ISSN 0917-1908 特 集 広葉樹林への誘導の可能性 シリーズ 森めぐり 新連載 マレーシアサラワク州ニア森林保護区 高知大学演習林 嶺北フィールド うごく森 北上するマツ材線虫病 現場の要請を受けての研究 サンブスギ間伐手遅れ林分管理指針の作成 June 59 2010
et al
bemban
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図 _2 東北地方における市町村別マツ材線虫病被害分布の変遷 黒色が当年度分布初確認地点 灰色は前年度から継続して分布が確認された地点を示し 半円 小円 大 円はそれぞれ被害木本数1 10 本 11 100 本 および 101 本以上を表す 白丸は以前分布が確認され たが当年度は分布が確認されなかった地点を示す 丸の大きさと本数は無関係 東北林業試験研究機関連 絡協議会森林保全部会 2008 から一部改変し抜粋 転載した が その移動距離は通常はあまり大きくない Togashi, という犯罪的な行為がみすみす見逃されている今の日本 1990 しかし 風に乗った場合などには 一回で数 の状況は 絶望的ですらある km を 移 動 す る こ と も あ る 井 戸 ら 1975 山本ら 2000 はシミュレーションモデルにより マツノマダ 東北地方での材線虫病分布拡大の経過 ラカミキリの短距離分散および長距離分散が材線虫病被 東北地方におけるマツ材線虫病の初確認は 1975 年 害拡大に及ぼす効果を示した それによると 短距離分 宮城県石巻市のクロマツ集団枯死木についてのもので 散だけによる場合 被害拡大の速度は年間数十 m に過 あった 庄司ら 1976 引き続き 1976 年には福島県 ぎないが ここに長距離分散個体が加わると拡大速度は で 1979 年には岩手県 山形県で 材線虫病被害木が発 年間数 km まで急激に加速する また 防除によりカミ 見された この事態を受けて 東北林業試験機関連絡協 キリの個体数を減少させると被害拡大速度は低下し も 議会保護専門部会 現 森林保全部会 では 毎年の会 ともとのマツの本数がある程度多いと拡大速度は速くな 合の際に各県の材線虫病被害木とマツノマダラカミキリ る 実際に 材線虫病侵入後の被害拡大経過が追跡され トラップや被害木での生息調査による の分布について た 茨 城 県 の 例 岸 1988 で は 拡 大 速 度 は 年 間 約 情報を持ち寄り 市町村単位の分布地図を作製すること 4 km であったことが示されている 山本ら 2000 となった 以来 約 30 年に渡って集積されてきた情報の 媒介昆虫の移動分散に加え 現実の被害拡大に大きな うち 1980 年から 2006 年までの分布変遷図が研究資料 役割を果たしてきたのが被害木の人為的な移動である として公開されている 東北林業試験研究機関連絡協議 そもそも 北米原産のマツノザイセンチュウが日本に侵 会森林保全部会 2008 森林総合研究所ホームページ 入したのは 明治以降の海外からの木材の移入に伴うも のと推定されている その後の国内における材線虫病被 http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/paper.html から閲覧可能 図 _2 に そのごく一部を抜粋して示す 害拡大の歴史の中でも 既被害地から遠く離れた場所で 分布変遷図には 1980 年当時 宮城県沿岸部から福 突然新たな被害が発生する例は後を絶たなかった 危険 島県浜通り 中通りにまとまった被害地域が見られる以 な病原体と媒介昆虫をセットにして未被害地に持ち込む 外には山形県と岩手県に点在するに過ぎなかった材線虫 36
,**3 -,0 /* FAX + +*, : FAX - :.. ISBN, FAX +/.. / + + + 0 + 1 /* /*.** A. 2 / 3 +, -,**3 -,0 Forestry + Abstracts,,**3 -,0 + -*/ 2021 + + + Tel *,32,32-+. Fax *,321--133, e-mail tomokun# pri.a# rc.go.jp : : : +*, **2/ 1 : : Tel. Fax *--,0+,100 http://www.forestry.jp/ : http://www.forestry.jp/contents/publish/publish.html - : : R +*1 **/, 30.+ - F Tel./Fax *--.1/ /0+2