HDR 制作の検討ポイントとワークフロー Avid HDR セミナー 最新動向に学ぶ HDR と 4K 制作ソリューション 2016/2/23 株式会社 IMAGICA 由良俊樹
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Key Word 輝度 cd/m 2 nits stop ex. 10 stops = 2 10 = 1024 OETF EOTF 色域 Color Gamut Color Volume ITU-R BT.2020 SMPTE ST 2084 PQカーブ ARIB STD-B67 Hybrid Log Gamma 後方互換性 Backward Compatibility 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 3
HDR とワークフロー 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 4
HDR とワークフロー 撮影 工程はこれまでと変わらない 画像処理 / 編集 / グレーディング 撮影 オフライン編集 VFX 作業 データコンフォーム カラーグレーディング タイトル入れ 完成 素材の状態や表示の設定 ( ルール ) 表示 がこれまでとは異なる 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 5
HDR とワークフロー 撮影 撮影済み素材としてどのようなものが良いか? 画像処理 / 編集 / グレーディング 十分なダイナミックレンジと 階調が捉えられていること 表示 SDR 表現幅撮影輝度レンジ HDR 表現幅 ( 規格上 ) 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 6
HDR とワークフロー 撮影 画像処理 / 編集 / グレーディング 表示 Digital Shooting: カメラセンサーダイレクトの階調や log 階調の収録素材 Film Scanning: ネガフィルムであれば十分な階調を持っている可能性 Computer Graphics(VFX 合成データ含む ): OpenEXR (SceneLinear) のデータは適しているどこかに明るさの基準を設ける必要がある 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 7
HDR とワークフロー 撮影 HDR の方式 標準規格 様々な方式と規格が存在し 画像処理 / 編集 / グレーディング 表示 目的に合わせた仕上げが求められる Dolby Vision (ST 2084) HDR 10 (ST 2084) Hybrid Log Gamma etc. 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 8
HDR の方式 標準規格 EOTF (OETF) 方式用途特徴 DOLBY VISION 映画 配信 BD 12bit, HEVC+AVC(YUV420), フレーム / カット毎の輝度を Metadata によりマッピング, Pulsar 4000nits モニターをマスター PQ SMPTE ST 2084 HDR 10 (BDA) BD 配信 10bit, Color Primaries : ITU-R BT.2020, Metadata : SMPTE ST 2086, MaxCLL, MaxFALL Philips BD 配信 10bit, Metadata ST2086 他, 5000nits マスター, SDR コンパチモードあり ARIB STD-B67 Hybrid Log Gamma 放送 ( 配信 ) NHK と BBC にて検討されている,OETF の規格, EOTF は協議中, 輝度 0.5 までは現行の Rec.709 と同じ 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 9
HDR10のメタデータ SMPTE ST 2086 マスタリングしたディスプレイの色域 色温度 最高輝度 最低輝度を伝えるためのメタデータ MaxCLL : Maximum Content Light Level 1フレーム内のR,G,Bの中で一番大きい値を算出し 更にそれの全フレームでの最大値を算出する MaxFALL : Maximum Frame Average Light Level 1フレーム内のR,G,Bの中で一番大きい値の平均値を算出し 更にそれの全フレームでの最大値を算出する 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 10
Light Level (nits) 10000 LUCORE 1,000nits - Location - MaxCLL vs MaxFALL 1000 100 10 1 216000 218000 220000 222000 224000 226000 228000 Frame Number Max CLL Max FALL 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 11
LUCORE LUCORE ポスプロとして開発してきた色管理技術をベースに作成された 階調再現と色再現を評価するための UHD & HDR 評価画像 LUCORE の用途 広い輝度レンジ 色域をモニターでどう再現するのかを評価する そもそも ST2084 (HLG) って何かを知る IMAGICA で作った SDR,HDR の色再現を参考にする 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 12
LUCORE 制作ワークフロー 撮影 SONY F65 RS 3840x2160 59.94P F65RAW SQ データバックアップ オフラインメディア生成 F65RAW SQ to Prores422 S-Log3 S-Gamut3 3840x2160 59.94P データコンフォーム & カラーグレーディング Baselight F65 RAW SQ 3840x2160 59.94P HDR ST 2084 BT.2020 (1,000nits Ver, 10,000 nits Ver) SDR gamma2.2 BT.2020 オンライン編集 & プレビュー Autodesk FLAME 16bit TIFF 3840x2160 59.94P オフライン編集 Premire 3840x2160 59.94P EDL カラーマネジメント変換 Hybrid Log Gamma BT.2020 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 13
Light Level (nits) 10000 LUCORE 1,000nits - Location - MaxCLL vs MaxFALL 1000 100 MaxCLL : 10,000 nits MaxFALL : 627.76 nits 10 1 216000 218000 220000 222000 224000 226000 228000 Frame Number Max CLL Max FALL 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 14
HDR 仕上げの検討ポイント 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 15
HDR 仕上げの検討ポイント HDR 映像の制作にあたり基本的な検討ポイント 撮影は? 表示デバイスは? ターゲットEOTFは? 視聴のターゲットは複数であることも? CG / VFX / アニメは? カラーグレーディングは? 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 16
HDR 仕上げの検討ポイント撮影は? 押さえておかなければならないことはあるが 試行錯誤の段階 カメラのダイナミックレンジの把握と検討 収録階調の検討 Slog3 / Slog2, CanonLog, LogC 等 Stop 数と輝度の図 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 17
HDR 仕上げの検討ポイント 撮影は? ST 2084では現場でのメーターベースの確認が重要 現場でHDR 対応モニタが準備できるケースは稀 シーンの輝度を撮影データに反映させることが必要 波形モニタの見方が変わる Hybrid Log Gammaでは現在を踏襲して信号管理ハイライト / シャドーの収め方の検討 最終的な仕上がりを考え 工夫した収め方も時には検討が必要 ライティングの検討 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 18
HDR 仕上げの検討ポイント表示デバイスは? どの方式 規格で仕上げるか現状 HDR 表示ができる表示デバイスが限られている 撮影時 中間工程時にHDR 表示デバイスが使用できるか マスタリング時に何 nitsまで表現できる表示デバイスを使うか 最終上映はどのような表示デバイスか 複数の方式 規格への対応が必要か 単純に変換できるものと そうではないものがある 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 19
ST 2084 での注意点 今までデータに存在する全ての階調が表示デバイス上で見えていた ST 2084 ではデータには存在するがその表示デバイスの最高輝度までの階調しか見えないということが起こる 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 20
CG / VFX / アニメは? HDR 仕上げの検討ポイント Computer Graphics は HDR との相性がよい 今までの SDR の表現方法とは変わってくるところがある 輝いているように見せるためのエフェクトがいらなくなる 暗い部分でライティングをして見せていたところがライティングなしでも見えるようになる 逆に SDR で飛ばそうとしたところが見えてきてしまうことがある 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 21
HDR 仕上げの検討ポイント カラーグレーディングは? HDR 対応機能をつけてきているシステムが増えている 表示デバイスの仕様 / 設定を十分把握したモニタリング 輝度領域のバランスの検討 同時に SDR コンテンツのカラーグレーディング 今までと違うところ 輝度が高いところに色がのる ハイライトに目がいきがちだが中間や暗部のディティールもでやすくなる フレア感 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 22
HDR 制作のこれから ~ ポスプロの立場から ~ 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 23
HDR 制作のこれから 経験蓄積段階にあるポイント 撮影 広い色域との組み合わせによる見せ方 高輝度領域における見せ方 各種 HDRフォーマットの互換 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 24
HDR 制作のこれから 各種 HDR フォーマットの互換 変換前と変換後の映像の条件をなるべく正確にコントロールすることが重要 階調と色域の変換 階調 :ST 2084, Hybrid Log Gamma, 色域 :BT.2020, DCI-P3, BT.709, しばらくは相互変換が必要な場面が多いのでは? 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 25
HDR 制作のこれから 各種 HDR フォーマットの互換例 作業中素材 Camera Log CG ST 2084 Hybrid Log Gamma 輝度レンジや色域を把握した変換をすることが重要 変換前の情報を変換先の条件で収められない変換もあるので注意 理論どおりの変換 + 目視によるカラーグレーディング 2016/2/23 Copyright 2016 IMAGICA Corp. All rights reserved. 26
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