天空率取り扱い基準の問題点の指摘 東京都新宿区高田馬場 2-14-5 URL http://www.com-sys.co.jp 比嘉 : 本レポートを他に配布する場合は連絡下さい
はじめに 天空率を解析する手法として知られる仕様は発表順に東京都 : 横浜 : 仙台 : 大阪 : 名古屋市 : 豊中市 : 枚方市が存在します これらの仕様は天空率の運用にあたり一定の基準となりおおきな貢献をした事はまぎれもない事実ですが 中途半端な記述は混乱の元にもなっております これらの異なる解釈がおこる要因を当方で検討した結果 下記の事項があいまいであり これらを共通認識として確立する事により天空率の運用がスムーズになると考えます 今回は現状の問題点を指摘し天空率検討会における検討テーマの参考になればと考えます 道路の場合 1)56 条 1 項にある 前面道路 の定義が明確でない為に政令の記述における 前面道路に面する などの解釈があいまいである事 * この事が明快になれば 入り隅 あるいは隣地越えなどおのずと解決し統一されます ただしこの事項はそれなりの学識経験者に判断をゆだねる必要があると考えます ( 具体的には 適用距離内を前面道路とする横浜市の手法か道路境界点間を前面道路とする東京の方式かの判断になります ) 2)2 以上の道路における 132 条解釈および不徹底 1 132 条区分の解釈が行政サイドで従来の斜線規制における簡便なチェック法と混同しているケースが多く 面で区分される天空率の領域の大小が結果に大きく左右する事の認識不足が多くみらます 2 道路幅の微小な異なりに対する1の道路 2 以上の道路の判断 * 微小な異なりは行政の判断で1か複数かは確定する必要あると考えます たとえば最近多いのが実測で 6.05 と 6.03,6.02 など微小な凸凹がありそれらの道幅で道路を複数と判断した場合 132 条で区分せざるをえなく適合領域が細かく区分されてしまい天空率計算が有効に機能しなくなります この様な事例の場合一定の道路幅の差の範囲ではせまい道路に順ずるなどのルールを設定するなどの指導が必要だと実感しております 6 月 20 日の基準法改正以来 道路幅 あるいは高低差においても微小な幅も考慮し検討する風潮があり設計 審査両面で煩雑になっております ( 現実高低差など算定位置毎にその位置で測量できるわけがなくナンセンスです ) * 以上の事は設計者さらに審査側も 132 条を正しく理解していない場合が多く 132 条の解釈を啓蒙する必要が運用上不可欠だと考えます 3)3m 以上の複数地盤における算定領域および算定線 * この事はアンケートの前に JCBO では手法が確立された聞いております すみやかに公開する様お伝え下さい 公開されない内容は確定してないと考えざるをえません 隣地の場合 1) 隣地境界点の区分 屈曲した隣地をまとめる事の可否 * 隣地境界は東京都のみ1m 以内の屈曲度を可とします 統一した仕様を確定するのであれば JCBO においてはその事を吟味し採用の可否検討する必要があり不可の場合理由を明確にする必要があります 2) 横浜市を除く JCBO 方式において入り隅の場合算定線が円弧上に作図されています 56 条 7 項二号では 16 mと 12.4m の水平距離が規定されており半円の端部は当該の隣地境界に上記距離を無視し接近します ( 横浜市の場合隣地境界の算定線を入り隅においても半円状に作図していないのはその為だと思われます ) 2
2 以上の道路における天空率法解釈手順 2 以上道路におけるる天空率処理は 東京方式 横浜を中心とした JCBO 方式において異なる しかも両仕様共に 132 条の解釈においては不完全と思える 今回は 2 以上の道路における法解釈の手順を確認し その手順から東京方式 横浜方式を再考した場合における問題点を指摘したい 天空率による建築物の高さ制限法 56 条 7 次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれぞれ当該各号に定める位置において確保される採光 通風等と同程度以上の採光 通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については それぞれ当該各号に掲げる規定は 適用しない 一第一項第一号 第二項から第四項まで及び前項 ( 同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る ) 前面道路の反対側の境界線上の政令で定める位置二 三は隣地 北側につき省略 政令で定める基準天空率 ) 第 135 条の5 この章において 天空率 とは 次の式によつて計算した数値をいう Rs = (As - Ab) / (As) この式において Rs As 及び Ab は それぞれ次の数値を表すものとする Rs 天空率 As 地上のある位置を中心としてその水平面上に想定する半球 ( 以下この章において 想定半球 という ) の水平投影面積 Ab 建築物及びその敷地の地盤を As の想定半球と同一の想定半球に投影した投影面の水平投影面積 前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等 ) 第百三十五条の六 法第五十六条第七項の政令で定める基準で同項第一号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは 次のとおりとする 一当該建築物 ( 法第五十六条第七項第一号に掲げる規定による高さの制限 ( 以下この章において 道路高さ制限 という ) が適用される範囲内の部分に限る ) の第百三十五条の九に定める位置を想定半球の中心として算定する天空率が 当該建築物と同一の敷地内において道路高さ制限に適合するものとして想定する建築物 ( 道路高さ制限が適用される範囲内の部分に限り 階段室 昇降機塔 装飾塔 物見塔 屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が建築物の建築面積の八分の一以内であつて かつ その部分の高さが十二メートル以内であるもの ( 以下この章において 階段室等 という ) 及び棟飾 防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出物 ( 以下この章において 棟飾等 という ) を除く 以下この章において 道路高さ制限適合建築物 という ) の当該位置を想定半球の中心として算定する天空率以上であること 二当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離 ( 法第五十六条第二項に規定する後退距離をいう 以下この号において同じ ) が 前号の道路高さ制限適合建築物と同一の道路高さ制限適合建築物の前面道路の境界線からの後退距離以上であること 2 当該建築物の敷地が 道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域 地区又は区域 ( 以下この章において 道路制限勾配が異なる地域等 という ) にわたる場合における前項第一号の規定の適用については 同号中 限る ) とあるのは 限る ) の道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分 と という ) の とあるのは という ) の道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分の とする 3 当該建築物の前面道路が二以上ある場合における第一項第一号の規定の適用については 同号中 限る ) とあるのは 限る ) の第百三十二条又は第百三十四条第二項に規定する区域ごとの部分 と という ) の とあるのは という ) の第百三十二条又は第百三十四条第二項に規定する区域ごとの部分の とする 3
132 条の確認 (2 以上の前面道路がある場合 ) 第 132 条建築物の前面道路が2 以上ある場合においては 幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2 倍以内で かつ 35 メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が 10 メートルをこえる区域については すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす 2 前項の区域外の区域のうち 2 以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2 倍 ( 幅員が4メートル未満の前面道路にあつては 10 メートルからその幅員の2 分の1を減じた数値 ) 以内で かつ 35 メートル以内の区域については これらの前面道路のみを前面道路とし これらの前面道路のうち 幅員の小さい前面道路は 幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす 3 前 2 項の区域外の区域については その接する前面道路のみを前面道路とする 1)1 項最大幅員の領域 1 項の領域は下図黄色で示し 最大幅員がその他の B,C においても最大幅員から2A を越え さらに道路中心 10m を越えた領域には最大幅員の領域がそれぞれ存在し三領域に区分される A B C 4
2)2 項道路中心 10m の区分 132 条の確認 1 項で区分される最大幅員以外の道路中心 10mの区分は2 以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2 倍以内で かつ 35 メートル以内の区域については これらの前面道路のみを前面道路とし これらの前面道路のうち 幅員の小さい前面道路は 幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす 3 項は 2 項以外の残りの道路中心 10m 区分をしめす 10m 区分の黄色部分が 2 項をしめし 他が 3 項の区分を示す 黄色部分は B,C に面する部分からそれぞれの幅員の 2 倍までを区分しさらに幅員の比較を行い幅員の大きい道路を前面道路とする為に さらに下図で示す様に区分される B 側領域 C 側領域 B1 * B 側の 3 項の領域はどの行政も区分していないがそれぞれの 2 倍を超えた領域は 3 項に区分される この事も確認しなければならない大きな事項と思われる 5
JCBO 方式における解釈 1 横浜市 大阪市 上図は横浜市 大阪市が配布する 2 以上の道路の場合の区分法を解説するものだが 丸印部分の区分をする事が特徴となる 2 以上の道路の区分は第百三十五条の六 3 当該建築物の前面道路が二以上ある場合における第一項第一号の規定の適用については 同号中 限る ) とあるのは 限る ) の第百三十二条又は第百三十四条第二項に規定する区域ごとの部分 と という ) の とあるのは という ) の第百三十二条又は第百三十四条第二項に規定する区域ごとの部分の とする 政令で定められられた区分をさらに有効距離で区分している事がわかる 適用距離内で区分する領域が横浜市の凡例では最大幅員からの有効距離のみになり大阪市では道路中心 10m 内でも有効距離内で区分する ( 上図右下 ) その可否はさておき横浜市は基本的な考えが一貫しない様に思える いずれにしても 132 条以外で区分した場合の不合理を次項で解説します 6
JCBO 方式における不合理な解釈事例 132 条 1 項 ( 最大幅員 ) による区分最大幅員から有効距離による道路中心 10m 区分 横浜市 大阪市においては最大幅員側から上図の用に最大幅員からの区分と道路中心 10m 部分の有効距離領域で区分される この場合上右図の区分の不合理性は下記理由による 1 132 条 1 項における建築物の前面道路が2 以上ある場合においては 幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2 倍以内で かつ 35 メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が 10 メートルをこえる区域については すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす その他の前面道路中心 10m 以内の区域には最大幅員からの区分は存在しないにもかかわらず区分されます 最大幅員幅が広い場合その有効距離は2A を越えない事多い為 表面化しないがせまい道路の場合確実に発生する不合理な状況です 7
東京方式における不合理な解釈事例 東京方式の場合 前面境界越しの可視範囲を適合領域とする その為に上右図の様に道路中心 10m 区分がさらに区分される 最大でない道路の角度が 120 度超で屈曲度 1m 以上 ( 同一の道路区間として設定不可とされる ) の事例 ( 下図 ) ではさらに顕著となり 132 条の 2 項が JCBO の領域と大きく異なる * この事は前面道路の定義を学識経験者より明確に判断発令していただきそれに順ずる事で相違を解消する必要がもはや必要ではないでしょうか 8
つき込み道路など 2A の範囲の回り込みに関する記述の不合理 上図は横浜市の取り扱いの記述であるが つき込み道路の場合においても 132 条 jの区分で 幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2 倍以内で で区分されなければならない その場合上図左側同様に円弧状に区分されなければならないがそうでない記述が多い これは 水平距離 を平行と誤解している事が考えられる 水平とは高低差の無い事を記述しているに過ぎない 従来の高さ制限 ( 斜線規制 ) では問題にならないが天空率においては区分区域の対象が適合領域の天空率を左右する為に汎用的にあらゆる敷地に対応する為には円弧状に処理されなければならない 下図 A,B において最大幅員からの区分法は共に円弧状に処理されなければならないと思われる 下図 Aは適用距離 :Bは2Aの領域を示します 同じ領域の判断がBでは簡略化された直線となる これは道路中心 10 mの領域も同様になり領域を示す図がこの様に簡略化された場合 次項に示す様な変形敷地には対応できない 同様な敷地を川崎市の資料では右下図にある様に法文に忠実に作図例が示されている この形式の場合すべての敷地形状に対応する事が可能になる A B 9
つき込み道路事例 1 のつき込み道路 2 の道路 2 道路道路中心 10 m 領域 1 のつき込み道路 の場合 道路斜線の適用領域を円弧状に処理する事は共通の認識として理解される ( 東京の場合隣地越えは無視される ) 2の道路になった際に前項に示す平行線で区分された凡例の記述では対応できない 水平を平行と勘違いする記述は審査の現場で大きな問題となりうる 10
入り隅道路の問題点 1 入り隅道路の処理における問題点東京方式 東京方式の場合入り隅を構成する境界線の一方が短い場合そのせまい境界の可視範囲では入り隅部全てが適合領域に参入されない その為天空率比較の対象外となる 横浜方式 (JCBO) 入り隅角が鋭角の場合に算定線が敷地内に食い込む為に天空率が0の適合建築物が生じる事になる ( 指導においてはその際は外壁後退距離で調整するとの事だが明確でない ) 11
2) 道路境界の定義 ( 隣地越えの道路境界幅の定義 ) 東京方式 横浜方式 この隣地越えの道路高さ制限の適用領域は 前面道路 の定義が明快になれば解決します あえて現状を確認します 東京方式の場合 基本的に当該の道路境界点間を道路境界と定義する その為上図の様に隣地越えの越え道路斜線は適合領域が発生せずチェック対象から除外される これは従来行ってきたいわゆる道路斜線と異なる 隣地の奥行幅がせまい場合 隣地越えの領域は隣地斜線の影響を考慮するのみとなり 街区全体を考えると現実的と思われない 横浜方式の場合 基本的に道路斜線の有効距離にある敷地の幅を道路境界幅とする その為外壁後退距離によりその幅は変動する 道路境界をこの様に設定した場合 隣地の奥行き幅にかかわらず道路高さ制限の適用領域内にあればチェックされる合理的な判断と当社では考えます JCBO 方式を採用する大阪市においては道路境界の定義が敷地の幅全域に設定され 枚方市においては斜の隣地の場合 4mの隣地奥行き幅までを道路境界幅とする など JCBO においてもばらつきがある 大阪市の事例の可否を次項で検証します 12
天空率の算定位置を敷地幅全体で考えた場合 現在この様な設定法を採用するのは大阪市です その内容を検証してみます 天空率を算定する位置は ( 幅 ) 第 135 条の9 法第 56 条第 7 項第 1 号の政令で定める位置は 前面道路の路面の中心の高さにある次に掲げる位置とする 1. 当該建築物の敷地 ( 道路高さ制限が適用される範囲内の部分に限る ) の前面道路に面する部分の両端から最も近い当該前面道路の反対側の境界線上の位置 と記されております 大阪市における取り扱いでは K の事例で解説しており 敷地幅 ( 別表 3の距離によらない ) で設定されています 当社サポートセンターによせられる質問で最も多いのがこの様な事例で下図の様に大阪市における敷地幅では天空率は NG となります 一方 適合距離の範囲で設定される 横浜市 名古屋市 豊中市などの取り扱いに基づくと OK となります 13
大阪市の取り扱いでは適合領域の幅と算定幅が大きく異なる場合があり 左端の算定位置では適合建築物と計画建築物をほぼ横方向から天空率を算出する事になり緑の空地が天空率に反映されません 大阪市では敷地幅で算定線を伸ばすのは本来道路に面する敷地を分筆し隣地にする事でクリアーする不正への対応策としています ところが右下の図で確認されます様に 同等規模の建物が隣地に建った場合 その敷地においては問題なくクリアーします 隣地の前面道路の通風採光を確保する為にその前面の建物より規模の小さい建物を裏側に建てる事になります この事例から考えても適合領域の範囲内にのみチェックを行う意味から考えると横浜方式が最も合理的だと当社では判断します 不正を回避する為に付加した規制の場合結局 別の方法で不正を行う事ができてしまう事例を次項で検証します 14
b 敷地と道路の間に他人地がある場合 2 以上の道路が交差する角地 次に同敷地に道路が接道した場合その結果が大きく異なります b 敷地と道路の間に他人地がある場合 2 以上の道路が交差する角地 の M の参考例に基づき処理した場合クリアする事がわかります 分筆等で作為的に隣地にする場合と同様に隣地に位置指定道路が設定された場合も同じ結果となります これは東京都における窓設定と同様すべての敷地に合理的に機能しません M を 90 度回転すると本事案と同ケースとなる b 敷地と道路の間に他人地がある場合 2 以上の道路が交差する角地 Kは他人地に面する境界について 道路斜線 隣地斜線の両方の検討が必要 (QA 改訂 4 版 P70) であるため 図のように幅員 (=W) のl / 2 以内の等間隔で算定位置を配置する L~Nは敷地の両端から道路の対側にむかって垂線を引き 道路の延長線と交わるところまでの範囲で比較 検討する 算定位置は幅員 (=Wa W b) の l/ 2 以内の間隔で均等に配置するただしMのように 敷地からおろした垂線が道路から他人地を挟んで道路の対側にでてくる場合は それぞれの道路を結んだ点までの範囲とする 15
行政ごとに異なる異なる運用 道路境界の定義 ( 突き込み道路のにおける適合領域 ) 東京方式 横浜方式 入り隅同様に角度を2 分する領域毎に適合領域を設定し 3 面に分けて解析する 連続した隅切りとして 1 の適合領域で処理 入り隅部分がない為に境界点幅で道路斜線チェック 上記と同様に処理する 通常の入り隅道路 通常の入り隅道路 入り隅部分がない為に境界点幅で道路斜線チェック 道路端点より円弧状に適合領域を設定 16
屈曲道路の同一区間設定法 1 の道路の定義 東京方式 横浜方式 同一境界に設定したい対側の道路境界の端点間を接続した場合に元の境界線との差が1m 以内の場合同一区間として道路境界を扱う事が可能になる 同一境界に設定したい対側の道路境界の屈曲部の角度が 120 度超の場合となりあった区間は同一の道路境界として適合領域を設定する この場合 1の道路の区分定義が東京 JCBO ともにルール付けが明確であり現在運用上そのルール内で処理する分にはそれほど問題にならない したがって屈曲度 1 mか 隣り合う角度 120 度以上をいずれかに確定統一すれば問題にならない ( 東京方式の場合前述した様に 132 条区分以上に区分される ) 基準法改正にともない微小な道路幅 あるいは高低差を天空率に適用する風潮があります その場合 行政は安全側の裁量で一定の微小な差分内にある凸凹道路は最も狭い幅を道幅とするなどのルール設定をして頂きたい その範疇に入らない場合 2 以上の道路とし 132 条を適用する さらに算定線は現況を採用する事など仕様を明確にすると混乱が解消されます 17
明確に提示されない複数地盤敷地の道路天空率 複数地盤における道路天空率問題点 道路における天空率処理で明確に記述されない項目に敷地内に 3 mを超える地盤が複数存在する場合における天空率の処理法が明記されていない ( 隣地においては地盤毎に適合領域および算定線を発生し処理する旨が明記されている ) 適合領域においては隣地同様に地盤毎に作成するのかまとめるのか 算定線においては3m 以上の高低差を有する場合道路面からの高低差も (H-1)/2 の緩和を受ける為に算定線が複数存在する事になる 処理法として当社が推奨する例を次項で添付しこの問題のたたき台としたい 18
複数地盤における道路天空率問題点適合建築物 道路高さ制限適合建築物の 道路制限勾配が異なる地域等 の場合のみその区分毎に適合建築物を作成する この場合道路制限勾配は同一の為上右図に示す道路高さ制限に適合する建築物を想定した 算定線 この場合地盤 1mの位置からの道路中心高さは1mとなり緩和の対象になく1m 下がった算定位置となる 後方の道路中心より4m 地盤が上がる場合は道路面はその地盤より (4-1)/2=1.5m の緩和をうける その為算定位置が1.5m 緩和された位置となり0mの位置と合わせて2 本の算定線が存在する事になる 算定線に関して複数の算定位置を否定する条文がない事と132 条の区分においてもせまい道路側には複数の線分が発生する事から考えこの様な処理法とした この処理法は JCBO では解決しているとの回答を得ています どの様に処理す るかを公開しないことにはいたずらに現場を混乱させるだけです まず公開す る事を希望します 19
ソフトウエア開発の経緯と特定行政庁への対応 当社は昭和 60 年に設立以来 建築企画 CAD の開発をメイン業務として活動しております 発足当初から 56 条にかかわる形態制限ソフトの開発は建築企画 CAD の中核をなしその逆計算を行う逆斜線 逆日影などは人気商品となり日々その内容は更新され開発を続けております 逆日影 逆斜線は敷地形状 真北 用途地域などの条件から可能空間を算出する為 56 条関連法規そのものをソフトウエアに組み込む必要があります その為 56 条をいかに正しく解釈するかが当社のソフト開発のメインテーマでもあります 平成 15 年に始まった天空率採用においてはまさに 56 条に 7 項が追加されその論理解釈に当方の開発の大部分を注入してまいりました 天空率は仕様発表当初より不明な点が多く 東京都 横浜 大阪 名古屋 豊中と取り扱いが発表された行政には直接 担当者に面談し内容を確認してまいりました ところが各行政ともに 2 以上の道路 入り隅の扱いなどその処理法が異なります その為 当社の天空率ソフト (TP-PLANNE) では各行政の仕様を指定する事でその行政区における指導による適合領域 算定線が作成できるしくみを採用しました 当社の天空率ソフトが他社製と大きく異なるのは 基本条件から法解釈し適合領域 算定線を自動算出する事です 他のソフトの場合 JWCAD に代表される様に適合領域 算定線を設計者が自ら作成し天空率計算のみを実行する機能がほとんどです その為 法規解釈にソフト会社は関知しないのが一般的だといえます 今回の 仮称天空率検討会 における他社との温度差はそのあたりにあると思われます 天空率の計算精度そのものを比較する今回の例題はあまり意味をもちません その差が前回の調査で 0.08% 前後だとお聞きしましたが 適合領域の解釈の相違による差はその比ではありません ( 最もその範疇にないソフトを指摘する事では意義があるのかもしれません ) 当社の行政への対応を含めた記載はムービーも含めて http://www.com-sys.ath.cx/modules/tenku/ で確認できます 特定行政庁を選択します 境界種類を指定する 適合領域 算定線 ( 高低差の緩和服務 ) 自動発生 20
ユーザーの要望に対して法の趣旨を遵守する観点からどの様に対応しているか 当社のソフトウエアは基本的に行政の運用の手引きに基づき作成されております ただしその行政の手引きは整形敷地で記述されており 現実の敷地で解釈不可能な場合が多い事も事実です その際はその条件を入力する事で対応が可能になります 当社ではユーザーが天空率処理を行う際はその入力条件が正しいかの判断をサポートセンターにてピアチェックをおこなっております ( 保守対象者のみ無料 ) 現実の条件設定の判断が個々の微小な条件変化で凡例と異なる場合があります 設定値により自動処理されるわけですが その微小な条件変化を設定に確実に反映しているかの判断を 3 者的立場で客観的に確認します その際に間違いがあれば正します ピアチェックのスタッフは 15 年以上の経験者中心に行っています ( 建築士含む ) 当社のソフトは設計事務所のみならず審査機関 特定行政庁でも利用されています その中でも判断が困難な場合も共に検討します その際には当社でかかわった多くの確認案件から他の行政の処理法を提示し比較検討する場合も多くあります ( ピアチェックのデータの守秘義務は厳守です ) ユーザーの設定が法の趣旨からかけはなれる懸念がある場合 いかに法と異なるかを レポートで提示し当社の意見を述べます ただし最終判断は管轄する特定行政の判断だと考えますのでその意を確認する様当方では指導します 天空率が施行され 132 条など法文を解釈せず 従来の斜線規制ではこうしていたという類の設計者および審査機関にはこまります 斜線規制では安全側だと思われている事が天空率では必ずしもそうではありません 斜線規制と天空率では目的は同一ですが判断手段が異なる事を理解しておもらいたいと思います なにより法文を読んでほしい 今回の天空率計算はコンピュータ処理を前提にした法律です ベンダーもそのソフトを提供する以上一定の責任があります その為には JCBO などは積極的な情報公開あるいはベンダーとの意見交換を行う場を設定していただきたく思います ついでに申し上げれば今回の天空率検討会が機能するかどうかは 日本建築センターのスタッフの皆さん がどう機能するかによります 一刻も早くたたきの案を提示し行政サイドに提示し検討を仰ぐ体制をつくるべきです その為の協力はおしみません ( たたきを作る委員を公募したらどうでしょう ) 以上 天空率検討会 が天空率仕様を確定する存在観のある機関になる事を祈念しレポートのまとめとします 21