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1 小学校入学前の子どもの学びとは 幼児期の生活のほとんどは 遊びによって占められています 子どもは遊びを中心として 頭も心も体も動かして様々な対象と直接関わりながら 総合的に学んでいます (1) 幼児教育と子どもの学び 幼稚園の遊びの一場面子どもたちがものを転がす遊びに集中しています 子どもたちは

ICTを軸にした小中連携

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである


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平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

第4章 道徳

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Taro-スタートカリキュラムの意義

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

Taro-自立活動とは

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(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

幼児の実態を捉えると共に 幼児が自分たちで生活をつくり出す保育の在り方を探り 主体的 に生活する子どもを育むための教育課程及び指導計画を作成する 3 研究の計画 <1 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉える 教育課程 指導計画を見直す <2 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉え その要因につ

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

ポイント 1: 幼児教育と小学校教育の特徴や違いを理解する 保幼小の円滑な接続に向けて まずは 幼児教育と小学校教育の特徴や違いを理解することが重要です 幼児教育 幼児期の教育では 幼児の自発的な活動としての 遊び を通して 様々な体験や学びの芽生えを積み重ねることができるよう 保育者が環境を構成し

愛媛県学力向上5か年計画

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

人間関係を深めるとともに, 児童が自己の生き方についての考えを深め, 家庭や地域社会との連携を図りながら, 集団宿泊活動やボランティア活動, 自然体験活動などの豊かな体験を通して児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない その際, 特に児童が基本的な生活習慣, 社会生活上の

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

123

幼稚園と小学校の連携の在り方について 学びの連続性 の視点に立って考察する 3 研究内容と考察 (1) 学びの連続性 に立った幼稚園と小学校の連携とは何か中教審の答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について は 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえ 今後の幼児教育の方向性と

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について(報告)

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

幼保連携型認定こども園教育・保育要領 中央説明会

3 平成 29 年 3 月に幼稚園教育要領 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育 保育要領が改訂され 来年度から全面実施されます 新幼稚園教育要領等では 改訂の基本的な方針として 1) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 の明確化 健康な心と体 自立心 協同性 道徳性 規範意識の芽生え 社会生

に教室の中を立ち歩いたり 教室の外へ出て行ったりする 68.5% 次に 担任の指示通りに行動しない 62.1% などとなっている また 不適応状況の発生の予防に効果的と思われる対応策 ( 図 2) 6 として最も多かったのが 学級担任の援助となる指導員等の配置 校長 61.4% 教諭 61.0% 次

訂されている 幼稚園 小 中学校学習指導要領改訂の基本的な考え方として 次の 3つがあげられる 1. 子供たちに求められる資質 能力を明確にし それらを社会と共有していくという社会に開かれた教育課程を実現していく 2. 現行学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で 知識の理解の質を高めていく 3

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主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

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なぜ, スタートカリキュラム? 子供のこんな思いに応えることができます! 小学校ってどんなところかな? 友達できるかな? 楽しいといいな! 園ではいろいろなことをしてきたよ 学校ではどんなことをするのかな? 早く知りたい, やってみたい! お兄さん, お姉さんはすごいな あんなふうになりたいな! 私

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

文 研究ノー続期に育てるものは保育室 教室環境, 生活時程論Shiraume Gakuen University カリキュラムが, その点についてどのように試みられているかを整理する これらの自治体では, 幼保小の交流や接続を見通した取り組みが, 全ての園 学校を対象として接続期の教育課程を作成し,

解答類型

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第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

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別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

1 一日の生活の連続性及びリズムの多様性への配慮 (1) 全体的な計画の作成幼保連携型認定こども園教育保育要領第 1 章総則では 幼保連携型認定こども園の 全体的な計画 の作成について示されています 全体的な計画は 保育所保育指針における保育課程 幼稚園教育要領における教育課程に当たります また 全

今年度の校内研究について.HP

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草津市 ( 幼保一体化 ) 集計表 資料 4 幼児教育と保育の一体的提供のための現況調査 ( 施設アンケート ) 速報 平成 25 年 7 月草津市 1

1 幼児期の教育 保育と小学校教育の違い 幼児期の教育 保育と小学校の教育では 発達の段階の違いだけでなく 教育課程等の違いもあります まずは相互を理解することが必要です 幼児期の教育 保育と小学校教育との間には このように教育課程や指導方法の相違点がある一方で 5 歳児から小学校低学年までの発達の

2年生学級活動(性に関する指導)指導案

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資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

ぐんま幼児教育センターだより№33①

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2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

改訂幼稚園教育要領と改訂小学校学習指導要領における幼小接続今井康晴 後藤正矢 リキュラムなど様々に展開されている 例えば先行研究においても 幼小接続をふまえた教育活動の研 1, 究 2 また幼小接続の教育課程研究 3 など多岐に及んでいる しかし 本論文の主題とする改訂幼稚園教育要領と改訂小学校学習

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(3) 計画 学習課題学習内容時間 変わり方のようすをわかりやすく表すにはどうしたらよいか考えよう変わり方が大きいか小さいかを調べるにはグラフのどこに目をつけるとよいのだろう 2つの折れ線グラフからどんなことが分かるだろう折れ線グラフをかこう 変わり方を分かりやすく表す工夫 折れ線グラフの縦軸と横軸

幼児教育とは: 幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂を受けて

難聴児童の伝える力を 高めるための指導の工夫 -iPadを活用した取り組みを通して-

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

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2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

学習指導要領の趣旨を実現する授業づくりのポイント

はじめに 我が国においては 障害者の権利に関する条約 を踏まえ 誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い 人々の多様な在り方を相互に認め合える 共生社会 を目指し 障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みである インクルーシブ教育システム の理念のもと 特別支援教育を推進していく必要があります

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

保育の内容の見直しを行い 改善を図ること 指導計画を作成することは子どもの生活を見通してデザインしていくことですが それは 保育の過程 という考え方で理解することができます 保育実践は子どもの生活実態を理解することから始まります そしてその生活を見通して作成した指導計画をもとに 保育を柔軟に実践して

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

(2) 施設の状況 幼稚園施設は 昭和 50 年前後に建築され 築 30 年以上が経過しています ( 表 2) ( 表 2) 公立幼稚園施設一覧 施設名称 竣工年月 構造 階数 酒匂幼稚園 昭和 48 年 2 月 鉄筋コンクリート造 ( 一部鉄骨造 ) 地上 2 階 東富水幼稚園 昭和 46 年 3

P5 26 行目 なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等の関係から なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等から P5 27 行目 複式学級は 小規模化による学習面 生活面のデメリットがより顕著となる 複式学級は 教育上の課題が大きいことから ことが懸念されるなど 教育上の課題が大きいことから P

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

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4 学習指導案 第 5 学年 1 組図工科学習指導案 1 題材名 4 コマで考えて交流しよう 平成 21 年 10 月 15 日 在籍児童数 32 名 2 題材について (1) 児童の実態本学級の児童は図工が大好きである ほとんどの子が夢中になって作品づくりに取り組んでいる しかし どんどん進められ

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

Ⅰ 我が国の学制の変遷 ~ 戦前と戦後の学制 ~ 戦後の学制の特徴 教育基本法及び学校教育法を制定し 以下の改革を実施 義務教育期間の延長 ( 年 9 年 ) 制の単線型学校体系の導入 戦後の学校制度 ( 昭和 年 ) 戦前の学校制度 ( 大正 10 年 ) 明治 5 年に学制発布 明

Transcription:

参照 : 幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について ( 報告 ) 平成 22 年 11 月 / 幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方に関する調査研究協力者会議 文中では 報告 小学校に入学した子どもたちが 授業中に座っていられない 話を聞けない 集団行動をとれない等 学校生活への適応を図ることが難しい また適応までの時間が以前に比べて長くなっていることは 1990 年代より社会的な問題となっていました 実際に担任をして実感した方も多いのではないでしょうか こうしたことなどを受け 子どもの発達や学びの連続性を保障するため 幼児期の教育幼稚園 保育所 認定こども園における教育 ) と児童期の教育 ( 小学校における教育 ) が円滑に接続し 体系的な教育が組織的に行われることの重要性が示唆され 幼稚園教育要領 保育所保育指針 小学校学習指導要領において 幼小接続に関して相互に留意する旨が規定されました 幼児と児童の交流活動や幼小の教職員の意見交換等の取組はある程度行われてきていますが 円滑な接続のための取組は十分実施されているとは言えない状況です そのため まず何よりも子どもの発達や学びの連続性を踏まえた幼児期から児童期にかけての教育のつながりを理解するための道筋を明らかにすることが必要です 子どもの発達や学びの連続性を保障するということが大切です 平成 20 年の中教審答申において 生活科の課題の一つとして 小 1 プロブレムなど 学校生活への適応を図ることが難しい児童の実態があることを受け 幼児教育と小学校教育との具体的な連携を図ること が挙げられています その課題解決のために次のことが示されています 生活科の改善の基本方針 ( 平成 2 0 年中教審答申 ) 解説 p.4 小学校における教科学習への円滑な接続のための指導を一層充実するとともに 幼児教育との連携を図り 異年齢での教育活動を一層推進する 生活科の改善の具体的事項 ( 平成 2 0 年中教審答申 ) 解説 p.5 幼児教育から小学校への円滑な接続を図る観点から 入学当初をはじめとして 生活科が中心的な役割を担いつつ 他教科等の内容を合わせて生活科を核とした単元を構成したり 他教科においても 生活科と関連する内容を取り扱ったりする合科的 関連的な指導の一層の充実を図る また 児童が自らの成長を実感できるよう低学年の児童が幼児と一緒に学習活動を行うことなどに配慮するとともに 教師の相互交流を通じて 指導内容や指導方法について理解を深めることも重要である 1 2 3 生活科を核とした 合科的 関連的な指導を一層充実させること幼児と一緒に学習活動を行うことなどに配慮すること教師の相互交流を通じて 指導内容や指導方法について理解を深めることこの3つの点について進めていくことが求められています

ここからは 幼小連携を進める上で大切なポイントについて解説します ポイント 1 ポイント 2 発達や学びの連続性 合科的指導 関連的指導 ポイント 1 どんな連続性が見られるのですか? 1 教育基本法報告 p.7-8 我が国の教育は 教育基本法に基づき 人格の完成 すなわち個人として また社会の構成員としての理想の姿を追究することを目的としています こうした考え方のもとで 幼児期の教育と児童期の教育 ( 義務教育 ) の表現ぶりに違いはあるものの 両者は個人と社会の構成員としての理想の姿を目指す教育の一環として位置付けられています 2 学校教育法報告 p.8 教育基本法と同様 幼児期と児童期において次のような連続性 一貫性をもって構成されています 3 教育課程報告 p.9 幼児期の教育と児童期の教育には 次のような違いがあります これらの違いは 発達の段階に配慮した違いですしかし 子ども一人一人の発達や学びは幼児期と児童期ではっきりと分かれるものではなく つながっています 上記のような違いの理解 実践は あくまで幼児期と児童期両者の教育の目的 目標が連続性 一貫性をもって構成されているとの前提に立って行われなければならないことになります

例えば 右のような活動 ( 指導 ) 教育課程の編成 実施等が考えられます 報告 p.10 子どもの発達に合わせて これまでの教育 課程に工夫を加えるということですなんですね では 教育活動について どうとらえていけばよいでしょうか 4 教育活動報告 p.10-12 円滑な移行をいかに図るか幼児期から児童期にかけては 学びの芽生えの時期から自覚的な学びの時期への円滑な移行をいかに図るかが重要となります 学びの芽生え学ぶということを意識しているわけではないが 楽しいことや好きなことに集中することを通じて 様々なことを学んでいくことであり 幼児期における遊びの中での学びがこれに当たります 自覚的な学び学ぶということについての意識があり 集中する時間とそうでない時間 ( 休憩の時間等 ) の区別がつき 与えられた課題を自分の課題として受け止め 計画的に学習を進めることであり 小学校における各教科等の授業を通した学習がこれに当たります このため 幼児期から児童期にかけては 学びの芽生えと自覚的な学びの両者の調和のとれた教育を展開することが必要です 例えば 幼児期の教育 調べる 比べる 尋ねる 協同するなどの手法を組み合わせて楽しみながら課題を見出し解決する取組を通じて 学びの芽生えから自覚的に学ぶ意識へとつながっていくよう 学びの芽生えのための活動を展開することが求められます 児童期の教育 自覚的な学びの確立を図るとともに 楽しいことや好きなことに没頭する中で生じた驚きや発見を大切にし 学ぶ意欲を育てるといった活動を適宜取入れることが大切です また 幼児期の教育と児童期 ( 低学年 ) の教育は共に 直接的 具体的な対象との関わりを重視している点で共点が見られます 人との関わり ものとの関わり を通して 認識を深めていけるようにしたいものです 幼児期の教育と児童期の教育は それぞれの発達の段階を踏まえて充実させることが重要であり 一方が他方に合わせるものではないことに留意する必要があります 幼小接続における教育課程編成 指導計画作成上の留意点については 報告 p.13-24 をお読みください

ポイント 2 合科的指導 関連的指導 とは何ですか? 解説 p.43-44 合科的指導 各教科のねらいをより効果的に実現するための指導方法の一つで 単元又は 1 コマの時間の中で 複数の教科の目標や内容を組み合わせて 学習活動を展開するものです 関連的指導 教科等別に指導するに当たって 各教科等の指導内容の関連を検討し 指導の時期や指導の方法などについて相互の関連を考慮して指導するものです 生活科の学習は 教科の性格上 国語科 音楽科 図画工作科等他教科等との関連が深く その指導に当たっては 低学年教育全体を視野に入れて 他教科等と関連を図りながら進めていくことが求められています 生活科の 内容及び内容の取扱いの改善 では 特に 学校への適応が図られるよう 合科的な指導を行うことなどの工夫により第 1 学年入学当初のカリキュラムをスタートカリキュラムとして改善することとした ( 解説 p.43) 入学直後は合科的な指導などを展開することが適切である ( 解説 p.45) とあります 事例 なかよしいっぱいつくろう 第 1 学年入学当初をイメージ なかよしいっぱいつくろう という大単元で 生活科を核として 児童の実態に合わせて音楽 国語 図工 算数の目標や内容を組み合わせて学習内容を展開します 自らの思いや願いの実現に向けて右上図のように 児童の思いや願いの実現に向けた活動を ゆったりとした時間の中で進めていくことが大切です それは 総合的に学ぶ幼児教育の成果を小学校教育に生かすことが 小 1 プロブレムなどの問題を解決し 学校生活への適応を進めることになるものと期待されるからです このことはまた 主体的な活動を重視した低学年教育をこれまで以上に充実させるだけでなく 第 3 学年以降の総合的な学習の時間において さらに発展させられることにも配慮する必要があります 入学当初は忙しくて ゆったりとした時間の中で進める というのは難しいのですが 確かに入学当初は気ぜわしいですね だからこそ 考え方をちょっと変え 次のような点に留意して教育課程に工夫を加えてみましょう 学習時間に配慮する学習内容に配慮する 小学校での授業は 1 時間 =45 分 が一般的です しかし 就学前の子どもたちの生活時間は大まかなものであるので その点に配慮しましょう 例えば 1 単位時間を15 分とし 子どもたちの実態に合わせ 30 分 45 分 60 分と柔軟に対応することが考えられます その際 計画立案 柔軟な対応 事後のチェック 次時の計画というPDCAサイクルを十分に機能させることがポイントです キーワードは モジュール ( 単位 ) ~したい という思いや願いを実現できるような学習活動を組み合わせていきます 歌 自己紹介 ひらがなを書く と項目を単純に並べるのではなく 幼稚園 保育所で楽しんだ じゃんけん列車 をみんなでしよう じゃんけん列車でなかよくなったみんなと どうぞよろしくねゲーム をしよう 名前が分からなくなった友達がいるから 名刺を作ろうか 等 ストーリー性をもたせながら 子どもの思いや願いの実現に向けた活動を行っていくことが大切です キーワードは ストーリー性 ストーリー性をもたせ時間の工夫をすることで これまでの学習活動が整理され ゆったりとした時間で進めることが可能になるのですね

他教科等との関連を図った指導の在り方として 解説 p.43-45 には次の 3 点が挙げられています 1 生活科の学習成果を他教科等の学習に生かすこと 2 他教科等の学習成果を生活科の学習に生かすこと 3 教科の目標や内容の一部について これを合科的に扱うことによって指導の効果を高めること 右上の図をごらんください 1 生活科の学習成果を他教科等の学習に生かすこと なかよしいっぱいつくろう という単元で 児童の思いや願いを生かしながら みんなでたのしく どうぞよろしく 等の生活科の学習活動を行います 同時期に 例えば みんなでたのしく では 就学前に親しんできた じゃんけん列車 を学級のみんなで楽しむとともに 音楽科で歌や身体表現を楽しむ学習活動へ 体育科でかけっこやおにごっこ等の学習活動へ派生させます ( 音楽科 ) みんなでじゃんけん列車をしたけれど もっと他にも歌ったり踊ったりしてなかよしつくろう ( 体育科 ) じゃんけん列車した場所よりもっと広い場所で かけっこやおにごっこして もっとなかよくなろう 他教科での学習活動の導入で 生活科と関連させた流れをつくります そうすることで 児童にはより一層の 学習意欲が生まれ 生活科の目標だけでなく 音楽科や体育科の目標が効果的に達成されることが可能になり ます 2 他教科等の学習成果を生活科の学習に生かすこと 例えば 国語科では 相手に応じて話す事柄を順序立てて話すこと 互いの話を集中して聞き話題に沿って話し合うこと等の能力を育てるということがあります 上の なかよしいっぱいつくろう では めいしをつくってわたそう という生活科の活動を核としながら 国語科では 書き方 話し方 図画工作科では 描き方 等について教科の目標に沿って学習活動を行います ( 国語科 ) 今度 名刺交換をするんだけれど どんな名刺が喜ばれるかな 授業の導入でこのような発問をすることによって 児童は丁寧に字を書くことの大切さに気付き 国語科における学習意欲の向上や目標 内容の効果的な実現が期待されます また どうやって名刺を渡すといいかな もらうときはどうかな という発問は 児童にとって相手の目を見て話したり聞いたりすること 順序よく話すこと等の大切さの実感に結び付き 国語科としての目標 内容の実現にも向かいやすくなります ( 図画工作科 ) 単元 すきなものいっぱい で 自分のすきなものの絵 ( イラスト ) を描く活動から ( 生活科 ) 図画工作科で描いたイラストを生かして 名刺を作る活動へ 生活科から他教科等へ 他教科等から生活科へ 相互に関連させていくことが大切なんですね 3 教科の目標や内容の一部について これを合科的に扱うことによって指導の効果を高めること このことは 前で述べた 合科的な指導 が当たります 生活科では 合科的な指導の推進とともに 前述の第 1 第 2の扱いも取り入れた合科的 関連的な指導を展開することが求められています そのことにより 児童の思いや願いを生かし 主体的な活動を重視した低学年教育をこれまで以上に充実させていくことが実現できるからです なお こうした学習が第 3 学年以降の総合的な学習の時間において さらに発展させられることにも配慮する必要があります ( 解説 p.45)