Ⅰ 現状と課題 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 1

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住宅・建築物の 着実な省エネルギー設計への誘導

資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

環境・設備からみたLCCM住宅へのアプローチ

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新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

計資料 50 設

資料2:地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(議論のたたき台)(案)

章の表紙

真空ガラス スペーシア のご紹介 一般に使用されている一枚ガラスの約 4 倍の断熱効果を発揮!! お部屋全体を快適にします オフィスやパブリックスペースの環境は 冷房や暖房に常に取付専用グレチャン気を配らなければなりません 高断熱 Low-Eガラスしかし一方で経営者の方々にとっては節電対策も重要な項

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60 年超土地長期優良住宅の認定制度 長期優良住宅の認定制度 長期優良住宅の普及の促進に関する法律 (H21.6 施行 ) に基づく長期優良住宅に係る認定制度の創設 長期優良住宅の建築 維持保全に関する計画を所管行政庁が認定 認定住宅は 税制 融資の優遇措置や補助制度の適用が可能 認定基準 <1>

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建設の施工企画 特集 5 長寿命化 維持管理 リニューアル 住宅の長寿命化への取組 国土交通省住宅局住宅生産課 今後の住宅政策においては これまでの つくっては壊す フロー消費型社会から いいものをつくっ て きちんと手入れして 長く大切に使う という ストック重視型への転換を図ってい

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

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Microsoft PowerPoint - 資料5 省エネ改正

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

2. 省エネ改修工事 耐震改修工事をした場合の所得税額の特別控除に係る工事範囲の拡充 (1) 改正の趣旨 背景 新築の長期優良住宅の認定基準制度に加え 平成 28 年 2 月 増改築による長期優良住宅の認定基準が制定された 長期優良住宅であると認定されることで 税制上様々な優遇措置を受けることができ

公的な住宅改修制度について

我が国の最終エネルギー消費の推移と住宅・建築物部門のエネルギー消費の推移

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

地域型住宅グリーン化事業 「瀬戸の家・グリーン」

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BL住宅金融公庫適合証明手数料案

財団法人新潟県建築住宅センター

【HP公表 最終版の公表前確認修正有り】 北陸取組み(個票)

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4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

住宅性能等の新規追加項について ( 解説資料 ) 種 別 耐震基準適合証明書耐震基準適合証明書が存在する 建物が現行の耐震基準を満たしていることを証明する書類であり 建築士事務所登録を行っている事務所に所属する建築士 又は指定性能評価機関が発行する 耐震基準適合証明書 が存在する場合はチェックを入れ

財団法人 神奈川県建築安全協会

住宅の省エネエネ改修改修に伴う固定資産税固定資産税の減額制度減額制度について 平成 20 年 1 月 1 日以前に建てられた住宅 ( 賃貸住宅を除く ) について 平成 20 年 4 月 1 日から平成 32 年 3 月 31 日までの間に 一定の要件を満たす省エネ改修工事を行った場合 120 m2

SBIAQ確認検査業務手数料規定

第二面 1. 建築物の位置 延べ面積 構造 設備及び用途並びに敷地面積に関する事項 建築物に関する事項 1. 地名地番 2. 敷地面積 m2 3. 建築面積 m2 4. 延べ面積 m2 5. 建築物の階数 地上 階 地下 階 6. 建築物の用途 一戸建ての住宅 共同住宅等 非住宅建築物 複合建築物

資料

住宅リフォームの減税制度の概要 リフォームの減税制度 一定の要件を満たすリフォームを行った場合に受けられる減税制度は 5 種類あります 各制度の概要と主な要件は以下の通りです 詳細は本編をご覧ください 減税制度の種類 1. 所得税の控除 1 投資型減税 2 ローン型減税 3 住宅ローン減税 2. 固

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長寿命住宅(200年住宅)税制の創設 (登録免許税・不動産取得税・固定資産税)

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住宅部分の外壁 窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準 ( 平成 28 年国土交通省告示第 266 号 ) における 同等以上の評価となるもの の確認方法について 住宅部分の外壁 窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準 (

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

Microsoft PowerPoint - 【WOODONEロゴ削除】長期優良住宅_施主向け説明資料_ ppt [互換モード]

別表 1 ( 本社 ) 新築一戸建て F35( 通常型 ) の業務手数料 確認申請併用 ( 単位 : 円消費税抜き ) 住宅性能評現場検査価申請併用設計検査設計建設中間検査竣工検査 10,000 13,000 12,000 5,000 8,000 5,000 5,000 8,000 10,000 5

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1. 現行の補助 税 融資制度の内容

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国土交通大臣 太田昭宏殿 平成 27 年 7 月 27 日 一般社団法人プレハブ建築協会 会長樋口武男 平成 28 年度住宅関連税制及び制度改正要望 昨年 政府は経済再生と財政健全化を両立するため 平成 27 年 10 月に予定していた消費税率 10% の引き上げを平成 29 年 4 月に 1 年半

図表 2 住宅ローン減税の拡充 消費税率が 5% の場合 消費税率が 8% または 10% の 場合 適用期間 ~2014 年 3 月 2014 年 4 月 ~2017 年末 最大控除額 (10 年間合計 ) 200 万円 (20 万円 10 年間 ) 400 万円 (40 万円 10 年間 ) 控

参考資料4 住宅・建築物の省エネ化に関する支援制度

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設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

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約 6 倍になると予測されており これら高経年マンションが増えていく中 経年による建物 設備の劣化等に対応するための大規模修繕や改修等の資金不足の問題が深刻化している 今後 良質なマンションを維持していくためにも 特にマンション共用部のリフォームについての支援が急務である (4) 賃貸住宅のリフォー

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間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 53ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期間 5 年間

1 1. 住宅の省 CO2 化に係る計画 パリ協定を踏まえた地球温暖化対策計画 (216 年 5 月 23 日閣議決定 ) 温室効果ガス削減目標 23 年度に213 年度比 26%( 家庭部門 39%) エネルギー基本計画 (214 年 4 月 11 日閣議決定 ) 22 年までに標準的な新築住宅で

資料 今後の住宅 建築物の省エネルギー対策のあり方について ( 第二次報告案 ) 9

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平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

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給水管 給湯管又は排水管の維持管理又は更新の容易性を高める工事 木造 鉄骨 RC イ 給水管又は給湯管を維持管理上有効な位置に取り替える工事 ロ 排水管を維持管理上又は更新上有効なもの及び位置に取り替える工事 ハ 給水管 給湯管又は排水管の主要接合部等を点検し又は排水管を清掃するための開 口を床 壁

PowerPoint プレゼンテーション

o セメントに対する水の比率を低減するか 鉄筋に対す るコンクリートのかぶりを厚くすること 耐震性 極めて稀に発生する地震に対し 継続利用のための改修の容易化を図るため 損傷のレベルの低減を図ること 大規模地震力に対する変形を一定以下に抑制する措置を講じる [ 層間変形角による場合 ] o 大規模地

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

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表 1: フラット35 S( 金利 Bプラン ) の基準省エネルギー性 1 断熱等性能等級 4の住宅 2 一次エネルギー消費量等級 4 以上の住宅 すまい給付金の申請については 従前の省エネルギー対策等級 4により H までに申請した証明書で申請可能です 耐久性 可変性 3 劣化対策等

各家庭の 1 年間の出費のうち約 7% は電気 ガス 灯油といったエネルギーへの支出です 詳しくは 各制度のパンフレット W EB で 市民向け 太陽光発電 燃料電池 ( エネファーム ) HEMS ( ホームエネルギーマネジメントシステム ) 定置用蓄電 太陽熱利用 ガスエンジン木質コージェネバイ

個信センター概要

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A 3004_物件検査のご案内(一戸建て等)(網なし)

消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 1 住宅取得については取引価格が高額であること等から 消費税率引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和するとともに 良質な住宅ストックの形成を促し響国民の豊かな住生活を確保する

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所得税確定申告セミナー

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

平成 31 年 4 月 10 日住宅局住宅生産課住宅局市街地建築課 平成 31 年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業 の募集を開始します! ~ 既存住宅ストックの質の向上 良好なマンション管理に向けて ~ 既存住宅の性能向上や良好なマンション管理に資する優良なリフォームを支援する 長期優良住宅化リ

長期優良住宅の施行状況

各制度における計算支援プログラムの扱い 表中の Web プログラムについては 国立研究開発法人建築研究所の HP( からアクセス可能 建築物省エネ法 性能向上計画認定申請 基準適合認定表示申請 省エネ法 (H28 年度

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標準入力法H28_解説書_ALL_v2.3_

税幅を 1% ずつ小刻みに引き上げるべきであるといった意見も浮上しており 予定通り引上げが実施されるかは 不透明な状況です Q 消費税増税で住宅取得時の税負担は どのくらい増加しますか A そもそも住宅購入にかかる消費税は 土地にはかからず新築物件なら建物部分のみです 仮に図表 1の モデル のよう

資料3

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平成 29 年度家庭部門の CO 2 排出実態統計調査の分析事例 ( 参考資料 ) 平成 31 年 3 月 環境省地球環境局 低炭素社会推進室 1 はじめに環境省は 家庭部門の詳細な CO 2 排出実態等を把握し 地球温暖化対策の企画 立案に資する基礎資料を得ることを目的に 平成 29 年度から 統

⑰(適既改工第16号書式)リフォーム工事計画確認申請書

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( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資

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住宅 建築物の省エネルギー施策につい て Ⅰ 現状と課題 Ⅱ 課題への対応 平成 26 年 2 月 24 日 国土交通省住宅局住宅生産課 宮森剛 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

Ⅰ 現状と課題 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 1

住宅 建築物に係るエネルギー消費量の推移 我が国において 住宅 建築物部門は全エネルギー消費量の 3 割以上を占め 産業 運輸部門に比べて過去 20 年の増加が著しいため 省エネ対策の強化が求められている ( ペタジュール ) 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 23.2% 26.5% 50.3% 最終エネルギー消費の推移 運輸部門 住宅 建築物部門 産業部門 23.2% 33.5% 43.3% 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 ( 年度 ) 3 部門計 1990-2012 +3% 出典 : 平成 24 年度エネルギー需給実績 ( 資源エネルギー庁 ) 1990-2012 +4% 1990-2012 +31% 建築物 +37% 住宅 +23% 1990-2012 11% (PJ) 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 住宅 建築物部門の内訳 建築物部門 住宅部門 58% 42% 0 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 ( 年度 ) 出典 : 平成 24 年度エネルギー需給実績 ( 資源エネルギー庁 ) 1990-2012 1.37 倍 1990-2012 1.23 倍 2

住宅の世帯当たりのエネルギー消費量の国際比較とその要因 家庭用エネルギー消費に占める暖房の割合が非常に大きい欧米諸国と比べ 日本は 暖房の割合が非常に小さい 一方で 給湯や照明 家電のエネルギー消費の割合が大きい 国 地域によって 気候条件や生活習慣等が大きく異なり エネルギー消費構造も異なることから それを踏まえた省エネ対策を講じる必要 世帯当たりエネルギー消費量 (GJ/ 世帯 年 ) 日本とイギリスの月平均気温の比較 アメリカ (2005) イギリス (2007) フランス (2007) ドイツ (2007) 日本 (2008) 10 (23%) 暖房給湯調理照明 家電照明 家電 その他冷房 40 (40%) 41(55%) 44 (69%) 43 (70%) 15 (34%) 3 (7%) 15 (34%) 7 7 20 (20%) 18 (24%) (11%)(6%) (15%) 2 4 10 2 (3%) 10 (11%)(3%)(16%) 1 44 (2%) 61 14 (18%) 64 30 (30%) 75 8 (10%) 0 20 40 60 80 100 120 99 30 25 20 15 10 5 0-5 -10 東京旭川青森那覇ロンドン 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 旭川 ( 最も北の地域区分 ) Source: Weatherbase 那覇 ( 最も南の地域区分 ) 出典 : 住環境計画研究所 ( 各国の統計データに基き作成 ) 2010 年 9 月 注 : 括弧内は 各国の最新データ年である アメリカの調理は 照明 家電 その他に含まれる 日本は 単身世帯を除く二人以上の世帯 日本の調理は暖房給湯以外ガス LPG 分であり 調理用電力は含まない 欧州諸国の冷房データは含まれていない 日本は欧米諸国に比べて暖房の消費エネルギーが極端に少ない 日本では間欠暖房 部分暖房が一般的 厚い断熱材 日差しを遮る長い庇 3

世界における日本の位置関係 ロンドン 日本 旭川 青森 東京 那覇 4

地域ごとの家庭におけるエネルギー消費 札幌では 暖房エネルギー消費が約半分を占める その他の都市では 暖房の割合は相対的に低く 給湯や照明他電力の割合が大きい 住宅におけるエネルギー消費の現状 (8 都市域の戸建住宅に関する比較 ) 札幌 60.7 22.8 3.8 27.1 仙台 新潟 東京 名古屋 京都 福岡 那覇 5.4 0.8 16.5 15.9 16.6 13.6 16.5 26.9 1.7 2.6 16.8 0.9 1.1 1.3 0.2 15.7 5.2 23.9 23.2 21.3 23.9 3.9 25.2 3.4 4.3 3.6 3.9 33.0 4.4 31.7 27.1 28.1 29.8 31.5 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 ( 単位 GJ/ 世帯 ) 出典 : 財団法人建築環境 省エネルギー機構 自立循環型住宅への設計ガイドライン 33.3 暖房冷房給湯調理照明他電力 5

中古住宅流通の現状 1 全住宅流通量 ( 既存住宅流通 + 新築着工 ) に占める既存住宅流通シェアは約 13.5% で 日本では新築志向が強い 2 これに対し 欧米諸国における既存住宅流通シェアは 7~9 割程度 各国の住宅取得戸数と中古住宅シェア 13.5% 中古住宅取引戸数 新着住宅着工戸数 中古住宅シェア 日本 (H20) 17.1 万戸 109.4 万戸 88.7% アメリカ (H23) 490.8 万戸 62.4 万戸 イギリス (H24) 88.5 万戸 88.3% 12.4 万戸 フランス (H24) 70.2 万戸 67.0% 34.6 万戸 85.8% スウェーデン (H22) 5.7 万戸 2.0 万戸 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% ( 資料 ) 日本 : 住宅 土地統計調査 ( 平成 20 年 )( 総務省 ) 住宅着工統計 ( 平成 20 年 )( 国土交通省 ) アメリカ :Statistical Abstract of the U.S イギリス :HM Revenue and Customs, House Building Statistics, DCLG フランス :Housing starts, INSEE, cgedd スウェーデン :Yearbook of Housing and Building Statistics 6

一戸建て住宅の供給事業者 ( 請負 ) について 一戸建て住宅の引渡実績がある業者のうち 年間 20 戸未満の引渡実績の事業者が約 95% を占める 新築一戸建て住宅引渡実績のある建設業者の一戸建て引渡実績別シェア (H24 年度実績 : 請負 ) 年間 20 戸未満 95.4% 引渡実績別 引渡戸数のシェア 引渡戸数別の事業者の割合 事業者数 引渡戸数 1~4 戸 5~9 戸 10~19 戸 20~49 戸 50~299 戸 300 戸以上 1~4 戸 15.8% 79.3% 5~9 戸 8.2% 10.6% 10~19 戸 8.9% 5.5% 20~49 戸 11.4% 3.2% 50~299 戸 15.5% 1.3% 300 戸 ~ 40.2% 0.1% 年間 20 戸未満 32.9% 新築住宅引渡実績は 平成 24 年度の瑕疵担保履行法に基づく届出 住宅瑕疵担保責任保険の加入実績及び各社の公表資料等による ( 一部推計を含む ) 合計 100% 100% 年間 20 戸未満 事業者 95.4% 戸数シェア 32.9% 年間 20 戸以上 事業者 4.6% 戸数シェア 67.1% 7

住宅 建築物の省エネ化に関するこれまでの経緯 分類 1970~ 1980~ 1990~ 2000~ 2010~ 1 2 3 省エネ法に基づく規制 省エネ性能の表示 情報提供 インセンティブの付与 1979 年 ~ 省エネ法 ( 努力義務 ) 1980 年 ~ 省エネ基準 1980 年版 2003 年 ~ ( 届出義務 ) {2000 m2以上の非住宅建築物の建築 } 2006 年 ~ ( 届出義務の拡大 ) {2,000 m2以上の住宅の建築 } {2,000 m2以上の住宅 建築物の大規模改修等 } 2009 年 ~ ( 住宅トップランナー制度の導入 ) { 住宅事業建築主 (150 戸 / 年以上 ) が新築する戸建住宅 } 1992 年 ~ 住宅 1992 年版 ( 強化 ) 2010 年 ~ ( 届出義務の拡大 ) {300m2以上の住宅 建築物の建築} 1993 年 ~ 非住宅 1993 年版 ( 強化 ) 1999 年 ~ 省エネ基準 1999 年版 ( 強化 ) 2013 年 ~ 省エネ基準 2013 年版 ( 一次エネルギー消費量基準 ) 2000 年 ~ < 住宅の品質確保の促進等に関する法律 > 住宅性能表示制度 2001 年 ~ 建築環境総合性能評価システム ( CASBEE) 2009 年 ~ < 省エネ法 > 住宅省エネラベル融 2007 年 ~ フラット35S( 住宅ローン金利優遇 ) 2008 年 ~ 住宅 建築物省 CO2 先導事業資予 2008 年 ~ 省エネ改修推進事業算 2010 年 ~ 住宅エコポイント 2012 年 ~ 住宅のゼロ エネルギー化推進事業 2008 年 ~ 省エネリフォーム促進税制税 2009 年 ~ < 長期優良住宅の普及の促進に関する法律 > 長期優良住宅認定制度 ( 住宅ローン減税 固定資産税引き下げ等 ) 制 2012 年 ~< 都市の低炭素化の促進に関する法律 > 低炭素建築物認定制度 ( 住宅ローン減税 容積率緩和等 ) 8

省エネ措置の届出義務付け 省エネ措置の届出義務付け 2003 年から 2,000 m2以上の非住宅建築物の建築 2006 年から 2,000 m2以上の住宅の建築及び 2,000 以上の住宅 建築物の大規模改修等 2010 年から 300 m2以上の住宅 建築物の建築について所管行政庁への届出を義務づけ 省エネ措置の内容が判断基準に照らして著しく不十分な場合は 勧告等の措置が講じられる 省エネ措置の届出対象 第一種特定建築物 第二種特定建築物 対象規模 ( 床面積 ) 2000 m2以上 300 m2以上 2000 m2未満 省エネ措置の届出 対象となる行為 省エネ措置が著しく不十分な場合の措置 新築 一定規模以上の増改築 屋根 壁又は床の一定規模以上の修繕又は模様替 空気調和設備等の設置又は一定の改修 指示 命令 公表 罰則 新築 一定規模以上の増改築 - - 勧告 9

従前の住宅の省エネ基準 全国を 6 つの地域に区分し 地域ごとに断熱性 日射遮蔽性等に関する基準を規定 1980( 昭和 55) 年に制定 1992( 平成 4) 年 1999( 平成 11) 年に強化 2006 年に共用部分の建築設備に関する事項を追加 木造戸建住宅の断熱化のイメージ 天井断熱 180mm (GJ/ 年 戸 ) 30 年間暖冷房エネルギー消費量 の試算 28 外壁断熱 100mm 暖冷房はエアコン 東西窓の日除け 南窓の軒ひさし 窓は複層ガラス ( 可能なら断熱サッシ ) 25 20 15 10 20 17 13 床断熱 100mm 基準ごとの断熱仕様等の比較 Ⅳ 地域仕様 5 0 S55 以前 S55 基準 H4 基準 H11 基準 項目 S55 年以前 S55 年基準 H4 年基準 H11 年基準 ( 現行基準 ) 性能基準熱損失係数 - 5.2 W/( m2 K) 以下 4.2 W/( m2 K) 以下 2.7 W/( m2 K) 以下 仕様基準 ( 例 ) 断熱材 ( 外壁 ) なし グラスウール30mm グラスウール40mm グラスウール100mm 断熱材 ( 天井 ) なし グラスウール40mm グラスウール55mm グラスウール180mm 開口部 ( 窓 ) アルミサッシ + 単板 アルミサッシ + 単板 アルミサッシ + 単板 アルミ二重サッシ又はアルミサッシ + 複層ガラス 年間暖冷房費 約 6 万 5 千円 / 年 約 4 万 7 千円 / 年 約 4 万 1 千円 / 年 約 3 万 1 千円 / 年 年間暖冷房エネルギー消費量 約 28GJ 約 20GJ 約 17GJ 約 13GJ 一定の仮定をおいて 国土交通省において試算 10

新築住宅 建築物の省エネ基準適合率の推移 非住宅建築物については これまでの規制強化により 省エネ基準適合率が約 9 割に達している 住宅については 従前は 20% 未満であった省エネ基準適合率が 住宅エコポイントの効果により約 5 割に向上 新築建築物における省エネ判断基準適合率 の推移 ( 単位 :%) ( 平成 11 年 [1999 年 ] 基準 ) 新築住宅における省エネ判断基準適合率 の推移 ( 平成 11 年 [1999 年 ] 基準 ) ( 単位 :%) 100 90 80 70 70 74 85 87 85 83 85 88 85 100 90 80 70 住宅エコポイント効果により 2011 年度は約 5 割に上昇 60 50 40 30 20 10 34 34 35 50 60 50 40 30 20 10 3 7 9 12 15 15 15 16 18 26 43 49 0 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 0 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2003 年 4 月より省エネ措置の届出を義務付け 2010 年 4 月より省エネ措置の届出対象を拡大 2006 年 4 月より省エネ措置の届出を義務付け 2010 年 4 月より省エネ措置の届出対象を拡大 当該年度に建築確認された建築物 (2,000 m2以上 ) のうち 省エネ判断基準 ( 平成 11 年基準 ) に適合している建築物の床面積の割合 住宅の断熱水準別戸数分布調査による推計値 11

住宅ストックの状況 住宅の省エネルギー化 耐震化が必要な住宅が多数存在 住宅ストック約 5,000 万戸の耐震性 ( 推計 ) 平成 20 年 住宅ストック約 5,000 万戸の断熱性能 H11 基準 ( 現行基準 ) (5%) 耐震性なし約 1050 万戸 無断熱 (39%) 耐震性あり約 650 万戸 S56 以前 S57 以降 H4 基準 (19%) S57 以降耐震性あり約 3250 万戸 総戸数約 4950 万戸耐震性あり約 3900 万戸耐震性なし約 1050 万戸 平成 20 年の推計値 耐震化率約 79% S55 基準 (37%) ( 資料 ) 住宅 土地統計調査 総務省 をもとに 国土交通省推計 統計データ 事業者アンケート等により推計 (2012 年 )

Ⅱ 課題への対応 1 省エネ法に基づく規制 2 省エネ性能の評価 表示 3 支援措置 ( 補助金 税制優遇等 ) 4 その他 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 13

日本再興戦略 ( 平成 25 年 6 月 14 日閣議決定 ) < 住宅 建築物の省エネ施策関連抜粋 > テーマ 2: クリーン 経済的なエネルギー需給の実現 ( 本文 ) (2) 個別の社会像と実現に向けた取組 3 エネルギーを賢く消費する社会 Ⅱ) 解決の方向性と戦略分野 ( 市場 産業 ) 及び当面の主要施策 ( 略 ) また 近年エネルギー消費量が著しく増大 ( 石油危機以降 2.5 倍 ) している家庭 業務部門を中心とした省エネの最大限の推進を図る そのため 燃料電池の導入や住宅 ビルの省エネ基準の段階的適合義務化 既存住宅 ビルの省エネ改修の促進 トップランナー制度の適用拡充 ネット ゼロ エネルギー化等を図る また 生活の質を向上させつつエネルギー消費量を削減するライフスタイルの普及を進める 住宅 建築物の省エネ基準の段階的適合義務化 規制の必要性や程度 バランス等を十分に勘案しながら 2020 年までに新築住宅 建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化する これに向けて 中小工務店 大工の施工技術向上や伝統的木造住宅の位置付け等に十分配慮しつつ 円滑な実施のための環境整備に取り組む 具体的には 省エネルギー対策の一層の普及や住宅 建築物や建材 機器等の省エネルギー化に資する新技術 新サービス 工法の開発支援等を実施する 2020 年 2030 年目標 ( 中短期工程表 ) 新築住宅 ビルの省エネ基準適合率 100%(2020 年目途 ) ( 住宅 )2020 年までにゼロエネルギーハウスを標準的な新築住宅に 2030 年の新築住宅が平均でゼロエネルギー住宅 (ZEH) を実現 ( 建築物 )2030 年の新築建築物が平均でゼロエネルギー建築物 (ZEB) を実現 14

住宅 建築物の省エネ対策の推進 住宅 建築物の省エネ化を 規制 評価 表示 インセンティブの付与 等により推進し 低炭素社会の実現に取組む 住宅 建築物の省エネ化 省エネルギー基準の見直し 住宅以外 :H25 年 4 月より施行 ( 経過措置 1 年間 ) 住宅 :H25 年 10 月より施行 ( 経過措置 1 年 6 ヶ月間 ) 1 省エネ法に基づく規制 H25 省エネ基準の普及に向けた取組 ( 中小工務店 大工向け講習等 ) 義務化に向けた検討 体制整備 伝統的木造住宅等の評価方法の検討 建材 機器の性能 品質の確保 向上 評価 審査体制の整備 従来の省エネ基準 2 省エネ性能の評価 表示 住宅性能表示基準の見直し等 省エネ基準改正を踏まえ 一次エネルギー消費量等を基準に導入 既存ストックも含めた省エネ性能を評価 表示する制度を検討 3 インセンティブの付与 低炭素建築物の認定基準の策定 (H24 年 12 月より施行 ) 認定を取得した新築住宅には所得税等の軽減措置の対象に 低炭素住宅やゼロエネルギー住宅など省エネ性能に優れた住宅 建築物への支援 既存ストックの省エネ改修の促進 ( 既存住宅の長期優良住宅化を含む ) 15

Ⅱ 課題への対応 1 省エネ法に基づく規制 2 省エネ性能の評価 表示 3 支援措置 ( 補助金 税制優遇等 ) 4 その他 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 16

新築住宅の省エネ性能の評価方法の見直し (H25.4 施行 ) 見直し前の省エネ基準 見直し前の住宅の省エネ性能の評価は住宅の外皮の断熱性能のみを評価 外皮のみ評価 見直し後の省エネ基準 一次エネルギー消費量を指標として 断熱性能に加え 設備性能や再生可能エネルギー利用量を総合的に評価する方法に見直し 暖冷房設備 太陽光発電設備等 換気設備 暖冷房設備 太陽光発電設備等 換気設備 設備性能等も含めて総合的に評価 照明設備 給湯設備 照明設備 給湯設備 課題 設備性能等は評価しない 消費者にとってメリットが分かりにくい 住宅の全エネルギー消費量の約 30% を占める給湯や照明などの設備による省エネ努力が評価されていない 太陽光発電や太陽熱利用によるエネルギー創出の努力が評価されていない < 一次エネルギー消費量の計算方法 > 暖冷房エネルギー消費量 + 給湯エネルギー消費量 + 照明エネルギー消費量 + 換気エネルギー消費量 + 家電等エネルギー消費量 - 太陽光発電による再生可能エネルギー導入量等 = 設計一次エネルギー消費量 判断基準 設計一次エネルギー消費量が基準値を下回っていること 基準値 17

見直し後の省エネ基準において評価される取組み例 躯体に関する取組 設備に関する取組 < 太陽光発電パネル > < 自家消費分の算出 > 住宅ごとに時間帯別の発電量と消費量を算出し 自家消費分を算出 太陽光発電量 電力消費量 < 日差しを遮る庇 > < 燃料電池 > < 断熱材の使用 > < 二重サッシ 複層ガラス > < 高効率給湯器 > 18

基準仕様Es T T3E 住宅の一次エネルギー消費量基準の考え方 評価対象となる住宅において 1 共通条件の下 2 設計仕様 ( 設計した省エネ手法を加味 ) で算定した値 ( 設計一次エネルギー消費量 ) が 3 基準仕様で算定した建築設備 ( 暖冷房 換気 照明 給湯 ) に係る一次エネルギー消費量に 家電等に係る一次エネルギー消費量を足した値 ( 基準一次エネルギー消費量 ) 以下となることを基本とする < 住宅の一次エネルギー消費量基準における算定のフロー > 1 共通条件 ( 地域区分 床面積等 ) 暖冷房エネルギー消費量 Es AC + 換気エネルギー消費量 + 照明エネルギー消費量 + Es V Es L 給湯エネルギー消費量 Es H E A C E V E L E H 暖冷房エネルギー消費量 + 換気エネルギー消費量 + 照明エネルギー消費量 + 給湯エネルギー消費量 2 設計仕様 ( 省エネ手法を加味 ) < 効率化 > 設備効率の向上< 負荷の削減 > 外皮の断熱化 日射の遮蔽 取得 通風利用 躯体蓄熱 熱交換換気の採用 調光 照明制御 節湯型器具の採用 浴槽の断熱化 太陽熱温水器の設置 + + 家電等エネルギー消費量 1 EM E M E S 家電等エネルギー消費量 1 - 太陽光発電による再生可能エネルギー導入量等 2 家電等は 省エネ手法を考慮しない < エネルギーの創出 > 太陽光発電設備等の設置 基準一次エネルギー消費量 Es T E T 設計一次エネルギー消費量 1 家電及び調理のエネルギー消費量 建築設備に含まれないことから 省エネルギー手法は考慮せず 床面積に応じた同一の標準値を設計一次エネルギー消費量及び基準一次エネルギー消費量の両方に使用する 2 コージェネレーション設備により発電されたエネルギー量も含まれる 19

Ⅱ 課題への対応 1 省エネ法に基づく規制 2 省エネ性能の評価 表示 3 支援措置 ( 補助金 税制優遇等 ) 4 その他 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 20

住宅性能表示制度 住宅性能表示制度 (2000 年 ~) 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき 共通のルール 基準により 公正中立な第三者機関が設計図書の審査や施工現場の検査を経て等級などで評価する制度 2000 年 10 月より運用開始 ( 新築住宅 ) され 累計 200 万戸強が利用 住宅の性能評価項目 ( 新築 ) のイメージ 2012 年度実績 :20 万戸強 ( 全住宅着工の約 23%) 温熱環境性能の改正案 (H27.4 に施行予定 ) 10 分野 32 項目について等級等による評価等を行う H25 改正省エネ基準にあわせて 断熱等性能等級に加えて一次エネルギー消費量等級を追加 この際 低炭素基準相当 ( 等級 5) を追加 最上級については数値の併記可 5 温熱環境 エネルギー消費量に関すること 5-1 断熱等性能等級 5-2 一次エネルキ ー消費量等級 等級 4 H25 基準相当 等級 3 H4 基準相当 等級 2 S55 基準相当 その他 ( 等級 1) 等級 5 低炭素基準相当 等級 4 H25 基準相当 その他 ( 等級 1) 21

建築物省エネルギー性能表示制度 (BELS) の概要 ( 案 ) [ 平成 26 年春頃開始予定 ] (BELS:Building Energy-efficiency Labeling System) 非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン (2013.10 国土交通省住宅局 ) に基づき ( 一社 ) 住宅性能評価 表示協会において 省エネルギー性能に特化したラベリング制度を構築 項目 制度運営主体 対象建物 評価対象 評価者 概要 一般社団法人住宅性能評価 表示協会 新築及び既存の非住宅建築物 建築物全体の設計時の省エネルギー性能 評価手法によっては フロア単位等も可能 評価実施機関による第三者評価評価実施者 : 一級建築士等で講習を受講し修了した者 評価指標 一次エネルギー消費量及び BEI(Building Energy Index= 設計一次エネ / 基準一次エネ ) 表示プレートのイメージ ( 案 ) 評価スキーム 一般申請者 申請 ( WEB プログラム等を用いて省エネ性能を計算 ) 評価の実施 ( 評価書交付 表示プレート発行 ) 評価実施機関 BEI( 設計値 / 基準値 ) good 0.0 0.5 0.7 0.9 1.0 1.1 BEI 0.5 0.5<BEI 0.7 0.7<BEI 0.9 0.9<BEI 1.0 1.0<BEI 1.1 既存のみ BEI と との関係 22

Ⅱ 課題への対応 1 省エネ法に基づく規制 2 省エネ性能の評価 表示 3 支援措置 ( 補助金 税制優遇等 ) 4 その他 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 23

住宅 建築物に関する主要な省エネ支援施策 (H26 年度予算案等 ) 融資 税 住宅 ( 独 ) 住宅金融支援機構のフラット 35S 耐震性や省エネルギー性等に優れた住宅を取得する場合 当初 5 年間の金利を 0.3% 引き下げ 認定長期優良住宅等の特に優れた住宅を取得する場合は 当初 10 年間の金利を 0.3% 引き下げ 所得税 / 登録免許税 / 不動産取得税 / 固定資産税 一定の省エネ改修を行った住宅について 所得税 固定資産税 の特例措置改修 認定長期優良住宅について 所得税 登録免許税 不動産取得税 固定資産税の特例措置新築 認定低炭素建築物について 所得税 登録免許税の特例措置 建築物 日本政策金融公庫の低利融資 認定低炭素建築物を新築等する場合 当初 2 年間の特別利率 ( 基準利率 -0.65% 等 ) による貸付け 新築新築改修 新築 法人税 / 所得税 新築 改修 一定の省エネ設備の取得等をし 事業の用に供した場合は 即時償却 ( 特別償却 ) 又は税額控除の特例措置を適用 贈与税 新築 改修 省エネ性を満たす住宅を新築若しくは取得又は増改築する場合の贈与税について 一定金額まで非課税措置 住宅 建築物省 CO2 先導事業 先導的な省 CO2 技術に係る建築構造等の整備費 効果の検証等に要する費用等 補助率 1/2 住宅 建築物省 CO2 先導事業 先導的な省 CO2 技術に係る建築構造等の整備費 効果の検証等に要する費用等 補助率 1/2 新築改修新築改修 補助 ゼロ エネルギー住宅推進事業 中小工務店においてゼロ エネルギー住宅とすることによる掛かり増し費用相当額等 補助率 1/2( 補助限度額 165 万円 / 戸 ) 長期優良住宅化リフォーム推進事業 既存住宅の長寿命化に資するリフォームに要する費用等 補助率 1/3 ( 補助限度額 100 万円 / 戸等 ) 新築 改修 建築物省エネ改修等推進事業 既存建築物について躯体改修を伴い省エネ効果 15% 以上が見込まれる省エネ改修の費用等 補助率 1/3( 補助限度額 5000 万円 / 件等 ) 改修 1 長期優良住宅 : 長期にわたり良好な状態で使用できる耐久性 耐震性 維持保全容易性 可変性 省エネ性等を備えた良質な住宅として 認定を受けた住宅 2 低炭素住宅 建築物 : 高い省エネ性能等を備えた住宅と 建築物として 認定を受けた住宅 建築物 24

都市の低炭素化の促進に関する法律 の制定 (H24.12 施行 ) 省エネ法の省エネ基準に比べ 一次エネルギー消費量が 10% 以上となること その他の低炭素化に資する措置が講じられていること 定量的評価項目 ( 必須項目 ) 省エネ法の省エネ基準に比べ 一次エネルギー消費量 ( 家電等のエネルギー消費量を除く ) が 10% 以上となること ( ) 10% 選択的項目 省エネルギー性に関する基準では考慮されない 以下に掲げる低炭素化に資する措置等のうち 一定以上を講じていること HEMS の導入 エネルギー使用量の 見える化 などにより居住者の低炭素化に資する行動を促進する取組を行っている 節水対策 節水型機器の採用や雨水の利用など節水に資する取組を行っている 戸建住宅イメージ 省エネ法の省エネ基準 低炭素基準 + 外壁断熱 100mm 天井断熱 180mm 暖冷房はエアコン 常時換気システム 南窓の軒ひさし 太陽光発電パネル + 木材の利用 木材などの低炭素化に資する材料を利用している ヒートアイランド対策 敷地や屋上 壁面の緑化などヒートアイランド抑制に資する取組を行っている 連続する防湿気密層 床断熱 100mm 東西窓の日除け 窓は複層ガラス ( 可能なら断熱サッシ ) 高効率給湯器 等 省エネルギー法に基づく省エネルギー基準と同等以上の断熱性能を確保することを要件とする 25

y 座標 x 座標 100 90 80 70 60 50 50 40 40 30 住宅のゼロ エネルギ - 化推進事業 H26 年度当初予算案 : 環境 ストック活用推進事業 17,609 百万円の内数 地球温暖化 民生部門のエネルギー消費量の増加に対応し 住宅の環境対策をさらに促進するため 中小工務店におけるゼロ エネルギー住宅の取組みを支援する 国が中小工務店等の提案を公募 ( 学識経験者による評価の実施 ) ゼロ エネルギー住宅の取組みの実施 主な補助対象 : ゼロ エネルギー住宅とすることによる掛かり増し費用相当額等補助率 :1/2( 補助限度額 165 万円 / 戸 ) ゼロ エネルギー住宅のイメージ 住宅の躯体 設備の省エネ性能の向上 再生可能エネルギーの活用等により 年間での一次エネルギー消費量が正味 ( ネット ) で概ねゼロになる住宅 太陽光発電 太陽熱温水器 躯体の高気密化 躯体の高断熱化 通風 換気による春 秋など中間期の暖冷房負荷の低減 冬季の日射取得夏季の日射遮蔽 高効率給湯器 蓄電池 HEMS 地中熱利用 高効率空調 事業実施後に 建築したゼロ エネルギー住宅の仕様 居住段階のエネルギー消費量等をフォローアップ 公表 26

長く使っていけるストックを壊さずにきちんと手入れして長く大切に使う社会 を構築するため 既存住宅の長寿命化に資するリフォームの先進的な取り組みを支援し 既存住宅ストックの質の向上及び流通促進に向けた市場環境の醸成を図る 現状と課題 既存住宅ストックの現状 省エネ基準 適合率 :5%(H24) 平成 11 年基準 耐震化率:79%(H20) 中古住宅の質に対する消費者の不安 資産価値は20 年でほぼゼロ ( 価格 ) 20 年程度で建物価値ゼロ ( 木造 ) 価長期優良化リフォーム推進事業 欧米と比べて低い中古住宅流通シェア ( 日本 :13.5%, アメリカ :90.3%, イギリス :71.1%, フランス 59.4%) 現在の評( 経年 ) 長期優良化リフォーム推進事業 消費者の不安を解消するインスペクションや維持保全計画の作成の取り組みを行うことを前提に 長寿命化に資するリフォームの先進的な取り組みに対して支援を行う 補助率 1/3 限度額 100 万円 / 戸等 国が広く提案を公募し 学識経験者による評価を経て 先進的な取り組みを採択し支援 インスペクションの実施 性能の向上 耐震性 省エネルギー性 劣化対策 維持管理 更新の容易性 維持保全計画の作成 等 平成 25 年度補正予算 :2,000 百万円平成 26 年度当初予算案 :3,069 百万円 ( 優先課題推進枠 ) ( 環境 ストック活用推進事業 :17,609 百万円の内数 ) 省エネルギー性 例 ) 外壁の断熱 外壁の断熱材充填 耐震性 例 ) 軸組等の補強 柱脚固定金物 筋交いプレートの追加 劣化対策 例 ) 床下防湿 防蟻措置 防湿コンクリート下の防湿シート敷込 目標 2020 年までに 中古住宅流通市場やリフォーム市場の規模を倍増 ( 日本再興戦略 中古住宅 リフォームトータルプラン ) 効果 住宅ストックの質の向上 長寿命化 リフォーム市場の活性化と既存住宅の流通促進 27

Ⅱ 課題への対応 1 省エネ法に基づく規制 2 省エネ性能の評価 表示 3 支援措置 ( 補助金 税制優遇等 ) 4 その他 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 28

LCCM( ライフサイクルカーボンマイナス ) 住宅の例 ( つくば市 ) 使用段階の CO2 排出量に加え資材製造や建設段階の CO2 排出量の削減 長寿命化により ライフサイクル全体 ( 建築から解体 再利用等まで ) を通じた CO2 排出量をマイナスにする住宅の開発 普及を推進し 我が国の地球温暖化防止対策の一層の進展に寄与する LCCM 住宅デモンストレーション棟 ( 建築研究所内つくば市 ) 概要 創エネ 太陽光発電パネル + 太陽熱給湯集熱パネル 空気の流れを作り出す通風塔 排出 削減 排出 排出 排出 排出 冬季のダイレクトゲインを考慮した南面大開口 LED 照明の多灯分散配置 排出 CO 2 光と風を取り組むパラボラ状の壁形状 LCCM 住宅のライフサイクルと CO2 排出のイメージ 高効率 HP エアコンによる部分間欠冷暖房 地域木材等の利用 日射を遮蔽する木製ルーバー 高炉セメントコンクリート使用 高効率給湯器 燃料電池等 ライフサイクル全体を通じた CO2 排出量推移のイメージ ライフサイクルカーボンマイナス住宅 研究開発委員会 ( 委員長 : 村上周三 ( 独 ) 建築研究所理事長 ) 29

ライフサイクルを通じた CO 2 排出量の削減 LCCM 住宅における LCCO2 削減のアプローチ 運用段階の CO2 削減 1 省エネ設備導入により 健康 安全性 快適性 利便性を低下させることなく 住宅内の CO2 排出量を大幅に削減 2 創エネルギー ( 太陽光発電など ) による CO2 排出量の削減 運用段階以外の CO2 削減 3 運用段階の創エネルギー ( 太陽光発電など ) の余剰分により 建設時等の CO2 排出量を差し引く 廃棄処分 1% (1.4t-CO2) 運用 75% (270.1t-CO2) 新築 12% (43.9t-CO2) 設計監理 0.02% (0.83t-CO2) 修繕 5% (18.6t-CO2) 改修 7% (24.60t-CO2) 3 により削減 1 2 により削減 年間の CO2 発生量 照明他調理給湯冷房暖房 1 3 2 削減前の発生量削減後の発生量太陽光発電 各段階ごとの LCCO2 の割合 (LCA ツールによる評価 ) 運用は標準的な値 運用以外は LCCM 住宅による値 延床面積 145.68 m2 供用期間 60 年での試算 ( 出典 )LCCM 住宅構法部会エグゼクティブサマリー 一般住宅 LCCM 住宅 LCCM 住宅におけるLCCO2 削減のアプローチ ( 出典 )LCCM 住宅環境設備部会エグゼクティブサマリー 30