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Transcription:

当資料は当店 web サイトに掲載しています http://www3.boj.or.jp/shimonoseki/ 金融リテラシー調査からみた山口県民の特徴 日本銀行が事務局を務める金融広報中央委員会では 今般 全国の 18~ 79 歳までの個人 25, 人を対象にインターネットで行った 金融リテラシー調査 の結果を公表しました 金融リテラシー とは 耳慣れない言葉ですが お金に関する知識や判断力を意味するものです この調査は 金融知識 判断力 に関する正誤問題と 行動特性 考え方等 に関する問題を組み合わせて構成されており 年齢 地域別に加えて 日本と海外の比較もできるように設計されています 本稿では 全国の結果を紹介した後 山口県の特徴をみていきます ( 詳細は 金融リテラシー調査平成 28 年 (16) <www.shiruporuto.jp> をご覧下さい ) NO.38 16 年 11 月 日本銀行下関支店 本ペーパーは 今中公代 中村結香が作成しました 内容に関する照会は 日本銀行下関支店総務課長 ( 堀井 ) (Tel:83-233-3113 E-mail:shimonoseki@boj.or.jp) までお寄せ下さい

1. 全国の調査結果でみられた主な特徴点全国の調査結果でみられた主な特徴点は 以下のとおりです (1) 正誤問題の正答率は 1 年齢とともに上昇する ( ただし 歳代で若干低下 ) 2 学生やパートは低く 公務員は高い 3 年収 金融資産額が多いほど高い 4 金融 経済情報をみる頻度が高いほど高い 5 金融取引の経験を積んだ人の方が高い ( 図表 8 37.4.9 58.2 収入なし ~2 2 ~ 年収別 61.6 ~7 65.1 66.7 66.3 7 ~ ~1 1 万円 ~ 1) 8 図表 1 正誤問題の正答率年齢層別.7 63.3 61.4 54.5 51.1 42.9 18-29 歳 代 代 代 代 代 職業別 65.2. 55.9 56.1 57.7. 41.3 学生パート会社員主婦自営業無職公務員 8 41.5 56.7 資産なし ~2 2 ~ 65.6 金融資産の金額別 62.2.4.9 64.8 ~7 55.8 7 ~ 51.5 68. 73.5 ~ 万円 ~ 金融 経済情報をみる頻度別 33.9 ほぼ毎日週 1 回月 1 回月 1 回未満全くみない 金融取引経験の効果 全回答者正答率 金融取引経験の効果 (A) 経験者正答率 (B) (B-A) 資金運用 54.3 73.6 19.3 住宅ローン 59.7 69.6 9.9 生命保険 52.5 57.4 4.9 金融取引の経験を積んだ人の方が正答率は高い 1

(2) 正答率が高いグループでは 1 金融 経済情報をみる頻度が高い 2 家計管理がしっかりしている 3 金融商品の内容を理解したうえで商品を購入している 4 損失回避傾向や横並び意識は低めである といった特徴がみられる ( 図表 2) (4) 学校での 金融教育 については 行うべき との意見が多いが 実際に受けたことのある人は少数に止まっている ( 図表 4) また 金融教育を受けた と回答した学生の正答率は そうでない学生の正答率よりも高い ( 図表 5) 図表 2 金融知識等の階層別分析 図表 4 金融教育を求める声と実績とのギャップ 金融経済情報を週 1 回以上みる人の割合 期日に遅れずに支払をする人の割合 商品性を理解して投資信託を購入している人の割合 全サンプル 高リテラシー層正答率上位 2 割 54.5 79.8 84.5 94.2 67.8 81.7 思わない 12.9% わからない 24.7% 金融教育を行うべきと思う 62.4% 損失回避傾向が強い人の割合 78.6 64.9 横並び行動バイアスが強い人の割合 15. 9.2 (3) 海外との比較では 共通の正誤問題に関する正答率が 米国に比べ % ドイツ 英国に比べて 7~9% 下回っている また 何かを買う前にはそれを買う余裕があるかどうかを確かめる など 望ましい行動をとる人の割合も低い ( 図表 3) 回答者数 ( 構成比 ) 金融教育を行うべきとの意見の人 15,611 人 (.%) 金融教育を受けた人 1,298 人 (8.3%) 金融教育を実際に受けたと回答した人は 金融教育を行うべきと回答した人のうち 8.3% に止まっている 図表 3 共通の正誤問題に関する正答率 1 米国との比較 日本 (A) 米国 (B) 差異 (A-B) 合計 47 57 18~34 歳 35 46 11 35~54 歳 46 58 13 55~79 歳 56 66 小数点以下四捨五入による誤差あり 2ドイツ 英国との比較 日本 ドイツ 英国 知識 ( 正答率 ) 58 67 65 行動 65 82 72 余裕の確認 82 77 考え方 45 57 43 7. 資産形成 8. 外部知見 6. ローン 図表 5 金融教育の効果 1. 家計管理.. 5. 保険 2. 生活設計 4. 金融基礎 金融教育を受けたと回答した学生 ( 正答率 56.4%) 3. 金融取引 金融教育を受けたと回答しなかった学生 ( 正答率 38.2%) 2

(5) 正答率を都道府県別にみると 奈良県 香川県 京都府 岡山県 鹿児島県の順に 高く 山口県は 位と平均をやや下回って いる ( 図表 6) また 正答率が低い県は 金融トラブル経験者が相対的に高いという 傾向もみられている ( 図表 7) 金融トラブル経験者の割合 % 全国平均 5 9 % 順位都道府県正答率 1 位奈良県.5 2 位香川県 59.4 3 位京都府 58.2 4 位岡山県 58. 5 位 鹿児島県 57.9 位 山口県 55. 42 位 図表 6 正誤問題の正答率 鳥取県 52.5 長崎県 52.5 44 位青森県 51.7 45 位山形県 51.6 46 位沖縄県 51.3 47 位山梨県 48.7 全国平均 55.6 図表 7 正答率と金融トラブル経験者の割合の関係 12.. 8. 6. 4. 2. 山梨 沖縄山形 青森 鳥取 長崎 山口 全国平均 三重 京都福井 奈良香川. 48.. 52. 54. 56. 58.. 正誤問題の正答率 % 全国平均 55.6% 正答率の低い県は 金融トラブル経験者の割合が相対的に高い 2. 山口県民の特徴今回の調査では 国勢調査と同様の構成比になるように都道府県の標本数が設計されており 山口県の標本数は 28 人 ( 有効回収モニター数は男性 134 人 女性 146 人 ) その結果をみると 山口県は全国順位で中位ゾーン (~39 位 ) に入っている項目が大半を占めており 全体としては 全国平均並み と言えます ( 別紙参照 ) そうした中 とくに上位または下位のゾーンに位置している項目からは 次のような特徴がみられます (1) 家計管理は堅実志向 1 病気 失業 不景気などの万が一の事態に備えて 3 か月間分の生活費を確保してありますか という設問に対し 確保している と回答した人の割合は全国 2 位 ( 山口県 61.1%< 全国平均 54.9%>) 2 ご自身の資産( 預金を含む ) 負債の現状について 全体として満足していますか という設問 (5 段階 ) に対し 満足している 方向の 2 つを回答した人の割合は全国 4 位 ( 山口県 25.%< 全国平均 22.3%>) 3 お金を貯めたり使ったりすることについて 長期の計画を立て それを達成するよう努力する という設問 (5 段階 ) に対し あてはまる 方向の 2 つを回答した人の割合は全国 5 位 ( 山口県 51.1% < 全国平均 47.4%>) 4 今後必要になると意識している費用について 定年退職後の生活費が必要と意識している という設問に対し 計画をたてている と回答した人の割合は全国 7 位 ( 山口県 37.9%< 全国平均 35.6% >) 3

5 1 か月の支出の金額を把握していますか という設問に対し 把握している と回答した人の割合は全国 9 位 ( 山口県 74.6%< 全国平均 72.1%>) 6 お金を借りすぎていると感じている という設問 (5 段階 ) に対し あてはまる 方向の 2 つを回答した人の割合は全国 位と低い ( 山口県.%< 全国平均 11.4%>) 7 金融商品の契約についてトラブルが発生した際に利用する相談窓口や制度として 適切でないものはどれでしょうか という設問に対し 相談窓口を認識している人 の割合は全国 8 位 ( 山口県 76.1% < 全国平均 73.7%>) (2) 株式や投資信託の購入経験者の割合は高い 株式 を購入したことがあると回答した人の割合は全国 2 位 ( 山口県 37.5%< 全国平均 31.6%>) また 投資信託 についても全国 6 位と高い ( 山口県 28.6%< 全国平均 25.8%>) 因みに 外貨預金 外貨 MMF を購入したことがあると回答した人の割合は全国 19 位 ( 山口県 16.8%< 全国平均 17.3%>) (3) 金融商品の購入は 比較や理解をしたうえで行うが 他人の意見に流されやすい面がある 1 あなたは 過去に 1 か月の生活費を超える金額のお金を運用したことがありますか 最後にお金を運用した際 最も有利と考えられる金融商品を選ぶために 他の金融機関あるいは他の金融商品と比 較しましたか という設問に対し 比較したうえで 資産運用を行った と回答した人の割合 ( 分母は資産運用を行った人 ) は全国 2 位 ( 山口県 69.9%< 全国平均 63.1%>) 2 商品性を理解せずに購入したと回答した人の割合は 株式で 45 位 ( 山口県 18.1%< 全国平均 24.3%>) 投資信託で 38 位 ( 山口県 28.8%< 全国平均 32.2%>) と低い 3 もっとも 外貨預金 外貨 MMFについては 商品性をきちんと理解しないで購入した人の割合は全国 7 位と高く ( 山口県 36.2%< 全国平均 25.6%>) 株式や投資信託とは対照的な結果となっている 4 類似する商品が複数あるとき 自分が 良い と思ったものよりも これが一番売れています と勧められたものを買うことが多い という設問 (5 段階 ) に対し あてはまる 方向の 2 つを回答した人の割合は全国 7 位の高さ ( 山口県 17.5%< 全国平均 15.%>) (4) 金融知識に関しては 自信過剰の傾向 1 正誤問題 25 問の正答率は 全国 位と低め ( 山口県 55.%< 全国平均 55.6% >) とくに 金融取引の基本 3 問 ( 契約にかかる基本的な姿勢 金融トラブルに巻き込まれないための適切な行動 インターネット取引におけるトラブル回避方法 ) の正答率は 全国 位と低い ( 山口県.4%< 全国平均 72.9%>) 2 一方 あなたの金融全般に関する知識は 他の人と比べて どのようなレベルにあると感じていますか という設問に 4

対し とても高い または どちらかといえば高い と回答した人の割合は全国 3 位 ( 山口県 15.%< 全国平均 12.5%>) 3 1 2の結果から算出した 自信過剰傾向 は全国で 番目に高い 3. 今後の課題今後の家計を取り巻く環境を展望すると 年金や預貯金だけで豊かな老後の生活を送ることは一段と難しくなることが予想され 若いうちから 中長期的に株式や外貨資産などのリスク性資産を含む資産形成を行う必要性が高まるものと考えられます その過程では 金融商品や金融サービスの内容 販売チャネルの多様化が進むことでしょう こうした流れの中では 保有資産の売買益に伴う儲けに代表される運用メリットの拡大やインターネットの活用による便利さの向上といったプラスが期待されます 一方 身の丈を超えるハイリスク商品や詐欺的な商品を購入してしまったり 個人情報の詐取などを通じて 知らない間に資産が奪われるといったリスクも増えていく可能性もあります 当然 そうした犯罪的な行為に対しては 行政当局などがきちんと対応していく必要がありますが 私たち一人ひとりが容易に騙されないようになることも重要であり そのためには金融リテラシーの向上が欠かせません 今回の調査結果からは 山口県の金融リテラシーは 全体として概ね全国平均並みであることが分かりました 金融トラブルの経験者の割合も 全国 位と平均は下回っています しかし 別な見方をすれば 一部の項目を除き とくに優れているわけでもありませんし 自らの金融知識に対して自信過剰の傾向もみられています 上記のような環境変化を踏まえると 今回の結果に安心するのではなく むしろ 金融 リテラシーの向上に取り組む必要性が改めて確認されたと受け取るべきではないでしょうか 金融リテラシーの向上を図るには 学校や家庭での教育が有効です 今回の調査では 金融教育を受けた と回答した学生の正答率は そうでない学生の正答率よりも高いという結果が出ています しかし 実際に学校等で金融教育を受けた人の割合は 全国で 6.6%( 山口県 6.8%) に過ぎず 家庭で金融教育を受けた人の割合も 19.8%( 同 19.6%) に止まっています こうした中 学校での 金融教育 について 行うべき と思っている人の比率が全国で 6 割を超えています ( 山口県は 63.2%) 一方 学校教育の現場では 色々な分野の新しい内容や手法の導入が求められており 先生方は非常に多忙な状態にあります 金融教育を行うためには 一定の専門知識やノウハウも必要です 金融リテラシーを高めるためには そうしたハードルを越えることが課題です このため 日本銀行では 金融広報中央委員会に金融教育担当部署を設置し 各種セミナーの実施や講師派遣 教材作成など 金融教育分野での各種支援活動を行っています また 日本銀行下関支店が主要メンバーとなっている山口県金融広報委員会 ( 事務局は山口県庁 ) も 県内における金融教育を推進しているほか 主婦 社会人 高齢者に対し 金融広報アドバイザー等によるセミナーや講演会を開催し 金融知識の普及 啓発活動を行っています 日本銀行下関支店では 今回の調査結果も踏まえ 引き続き 山口県における金融リテラシーの向上に貢献していきたいと考えています 以上 5

( 別紙 ) ( 参考 ) カテゴリ項目山口県全国平均順位最上位最下位正誤問題 25 問の正答率 55. 55.6 奈良県山梨県 金融リテラシ 18~29 歳の正答率 45.3 42.9 島根県山梨県 ~59 歳の正答率 52.7 38 55.3 京都府山梨県 ~79 歳の正答率 61.4 32 62.6 香川県山形県 家計管理 2 問の正答率 48.9 36 51. 滋賀県富山県 生活設計 2 問の正答率 48.4 37.4 京都府山梨県 金融取引の基本 3 問の正答率.4 72.9 奈良県山梨県 金融 経済の基礎 6 問の正答率 48.8 48.8 奈良県沖縄県 保険 3 問の正答率 51.8 52.5 熊本県山梨県 ローン クレジット 3 問の正答率 54.9 53.3 香川県沖縄県 資産形成 3 問の正答率 53.1 33 54.3 香川県山梨県 外部知見活用 3 問の正答率 65.6 23 65.3 大分県山梨県 金融知識の自己評価 金融知識に自信を持っている人の割合 15. 3 12.5 青森県 大分県 自信過剰傾向 金融知識に関する自己評価と正答率の全国平均をとした指数を比較 3.1. 山形県 大分県 ( は自信過剰傾向) 金融トラブル 金融トラブルの経験者の割合 5.4 5.9 山梨県 三重県 家計管理 生活設計 金融知識 外部知見の活用 金融教育 緊急時に備えた資金を確保している人の割合 61.1 2 54.9 徳島県沖縄県 1 か月の支出を把握している人の割合 74.6 9 72.1 宮崎県愛知県 期日に遅れずに支払いをする人の割合 85. 25 84.5 徳島県山梨県 お金について長期計画を立てる人の割合 51.1 5 47.4 福井県大分県 高知県 老後の生活費について資金計画をたてている人の割合 37.9 7 35.6 岡山県秋田県 生命保険加入時に他の商品と比較した人の割合 51.8 54.7 千葉県愛媛県 借入れ時に他の商品と比較した人の割合 51.7 28 53.6 茨城県新潟県 資金運用を行う際に他の商品と比較した人の割合 69.9 2 63.1 高知県石川県 消費者ローンを利用している人の割合 3.6 29 3.9 沖縄県富山県 お金を借り過ぎていると感じている人の割合. 11.4 沖縄県京都府 株式を購入したことがある人の割合 37.5 2 31.6 和歌山県岩手県 投信を購入したことがある人の割合 28.6 6 25.8 石川県沖縄県 外貨預金等を購入したことがある人の割合 16.8 19 17.3 神奈川県島根県 商品性を理解せずに株式を購入した人の割合 18.1 45 24.3 島根県福井県 商品性を理解せずに投資信託を購入した人の割合 28.8 38 32.2 山梨県福井県 商品性を理解せずに外貨預金等を購入した人の割合 36.2 7 25.6 愛媛県奈良県 金融トラブル発生時の相談窓口を認識している人の割合 76.1 8 73.7 徳島県山梨県 金融経済情報を月に 1 回もみない人の割合 39.6 12 37.1 島根県福井県 学校で金融教育を行うべき と思っている人の割合 63.2 16 62.4 鹿児島県和歌山県 学校等で金融教育を受けた人の割合 6.8 19 6.6 岐阜県島根県 家庭で金融教育を受けた人の割合 19.6 26 19.8 長野県鳥取県 資産等満足度資産 負債の現状について満足している人の割合 25. 4 22.3 香川県岩手県 行動経済学的分析 本文で紹介 金融リテラシ 調査結果 ( 山口県の順位 ) 損失回避傾向が強い人の割合 8.4 15 78.6 山形県 茨城県 近視眼的行動バイアスが強い人の割合 48.9 19 47.1 鳥取県 山形県 横並び行動バイアスが強い人の割合 17.5 7 15. 佐賀県 鳥取県