 写 真 3) あらめで 厚 手 の 布 に 横 線 を 引 いておきます 写 真 3のように 両 側 に 当 て 布 をして 綿 糸 8 番 を 使 い2 本 取 りで 縫 います 線 の 上 を10~15mmの 針 幅 で 自 由 に 運 針 します も く め 上 の 段 の 針 目 とそろわないように 縫 った 方 が 面 白 い 模 様 になります いわゆる 杢 目 絞 りと 同 じ 技 法 ですが 細 かくしないで 大 きく 表 現 しましょう 写 真 3の 作 品 は 染 めては 少 しほどき 染 めては 少 しほどきを 繰 り 返 して 濃 淡 をつけたものです 水 洗 いして 脱 水 し ほどいてからまたよく 水 洗 いします C. 筒 芯 巻 き 絞 り( 竜 巻 絞 り) ( 写 真 4 5 C 筒 芯 見 本 ) 筒 の 芯 には 下 水 パイプや 太 いホース 等 を 使 用 します 1 筒 のまわりに 布 を 巻 き 付 けます 2 布 の 巾 や 丈 を 考 えながら 糸 を 巻 き 付 けます ( 写 真 4) 麻 糸 等 の 太 いものを 使 うと 太 い 模 様 がでてきます 木 綿 糸 等 の 細 いものを 使 うと 細 い 線 がでます 布 をまっすぐに 留 めるのでなく ゆとりを 取 りながら 留 めると 花 のような 模 様 ができます ( 写 真 5) このとき 染 め 上 がった 糸 も 織 ったり 編 み 物 にしたりして 使 ってください - 3 -
同 封 している 筒 芯 の 見 本 は ビニールひもで 作 ったものです 筒 芯 は 布 に 合 わせ て 長 く 作 ってください D.か ぎ 針 絞 り ( 写 真 6 D かぎ 針 絞 り 見 本 ) なるべく 粗 い 布 を 使 用 します この 技 法 は 従 来 の 軍 隊 絞 りから 発 想 したものです かぎ 針 は 先 がとがって 布 に 入 り やすいものを 選 びます レース 針 0 号 ~2 号 くらいが 良 いで しょう 図 1のように 線 を 引 いたものを 予 めしつけしてお き 図 2のように 細 編 みでしつけの 下 を 編 んでいきます 糸 図 1 は ウールや 木 綿 の 中 細 糸 を 使 います 糸 の 種 類 によって 模 様 の 出 方 が 違 います レーヨン 布 の 薄 い 生 地 を 何 重 かに 折 りたたんで 使 っても 面 白 い 模 様 が 出 せます 見 本 を 同 封 して いますので 参 考 にしてください 図 2 この 技 法 の 利 点 は ほどく 時 に 糸 の 先 を 引 っ 張 れば あっ という 間 に 絞 りがほどけることです また 自 由 な 線 が 表 現 できます 注 :ほど く 時 は 編 み 終 わり( 糸 が 長 く 出 ている 方 )から 一 目 引 きぬいてほどきましょう 糸 をなるべく 切 らないで くさりで 次 の 場 所 迄 移 ると 染 め 糸 が 編 み 物 や 織 物 に 使 えます E.ミ シ ン 絞 り ( 写 真 7 8 E ストール) 同 封 した 見 本 のストール( 写 真 7)は 商 品 にならなかった 作 品 ですので 半 分 に 切 ってみなさんにお 送 りすることにしました 10 枚 のガーゼ 布 を 重 ね その 上 と 下 にビニール(100 円 均 一 で 購 入 できるすべ らないレインコートの 生 地 を 切 って 使 います)を 図 案 部 分 に 置 きます その 上 に 図 案 を 描 いた 布 (ハンカチくらいのうすい 生 地 )を 置 いてこれらを 仮 止 めします 図 案 の 白 くしたい 部 分 はミシンで 縫 います 手 縫 いでする 場 合 半 返 しで 縫 います 白 くする 部 分 が 縫 えたら 青 くする 部 分 のビニールと 図 案 の 布 をハサミで 切 って 染 めます 染 めた 後 ミシンの 糸 をニッパーで 切 ります 見 本 のストールは 糸 を 切 る 際 穴 があいてしまった 失 敗 作 です カッター 等 で 切 ったり 切 る 時 力 を 入 れすぎると 穴 があきますので 注 意 してください ミシン 糸 - 4 -
は 上 糸 は 赤 のナイロン 糸 下 糸 は 白 の 綿 糸 と 色 をかえるとわかりやすいです 重 ねる 布 の 枚 数 は 布 地 によって 加 減 してください 次 に 1 枚 の 布 を 使 った 方 法 を 紹 介 します( 写 真 8) うすい 布 地 (バンブーヘンプ)やガーゼを 使 ってミシン 絞 りをほどこしました 190cm 巾 の 布 を 屏 風 だたみに 四 つ 折 りにします 好 みにたたむと 違 う 模 様 ができます 2さらに 三 角 形 になるように 折 りたたみます 注 :ミシンで 縫 える 程 度 の 厚 さにたたむことがコツです 3そこに 自 由 に 線 を 描 き 縫 います 布 地 の 中 まで 藍 色 に 染 まりますので 白 い 部 分 が 欲 しければ 何 度 も 何 度 もミシン 目 を 重 ねてください そうした 部 分 と 粗 く 縫 った 部 分 とで 色 の 濃 淡 を 表 現 で きます 同 封 したもの 無 地 のタオル 筒 芯 見 本 ビニール 袋 に 入 っています かぎ 針 絞 り 見 本 ミシン 絞 りのストール 写 真 資 料 (A4 用 紙 4 枚 : 写 真 1~8 かご 染 め 絞 り 写 真 教 材 写 真 ) - 5 -