Image Processing Toolbox 7.0 画像処理 解析 可視化 アルゴリズム開発 Image Processing Toolbox は画像処理 解析 可視化およびアルゴリズム開発のための包括的な参照標 準アルゴリズムやグラフィカル ツールを提供します 画像の強調 ボケの修正 特徴検出 ノイズ除 去 画像分割 空間変換 画像のレジストレーションを実行することができます Image Processing Toolbox に含まれる関数の多くはマルチスレッドに対応しており マルチコア コンピューターやマル チプロセッサ コンピューターのメリットを活かすことが可能です Image Processing Toolbox は ハイ ダイナミック レンジ画像 ギガピクセル解像度を持つ画像 ICC に 準拠した色を含む画像 断層画像など さまざまな種類の画像をサポートします グラフィカル ツー ルにより 画像の調査 ピクセル領域の調査 コントラストの調整 コンターまたはヒストグラムの 作成 関心領域 (ROI) の操作を行うことができます また 劣化した画像の復元 特徴の検出と測 定 形状やテクスチャの解析 画像のカラーバランスの調整を行うアルゴリズムが用 意されていま す 主な機能 画像の強調 フィルタリング およびボケの修正 画像分割 形態学的演算 特徴抽出 測定などの画像解析 空間変換 画像のレジストレーション FFT DCT ラドン ファンビーム投影法などの画像変換 任意の大きい画像を処理 表示 およびナビゲーションするためのワークフロー 関心領域 ROI 選択やヒストグラム 距離測定のための対話的なモジュラーツール ICC カラー マネージメント 多次元画像処理 画像シーケンスおよび動画の表示 DDICOM インポートおよびエクスポート 画像のインポートとエクスポート Image Processing Toolbox は デジタル カメラ 衛星用センサー 空中センサー 医療用画像機器 顕 微鏡 望遠鏡など 幅広い科学機器によって生成された画像をサポートしています これらの画像 は 単精度または倍精度浮動小数点や 符号付きまたは符号なしの 8 ビット 16 ビット 32 ビット整 数など さまざまなデータ タイプで可視化 解析 処理を行うことが可能です 画像を MATLAB 環境にインポート または MATLAB 環境からエクスポートして処理する方法もいく つか用意されています Image Acquisition Toolbox を使用して Web カメラ フレーム グラバー DCAM 対応カメラなどの機器からライブ画像を取り込むことができます また Database Toolbox を使 用すると ODBC/JDBC に準拠したデータベースに格納された画像にアクセスすることができます MATLAB は JPEG JPEG-2000 TIFF PNG HDF HDF-EOS FITS Microsoft Excel ASCII バイ ナリ ファイルなどの標準的なデータ フォーマットおよび画像フォーマットをサポートしています ま 1
た LANDSAT などで使用されているマルチバンド画像フォーマット (BIP と BIL) もサポートしていま す 低水準 I/O 関数とメモリ マッピング関数を使用すれば 任意のデータ フォーマットに対応するカ スタム ルーチンの開発が可能です Image Processing Toolbox は多くの特殊な画像ファイル フォーマットをサポートします 医療用画像に 関しては 関連メタデータや Analyze7.5 および Interfile フォーマットの解析を含む DICOM ファイル フォーマットをサポートしています また NITF フォーマットによる地形画像や HDR フォーマット による高ダイナミック レンジ画像の読み込みが可能です 一連の DICOM ファイルからの MRI 断層画像の表示 これにより MATLAB で医療用画像の可視化と調査が可能 画像の表示と調査 Image Processing Toolbox は MATLAB のグラフィック機能を拡張し 高度にカスタマイズ可能な画像表 示機能を提供します 単一のウィンドウに複数の画像を表示したり テキストやグラフィックで 注釈 を付けたり ヒストグラム 断面図 コンター プロットなどの特殊な表示を作成することができま す 表示関数に加えて 画像の調査や GUI の構築を行うための対話的なツール セットも提供されます 画 像情報の表示 画像のズームとパン ピクセル領域の精密な調査を行うことができます 点 線 矩 形 ポリゴン 省略 自由曲線な どにより 関心領域 ROI を対話的に指定 操作することが可能 です また 切り抜き コントラストの調整 距離の測定を対話的に行うこともできます これらの 2
ツール セットは Image Tool の内部から使用できるほか GUI のカスタマイズに使用可能な関数から も使用することもできます Image Tool による典型的な対話型操作環境 Image Tool ウィンドウで拡大図を見る際 Overview ウィンドウ 左 が位置をナビゲートします Pixel Region ウィンドウ 右 は画像の超拡大図でピクセル値を表示します パリの LANDSAT 画像は Space Imaging, LLC が提供 関心領域ツールを使用してマスクを作成した例 元画像の項目 (上) を選択してマスク (下) を作成しています 3
動画および画像シーケンスを時間経過に従ってビデオ ビューアーもしくはイメージ モンタージュで表 示させる機能が含まれます ボリューム可視化ツールにより 多次元画像データセットの等値面表示 を作成することも可能です 動画シーケンスの特定のフレームで一時停止したビデオ ビューアー 画像の前処理と後処理 Image Processing Toolbox は 干渉ノイズ 低ダイナミックレンジ 焦点のずれた光や入出力機器での 色彩表現の違いなど 頻発するシステム問題を解決するプリ/ポストプロセッシングのための参照標準 アルゴリズムを提供します Image Processing Toolbox の画像強調 画像強調手法より SN 比を高め 色彩や強度を変更することで画像の特徴 を強調することができます 以下のことが行えます # ヒストグラム平坦化の実行 無相関ストレッチの実行 ダイナミックレンジの再配置 ガンマ値の調整 線形フィルター メディアンフィルター 適応フィルターの実行 Image Processing Toolbox には専用のフィルタリング ルーチンや汎用的な多次元フィルタリング関数が 用意されています 多次元フィルタリング関数では 整数型の画像を扱えるほか 複数の境界パディ ング オプションにより 畳み込みや相関を実行することができます また あらかじめ定義されたフ ィルターや ユーザ定義の線形フィルターを設計 実行するため の関数も提供されています 4
MATLAB と Image Processing Toolbox を使用して 不均一な背景強度を持つ画像の連結コンポーネント解析を実行 した例 Image Processing Toolbox には ブラインド Lucy-Richardson 法 Wiener 法 正則化フィルターによる デコンボリューションなどの画像ボケ修正 画像ボケ修正ア ルゴリズムと 点像分布関数および光学伝達関数間の変 換機能が含まれています これらの関数により 焦点のずれた光 撮影時のカメラや対象物のブレ 大気 条件 露光時間の短さなどによって生じるぼけを正確に修正します 画像のぼけ修正関数はすべ て多次元画像に対応しています Iボケ修正アルゴリズムを適用した太陽の画像 画像提供は SOHO EIT Consortium Image Processing Toolbox のデバイス非依存カラー デバイス非依存カラー マネージメント マネージメントにより 入出力機器の種 類を問わ ず 色を正確に表現することが可能になります この機能は ある特定の機器の特性を解析する場合 や 色精度を定量的に測定する場合 あるいは複数 の異なる機器に対するアルゴリズムを開発する場 合に有効です 専門の関数により srgb XYZ xyy L*a*b* uvl L*ch といった機器依存のない色 空間へ画像を変換することが可能です 5
さらなる柔軟性および制御のために ICC バージョン 4 をベースとしたカラー マネージメント システ ムを用いたプロファイルベースの色空間変換をサポートしています 例えば n- 次元 ICC カラー プロ ファイルをインポートし 特定の入出力機器に対する既存の ICC カラー プロファイルを編集したり 表現に対する仕様や対象機器が準拠するすべてのプロファイルを見つめるために 新規にプロファイ ルを作成することが可能です FFT や DCT などの画像変換 画像変換は 画像の強調 解析 復元 圧縮などの画像処理において重要な役割を 果たしま す Image Processing Toolbox は ラドン変換やファンビーム投影法などの画像変換手法を提 供します 逆ラドン変換を用いて 平行ビームおよびファンビーム投影データ 断層撮影アプリケー ションでは一般的なデータタイプ から画像を復元することができます 画像変換は MATLAB と Wavelet Toolbox でも使用できます 画像処理アプリケーションでは多くの場合 データ クラス間および画像タイプ間の画像置換 画像置換が必要と なります Image Processing Toolbox は 単精度および倍精度浮動小数点 符号付きもしくは符号なし 8-16- 32-ビット整数を含むデータクラスの変更のためのさまざまなユーティリティを提供します また バイナリ グレースケール カラー インデックスおよびトゥルーカラーといった画像タイプの 変更のためのアルゴリズムが提供されています 特にカラー画像では さまざまな色空間 (YIQ HSV YCrCb など) が使用可能で ベイヤー パターン符号化画像やハイ ダイナミック レンジ画像もサ ポートされています 画像の解析 Image Processing Toolbox は包括的な参照標準アルゴリズムや 統計解析 特徴抽出 特性計測などの 画像解析のためのグラフィカル ツールを提供します 統計関数 以下の機能を用いて画像の全般的な特徴を解析します 平均 標準偏差の計算 線分に沿った強度値の測定 画像ヒストグラムの表示 強度値の特徴のプロッティング 6
画像の赤チャンネルのヒストグラムを表示 エッジ検出アルゴリズム 画像内の対象物の境界線を特定することができます Sobel Prewitt Roberts Canny ガウスの Laplacian 法が用意されています 強力な Canny 手法はノイズの影響を抑 え 正確に弱いエッジを検出します 画像区分けアルゴリズム 画像の領域の境界を決定します 自動しきい値 エッジベース手法 watershed 変換などの 接触した対象物の区分けに使用される形態学に基づく手法など 様々な画像区 分け方法が用意されています 分割と形態学的演算を使用して航空機を検出し 輪郭を示した例 形態学的演算子 エッジの検出 コントラストの強調 ノイズの除去 画像の複数領域への区分け 領 域の細分化 領域での細線化の実行を行うことができます Image Processing Toolbox の形態学的関数 は以下の通りです 7
縮退 Erosion および膨張 dilation オープニング opening およびクロージング closing 結合部位 Connected Component のラベリング watershed 区分け 再構成 距離変換 また Image Processing Toolbox には高度な画像解析アルゴリズムも含まれています 以下の機能を含 みます 面積 重心 境界などの特定の画像領域の特性の測定 線の検知 ハフ変換を用いた画像からの線分の抽出 テクスチャ解析関数を用いた表面粗度 色彩変化などの特性の測定 空間変換 画像のレジストレーション 空間変換とは 画像のピクセル間の空間的関係を変更することです この機能は 画像の回転 サム ネイルの作成 幾何学的変形 画像のレジストレーションな どに役立ちます Image Processing Toolbox は サイズ変更 回転 対話的な画像の切り抜きなどの一般的な変換操作に加えて 任意次元 配列に対する汎用的な変換もサポートしています 画像のレジストレーションは リモート センシングや医療用画像処理をはじめ 定量分析や定性的比 較のために画像の位置合わせを必要とするアプリケーションにおいて重要な役割を果たします Image Processing Toolbox により 2 枚の画像の中で対となるポイントを対話的に選択し 線形等角 アフィ ン 射影法 多項式 区分的線形 局所加重平均などの空間的変換を行い 画像を並べ替 えます ま た 正規化 2-D 相互相関を用いた画像レジストレーションを実行することも可能です 8
コントロール ポイントを選択して航空写真を正射写真に位置合わせした例 ランドマーク ポイントの選択と画像 の位置合わせには Control Point Selection ツールが役立ちます (結果 下) カラーの航空写真 (左上) は mpower3/ Emerge が提供 グレースケールの正射写真 (右上) は MassGIS が提供 大きい画像の操作 サイズの大きい画像は 標準的な方法で処理や表示を行うことは困難です Image Processing Toolbox は 他の手法では扱えないような大きい画像を操作するための専用のワークフローを提供します 大 きい画像全体をメモリに読み込まずに 画像を空間タイルに 分割して異なる解像度レベルでリサンプ ルする低解像度のデータ セット (R セット) を作成することができます このワークフローにより 画 像の表示とナビゲーションのパフォーマンスが向上します また ブロック処理ワークフローを使用 し て 大きい画像の各ブロックに関数を適用することも可能で この場合はメモリ使用量が大幅に軽 減されます 大きい画像の操作を Parallel Computing ToolboxTM を使って行うことも可能です 9
パリの大きなマルチスペクトル画像 画像をブロックに分割して処理することにより メモリ使用量が軽減 画像 提供は Space Imaging, LLC リソース 製品詳細 デモ 動作環境 www.mathworks.com/products/image オンライン ユーザー コミュニティ www.mathworks.com/matlabcentral 評価版ソフトウェア www.mathworks.com/trialrequest 技術トレーニング サービス www.mathworks.com/training 営業窓口 www.mathworks.com/contactsales サードパーティ製品とサービス www.mathworks.com/connections テクニカル サポート www.mathworks.com/support 世界各地のお問い合わせ先 www.mathworks.com/contact 2010 The MathWorks, Inc. MATLAB and Simulink are registered trademarks of The MathWorks, Inc. See www.mathworks.com/trademarks for a list of additional trademarks. Other product or brand names may be trademarks or registered trademarks of their respective holders. 10