プラント業界、グローバル化への半世紀



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Transcription:

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プラント エンジニアリング主要企業 カテゴリー 専業大手 総合重機 重電 鉄鋼 機械系 ユーザー系 大手工事会社 企業名 日揮 千代田化工建設 東洋エンジニアリング 三菱重工業 川崎重工業 IHI 日立造船 三井造船 住友重機械 東芝 日立製作所 三菱電機 神戸製鋼所 JFE エンジニアリング 新日鉄住金エンジニアリング 荏原 木村化工機 クボタ ササクラ タクマ 月島機械 トーヨーカネツ 三菱化工機 旭化成エンジニアリング 出光エンジニアリング クラレエンジニアリング コスモエンジニアリング JX エンジニアリング JNC エンジニアリング 住友ケミカルエンジニアリング 東レエンジニアリング 三菱化学エンジニアリング 山九 新興プランテック 高田工業所 東芝プラントシステム 富士古河 E&C

日揮 設立年 :1928 年 専業大手の沿革 1928 年に 大阪府泉北郡大津町 ( 現泉大津市 ) に製油所を建設し 当初はガソリン製造を目的とする会社になろうとしていた 設立当初の社名は日本揮発油 しかし 昭和恐慌と製油所建設予定地周辺の住民反対運動に遭遇し 製油所建設を断念した その後 製油所建設のために米ユニバーサル オイル プロダクツ ( 現 UOP) 社から導入した石油精製プラントのプロセスライセンスにより エンジニアリング企業として事業を展開 日本石油 三菱石油 海軍 陸軍の燃料廠向けに石油精製プラントを建設した 戦争中は敗色濃厚になっていた日本軍向けに松根油を燃料にする技術開発にも取り組んだ 戦後 1950 年前後から わが国で石油精製プラントの操業が再開され 日揮の UOP 社とのライセンス契約が 52 年に復活 56 年に出光興産徳山製油所をグラスルーツ製油所として受注し 10 カ月で完工した 60 年代半ばに アルゼンチン ペルー ベネズエラ向けに製油所関連プロジェクトを受注 以後 海外プロジェクトに取り組む

千代田化工建設 設立年 :1948 年 専業大手の沿革 当時の三菱石油の工務部長だった 玉置明善氏が 戦後の石油精製事業の再開に備えて技術者を温存し 産業設備専門の高度な技術会社を作りたい という熱意から誕生した 国内では 三菱石油 水島製油所を建設するなどの実績を重ね 66 年にサウジアラビアのジェッダ製油所第一期プロジェクトを受注し その後に リヤド製油所 ヤンブー製油所などを受注した オイルショック時期には 高水準の原油価格により得られた潤沢なプロジェクト資金を背景に具体化した石油精製プラントをサウジアラビアで相次ぎ受注 80 年度より 3 年間続けて 3,500 億円の受注を上げ 83 年度には最終純利益が 500 億円を超えた

東洋エンジニアリング 設立年 :1961 年 専業大手の沿革 当時の東洋高圧 ( 現三井化学 ) の工務部門が独立して 設立された この頃 インドから東洋高圧の尿素プロセスのライセンス供与を求められることが多かったこと また当時は東洋高圧も千葉県茂原市に建設した肥料プラントが完工したこともあり 建設要員が余剰になっていた ライセンス活用の拡大と労務対策を目的に 設立された 設立間もない時期に持ち込まれた インド ゴラクプール肥料プラントを受注し 国際コントラクターとしての道を歩む 平行して 国内向けには米ルーマス社 ( 現 CB &I 傘下 ) の技術によりエチレンプラントなど 石油精製 石油化学プラントの建設プロジェクトにあたる 70 年代に旧ソ連から 32 基のアンモニアプラントを連続受注したのをはじめ 旧東独でも実績を築き 共産圏に強い TOYO と言われるようになった

専業大手 3 社の受注残高における海外比率 % 100.0 90.0 80.0 70.0 60.0 88.1 85.7 88.6 86.1 77.2 78.5 77.2 71.6 67.7 71.6 69.0 70.7 68.4 96.1 94.1 90.5 91.5 92.1 93.1 91.8 90.4 85.8 80.0 50.0 40.0 49.2 日揮千代田化工建設東洋エンジニアリング

東洋エンジニアリングの 1970 年前後受注高 売上高に見る海外比率 受注高 売上高 億円 2500 2000 1500 1000 500 0 99 1998 6276 156 764 0 207 708 252 71 747 214 31 108 237 億円 700 600 500 400 300 200 100 0 51 96 23 218 510 79 533 140 352 112 65 137 196 4965 114 海外 国内 海外 国内 出所 ) 東洋エンジニアリング 30 年のあゆみ

専業 3 社 売上高 営業利益合計推移 -80000-60000 -40000-20000 0 20000 40000 60000 80000 100000 120000 0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 百万円百万円 3 社売上高合計 3 社営業利益合計プラザ合意ベルリンの壁崩壊アジア通貨危機リーマンショック海外調達海外設計拠点 EPC の現地化

2 度の落ち込みの要因とその後の学習効果 85~90 年 1. 円高への対応遅れ ( 海外調達上の見込み違い ) 2. 原油価格下落時期で プロジェクト減少 少ないプロジェクトに多くのコントラクターが受注に凌ぎを削り 結果的に採算が悪化 学習効果海外調達の促進とその失敗 海外調達は異文化交流でもあった その中で 最適な調達方法の検討を進める 97~2001 年 1.90 年代後半の安値受注が経営を圧迫 ( 例 : 千代田化工建設受注のマレーシア マラッカ Ⅱ 製油所建設プロジェクト ) 同時にプロジェクトマネジャーに依存する管理体制にもメス 安値受注した時には 黒字化を考えてはいけない 赤字を減らすことを考えるべき ( プロジェクト インフルエンス カーブ ) 2. 過当競争の激化 3. プロジェクト遂行のミス プロジェクトマネジャーに依存する管理体制にもメス 全社でプロジェクトの進捗を監理するモニタリング体制を整備

プロジェクト インフルエンス カーブ

2 度の回復の要因 92~96 年 1. 東南アジア地域に外資企業が参入し プロジェクト市場が活況 需給関係が緩む 2. 円高対応がキャッチアップ ( 海外調達の推進 新規ベンダー開拓の成果 ) 3. プロジェクトマネジメント力のアップ 2001~2010 年 1.EPC 現地化の加速 2.LNGプロジェクトが増加 韓国などの新興国コントラクターとの競合を回避 3. プロジェクトマネジメント力のアップ (IT 活用も効果 )

専業大手の企業文化の特徴 ケース プロジェクトの失敗 失敗したプロジェクトマネジャーへの対応 契約 顧客との関係 サブコン ベンダーとの契約 取引 パートナーとの関係 グローバル化への対応 対応事例 犯人捜しではなく 原因を追求 社内で原因を共有し 財産にしてきた 再度チャンスを与えられる 複数回の失敗は許されないが 収益増加を目指すチャンスが与えられる 性悪説で厳しい 可能な限り 対等であることを目指す 契約重視で厳しく管理 海外のサブコン ベンダーは 国内とは異なり 契約に無いことはいっさい対応しない この点を契約上で明確にする 海外エンジニアリング企業との協業経験も多く 海外パートナーの良い面を吸収 また海外パートナーも日本企業の良い面に学んできた 顧客 パートナーともに海外が中心で 国際化の流れへの遅れは企業の死活問題になりかねない 常に国際社会との関わりを最優先にしてきた

成長を支えた要因 エンジニアリング IT の積極的な活用 3 次元 CAD 解析ソフト 調達管理ソフト プロジェクトマネジメントシステム (PMS) の積極的な活用 ( 石油メジャーなどの顧客が使用を求めたことも大きい ) 3 次元 CAD は わが国国内ではサブコンの工事会社も導入し 生産性を向上させている 世界的に プラントエンジニアリング産業では 3 次元 CAD などのエンジニアリング IT ツールが普及しており 最近では 設計はコモディティ化した と言われており エンジニアリング IT 化は競争力強化という点では効果が薄くなっている エンジニアリング IT は スタートラインに立つための最低条件でしかない 海外の顧客との良好な関係 海外 EPC 拠点の整備へ プラントを納入した需要国の工業化政策に対応する形で EPC 拠点を設立 ( 例 : 日揮による JGC ガルフ インターナショナル ) 海外拠点が実現された背景には エンジニアリング IT 化による事業インフラ整備がある

エンジニアリング企業の国際化 (1) 日揮 1974 年に インドネシア国営石油会社プルタミナとの合弁企業であるプルタフェニッキ ( 現 JGC インドネシア ) を設立したが 本格的な海外リソースの活用は 1989 年にフィリピンに設立したテクノサーブ ( 現 JGC フィリピン ) 以後 その他に JGC ガルフ インターナショナル ( サウジアラビア ) JGC アルジェリア JGC シンガポール JGC ベトナムを展開している また今年 5 月には JGC アメリカを開所した 要員数は JGC フィリピン 1,200 名 JGC インドネシア 660 名 JGC ガルフインターナショナル 800 名 JGC アルジェリア 330 名 JGC シンガポール 260 名 JGC ベトナム 200 名 JGC アメリカ 120 名

エンジニアリング企業の国際化 (2) 千代田化工建設 1971 年に 千代田シンガポールを設立 当時 日本の化学メーカーの進出があったのに加え 石油メジャーが中東原油の中間精製拠点をシンガポールに建設する動きがあり この動きを捉えた その後 1990 年代にフィリピンとインドにコスト競争力のあるエンジニアの確保を目的に拠点を設立した フィリピンには 千代田フィリピン社 インドには現地 L&T( ラーセン & ツゥブロ ) 社との合弁企業 L&T 千代田を設立した 2000 年以降には プラントの需要地の近隣に合弁を設立した カタールには 2008 年に現地企業と千代田アルマナエンジニアリング 2013 年には UAE に千代田 CCC エンジニアリング社を設立した 千代田シンガポール 500 名千代田アルマナエンジニアリング ( カタール ) 730 名千代田フィリピン 910 名 L&T-Chiyoda( 印 ) 820 名千代田マレーシア 140 名千代田インターナショナル ( 米国 ) 50 名

エンジニアリング企業の国際化 (3) 東洋エンジニアリング 1961 年の創業とともに インドで肥料プラント建設プロジェクトを受注 これを皮切りにインド市場に浸透 1976 年に東洋エンジニアリング インディアを設立した 85 年にはタイ向けに建設したガス分離プラントの建設プロジェクトのために集めたエンジニアをプールする目的でトーヨータイを現地ゼネコンのイタルタイとともに設立した 以後 マレーシア 韓国 中国に現地合弁企業を展開した 各地の現地合弁も育成され 2000 年以降には インド マレーシア 韓国 中国をEPC 拠点として活用する Global Toyo 体制を整備した また トーヨータイはタイ唯一のEPCコントラクターとして実績を築き 2009 年にタイ証券市場で上場を果たした 現在では タイ ベトナム マレーシアなどの東南アジア全域 カタール UAEなどの中東 米国でも実績を築いている TOYO-INDIA 2,100 名 TOYO-KOREA 400 名 TOYO-CHINA 500 名 TOYO-MALAYSIA 300 名 TOYO-THAI 2,500 名

エンジニアリング企業の国際化を可能にしたもの 元々 海外市場を中心に展開してきたため 言葉 生活習慣に抵抗のない社員が多かった 外資系企業として 現地の優秀なエンジニアを確保し これらエンジニアに日本の品質を理解させたこと 海外プロジェクトにおける契約および契約管理を厳格かつ的確に実施することで 契約上の問題で 大きな損失を生じることが減少したこと 2000 年以後は エンジニアリング IT の普及に伴い 海外の現地合弁が従来以上に活用しやすくなった 海外拠点は 専用のインターネット回線でつながれ 世界のどこでも均質にハイクオリティの EPC が実現できることが 国際社会で戦うための必須条件になった

億円 億ドル

2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 ( 上期 ) わが国エンジニアリング産業の課題 ( 韓国勢の台頭 ) 700.0 644.8649.9647.6636.8 600.0 億ドル 500.0 400.0 300.0 200.0 100.0 186.6191.3 63.7 83.6 255.9 254.0 158.1 176.4 462.1463.0 421.8 236.0 274.9 233.0 250.3 222.3 157.9167.2 337.5 日本 韓国 0.0 出所 ) 日本機械輸出組合 韓国産業通商資源部

わが国エンジニアリング産業の課題 ( 韓国勢の台頭 - かげりが見え始めた業績 ) ( 単位 :10 億ウォン ) 大林産業 GS 建設現代建設サムスンエンジニアリング出所 ) 各社決算資料 2012 年 2013 年 2014 年 1H 売上高 10,253 9,847 4,694 粗利益 1,034 509 355 粗利益率 (%) 10.1 5.2 7.6 営業利益 486 40 142 経常利益 560-14 113 純利益 401-10 85 売上高 9,290 9,581 4,407 粗利益 716-415 152 粗利益率 (%) 7.7-3.5 営業利益 160-937 -7 経常利益 170-988 -25 純利益 108-772 -26 売上高 13,325 13,938 7,993 粗利益 1,249 1,209 761 粗利益率 (%) 9.4 8.7 9.5 営業利益 760 793 467 経常利益 737 762 372 純利益 567 567 276 売上高 11,440 9,806 4,414 粗利益 1,291-547 294 粗利益率 (%) 11.3-6.7 営業利益 737-1,028 108 経常利益 705-917 61 純利益 525-709 49

わが国エンジニアリング産業の課題 ( 特定分野への高い依存度 ) 千代田 (14.3 受注残高 ) ファイン インダストリー 4% 石油 石油化学 20% ガス処理 2% LNG プラント 74%

わが国エンジニアリング産業の課題 ( 特定分野への高い依存度 ) 発電 原子力 新エネルギー 日揮 (14.3 受注残 ) その他 0% 石油 ガス 資源開発 7% 5% 化学関係 8% 石油精製 24% LNG 関係 55%

わが国エンジニアリング産業の課題 ( サイトの安全をいかに確保するか ) 2013 年 1 月にアルジェリアのサイトで日揮社員がテロに巻き込まれ 犠牲にこれからは HSSE( ヘルス セーフティ セキュリティ エバイロメント ) を重視 ( アルジェリアからの帰国後 記者会見する川名社長など日揮首脳陣 )

国内市場対応で生き抜いてきたゼネコンが背負う十字架 新たなビジネスモデルを築けるか

1990 年度 1992 年度 1994 年度 1996 年度 1998 年度 2000 年度 2002 年度 2004 年度 2006 年度 2008 年度 2010 年度 2012 年度 わが国建設業の受注高推移 30,000 25,000 20,000 10 億円 15,000 10,000 5,000 0 国内 海外 出所 ) 日本建設業連合会

わが国建設業の受注推移 1990 年代初頭は 25~26 兆円の規模で始まったものの その後 減少し 2000 年度には 14 兆円台になった その後 リーマンショック後の 2009 年度に 10 兆円を下回り 9 兆 9,780 億円となったが 2011 年度以降は 10 兆円規模を回復した 海外市場への対応は限定的で 1 兆円を上回ったのは 1997~98 年度の 2 年間と 2006 年度 2013 年度は 8,600 億円と増加傾向を示したが 受注総額 12 兆 6,290 億円の 6.8% にすぎない わが国の建設業界は 国内市場偏向型で海外市場については 過去を見ても経験不足が明らか 過去にも契約上の問題で 多額の損失を計上している ( アルジェリア高速道路 ドバイ メトロなど )

建設就業者数推移 建設業就業者数は ピーク時 (1995 年 ) の 663 万人に対し 2010 年度は 447 万人まで減少した

高齢化する建設業就業者 建設就業者は全産業の平均と比べて 高齢者 (55 歳以上 ) 割合が高く 若年層 (29 歳以下 ) 割合が低い

利益率はどうか ( 専業大手 ) ( 単位 : 百万円 ) 日揮 千代田化工建設 東洋エンジニアリング 2013.3 2014.3 売上高 624,637 675,821 粗利 84,473 88,384 粗利益率 (%) 13.5 13.1 営業利益 64,123 68,253 経常利益 72,489 83,675 純利益 46,179 47,178 売上高 398,918 446,147 粗利 42,515 41,462 粗利益率 (%) 10.7 9.3 営業利益 25,113 21,079 経常利益 25,518 22,837 純利益 16,077 13,447 売上高 228,723 230,124 粗利 24,200 25,155 粗利益率 (%) 10.6 10.9 営業利益 1,593 455 経常利益 4,032 4,942 純利益 1,457 967

利益率はどうか? ( 総合建設 +1) 2013.3 2014.3 売上高 1,448,305 1,612,756 粗利 114,687 112,059 大林組 粗利益率 (%) 7.9 6.9 営業利益 35,153 31,991 経常利益 44,690 40,135 純利益 13,195 21,627 売上高 1,485,019 1,521,191 粗利 81,330 83,606 鹿島建設 粗利益率 (%) 5.5 5.5 営業利益 18,469 23,007 経常利益 24,633 27,006 純利益 23,429 20,752 売上高 1,416,044 1,497,578 粗利 83,042 95,774 清水建設 粗利益率 (%) 5.9 6.4 営業利益 13,101 26,054 経常利益 17,330 29,277 純利益 5,901 14,191 売上高 1,416,495 1,533,473 粗利 111,819 131,026 大成建設 粗利益率 (%) 7.9 8.5 営業利益 35,606 53,773 経常利益 35,063 56,756 純利益 20,050 32,089 売上高 998,381 1,020,956 粗利 - - 竹中工務店 粗利益率 (%) - - 営業利益 - 経常利益 12,595 21,709 純利益 6,122 7,162 売上高 2,007,989 2,700,318 粗利 415,771 507,903 大和ハウス工業 粗利益率 (%) 20.7 18.8 営業利益 128,024 163,576 経常利益 145,395 176,366 純利益 66,274 102,095 注 ) 竹中工務店は非上場で12 月決算 ( 単位 : 百万円 )

利益率はどうか? ( 海外有力エンジニアリング企業 ) HOCHTIEF( 百万 ) ( ドイツ ) VINCI( 百万 ) ( フランス ) STRABAG( 百万 ) ( オーストリア ) FLUOR( 百万 $) ( 米国 ) KBR( 百万 $) ( 米国 ) 2012 年 2013 年 売上高 25527.7 25693.2 営業利益 - - EBITDA 1721.7 1909.2 EBITDA 率 (%) 6.7 7.4 売上高 38,634 40,338 営業利益 3,679 3,670 営業利益率 (%) 9.5 9.1 EBITDA - - 売上高 12,983 12,475 EBITA 608 695 EBITA 率 (%) 4.7 5.6 売上高 27,577 27,352 利益 456 668 利益率 (%) 1.6 2.4 売上高 7,770 7,214 税引前利益 299 308 利益 202 171 利益率 (%) 2.6 2.4

ENR 上位企業 (20 位以上 + 日本企業 ) 順位 ENR 誌 TOP250(2014) 社名 2014 年度売上高 ( 百万ドル ) 2014 2013 海外 合計 1 1 GRUPO ACS( スペイン ) 44,054 51,029 2 2 HOCHTIEF AG( ドイツ ) 34,845 37,013 3 3 BECHTEL( アメリカ ) 23,637 30,706 4 4 VINCI( フランス ) 20,293 54,107 5 5 FLUOR CORP( アメリカ ) 16,784 22,144 6 6 STRABAG( オーストリア ) 15,392 18,023 7 7 BOUYGUES( フランス ) 14,789 35,993 8 8 SKANSKA( スウェーデン ) 14,141 18,447 9 10 CHINA COMMUNICATIONS CONSTRU CTION ( 中国 ) 13,163 54,182 10 11 TECHNIP( フランス ) 12,243 12,399 11 8 SAIPEM( イタリア ) 12,138 12,310 12 12 CONSTRUTORA NORBERTO ODEBRECHT( ブラジル ) 9,877 15,146 13 13 現代建設 ( 韓国 ) 8,708 13,785 14 - FERROVIAL( スペイン ) 7,417 10,862 15 13 サムスンエンジニアリング ( 韓国 ) 7,133 9,293 16 16 BILFINGER SE( ドイツ ) 6,854 11,302 17 36 サムスン物産 ( 韓国 ) 7,133 9,293 18 19 ROYAK BAM GROUP( オランダ ) 5,936 9,677 20 24 CHINA STATE CONSTRUCTION ENGINEERING CORP( 中国 ) 5,743 97,870 27 32 日揮 4,822 5,229 29 28 GS 建設 ( 韓国 ) 4,713 8,894 30 26 大林産業 ( 韓国 ) 4,381 8,081 43 35 SK 建設 ( 韓国 ) 3,051 7,100 44 65 千代田化工建設 2,958 4,160 45 47 大林組 2,889 16,154 49 49 大宇建設 ( 韓国 ) 2,760 7,978 ( 出所 )ENR2014 年 8 月 25 日 /9 月 1 日

ENR TOP250 上位ランカーの特徴 2000 年代の事業に特徴独 HOCHTIEF 1990 年代にコンストラクション サービス プロバイダーとして成長する方針を明確にする これに伴い コンセッションビジネスに力を入れ 空港事業やインフラ関連の事業権による事業に注力 力を付け 2000 年に米 Turner Construction を 100% 子会社 2001 年に豪 Leighton Holdings の株式を 50.2% 取得 2007 年以降はライフサイクルマネジメントに注力 また 2007 年にスペインの GRUPO ACS が株式の一部を取得 その後 2011 年にマジョリティを取り HOCHTIEF Turner Construction Leighton Holdings を傘下に入れた 仏 VINCI 2000 年代にコンセッションビジネスに力を入れ 橋梁などのインフラ事業に進出 高速道路の運営などに力を入れる オーストリア STRABAG オーストリアでは 2006 年に国内の建設会社 3 社 STRABAG ILBAU STUAG の 3 社を統合し 新生 STRABAG とした 上位ランカーになっている企業は 2000 年代に M&A により業容を拡大している また コンストラクションを手段にして新たなプロフィットゾーンを切り開いている

御清聴 ありがとうございました ENN 編集長丸田敬 重化学工業通信社 TEL:03-5207-3332 E-mail:tkmaruta@iea.att.ne.jp