経営管理スキルアップシート 運送原価計算ワークブック
1. はじめに ~ 資料を準備しましょう ~ 原価計算を行うには 費用の根拠となる資料を集める必要があります まず 基本的なものとして 下記の資料を集めて下さい 資料名 利用目的 車検証 当該車両の積載量 総重量 仕様等を確認する 車両管理台帳 購入価格 修繕等の実施状況から車検 修理等に係るコストを把握する リース契約書 ( リースの場合 ) リース契約期間 リース料金 条件 ( 料金に含まれるサービス等 ) がわかる 納税記録 重量税 自動車税を確認する 保険証書 自賠責 任意保険など各種保険にかかる費用を確認する 賃金台帳 法定帳簿の1つで年末調整等でも利用している資料 ドライバーの賃金がわかる 運転日報 稼働 燃料油脂等の使用記録 高速道路等の使用記録等がわかる 契約ガソリンスタンドからの請求書 燃料費がわかる カード利用明細 ETC 利用記録 高速道路の使用状況 費用がわかる 事業報告書 ( 事業報告書 損益明 運輸支局に提出している資料 一般管理等の人 細表 人件費明細表等 ) 件費総額やその他費用など当該車両と紐付けで きない費用を案分計上する - 1 -
2. 算出の手順 運送原価を構成する費目は 営業費用 ( 運送活動及び管理に係る費用 ) と営業外費用 ( 投資 財務活動に係る費用) に分かれます 以下のフローの手順にそって正確に算出しましょう (1) 運送費 1 車両費 : 車両償却費 ( 又はリース料 ) と車両関連税に区分して算出します 1) 減価償却費 : 車両の減価償却費で取得価額と使用年数から算出します 2) 自動車関連諸税 : 自動車取得税 自動車税 自動車重量税 3) 自動車リース料 : 車両をリース契約にしている場合の月額リース料 2 保険料 : 自賠責保険 任意保険を算出します 4) 自賠責保険料 : 加入が義務づけられている自賠責保険料 5) 任意保険料等 : 任意保険料 ( 任意車両 任意対人 任意対物 任意搭傷 ) 3 燃料油脂費 : 燃料費 油脂費を算出します 6) 燃料費 : 軽油などの燃料費 7) 油脂費 : エンジンオイル等 4 修繕費 : 車検費 修繕費 タイヤ チューブに区分して算出します 8) 車検整備費 : 車検整備費用 9) 一般修理費 : 定期点検整備料金 一般修理費及び部品費など 10) タイヤ チューブ費 : タイヤ チューブ費 5 人件費 : 給与 賞与 法定福利費 その他人件費に区分して算出します 11) 給与 : 運転者の固定給 ( 月間 ) と 変動給 ( 月間 ) 12) 賞与 : 運転者の年間賞与額を月額換算 13) 法定福利費 : 雇用保険 労災保険 健康保険 厚生年金保険 介護保険 ( 使用者負担額 ) 14) その他人件費 : 退職金積立額 法定外福利厚生費など 6その他運送費 : 車庫等の施設費 高速料金 その他費用に区分して算出します 15) 車庫等の施設費 : 車庫等の施設費 賃料 16) 高速料金等 : 高速道路 有料橋 フェリー等の料金 17) その他運送費 : その他消耗品費 事故費 運送保険 その他費用 (2) 一般管理費 7 一般管理費 : 一般管理業務 ( 運行管理 整備管理 総務 経理 営業 ) に従事する人件費を算出します 18) 人件費 : 運送費に含まれない管理部門 ( 運行 整備管理 総務 経理 営業 ) の人件費 8その他費用 : 一般管理費のその他費用を算出します 19) その他費用 : 運送費に含まれない管理部門経費 ( 減価償却費 保険料 施設使用料 宣伝広告費など ) (3) 営業外収支 20) 営業外収支 : 営業外費用 ( 借入金の金利等の金融費用等 )- 営業外収入 ( 金融収益等 ) 費用合計 次ページ以降では 実際に数字を書き込みなら計算するための方法を示します - 2 -
(1) 運送費 1 車両費 車両償却費 ( 又はリース料 ) と車両関連税に区分して算出します 1) 減価償却費 車両を購入している場合は減価償却費が発生します 実使用月数で月額計算します 減価償却費 ( 車両取得価額 + 金利 手数料 ) 実使用月数 この場合 3) リース料は計上しません 償却月数として法定耐用年数 4 年 ( 48 カ月 ) を使用する場合 その月数で割った償却額は稼働当初 過大に算出されます 実際には4 年を超えて車両を利用することが多く 実質的な償却額を算出するには 使用年数の実績や使用見込みから 例えば8 年 ( 96 カ月 ) などで割る方法をとります 取得価格として 車両価格 架装費を 11,000,000 とし 車両の使用年数は実績から 8 年 (96 カ月 ) とした例 車両の取得価額 車両の償却額 / 月 11,000,000 96 114,583 ( 償却年数 8 年の場合 96 カ月 ) 車両の取得価額 車両の償却額 / 月 償却年数 ( ) 年の場合 ( ) カ月 - 3 -
2) 自動車関連諸税 自動車取得税 車両価格の 3% の額を 車両の実使用月数で割ります 自動車取得税は 車の取得に対し課税される都道府県税です 営業用貨物車の場合 取得価格に対する 3% の課税となります また グリーン化税制などで軽減措置があれば考慮します 自動車税自動車税の年額を 12 カ月で割ります 自動車税は 自動車の所有に対して課税される道府県税です 都道府県によって税率が変わります 最大積載トン数 1トン以下 2トン以下 3トン以下 4トン以下 5トン以下 6トン以下 7トン以下 8トン以下 税額 6,500 9,000 12,000 15,000 18,500 22,000 25,500 29,500 8トン超は 1トンまでごとに4,700 を加算 自動車重量税自動車重量税の年額を 12 カ月で割ります 自動車重量税は 車検などの際に自動車の重量等に応じて課税される国税です 車両総重量に対し 1t 当たり 2,700 を乗じた額です なお トレーラ ( シャーシ ) は非課税です 最大積載量 9.5 トン 総重量 19.8 トン 取得価格 11,000,000 使用年数は 8 年 (96 カ月 ) とした例 取得税 / 月 自動車税 ( 年額 ) 重量税 ( 年額 ) 330,000 96 + 38,900 12 + 54,000 12 ( 使用期間 96 カ月 ) ( 取得価額 1,100 万 課税額 3%) ( 車両総重量 20トン 2,700 ) ( 切り上げ整数 ) 自動車関連諸税 / 月 11,179 取得税 / 月 自動車税 ( 年額 ) 重量税 ( 年額 ) + 12 + 12 使用月数 ( ) カ月 ) 車両総重量 ( ) トン 2,700 取得価額 ( ) 万 課税額 3% 自動車関連諸税 / 月 - 4 -
3) 自動車リース料 リース契約の場合は減価償却費のかわりに月額リース料を計上します 自動車関連諸税 自 賠責保険の負担は契約により異なるため 実情に合わせて計上して下さい リース料に含まれるもの ( 印 ) 車両取得価格 自動車取得税 ( 初回 ) 自動車税 ( 毎年 ) 自動車重量税 ( 毎年 ) 自賠責保険 車検整備費用 一般修理費 2 保険料 : 自賠責保険 任意保険を算出します 4) 自賠責保険自賠責保険の年額を 12 カ月で割ります 自動車損害賠償責任保険 ( 自賠責保険 ) とは 公道を走るすべての自動車やバイク ( 原付含む ) に加 入が義務づけられており 一般に 強制保険 と呼ばれています 小型貨物自動車およびけん引小型貨物自動車 ( 営業用 12 ヶ月契約 ) では 23,330 普通貨物自動車およびけん引普通貨物自動車 ( 営業用 12 ヶ月契約 ) では 最大積載量が 2 トン以下のもの 34,570 最大積載量が 2 トンを超えるもの 49,550 5) 任意保険任意保険の年額を 12 カ月で割ります 任意車両 任意対人 任意対物 任意搭傷などの合計保険料を計上します 任意保険料が229,500 とした例 自賠責保険料 ( 年額 ) 49,550 12 + 任意保険料 ( 年額 ) 保険料 / 月 229,500 12 23, 254 自賠責保険料 ( 年額 ) 任意保険料 ( 年額 ) 保険料 / 月 12 + 12-5 -
3 燃料油脂費 6) 燃料費 軽油の購入価格は地域差や購入形態による差があるため 各社の実績単価で月額計算します また 積載貨物や走行道路の状況等により燃費 (1 リットルあたりの走行距離 ) が異なるため 当該 車両の実績燃費で計算します 具体的には 燃料費の算出には 2 つの方法があります 一定期間の燃料調達費から算出 1 カ月 半年など一定期間に当該車両が消費した軽油の調達費用を合計して月数で割る 6 カ月の燃料使用量 13,170 リットル 燃料購入単価 77.4 / リットル 6 カ月の燃料購入費計 対象月数 燃料費 1,019,358 6 カ月 169,893 燃費と月間走行距離から算出 当該車両の燃費 ( km/l) と月間走行距離 ( km ) 及び軽油の調達価格 ( /L) をもとに算出 する 月間走行距離 燃費 燃料購入単価 燃料費 7,024 km 3.2 km/ リットル 77.4 / リットル 169,893 月間走行距離 燃費 燃料購入単価 燃料費 km km/ リットル / リットル < ヒント > 燃費効率を社内で競わせてみましょう 競争することで必ず大きな効果が得られます - 6 -
7) 油脂費 エンジンオイルなどの油脂費についても燃料費と同様です 一定期間のオイル購入費から算出 1カ月 半年など一定期間に当該車両が消費したオイル費の調達費用を合計して月数で割る エンジンオイル交換には 1 回当たり 24 リットル必要で 過去 1 年間の実績では 8 回交換をした例 12 カ月のオイル使用量 192 リットル オイル購入単価 300 / リットル 12 カ月のオイル購入費計 対象月数 油脂費 57,600 12 カ月 4,800 オイル効率と走行距離から算出 オイル効率 (1リットル当たりの走行距離( km/l ) と月間走行距離 オイルの調達価格 ( /L) が把握されていれば これにより算出します なお 1リットル当たりの走行距離 ( km/l) は オイル交換の目安としている走行距離と交換時 に必要なオイル量から求められます オイル交換の目安距離 10,000 km 1 回のオイル交換量 オイル効率 24 L 417 km/l 月間走行距離 オイル効率 オイル購入単価 油脂費 7,024 km 417 km/ リットル 300 / リットル 5,053 オイル交換の目安距離 10,000 km 1 回のオイル交換量 オイル効率 24 L 417 km/l 月間走行距離 オイル効率 オイル購入単価 油脂費 km km/ リットル / リットル - 7 -
4 修繕費 車検整備費と一般修理費 タイヤ チューブ費を算出します 8) 車検整備費 車検整備費は 直近 1 年間などの期間の当該車両の車検整備費を 12 カ月で割ります 9) 一般修理費 一般修理費も同様に 直近 1 年間などの期間の当該車両の車検整備費を12カ月で割ります 10) タイヤ チューブ費 タイヤ チューブ費も同様に算出します また タイヤ交換の目安としている走行距離と装 着本数とタイヤ単価から計算する方法があります タイヤ チューブ費 1カ月走行距離 ( km) 交換目安走行距離 ( km) 装着本数 タイヤ1 本価格 ( ) 直近年度の車検整備計 車検整備費 / 台 月 230,000 19,167 直近年度の一般修理費計 対象月数 一般修理費 / 台 月 275,500 12 カ月 22,958 直近年度のタイヤ チューフ 費計 タイヤ チューブ費 / 台 月 448,000 37,333 月間走行距離 タイヤ交換の目安距離 タイヤ装着本数 タイヤ単価 (1 本 ) タイヤ チューブ費 7,024 km 60,000 km 10 本 32,000 37,461 直近年度の車検整備計 車検整備費 / 台 月 対象月数 直近年度の一般修理費計 12 カ月 一般修理費 / 台 月 月間走行距離 タイヤ交換の目安距離 タイヤ装着本数 タイヤ単価 (1 本 ) タイヤ チューブ費 km km 本 - 8 -
5 人件費ドライバーの人件費を対象にします 運行管理者 整備管理者の人件費は ここでは一般管理費の人件費に計上しています 11) 給与月額の固定給と変動給が対象となり ドライバーの実績月額を入れます 月ごとに変動が大きければ 年間給与額から平均月額を算出します 固定給 変動給 1 歩合給 : 基本給 職務給 職能給 役職手当 身分手当 年齢給 勤続給 家族手当 住宅手 当 勤務地手当 通勤手当などの合計で 勤務状態や勤務実績に関係なく月々きまっ て支給されるものの合計 : 運行手当 ( 長距離手当 ) 奨励給 トン キロ手当など月々の勤務実績によって支給される もの 2 時間外手当 : 早出 残業 深夜 休日出勤手当 3 その他 : 精皆勤手当 無事故手当 日 宿直手当などで月によって変動する上記以外の給与 12) 賞与 月額の賞与額を算出します 給与以外の賞与が年 2 回の場合は年額を 12 カ月で割るなど 1 ヶ月平均賞与支給額とします 運転者の支払給与年額 月数 給与月額 4,060,000 12 カ月 338,333 運転者の賞与支払年額 月数 賞与月額 556,000 12 カ月 46,333 運転者の支払給与年額 月数 給与月額 カ月 運転者の賞与支払年額 月数 賞与月額 カ月 - 9 -
13) 法定福利費 雇用保険 労災保険 健康保険 厚生年金保険 介護保険などについて 定められた使用者 負担率を乗じて計算します 法定福利費の使用者担分は 毎年改定されていますが 23 年 4 月現在次の通りとなっています ざっくり把握するならば 給与 賞与 ( 月額 ) の 15 % 程度と想定すればよいでしょう ( 注 ) 法定福利費事業者負担分 雇用保険 0.95 % 労災保険 1.1 % 健康保険 4.75 % 厚生年金保険 7.852 % 介護保険 0.755 % 児童手当拠出金 0.13 % 一般拠出金 0.005 % 合計 15.542 % ( 平成 23 年 4 月現在 ) 14) 退職金 その他人件費 退職金積立額 法定外福利厚生費等が発生している場合は月額で計上します 退職金の積立 月額を月額給与に対する比率で算出する事もできます 給与 賞与月額 給与月額 賞与月額 使用者負担率 法定福利費 ( 338,333 + 46,333 ) 0.154 59,239 給与月額 積立規定率 退職金積立額 338,333 0.03 10,150 給与 賞与月額 給与月額 賞与月額 使用者負担率 法定福利費 ( + ) 給与月額 積立規定率 退職金積立額 - 10 -
6その他運送費 15) 車庫等の施設費車庫及び車庫関連施設使用料を算出します この施設使用料は 地域差が大きいとともに 立地条件の違いによる格差もみられますので 実際の支払い施設使用料を用います 16) 高速料金等 高速道路 有料道路 有料橋 フェリー等の料金です ただし 自社払いしている費用を算 出します 運賃と別に荷主から実費支給されている場合には含めません 17) その他運送費上記に含まれない運送費 ( 運送保険料 施設損害保険料 旅費 被服費 水道光熱費 備品消耗品費 事故賠償費など ) です 1 台あたりに換算しにくいものは 1カ月の会社 事業所全体の金額を保有車両台数で割って1 台あたりの費用とします 車庫年額 車庫費 264,000 12 22,000 車庫費が月額で把握されていれば 12 カ月で割る必要はありません 荷主から 運賃とは別途に支給されていない場合に計上します ( 自社払いの費用 ) 高速料金等の月額 29,800 その他運送費年額 保有車両台数 その他運送費 4,568,000 16 台 12 23,792 その他運送費が月額で把握されていれば 12 カ月で割る必要はありません 車庫年額 車庫費 12 車庫費が月額で把握されていれば 12 カ月で割る必要はありません 荷主から 運賃とは別途に支給されていない場合に計上します ( 自社払いの費用 ) 高速料金等の月額 その他運送費年額 保有車両台数 その他運送費 台 12 その他運送費が月額で把握されていれば 12 カ月で割る必要はありません - 11 -
係るコスト運送原価(2) 一般管理費一般管理費には 運送費に含まれない費用が対象となります まず この費用を集めることが重要です 実運送以外の他の事業 たとえば傭車などの利用運送のシェアが大きいと 一般管理費が過大にでますので 実運送に関係する費用を分離 抽出することがポイントです 自社の運送に係るコスト 自社の運送費 ( 営業費用 ) 一般管理費 ( 営業費他 ) 傭車に 傭車先への支払コスト ( 支払運賃 ) 1 日当たりの平均的な a) 自社の車両台数と傭車の車両台数比率 b) 運賃収入比率などで案分する方法も1つ! 7 18) 一般管理費人件費 運送費に含まれない管理部門 ( 運行管理 整備管理など管理業務 営業 総務 経理などの 部門 ) の人件費です 社長のコストもここに含まれます 1 カ月の会社 事業所全体の金額を保有車両台数で割って 1 台あたりの費用とします 8 19) その他の一般管理費 事務所 コンピュータ等の固定資産の減価償却費 施設使用料 旅費 被服費 水道光熱費 備品費 消耗品費 通信運搬費 交際費 租税公課などの諸々の一般管理費です 1 カ月の会 社 事業所全体の金額を保有車両台数で割って 1 台あたりの費用とします 全体の運賃収入の内 下請け利用を行った運賃収入のシェアが 28% である場合の案分例 ( 利用運送の率 ) 28 % 一般管理費 人件費 一般管理費 人件費 11,738,720 41,924,000 ( 実運送の率分 ) 72 % 一般管理費 人件費 30,185,280 保有車両台数 16 台 12 一般管理費 人件費 157,215 ( 利用運送の率 ) 28 % 一般管理費 その他 16,761,000 ( 実運送の率分 ) 72 % 一般管理費 その他 4,693,080 一般管理費 その他 12,067,920 保有車両台数 一般管理費 その他 16 台 12 62,854 一般管理費が月額で把握されていれば 12 カ月で割る必要はありません - 12 -
利用運送の率 ( ) % 一般管理費 人件費 一般管理費 人件費 実運送の率分 ( ) % 一般管理費 人件費 保有車両台数 台 12 一般管理費 人件費 利用運送の率 ( ) % 一般管理費 その他 実運送の率分 ( ) % 一般管理費 その他一般管理費 その他 保有車両台数 一般管理費 その他 台 12 一般管理費が月額で把握されていれば 12 カ月で割る必要はありません - 13 -
(3) 営業外収支 20) 営業外収支 営業外費用としては投資 財務活動に係るコストで 金利等の金融費用が該当します また 営業外収入としては 金融収益や協同組合の燃料 高速料金等に係る利用分量配当などの収入 が該当します 営業外収支 ( 営業外費用 - 営業外収入 ) の 1 カ月の会社全体の金額を保有車両台数で割って 1 台あたりの費用とします この費用も利用運送の分を案分して除くこととします 全体の運賃収入の内 下請け利用を行った運賃収入のシェアが 28% である場合の案分例 営業外収支 ( 利用運送の率 ) 28 % 営業外収支 924,280 3,301,000 ( 実運送の率分 ) 72 % 営業外収支 2,376,720 保有車両台数 16 台 12 営業外収支 12,379 営業外収支が月額で把握されていれば 12 カ月で割る必要はありません 営業外収支 利用運送の率 ( ) % 営業外収支 実運送の率分 ( ) % 営業外収支 保有車両台数 台 12 営業外収支 営業外収支が月額で把握されていれば 12 カ月で割る必要はありません - 14 -
3. 各費目の費用を合計する 以上の 1)~ 20) の手順により各費目の費用が算出されると 運送費 全体の運送原価が把 握できます 運送原価全体の費用を 100 とするなど構成比を計算してみましょう 図表 費目 車両 1 台 1 カ月当たりの運送費 運送原価 月額 構成比 1 車両費 1) 減価償却費 114,583 9.8% 2) 自動車関連諸税 11,180 1.0% 3) 自動車リース料 0.0% 1)+2)+3) 1 125,763 10.8% 2 保険料 4) 自賠責保険 4,129 0.4% 5) 任意保険 19,125 1.6% 4)+5) 2 23,254 2.0% 3 燃料油脂費 6) 燃料費 169,893 14.6% 7) 油脂費 5,053 0.4% 6)+7) 3 174,946 15.0% 4 修繕費 8) 車検整備費 19,167 1.6% 9) 一般修理費 22,958 2.0% 10) タイヤ チューブ費 37,461 3.2% 8)+9)+10) 4 79,586 6.8% 5 人件費 11) 給与 338,333 29.0% 12) 賞与 46,333 4.0% 13) 法定福利費 59,239 5.1% 14) その他人件費 10,150 0.9% 11)+12)+13)+14) 5 454,055 39.0% 6 その他運送費 15) 車庫等の施設費 22,000 1.9% 16) 高速料金等 29,800 2.6% 17) その他運送費 23,792 2.0% 15)+16)+17) 6 75,592 6.5% 運送費 1+2+3+4+5+6 933,196 80.1% 7 一般管理費人件費 18) 7 157,215 13.5% 8 一般管理費その他 19) 8 62,854 5.4% 一般管理費 7+8 220,069 18.9% 営業外収支 20) 12,379 1.1% 費用合計 1,165,644 100.0% - 15 -
実際に算出して費用額を足し挙げてみましょう 費目 月額 構成比 1 車両費 1) 減価償却費 % 2) 自動車関連諸税 % 3) 自動車リース料 % 1)+2)+3) 1 % 2 保険料 4) 自賠責保険 % 5) 任意保険 % 4)+5) 2 % 3 燃料油脂費 6) 燃料費 % 7) 油脂費 % 6)+7) 3 % 4 修繕費 8) 車検整備費 % 9) 一般修理費 % 10) タイヤ チューブ費 % 8)+9)+10) 4 % 5 人件費 11) 給与 % 12) 賞与 % 13) 法定福利費 % 14) その他人件費 % 11)+12)+13)+14) 5 % 6その他運送費 15) 車庫等の施設費 % 16) 高速料金等 % 17) その他運送費 % 15)+16)+17) 6 % 運送費 1+2+3+4+5+6 % 7 一般管理費人件費 18) 7 % 8 一般管理費その他 19) 8 % 一般管理費 7+8 % 営業外収支 20) % 費用合計 % - 16 -