Microsoft Word - <原文>.doc

Similar documents
<4D F736F F F696E74202D208B678FCB8E9B D C982A882AF82E98AB490F5975C966891CE8DF482CC8A B8CDD8AB B83685D>

(案の2)


 

褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難


平成 28 年度感染症危機管理研修会資料 2016/10/13 平成 28 年度危機管理研修会 疫学調査の基本ステップ 国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース (FETP) 1 実地疫学調査の目的 1. 集団発生の原因究明 2. 集団発生のコントロール 3. 将来の集団発生の予防 2 1

Microsoft Word - B-2 感染経路別防止対策(2018.8)

Microsoft PowerPoint - リーダー養成研修(通所)NO1 

医療関連感染予防対策と医療安全

医療関連感染

平成15年度8階病棟の目標                  2003/06/03

(病院・有床診療所用) 院内感染対策指針(案)

症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成

スライド 1

SARS %,

と役割を明確化し 医療機関内のすべての関係者の理解と協力が得られる環 境を整えること ( 感染制御チーム ) 病床規模の大きい医療機関 ( 目安として病床が 床以上 ) においては 医師 看護師 検査技師 薬剤師から成る感染制御チームを設置し 定期的に病棟ラウンド ( 感染制御チームによ

<4D F736F F D C5E B CA48F4389EF838C E646F63>


も 医療関連施設という集団の中での免疫の度合いを高めることを基本的な目標として 書かれています 医療関係者に対するワクチン接種の考え方 この後は 医療関係者に対するワクチン接種の基本的な考え方について ワクチン毎 に分けて述べていこうと思います 1)B 型肝炎ワクチンまず B 型肝炎ワクチンについて

4 月 17 日 4 医療制度 2( 医療計画 ) GIO: 医療計画 地域連携 へき地医療について理解する SBO: 1. 医療計画について説明できる 2. 医療圏と基準病床数について説明できる 3. 在宅医療と地域連携について説明できる 4. 救急医療体制について説明できる 5. へき地医療につ

スライド 1

中医協総会の資料にも上記の 抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス から一部が抜粋されていることからも ガイダンスの発表は時機を得たものであり 関連した8 学会が共同でまとめたという点も行政から高評価されたものと考えられます 抗菌薬の適正使用は 院内 と 外来 のいずれの抗菌薬処方におい

横須賀市立市民病院院内感染対策要領

H1

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

エピネット日本版を用いた針刺し切創・血液体液曝露サーベイランス(JES)の現況

第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧

Q&A(最終)ホームページ公開用.xlsx

Microsoft Word - JAID_JSC 2014 正誤表_ 原稿

スタンダードプリコーション (標準予防策) と 感染経路別予防策

院内感染対策マニュアル

2/13

<4D F736F F D D8ACC8D6495CF8AB38ED282CC88E397C38AD698418AB490F58FC782C982A882A282C48D4C88E E B8

PJta_h1h4_0329.ai

„”Łñ5„”“ƒ



yama291_02_15ck.indd

子ども・子育て支援新制度ハンドブック(平成27年7月改訂版)

表紙.indd

ご利用ガイドブック(お便りフォトサービス編)スマートフォン版

−ÈŁÛ05/‚æ4‘Í


顧客満足は利益の源泉

トップ営業マンに学ぶ営業テクニック

.X../...O..

P01.pdf

<93AF918B89EF89EF95F12091E631318D862E706466>

24_5章_01f

untitled

Contents

.\..

untitled

旬をたのしむ京野菜

13_08_JA.indd

< F41348D818EC58C9F92E88E518D6C8F912E6169>

No

お客様の心をつかむ営業活動のセオリーと実践法

+303_H1_4.ai

untitled


育児・介護ガイド(表紙).eps

かたがみ


untitled

untitled



PDFさきたま49号01.indd

名称未設定-1

表紙 3.3

<93FA967B8CEA2E706466>

海外旅行_2007pdf版

名称未設定-1

オートバイの保険.indd

„”Łñ(8/9„”“ƒ)Œ{Ł¶

CONTENTS

untitled

untitled

CONTENTS


2

1N-SISE _巻頭PART1_X3_3.indd

n_bead 4_14_NotOut

CONTENTS

関西テレビ放送番組制作ガイドライン

CONTENTS

konishi 01 []

newmodelinformation_book_sample.pdf


橡Taro10-卒論 浦野。.PDF


arakawa287.pdf

患者満足度向上に有用なクレーム対応のポイント


美原通信

---

凡友.indd

* MJ_中身

Transcription:

隔離予防策のための CDC ガイドライン医療現場における感染性微生物の伝播の予防 2007 年 2007 Guideline for Isolation Precautions: Preventing Transmission of Infectious Agents in Healthcare Settings 監訳県西部浜松医療センター矢野邦夫

< 原文 > http://www.cdc.gov/ncidod/dhqp/pdf/guidelines/isolation2007.pdf 1996 年 米国疾病管理予防センター (CDC) が 病院における隔離予防策のためのガイドライン において 標準予防策を基本にした新しい感染対策 を公開して以降 日本の感染対策はその影響を強く受けてきました これは CDC の感染対策が 理解しやすい実践的な感染対策 であるとともに根拠に基づいたものであるからと思います しかし MRSA や VRE などの多剤耐性菌が米国においても増加していることや SARS のような新興感染症も発生しており ガイドラインの見直しが必要となってきました このようなことから CDC はガイドラインを 2 部に分けて改訂したのです それは既に公開されている 医療環境における多剤耐性菌の管理 (2006 年 10 月 20 日公開 ) と 今回公開された 隔離予防策のための CDC ガイドライン : 医療現場における感染性微生物の伝播の予防 (2007 年 6 月 27 日公開 ) です この 隔離予防策のための CDC ガイドライン は日本の感染対策チームがずっと待ち続けていたガイドラインであり 今後の感染対策に大きな影響を与えるものと思われます 感染制御に携わる多くの方々にいち早く この新しいガイドラインの内容をご覧いただきたいと思い 翻訳が終了したものから丸石製薬株式会社ホームページにアップさせていただくことにしました 皆様の感染制御の一助になれば幸いです 県西部浜松医療センター感染症科 矢野邦夫 丸石製薬株式会社ホームページ医療関係者情報ページ掲載 http://www.maruishi-pharm.co.jp/med/cdc/index_002.php

CONTENTS 要旨 略語 Ⅰ. 医療現場における感染性微生物の伝播に関する科学的データのレビュー Ⅰ.A. 2007 年ガイドラインの進化 Ⅰ.B. 医療現場における標準予防策と感染経路別予防策の理論的根拠. Ⅰ.C. 医療現場の感染制御に特別な重要性を持つ感染性微生物 Ⅰ.D. 特別な医療現場に関連した伝播のリスク Ⅰ.E. 特別な患者集団に関連した伝播のリスク Ⅰ.F. 伝播の可能性のある感染性微生物を用いた新しい治療 Ⅱ. 医療現場の感染性微生物の伝播予防のための基本要素 Ⅱ.A. 伝播を予防するためにおこなわれる予防策の効果に影響する医療システムの構成要素 Ⅱ.B. 医療関連感染 (healthcare-associated infection: HAI) のサーベイランス Ⅱ.C. 医療従事者 患者 家族の教育 Ⅱ.D. 手指衛生 Ⅱ.E. 医療従事者のための個人防護具 Ⅱ.F. 医療従事者が血液媒介病原体に曝露するのを防止するための安全な診療業務 Ⅱ.G. 患者配置 Ⅱ.H. 患者の移動 Ⅱ.I. 環境措置 Ⅱ.J. 患者ケア器具および機器 Ⅱ.K. リネンと洗濯 Ⅱ.L. 固形廃棄物 Ⅱ.M. 食器類および食事用品 Ⅱ.N. 付加的処置 Ⅲ. 感染性微生物の伝播予防のための HICPAC 予防策 Ⅲ.A. 標準予防策 Ⅲ.B. 感染経路別予防策 Ⅲ.C. 感染経路別予防策の症候性またはエンピリックな適用 Ⅲ.D. 予防策の中止 Ⅲ.E. 外来および在宅医療における感染経路別予防策の適応 Ⅲ.F. 防護環境 (PE: protective environment) Ⅳ. 勧告 付録 A. 表 1. 表 2. 表 3. 表 4. 表 5. 図. 用語辞典 特定の感染症および症状に必要な予防策の種類と期間 医療関連感染の予防のためのガイドラインの最近の歴史 診断確定を待っている間に感染経路別予防策をエンピリックに追加することについて正当 な根拠を与える臨床症候群または症状 バイオテロテロリストの攻撃に由来するかバイオテロリストの脅威と考えられる最優先感 染症 (CDC カテゴリー A) の感染対策に考慮されるべきこと すべての医療現場における全ての患者のケアのための標準予防策の適応の推奨 防護環境の構成要素 個人防護具の着脱の流れ

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

32

33

34

35

36

37

38

39

40

41

42

43

44

45

46

47

48

49

50

51

52

53

54

55

56

57

58

59

60

61

62

63

64

65

66

67

68

69

70

71

72

73

74

75

76

77

78

1

2