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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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H28秋_24地方税財源

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( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

健全化比率及び資金不足比率の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 により 藤枝市の健全化判断比率及び資金不足比率につい て 以下のとおり算定しました これは 平成 19 年 6 月に公布された上記法律に基づき 毎年度 監査委 員の審査に付した上で 議会に報告及び公表するものです 本市

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

市街化区域及び市街化調整区域の区域区分の見直し方針案 小野市 1 区域区分見直しの基本的な考え方区域区分見直しの考え方は 都市計画運用指針 を踏まえ 次のとおりとする (1) 目標年次におけるフレームの設定区域区分の見直しについては 都市計画区域マスタープラン 市町マスタープラン等に示された都市の将

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女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

ヘクタールのうち市街化区域の 641 ヘクタールについて整備を進め 平成 26 年度末時点で普及率は 99.3 パーセント 整備率では 95.3 パーセントとなっております ご質問の市街化調整区域における公共下水道整備促進につきましては 平成 15 年度に新河岸川沿いの上宗岡 2 丁目から下宗岡 1

富士見市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

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監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

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和泉市の宅地開発における制度

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3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

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流動資産 3 流動比率 (%) 流動負債短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化できる資産で 1 年以内に支

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

平成 31 年度国民健康保険税率等 及び多子世帯に対する国民健康保 険税の減免について ( 答申 ) 平成 31 年 1 月 31 日 武蔵村山市国民健康保険運営協議会

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

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別紙様式 1-1( 平成 19 年度承認計画用 ) 西総財第 7 7 号 平成 23 年 8 月 26 日 静岡財務事務所長 殿 西伊豆町長藤井武彦印 財政健全化計画等執行状況報告書 以下の財政健全化計画等の執行状況について 別紙のとおり報告します 財政健全化計画 公営企業経営健全化計画上水道事業

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豊橋市 PPP/PFI 手法導入優先的検討方針 効率的かつ効果的な公共施設等の整備等を進めることを目的として 多様なPPP/P FI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 ) に基づき 公共施設等の整備等に多様なPPP/PFI 手

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2007財政健全化判断比率を公表いたします

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

の各種原単位を考慮する また 開発計画の熟度等により 次回の区域区分見直しまでの間に市街化区域への編入を行うことが望ましいと想定される区域の土地利用を弾力的に取り扱うため 市街地に収容すべき人口フレームの一部を保留フレームとし 市街化調整区域内で市街化区域に編入すべき状況が整うと見込まれる区域に配分

3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 このガイドラインに示す事項以外に 開発許可の要件を満たすことが 2. このガイドラインに示す事

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Taro-全員協議会【高エネ研南】

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

平成 29 年度下水道事業会計予算概要 収益的収入及び支出 企業の経営活動の予定であり 1 年度間に発生すると予想される営業上の収益とこれに対する費用を計上したものです 具体的には 収入には下水道使用料が主に計上され 支出にはサービスの提供に要する人件費 物件費等諸経費が計上されます 収益的収入 (

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

イ類似団体の状況 法定上限数 抜粋 30 人 ( 人口 8~ 10 万人 ) 34 人 ( 人口 10~ 14 万人 ) 定数が定数を減員の状況法定市数法定上限人2人3人4人5人6人7人8人9人上限数数より減員1と同じ (14.8%) 9 (23.1%) 10 人11 人以上 23

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2 第 3 条について (2) と (3) を別だてする趣旨がわかりません 知識 経験を有し 市長が必要と認める者 で良いと思います 第 3 条第 2 項第 2 号に規定する 知識経験を有する者 とは 市民の参画と協働に関する深い知識や豊富な経験を有する方のことです また 同項第 3 号の規定は 公

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

(1) 生活排水について 地域の実状に応じ 下水道 浄化槽 農業集落排水施設 コミュニティ プラント等の生活排水処理施設の整備及び高度処理化 適正な施設維持管理等の対策を計画的に推進すること 加えて 合流式下水道の改善の取組を推進すること (2) 指定地域内事業場について これまで行われてきた汚濁負

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平成23年度の具体的な行動計画(アクションプラン)策定調書

目 次 1 章策定の趣旨 1 1 これまで経緯 1 2 さらなる行財政改革の必要性 1 2 章行財政改革の基本的な考え方 2 1 推進期間 2 2 基本方針 2 3 重点項目 2 (1) 事務 事業の効率化の推進 3 (2) 定員管理の適正化及び人材育成の推進 4 (3) 民間活力の活用 4 (4)


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0 事前準備 公共施設等の更新費用比較分析表作成フォーマット の作成に当たっては 地方公共団体の財政分析等に関する調査研究会報告書 公共施設及びインフラ資産の更新に係る費用を簡便に推計する方法に関する調査研究 における更新費用試算ソフト ( 以下 試算ソフト という ) を用います 試算ソフトは今回

H29 審議会次第

3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

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二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

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中期目標期間の業務実績報告書

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平成 28 年度予算編成方針 我が国の経済は 景気は引き続き緩やかな回復基調を維持しているが その影響が地方経済にまで十分に行き渡っているとは言えず 我々地方の行財政運営の基本となる税等一般財源を確保するためには 臨時財政対策債に頼らざるを得ない状況が続くものと考える また 税制改正も予測されること

提案評価基準

施策名平成 30 年度施策マネジメントシート2 ( 平成 29 年度目標達成度評価 ) 7 4 開かれた議会運営の推進 3 基本計画期間で解決すべき施策の課題 ( 総合計画書より ) 市民への議会広報活動の充実を図るため 分かりやすい議会だよりの作成を行う必要がある インターネットを利用した本会議の

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News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

2 都市計画法第 34 条第 11 号に係る区域指定の許可基準について 都市計画法の趣旨 施策の方針市街化調整区域において, 市街化区域に隣接又は近接し, 一体的な日常生活圏を構成している市街化の進行した一定の区域を条例で指定し, 予定建築物を周辺環境と調和する用途に制限することにより, 許可の対象

計画書

事務連絡 平成 29 年 4 月 3 日 各都道府県財政担当課各都道府県市区町村担当課各指定都市財政担当課 御中 総務省自治財政局公営企業課 平成 29 年度における東日本大震災に係る地方公営企業施設の災害復旧事業等に対する地方財政措置等について 東日本大震災に係る災害復旧事業等については 平成 2

504 特定事業等に係る外国人の入国 在留諸申請優先処理事業 1. 特例を設ける趣旨外国人研究者等海外からの頭脳流入の拡大により経済活性化を図る地域において 当該地域における特定事業等に係る外国人の受入れにあたり 当該外国人の入国 在留諸申請を優先的に処理する措置を講じることにより 当該地域における

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平成27年度事業計画書

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平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報

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( 案 ) 市街化調整区域の下水道整備下水道整備に伴う負担のありのあり方について ( 答申 ) 平成 2 1 年月日 岐阜市公営企業経営審議会

まえがき下水道は 生活環境の改善や公共用水域の水質汚濁防止などの従来担ってきた役割のほか 健全な水循環及び資源循環の創出といった新たな役割も合わせ持つ 地域の持続的な発展のため なくてはならない社会基盤施設である 本市の下水道は 昭和 12 年に中部プラントが下水処理を開始して以来 単独公共下水道の中部 北部 南部及び北西部排水区並びに木曽川右岸流域下水道に接続する東部 芥見 日置江及び柳津地域の各排水区において 順次 市街化区域の拡張事業が進められてきたが その整備もほぼ終了し 現在は 北東部排水区における下水道整備が進められているところである その普及率は 平成 20 年度末で88.8パーセントと 全国平均の72.7パーセントと比較しても高い数値を示している これまでの下水道整備は 計画的な市街化を図るため都市施設の整備を行うものとされている市街化区域について優先的に進められてきたところであるが その整備は順調に進展しており 今後数年で市街化区域の整備は概ね終了することが見込まれている 今後 本市が環境都市宣言の中で掲げる 環境と調和する 人にやさしい都市岐阜 を目指し 良好な水環境の保全 創造と資源循環型社会の構築を図っていくためには 引き続き市街化調整区域の下水道整備が必要であり 市街化区域の整備が概ね終了した後の着手が計画されている さて 本市の市街化区域では 下水道整備に伴う受益者負担金のほか 都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てられる目的税として都市計画税が賦課されているが 市街化調整区域は その賦課がなく 下水道整備に伴い市民に負担を求めるに当たっては この差異を十分考慮しなければならない そこで 市街化区域との負担の公平を図りつつ 必要な建設財源の確保を図るため 市街化調整区域の下水道整備に伴う負担のあり方について方針を決定する必要が生じたことから 平成 21 年 6 月 8 日 市長から本審議会に対し諮問がなされたところである 本審議会は この諮問を受け 5 回にわたり審議を行い 事務局から提出された資料について詳細に説明を受ける中で 公平性の観点から各委員の知識と経験を生かしつつ各論にわたり検討を行った 1

過去の経緯も踏まえつつ 慎重に審議を尽くした結果 下水道の普及を最優 先しながら 負担の軽減にも配慮した公正かつ公平な負担のあり方について意 見を集約したので 以下 審議の内容を付記しつつ答申する 2

市街化調整区域の下水道整備に伴う負担のあり方について 1 下水道の整備方針についてこれまで本市の下水道整備は 都市の健全な発展及び公衆衛生の向上とともに公共用水域の水質保全を目的に 市街化区域の整備を優先的に進めてきたところであるが その整備もここ数年で概ね終了する見込みである 今後 更なる居住環境の改善及び公衆衛生の向上のほか 良好な水環境の保全を図るという環境対策という面からも 引き続き市街化調整区域における下水道整備が必要である 一方で 近時の社会状況を見ると 少子高齢化等による大幅な人口の減少が予測されるとともに 依然経済状況が低迷していることから 他の汚水処理施設と連携しながら より効率的に整備を行うことが重要となっている 本審議会は こうした下水道の整備方針が市民に十分な理解が得られ その普及促進に資するものである必要があることから 事務局にその方針案を確認し 今後の下水道整備区域の設定や整備順位などの考え方の説明を受ける中で 市街化調整区域における下水道整備のあり方について検証を行った 市街化調整区域は 無秩序な市街化を抑制する区域であり 原則農地も保全されるべきである そのため 下水道の整備が開発の促進に繋がらないよう 整備区域を適切に設定することが重要であり 他の汚水処理施設よりも効率的と判断される区域を対象とすべきであることが確認された また 将来における工業団地等の大規模な開発に伴う下水道整備については 下水道施設の状況 効率性などを考慮して判断することを確認した 最終的に 本審議会は 市街化調整区域の下水道整備については 居住環境の改善及び公衆衛生の向上のほか 本市全体の良好な水環境の保全を図るという環境対策という面から 効率的な汚水処理施設整備のための都道府県構想策定マニュアル ( 案 ) 等最新の知見に基づき 他の汚水処理方法での整備手法と比較する中で下水道による整備が効率的とされた区域を対象として 投資効果や地域の実情を考慮して整備を進めるのが適当であると判断した 3

2 負担のあり方について (1) 負担区域の設定について市街化区域においては 従来 下水道の整備の対象となる排水区ごとに負担区を定めるとともに その負担区に適用する受益者負担金が設定されているところであるが これは 下水道の整備が行われるに際し その都度 対象となる区域の整備に要する費用を基準に受益者負担金が算出されてきたためである 市街化調整区域の負担を定めるに当たっては まず その区域をどのように設定するか決定しておく必要があることから その取扱いについて議論した 市街化調整区域の下水道整備は 原則として1で述べた方針に基づき 順次要望等を加味し 計画的に進められる予定である また 今後 施工方法が大きく変化することは想定されず 物価水準にも特別な事情が生じない限り 一定の経費で推移すると考えることに問題はないと考えられる 従って 本審議会は 同じ市街化調整区域内での負担内容に差を設けず 本市の市街化調整区域全域を一つの負担区として取り扱うことが適当であると判断した なお 柳津地域については 平成 18 年 1 月の合併時から本市の他の地域の整備方法と差異があることから その取扱いについても確認を行った 現在 柳津地域では 合併時の協議により 公道に布設した公共下水道と排水設備を接続する場合 取付管と公共汚水ますを市で設置することとされ 柳津地域以外の地域については取付管の本管から50センチメートルまでの部分を市で設置することとされている しかし 市街化調整区域を一つの負担区として整備を進めていく上では 全域を統一した整備方法で進めることが適当であると考えられることから 本審議会は 柳津地域も含め 同一の整備方針及び負担内容とするのが適当であると判断した 4

(2) 負担の求め方について市街化区域と市街化調整区域の区分が設けられている趣旨は 都市の無秩序な市街化を抑制し 計画的に市街化を図ることにあり 市街化区域では都市計画税の賦課といった負担がある一方で 下水道をはじめとする都市施設が整備されているなど 市街化調整区域との間に差異が存在している また 本市の施策であるクリーンで快適な生活環境の充実を進めるに当たり 下水道は 居住環境の改善及び公衆衛生の向上のほか 環境都市として良好な水環境の保全といった目的を達成するために重要な施設であるが その整備を進めたとしても普及が図られなければ その目的は達せられない 市街化調整区域の下水道整備に伴う負担については 市街化区域との差異や この差異から生ずる住民感情に十分配慮する必要があることを踏まえ 審議を進めることとした まず 負担のあり方の検討に当たり 最も考慮すべき要素となる都市計画税について その使途や下水道事業への充当の状況に関し 各委員からの指摘に応じ検証を行った 都市計画税は 都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てられる目的税で 通常 市街地開発事業などとともに下水道事業に要する費用に充てられているものである しかし 現実には一般会計から下水道事業会計への繰出額が普通交付税の基準財政需要額算入分を下回っていることや普通交付税の算定の際に都市計画税が含まれないことが事務局から報告された 本審議会としては 都市計画税の下水道事業への充当状況を特定することは困難であることは把握したが 本来であれば明確にされるべきものであることを確認した さらに 事務局から 市街化調整区域における下水道整備に伴う負担に関し 過去の本審議会での審議内容のほか 他都市の状況や国などの見解について詳細な説明を受ける中で 市街化区域と市街化調整区域の不公平感を是正するための客観的基準や法的根拠を見出すことは困難であることを確認した しかし 議論を経る中で 市街化区域と市街化調整区域の住民感情 特に不公平感を考慮しつつ 下水道整備に対する市民の理解及び協力を得ていくためには 一定程度の負担の差を設けていくことが必要との共通認識を持つに至った こうした状況を踏まえ 本市の良好な水環境の保全という環境対策としての 5

目的を考慮すると 下水道の普及を図ることが最も重要であり その妨げとならないよう 負担額はできる限り抑えられるのが適当であるとして意見の一致をみた 以上の議論を経た後 本審議会として 市街化調整区域の住民には 市街化区域の住民に比べ下水道の普及の妨げとならない範囲内の若干の負担を求めることで 各委員の意見が集約された これを受け 事務局より 受益者負担金額に関し 従来市街化区域においては 末端管渠整備費から1 平方メートル当たりの単位負担金額の算定を行い 当該算定の結果得られた金額の十円未満の端数の切捨てをして設定しているが 普及の妨げとならない範囲の若干の負担の設定方法として 市街化調整区域においては その試算額 248 円の端数を切り上げ 受益者負担金の額を250 円とするという案が提示された 本審議会は この案に対し 負担の内容としては 下水道の普及の阻害要因になることは考えられず また 都市計画税を負担している市街化区域の住民に対しても説明可能なものであり 市街化調整区域において下水道が整備されることにより市全体として良好な水環境が保全され 本市の環境都市としての成果が高まれば 最終的に市街化区域の住民にも利点があり 妥当なものと判断した よって 市街化調整区域の下水道整備に伴う負担については 次のとおりとするのが適当との結論に至った ア市街化区域との負担の公平を図るとともに 下水道の普及を図る観点から 市街化調整区域には若干の負担増を求めるべきであり 受益者負担金の増額により対応するものとする イ受益者負担金の額は 従来の受益者負担金の算定方法により算定した市街化調整区域単位負担金試算額 248 円の10 円未満の端数の切上げを行い 単位負担金額を1 平方メートル当たり250 円とする 6

あとがき本市は 我が国で初めて分流式下水道を採用して以来 下水道の積極的な普及を図り 全国的にも高い普及率を達成しており また 資源の再利用に向けた取組みとして下水汚泥焼却灰からの焼成れんがの製造に続き 新たにりんの回収など先進的な技術開発を進めるなど 持続可能な循環型社会の構築に貢献してきた 今後 さらに市民と行政が水環境の保全や資源の循環に対し共通の認識を持って下水道整備に取り組んでいくことは 非常に重要なことである 受益者負担金は この下水道の整備を進めるための重要な財源となるものであり 下水道が整備されることで本市の環境都市実現につながり 最終的に市民全体の利益となることを 広報等を通じて周知し 行政が積極的に市民に理解と協力を求める努力を行っていくよう強く望むものである 最後に 現在の公営企業を取り巻く環境は厳しさを増しており 様々な課題や問題に直面することが予想される これらの状況を的確に把握し かつ対応していくことが企業経営にとって重要であり 下水道事業に課せられた責務を十分に認識し 今後も 効率的な経営の推進 建設投資の適切な実施 積極的な普及促進活動の実行 さらなる技術開発の推進などに一層努めることを強く要望する 7

岐阜市公営企業経営審議会委員名簿 会長高橋弦岐阜大学地域科学部長 副会長山田洋一岐阜商工会議所専務理事 委員竹市勲岐阜市議会議員 辻孝子岐阜市議会議員 田中成佳岐阜市議会議員 近藤武男岐阜市議会議員 小林ひろし岐阜市議会議員 山口禎一郎 ( 社 ) 岐阜県経営者協会 村瀬東三ぎふ農業協同組合 山口久夫岐阜市自治会連絡協議会 富田耕二連合岐阜 岐阜地域協議会議長 鈴木一子岐阜市女性の会連絡協議会会長 縄田寿澄公募委員 田中忠公募委員 8

審議に用いた資料 1 市街化調整区域の下水道整備方針 ( 案 ) について 2 市街化区域及び市街化調整区域について 3 都市計画税の賦課状況について 4 下水道事業受益者負担金制度の概要 5 過去における公営企業経営審議会での審議概要 6 他都市の市街化調整区域における下水道整備について 7 市街化調整区域の負担区域の設定 ( 案 ) について 8 市街化調整区域の受益者負担金の単位負担金額の試算 9 都市計画税を考慮した負担の可否に係る比較 10 地方行政ゼミナール ( 要約 ) 11 下水道ゼミナール ( 実務提要 要約 ) 12 市顧問弁護士報告書 13 他都市における都市計画税を考慮した負担の内容について 9