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NAOSITE: Nagasaki University's Ac Title 携 帯 電 話 のカメラ 機 能 を 使 用 した 大 学 生 の 食 事 調 査 Author(s) 本 田, 藍 ; 甲 斐, 結 子 ; 中 村, 修 Citation 長 崎 大 学 総 合 環 境 研 究, 13(1), pp.37-42; 2010 Issue Date 2010-10 URL http://hdl.handle.net/10069/24579 Right This document is downloaded http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp

長 崎 大 学 総 合 環 境 研 究 第 13 巻 第 1 号 pp.37-42 2010 年 10 月 研 究 ノート 携 帯 電 話 のカメラ 機 能 を 使 用 した 大 学 生 の 食 事 調 査 本 田 藍 * 甲 斐 結 子 * ** 中 村 修 Diet Survey of College Students Using a Digital Camera Function of Cellular Phones Ai HONDA, Yuiko KAI and Osamu NAKAMURA Abstract We conducted analysis of diet for three days photographed by college students using a digital camera function of cellular phones. Regarding diet of college students living alone, the following tendency was revealed. It is rare to prepare all dishes including staple foods, entrees, side dishes and soups. In addition, there is a tendency to skip meals. Single dishes such as curry and rice, Ramen, Udon (wheat noodle) and bread frequently provided for lunch. The variety of vegetables consumed by college students at one meal is about 1.5 and the total amount of vegetables is low. At breakfast, they tend to skip a meal and rarely take vegetable dishes. At lunch and dinner, soups are not often seen and the varieties of vegetables they take are about two. Key Words: college student, analysis of diet, digital camera function of cellular phones 1. 序 論 本 研 究 の 目 的 は 携 帯 電 話 のカメラ 機 能 を 用 いて 食 事 調 査 を 行 い 大 学 生 の 食 事 の 傾 向 を 一 食 の 料 理 数 と 種 類 一 日 に 摂 取 した 野 菜 の 種 類 から 明 らか にすることである 現 在 若 年 層 の 食 生 活 の 乱 れが 問 題 になっている ( 厚 生 労 働 省 2009) 食 生 活 の 乱 れに 起 因 した 健 康 障 害 も 起 きている 今 や 生 活 習 慣 病 の 死 因 別 死 亡 割 合 は 6 割 を 超 す( 厚 生 労 働 省 2010) この 病 気 の 予 防 や 健 康 の 増 進 のために 最 近 では 患 者 のみ ならず 健 康 な 者 に 対 しても 食 事 の 指 導 がなされて ** 長 崎 大 学 大 学 院 生 産 科 学 研 究 科 博 士 後 期 課 程 ** 長 崎 大 学 大 学 院 生 産 科 学 研 究 科 受 領 年 月 日 2010 年 5 月 31 日 受 理 年 月 日 2010 年 5 月 31 日 いる しかし このような 食 事 の 指 導 を 享 受 するのは 食 に 関 心 がある 者 や 健 康 に 不 安 を 感 じ 始 めた 者 がほ とんどである 一 方 で 食 や 健 康 に 無 関 心 な 若 い 世 代 が 食 事 の 指 導 を 受 けることはまれである このような 若 者 が 自 ら 食 事 を 振 り 返 り 食 事 の 改 善 に 関 心 を 持 つことが 将 来 的 な 生 活 習 慣 病 予 防 につ ながると 考 えられる 食 事 の 振 り 返 りには 食 事 調 査 が 有 効 である 現 在 の 食 事 調 査 には 記 録 法 思 い 出 し 法 頻 度 調 査 等 があるが いずれも 栄 養 士 など の 専 門 家 が 医 療 行 為 準 医 療 行 為 として 介 入 し 食 事 指 導 を 行 う 手 段 として 用 いられており 若 者 が 気 軽 に 自 らの 食 事 を 観 察 し 改 善 できるような 調 査 手 法 調 査 システムとなっていない( 川 村 ら 1995) そこで 本 研 究 では 日 本 における 普 及 率 が 9 割 を 越 える 1 携 帯 電 話 のカメラ 機 能 を 活 用 し 写 真 を 37

本 田 藍 甲 斐 結 子 中 村 修 栄 養 士 などの 専 門 家 が 評 価 するのではなく 写 真 を 撮 った 対 象 者 自 身 が 自 らの 食 事 の 振 り 返 りを 行 える よう 簡 便 な 評 価 方 法 を 試 みた また その 食 事 調 査 により 大 学 生 の 料 理 数 の 平 均 を 明 らかにする さらに 筆 者 らは 2005 年 から 長 崎 大 学 活 水 大 学 等 で 食 事 調 査 を 実 施 してきたが この 調 査 結 果 から 現 在 の 大 学 生 は 摂 取 する 野 菜 の 種 類 が 乏 しく そ の 種 類 もキャベツやニンジンなど 少 数 の 野 菜 に 限 ら れている 傾 向 が 見 られた そこで 実 際 に 一 食 にど の 程 度 の 種 類 の 野 菜 を 食 べているのかに 関 する 調 査 も 試 みた 2. 調 査 方 法 携 帯 電 話 のカメラ 機 能 を 用 いて 大 学 生 が 3 日 間 の 自 分 の 飲 食 物 すべてを 撮 影 した 欠 食 した 場 合 は 何 も 置 かれていないテーブルを 撮 影 することとした 写 真 には 何 日 目 の 食 事 か 朝 昼 夜 間 食 のいずれか を 記 入 し ネット 上 に 設 置 したメールアドレスに 送 付 した 携 帯 電 話 を 持 っていない 者 は 大 学 生 の 調 査 対 象 者 にはいなかった 調 査 期 間 は 2006 年 4 月 の 対 象 者 の 都 合 がよい 平 日 3 日 間 である 調 査 対 象 は 大 学 1 年 生 で 一 人 暮 らしをしている 18 名 で 男 性 13 名 女 性 5 名 であった 調 査 対 象 者 には 2006 年 の 長 崎 大 学 における 健 康 科 学 の 講 義 を 受 講 した 学 生 のうち 3 日 間 の 食 事 写 真 を 提 出 し た 者 を 採 用 した 尚 食 事 調 査 の 提 出 は 任 意 とした 得 られた 食 事 写 真 のデータから 食 事 ごとの 主 食 (ご 飯 麺 類 等 ) 主 菜 ( 蛋 白 源 となる 料 理 ) 副 菜 ( 野 菜 類 の 料 理 ) 汁 物 の 有 無 と 合 計 料 理 数 を 算 出 し 一 食 の 平 均 値 を 比 較 した また 野 菜 の 種 類 別 出 現 数 を 調 査 した 野 菜 の 種 類 は 1 人 1 食 につ き 1 回 と 換 算 し 1 食 に 同 じ 種 類 の 野 菜 が 数 回 使 用 されていても 1 回 とした 3. 結 果 3-1. 一 食 平 均 調 査 に 利 用 できた 食 事 数 は 合 計 94 食 ( 朝 28 食 昼 32 食 夕 34 食 )で 欠 損 値 は 68 食 であった 6 であった 一 食 平 均 料 理 数 は 1.99 であり 主 食 が 0.87 主 菜 が 0.45 副 菜 が 0.52 汁 物 が 0.21 であった( 表 1) いずれの 料 理 も 1 に 満 たないことから 一 食 で 主 食 主 菜 副 菜 汁 物 のすべての 料 理 がそろうこと はまれで 欠 食 が 多 いことが 明 らかになった 最 も 出 現 数 が 多 い 料 理 は 主 食 であった この 原 因 として 大 学 生 の 食 事 ではカレーやラーメン うど ん パン 等 単 品 で 食 べられる 料 理 ( 以 下 単 品 料 理 )が 多 いことが 考 えられる( 資 料 1) 単 品 料 理 の 場 合 本 調 査 では 副 菜 や 汁 物 などが 添 えられてい ることが 少 なかったため 単 品 料 理 の 出 現 数 が 増 え るほど 主 食 以 外 の 料 理 の 出 現 数 が 少 なくなる 傾 向 にあるといえる 最 も 出 現 数 が 少 ない 料 理 は 汁 物 であった 汁 物 の 出 現 数 は 全 94 食 中 20 食 で およそ 5 回 に 1 回 の 割 合 であった 大 学 生 が 食 事 を 選 択 する 際 汁 物 の 優 先 順 位 は 低 いようである 大 学 生 が 一 食 に 摂 取 する 野 菜 の 種 類 数 は 1.49 で あった 一 食 1 回 以 上 野 菜 をとっている 計 算 になる が 食 事 写 真 をみると 野 菜 の 多 くは 主 菜 にわずか に 添 えられたキャベツやニンジン ネギ 等 であり 総 じて 野 菜 の 摂 取 量 は 少 ない 傾 向 にあった( 資 料 2) 野 菜 の 種 類 別 出 現 数 ( 表 2)は 全 94 食 中 多 い 順 にキャベツ 22 回 ニンジン 17 回 ねぎ 11 回 わかめ 10 回 玉 ねぎ ジャガイモ 9 回 であった キャベツは 外 食 の 際 に 主 食 に 添 えてある 場 合 が 多 かった ニンジンは 外 食 のサラダの 中 に 色 見 とし てごく 少 量 使 用 されている 場 合 や カレーライスに 入 っている 場 合 が 多 かった ネギは 主 菜 や みそ 汁 の 色 見 として 少 量 添 えられている 場 合 が 多 かった わかめは 主 にみそ 汁 に 入 れられていた 玉 ねぎ じ ゃがいもはカレーライスや 牛 丼 ポテトサラダに 使 用 されていた 食 事 の 調 理 形 態 は 全 94 食 中 自 炊 が 31 回 自 宅 でお 惣 菜 やカップラーメンなど 出 来 合 いのものを 摂 取 する 回 数 が 13 回 外 食 が 37 回 で 外 食 の 回 数 が 最 も 多 かった 表 1. 一 食 平 均 の 料 理 数 と 野 菜 の 種 類 数 ( 全 食 事 数 94 食 ) 主 食 主 菜 副 菜 汁 物 計 野 菜 1 食 平 均 0.87 0.45 0.52 0.21 1.99 1.49 朝 平 均 0.61 0.11 0.04 0.07 0.79 0.21 昼 平 均 0.94 0.50 0.75 0.13 2.22 1.94 夜 平 均 1.03 0.68 0.71 0.41 2.76 2.12 表 2. 野 菜 の 種 類 別 出 現 数 ( 全 食 事 数 94 食 ) キャベツ ニンジン ねぎ わかめ 玉 ねぎ ジャガイモ 22 17 11 10 9 9 38

携 帯 電 話 のカメラ 機 能 を 使 用 した 大 学 生 の 食 事 調 査 資 料 1. 単 品 料 理 例 39

本 田 藍 甲 斐 結 子 中 村 修 資 料 2. 野 菜 の 少 ない 献 立 例 3-2. 朝 食 朝 食 で データが 得 られた 全 食 事 数 は 28 食 ( 欠 損 値 26 食 )で このうち 欠 食 は 12 食 であった 8 であった 合 計 料 理 数 は 一 食 平 均 0.79 で 主 食 が 0.61 主 菜 が 0.11 副 菜 が 0.04 汁 物 が 0.07 であ った( 表 1) 最 も 出 現 数 が 多 い 料 理 は 主 食 であった 大 学 生 の 朝 食 は 主 に 主 食 のみである 場 合 が 多 く 副 菜 や 汁 物 などから 野 菜 が 摂 取 されることはまれであった ( 資 料 3) 最 も 出 現 数 が 少 ない 料 理 は 副 菜 で 朝 食 では 野 菜 料 理 がほとんどとられていなかった 野 菜 の 種 類 も 一 食 平 均 0.21 と 少 なく その 内 訳 は みそ 汁 に 入 っ ているネギやわかめ サラダのレタス 梅 干 しなど であり いずれも 少 量 であった 40

携 帯 電 話 のカメラ 機 能 を 使 用 した 大 学 生 の 食 事 調 査 資 料 3. 朝 食 例 3-3. 昼 食 昼 食 で データが 得 られた 全 食 事 数 は 32 食 ( 欠 損 値 22 食 )で このうち 欠 食 は 2 食 であった 5 であった 合 計 料 理 数 は 一 食 平 均 2.22 で 主 食 が 0.94 主 菜 が 0.5 副 菜 が 0.75 汁 物 が 0.13 であ った( 表 1) 最 も 出 現 数 が 多 い 料 理 は 主 食 で 昼 食 は 主 食 を 中 心 に 摂 取 されていることが 分 かる 中 には おにぎ りやパンのみ 等 単 品 で 済 ます 者 も 見 られた 最 も 出 現 数 が 少 ない 料 理 は 汁 物 で 10 食 に 1 回 程 度 の 出 現 数 であった 昼 食 で 汁 物 が 選 択 される 頻 度 は 低 い 傾 向 にあるようである 昼 食 に 摂 取 する 野 菜 の 種 類 は 一 食 平 均 1.94 で 内 訳 は 主 菜 の 付 け 合 わせとして 添 えられているキ ャベツやネギ カレーの 具 のキャベツやニンジン 41

本 田 藍 甲 斐 結 子 中 村 修 ジャガイモ 等 が 多 く 見 られた 3-4. 夕 食 夕 食 で データが 得 られた 全 食 事 数 は 34 食 ( 欠 損 値 20 食 )で このうち 欠 食 は 2 食 であった 6 であった 合 計 料 理 数 は 一 食 平 均 2.76 で 主 食 が 1.03 主 菜 が 0.68 副 菜 が 0.71 汁 物 が 0.41 であ った( 表 1) 最 も 出 現 数 が 多 い 料 理 は 主 食 で その 他 の 料 理 は いずれも 1 以 下 であり 夕 食 でも 主 食 が 単 品 で 食 べ られる 頻 度 が 高 いことがうかがえる 最 も 出 現 数 が 少 ない 料 理 は 汁 物 で 5 食 に 2 回 程 度 の 出 現 数 であった 夕 食 に 摂 取 する 野 菜 の 種 類 は 一 食 平 均 2.22 で 昼 食 と 同 様 主 菜 の 付 け 合 わせのキャベツが 多 く 見 られた 4. 結 論 本 研 究 では 携 帯 電 話 のカメラ 機 能 を 用 いて 3 日 間 の 食 事 写 真 を 撮 影 し 撮 った 写 真 を 見 ることで 自 らの 食 事 の 振 り 返 りを 行 える 食 事 調 査 法 を 用 い 一 人 暮 らしの 大 学 生 の 食 事 の 傾 向 を 明 らかにした 大 学 生 という 条 件 付 きだが 参 加 した 全 員 が 携 帯 電 話 を 所 有 し その 携 帯 電 話 にはすべてカメラ 機 能 がついていた.その 結 果 この 調 査 に 参 加 すること が 容 易 であった サンプル 数 の 少 なさや 欠 損 値 の 多 さ 等 研 究 の 限 界 が 見 られたものの 携 帯 電 話 によるカメラ 機 能 を 利 用 した 食 事 調 査 が 気 軽 におこなえ 有 効 である ということを 実 証 したという 意 味 においてだけでも 本 調 査 は 新 しい 調 査 方 法 を 提 案 したと 言 える 次 に 調 査 の 結 果 一 人 暮 らしの 大 学 生 の 食 事 に 関 して 以 下 の 傾 向 が 見 られた 1 一 食 で 主 食 主 菜 副 菜 汁 物 のすべての 料 理 がそろうことはまれで 欠 食 が 多 かった 2カレーやラーメン うどん パン 等 単 品 料 理 が 多 かった 3 一 食 に 摂 取 する 野 菜 の 種 類 数 は 1.5 種 類 程 度 で 量 は 総 じて 少 ない 傾 向 にあった 4 出 現 数 が 多 い 野 菜 は 1 位 がキャベツ 2 位 がニ ンジンであった 5 朝 食 は 欠 食 率 が 高 く 野 菜 料 理 がほとんどとられ ていなかった 6 昼 食 夕 食 では 汁 物 の 出 現 数 が 少 なく 摂 取 する 野 菜 の 種 類 は 2 種 類 程 度 であった 注 1 総 務 省 統 計 局 が 2009 年 に に 実 施 した 全 国 消 費 実 態 調 査 によると 携 帯 電 話 の 40 歳 代 までの 普 及 率 は 9 割 を 超 えている 調 査 対 象 : 全 国 のすべての 世 帯 (ただし, 学 生 の 単 身 世 帯 等 は 除 く )の 中 から 一 定 の 統 計 上 の 抽 出 方 法 で 選 定 された 二 人 以 上 の 世 帯 52,404 世 帯 と 単 身 世 帯 4,402 世 帯 調 査 期 間 : 二 人 以 上 の 世 帯 については 平 成 21 年 9 月,10 月 及 び 11 月 の 3 か 月 間, 単 身 世 帯 について は 10 月 及 び 11 月 の 2 か 月 間 参 考 : 平 成 21 年 全 国 消 費 実 態 調 査 http://www.stat.go.jp/data/zensho/2009/taikyu/pdf/yoya ku.pdf 参 考 文 献 川 村 孝 ら 写 真 法 による 食 事 調 査 の 妥 当 性 に 関 する 予 備 的 検 討 日 本 公 衛 誌 42 992-998(1995) 厚 生 労 働 省 平 成 20 年 国 民 健 康 栄 養 調 査 結 果 の 概 要 (2009) 厚 生 労 働 省 平 成 21 年 人 口 動 態 統 計 の 年 間 推 計 (2010) 42