媛 埋 26-1 西 条 藩 陣 屋 跡 - 西 条 高 校 体 育 館 改 築 工 事 に 伴 う 埋 蔵 文 化 財 調 査 報 告 書 - 2014.10 公 益 財 団 法 人 愛 媛 県 埋 蔵 文 化 財 センター
西 条 藩 陣 屋 跡 - 西 条 高 校 体 育 館 改 築 工 事 に 伴 う 埋 蔵 文 化 財 調 査 報 告 書 - 2014.10 公 益 財 団 法 人 愛 媛 県 埋 蔵 文 化 財 センター
序 文 このたび 西 条 高 校 体 育 館 改 築 工 事 に 関 連 し 愛 媛 県 の 委 託 を 受 け 財 団 法 人 愛 媛 県 埋 蔵 文 化 財 調 査 センターが 平 成 26 年 4 月 から5 月 にかけて 西 条 市 明 屋 敷 の 同 予 定 地 で 実 施 した 埋 蔵 文 化 財 の 発 掘 調 査 報 告 書 を 刊 行 することとなりました 今 回 調 査 いたしました 西 条 藩 陣 屋 跡 では 江 戸 時 代 の 遺 構 遺 物 を 検 出 いたしました 当 地 はご 存 知 のように 西 条 藩 の 中 心 地 であります 今 後 本 報 告 書 が 地 域 の 歴 史 や 考 古 学 研 究 の 資 料 として 活 用 いただければ 幸 いに 存 じます 最 後 になりましたが 調 査 に 対 しましてご 理 解 とご 協 力 をいただきました 愛 媛 県 をはじめ ご 指 導 いただいた 関 係 機 関 の 皆 様 ならびに 地 元 の 方 々に 厚 くお 礼 申 し 上 げます 平 成 26 年 10 月 公 益 財 団 法 人 愛 媛 県 埋 蔵 文 化 財 センター 理 事 長 前 園 實 知 雄
例 言 1 本 報 告 書 は 愛 媛 県 西 条 市 明 屋 敷 に 所 在 する 西 条 藩 陣 屋 跡 の 発 掘 調 査 報 告 書 である 2 発 掘 調 査 および 報 告 書 の 作 成 は 西 条 高 校 体 育 館 改 築 工 事 に 伴 い 愛 媛 県 の 委 託 を 受 け 公 益 財 団 法 人 愛 媛 県 埋 蔵 文 化 財 センターが 実 施 した 3 発 掘 調 査 は 平 成 26 年 4 月 から26 年 5 月 にかけて 実 施 し 整 理 作 業 および 報 告 書 の 作 成 は 平 成 26 年 5 月 から8 月 に 実 施 した 4 発 掘 調 査 および 整 理 報 告 書 の 作 成 は 次 の 職 員 が 担 当 した 石 貫 弘 泰 加 藤 雅 也 5 発 掘 調 査 および 報 告 書 作 成 において 下 記 の 職 員 および 作 業 員 の 協 力 を 得 た 職 員 中 野 良 一 多 田 仁 柴 田 圭 子 松 本 美 香 現 場 作 業 員 藤 田 正 一 越 智 照 見 藤 田 実 大 澤 宏 田 中 冨 美 子 利 根 千 代 美 藤 田 淑 子 堀 江 晴 美 牧 野 多 美 子 越 智 むつ 子 整 理 作 業 員 仙 波 仁 美 竹 村 洋 子 泉 藤 江 吉 田 倫 美 6 発 掘 調 査 および 報 告 書 作 成 では 次 の 方 々のご 指 導 ご 助 言 をいただきました 記 して 謝 意 を 表 します (50 音 順 敬 称 略 ) 石 岡 ひとみ 渡 邊 芳 貴 8 本 報 告 書 の 編 集 執 筆 は 石 貫 弘 泰 が 行 った i
凡 例 一 覧 表 の 略 記 号 表 記 例 遺 構 の 略 号 遺 構 種 別 土 坑 井 戸 柱 穴 小 穴 略 号 SK.. SE.. SP.. 遺 物 一 覧 の 略 記 号 略 記 号 内 容 ( ) 推 定 値 [ ] 残 存 値 遺 構 の 表 現 例 b' T.P.+44.3m b 2f 2d 1 2g 2h 2e 4 2a 礫 土 器 土 層 断 面 図 中 の 網 伏 せは 礫 塗 りつぶしは 土 器 を 示 す 遺 物 の 表 現 例 外 面 青 磁 欠 損 部 分 鉄 製 品 断 面 研 磨 痕 漆 喰 付 着 範 囲 銅 銭 断 面 石 製 品 断 面 木 製 品 断 面 土 色 土 器 の 色 調 については 新 版 標 準 土 色 帖 (2008 年 度 版 ) ( 農 林 水 産 省 農 林 水 産 技 術 会 議 事 務 局 監 修 )に 拠 る ii
本 文 目 次 第 1 章 調 査 に 至 る 経 緯 と 経 過... 1 第 1 節 調 査 に 至 る 経 緯 と 経 過... 1 1 調 査 の 経 緯... 1 2 調 査 の 経 過... 1 第 2 節 調 査 の 体 制... 2 第 2 章 遺 跡 の 立 地 と 環 境... 3 第 1 節 地 理 的 環 境... 3 第 2 節 歴 史 的 環 境... 4 1 後 期 旧 石 器 時 代... 4 2 縄 文 時 代... 4 3 弥 生 時 代... 4 4 古 墳 時 代... 5 5 古 代... 5 6 中 世... 6 7 近 世... 6 第 3 章 調 査 の 概 要... 9 第 1 節 地 形 と 調 査 区... 9 第 2 節 基 本 層 序... 9 第 3 節 遺 構 と 遺 物 の 概 要...14 第 4 章 遺 構 と 遺 物...15 第 1 節 江 戸 時 代 の 遺 構 と 遺 物...15 1 土 坑...15 (1) SK1...15 (2) SK2...15 (3) SK3...15 (4) SK4...15 (5) SK5...15 (6) SK6...15 (7) SK7...18 iii
(8) SK8...19 (9) SK9...19 (10) SK10...19 (11) SK11...19 (12) SK12...19 (13) SK13...20 (14) SK14...20 (15) SK15...20 (16) SK16...22 (17) SK17...22 (18) SK18...22 (19) SK19...25 (20) SK20...31 (21) SK23...32 (22) SK28...32 (23) SK29...36 (24) SK31...38 (25) SK32...42 (26) SK33...42 (27) SK34...45 (28) SK35...45 2 柱 穴...46 (1) SP1...46 (2) SP2...46 (3) SP4...46 (4) SP5...46 3 井 戸...47 4 第 Ⅵ 層 第 Ⅵ 層 相 当 層 出 土 遺 物...48 5 包 含 層 その 他 の 層 出 土 遺 物...61 (1) 第 Ⅳ 層 出 土 遺 物...61 (2) 撹 乱 出 土 遺 物...61 (3) 原 位 置 不 明 遺 物...62 (4) 表 土 その 他 出 土 遺 物...62 第 5 章 まとめ...77 第 1 節 西 条 藩 陣 屋 跡 の 造 成 過 程 と 建 物 配 置...77 iv
1 歴 代 西 条 藩 主 について...77 2 西 条 藩 歴 代 藩 主 の 西 条 入 部 について...79 3 西 条 藩 陣 屋 の 絵 図 について...79 第 2 節 整 地 層 と 検 出 遺 構 の 所 属 時 期...81 1 整 地 層 の 造 成 過 程 について...81 2 陶 磁 器 類 からみた 出 土 遺 構 の 時 期...83 第 3 節 井 戸 の 構 造 とその 時 期...83 1 井 戸 の 構 造...83 2 井 戸 の 存 続 期 間 と 廃 絶 時 期 について...86 第 4 節 軒 平 軒 桟 瓦 の 瓦 当 文 様 と 刻 印 瓦 について...86 1 軒 平 軒 桟 瓦 の 瓦 当 文 様 の 分 類...86 2 刻 印 瓦 について...90 第 5 節 西 条 藩 陣 屋 跡 の 評 価 と 課 題...91 図 目 次 図 1 遺 跡 の 位 置... 3 図 2 周 辺 遺 跡 の 分 布... 7 図 3 基 本 層 序... 9 図 4 西 条 藩 陣 屋 跡 の 位 置...10 図 5 調 査 区 遺 構 配 置...11 図 6 東 壁 土 層 断 面...12 図 7 東 壁 南 壁 土 層 断 面...13 図 8 遺 構 配 置 1...16 図 9 SK1 SK2 SK4 出 土 遺 物...17 図 10 SK5 平 面 断 面...17 図 11 SK6 SK7 SK14 平 面 断 面...18 図 12 SK8 SK9 平 面 断 面...19 図 13 SK10 平 面 断 面...20 図 14 SK6 SK7 SK13 SK14 出 土 遺 物...21 図 15 SK11 平 面 断 面...22 図 16 SK12 平 面 断 面...23 図 17 SK15 SK16 平 面 断 面...24 v
図 18 SK15 SK17 出 土 遺 物...25 図 19 SK18 平 面 断 面...26 図 20 SK18 出 土 遺 物 1...27 図 21 SK18 出 土 遺 物 2...28 図 22 SK18 出 土 遺 物 3...29 図 23 SK18 出 土 遺 物 4...30 図 24 SK19 SK20 平 面 断 面...31 図 25 SK20 出 土 遺 物...32 図 26 SK23 出 土 遺 物...33 図 27 遺 構 配 置 2...34 図 28 SK28 出 土 遺 物 1...35 図 29 SK28 出 土 遺 物 2...36 図 30 SK28 出 土 遺 物 3...37 図 31 SK28 出 土 遺 物 4...38 図 32 SK29 出 土 遺 物...39 図 33 SK31 平 面 断 面...40 図 34 SK32 平 面 断 面...40 図 35 SK31 SK32 出 土 遺 物...41 図 36 SK33 平 面 断 面...42 図 37 SK33 出 土 遺 物 1...43 図 38 SK33 出 土 遺 物 2...44 図 39 SK34 SK35 出 土 遺 物...45 図 40 SP4 平 面 断 面...46 図 41 SP5 平 面 断 面...47 図 42 SP5 出 土 遺 物...47 図 43 SE1 平 面 断 面...48 図 44 SE1 出 土 遺 物 1...49 図 45 SE1 出 土 遺 物 2...50 図 46 SE1 出 土 遺 物 3...51 図 47 SE1 出 土 遺 物 4...52 図 48 SE1 出 土 遺 物 5...53 図 49 Ⅵ 層 出 土 遺 物 1...55 図 50 Ⅵ 層 出 土 遺 物 2...56 図 51 Ⅵ 層 出 土 遺 物 3...57 図 52 Ⅵ 層 出 土 遺 物 4...58 図 53 Ⅵ 層 出 土 遺 物 5...59 vi
図 54 Ⅵ 層 出 土 遺 物 6...60 図 55 Ⅵ 層 出 土 遺 物 7...61 図 56 Ⅳ 層 出 土 遺 物 1...62 図 57 Ⅳ 層 出 土 遺 物 2...63 図 58 撹 乱 出 土 遺 物...64 図 59 原 位 置 不 明 遺 物...64 図 60 表 土 その 他 出 土 遺 物...65 図 61 西 条 藩 歴 代 藩 主 の 系 譜...78 図 62 西 条 藩 陣 屋 跡 建 物 配 置 と 礎 石 石 列 井 戸 の 位 置...80 図 63 石 列 平 面 断 面...81 図 64 整 地 面 確 認 トレンチにおける 整 地 層 の 堆 積 状 況...82 図 65 井 戸 構 築 過 程 模 式 図...83 図 66 出 土 軒 平 瓦 の 文 様 分 類...88 図 67 福 原 氏 による 菊 間 瓦 菊 間 系 瓦 編 年 試 案...89 図 68 刻 印 瓦 一 覧...90 図 69 整 地 層 造 成 過 程 模 式 図...91 表 目 次 表 1 調 査 体 制... 2 表 2 出 土 土 器 一 覧 (1/5)...66 表 3 出 土 土 器 一 覧 (2/5)...68 表 4 出 土 土 器 一 覧 (3/5)...70 表 5 出 土 土 器 一 覧 (4/5)...72 表 6 出 土 土 器 一 覧 (5/5)...74 表 7 出 土 瓦 一 覧...74 表 8 出 土 金 属 製 品 一 覧...75 表 9 出 土 石 製 品 一 覧...75 表 10 出 土 木 製 品 一 覧...76 表 11 出 土 陶 磁 器 編 年 対 応 表...84 vii
図 版 目 次 図 版 1 西 条 藩 陣 屋 大 手 門 ( 西 より)/ 復 元 された 北 門 ( 北 より) 図 版 2 調 査 前 風 景 1( 南 より)/ 調 査 前 風 景 2( 西 より)/ 調 査 前 風 景 3( 東 より)/ 調 査 前 風 景 4( 北 より)/ 遺 構 検 出 状 況 1( 南 より) 図 版 3 遺 構 検 出 状 況 2( 西 より)/ 調 査 区 東 壁 土 層 堆 積 状 況 1( 西 より)/ 調 査 区 東 壁 土 層 堆 積 状 況 2( 西 より)/ 調 査 区 東 壁 土 層 堆 積 状 況 3( 西 より)/ 調 査 区 東 壁 第 Ⅸ 層 確 認 ト レンチ( 西 より) 図 版 4 SK2 SK3 SK4 検 出 状 況 ( 南 より)/SK2 土 層 断 面 ( 西 より)/SK4 土 層 断 面 ( 北 よ り)/SK3 北 壁 平 瓦 検 出 状 況 ( 南 より)/SK3 南 壁 平 瓦 検 出 状 況 ( 北 より) 図 版 5 SK17 遺 物 検 出 状 況 1( 南 より)/SK17 遺 物 検 出 状 況 2( 西 より)/SK17 遺 物 検 出 状 況 3( 西 より)/SK18 遺 物 検 出 状 況 1( 北 西 より)/SK18 遺 物 検 出 状 況 2( 北 西 より)/ SK18 遺 物 検 出 状 況 3( 南 東 より)/SK18 遺 物 (30) 検 出 状 況 ( 北 東 より) 図 版 6 SK18 土 層 堆 積 状 況 ( 南 東 より)/SK7 土 層 堆 積 状 況 1( 南 より)/SK7 土 層 堆 積 状 況 2( 西 より)/SK7 底 面 遺 物 検 出 状 況 1( 北 より)/SK7 底 面 遺 物 検 出 状 況 2( 俯 瞰 ) 図 版 7 SK15 甕 (22) 出 土 状 況 1( 北 より)/SK15 甕 (22) 出 土 状 況 2( 東 より)/SK15 甕 (22) 出 土 状 況 3( 南 より)/SK15 甕 (22) 出 土 状 況 4( 西 より)/SK15 甕 (22) 出 土 状 況 5( 俯 瞰 ) 図 版 8 SK13 瓦 片 検 出 状 況 1( 北 より)/SK13 瓦 片 検 出 状 況 2( 北 より)/サブトレンチ5 土 層 堆 積 状 況 ( 西 より)/ 整 地 層 と 礎 石 掘 方 の 関 係 1( 北 より)/ 整 地 層 と 礎 石 掘 方 の 関 係 2( 北 より)/ 礎 石 ( 俯 瞰 )/ 礎 石 堀 方 の 平 面 プラン 確 認 状 況 ( 西 より) 図 版 9 サブトレンチ1 土 層 断 面 1( 東 より)/サブトレンチ1 土 層 断 面 2( 東 より)/サブトレ ンチ1 土 層 断 面 3( 東 より)/サブトレンチ3 土 層 断 面 1( 北 より)/サブトレンチ3 土 層 断 面 2( 北 東 より)/サブトレンチ3 土 層 断 面 3( 北 東 より)/ 石 列 検 出 状 況 ( 南 より) 図 版 10 SE1 検 出 状 況 1( 西 より)/SE1 埋 土 掘 削 状 況 ( 南 より) 図 版 11 SE1 検 出 状 況 2( 南 より)/ 裏 込 め 土 2 層 出 土 磁 器 ( 南 より)/ 裏 込 め 土 3 層 上 面 検 出 状 況 ( 南 より)/ 帯 状 漆 喰 西 側 断 面 確 認 状 況 ( 南 より)/ 帯 状 漆 喰 東 側 断 面 確 認 状 況 ( 南 より) 図 版 12 上 段 桶 の 箍 ( 南 より)/ 上 段 下 段 桶 接 合 部 の 漆 喰 ( 南 より)/ 裏 込 め 土 3 層 西 側 確 認 状 況 1( 南 より)/ 裏 込 め 土 3 層 西 側 確 認 状 況 2( 南 より)/ 上 段 桶 半 裁 後 断 面 確 認 状 況 ( 南 より) 図 版 13 遺 構 完 掘 状 況 1( 南 より)/ 遺 構 完 掘 状 況 2( 北 より) 図 版 14 遺 構 完 掘 状 況 3( 北 東 より)/ 遺 構 完 掘 状 況 4( 東 より) 図 版 15 遺 構 完 掘 状 況 5( 南 より)/ 遺 構 完 掘 状 況 6( 南 より) 図 版 16 遺 構 完 掘 状 況 7( 南 東 より)/ 遺 構 完 掘 状 況 8( 北 西 より) 図 版 17 出 土 遺 物 (2 4 7 14 16 19 22 27 32 35) viii
図 版 18 出 土 遺 物 (37 38 40 42 44 45 47 48) 図 版 19 出 土 遺 物 (49 58) 図 版 20 出 土 遺 物 (59 66 68 71 73 74 76 77 79) 図 版 21 出 土 遺 物 (80 81 83 84 87 89 97 102) 図 版 22 出 土 遺 物 (98 105 107 111 113 121 122 125 127 129 130 135) 図 版 23 出 土 遺 物 (128 142 151) 図 版 24 出 土 遺 物 (158 161 163 167 169 171 173 180 181 184 187 189 194) 図 版 25 出 土 遺 物 (195 204 210 213 216 222 226 227) 図 版 26 出 土 遺 物 (225 228 232 239 241 244) ix
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第 1 章 調 査 に 至 る 経 緯 と 経 過 第 1 節 調 査 に 至 る 経 緯 と 経 過 1 調 査 の 経 緯 西 条 高 校 では 現 体 育 館 の 改 築 工 事 を 計 画 しており 当 地 が 県 指 定 史 跡 である 西 条 藩 陣 屋 跡 で あり 絵 図 からの 確 認 によると 幕 末 期 には 局 であることから 江 戸 時 代 の 遺 構 遺 物 を 包 蔵 している 可 能 性 があると 考 えられた そこで 事 業 を 担 当 する 愛 媛 県 教 育 委 員 会 高 校 教 育 課 ( 以 下 県 高 校 教 育 課 という)と 愛 媛 県 教 育 委 員 会 ( 以 下 県 教 委 という)が 協 議 を 行 い 埋 蔵 文 化 財 の 有 無 や 残 存 状 況 を 把 握 するために 県 教 委 による 試 掘 調 査 を 実 施 することになった 試 掘 調 査 を 既 存 体 育 館 の 解 体 工 事 後 に 実 施 したところ 土 坑 や 江 戸 期 の 陶 磁 器 類 が 検 出 出 土 したた め 県 高 校 教 育 課 県 教 委 および 公 益 財 団 法 人 愛 媛 県 埋 蔵 文 化 財 センター( 以 下 県 埋 文 セン ター )が 協 議 を 行 い 平 成 26 年 3 月 に 県 高 校 教 育 課 と 県 埋 文 センターの 間 で 発 掘 調 査 ならびに 報 告 書 作 成 の 委 託 契 約 を 締 結 した 2 調 査 の 経 過 発 掘 調 査 は 平 成 26 年 4 月 1 日 より 準 備 を 行 い 4 月 7 日 に 着 手 した 調 査 では まず 調 査 区 周 囲 の 体 育 館 解 体 作 業 で 生 じたL 字 状 の 溝 部 分 に 残 された 排 土 を 重 機 を 用 いて 除 去 し 人 力 で 溝 壁 面 の 精 査 を 行 い 土 層 の 堆 積 状 況 を 確 認 した その 後 調 査 区 内 で 重 機 を 用 いて 江 戸 期 の 遺 構 面 であ るⅤ 層 上 面 まで 造 成 土 等 を 除 去 し 人 力 で 遺 構 の 検 出 作 業 を 行 った 遺 構 検 出 後 各 遺 構 の 掘 削 を 行 い それらの 作 業 と 並 行 して 平 断 面 図 の 測 量 および 写 真 撮 影 などの 観 察 記 録 を 実 施 し た なお 測 量 については 基 準 点 (WG84 系 測 地 成 果 2000)を 調 査 区 周 辺 に 打 設 してこれを 用 い た また 遺 物 の 取 り 上 げについては 層 位 遺 構 ごとに 行 い 必 要 に 応 じして 出 土 状 況 図 を 作 成 した 現 地 における 発 掘 調 査 は 平 成 26 年 5 月 23 日 に 終 了 した また 上 述 した 発 掘 調 査 の 期 間 に 引 き 続 き 平 成 26 年 5 月 26 日 より 遺 物 注 記 接 合 作 業 などの 基 礎 整 理 作 業 を 行 い その 後 図 面 作 成 遺 物 写 真 撮 影 原 稿 執 筆 編 集 などの 報 告 書 刊 行 に 向 けての 本 格 的 な 整 理 作 業 を 行 った 1
第 2 節 調 査 の 体 制 発 掘 調 査 および 報 告 書 作 成 の 調 査 体 制 は 表 1の 通 りである 表 1 調 査 体 制 平 成 26 年 度 理 事 長 前 園 實 知 雄 常 務 理 事 森 川 保 男 総 務 課 長 大 西 正 善 調 査 課 長 中 野 良 一 調 査 第 二 係 長 多 田 仁 調 査 員 石 貫 弘 泰 調 査 助 手 加 藤 雅 也 2
第 2 章 遺 跡 の 立 地 と 環 境 第 1 節 地 理 的 環 境 西 条 藩 陣 屋 跡 は 愛 媛 県 の 東 部 ( 東 予 地 方 ) 西 条 市 明 屋 敷 に 所 在 する 西 条 藩 陣 屋 跡 の 絶 対 位 置 は 北 緯 33 55 15 東 経 133 10 45 の 交 差 する 付 近 で 標 高 は 約 1.6 2.1mである 遺 跡 が 所 在 する 西 条 市 は 愛 媛 県 東 部 に 位 置 し 東 を 今 治 市 と 東 温 市 西 を 新 居 浜 市 と 接 し 南 には 西 南 日 本 最 高 峰 の 石 鎚 山 (1,982m)や 瓶 ヶ 森 (1,897m) 笹 ヶ 峰 (1,860m)などの 急 峻 な 石 鎚 山 地 が あり 北 は 瀬 戸 内 海 の 燧 灘 と 面 している 平 野 部 は 石 鎚 山 地 を 水 源 とする 加 茂 川 室 川 などにより 形 成 された 河 成 平 野 で 加 茂 川 は 扇 状 地 性 氾 濫 原 を 形 成 した 後 に 三 角 州 へと 移 化 しており 平 野 部 東 縁 は 室 川 水 系 の 扇 状 地 あるいは 氾 濫 平 野 と 接 している 低 地 の 諸 河 川 は 河 床 が 礫 を 多 く 含 む 砂 礫 層 で 形 成 されているため 伏 流 水 が 豊 富 で そのため 平 野 部 では 湧 水 や 自 噴 井 が 多 く 西 条 の 特 色 をなす 西 条 市 域 の 大 半 を 占 める 南 部 山 地 は 中 央 構 造 線 により 外 帯 と 内 帯 の 南 北 に 区 分 され 南 の 外 帯 は 結 晶 片 岩 類 北 の 内 帯 は 砂 岩 頁 岩 からなる 和 泉 層 群 が 地 質 構 造 となっている N 133 10 45 Ehime Prefecture S=2,500,000 33 55 15 S=300,000 図 1 遺 跡 の 位 置 3
第 2 節 歴 史 的 環 境 1 後 期 旧 石 器 時 代 旧 西 条 市 域 では 下 島 山 丘 陵 で 確 認 されたサヌカイト 製 のナイフ 形 石 器 がある( 長 井 1987) ま た 道 前 平 野 南 部 の 旧 小 松 町 域 では 明 穂 遺 跡 群 ( 小 松 町 明 穂 )の 明 穂 Ⅰ 東 岡 東 遺 跡 明 穂 中 ノ 岡 Ⅲ 遺 跡 と 妙 口 遺 跡 がある 明 穂 Ⅰ 東 岡 東 遺 跡 からはナイフ 形 石 器 がみつかっている 石 材 はサヌカ イトである 明 穂 中 ノ 岡 Ⅲ 遺 跡 ではサヌカイト 製 の 角 錐 状 石 器 と 頁 岩 製 の 剥 片 が 確 認 されてい る 妙 口 遺 跡 ではサヌカイト 製 のナイフ 形 石 器 スクレイパー 石 核 が 出 土 した 2 縄 文 時 代 草 創 期 の 遺 跡 は 旧 丹 原 町 旧 小 松 町 の 仏 心 寺 遺 跡 安 養 寺 遺 跡 で 有 舌 尖 頭 器 が 確 認 されてい る 早 期 の 遺 跡 は 旧 西 条 市 域 では 半 田 山 遺 跡 で 押 型 文 土 器 が 出 土 した 旧 小 松 町 域 では 仏 心 寺 遺 跡 ( 小 松 町 新 屋 敷 )や 明 穂 Ⅰ 東 岡 東 遺 跡 があげられる 明 穂 Ⅰ 東 岡 東 遺 跡 では 集 石 遺 構 2 基 と 土 坑 1 基 が 検 出 され 集 石 底 部 では 被 熱 痕 跡 が 認 められた 旧 東 予 市 域 では 椎 木 遺 跡 世 田 山 麓 遺 跡 六 軒 家 遺 跡 などがあげられるが いずれも 遺 物 が 出 土 したのみで 遺 構 の 検 出 には 至 っていな い 前 期 では 旧 西 条 市 域 の 市 倉 遺 跡 で 土 器 が 出 土 している 中 期 の 遺 跡 は 現 在 のところ 明 確 なも のがみつかっていない 後 期 には 遺 跡 数 が 増 加 する 旧 小 松 町 域 の 主 な 遺 跡 としては 小 松 川 藤 木 遺 跡 ( 小 松 町 小 松 川 ) 明 穂 東 岡 遺 跡 川 原 谷 遺 跡 鶴 来 が 元 遺 跡 などがある 小 松 川 藤 木 遺 跡 や 鶴 来 が 元 遺 跡 は 当 該 地 域 における 縄 文 時 代 後 期 土 器 編 年 の 指 標 となっている 旧 東 予 市 域 では 観 念 寺 池 遺 跡 椎 木 遺 跡 天 神 遺 跡 松 木 池 遺 跡 世 田 山 麓 遺 跡 永 納 山 遺 跡 六 軒 家 遺 跡 河 原 津 山 越 遺 跡 大 明 神 川 沖 遺 跡 などがある 晩 期 の 遺 跡 としては 旧 小 松 町 域 では 小 松 川 藤 木 遺 跡 大 谷 池 東 遺 跡 があるが その 実 態 は 判 明 していない 3 弥 生 時 代 前 期 の 遺 跡 としては 旧 小 松 町 域 では 前 期 末 から 中 期 初 頭 に 位 置 付 けられる 道 場 遺 跡 や 大 久 保 遺 跡 明 穂 中 ノ 岡 Ⅲ 遺 跡 がある 大 久 保 遺 跡 では 貯 蔵 穴 群 などの 遺 構 が 検 出 され 大 陸 系 磨 製 石 器 や 舶 載 袋 状 鉄 斧 片 が 多 く 出 土 している 旧 東 予 市 域 では 遺 構 としては 確 認 されていないもの の 横 田 遺 跡 上 市 観 念 寺 池 遺 跡 上 市 新 池 周 辺 と 椎 木 遺 跡 天 神 遺 跡 旦 ノ 上 遺 跡 などから 遺 物 が 出 土 している 中 期 以 降 になると 道 前 平 野 南 部 中 山 川 右 岸 における 弥 生 時 代 の 遺 跡 は 顕 著 に 認 められる ようになる 中 期 前 半 の 遺 跡 では 道 場 遺 跡 や 大 久 保 遺 跡 明 穂 中 ノ 岡 Ⅲ 遺 跡 が 前 段 階 から 継 続 して 存 続 する 4
中 期 中 葉 以 降 には 旧 東 予 市 域 でも 遺 跡 数 が 増 加 する 横 田 遺 跡 佐 々 久 山 遺 跡 群 広 岡 Ⅱ 遺 跡 広 岡 北 谷 山 遺 跡 上 市 新 池 遺 跡 甲 賀 原 山 遺 跡 椎 木 遺 跡 天 神 遺 跡 や 中 細 形 銅 剣 が 出 土 し た 扇 田 遺 跡 などがある 中 期 後 半 になると 丘 陵 部 に 集 落 が 集 中 する 旧 小 松 町 域 では 上 述 の 明 穂 遺 跡 群 もこの 典 型 的 な 例 であり 他 には 大 日 裏 Ⅴ 遺 跡 大 谷 山 Ⅰ Ⅲ 遺 跡 大 谷 池 東 遺 跡 などがある 明 穂 遺 跡 群 で は 竪 穴 建 物 2 棟 と 貯 蔵 施 設 がセットで1つの 単 位 となって 集 落 を 構 成 していたことが 判 明 した 同 時 期 の 低 地 に 立 地 する 遺 跡 としては 中 山 川 左 岸 の 沖 積 低 地 に 所 在 する 久 枝 遺 跡 久 枝 Ⅱ 遺 跡 があげられる 特 に 久 枝 Ⅱ 遺 跡 では 方 形 区 画 溝 や 祭 祀 土 坑 竪 穴 建 物 が 検 出 され 遺 物 も 外 来 系 が 含 まれるなど 多 彩 な 様 相 が 認 められる 後 期 になると 丘 陵 上 の 集 落 は 衰 退 消 滅 する 小 松 町 域 では 当 該 機 の 明 確 な 遺 跡 は 不 明 であ る 旧 東 予 市 域 では 横 田 遺 跡 や 久 枝 Ⅱ 遺 跡 本 郷 Ⅰ 遺 跡 などがあげられる 4 古 墳 時 代 道 前 平 野 南 部 における 古 墳 時 代 の 遺 跡 は 墓 がほとんどで 集 落 遺 跡 は 旧 東 予 市 域 の 実 報 寺 で 長 網 Ⅰ 遺 跡 の 調 査 が 進 み 古 墳 時 代 後 期 の 集 落 についてその 一 端 が 明 らかになってきている 古 墳 時 代 前 期 では 旧 小 松 町 域 では 大 久 保 遺 跡 と 松 ノ 元 遺 跡 がある 松 ノ 元 遺 跡 では2 基 の 土 器 棺 墓 と 円 形 周 溝 墓 が 検 出 され 大 久 保 遺 跡 では 出 現 期 の 前 方 後 円 墳 である 大 久 保 1 号 墳 と 円 墳 である 大 久 保 2 号 墳 が 検 出 されている 旧 東 予 市 域 では 久 枝 Ⅱ 遺 跡 や 本 郷 Ⅰ 遺 跡 で 竪 穴 建 物 が 確 認 されている 古 墳 時 代 中 期 になると 丘 陵 部 に 墓 域 が 形 成 される 旧 小 松 町 域 では 大 日 裏 山 の 南 東 に 下 る 丘 陵 には 大 日 裏 山 古 墳 がある 3 号 墳 は 崩 壊 によって 墳 形 が 不 明 であるが それ 以 外 はいずれも 円 墳 であり 1 号 墳 と2 号 墳 は 内 部 主 体 に 竪 穴 式 石 槨 を 持 っている 1 号 墳 からは 内 向 花 文 鏡 が 4 号 墳 からは 乳 文 鏡 が 出 土 している 旧 東 予 市 域 では 片 山 古 墳 や 上 市 谷 二 番 山 古 墳 などがあげられる 古 墳 時 代 後 期 になると 現 在 では 消 失 したものも 多 いが 小 円 墳 で 構 成 される 群 集 墳 が 多 く 分 布 する 旧 小 松 町 域 では 低 地 には 石 根 古 墳 群 が 独 立 低 丘 陵 には 船 山 古 墳 群 が 存 在 する 船 山 古 墳 群 では20 数 基 の 古 墳 群 から 太 刀 甲 冑 などの 武 具 鐙 轡 などの 馬 具 玉 類 などが 出 土 してい る 旧 東 予 市 域 では 佐 々 久 山 古 墳 や 甲 賀 原 古 墳 群 楠 古 墳 群 などがあるが すでに 削 平 を 受 けて いるものが 多 く その 実 態 は 不 明 である 西 条 市 域 では 加 茂 川 左 岸 の 氷 見 地 区 の 石 岡 台 地 に 東 大 塚 古 墳 西 大 塚 古 墳 杉 尾 神 社 古 墳 氷 見 経 塚 古 墳 などがある 5 古 代 道 前 平 野 西 部 には 周 敷 桑 村 の2 郡 が 置 かれていた 旧 小 松 町 域 の 白 鳳 期 に 創 建 されたと 考 え られる 法 安 寺 跡 では 中 門 塔 金 堂 講 堂 が 南 北 に 並 ぶ 四 天 王 寺 式 伽 藍 配 置 が 想 定 されてい る 松 ノ 丁 遺 跡 では 法 安 寺 と 時 期 的 に 併 行 する 建 物 が 検 出 されており その 関 連 性 が 注 目 され る また 松 ノ 元 遺 跡 では 8 世 紀 の 官 道 遺 構 が 検 出 され その 周 辺 では 官 道 と 関 連 した 官 衙 関 5
連 施 設 と 思 われる 掘 立 柱 建 物 群 が 検 出 されている 大 久 保 遺 跡 をはじめ 大 開 遺 跡 では 同 時 期 以 降 の コ の 字 配 置 の 掘 立 柱 建 物 群 が 検 出 されている 旧 東 予 市 域 では 久 枝 Ⅱ 遺 跡 や 久 枝 遺 跡 幸 の 木 遺 跡 などがある 久 枝 Ⅱ 遺 跡 では7 8 世 紀 の 掘 立 柱 建 物 群 や 溝 などが 検 出 されており その 建 物 配 置 や 出 土 遺 物 の 組 成 や 久 枝 Ⅱ 遺 跡 の 南 に 隣 接 する 久 枝 遺 跡 から 出 土 した 石 製 腰 帯 幸 の 木 遺 跡 から 出 土 した8 11 世 紀 の 豊 富 な 遺 物 などから 周 敷 郡 の 官 衙 関 連 施 設 である 可 能 性 も 考 えられる 旧 西 条 市 域 では 池 の 内 遺 跡 の 一 次 調 査 において 円 面 硯 が 出 土 している 池 の 内 遺 跡 の 所 在 する 飯 岡 は 讃 岐 国 府 から 伊 予 国 府 へ 通 じるルートの 周 辺 地 であると 考 えられている 6 中 世 中 世 以 降 東 予 地 域 を 中 心 に 河 野 氏 の 勢 力 が 伸 張 してくる 室 町 時 代 前 期 は 全 国 的 に 内 乱 の 絶 えない 時 期 であった 伊 予 国 においても 複 雑 な 対 立 構 造 が 展 開 され 平 野 を 望 む 丘 陵 頂 部 には 剣 山 城 跡 ( 小 松 町 妙 口 剣 山 ) 幻 城 跡 ( 小 松 町 新 屋 敷 小 松 山 ノ 内 ) 世 田 山 城 跡 鷺 ノ 森 城 跡 象 ヶ 森 城 跡 など 数 多 くの 山 城 が 造 られた 低 地 の 中 世 集 落 については 久 枝 遺 跡 をはじめ 幸 の 木 遺 跡 願 連 寺 元 泉 遺 跡 などがあげられる 7 近 世 江 戸 時 代 前 期 には 伊 予 八 藩 が 成 立 し 現 西 条 市 域 には 小 松 藩 西 条 藩 が 置 かれた 小 松 藩 は 河 野 氏 庶 流 末 裔 の 一 柳 家 が 藩 主 を 務 めた 西 条 藩 は1636 年 に 一 柳 家 が 伊 勢 から 転 封 となったことで 成 立 するが 1665 年 に( 寛 文 5 年 ) 第 3 代 藩 主 一 柳 直 興 の 時 代 に 一 柳 家 は 改 易 される その5 年 後 の 1670 年 ( 寛 文 10 年 )に 初 代 紀 州 藩 主 徳 川 頼 宣 の 子 の 松 平 頼 純 が 紀 州 藩 の 支 藩 として 三 万 石 で 入 封 す る 以 後 伊 予 西 条 藩 は 第 10 代 藩 主 松 平 頼 英 まで 松 平 家 の 領 地 として 続 いていく 西 条 藩 の 陣 屋 が 置 かれた 場 所 は 現 在 の 西 条 高 校 ( 西 条 市 明 屋 敷 )となっている 6
2 3 No 遺 跡 名 No 遺 跡 名 4 1 西 条 藩 陣 屋 跡 31 松 ノ 元 遺 跡 2 半 田 山 遺 跡 32 鶴 来 が 元 遺 跡 3 池 ノ 内 遺 跡 33 妙 口 遺 跡 5 4 杉 尾 神 社 古 墳 34 石 根 古 墳 5 天 神 遺 跡 35 河 原 津 山 越 遺 跡 6 市 倉 遺 跡 36 永 納 山 遺 跡 7 東 大 塚 古 墳 37 六 軒 家 遺 跡 8 西 大 塚 古 墳 38 世 田 山 麓 遺 跡 9 氷 見 経 塚 古 墳 39 世 田 山 城 跡 10 仏 心 寺 遺 跡 40 楠 古 墳 11 小 松 川 藤 木 遺 跡 41 長 網 Ⅰ 遺 跡 12 船 山 古 墳 42 幻 城 跡 13 川 原 谷 遺 跡 43 剣 山 城 跡 14 大 日 裏 Ⅴ 遺 跡 44 椎 木 遺 跡 1 6 15 大 日 裏 山 古 墳 45 大 明 神 川 沖 遺 跡 16 道 場 遺 跡 46 甲 賀 原 古 墳 17 松 ノ 丁 遺 跡 47 甲 賀 原 山 遺 跡 18 大 開 遺 跡 48 佐 々 久 山 古 墳 19 大 谷 池 東 遺 跡 49 佐 々 久 山 遺 跡 20 大 谷 山 Ⅰ~Ⅲ 遺 跡 50 片 山 古 墳 21 鷺 ノ 森 城 跡 51 観 念 寺 池 遺 跡 22 横 田 遺 跡 52 上 市 新 池 遺 跡 23 本 郷 Ⅰ 遺 跡 53 上 市 谷 二 番 山 古 墳 24 扇 田 遺 跡 54 象 ヶ 森 城 跡 25 久 枝 Ⅱ 遺 跡 55 広 岡 Ⅱ 遺 跡 26 久 枝 遺 跡 56 明 穂 東 岡 遺 跡 27 幸 の 木 遺 跡 57 明 穂 Ⅰ 東 岡 東 遺 跡 28 願 連 寺 元 泉 遺 跡 58 明 穂 中 ノ 岡 Ⅲ 遺 跡 29 大 久 保 遺 跡 59 安 養 寺 遺 跡 30 大 久 保 1 号 墳 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 23 22 24 25 26 27 29 30 31 32 33 35 36 37 38 40 41 46 47 48 49 28 34 56 57 58 59 39 42 43 44 50 51 52 54 53 55 45 図 2 周 辺 遺 跡 の 分 布 0 1 : 100,000 2km 7
8
第 3 章 調 査 の 概 要 第 1 節 地 形 と 調 査 区 調 査 地 の 番 地 は 西 条 市 明 屋 敷 234で 絶 対 位 置 は 北 緯 33 55 15 東 経 133 10 45 で 標 高 2.5mを 測 る 江 戸 時 代 に 整 備 された 西 条 藩 陣 屋 跡 である 調 査 区 は 確 認 調 査 で 得 られた 成 果 を 元 に 新 体 育 館 建 設 箇 所 の 約 西 側 半 分 に 当 たる530m2の 範 囲 を 設 定 した 第 2 節 基 本 層 序 基 本 層 序 は 調 査 区 東 壁 と 南 壁 を 基 準 にし 江 戸 期 の 整 地 層 については 東 壁 と 南 壁 では 層 位 的 に 安 定 した 堆 積 が 確 認 できなかったため 調 査 区 内 に 設 定 したトレンチで 補 完 した 第 Ⅰ 層 は 現 在 の 地 表 面 が 形 成 される 過 程 で 造 成 された 昭 和 期 の 整 地 層 と 考 えられる 第 Ⅰ 層 形 成 以 後 も 何 らかの 改 変 が 行 われたようで 南 壁 側 は 第 Ⅰ 層 第 Ⅱ 層 は 撹 乱 により 失 われている 第 Ⅱ 層 第 Ⅲ 層 は 江 戸 期 明 治 昭 和 期 の 遺 物 を 包 含 する 土 層 で 東 壁 での 堆 積 状 況 から 整 地 に 伴 う 層 と 推 定 される 具 体 的 な 根 拠 としては 東 壁 土 層 断 面 図 a 3 a 4でそれぞれの 層 上 面 から 撹 乱 土 の 掘 り 込 みの 確 認 ができたことが 挙 げられる 第 Ⅳ 層 は 江 戸 期 の 遺 物 を 多 く 含 む 土 層 で 明 治 期 の 磁 器 なども 一 定 量 包 含 することか ら 根 拠 は いが 明 治 期 の 整 地 層 と 推 定 し た ただし 江 戸 期 の 遺 構 は 第 Ⅳ 層 には 伴 わ ないことから 少 なくとも 江 戸 期 より 新 しい 堆 積 層 であることだけは 間 違 いない 第 Ⅴ 層 から 第 Ⅶ 層 までは 江 戸 期 の 整 地 層 で ある 江 戸 期 の 整 地 層 については 第 5 章 で 詳 し く 述 べる 第 Ⅷ 層 は 調 査 範 囲 においては 遺 物 を 包 含 し ない 層 であったため 江 戸 期 以 前 の 堆 積 土 層 と 推 定 した 第 Ⅸ 層 は 調 査 区 全 域 で 認 識 できる 堆 積 土 層 で 基 盤 層 とした 調 査 区 の 西 側 では 1.8m 前 後 東 側 では1.3m 前 後 での 検 出 であるた め 基 盤 層 は 西 から 東 に 向 かって 傾 斜 する 地 形 を 形 成 していたと 考 えられる 2.6~2.5m 2.3~2.2m 2.1m 2.2~1.8m 1.9~1.8m ±1.8m 1.7~1.6m 1.8~1.4m 1.8~1.3m Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ 図 3 基 本 層 序 現 在 の 地 表 面 昭 和 期 の 整 地 層 明 治 以 降 の 整 地 層 明 治 期 の 整 地 層? ( 江 戸 期 遺 物 多 く 包 含 ) 江 戸 期 の 整 地 層 基 盤 層 9
西 条 市 こどもの 国 調 査 範 囲 (530m2) 体 育 館 松 山 地 方 法 務 局 西 条 支 局 松 山 地 方 検 察 庁 県 立 西 条 高 等 学 校 正 門 松 山 地 方 裁 判 所 西 条 市 郷 土 博 物 館 西 条 市 役 所 伊 予 西 条 税 務 署 JA 西 条 図 4 西 条 藩 陣 屋 跡 の 位 置 0 1 : 3,000 50m 10
X=102180.000 Y=-29685.000 Y=-29680.000 Y=-29675.000 Y=-29670.000 Y=-29665.000 Y=-29660.000 Y=-29655.000 Y=-29650.000 Y=-29645.000 A B C D E F G H 1 N X=102175.000 2 X=102170.000 3 SK32 SK31 SK33 X=102165.000 SK29 4 SK23 SE1 X=102160.000 SP2 5 X=102155.000 SK16 SK10 SK15 SK5 SK28 SK4 SK3 SP5 6 SK34 SK2 SK8 SK19 SP1 SK20 SK12 X=102150.000 SK11 SK9 SK13 7 SK18 SP4 SK1 SK17 SK6 X=102145.000 SK7 SK14 8 X=102140.000 9 X=102135.000 0 5m 漆 喰 範 囲 1 : 300 江 戸 期 以 外 の 遺 構 トレンチ 撹 乱 礎 石 その 他 の 石 材 の 位 置 図 5 調 査 区 遺 構 配 置 11
a T.P.+2.8m 撹 乱 2 撹 乱 撹 乱 撹 乱 6 4 3 3 4 7 3 4 7 7 4 8 T.P.+2.8m 1 撹 乱 撹 乱 3 撹 乱 2A 3A 2B 3B 撹 乱 4 4 7 4 7 8 T.P.+2.8m 1 2 撹 乱 撹 乱 2B 3 3B 撹 乱 撹 乱 3D 4 4 6 7 8 8 9 T.P.+2.8m 1 2 撹 乱 撹 乱 3 撹 乱 撹 乱 4 7 4 7 4 8 0 1m 図 6 東 壁 土 層 断 面 1 : 40 12
T.P.+2.8m 撹 乱 撹 乱 撹 乱 3 4 4 4 7 8 T.P.+2.8m a' b T.P.+2.7m b' c T.P.+2.8m 撹 乱 撹 乱 撹 乱 撹 乱 3 3 3 4 7 8 4 7 8 4 7 8 T.P.+2.8m 撹 乱 3 4 3 4 3 4 4A 7 8 6 7 5 7 8 9 T.P.+2.8m c' 撹 乱 3 4 7 SK 撹 乱 9 9 0 1m 1 : 40 層 名 1 2 2A 2B 3 3A 3B 3D 4 4A 5 6 7 8 9 SK 色 調 暗 灰 黄 暗 オリーブ 黒 褐 暗 オリーブ オリーブ 褐 オリーブ 褐 オリーブ 褐 暗 オリーブ 暗 灰 黄 暗 オリーブ 褐 にぶい 黄 黄 褐 灰 オリーブ オリーブ 褐 黒 褐 オリーブ 黒 Munsell 2.5Y4/2 5Y4/3 2.5Y3/2 5Y4/3 2.5Y4/3 2.5Y4/3 2.5Y4/3 5Y4/4 2.5Y4/2 2.5Y3/3 2.5Y6/4 2.5Y5/4 5Y4/2 2.5Y4/4 2.5Y3/1 5Y3/2 土 質 粗 砂 混 細 砂 細 砂 細 礫 混 細 砂 細 砂 細 砂 粗 砂 混 細 砂 細 砂 シ ル ト 細 砂 粗 砂 細 砂 シ ル ト 細 砂 シ ル ト 粗 砂 細 砂 粘 性 中 中 中 中 中 中 緊 密 度 密 密 密 密 密 密 密 密 密 中 密 密 中 中 密 備 考 表 土 ( 基 Ⅰ) 10cm 大 の 礫 あり コンクリートあり( 基 Ⅱ) 10cm 大 の 礫 あり 2.5Y5/2 暗 灰 黄 粘 土 混 じる 瓦 片 あり( 基 Ⅲ) 5cm 大 の 礫 あり 3cm 大 の 礫 あり 5Y4/2 灰 オリーブ 粘 土 混 じる 遺 物 あり( 基 Ⅳ) 遺 物 あり 遺 物 あり( 基 Ⅴ) ( 基 Ⅵ) 遺 構 面 遺 物 あり 5cm 大 の 円 礫 あり( 基 Ⅶ) 地 山 地 山 10cm 大 の 礫 多 数 遺 物 あり 15cm 大 の 角 礫 10cm 以 下 の 円 礫 あり 図 7 東 壁 南 壁 土 層 断 面 13
第 3 節 遺 構 と 遺 物 の 概 要 検 出 した 遺 構 は 井 戸 1 基 礎 石 1 基 土 坑 28 基 (ゴミ 穴 状 遺 構 も 含 む) 柱 穴 5 基 である 検 出 面 は Ⅴ 層 上 面 およびⅥ 層 上 面 である 元 来 はⅤ 層 が 遺 構 面 であったと 考 えられるが Ⅴ 層 は 部 分 的 に しか 残 存 していなかったため 調 査 区 の 大 部 分 はⅥ 層 上 面 での 検 出 となった 出 土 遺 物 は 陶 器 磁 器 瓦 質 土 器 瓦 鉄 製 品 青 銅 製 品 石 製 品 などである 14
第 4 章 遺 構 と 遺 物 第 1 節 江 戸 時 代 の 遺 構 と 遺 物 1 土 坑 (1) SK1 遺 構 調 査 区 の 南 東 側 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 長 軸 1.15m 短 軸 0.58m 深 さ0.12mであ る 埋 土 は1 層 で 埋 土 中 から 出 土 した 遺 物 の 大 半 は 動 物 遺 存 体 であった 遺 物 1は18 世 紀 末 から19 世 紀 にかけての 砥 部 焼 の 広 東 碗 である 外 面 には 梅 文 が 入 り 梅 花 部 分 は 赤 色 の 色 絵 で 描 かれている 2は 瓦 の 部 品 である 瓦 のどの 部 分 かは 特 定 できていない ま た 今 回 図 化 していないものに 肥 前 系 磁 器 の 端 反 碗 があり SK18 出 土 のものと 接 合 する (2) SK2 遺 構 調 査 区 の 西 側 で 検 出 した 平 面 形 は 円 形 で 長 軸 0.91m 短 軸 0.93m 深 さ0.21mである 埋 土 は1 層 で 埋 土 中 には10cm 程 度 の 円 礫 が 多 く 混 入 していた 遺 物 3は 京 信 楽 系 の 陶 器 で 色 絵 の 碗 である (3) SK3 遺 構 調 査 区 西 側 で 検 出 した 平 面 形 は 隅 丸 方 形 で 長 軸 1.04m 短 軸 0.63m 深 さ0.24mであ る 埋 土 中 はその 大 半 が10 20cm 程 度 の 円 礫 で 構 成 されており 側 面 には 平 瓦 が 短 軸 方 向 を 垂 直 にして 据 えつけてあった 遺 構 内 の 円 礫 は 検 出 面 の 東 側 では 規 則 的 に 配 列 されているように 見 え たが 断 面 と 平 面 で 確 認 しながら 円 礫 を 除 去 していったところ 底 面 では 円 礫 が 規 則 的 に 配 列 さ れている 状 況 が 伺 えなかった また 据 えられた 瓦 は 部 分 的 であることも 付 加 すると 埋 土 内 の 円 礫 は 原 位 置 を 保 っていないと 考 えられる 遺 物 は 包 含 されていなかった (4) SK4 遺 構 調 査 区 西 側 で 検 出 した 平 面 形 は 隅 丸 方 形 に 近 い 楕 円 形 で 長 軸 1.24m 短 軸 0.92m 深 さ0.18mである 埋 土 内 は10 20cm 程 度 の 円 礫 と 陶 磁 器 片 土 器 片 瓦 片 で 構 成 されていた 遺 物 4は 肥 前 系 磁 器 の 端 反 碗 で 19 世 紀 代 のものである 5は 肥 前 系 磁 器 の 瓶 で 外 面 には 草 花 文 が 入 る 6は 陶 器 の 破 片 で 黄 色 と 緑 色 の 色 彩 が 施 されている 7は 筒 状 の 陶 器 碗 で 外 面 には 施 釉 がされている 底 部 高 台 内 には 墨 書 があるが 文 字 の 判 別 はできなかった 8は 瓦 質 の 土 器 で 外 面 にはミガキが 施 されている (5) SK5 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 残 存 部 分 の 長 軸 0.92m 短 軸 0.76 m 深 さ0.19mである 遺 物 図 化 はしていないが 碗 類 など 陶 磁 器 片 が 出 土 した (6) SK6 遺 構 調 査 区 南 側 で 検 出 した 平 面 形 は 不 整 円 形 で 長 軸 2.55m 短 軸 1.95m 深 さ0.11mであ 15
Y=-29675.000 Y=-29670.000 Y=-29665.000 X=102160.000 SE1 N SP2 Tr.1 SK16 SK5 SK28 SK10 X=102155.000 SK4 SK3 SK15 SP5 撹 乱 撹 乱 SK19 SK2 SK34 SK9 SK8 撹 乱 SP1 SK20 SK12 撹 乱 石 列 X=102150.000 SK11 礎 石 SK17 SK1 SP4 SK6 SK13 近 代 以 降 の 井 戸 SK18 SK7 SK14 X=102145.000 漆 喰 範 囲 江 戸 期 以 外 の 遺 構 トレンチ 撹 乱 礎 石 その 他 の 石 材 の 位 置 図 8 遺 構 配 置 1 16
3 1 6 5 2 4 7 8 0 1 : 3 5cm 図 9 SK1 SK2 SK4 出 土 遺 物 N a 撹 乱 a T.P.+2.0m a' 1 撹 乱 a' SK5 層 名 1 色 調 Munsell 暗 オリーブ 5Y4/4 土 質 粘 性 砂 シ ル ト 緊 密 度 密 備 考 瓦 片 をまばらに 含 む 0 1m 図 10 SK5 平 面 断 面 1 : 40 17
b る SK14に 切 られている SK6の 底 面 は 礫 層 ( 基 本 層 序 ; 第 Ⅸ 層 )で 比 較 的 平 坦 な 底 面 であっ た 遺 物 9は 京 信 楽 系 の 合 子 である (7) SK7 遺 構 調 査 区 南 側 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 長 軸 1.81m 短 軸 1.31m 深 さ0.75mである SK14に 切 られている SK6との 前 後 関 係 は 不 明 である 南 半 部 分 が 一 段 深 くなっており 埋 土 内 からは 平 瓦 が 出 土 した 遺 物 10は19 世 紀 代 の 肥 前 系 の 端 反 碗 である 口 縁 部 外 面 には 二 重 圏 線 で 囲 まれた 櫛 歯 文 が 入 り 胴 部 には 草 花 文 が 描 かれている 口 縁 部 内 面 には 口 縁 部 外 面 と 同 様 の 文 様 が 入 り 見 込 みに は 圏 線 で 囲 まれた 中 央 部 に 文 様 が 入 る 高 台 は 撥 高 台 である 11は 肥 前 系 磁 器 の 紅 猪 口 で 内 面 は 施 釉 されている 外 面 は 貝 殻 状 に 型 押 されている 12は 京 信 楽 系 陶 器 の 小 杯 で 底 部 は 施 釉 さ N SK6 撹 乱 SP4 a' a SK7 b' SK14 0 1m 1 : 40 a T.P.+2.0m a' 2 1 5 3 4 b T.P.+2.0m 2 3 4 b' 層 名 1 2 3 4 5 色 調 灰 オリーブ 黄 褐 オリーブ 褐 黒 褐 オリーブ 褐 Munsell 5Y5/3 2.5Y5/3 2.5Y4/3 10YR2/2 2.5Y4/3 土 質 砂 シ ル ト 砂 シ ル ト 砂 シ ル ト 細 砂 砂 シ ル ト 粘 性 中 緊 密 度 備 考 密 密 10cm 大 の 円 礫 瓦 片 含 む 炭 化 物 含 む やや 密 1~2cm 大 の 円 礫 含 む 密 密 瓦 遺 物 あり 10cm 大 の 円 礫 含 む 図 11 SK6 SK7 SK14 平 面 断 面 18
れていない 13は 軒 丸 瓦 で 瓦 当 には 巴 紋 が 表 現 されている 14は 鉄 製 品 である (8) SK8 遺 構 調 査 区 中 央 部 西 側 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 長 軸 1.05m 短 軸 0.73m 深 さ0.04mで ある 掘 り 方 は 断 面 で 確 認 したものの 深 度 は 浅 く 底 面 は 平 坦 であり 遺 構 としての 性 格 は 不 明 である 遺 物 は 包 含 していなかった (9) SK9 遺 構 調 査 区 中 央 部 西 側 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 長 軸 0.98m 短 軸 0.91m 深 さ0.06mで ある SK8 同 様 に 深 度 は 浅 く 底 面 は 平 坦 である 遺 物 は 包 含 していなかった (10) SK10 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 残 存 部 分 の 長 軸 1.51m 短 軸 0.98 m 深 さ0.21mである 遺 物 陶 磁 器 や 瓦 片 が 出 土 したが 図 化 は 行 わなかった (11) SK11 遺 構 調 査 区 の 南 半 部 南 西 側 で 検 出 した 平 面 形 は 不 整 円 形 で 長 軸 3.41m 短 軸 2.44m 深 さ 0.18mである 深 度 は 浅 く 底 面 は 平 坦 である 切 り 合 い 関 係 から SK18よりも 新 しい 遺 物 図 化 はしていないが 土 師 質 の 土 器 が 出 土 した (12) SK12 遺 構 調 査 区 の 南 半 部 東 側 で 検 出 した 平 面 形 は 不 整 円 形 で 長 3.09m 短 軸 2.36m 深 さ0.10m である 深 度 は 浅 く 底 面 のレベルが 整 地 層 とほぼ 変 わらず 底 面 は 平 坦 である 遺 構 の 性 格 は 不 明 である 遺 物 図 化 はしていないが 陶 磁 器 類 鉄 製 品 が 出 土 した N SK9 SK8 a a' 0 1m a T.P.+2.2m 1 2 a' 1 : 40 層 名 色 調 Munsell 1 オリーブ 5Y5/4 層 名 2 色 調 Munsell オリーブ 5Y5/6 土 質 砂 シ ル ト 土 質 砂 シ ル ト 粘 性 粘 性 緊 密 度 備 考 密 2cm~4cmの 円 礫 を 含 む 緊 密 度 備 考 密 2cm~4cmの 円 礫 を 含 む 図 12 SK8 SK9 平 面 断 面 図 19
N 撹 乱 SK10 a' a T.P.+2.0m a' 1 0 1m a 1 : 40 層 名 色 調 Munsell 1 オリーブ 5Y5/4 細 土 質 砂 粘 性 緊 密 度 密 備 10cm 以 下 の 礫 あり 考 図 13 SK10 平 面 断 面 (13) SK13 遺 構 調 査 区 の 南 半 部 東 側 で 検 出 した 平 面 形 は 不 整 円 形 で 長 軸 4.19m 短 軸 2.26m 深 さ0.12 mである 深 度 は 浅 く 底 面 は 平 坦 である 底 面 には 瓦 片 が 不 規 則 ではあるが 面 を 平 坦 に 揃 え て 敷 いてあった 瓦 片 の 底 面 のレベルは1.76mから1.84mの 高 さでみられる 整 地 面 とほぼ 揃 って おり SK13は 整 地 の 単 位 の 一 つの 可 能 性 も 考 えられる 遺 物 15は 磁 器 で 菊 花 文 の 中 心 部 に 内 面 に 貫 通 する 孔 があけられており 水 滴 の 可 能 性 も 考 え られる (14) SK14 遺 構 調 査 区 南 側 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 長 軸 1.50m 短 軸 0.75m 深 さ0.15mである SK6とSK7を 切 るように 掘 り 込 まれている 遺 物 16は 軒 丸 瓦 の 瓦 当 部 分 である (15) SK15 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 に 近 い 不 整 円 形 で 長 軸 4.14m 短 軸 2.03m 深 さ0.21mである 遺 物 17は18 世 紀 末 から19 世 紀 にかけての 肥 前 系 の 小 広 東 碗 である 外 面 には 網 目 文 高 台 部 分 には 二 重 圏 線 が 入 る 口 縁 部 内 面 には 二 重 圏 線 が 入 り 見 込 みには 圏 線 その 中 央 部 に 寿 字 文 が 入 る 18は 軟 質 施 釉 陶 器 で 源 内 焼 と 思 われる 腰 部 に 雷 文 が 入 る 19は 秉 燭 である 20は 土 師 質 の 鉢 である 21は 鳥 形 の 土 製 品 である 22は 大 形 の 甕 である 口 縁 部 直 下 には 貼 り 付 けの 文 様 帯 がある 20
9 11 12 14 15 10 16 13 図 14 SK6 SK7 SK13 SK14 出 土 遺 物 0 1 : 3 5cm 21
N a b' SK11 b SK18 a' 0 1m 1 : 40 a T.P.+2.1m a' 1 b T.P.+2.1m 1 b' 層 名 1 色 調 Munsell 暗 オリーブ 5Y4/3 土 質 粘 性 粗 砂 混 細 砂 中 緊 密 度 密 備 考 5cm 以 下 の 礫 多 数 あり 図 15 SK11 平 面 断 面 (16) SK16 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 残 存 部 分 の 長 軸 0.71m 短 軸 0.70 m 深 さ0.08mである 遺 物 図 化 はしていないが 土 師 質 の 土 器 が 出 土 している SK15に 切 られており SK15よりは 古 いと 考 えられるが 遺 物 からの 検 証 はできなかった (17) SK17 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 隅 丸 の 長 方 形 で 長 軸 1.63m 短 軸 0.45m 深 さ0.12mである SK1と 同 様 に 埋 土 は1 層 で 埋 土 中 から 出 土 した 遺 物 の 大 半 は 動 物 遺 存 体 であっ た 遺 物 23は 肥 前 系 の 小 碗 で 外 面 には 蝶 文 が 描 かれている (18) SK18 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 不 整 形 で 長 軸 4.22m 短 軸 3.21m 深 さ0.81m 22
a N SK12 b b' SK17 a' 0 1m 1 : 40 a T.P.+2.0m a' b T.P.+2.0m b' 2 3 1 ベルト 1 2 3 4 1 撹 乱 1 層 名 1 2 3 色 調 暗 オリーブ 黄 褐 暗 オリーブ Munsell 5Y4/4 2.5Y5/3 5Y4/4 土 質 砂 シ ル ト シ ル ト 砂 シ ル ト 粘 性 緊 密 度 密 密 やや 密 備 考 2cm 以 下 の 円 礫 をまばらに 含 む 0.5cm 程 の 砂 礫 を 含 む 層 名 1 2 3 4 色 調 オリーブ 褐 灰 オリーブ オリーブ 褐 - 図 16 SK12 平 面 断 面 Munsell 2.5Y4/3 5Y5/3 2.5Y4/3 - 土 質 砂 シ ル ト シ ル ト 砂 シ ル ト - 粘 性 - 緊 密 度 やや 密 密 やや 密 - SK12 埋 土 整 地 層 1 備 基 本 層 序 Ⅸ 考 である 埋 土 は6 層 に 分 層 でき 第 3 層 と 第 4 層 は 第 6 層 第 5 層 を 掘 り 込 むような 堆 積 をしている が 埋 土 内 遺 物 の 時 期 的 な 差 異 は 確 認 できなかった 遺 物 24は18 世 紀 の 肥 前 系 磁 器 丸 碗 で 外 面 は 圏 線 で 囲 まれた 部 分 に 山 水 文 東 屋 が 描 かれ 口 縁 部 内 面 見 込 み 部 には 圏 線 が 入 る 25は18 世 紀 末 から19 世 紀 にかけての 肥 前 系 の 広 東 碗 であ る 外 面 には 柳 垂 下 がり 文 が 描 かれ この 文 様 は 砥 部 焼 にもあり 砥 部 焼 の 可 能 性 も 考 えられ る 口 縁 部 内 面 と 見 込 み 部 分 には 圏 線 が 入 る また 見 込 み 中 央 部 には 文 様 が 入 る 26は18 世 紀 末 から19 世 紀 にかけての 肥 前 系 の 広 東 碗 の 蓋 と 考 えられる 27は19 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 の 輪 花 鉢 で 外 面 には 草 花 文 内 面 には 四 方 襷 文 草 花 文 が 入 る 28は18 世 紀 末 から19 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 の 皿 で 内 面 に 山 水 文 が 描 かれる 高 台 は 蛇 の 目 凹 型 高 台 である 29は 肥 前 系 磁 器 の 段 重 蓋 で 外 面 圏 線 内 に 蛸 唐 草 文 が 入 る 30は 肥 前 系 磁 器 の 徳 利 である 外 面 には 草 木 文 が 描 かれ 高 台 脇 には 二 重 圏 線 が 入 る 31は19 世 紀 代 の 瀬 戸 美 濃 系 磁 器 で 頸 部 に 雷 文 胴 部 に 草 文 が 入 る 32は19 世 紀 代 の 盃 洗 である 外 面 には 梅 花 が 描 かれ 口 縁 部 内 面 には 上 下 に 二 重 圏 線 で 囲 ま れた 雷 文 が 入 り その 下 に 山 水 文 が 描 かれる 口 唇 部 には 刻 み 目 が 入 る 33は 水 滴 で 底 面 は 無 釉 で 内 外 面 ともに 布 目 痕 が 残 る 側 面 内 部 には 指 頭 圧 痕 がみられる 俯 瞰 で 水 穴 部 分 を 下 にし た 場 合 水 穴 が 右 下 に 位 置 する 34は18 世 紀 末 から19 世 紀 の 京 信 楽 系 陶 器 の 端 反 の 小 碗 であ る 高 台 内 に 田 の 字 の 墨 書 が 入 る 35は 陶 器 の 碗 で 口 縁 部 付 近 外 内 面 に 釉 が 施 されてい 23
c c' b る 36は 陶 器 の 筒 状 の 碗 と 思 われる 37は 陶 器 の 甕 である 38は 陶 器 の 油 皿 で 鉛 変 色 した 部 分 がある 39は 陶 器 の 瓶 である 40は 陶 器 の 土 瓶 で 肩 部 にはイッチン 掛 けが 施 されている 41 は 陶 器 土 瓶 の 蓋 で イッチン 掛 けが 施 されている 42は 陶 器 行 平 鍋 の 取 手 である 43は 急 須 の 注 口 である 44は 土 鍋 の 取 手 から 胴 部 にかけての 部 分 である 45は 土 師 質 の 涼 炉 で 体 面 外 部 に は 円 刻 内 に 刻 印 が 捺 されている 刻 印 は 部 分 的 な 残 存 で と と 読 める 46は 瀬 戸 美 濃 系 陶 器 の 皿 である 47は 陶 器 の 溲 瓶 である 48は 堺 明 石 系 の 擂 鉢 で 色 調 が 赤 褐 色 である 口 縁 部 内 側 には 段 差 状 の 突 帯 が 僅 かにある 外 縁 帯 の 張 り 出 しは 強 い 櫛 目 は11 条 一 単 位 で 左 回 りに 細 密 に 入 れられている 櫛 目 上 端 部 は 強 いナデにより 揃 えられている 見 込 みの 櫛 目 は 三 角 状 で ある 49は 土 師 質 の 角 型 七 厘 である 正 面 に 窓 が 設 けられ 四 隅 に 脚 を 有 する 外 面 はミガキ 調 整 内 面 は 縦 方 向 のハケ 目 調 整 が 施 されている 50は 土 師 質 の 七 厘 である 正 面 に 窓 が 設 けら N SK16 b' SK10 a SK15 a' SP5 SK19 0 1m 1 : 40 a T.P.+2.0m a' SK10 1 b SK15 T.P.+2.0m SK16 b' c T.P.+2.0m c' 1 2 1 SK15 層 名 色 調 Munsell 1 黄 褐 2.5Y5/3 SK16 層 名 2 色 調 Munsell にぶい 黃 2.5Y6/3 細 土 質 砂 粘 性 中 土 質 粘 性 細 礫 混 細 砂 緊 密 度 密 緊 密 度 密 遺 物 あり 備 考 備 考 15cm 以 下 の 礫 多 数 あり 図 17 SK15 SK16 平 面 断 面 24
17 18 19 23 21 20 22 0 0 1 : 3 1 : 5 5cm 10cm 図 18 SK15 SK17 出 土 遺 物 22 は 1 : 5 れ 内 面 口 縁 部 付 近 には3 方 向 に 取 り 付 けられた 円 錐 状 の 突 起 があり 内 面 胴 部 付 近 に 凸 帯 がめ ぐる 51は 土 師 質 の 円 形 焜 炉 である 口 縁 部 付 近 と 底 部 付 近 のみ 残 存 しており 口 縁 部 の 窓 がど の 程 度 切 り 込 まれていたかは 不 明 である 外 面 には 丁 寧 なミガキ 調 整 内 面 にはナデ 調 整 が 施 さ れている 52 53は 七 厘 部 品 のさなである 52は 皿 形 で 53は 円 盤 形 である 54は 人 形 である 55は 瓦 質 の 火 鉢 である 段 を 有 する 高 い 高 台 部 をもち 外 面 最 大 径 部 に 獅 子 頭 の 把 手 が 貼 り 付 け られている 把 手 の 側 面 には 両 面 から 施 された 貫 通 する 穿 孔 がある 外 面 体 部 は 突 帯 により3 区 画 に 分 離 され 胴 部 上 位 が2 条 の 突 帯 胴 部 下 位 は1 条 の 突 帯 で 区 切 られる 突 帯 で 区 切 られた 部 分 には 型 押 による 菊 花 文 が 施 され 上 下 の 突 帯 で 囲 まれた 部 分 の 菊 花 紋 は 小 振 りである 56は 橘 とY 字 の 中 心 飾 りをもつ 均 等 唐 草 文 の 軒 平 瓦 である 山 に の 刻 印 が 捺 されている 57 58は 中 央 飾 りに 半 菊 文 をもつ 均 等 唐 草 文 の 軒 平 瓦 である 59は 軒 丸 瓦 で 右 巻 き 三 つ 巴 紋 で ある 連 珠 は7つ 残 存 している 60 61 62は 棒 状 の 鉄 製 品 で 断 面 の 形 状 は 方 形 である (19) SK19 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 残 存 部 分 の 長 軸 1.45m 短 軸 1.1mで 25
a SK11 a' N SK18 0 1m 1 : 40 a 1 2 T.P.+2.0m SK a' 5 6 3 4 層 名 1 2 3 4 5 6 色 調 にぶい 黃 暗 オリーブ 暗 オリーブ 黒 褐 灰 オリーブ オリーブ 褐 Munsell 2.5Y6/3 5Y4/3 5Y4/4 2.5Y3/2 5Y5/3 2.5Y4/4 土 質 粗 砂 混 細 砂 細 砂 細 砂 細 砂 シ ル ト シ ル ト 粘 性 中 中 緊 密 度 密 密 密 密 密 中 備 考 瓦 遺 物 あり 10cm 以 下 の 円 礫 あり 小 礫 多 い 遺 物 あり 瓦 あり 図 19 SK18 平 面 断 面 26
24 25 26 27 31 28 29 32 34 30 図 20 SK18 出 土 遺 物 1 33 0 1 : 3 5cm 27
35 36 37 38 39 40 42 41 43 44 45 46 47 図 21 SK18 出 土 遺 物 2 0 1 : 3 5cm 28
48 49 50 図 22 SK18 出 土 遺 物 3 0 1 : 3 5cm 29
52 51 53 54 55 56 60 57 58 61 62 59 図 23 SK18 出 土 遺 物 4 0 1 : 3 5cm 30
N SK15 a 撹 乱 SK19 a' SK20 0 1m 1 : 40 a SK19 T.P.+2.0m SK20 a' 1 2 3 4 SK19 層 名 色 調 Munsell 1 黒 褐 2.5Y3/2 細 土 質 砂 粘 性 中 緊 密 度 中 備 考 10cm 以 下 の 円 礫 多 数 あり 瓦 多 く 含 む SK20 層 名 色 調 Munsell 2 黃 灰 2.5Y4/1 3 灰 黃 2.5Y6/2 4 暗 オリーブ 5Y4/3 土 質 細 砂 細 砂 粗 砂 混 細 砂 粘 性 中 緊 密 度 密 密 密 備 考 10cm 以 下 の 礫 あり 炭 化 物 あり 5cm 以 下 の 礫 あり 図 24 SK19 SK20 平 面 断 面 ある 遺 物 図 化 は 行 なっていないが 瓦 片 が 出 土 した (20) SK20 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 不 整 形 で 長 軸 2.47m 短 軸 2.00m 深 さ0.51m である 中 央 部 分 が 柱 穴 状 に 深 くなっているが 埋 土 の 堆 積 状 況 を 確 認 したところ 切 り 合 い 関 係 は 認 識 できなかったため SK20として 一 括 した 遺 物 63は 徳 利 である 64は 銅 製 煙 管 の 雁 首 部 である 65 66は 瓦 当 部 分 で 唐 草 文 が 施 されてい る 31
64 65 66 63 図 25 SK20 出 土 遺 物 0 1 : 3 5cm (21) SK23 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 円 形 で 長 軸 5.01m 短 軸 4.33m 深 さ0.13mで ある 底 面 は 比 較 的 平 坦 な 面 を 形 成 している 遺 物 67は 肥 前 系 の 磁 器 で 筒 状 のものである 口 縁 部 外 面 付 近 には 規 則 的 に 配 置 された 突 起 状 のものがあり その 下 位 に 草 花 文 が 施 されている 68は18 世 紀 後 半 の 肥 前 系 の 朝 顔 形 碗 である 外 面 青 磁 で 高 台 内 に 二 重 方 形 枠 に 崩 れた 文 字 が 入 り 見 込 みには 二 重 圏 線 見 込 み 中 央 部 には コンニャク 印 判 の 五 弁 花 が 入 る 69は18 世 紀 末 から19 世 紀 にかけての 肥 前 系 の 広 東 碗 である 外 面 には 唐 草 文 が 描 かれ 口 縁 部 内 面 には 二 重 圈 線 見 込 み 中 央 部 には 残 存 部 分 は 僅 かではあるが 文 様 が 入 る 高 台 内 に 二 重 方 形 枠 の 一 辺 が 見 受 けられるが その 全 容 は 不 明 である SK28 Ⅵ 層 上 面 の 出 土 遺 物 と 接 合 した 70は 陶 器 の 香 炉 火 入 れ 類 である 71は 京 信 楽 系 の 灯 明 受 皿 で ある 72は 陶 器 の 瓶 類 で 竹 の 節 を 模 している 73は 陶 器 の 甕 である 74は 石 製 品 で 破 損 して いる 現 状 で L 字 状 を 呈 する 沈 線 で 区 画 された 部 分 に 数 条 の 沈 線 が 刻 まれている 硯 もしく は 何 か 別 の 製 品 の 未 製 品 の 可 能 性 も 考 えられる 75は 軒 平 瓦 で 唐 草 文 が 施 されている (22) SK28 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 不 整 形 で 長 軸 7.26m 短 軸 2.52m 深 さ1.50m である 遺 物 76は18 世 紀 後 半 肥 前 系 の 朝 顔 形 碗 蓋 である 外 面 は 青 磁 で 内 面 には 四 方 襷 文 見 込 み には 二 重 圏 線 と 中 央 部 にコンニャク 印 判 の 五 弁 花 文 が 入 る 77は18 世 紀 末 から19 世 紀 にかけての 肥 前 の 広 東 碗 である 78は17 世 紀 後 半 の 肥 前 系 磁 器 の 皿 である 外 面 底 部 は 無 釉 で 内 面 には 蛇 ノ 目 釉 剥 ぎが 施 されている 79は 肥 前 系 磁 器 の 皿 である 年 代 は18 世 紀 代 で 外 面 には 唐 草 文 高 台 内 には 二 重 方 形 枠 の 渦 福 が 入 り 口 縁 部 内 面 には 四 方 襷 文 内 面 には 草 花 文 が 入 る 80は18 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 皿 である 外 面 には 梅 花 が 入 り 高 台 脇 には 二 重 圏 線 が 入 る 高 台 内 には 圏 線 で 囲 まれた 大 明 年 製 の 銘 が 入 る 内 面 には 梅 花 氷 裂 文 が 描 かれている 補 修 痕 がある 81 32
70 67 71 68 69 72 73 74 75 図 26 SK23 出 土 遺 物 0 1 : 3 5cm 33
Y=-29670.000 Y=-29665.000 Y=-29660.000 X=102170.000 N SK31 X=102165.000 SK29 SK23 X=102160.000 SE1 SK28 SK16 SK10 SK5 X=102155.000 SK15 漆 喰 範 囲 A1 B1 C1 D1 E1 F1 G1 H1 I1 A2 B2 C2 D2 E2 F2 G2 H2 I2 A3 B3 C3 D3 E3 F3 G3 H3 I3 0 1 : 100 2m A4 B4 C4 D4 E4 F4 G4 H4 I4 江 戸 期 以 外 の 遺 構 トレンチ 撹 乱 A5 B5 C5 D5 E5 F5 G5 H5 I5 A6 B6 C6 D6 E6 F6 G6 H6 I6 A7 B7 C7 D7 E7 F7 G7 H7 I7 礎 石 その 他 の 石 材 の 位 置 A8 B8 C8 D8 E8 F8 G8 H8 I8 A9 B9 C9 D9 E9 F9 G9 H9 I9 図 27 遺 構 配 置 2 34
76 80 77 79 78 81 82 83 84 85 図 28 SK28 出 土 遺 物 1 86 0 1 : 3 5cm 35
87 88 89 91 90 図 29 SK28 出 土 遺 物 2 0 1 : 3 5cm は 陶 器 の 碗 である 82は17 世 紀 後 半 の 肥 前 系 内 野 山 北 窯 産 の 皿 である 83は 蓋 である 84は 瀬 戸 美 濃 系 の 徳 利 の 口 縁 部 である 85は 陶 器 の 鉢 類 である 外 面 は 白 泥 と 鉄 釉 による 装 飾 が 施 さ れている 86は 陶 器 の 行 平 鍋 である 蓋 受 部 の 下 位 に 半 月 形 の 切 り 抜 きを 施 し 外 面 に 片 口 を 貼 り 付 けている 外 面 には 飛 鉋 装 飾 が 施 されている 87 88は 土 瓶 である 87は 肩 部 にカキ 目 が 施 され 88は 扇 などの 文 様 が 描 かれている 89は 灯 明 受 皿 である 90は 陶 器 の 甕 類 である 91は 土 師 質 の 底 部 である 低 い 脚 部 がつく 92は 土 師 質 の 壺 類 である 93は 瓦 質 の 甕 類 である 94から 98は 瓦 である 94は 軒 平 瓦 で 半 菊 文 と 唐 草 が 施 されている 95から97は 軒 丸 瓦 の 瓦 当 部 で 95 は 左 巻 き 三 つ 巴 文 に 連 珠 は10 個 ある 96は 左 巻 き 三 つ 巴 文 に14 連 の 珠 が 付 く 97は 左 巻 き 三 つ 巴 文 で 連 珠 は16 個 付 く 98は 平 瓦 である (23) SK29 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 長 軸 3.90m 短 軸 3.58m 深 さ0.82m である 遺 物 99は 波 佐 見 産 の 碗 で 18 世 紀 後 半 のものと 考 えられる 外 面 に 二 重 網 目 文 高 台 脇 に 二 重 圏 線 が 入 る 100は19 世 紀 代 の 肥 前 系 の 端 反 碗 の 蓋 と 考 えられる 外 面 には 草 花 文 が 描 かれ 36
92 93 94 95 96 97 0 1 : 3 5cm 図 30 SK28 出 土 遺 物 3 37
図 31 SK28 出 土 遺 物 4 0 98 1 : 3 5cm 口 縁 部 内 面 には 二 重 圏 見 込 み 中 央 部 には 残 存 部 が 一 部 のみで 全 容 は 把 握 できないが 波 文 が 入 る 101は17 世 紀 末 から18 世 紀 前 半 期 の 肥 前 系 磁 器 皿 である 内 面 に 折 松 葉 文 が 入 る 内 面 に 蛇 の 目 釉 剥 ぎがあり 底 部 は 無 釉 である 102は 磁 器 の 小 鉢 で 口 縁 部 内 面 には 唐 草 文 内 面 には 山 水 文 が 入 る 103は 肥 前 系 磁 器 の 段 重 で 外 面 には 氷 裂 地 梅 花 文 が 入 る 104は 京 信 楽 系 の 筒 形 碗 である 105は 陶 器 の 人 形 徳 利 である 106は 甕 である 107は 陶 器 製 の 急 須 である 肩 部 に はカキ 目 が 施 されている (24) SK31 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 隅 丸 方 形 で 長 軸 1.14m 短 軸 1.10m 深 さ0.26 mである 埋 土 は2 層 に 分 層 でき 第 2 層 には 亜 角 礫 が 多 量 に 含 まれていた 遺 物 108は18 世 紀 後 半 の 外 面 青 磁 碗 の 蓋 である 高 台 は 撥 高 台 で 高 台 内 は 二 重 方 形 枠 の 崩 れ 文 字 が 入 る 口 縁 部 内 面 には 四 方 襷 文 見 込 みには 文 様 が 入 る 109は 唐 津 の 陶 器 製 片 口 鉢 であ 38
99 103 101 100 105 102 104 106 107 0 5cm 1 : 3 図 32 SK29 出 土 遺 物 39
a a' N SK31 a a T.P.+2.0m 1 2 a' 0 1m 1 : 40 層 名 1 2 色 調 にぶい 黃 黄 褐 Munsell 2.5Y6/3 2.5Y5/3 土 質 粗 砂 混 細 砂 シ ル ト 粘 性 緊 密 度 密 密 備 考 瓦 遺 物 あり 10cm 以 下 の 亜 角 礫 多 数 あり 図 33 SK31 平 面 断 面 N a' a T.P.+2.0m a' 1 2 3 調 査 区 端 0 1m 1 : 40 SK32 層 名 1 2 3 色 調 灰 オリーブ 橙 暗 オリーブ Munsell 5Y5/2 7.5YR6/6 5Y4/4 土 質 細 砂 シ ル ト 粗 砂 混 細 砂 粘 性 なし 緊 密 度 密 密 密 備 15cm 大 の 礫 あり 炭 化 物 あり 考 図 34 SK32 平 面 断 面 40
109 110 108 112 111 113 図 35 SK31 SK32 出 土 遺 物 0 1 : 3 5cm 41
N a 3 T.P.+2.1m 1 2 4 a' 5 SK33 a' 層 名 1 2 3 4 5 色 調 灰 オリーブ にぶい 黃 暗 オリーブ 暗 オリーブ 褐 暗 オリーブ Munsell 5Y5/2 2.5Y6/3 5Y4/4 2.5Y3/3 5Y4/3 土 質 細 砂 粗 砂 混 細 砂 細 砂 シ ル ト 細 砂 粘 性 中 緊 密 度 密 密 密 中 中 備 考 瓦 あり 10cm 大 の 礫 あり 瓦 多 数 あり 遺 物 あり 10cm 大 の 礫 あり 炭 化 物 遺 物 あり a 撹 乱 0 1m 1 : 40 図 36 SK33 平 面 断 面 る 口 縁 部 に 楕 円 形 の 穿 孔 を 施 し 外 面 には 片 口 が 接 合 されている 外 面 は 白 泥 と 鉄 釉 の 刷 毛 目 装 飾 である 110は 土 師 質 の 釜 である 111は 陶 器 製 の 植 木 鉢 である (25) SK32 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 長 軸 1.01m 短 軸 1.37m 深 さ0.20m である 遺 物 112は 肥 前 系 陶 器 で 17 世 紀 後 半 の 京 焼 風 の 皿 である 内 面 には 山 水 文 が 描 かれる 高 台 部 は 無 釉 で 高 台 内 に 清 水 の 銘 が 入 る 113は 堺 明 石 系 の 擂 鉢 で 色 調 は 赤 褐 色 である 口 縁 部 内 側 に 段 差 状 の 突 帯 が 僅 かにあり 外 縁 帯 は 強 く 張 り 出 している 櫛 目 は9 条 一 単 位 で 櫛 目 上 端 を 強 いナデにより 揃 えている (26) SK33 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 不 整 形 で 長 軸 2.66m 短 軸 2.05m 深 さ0.52m である 埋 土 は5 層 に 分 層 できたが 埋 土 の 上 位 下 位 における 遺 物 の 時 期 差 は 認 識 できなかっ 42
114 116 119 117 115 118 120 121 123 124 122 125 126 図 37 SK33 出 土 遺 物 1 0 1 : 3 5cm 43
127 128 129 0 5cm 1 : 3 130 0 10cm 1 : 5 128 は 1 : 5 図 38 SK33 出 土 遺 物 2 44
た 遺 物 114は18 世 紀 後 半 の 肥 前 系 の 朝 顔 形 碗 である 外 面 青 磁 で 口 縁 部 内 面 には 四 方 襷 文 見 込 みには 二 重 圏 線 が 入 る 115は19 世 紀 中 頃 の 砥 部 産 の 端 反 碗 である 外 面 圏 線 内 に 抜 糸 文 高 台 脇 に 二 重 圏 線 口 縁 部 内 面 には 四 重 圏 線 見 込 み 圏 線 内 には 崩 れた 寿 文 が 入 る 116は19 世 紀 の 肥 前 系 磁 器 の 丸 碗 である 117は 肥 前 系 の 小 碗 で 外 面 には 多 重 圏 線 が 入 る 118は 肥 前 系 磁 器 の 徳 利 である 外 面 には 草 木 文 が 描 かれる 119は 肥 前 系 磁 器 の 段 重 である 口 縁 部 外 面 には 圏 線 が 入 り 胴 部 から 腰 部 にかけて 山 水 文 が 描 かれている 高 台 脇 には 二 重 圏 線 が 入 る 120は19 世 紀 代 の 砥 部 産 磁 器 の 鉢 である 外 面 胴 部 に 圏 線 高 台 脇 に 二 重 圏 線 が 入 り 内 面 は 草 文 見 込 みは 二 重 圏 線 で その 内 側 に 文 様 が 入 る 蛇 の 目 凹 型 高 台 である 155は 肥 前 系 磁 器 の 火 入 れ 灰 入 れで 釉 は 青 磁 釉 で 内 面 の 施 釉 は 頸 部 で 終 わっている 高 台 畳 付 きに 釉 剥 ぎがなされてい る 122は 陶 器 製 行 平 鍋 で 外 面 には 飛 鉋 装 飾 が 施 されている 123 124は 陶 器 製 の 蓋 である 125は 土 鍋 である 126は 肥 前 系 陶 器 の 甕 である 127は 堺 明 石 系 の 擂 鉢 で 色 調 は 赤 橙 色 であ る 口 縁 部 内 側 に 段 差 状 の 突 帯 があり 外 縁 帯 は 強 く 張 り 出 している 櫛 目 は9 条 一 単 位 で 櫛 目 上 端 を 強 いナデにより 揃 えている 128は 土 師 質 の 大 甕 である 129 130は 軒 平 瓦 の 瓦 当 部 分 で 唐 草 文 が 入 る (27) SK34 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 残 存 部 分 の 長 軸 1.6m 短 軸 1.5mで ある SK2とSK4に 切 られている 遺 物 131は 折 松 葉 が 描 かれた 肥 前 系 の 小 杯 である 132は19 世 紀 代 の 肥 前 系 の 端 反 碗 の 蓋 と 考 え られる 外 面 には 竹 林 文 が 描 かれ 内 面 見 込 み 中 央 部 には 笹 の 文 様 が 入 る 高 台 は 撥 高 台 で 高 台 内 に 方 形 枠 の 寿 形 のような 文 字 が 入 る 133は 陶 器 の 鉢 類 である (28) SK35 遺 構 SK34 付 近 で 検 出 し 遺 構 として 認 識 していたが 図 化 していなかったため 正 確 な 位 置 は 不 明 である 遺 物 134は19 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 の 皿 である 内 面 には 蛇 の 目 釉 剥 がみられる 131 132 133 134 図 39 SK34 SK35 出 土 遺 物 0 1 : 3 5cm 45
a' 2 柱 穴 (1) SP1 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 長 軸 0.54m 短 軸 0.38m 深 さ0.23m である 遺 物 遺 物 は 検 出 されなかった (2) SP2 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 長 軸 0.93m 短 軸 0.56m 深 さ0.22m である 遺 物 遺 物 は 検 出 されなかった (3) SP4 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 楕 円 形 で 長 軸 0.62m 短 軸 0.60m 深 さ0.31m である SP4はSK6の 底 面 から 検 出 した SP4 内 で 検 出 した 亜 角 礫 はSK6の 埋 土 内 に 突 き 出 ている ことと 亜 角 礫 の 検 出 状 況 から 原 位 置 を 保 っていないと 判 断 した 遺 物 磁 器 製 瓶 類 と 鉄 製 品 が 出 土 した (4) SP5 遺 構 調 査 区 のほぼ 中 央 部 で 検 出 した 平 面 形 は 円 形 で 長 軸 0.72m 短 軸 0.68m 深 さ0.42mで ある SP4と 同 様 にSK15の 下 面 からの 検 出 である N SK6 a SP4 0 1m SK14 a T.P.+2.0m a' 1 : 40 1 2 層 名 1 2 色 調 黃 褐 オリーブ 褐 Munsell 2.5Y5/3 2.5Y4/4 細 細 土 質 砂 砂 粘 性 中 中 緊 密 度 中 備 炭 化 物 あり 考 図 40 SP4 平 面 断 面 46
b b' N SK15 SP5 a' 撹 乱 a 0 1m 1 : 40 a T.P.+2.0m a' b T.P.+2.0m b' SK15 1 撹 乱 SK15 1 2 2 層 名 1 2 色 調 灰 オリーブ 黄 褐 Munsell 5Y5/2 2.5Y5/3 細 細 土 質 砂 砂 粘 性 中 緊 密 度 中 密 備 考 炭 化 物 あり 遺 物 あり 10cm 以 下 の 礫 あり 図 41 SP5 平 面 断 面 135 図 42 SP5 出 土 遺 物 0 1 : 3 5cm 遺 物 遺 物 135は 灯 明 皿 である 3 井 戸 SE1 調 査 区 の 中 央 部 で 検 出 した 検 出 当 初 はSK23の 埋 土 として 認 識 していたが 埋 土 の 状 況 からSK23との 切 り 合 い 関 係 が 確 認 でき SK23とは 別 遺 構 であることがわかった 形 態 と 規 模 井 戸 本 体 の 形 状 は 円 形 で 断 面 形 は 円 柱 状 である 底 面 の 形 状 は 湧 水 の 激 しさと 基 盤 層 が 砂 礫 層 であり 掘 削 途 中 で 崩 落 したため 確 認 できなかった 井 戸 内 部 には 検 出 面 から 0.6mの 位 置 に 幅 5.0cm 程 度 の 漆 喰 がリング 状 に 巡 っていた 検 出 面 から 約 1.0mの 位 置 には 井 戸 側 が 遺 存 していた 井 戸 側 は2 段 あり 上 段 の 井 戸 側 は 上 部 が 欠 損 しており 全 体 の 構 造 は 不 明 だ が 下 部 側 に 竹 製 の 箍 が 巻 かれていた 下 段 の 井 戸 側 にも 上 部 に 竹 製 の 箍 が 巻 かれていたことか ら 箍 は 上 部 と 下 部 に 巻 かれていた 可 能 性 が 考 えられる また 上 下 段 の 組 上 げ 方 は 下 段 の 井 戸 側 を 上 段 の 井 戸 側 に 差 し 込 む 形 であった 上 下 段 の 井 戸 側 が 接 合 する 部 分 の 外 面 には 隙 間 を 埋 め るように 漆 喰 が 貼 り 付 けてあった 47
井 戸 掘 方 は 検 出 面 では 残 存 部 分 の 長 径 3.00m 短 径 2.40mで 底 面 に 向 かって 径 が 小 さくな る 掘 方 埋 土 は 3 層 に 分 層 でき 井 戸 側 の 接 合 部 分 の 下 位 面 に 層 の 単 位 が 認 識 できる 遺 物 136は17 世 紀 末 から18 世 紀 代 の 陶 胎 染 付 の 碗 である 137は 肥 前 系 磁 器 の 段 重 蓋 で 外 面 圏 線 内 に 輪 宝 文 が 描 かれている 138は 肥 前 系 磁 器 の 段 重 蓋 で 外 面 圏 線 内 に 龍 と 雷 文 が 交 互 に 描 かれている 139は19 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 の 瓶 で 蛸 唐 草 が 入 る 今 回 は 図 化 していないが 肥 前 系 端 反 碗 の 蓋 も 出 土 している 140は 瀬 戸 美 濃 系 の 水 鉢 である 口 縁 部 内 面 の 少 し 下 がった 位 置 に 突 帯 がある 141は 陶 器 製 の 瓶 類 である 142は 陶 器 製 の 灯 明 具 である 把 手 が1カ 所 に 貼 り 付 けられている 全 面 に 鉄 釉 が 施 されている 高 台 に 砂 が 付 着 している 徳 島 県 の 大 谷 焼 系 の 可 能 性 がある 143は 陶 器 の 鉢 である 体 部 に1 条 の 突 帯 をもつ 144は 堺 明 石 系 の 擂 鉢 で 色 調 は 赤 褐 色 である 口 縁 部 内 側 に 段 差 状 の 突 帯 があり 外 縁 帯 は 強 く 張 り 出 している 櫛 目 は9 条 一 単 位 で 櫛 目 上 端 を 強 いナデにより 揃 えている 145 146は 軒 平 瓦 の 瓦 当 部 分 で 唐 草 文 が 施 されている 147は 砥 石 で 9 条 の 溝 があり 砥 面 と 考 えられる 148から151は 結 桶 の 枠 で ある 今 回 図 化 したのは4 点 で 148と149が 上 段 桶 150と151が 下 段 桶 の 板 材 で 上 段 桶 は25 枚 下 段 桶 は22 枚 の 板 材 で 構 成 される 4 第 Ⅵ 層 第 Ⅵ 層 相 当 層 出 土 遺 物 152は17 世 紀 末 から18 世 紀 代 の 陶 胎 染 付 の 丸 碗 である 外 面 には 山 水 文 が 描 かれている 153は 18 世 紀 後 半 の 肥 前 系 磁 器 筒 形 碗 で 内 面 見 込 み 内 に 草 花 文 が 入 る 154は18 世 紀 後 半 の 肥 前 系 筒 形 碗 で 外 面 には 人 物 文 口 縁 部 内 面 に 四 方 襷 文 が 入 る 155は18 世 紀 末 から19 世 紀 にかけての 砥 部 産 磁 器 の 丸 碗 で 外 面 には 梅 花 文 が 入 る 高 台 の 直 径 が 小 さい 156は18 世 紀 末 から19 世 紀 にかけての 肥 前 系 の 広 東 碗 の 蓋 と 考 えられる 外 面 には 葉 文 が 描 かれ 内 面 には 二 重 圏 線 と 圏 線 内 に 外 面 と 同 じ 文 様 が 入 る 157は19 世 紀 代 の 瀬 戸 美 濃 系 の 端 反 碗 の 蓋 である 外 面 には 花 唐 草 文 内 面 見 込 み 中 央 部 には 文 様 が 入 る 158は18 世 紀 末 から19 世 紀 初 頭 の 朝 顔 形 碗 である 159 a T.P.+2.0m a' 1 1 4 4 2 2 3 5 5 3 層 名 1 2 3 4 5 色 調 灰 オリーブ 灰 灰 橙 橙 Munsell 5Y4/2 5Y4/1 7.5Y4/1 7.5YR6/6 7.5YR6/6 土 質 砂 質 砂 質 砂 質 シ ル ト シ ル ト 粘 性 緊 密 度 密 密 密 密 密 遺 物 あり 備 考 桶 の 接 合 部 に 貼 り 付 けられた 漆 喰 の 痕 跡 桶 の 接 合 部 に 貼 り 付 けられた 漆 喰 0 1m 1 : 40 図 43 SE1 土 層 断 面 48
136 139 137 138 141 142 140 143 図 44 SE1 出 土 遺 物 1 144 0 1 : 3 5cm 49
145 146 147 研 磨 痕 148 漆 喰 付 着 範 囲 0 5cm 1 : 3 0 5cm 1 : 4 148 は 1 : 4 図 45 SE1 出 土 遺 物 2 50
149 図 46 SE1 出 土 遺 物 3 0 1 : 3 5cm 51
150 0 1 : 4 5cm 図 47 SE1 出 土 遺 物 4 52
151 0 1 : 4 5cm 図 48 SE1 出 土 遺 物 5 53
は 色 絵 の 小 杯 で 外 面 内 面 に 文 字 が 入 り 見 込 みには 鯛 が 描 かれている 160は 色 絵 の 小 杯 で ある 161は18 世 紀 末 から19 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 の 仏 飯 器 で 口 縁 部 外 面 には 斜 格 子 文 が 描 かれ ている 162は 陶 器 の 小 杯 である 163は18 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 色 絵 皿 で 内 面 には 山 水 文 が 描 か れている 164は18 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 小 皿 で 口 縁 部 外 面 高 台 内 内 面 にコンニャク 印 判 に よる 文 様 が 施 されている 165は19 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 の 皿 である 166は18 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 の 小 鉢 で 外 面 には 草 文 内 面 には 型 紙 摺 絵 の 文 様 が 入 る 167は19 世 紀 代 の 瀬 戸 美 濃 系 磁 器 の 鉢 である 内 外 面 に 文 様 が 入 る 168は 肥 前 系 磁 器 の 植 木 鉢 である 外 面 には 七 宝 などが 入 る 内 面 には 無 釉 部 分 がある 169は 肥 前 系 磁 器 の 火 入 れ 灰 入 れで 釉 は 青 磁 釉 で 内 面 の 施 釉 は 胴 部 上 半 までで 終 わっている 内 面 底 部 には 凝 固 した 灰 のようなものが 付 着 している 高 台 部 分 は 釉 剥 ぎされている 170は19 世 紀 代 の 瓶 で 外 面 には 草 文 が 入 る 171は 磁 器 の 瓶 で 口 縁 部 から 頸 部 が 残 存 する 172は 肥 前 系 磁 器 の 瓶 で 頸 部 に 草 花 文 が 入 る 173は 肥 前 系 磁 器 の 仏 花 瓶 で 外 面 には 草 花 が 描 かれている 体 部 に 把 手 が 付 く 残 存 しているのは1つのみであるが 元 来 は 対 面 にも 付 いていたと 考 えられる 把 手 には 獅 子 頭 のような 装 飾 が 施 されている 174は 肥 前 磁 器 の 鬢 付 油 壺 で 外 面 には 梅 花 文 が 描 かれている 175は 神 酒 徳 利 である 176は18 世 紀 後 半 から19 世 紀 初 頭 の 京 信 楽 系 陶 器 の 小 杉 碗 で 外 面 には 若 杉 文 が 描 かれている 177は19 世 紀 の 萩 産 陶 器 の 碗 で ピラ 掛 け 渦 巻 高 台 である 178は17 世 紀 前 半 の 肥 前 系 陶 器 の 皿 で 内 面 に は 蛇 の 目 釉 剥 ぎがあり 砂 目 が 溶 着 する 高 台 部 は 無 釉 である 179は 唐 津 の 片 口 鉢 で 外 面 に は 白 泥 と 鉄 釉 のハケ 目 装 飾 が 施 されている 180は 土 師 質 の 植 木 鉢 である 底 部 中 央 が 穿 孔 され ている 181は 餌 猪 口 もしくはミニチュア 製 品 である スリ 目 は6 条 一 単 位 で 放 射 状 に 刻 まれてい る 182は 陶 器 の 瓶 類 で 鉄 絵 で 草 花 文 が 描 かれている 183は 陶 器 製 土 瓶 の 注 ぎ 口 である 184 は 行 平 鍋 の 蓋 で 外 面 にはイッチン 掛 けが 施 されている 185は 陶 器 製 の 把 手 で 8 面 体 に 加 工 さ れている 186は 三 島 手 の 唐 津 の 鉢 である 187は 陶 器 製 の 壺 である 188は 唐 津 の 甕 である 外 面 には 白 泥 と 鉄 釉 のハケ 目 装 飾 が 施 されている 内 面 見 込 み 部 分 には 円 形 の 砂 が 付 着 している 189は 備 前 の 擂 鉢 で 9 条 一 単 位 のスリ 目 が 入 る 190は 瓦 質 の 釜 類 であると 思 われる 191は 土 師 質 の 十 能 である 192は 土 師 質 の 焜 炉 と 考 えられる 口 縁 部 内 面 付 近 には 円 錐 状 の 突 起 がある 193は 土 師 質 の 焙 烙 と 考 えられ 内 面 に 煤 の 付 着 がみられる194から197は 瓦 である 194は 軒 平 瓦 の 瓦 当 部 分 で 半 菊 文 の 中 心 飾 りと 唐 草 文 が 施 されている 195は 軒 平 瓦 で 均 等 唐 草 文 が 施 され ている 196は 軒 丸 瓦 で 右 巻 き 巴 紋 に12 連 の 珠 が 付 く 下 部 の 形 状 が 他 の 軒 丸 瓦 と 比 べて 特 異 である 197は 丸 瓦 である 198 199は 銅 製 煙 管 の 吸 口 である 200は 硯 で 底 面 には 具 もし くは 貞 と 推 定 可 能 な 文 字 と 判 読 不 明 だが 花 押 のような 文 字 が 刻 まれている 201は 砥 石 と 考 えられる 202から204は 第 Ⅵ 層 より 下 位 土 層 の 堆 積 状 況 の 確 認 のために 設 定 したトレンチから 出 土 した 第 Ⅵ 層 遺 物 である 202は 肥 前 系 磁 器 の 皿 で 獣 脚 が 付 く 青 磁 釉 で 内 面 には 文 様 が 入 り 高 台 内 には 蛇 の 目 釉 剥 ぎが 施 されている 203 204は 寛 永 通 宝 である 54
152 153 154 155 157 159 158 160 156 161 162 164 163 図 49 Ⅵ 層 出 土 遺 物 1 0 1 : 3 5cm 55
165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 図 50 Ⅵ 層 出 土 遺 物 2 0 177 1 : 3 5cm 56
178 179 180 181 182 183 186 184 185 187 0 1 : 3 5cm 図 51 Ⅵ 層 出 土 遺 物 3 57
188 0 189 1 : 3 5cm 図 52 Ⅵ 層 出 土 遺 物 4 58
190 192 191 194 193 195 196 図 53 Ⅵ 層 出 土 遺 物 5 0 1 : 3 5cm 59
197 図 54 Ⅵ 層 出 土 遺 物 6 0 1 : 3 5cm 60
198 199 200 202 201 203 0 5cm 1 : 3 0 2cm 1 : 1 図 55 Ⅵ 層 出 土 遺 物 7 203 は 1 : 1 5 包 含 層 その 他 の 層 出 土 遺 物 (1) 第 Ⅳ 層 出 土 遺 物 205は17 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 の 碗 で 外 面 に 圏 線 内 丸 文 高 台 脇 には 二 重 圏 線 が 入 る 206は18 世 紀 後 半 の 肥 前 系 の 朝 顔 形 碗 である 外 面 にはコンニャク 印 判 の 井 桁 文 が 入 る 207は 波 佐 見 産 の 碗 で 18 世 紀 後 半 のものと 考 えられる 外 面 に 二 重 網 目 文 が 入 る 208は18 世 紀 後 半 の 肥 前 系 の 朝 顔 形 碗 である 外 面 青 磁 で 見 込 みには 二 重 圏 線 見 込 み 中 央 部 にはコンニャク 印 判 の 五 弁 花 文 が 入 る 209は 肥 前 系 磁 器 の 皿 で 17 世 紀 末 ごろに 製 作 された 可 能 性 がある 210は19 世 紀 代 の 肥 前 系 磁 器 の 型 押 しの 輪 花 皿 である 211は 肥 前 系 磁 器 の 段 重 で 外 面 には 唐 草 文 が 入 る 212 は 線 香 筒 と 考 えられ 陶 器 で 産 地 は 不 明 である 竹 を 模 した 形 状 で 三 つの 足 が 付 く 213は 鉢 類 である 214は 色 絵 の 酒 盃 で 外 面 高 台 には 櫛 歯 文 高 台 内 面 には 方 形 枠 が 入 る 内 面 には 達 磨 が 描 かれている 215は 陶 器 製 の 鉢 類 と 考 えられる 216は 土 師 質 の 器 種 不 明 品 である 217から 220は 軒 平 瓦 の 瓦 当 部 分 で 唐 草 文 が 施 されている 221は 瓦 質 の 製 品 で 器 種 は 不 明 である 222は 硯 の 破 損 品 で 嗚 呼 という 文 字 が2ヶ 所 と 工 のような 文 字 が1つ 刻 まれている (2) 撹 乱 出 土 遺 物 223は 水 滴 で 俯 瞰 で 水 穴 部 分 を 下 にした 場 合 水 穴 が 左 下 に 位 置 する 224は 焼 締 め 型 皿 であ 61
205 212 212 213 206 208 210 207 209 211 214 216 0 5cm 0 1 : 3 2cm 1 : 1 215 204 204 は 1 : 1 図 56 Ⅳ 層 出 土 遺 物 1 る 225は 甕 である 226は 人 形 である 227は 硯 である (3) 原 位 置 不 明 遺 物 228は17 世 紀 前 半 の 肥 前 系 陶 器 の 皿 で 口 縁 部 内 面 には 溝 切 りが 入 る 内 面 は 全 面 施 釉 だが 外 面 は 部 分 的 に 釉 が 掛 かるのみである 内 面 には 砂 目 痕 と 溶 着 した 高 台 の 一 部 が 残 る また 高 台 内 には 兜 巾 がみられる 229は 擂 鉢 である 230 231は 土 師 質 の 羽 釜 である 232は 環 状 の 銅 製 品 である (4) 表 土 その 他 出 土 遺 物 233は 肥 前 系 磁 器 の 碗 で 外 面 には 網 目 文 が 入 る 234は 肥 前 系 の 小 碗 で 外 面 には 草 花 文 が 入 る 口 縁 部 内 面 は 釉 剥 され 高 台 畳 付 きの 幅 が 広 く 釉 剥 されている 235は19 世 紀 の 端 反 碗 で 内 外 面 ともに 金 彩 が 入 る 236は18 世 紀 末 の 肥 前 系 磁 器 の 蕎 麦 猪 口 で 外 面 には 山 水 文 が 入 る 237は19 世 紀 の 瀬 戸 美 濃 系 磁 器 の 木 型 打 込 成 形 の 小 皿 で 内 面 見 込 み 部 には 菊 花 文 が 入 る 238は19 世 紀 の 瀬 戸 美 濃 系 磁 器 の 散 蓮 華 である 内 面 には 型 押 しの 草 花 文 が 入 る 外 面 体 62
部 は 無 釉 である 239は 備 前 産 陶 器 の 皿 である 240は 大 甕 である 241は 瓦 質 の 硯 である 242は 神 酒 徳 利 で 文 字 らしきものが 入 る 243は 京 信 楽 系 の 線 香 筒 と 考 えられる 竹 を 模 した 形 状 をしている 244は 唐 津 の 鉢 で 内 外 面 に 白 泥 のハケ 目 装 飾 が 施 されている 217 218 219 220 222 221 図 57 Ⅳ 層 出 土 遺 物 2 0 1 : 3 5cm 63
223 224 226 227 225 図 58 撹 乱 出 土 遺 物 0 1 : 3 5cm 228 229 232 230 231 図 59 原 位 置 不 明 遺 物 0 1 : 3 5cm 64
233 234 235 236 239 237 238 241 240 242 244 243 0 5cm 1 : 3 0 5cm 1 : 4 240 は 1 : 4 図 60 表 土 その 他 出 土 遺 物 65
表 2 出 土 土 器 一 覧 (1/5) 報 告 計 測 値 ( 残 存 値 )[ 推 定 値 ] 単 位 :cm 色 調 遺 構 名 種 別 器 類 器 種 番 号 器 高 口 縁 部 径 体 部 最 大 径 底 ( 裾 ) 部 径 ツマミ 部 径 外 面 外 面 釉 薬 1 SK1 磁 器 碗 類 中 碗 広 東 碗 5.4 [9.2] [9.2] [4.6] 3 SK2 陶 器 碗 類 碗 (2.2) 2.5Y8/2 灰 白 2.5Y8/2 4 SK4 磁 器 碗 類 中 碗 端 反 碗 5.9 10.2 10.35 4.4 5 SK4 磁 器 瓶 類 小 瓶 (6.05) 6 SK4 陶 器? 厚 さ0.45 長 径 (3.4) 短 径 (2.1) 7 SK4 陶 器 碗 類 中 碗 (5.9) (10.25) [7.0] 10YR7/3 にぶい 黄 橙 10YR3/2 8 SK4 瓦 質 鉢 類? (7.6) 22.0 10YR3/1 黒 褐 9 SK6 陶 器 鉢 類 合 子 3.13 5.8 6.62 4.24 5Y7/1 灰 白 5Y7/1 10 SK7 磁 器 碗 類 中 碗 端 反 碗 6.1 [11.4] [11.5] 4.6 11 SK7 磁 器 碗 類 紅 猪 口 2.5 4.5 4.7 1.4 12 SK7 陶 器 碗 類 小 杯 2.75 4.4 4.6 1.8 5Y8/1 灰 白 5Y8/2 15 SK13 磁 器? (2.1) 17 SK15 磁 器 碗 類 中 碗 小 広 東 碗 5.4 10.6 10.8 4.4 18 SK15 陶 器 碗 類 小 碗 4.17 [6.4] [2.6] 10YR8/3 浅 黄 橙 7.5YR3/1 19 SK15 土 師 質 秉 燭 秉 燭 1.85 [4.4] 2.3 10YR7/3 にぶい 黄 橙 20 SK15 土 師 質 鉢 類 14.7 [20.1] [15.6] 7.5YR6/6 橙 21 SK15 土 製 品 特 殊 鳥 形 (1.9) 10YR7/3 にぶい 黄 橙 22 SK15 土 師 質 甕 類 大 甕 (17.5) [73.0] 7.5YR5/6 明 褐 23 SK17 磁 器 碗 類 小 碗 4.95 [7.7] [8.0] [3.3] 24 SK18 磁 器 碗 類 中 碗 丸 碗 4.9 [9.5] [9.6] [3.6] 25 SK18 磁 器 碗 類 中 碗 広 東 碗 6.1 [11.2] [11.3] 3.2 26 SK18 磁 器 碗 類 蓋 広 東 碗 2.75 9.5 9.3 4.9 27 SK18 + 排 土 磁 器 鉢 類 (3.3) [12.6] [12.8] 28 SK18 磁 器 皿 類 4.65 [14.9] [15.05] 9.7 29 SK18 磁 器 蓋 段 重 (3.9) [15.4] [13.2] 30 SK18 磁 器 瓶 徳 利 大 (12.9) 9.5 31 SK18 + 撹 乱 磁 器 瓶 燗 徳 利 7.2 (2.8) 32 SK18 磁 器 小 杯 盃 洗 (4.9) [13.0] 33 SK18 磁 器 水 注 水 滴 (2.3) 34 SK18 陶 器 碗 類 小 碗 4.9 [9.0] [2.4] 5Y8/2 灰 白 7.5Y8/1 35 SK18 陶 器 碗 類 5.36 [12.4] [12.6] [4.6] 10YR6/4 にぶい 黄 橙 5YR2/2 36 SK18 陶 器 碗? (5.3) [11.0] 10YR7/2 にぶい 黄 橙 2.5YR4/1 37 SK18 +SK20 陶 器 甕 類 (8.1) [15.0] [17.3] 7.5YR4/2 灰 褐 5Y6/4 38 SK18 +Ⅵ 層 陶 器 皿 類 油 皿 1.85 [24.3] [24.7] [23.7] 7.5YR7/6 橙 +Ⅳ 層 39 SK18 陶 器 瓶 (8.8) 5Y4/2 灰 オリーブ 5Y7/3 40 SK18 +Ⅳ 層 陶 器 水 注 土 瓶 (11.05) [9.0] 7.5YR6/3 にぶい 褐 5Y6/3 + 撹 乱 41 SK18 陶 器 蓋 土 瓶 3.3 9.7 7.2 2.35 5Y6/2 42 SK18 陶 器 鍋 類 行 平 把 手 長 径 (7.0) 短 径 (3.18) 7.5YR6/3 にぶい 褐 10YR3/2 43 SK18 +Ⅳ 層 陶 器 水 注 急 須 注 口 長 径 (3.7) 短 径 (1.8) 9/0 + 撹 乱 44 SK18 陶 器 鍋 土 鍋 (6.8) [21.5] [22.3] 5YR3/2 45 SK18 土 師 質 鉢 類 涼 炉 (5.1) [15.0] 2.5Y8/2 灰 白 46 SK18 陶 器 皿 類 皿 (2.25) [13.6] 5Y8/2 47 SK18 陶 器 瓶 類 溲 瓶 (14.68) 7.0 20.25 14.7 10YR2/1 48 SK18 陶 器 鉢 類 擂 鉢 10.25 27.8 28.2 12.0 10R5/6 赤 49 SK18 土 師 質 鉢 類 七 厘 19.0 18.3 23.0 19.0 N1.5/0 黒 66
産 地 時 期 備 考 図 図 版 内 面 内 面 釉 薬 胎 土 7.5Y8/1 灰 白 砥 部 18c 末 ~19c 色 絵 灰 白 2.5Y8/2 灰 白 2.5Y8/2 灰 白 京 信 楽 系 色 絵 9/0 白 肥 前 系 19c 7.5Y8/1 灰 白 胴 部 5Y7/6 黄 5Y8/2 灰 白 交 趾? 交 趾 焼 か? 黒 褐 10YR6/3 にぶい 黄 橙 5YR4/3 にぶい 赤 褐 7.5YR6/4 にぶい 橙 筒 状 墨 書 2.5Y4/1 黄 灰 N7/0 灰 白 灰 白 5Y7/1 灰 白 10YR8/2 灰 白 京 信 楽 系 9/0 白 肥 前 系 19c 9/0 白 肥 前 系 灰 白 5Y8/2 灰 白 京 信 楽 系 N8/0 灰 白 18c 7.5Y8/1 灰 白 肥 前 系 18c 末 ~19c 高 台 が 削 られている 黒 褐 10YR8/3 浅 黄 橙 10YR8/2 灰 白 源 内 焼 軟 質 施 釉 陶 器 10YR7/2 にぶい 黄 橙 たんころ 形 7.5YR6/6 橙 10YR7/3 にぶい 黄 橙 7.5YR5/4 にぶい 褐 N8/0 灰 白 肥 前 系 7.5Y8/1 灰 白 肥 前 系 18c 2.5GY8/1 灰 白 肥 前 系 18c 末 ~19c 柳 垂 下 文 砥 部? 9/0 白 肥 前 系 18c 末 ~19c 図 9 - 図 9 図 版 17 図 9 図 版 17 図 9 - 図 9 - 図 9 図 版 17 図 9 図 版 17 図 14 図 版 17 図 14 図 版 17 図 14 図 版 17 図 14 図 版 17 図 14 - 図 18 - 図 18 - 図 18 図 18 図 版 17 図 版 17 図 18 図 版 17 図 18 図 版 17 図 18 - 図 20 - 図 20 - 図 20 - 報 告 番 号 1 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 15 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 7.5Y8/1 灰 白 肥 前 系 19c 破 片 3 個 体 あり 図 20 図 版 17 27 7.5Y8/1 灰 白 肥 前 系 18c 末 ~19c 蛇 の 目 凹 型 高 台 図 20-28 7.5Y8/1 灰 白 肥 前 系 18c 末 ~19c 図 20-29 7.5Y8/1 灰 白 肥 前 系 19c 図 20-30 9/0 白 瀬 戸 美 濃 系 19c 図 20-31 9/0 白 19c 9/0 白 灰 白 7.5Y8/1 灰 白 5Y8/2 灰 白 京 信 楽 系 18c 末 ~19c 墨 書 田 黒 褐 5YR2/2 黒 褐 2.5Y7/2 灰 黄 赤 灰 10YR6/4 にぶい 黄 橙 2.5Y6/2 灰 黄 筒 状 オリーブ 黄 10YR6/3 にぶい 黄 橙 5Y6/4 オリーブ 黄 7.5R4/1 暗 赤 灰 図 20 図 版 17 図 20 - 図 20 - 図 21 図 版 17 図 21 - 図 21 図 版 18 32 33 34 35 36 37 10YR3/3 暗 褐 10YR8/4 浅 黄 橙 鉛 変 色 図 21 図 版 18 38 浅 黄 10R4/2 灰 赤 7.5Y6/1 灰 図 21-39 オリーブ 黄 5Y6/3 オリーブ 黄 2.5Y6/1 黄 灰 図 21 図 版 18 40 灰 オリーブ 5Y6/2 灰 オリーブ 5YR7/4 にぶい 橙 黒 褐 2.5YR6/6 橙 5Y6/3 オリーブ 黄 5Y6/1 灰 図 21 - 図 21 図 版 18 41 42 白 2.5Y7/2 灰 黄 10YR6/1 褐 灰 図 21-43 暗 赤 褐 10YR4/3 にぶい 黄 褐 5YR3/2 暗 赤 褐 2.5Y7/1 灰 白 備 前 系 2.5YR6/6 橙 煎 茶 用 灰 白 2.5Y8/2 灰 白 5Y8/2 灰 白 5Y8/1 灰 白 瀬 戸 美 濃 系 黒 5Y8/2 灰 白 10YR2/1 黒 2.5Y7/1 灰 白 図 21 図 版 18 図 21 図 版 18 図 21 - 図 21 図 版 18 44 45 46 47 10YR6/3 にぶい 黄 橙 2.5YR5/6 明 赤 褐 堺 明 石 系 図 22 図 版 18 48 2.5YR5/6 明 赤 褐 図 22 図 版 19 49 67
表 3 出 土 土 器 一 覧 (2/5) 報 告 番 号 遺 構 名 種 別 器 類 器 種 計 測 値 ( 残 存 値 )[ 推 定 値 ] 単 位 :cm 器 高 口 縁 部 径 体 部 最 大 径 底 ( 裾 ) 部 径 ツマミ 部 径 外 面 外 面 釉 薬 50 SK18 土 師 質 鉢 類 七 厘 (17.3) [19.2] 11.2 2.5YR5/6 明 赤 褐 51 SK18 土 師 質 鉢 類 焜 炉 [22.8] [21.8] N1.5/0 2.5Y6/4 黒 にぶい 黄 52 SK18 土 師 質 鉢 類 七 厘 部 品 さな (1.6) 長 径 (7.6) 短 径 (4.0) 7.5YR6/4 にぶい 橙 ( 上 ) 色 調 53 SK18 土 師 質 鉢 類 七 厘 部 品 さな (1.1) 長 径 (6.4) 短 径 (5.8) 10YR7/4 にぶい 黄 橙 ( 上 ) 54 SK18 土 師 質 特 殊 人 形 (2.45) 7.5YR7/4 にぶい 橙 55 SK18 瓦 質 鉢 類 火 鉢 [16.53] [20.8] [28.1] [19.1] 2.5Y4/1 黄 灰 63 SK20 +Ⅳ 層 + 撹 乱 陶 器 瓶 徳 利 (16.7) 10.0 7.6 5YR3/2 67 SK23 磁 器? (5.3) [3.2] 68 SK23 磁 器 碗 類 中 碗 朝 顔 形 碗 (4.0) 4.8 69 SK23 +SK28 +Ⅵ 層 上 70 SK23 陶 器 鉢 類 磁 器 碗 類 中 碗 広 東 碗 5.9 10.3 香 炉 火 入 れ (4.05) [8.8] 7.5Y7/1 71 SK23 陶 器 皿 類 灯 明 受 皿 1.9 [9.6] [9.78] [3.86] 2.5Y8/3 淡 黄 5Y7/2 72 SK23 陶 器 瓶 類 (12.8) 7.5YR4/3 73 SK23 陶 器 甕 類 (9.7) 7.5YR3/2 黒 褐 7.5YR2/1 76 SK28 磁 器 碗 類 蓋 朝 顔 形 碗 2.8 8.75 8.45 (3.0) 77 SK28 磁 器 碗 類 広 東 碗 6.8 11.3 11.4 [6.1] 78 SK28 磁 器 皿 類 4.1 [12.4] [12.6] 4.5 79 80 81 SK28 +Ⅵ 層 相 SK28 +Ⅵ 層 相 SK28 +Ⅵ 層 相 磁 器 皿 類 3.85 13.5 7.6 磁 器 皿 類 2.9 12.6 12.75 7.2 陶 器 碗 類 7.5 [9.6] [10.0] [4.5] 2.5Y8/2 灰 白 2.5Y8/4 82 SK28 陶 器 皿 類 3.35 [11.3] [11.5] [4.3] 2.5Y8/2 灰 白 7.5Y6/3 83 SK28 陶 器 壺 類 蓋 (1.6) (8.6) 5Y8/2 84 SK28 陶 器 瓶 徳 利 (3.85) [3.8] 5Y7/2 灰 白 7.5Y7/1 85 SK28 陶 器 鉢 類 (3.9) [7.2] 5Y8/1 灰 白 2.5Y4/2 86 SK28 陶 器 鍋 行 平 (4.3) [16.4] 7.5YR6/3 にぶい 褐 7.5YR5/4 87 SK28 陶 器 水 注 土 瓶 10.3 [8.2] [16.0] [5.8] 5Y7/2 灰 白 5Y6/3 88 SK28 +Ⅵ 層 陶 器 水 注 土 瓶 (10.3) 5Y8/1 89 SK28 陶 器 皿 類 灯 明 受 皿 1.25 7.05 7.45 2.75 2.5YR6/6 橙 90 SK28 陶 器 甕 類 (17.9) [24.6] 5YR6/4 にぶい 橙 91 SK28 土 師 質 (3.8) 5Y5/1 灰 灰 オリーブ 5Y6/2 92 SK28 土 師 質 壺 (8.9) [19.8] [30.4] 5YR6/6 橙 93 SK28 瓦 質 甕 類 (12.33) [22.1] N4/0 灰 99 SK29 磁 器 碗 類 (2.55) 3.5 100 SK29 磁 器 蓋 端 反 碗 (1.6) [9.1] 101 SK29 磁 器 皿 類 3.3 [12.2] [12.3] [4.2] 102 SK29 +Ⅵ 層 相 磁 器 鉢 類 (1.4) 103 SK29 磁 器 鉢 類 段 重 4.4 [8.0] [8.3] [5.2] 104 SK29 陶 器 碗 類 筒 形 碗 (3.8) 5.8 5Y8/2 灰 白 5Y8/2 105 SK29+Ⅵ 層 陶 器 瓶 人 形 徳 利 (5.3) 10R5/3 赤 褐 106 SK29 陶 器 甕 類 大 甕 [22.8] 5Y6/3 107 SK29 陶 器 水 注 急 須 (5.6) [6.4] [12.2] 10YR4/4 褐 5Y5/2 68