第 60 回 中 部 IVR 研 究 会 抄 録 日 時 : 平 成 28 年 6 月 18 日 ( 土 ) 13:00~15:24 会 場 : 石 川 県 地 場 産 業 振 興 センター 本 館 2 階 第 1 研 修 室 当 番 世 話 人 : 金 沢 医 科 大 学 放 射 線 医 学 教 室 北 楯 優 隆 セッション 1: 技 術 合 併 症 座 長 : 北 楯 優 隆 ( 金 沢 医 科 大 学 ) 1. HCC に 対 する TACE における 2 相 CTHA 合 成 画 像 の 有 用 性 名 古 屋 市 立 大 学 放 射 線 科 太 田 賢 吾 下 平 政 史 橋 爪 卓 也 鈴 木 一 史 後 藤 多 恵 子 澤 田 祐 介 中 山 敬 太 中 島 雅 大 木 曽 原 昌 也 芝 本 雄 太 目 的 :HCC に 対 する TACE において Feeder 同 定 のための CTHA は 重 要 である し かし 動 脈 早 期 相 のみでは ときに HCC の stain が 描 出 されてない 症 例 も 経 験 される 本 研 究 では 動 脈 早 期 相 および 動 脈 後 期 相 の CTHA の 合 成 画 像 の 有 用 性 を 検 討 す る 方 法 : 対 象 は 71 症 例 137 腫 瘍 14 腫 瘍 は 再 治 療 を 受 けており 合 計 で 147 腫 瘍 を 評 価 した CTHA は 総 肝 動 脈 または 固 有 肝 動 脈 より 造 影 剤 を 2-3ml/sec にて 注 入 し 注 入 開 始 6 秒 後 より 連 続 撮 影 を 行 った 動 脈 早 期 相 にて stain が 描 出 されてない 31 腫 瘍 において 動 脈 早 期 相 と 動 脈 後 期 相 の 合 成 画 像 を 用 いて feeder 同 定 が 可 能 にな るかを 検 討 した 結 果 : 合 成 画 像 にて Feeder 同 定 率 は 97%(30/31)であった 1 例 は 肝 動 脈 の 微 小 吻 合 のため Feeder が 描 出 されなかった 結 論 : 2 相 CTHA 合 成 画 像 は TACE の 際 の Feeder 同 定 に 有 用 と 考 えられる 2. 骨 盤 内 悪 性 腫 瘍 化 学 放 射 線 治 療 後 に 大 量 出 血 来 たした 3 例 福 井 県 済 生 会 病 院 放 射 線 科 永 井 圭 一 宮 山 士 朗 山 城 正 司 櫻 川 尚 子 吉 田 未 来 四 日 章 同 外 科 飯 田 善 郎 高 嶋 吉 浩 同 産 婦 人 科 高 多 佑 佳 症 例 1は 60 代 男 性 10 年 前 に 直 腸 癌 術 後 局 所 再 発 や 転 移 に 対 し 化 学 放 射 線 治 療
を 施 行 5 か 月 前 より 骨 盤 内 再 発 部 に 感 染 合 併 し 膿 瘍 形 成 ドレナージ 施 行 するもチ ューブより 出 血 を 繰 り 返 すようになった 症 例 2は 40 代 女 性 3 年 前 に 子 宮 頸 癌 手 術 施 行 1 年 前 より 局 所 再 発 に 対 し 化 学 放 射 線 治 療 を 施 行 するも 次 第 に 腫 瘍 増 大 し 直 腸 瘻 を 合 併 局 所 に 膿 瘍 形 成 し 大 量 下 血 を 来 たした 症 例 3は 60 代 男 性 6 年 前 に 直 腸 癌 術 後 局 所 再 発 や 転 移 に 対 し 化 学 放 射 線 治 療 を 施 行 2 年 前 に 局 所 再 発 に 対 し 陽 子 線 治 療 施 行 後 同 部 に 感 染 合 併 し 膿 瘍 形 成 1 か 月 前 より 下 血 あり 次 第 に 増 悪 何 れの 症 例 も 血 管 造 影 にて 骨 盤 内 に 仮 性 動 脈 瘤 形 成 しており 塞 栓 術 にて 止 血 し 得 た 3. 腎 血 管 筋 脂 肪 腫 に 対 する 動 脈 塞 栓 術 後 に 尿 管 狭 窄 をきたした 1 例 刈 谷 豊 田 総 合 病 院 放 射 線 診 断 科 本 田 純 一 北 瀬 正 則 古 田 好 輝 田 中 祥 裕 坂 東 勇 弥 川 口 毅 恒 斎 藤 寛 子 水 谷 弘 和 水 谷 優 症 例 は 60 歳 代 女 性 両 側 腎 血 管 筋 脂 肪 腫 からの 出 血 に 対 し 両 側 腎 動 脈 塞 栓 術 の 施 行 歴 があった 今 回 右 腎 下 極 腫 瘍 の 増 大 のため 再 度 塞 栓 術 を 行 った 右 腰 動 脈 からの 栄 養 動 脈 を 選 択 しエタノールにて 塞 栓 した この 際 に 患 者 は 右 背 部 痛 を 訴 えた が 塞 栓 に 伴 う 痛 みと 考 え 鎮 痛 剤 で 対 応 した 腫 瘍 への 血 流 は 途 絶 し 手 技 を 終 了 とし たが 3 ヶ 月 後 の 経 過 観 察 CT にて 右 尿 管 狭 窄 が 出 現 していた 逆 行 性 尿 路 造 影 では 限 局 性 のなだらかな 狭 窄 であった 血 管 造 影 検 査 所 見 を 見 直 すと 右 腰 動 脈 から 分 岐 する 右 尿 管 動 脈 が 描 出 されており 尿 管 虚 血 による 狭 窄 と 考 えられた 腎 血 管 筋 脂 肪 腫 に 対 する 動 脈 塞 栓 術 に 伴 う 尿 管 狭 窄 について 尿 管 動 脈 の 解 剖 の 確 認 とともに 文 献 的 考 察 を 含 めて 検 討 する 4. 術 前 血 流 改 変 時 に 逸 脱 した AMPLATZER Vascular Plug を 回 収 した 1 例 1) 愛 知 県 がんセンター 中 央 病 院 放 射 線 診 断 IVR 部 2) 同 消 化 器 外 科 佐 藤 洋 造 1) 稲 葉 吉 隆 1) 長 谷 川 貴 章 1) 金 原 佑 樹 1) 山 浦 秀 和 1) 小 野 田 結 1) 加 藤 弥 菜 1) 村 田 慎 一 1) 守 永 広 征 1) 山 口 久 志 1) 今 井 勇 伍 1) 2) 千 田 嘉 毅 症 例 は 59 才 女 性 居 所 進 行 膵 体 部 癌 で 外 科 的 切 除 は 困 難 であり 全 身 化 学 療 法 施 行 原 発 巣 は 著 明 に 縮 小 傾 向 で DPCAR にて 切 除 可 能 と 判 断 され 術 前 に CHA 塞 栓 を 依 頼 された 血 管 造 影 上 CHA は 4.2 mm 径 であり 6 mm 径 の AMPLATZER Vascular
Plug (AVP)-II を 留 置 したが PHA 根 部 への 逸 脱 をきたした グースネックスネアでの 回 収 を 試 み AVP のデリバリー 部 断 端 を 把 持 できたが ガイディングカテーテル 内 への 回 収 は 不 可 であった 予 定 術 式 が DPCAR で SPA を 切 除 するため AVP を SPA 側 に 離 脱 した その 後 10 mm 径 の AVP-II を CHA に 留 置 して 良 好 な 塞 栓 が 得 られた セッション 2: 塞 栓 術 1 座 長 : 蔭 山 昌 成 ( 済 生 会 富 山 病 院 ) 5. 塞 栓 術 を 行 った 持 続 勃 起 症 4 例 の 検 討 :High-flow type3 例 と Low-flow type 1 例 浜 松 医 科 大 学 放 射 線 科 診 断 核 伊 東 洋 平 神 谷 実 佳 牛 尾 貴 輔 汪 洋 林 真 帆 五 十 嵐 郁 己 川 村 謙 士 山 下 修 平 那 須 初 子 竹 原 康 雄 阪 原 晴 海 同 泌 尿 器 科 本 山 大 輔 大 園 誠 一 郎 3 例 の high-flow type は 外 傷 性 であった 2 例 は 両 側 1 例 は 片 側 のみ できるだけ 陰 茎 深 動 脈 を 選 択 し GS 塞 栓 を 行 った 陰 茎 海 綿 体 の 損 傷 がひどい 1 例 はコイルも 用 い た 1 例 の low-flow type は 過 去 に 手 術 歴 あり その 後 も 持 続 勃 起 を 繰 り 返 すも 内 服 で 観 察 中 であった 今 回 持 続 勃 起 が 改 善 せず 残 されたわずかな 血 流 も 遮 断 する 目 的 で 塞 栓 術 が 依 頼 された 左 右 の 内 陰 部 動 脈 末 梢 を GS+コイルで 塞 栓 した 不 完 全 勃 起 状 態 で 退 院 に 到 ったが 数 日 後 に 完 全 勃 起 状 態 で 再 入 院 し 手 術 が 施 行 された 持 続 勃 起 症 に 対 する 塞 栓 術 に 関 して 考 察 を 踏 まえて 報 告 する 6. 胸 骨 圧 迫 により 生 じた 内 胸 動 脈 損 傷 に 対 して TAE を 施 行 した 1 例 名 古 屋 市 立 大 学 放 射 線 科 木 曽 原 昌 也 下 平 政 史 橋 爪 卓 也 鈴 木 一 史 太 田 賢 吾 河 合 辰 哉 澤 田 祐 介 中 山 敬 太 中 島 雅 大 芝 本 雄 太 症 例 は 68 歳 女 性 血 液 透 析 患 者 造 影 CT を 施 行 後 より 心 肺 停 止 となり 心 肺 蘇 生 の ため 胸 骨 圧 迫 を 施 行 した 自 己 心 拍 再 開 後 より 徐 々に 前 胸 部 腫 脹 が 悪 化 し 貧 血 の 進 行 を 認 めた CT にて 前 胸 部 に 著 明 な 皮 下 血 腫 を 認 め 胸 骨 圧 迫 に 伴 う 内 胸 動 脈 損 傷 が 疑 われた 緊 急 血 管 造 影 にて 両 側 の 内 胸 動 脈 より extravasation を 認 め 塞 栓 術 が 施 行 された 心 肺 蘇 生 のため 胸 骨 圧 迫 に 伴 う 内 胸 動 脈 損 傷 は 稀 であるが 重 篤 な 合 併 症 であり 文 献 的 考 察 を 加 え 報 告 する
7. 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 後 の 門 脈 閉 塞 に 伴 う 空 腸 静 脈 瘤 に 対 して IVR 治 療 が 奏 効 した 1 例 1) 愛 知 県 がんセンター 中 央 病 院 放 射 線 診 断 IVR 部 2) 同 消 化 器 内 科 守 永 広 征 1) 佐 藤 洋 造 1) 稲 葉 吉 隆 1) 山 浦 秀 和 1) 小 野 田 結 1) 加 藤 弥 菜 1) 村 田 慎 一 1) 長 谷 川 貴 章 1) 金 原 佑 樹 1) 山 口 久 志 1) 今 井 勇 伍 1) 2) 原 和 生 73 歳 女 性 下 部 胆 管 癌 に 対 して 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 術 後 179 日 で 倦 怠 感 と 食 思 不 振 が 増 悪 しHb6.8g/dlと 貧 血 の 進 行 を 認 めた 造 影 CT 検 査 で 門 脈 閉 塞 と 胆 管 空 腸 吻 合 部 静 脈 瘤 が 見 られた 上 部 内 視 鏡 検 査 で 静 脈 瘤 からの 出 血 が 疑 われIVR 施 行 経 皮 経 肝 的 にアプローチし 金 属 コイルとNBCAで 空 腸 静 脈 瘤 の 流 入 路 を 塞 栓 門 脈 ステント 留 置 とバルーン 拡 張 を 施 行 術 後 は 内 視 鏡 で 静 脈 瘤 消 失 を 確 認 治 療 後 3ヶ 月 で 貧 血 なく 外 来 通 院 継 続 中 である 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 後 の 門 脈 閉 塞 に 伴 う 空 腸 静 脈 瘤 に 対 してIVR 治 療 が 有 効 であった 8. 3.3F ガイディングカテーテルと 電 気 離 脱 式 コイルの 組 み 合 わせで 塞 栓 した 背 側 膵 動 脈 瘤 の 1 例 1) 高 岡 市 民 病 院 放 射 線 科 2) 金 沢 大 学 放 射 線 科 3) 高 岡 市 民 病 院 胸 部 血 管 外 科 1) 1) 1) 2) 3) 岩 田 紘 治 小 林 佳 子 寺 山 昇 小 森 隆 弘 横 川 雅 康 辻 本 優 3) 症 例 は 50 歳 代 女 性 血 尿 を 主 訴 に 施 行 された 腹 部 CT で 膵 頭 部 に 15mm 大 の 動 脈 瘤 が 疑 われた 血 管 造 影 で 上 腸 間 膜 動 脈 から 分 岐 する 背 側 膵 動 脈 に 動 脈 瘤 を 認 め た 瘤 の 遠 位 は 脾 動 脈 に 流 入 し 膵 頭 部 アーケードとの 吻 合 もみられた 破 裂 のリスク を 考 慮 し 同 動 脈 瘤 にコイル 塞 栓 術 を 施 行 する 方 針 となった 右 大 腿 動 脈 を 穿 刺 後 3.3Fr ガイディングカテーテル(Parent Plus30)を 挿 入 先 端 を 上 腸 間 膜 動 脈 まで 進 め た マイクロカテーテルを 瘤 内 に 進 め 電 気 離 脱 式 コイル(Tareget XL)を 使 用 してパッ キングを 行 った 特 に 合 併 症 は 見 られず 翌 々 日 に 退 院 した 症 例 によっては 本 例 のように 細 径 のガイディングカテーテルを 用 いて より 低 侵 襲 に 治 療 を 行 える 場 合 があ る
9. Klippel-Trenaunay-Weber 症 候 群 に 生 じた 難 治 性 皮 膚 潰 瘍 に 対 して 動 脈 塞 栓 術 を 施 行 した 1 例 富 山 大 学 附 属 病 院 放 射 線 科 富 澤 岳 人 鳴 戸 規 人 川 部 秀 人 野 口 京 幼 少 期 より 右 下 肢 に 血 管 腫 左 右 の 足 の 太 さに 差 があり Kipple-Trenaunay-Weber 症 候 群 と 診 断 されている 症 例 右 下 腿 の 難 治 性 潰 瘍 に 対 し 2 回 の 植 皮 が 施 行 されて いたが 改 善 なく 当 科 で 動 脈 塞 栓 術 を 行 った Embosphere を 用 い 2 回 の 動 脈 塞 栓 術 を 行 ったが 潰 瘍 の 改 善 は 得 られず 植 皮 を 追 加 した 植 皮 後 約 1 年 を 経 過 し 現 時 点 では 潰 瘍 は 改 善 が 得 られている 状 態 を 維 持 塞 栓 術 のみでは 潰 瘍 改 善 得 られず 植 皮 を 追 加 して 改 善 得 られた 症 例 を 経 験 したので 報 告 した セッション 3: 塞 栓 術 2 座 長 : 富 澤 岳 人 ( 富 山 大 学 ) 10. 胆 嚢 摘 出 術 後 の 難 治 性 胆 汁 漏 に 対 して 金 属 コイルと NBCA での 胆 嚢 管 塞 栓 が 有 効 であった 1 例 中 東 遠 総 合 医 療 センター 放 射 線 診 断 科 橋 本 成 弘 橋 本 奈 々 子 田 中 隆 浩 石 原 雅 子 大 川 賀 久 症 例 は 60 歳 代 男 性, 胆 石 胆 嚢 炎 にて 胆 嚢 摘 出 術 が 施 行 された. 大 網 との 癒 着 が 高 度 であり, 胆 嚢 頸 部 を 残 して 切 除 された. 術 後,ドレーンからの 胆 汁 漏 が 持 続 し, ENBD 留 置 にて 経 過 観 察 されたが, 改 善 がみられなかった.ドレーンからのエタノール 注 入 にて 瘻 孔 閉 鎖 を 試 みられたが, 改 善 はみられなかった.ドレーンルートを 使 用 し, 先 端 を 熱 形 成 したストレートカテーテルを 胆 嚢 頸 部 に 誘 導.マイクロシステムにて 胆 嚢 管 を Tornado コイル,NBCA にて 塞 栓 を 行 った. 塞 栓 後, 胆 汁 漏 は 消 失 した. 少 量 の 粘 液 漏 が 持 続 したが, 自 然 と 消 失 し, 再 発 は 見 られなかった. 胆 嚢 摘 出 後 の 胆 汁 漏 に 対 して 内 視 鏡 的 ドレナージで 治 療 困 難 な 場 合 コイルを 併 用 した NBCA での 胆 嚢 管 閉 塞 は 治 療 の 選 択 肢 になり 得 ると 考 えられた. 11. DEB-TACE を 施 行 した 門 脈 浸 潤 (Vp1)を 伴 う 肝 細 胞 癌 の 1 症 例 福 井 県 済 生 会 病 院 放 射 線 科 四 日 章 宮 山 士 朗 山 城 正 司 櫻 川 尚 子 吉 田 未 来 永 井 圭 一
症 例 は 60 歳 代 男 性 B 型 +アルコール 性 肝 硬 変 の 患 者 エコーで 肝 SOL を 指 摘 さ れ 経 静 脈 性 造 影 CT で 右 葉 亜 区 域 に 楔 状 の 不 整 濃 染 域 を 認 めた 同 区 域 は CTAP で 造 影 欠 損 し CTHA では 区 域 性 濃 染 を 呈 し 内 部 に 樹 枝 状 の 多 血 性 病 変 を 認 め 主 に 門 脈 内 に 進 展 (Vp1)する 多 結 節 癒 合 型 の 肝 細 胞 癌 と 診 断 し DEB-TACE を 施 行 した 術 後 の CT では 同 区 域 は 梗 塞 となり 腫 瘍 濃 染 も 消 失 した 2 年 の 経 過 で 再 発 は 認 めておらず DEB-TACE が 奏 効 した 球 状 塞 栓 物 質 は 動 脈 側 のみを 塞 栓 し 門 脈 側 は 塞 栓 できず 局 所 再 発 が 多 いと 考 えられるが 強 力 な 動 脈 塞 栓 力 により 腫 瘍 を 含 めて 門 脈 血 流 が 欠 損 した 領 域 が 梗 塞 になったと 考 えられる 12. 肝 細 胞 癌 の 肝 外 供 血 に 対 してバルーン TACE が 有 用 であった 1 例 愛 知 県 がんセンター 中 央 病 院 放 射 線 診 断 IVR 部 金 原 佑 樹 山 浦 秀 和 稲 葉 吉 隆 佐 藤 洋 造 小 野 田 結 加 藤 弥 菜 村 田 慎 一 長 谷 川 貴 章 守 永 広 征 山 口 久 志 今 井 勇 伍 背 景 : 今 回 我 々は 比 較 的 稀 な 左 胃 動 脈 から 分 岐 した 左 気 管 支 動 脈 による 肝 細 胞 癌 の 肝 外 供 血 に 対 しバルーン TACE を 実 施 したため 報 告 する 症 例 :67 歳 男 性 TACE 時 に S8/7 肝 細 胞 癌 が 左 胃 動 脈 から 分 岐 した 左 気 管 支 動 脈 の 分 枝 より 供 血 されている 事 を 確 認 病 変 供 血 血 管 にマイクロシステムが 挿 入 できな かったため 後 日 に 左 気 管 支 動 脈 の 左 胃 動 脈 側 でバルーン TACE を 実 施 左 気 管 支 動 脈 の 求 肝 性 血 流 にて 薬 液 を 病 変 へ 注 入 可 能 となり その 後 NBCA にて 左 気 管 支 動 脈 を 塞 栓 し 手 技 を 終 了 結 語 : 左 胃 動 脈 から 分 岐 した 左 気 管 支 動 脈 による 肝 細 胞 癌 の 肝 外 供 血 に 対 し 左 気 管 支 動 脈 のバルーン TACE を 実 施 し 良 好 な 結 果 を 得 られた 症 例 を 経 験 したため 報 告 する 13. 肝 細 胞 癌 胸 膜 転 移 の 破 裂 による 胸 腔 内 出 血 に 対 し 緊 急 塞 栓 術 を 施 行 した 1 例 金 沢 大 学 放 射 線 科 山 村 伊 代 扇 尚 弘 南 哲 弥 香 田 渉 奥 田 実 穂 井 上 大 米 田 憲 秀 小 森 隆 弘 蒲 田 敏 文 症 例 は 70 歳 台 の 男 性. X-2 年 に 肝 細 胞 癌, 多 発 肝 内 転 移, 多 発 肺 転 移 に 対 し 肝 動 脈 カテーテル 療 法, 全 身 化 学 療 法 を 施 行 されたが 十 分 な 治 療 効 果 は 得 られず,
無 治 療 で 経 過 観 察 中 であった. X 年 4 月 に 左 側 胸 部 痛 と 血 圧 低 下 で 救 急 搬 送 され た. CT で 左 血 胸 を 認 め, 左 横 隔 胸 膜 転 移 の 胸 腔 内 破 裂 と 診 断 した. 血 管 造 影 で 左 下 横 隔 動 脈 に 栄 養 される 転 移 巣 から 胸 腔 内 への 血 管 外 漏 出 を 認 めた. ゼラチ ンスポンジで 左 下 横 隔 動 脈 を 塞 栓 し, ショック 状 態 から 離 脱 した. 肝 細 胞 癌 の 死 因 の 1 つに 腫 瘍 破 裂 があるが, 多 くは 原 発 巣 の 破 裂 による 腹 腔 内 出 血 で, 転 移 巣 の 破 裂 および 胸 腔 内 出 血 は 稀 とされている. 血 胸 を 合 併 した 肝 細 胞 癌 の 予 後 は 極 めて 不 良 だが, 塞 栓 術 により 救 命 し 得 た 1 例 を 経 験 したので 報 告 する. セッション 4:ステント PTA 座 長 : 鈴 木 一 史 ( 名 古 屋 市 立 大 学 ) 14. EVAR 術 後 に 感 染 を 伴 う 瘤 径 増 大 を 来 した 1 例 岐 阜 大 学 放 射 線 科 永 田 翔 馬 五 島 聡 川 田 紘 資 野 田 佳 史 河 合 信 行 安 藤 知 広 松 尾 政 之 岐 阜 大 学 高 度 先 進 外 科 島 袋 勝 也 石 田 成 吏 洋 土 井 潔 80 歳 男 性 腹 部 大 動 脈 瘤 に 対 し 3 年 前 に EVAR 施 行 発 熱 炎 症 反 応 高 値 を 来 すも 抗 菌 薬 にて 改 善 なく 瘤 径 の 急 速 増 大 を 認 めたため 当 院 紹 介 となる 来 院 時 CT で 瘤 径 は 85 91mm 大 と 増 大 しており 瘤 壁 には 造 影 増 強 効 果 を 伴 う 肥 厚 を 認 め 形 態 も 変 化 していたため 感 染 を 疑 った CT ガイド 下 穿 刺 を 行 い 瘤 内 に 暗 赤 色 の 膿 汁 を 確 認 後 ドレーンを 留 置 した 培 養 では Listeria 菌 が 同 定 され 抗 菌 薬 治 療 で 瘤 径 の 縮 小 と 形 態 の 改 善 を 認 めた EVAR 術 後 の 感 染 を 伴 う 瘤 径 拡 大 に 対 する CT ガイド 下 穿 刺 は 起 炎 菌 同 定 と 膿 瘍 のコントロールのため 有 用 と 考 えられた 15. 胆 膵 領 域 の 術 後 肝 外 門 脈 出 血 に 対 するステントグラフト 治 療 名 古 屋 大 学 附 属 病 院 放 射 線 科 鈴 木 耕 次 郎 馬 越 弘 泰 長 坂 憲 松 島 正 哉 駒 田 智 大 長 縄 慎 二 名 古 屋 大 学 附 属 病 院 消 化 器 外 科 1 水 野 隆 史 江 畑 智 希 梛 野 正 人 目 的 : 術 後 門 脈 出 血 に 対 するステントグラフト 治 療 の 有 用 性 を 検 討 する. 対 象 と 方 法 :2013 年 11 月 ~2016 年 4 月 に 治 療 を 行 った 5 例 につき 治 療 方 法 手 技 的 成 功 率 治 療 効 果 を 検 討 した 結 果 :ステントグラフトは excluder iliac extender を 4 例 fluency を 1 例 で 使 用 した 2
例 は 脾 静 脈 と 下 腸 間 膜 静 脈 も 同 時 に 塞 栓 した. 手 技 的 成 功 率 は 100%で 全 例 で 門 脈 血 流 を 温 存 したまま 止 血 が 得 られ 手 技 に 伴 う 重 篤 な 合 併 症 は 認 めなかった 結 語 : 術 後 肝 外 門 脈 出 血 に 対 するステントグラフト 治 療 は 有 効 な 治 療 法 と 思 われる 16. SFA 起 始 部 直 下 からの CTO に 対 する PTA に 苦 慮 した 1 例 光 生 会 病 院 放 射 線 科 橋 本 毅 症 例 は 70 歳 代 男 性 既 往 に 高 血 圧 糖 尿 病 慢 性 腎 不 全 ( 維 持 透 析 中 )あり 本 年 3 月 頃 より 右 足 背 から 踵 部 の 疼 痛 が 増 強 し 歩 行 困 難 となった CT では 右 浅 大 腿 動 脈 起 始 部 直 下 から 膝 窩 動 脈 の CTO と 前 後 脛 骨 動 脈 全 長 の CTO 腓 骨 動 脈 遠 位 の CTO 右 下 腿 内 側 部 に AVF を 認 め IVR を 施 行 することとなった まずは 右 総 大 腿 動 脈 から 順 行 性 にアプローチしたが 右 浅 大 腿 動 脈 は 起 始 部 直 下 から 閉 塞 しており 難 渋 した そこで echo と 透 視 下 に sheath を 先 進 することでなんとか 閉 塞 部 の 貫 通 に 成 功 したが 末 梢 で 内 膜 下 から 真 腔 へと 戻 すことができなかった このため distal puncture を 施 行 することとして 開 存 していた 右 膝 窩 動 脈 を 穿 刺 し 逆 行 性 に 何 とか CTO を 突 破 して PTA を 施 行 することで 右 浅 大 腿 動 脈 を 開 存 させることに 成 功 した 17. 経 皮 的 胆 管 ステント 留 置 術 においてカバードステントに Partial stent-in-stent を 施 行 した 症 例 の 検 討 厚 生 連 高 岡 病 院 放 射 線 科 杉 浦 拓 未 野 畠 浩 司 川 森 康 博 堀 地 悌 関 宏 恭 北 川 清 秀 総 胆 管 の 悪 性 閉 塞 に 対 するカバードステント(CS)の 使 用 は 腫 瘍 の 内 腔 増 殖 を 予 防 できる 点 で 有 用 性 が 高 い 一 方 肝 門 部 閉 塞 に 対 しては 合 流 する 分 枝 を 膜 で 閉 塞 さ せるリスクがあるため 通 常 はベアメタルステント(BS)が 選 択 される 今 回 我 々は ゼオ ステントカバード のステント 膜 を 親 水 性 ガイドワイヤーで 穿 破 し Partial stent-in-stent によるマルチステントを 試 みたところ 4 症 例 5 箇 所 に 対 して 全 て 計 画 通 り CS または BS の 留 置 に 成 功 した 肝 門 部 での 悪 性 閉 塞 止 血 困 難 な 胆 道 出 血 過 剰 な 粘 液 産 生 などの 見 られる 症 例 において CS を 用 いたマルチステントが 可 能 とな り 治 療 効 果 を 改 善 する 可 能 性 が 示 唆 される
18. EVAR 時 に leg の push up により main body の migration が 生 じた 経 験 金 沢 大 学 放 射 線 科 松 本 純 一 扇 尚 弘 南 哲 弥 香 田 渉 吉 田 耕 太 郎 松 原 崇 史 杉 盛 夏 樹 蒲 田 敏 文 同 心 臓 血 管 外 科 木 村 圭 一 鷹 合 慎 太 郎 竹 村 博 文 症 例 は 60 歳 代 男 性 腎 動 脈 下 腹 部 大 動 脈 瘤 に 対 して EVAR を 施 行 した ステントグラ フトには Excluder を 使 用 し leg は landing zone を 確 保 するためにやや 長 いものを 選 択 した main body を 展 開 後 leg を push up しながら 展 開 し ステント 下 端 を 左 内 外 腸 骨 動 脈 分 岐 部 にジャストで 合 わせ 留 置 した 後 日 の CT でステント 上 端 が 左 腎 動 脈 にか かっており leg の push up 時 に main body が 頭 側 に 移 動 していたことが 判 明 した 両 腎 動 脈 の 描 出 は 良 好 で 梗 塞 や 腎 機 能 障 害 もなく 無 症 状 であったため 経 過 観 察 とした EVAR 施 行 時 に 注 意 すべき 点 と 考 え 報 告 する