e ポートフォリオ (Mahara) 利用法
e ポートフォリオとは 教育における ポートフォリオ 学習の成果 スキルや実績を示す成果を ある目的の下まとめたもの例 ) ノート プリント メモ ファイルにまとめたプリントやワークシート グループで作成した発表資料 レポート ブックマークや付箋 e ポートフォリオ 電子化されたポートフォリオ 参考 : 教育分野における e ポートフォリオとは, http://draco.u-gakugei.ac.jp/eportfolio/ 2
Mahara とは e ポートフォリオ用ツールの 1 つ 開発 開発時期 :2007 年 ~ 初期の開発ニュージーランド高等教育委員会の e ラーニング共同開発ファンドの支援の下 マッセー大学を中心とした オークランド工科大学 オープンポリテクニック [1] ヴィクトリア大学によるプロジェクトにより開発 [2] 現在の開発状況 ニュージーランドの教育省 (Ministry of Education) の支援の下 kineo 社 [3] Catalist IT 社 [4] が開発しニュージーランドで提供 [2] オープンソース [*!] として開発者コミュニティによる開発 Mahara とはマオリ語で 考える *1) ライセンス形態 :Gnu Public License(GPL) ver3 3
Mahara の基本的な用途 1. ワークスペース学生が 学習成果物を蓄積 蓄積した学習成果物や成果物をまとめることで自身の学びの振り返りに利用 2. ショーケース学生が 教師や他の学生からのフィードバックにより学習を深める 学生が 自身や自身の属するグループによる学習の成果や実績をアピールするためのコンテンツを公開 学生がコンテンツの所有者として コンテンツの作成 グループの作成や共有や 公開範囲を管理 4
Mahara の主な機能の分類 1 コンテンツ 2 マイポートフォリオ 3 SNS LMS (*1) : Moodle 4 Moodle との連携 e ポートフォリオ :Mahara のトップページ *1) Lerning Management System(LMS) Lab.Cloud MOOC&SPOC のツールとして提供 5
Mahara の主な機能 主な機能の分類主な機能名機能の概要 1 コンテンツ 2 マイポートフォリオ 3 SNS 4 Moodle との連携 ファイル管理 日誌 ( ブログ ) レジュメ プラン ページ コレクション フレンド グループ アカウントの連携 レポート提出 ファイルのアップロード 蓄積 ブログの作成 自身の目標の作成 自身の計画の作成 コンテンツをまとめたウエブページの作成 作成した Mahara 内でのウエブページの公開 ページをグループ化して管理 友人の作成 友人間でのメッセージ交換 コンテンツやページの共有するメンバーを作成 Moodle で提出したレポートを Mahara へエクスポートして利用 6
Lab.Cloud での Mahara へのログイン方法 ログイン :LMS (*1) である Lab.Cloud MOOC&SPOC(Moodle) のコース内に設置された Lab.Cloud e ポートフォリオ のリンクからログイン Mahara のアカウントは LMS である Lab.Cloud MOOC&SPOC(Moodle) のアカウントと連携 Mahara へのログイン Moodle 内のコースのページに設置されている ( Lab.Cloud e ポートフォリオ の ) リンクをクリックすること自動的に Mahara へのログインが完了 Lab.Cloud MOOC&SPOC Lab.Cloud MOOC&SPOC 内のコースのページ *1) Learning management system コースに入る Lab.Cloud e ポートフォリオ のリンクをクリックすることで Mahara へログイン 7
Lab.Cloud での Mahara へのログイン方法 Mahara へログインすると学生各自の Mahara のトップページが表示される コンテンツ マイポートフォリオ グループ (SNS) のタブ 8
Mahara の利用事例 1 [8] Mahara を少人数ゼミで利用 LMS(Moodle) を講義のポータルとして利用 Moodle 内で ゼミでの課題の提示 LMS の利用における問題点 学生が自身で調べた資料やデータを蓄積することができない» 学生の振り返りによる学習に使うことが難しい 学生が振り返りによる学習を行うために e ポートフォリオ (Mahara) を利用 ゼミで得られたフィードバックを日誌 ( ブログ ) として記録 学生毎に成果物の蓄積 公開 実施後の学生に対するアンケート結果 ブログ 中間報告による振り返り : まあまあ役立つ (60%)+ 役立つ (33~40%) フィードバック : まあまあ役立つ (33%)+ 役立つ (60%) 9
Mahara の利用事例 1( 続き ) [8] 少人数ゼミでの Mahara の利用 授業内 授業外での流れ 学生毎に成果物 ( 宿題 ) を作成 教師からの課題 課題の提示 学生のグループ討議により 成果物のレビュー 授業で実施 LMS(Moodle) を利用 : 授業のポータル 1 学生はグループ討議でレビューにより学んだことをブログに記録 2 学生が成果物の蓄積 公開 Mahara を利用 : 個人の学習成果を蓄積 公開する場所 中間報告 3 学生 教師からのフィードバック *1)LMS: Learning Management System 10
利用する Mahara の機能 1 学生毎にグループ討議による学習の振り返りをブログに記録 学生は Mahara の 日誌 ( ブログ ) 機能 を使いブログを作成 2 学生毎に成果物の蓄積 公開 学生は Mahara の ファイル機能 を使い成果物のファイルをアップロードし蓄積 学生は Mahara の ページ機能 を使い 成果を クラスの学生や教師に対し公開 公開範囲を グループ機能 を用いて設定 3 学生 教師からのフィードバック 学生や教師は Mahara の ページ機能 を使って公開されたページに対し フィードバックを記載 11
コンテンツ : 日誌 ( ブログ ) 機能 日誌 ( ブログ ) 機能 : 学生による日誌の作成や 作成した日誌の閲覧を行うための機能 日誌は 学生が作成するグループ内で共有し共同での編集も可能 12
日誌 ( ブログ ) の作成 コンテンツ : 日誌 ( ブログ ) 1. コンテンツ 日誌 で日誌作成のページを開く 2. 日誌の作成ページで エントリを追加する をクリックして開くページにテキストの入力やファイルの添付を行う 3. 作成完了後 エントリを保存する をクリックし保存 コンテンツ 日誌 で日誌作成のページを開く タイトル 本文 添付ファイル 日誌作成ページ 13
コンテンツ : ファイル管理機能 ファイル管理機能 : 学生が自身の各種ファイルを Mahara 上で蓄積 参照 編集などを行うための機能 学生がフォルダを作成し フォルダごとにファイルの管理や共有 ( ) またファイルをダウンロードできるように設置することが可能 共有先は学生が Mahara 上で定義したグループ内 あるいはすべてのユーザ 14
ファイルのアップロード コンテンツ : ファイル 1. コンテンツ ファイル でファイルのページを開く 2. ファイルの参照 あるいは ドラッグ & ドロップによりファイルをアップロード コンテンツ ファイル をクリック ファイルをアップロード 15
マイポートフォリオ : ページ機能 ページ : 学生やグループが作成する閲覧可能なコンテンツの集まりを提示するウエブページ ページ機能 : 学生やグループの ( ファイルや日誌 ( ブログ ) レジュメ プラン等の ) コンテンツ機能で蓄積した資料を掲載したページの作成や ページの公開での閲覧範囲の指定を行うための機能 マイポートフォリオ ページ をクリック 16
閲覧範囲を指定したページの公開 ページ機能を使い 学生 / グループが作成したページについて 学生 / グループが管理するグループ毎に閲覧範囲の指定が可能 学生 / グループが Mahara 内に蓄積した各種の資料 ページグループ ( 閲覧可能なコンテンツの集まり )( 学生が作成したユーザの集まり ) ブログ 資料 (pptx 形式 ) 資料 (pdf 形式 ) 資料 ( 静止画 ) 資料 ( 動画 ) プロファイル情報 ( テキスト形式 ) ページ 1 ページ 2 ページ 3 グループ1 グループ2 グループ3 グループ4 グループ5 ページに掲載 ページの閲覧が可能 17
ページの作成 マイポートフォリオ : ページ ページの作成 : マイポートフォリオ ページ を選択し ページ 作成のページを開く ページ の作成ページで ページを作成する をクリックし 表示されるメニューを選択し以下を行う タイトルおよび説明の編集 レイアウトの編集 : ページのレイアウトを選択 コンテンツの編集 :Mahara 内のコンテンツを作成するページにドラッグ & ドロップ ページのレイアウトを選択 Mahara 内のコンテンツをドラッグ & ドロップ タイトルおよび説明の編集ページ レイアウトの編集ページ コンテンツの編集ページ 18
ページの閲覧範囲の指定 マイポートフォリオ : ページ ページの閲覧範囲の指定 : マイポートフォリオ 私による共有 で 共有 の設定ページを開く 共有を行うページの アクセスを編集する を選択し 表示されるページで 共有対象を選択 共有対象 Mahara のユーザ全員 指定するグループ内 SNS のフレンド内 1. 共有対象選択後 保存 をクリックし保存 1. 共有 ページを開く : マイポートフォリオ 私による共有 2. 共有対象を選択 : Mahara のユーザ全員 グループ内 SNS のフレンド内 19
SNS: グループ機能 グループ機能 : 学生が 学生同士の集まり ( グループ ) を作成するための機能 グループは 共同作業のためのコンテンツの共有やページの閲覧範囲の指定に利用 グループの ( 管理 ) ページ 20
グループの作成 SNS: グループ グループの作成 : グループ マイグループ で グループ 作成のページを開く グループ の作成ページで 新しいグループ をクリックし 表示されるページの中で以下を設定 グループ名 グループ説明 メンバーシップ ( 登録方法 : オープン ( 誰でも登録可 ) 希望者がリクエスト フレンドを招待 ) 1. グループ 作成のページを開く : グループ マイグループ 2. グループを作成する をクリック 開く グループの作成ページ 21
Moodle との連携機能 : レポートの蓄積 利用 学生が Moodle 内のコースの課題に対して提出したレポートのファイルを Moodle から Mahara にエクスポート ( 取り出し ) Mahara 内の学生自身のレポートのファイルとして 蓄積 利用が可能 LMS: Moodle e ポートフォリオ : Mahara Mahara へエクスポート コース毎のコンテンツの管理 学生が コースの課題に対してレポートのファイルをアップロードして提出 Mahara に対してレポートのファイルをエクスポート 学生毎のファイルの管理 Mahara の各種機能を利用 22
レポートの蓄積 利用 Moodle との連携機能 レポートファイルのアップロード : 学生が Lab.Cloud MOOC&SPOC(Moodle) 内のコースの課題に対して レポートのファイルをアップロードして提出 エクスポート :Moodle 内のレポート提出のページ内で ポートフォリオにエクスポートする をクリック フォーマットの選択 : エクスポートフォーマット ( 通常 : ファイル ) の選択 承認 Lab.Cloud MOOC&SPOC(Moodle 内 ) の手順 Lab.Cloud e ポートフォリオ (Mahara 内 ) Lab.Cloud e ポートフォリオ内の自身のファイルのフォルダ内にエクスポートされたファイルが送られている 23
Mahara の使用事例 2 [7] 講義での問題点 : 講義の結果 学生がどの程度 学習目標を達成できたのか知ることが難しい Mahara の利用 Mahara の拡張機能として ( 学習目標と学習到達度表 ) ルーブリック機能を開発 1. 学生が 自身の学習到達度をルーブリックに記載することで 自己評価と振り返りに利用 2. 教師が 学生の自己評価を集計し 講義の効果を確認 24
Mahara の拡張機能を開発し利用した事例 Mahara の利用事例 2 [7] Mahara の拡張機能としてルーブリック機能を開発 予め教師が用意した評価項目と到達度の項目に対し 学生が自身で記入可能なルーブリック ( 評価項目と到達度による評価基準表 ) の Mahara のプラグインを独自に開発 (*1) し 学生による自己評価および教師による授業評価に利用 教師が予め学習目標と到達度の項目記載したルーブリックを用意 集計 ルーブリック 学生が学習目標毎の到達度の記入し 自身の振り返りに利用 *1): オープンソースとして公開 ルーブリックの集計結果 教師が 学生全体での学習到達度を確認し自身の講義の評価に利用 25
まとめ :Mahara による支援 1. 学生が Mahara 内に学習の過程で作成 収集した成果物を蓄積 学生が自身の学習の振り返りを容易に 成果物の再利用を容易に 2. 学生が 自身やグループで作成した成果をページとして公開し 教師 および 学生間で共有 学生間や教師からのフィードバックにより学習を深める 3. ( 機能を拡張し ) ルーブリックの利用 学生が 学習の到達度を確認し 学習の振り返りに利用 教師が 学生全体の到達度を集約し講義の効果を確認 26
ご質問 ご要望 ご質問 ご要望 Email labcloud-support@laboratorycloud.org ユーザーズマニュアル 利用ガイド https://www.laboratorycloud.org/documents1/ Lab.Cloud ホームページから 資料 利用ガイド 27
参考資料 1. Mahara ホームページ URL:http://www.mahara.org 2. URL:http://www.openpolytechnic.ac.nz/ ニュージーランドの通信制の教育機関 3. New Zealand ministry of education ウエブページ : http://www.minedu.govt.nz/nzeducation/educationpolicies/schools/initiatives/managedlearningenvironments/eportfolios. aspx 4. kineo 社 URL:http://www.kineo.com/nz/ 5. Catalyst IT 社 URL:http://www.catalyst.net.nz/ 6. Brown, M, Anderson, B, Simpson, M & Suddaby, G 2007, Showcasing Mahara: A new open source eportfolio, paper presented at the Proceedings ascilite Singapore, 2007, viewed 5 September 7. 宮崎誠, Mahara とルーブリックによる e ポートフォリオの効果的な活用を考える, 第 5 回 Mahara オープンフォーラム (MOF2014), 広島, 2014 年 9 月 8. 山川修, 初年次教育のための少人数ゼミに e ポートフォリオを利用した事例, 第 2 回 Mahara オープンフォーラム 2011(MOF2011), 札幌, 2011 年 12 月 28
更新履歴 1.0 版 2014 年 11 月 20 日 初版作成 2.0 版 2014 年 12 月 5 日 全面修文 ( 内容不変 ) 3.0 版 2015 年 4 月 21 日 全面修文 ( 内容不変 ) 29