Oracle Application Server 10g Release 3 ( ) - Enterprise Web Services

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Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services オラクル ホワイト ペーパー 2006 年 10 月

Oracle Application Server 10g R3 Enterprise Web Services 概要... 3 Oracle Application Server Web Services のアーキテクチャ... 3 Oracle Application Server Web Service の機能... 4 J2EE 1.4 Web サービス... 4 Web Services Metadata: アノテーション ベースの Web サービス... 5 Database Web Services... 6 Web Services Invocation Framework(WSIF) のサポート... 7 Web サービス添付... 7 Web サービスの相互運用性... 8 オラクル社と WS-I... 9 サービス品質 (QoS) と管理... 9 Web サービスの管理... 10 Web サービスのセキュリティ... 11 Web Services Reliable Messaging... 12 Web サービスの監視... 13 REST Web サービス... 13 Web サービスの開発... 13 Web サービスの実装... 13 Web サービスの使用... 14 OracleAS 10g Web サービスおよびツール... 14 ORACLE FUSION MIDDLEWARE と WEB SERVICES... 16 結論... 16 Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 2

Oracle Application Server 10g R3 Enterprise Web Services 概要 インターネットの到来によって 基幹業務アプリケーションはクライアント / サーバー アーキテクチャからインターネット コンピューティング アーキテクチャへと進化し そのため急速に複雑になりました このようなアーキテクチャの進歩および変化するビジネス プレッシャに直面した多くの企業 IT 部門は ミドルウェアと呼ばれる断片化したソフトウェア インフラストラクチャを使用して基幹業務アプリケーションを配置してきました その結果 このような複雑なミドルウェアが企業の IT コストの約 50% を占めてます さらに 60% の企業が 使用している基幹業務アプリケーション インフラストラクチャがビジネス要件を満たすうえで障害になっていると考えています また 企業では適切に定義されたインタフェースを使用して 柔軟性のないクローズ システムからモジュール型のオープン システムへとアプリケーションを進化させています サービス指向アーキテクチャ (SOA) と呼ばれる この新しいアプリケーション アーキテクチャでは 新規アプリケーションの設計や開発方法において根本的な違いがあります SOA の中心にあるのは Web サービスで 分散システム構築というニーズに応える標準ベースのソリューションを提供します ここで必要なものは サービス自体またはそれを使用するクライアントの実装のためのテクノロジとは独立した相互運用できる分散システムです Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1) は Web サービスを完全にサポートします オラクル社は 包括的な製品によってテクノロジを結合し ユニークで革新的なビジネス機会を作り出すことにより ビジネスの差別化を実現します このホワイト ペーパーでは Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1) の Web サービス機能について 技術的な内容を概説します Oracle Application Server Web Services のアーキテクチャ Oracle Application Server Web Services フレームワークは 操作性 パフォーマンス 相互運用性および管理性に重点を置き 顧客要件に合わせて設計されてきました オラクル社は 顧客要件だけでなく W3C(World Wide Web Consortium) Java コミュニティ プロセス (JCP) OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards) のような Web サービス標準化団体から発表される重要な業界標準もサポートします Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 3

図 1 に Oracle Application Server Web Services 環境のアーキテクチャの概要を示します ここには Web サービス フレームワークが Oracle Application Server の実証済 J2EE 1.4 インフラストラクチャの上でどのように構築されているかを表しています Web サービス ランタイムは そのコア ランタイムのスケーラビリティ 信頼性およびパフォーマンス特性を完全に活用します 図 1: OracleAS 10g R3 Web Service アーキテクチャ Oracle Application Server Web Services 環境では Java Web サービスの公開 使用をサポートしているだけでなく WS-Security WS-Reliability コンテンツ ベースのロギングと監査など エンドポイントでの宣言型サービス品質 (QoS) 特性も実現します Oracle Application Server Web Service フレームワークは 基本インフラストラクチャとして Oracle プラットフォーム上の各種コンポーネントでも使用されているうえ Web サービスを開発するためのスタンドアロン開発者プラットフォームとして機能します Oracle Application Server Web Service の機能 J2EE 1.4 Web サービス JAX-RPC および関連 API を使用して J2EE 1.4 は Web サービス アプリケーションを開発するための標準開発モデルと標準配置モデルを導入しています J2EE 1.4 仕様には 移植可能な Web サービスのプログラミング モデルを構成す る一連の標準が記述されています OracleAS 10g Release 3(10.1.3.1) は これら の標準の完全な実装を提供します コア プログラミング API の観点から この実装には Java API for XML Remote Procedure Calls(JAX-RPC 1.1) および SOAP Attachment API for Java(SAAJ)1.2 が含まれます EJB 2.1 Session Bean を Web サービスとして宣言するネイティブなメカニズムが追加されていることも コンポーネント開発者に有用です 最後に Enterprise Web Services 1.1(JSR 921) には Web サービスを対象とした移植可能なパッケージング モデルと配置モデルが定義されています この標準ベースのインフラストラクチャを使用することにより 次のような Java アーティファクトが Oracle Application Server 10g R3 の Web サービスとして公開できます Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 4

Java クラス ステートフル Java クラス EJB 3.0 コンポーネント EJB 2.0 コンポーネント EJB 2.1 コンポーネント JMS キューおよびトピック Web Services Metadata: アノテーション ベースの Web サービス Web Services Metadata(JSR-181) により OracleAS 10g R3 での Java 5 アノテーションを活用した Web サービス開発が簡単になります Oracle Application Server Web Services は J2EE 1.4 により提供される完全に規定された Web サービス プログラミング API だけでなく Web Services Metadata(JSR 181) に準拠し Web サービスのための Java 5.0 アノテーション プログラミング モデルを初めて商用実装した製品のひとつです このアプローチにより Web サービスのプログラミング モデルが大幅に簡素化されます 開発者は Java クラスに単純なアノテーション マークアップを追加し これらのクラスを Web サービスとして記述できます 他の構成は必要ありません リスト 1 に Web サービスに対してアノテーションを使用したクラスの例を示します import javax.jws.webmethod; import javax.jws.webservice; @WebService public class Echo { @WebMethod public String echostring(string p) { return "echo" + p; } } リスト 1: Web サービスに対してアノテーションを使用する Java クラス Java 5.0 でアノテーションを使用するプログラミング手法は Java プラットフォーム全体の操作性と生産性を高める大きな一歩であると考えられています オラクル社は 開発環境で開発者自身がこのモデルの最適な利用方法を理解できるよう できるだけ早期に開発者コミュニティでこのモデルを利用できるよう入念な措置を講じてきました オラクル社は 標準 JSR 181 アノテーション以外に 次の機能と拡張も提供しています Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 5

Web Services および Enterprise Java Bean(EJB)3.0 Oracle Application Server 10g Release 3 は EJB 3.0 仕様をサポートする初めての J2EE コンテナです EJB 3.0 は Java 5.0 アノテーションを使用することによりビーンの開発を簡素化します さらに OracleAS 10g Web Services は ベース EJB アノテーションだけでなく JSR-181 アノテーションも EJB 開発者に提供しています JSR 181 を使用して Web サービスとして公開された EJB 3.0 のサポートにより Oracle Application Server 10g R3 は Java Enterprise Edition 5(JEE5) の早期機能を提供します Database Web Services OracleAS 10g R3 は サービス指向アプリケーション (SOA) で Oracle RDMS オブジェクトを活用するシンプルで強力な手段を提供します Oracle Application Server Web Services は Oracle9iAS Release 2 以降 PL/SQL の Web サービスとしての公開をサポートしてきました Oracle Application Server Web Services は Web サービスを呼び出すために Oracle Database 10g で Java ランタイムとして使用しされています このサポートは新規リリースに継続されますが 新しい J2EE 1.4 対応の Web サービス インフラストラクチャに基づきます このリリースでの Oracle Application Server Web Services は そのデータベース機能とツールを拡張し 次のデータベース エンティティを Web サービスとして宣言的に定義する機能があります SQL 文 DML 文 AQ キュー データベース Java 仮想マシン内でロードされる Java クラス 図 2: Database Web Services Web サービスとしてデータベース リソースを公開する機能だけでなく データベース自体から Web サービスを使用することもできます Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 6

Web Services Invocation Framework(WSIF) のサポート開発者は 呼び出しモデルを XML SOAP メッセージ ベースとして規定する抽象化を必要としない WSDL を使用して リソースを記述する傾向にあります Apache の Web Services Invocation Framework(WSIF) は WSDL を使用して自由にプログラム型エンティティを記述する汎用性の高い拡張可能なメカニズム ならびに SOAP ベースのメッセージングによってではなくネイティブなプロトコルを使用して これらのプログラム型エンティティを呼び出すフレームワークを提供します Oracle Application Server Web Services は 標準 Java EJB および PL/SQL Web サービス内で WSIF バインディングを生成するツールとともに WSIF を実装します 図 3: OracleAS Web Services のための WSIF アーキテクチャ Oracle WSIF 実装は 疎結合 Web サービスと WSIF バインディングに基づくネイティブな高パフォーマンスのトランザクション型サービス インタフェースの両方を使用する Oracle BPEL Process Manager と協働するように設計されています Oracle BPEL Process Manager は WSIF を利用して Oracle Server Java クラス Oracle JCA Adapter にネイティブに接続します Web サービス添付 Web サービスはますます複雑になり アプリケーション間で様々なタイプの情報の送信に使用されています Web サービスを使用してシステムがバイナリを送信する一般的な使い方では ドキュメント イメージ マルチメディア ファイルなどのデータがあります バイナリ コンテンツは BASE64 を使用してコンテンツをエンコードするだけで SOAP メッセージを使用して送信できます このアプローチは 相互運用性としては優れていますが 交換されるドキュメントが非常に大きくなるため効率的ではありません そのため 業界ではデータを添付として送信することにより SOAP を使用してドキュメントを交換する標準的手段を定義してきました Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 7

OracleAS Web Services では 開発者は SOAP with Attachment(SwA) を使用して Multipurpose Internet Mail Extension(MIME) メッセージを渡すことができます OracleAS Web Services は Web Service-Interoperability(WS-I)Attachment Profile 1.0 もサポートします このプロファイルは 新しい XML Schema 構造 swaref を定義して Web サービスを添付とを相互運用する方法を提供します Oracle は SwA と sawref を使用する MIME 添付だけでなく Direct Internet Message Encapsulation(DIME) もサポートします DIME は Microsoft.Net プラットフォームによりサポートされるエンコーディング フォーマットです Microsoft.Net は SwA と swaref をサポートしないため DIME は標準 SOAP で添付を扱う重要な拡張です OracleAS Web Services は 新しい添付規格である MTOM をサポートし Microsoft.Net および WCF プラットフォームとの相互運用性を容易にします また OracleAS 10g(10.1.3.1) は Message Transmission Optimization Mechanism (MTOM) によるバイナリ コンテンツのエンコードをサポートしています MTOM は XOP(XML Binary Optimized Packaging) とともに xs:base64binary など XML 形式のバイナリ データの最適な転送方法を定義します DIME を使用した SOAP アタッチメントとは異なり MTOM では WSDL ファイルに特定の拡張子がつかないため 開発モデルに影響を与えずにバイナリ コンテンツを最適に転送できます MTOM は添付の標準規格になりつつあり JavaEE Microsoft の.Net 2.0 および Windows Communication Foundation(WCF) などの主要 Web サービス プラットフォームで採用されています 大きな添付の処理現在では Web サービスを使用して 数百メガバイトの情報 時にはギガバイト単位の情報さえ交換するアプリケーションは一般的です JAX-RPC の制限の 1 つは SOAP メッセージと添付がすべてメモリー内で処理されるため システムのメモリーに対してメッセージのサイズが制限されるという点です OracleAS 10g R3 Web Services は コンテンツをネットワーク上でストリーミングできます 添付のストリーミングによってメモリーに添付をロードする必要がなく Web サービスのパフォーマンスとスケーラビリティが向上します Web サービスの相互運用性 SOA では サービスを様々な場所やネットワーク イントラネットあるいはインターネットに分散できます この柔軟性によってアプリケーション内のすべての関係者が使用するテクノロジを制御することは不可能になっています 分散サービスをサポートするために Web サービスが業界標準に基づいてインフラストラクチャを提供していることは事実です Web サービスは 実装に依存せずにビジネス ロジックを実行する方法も定義します しかし 多くの Web サービス仕様は自由に解釈できることから 結果として相互運用できないサービスとなっています Web サービス間の相互運用性を保証するための明確で一貫性のある推奨事項を発表するために Web Services Interoperability(WS-I) 機構が創設されました Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 8

オラクル社と WS-I OracleAS Web Services は WS-I Basic Profile 1.1 Basic Security Profile 1.0 Attachment Profile 1.0 に準拠するサービスの開発を促進します JAX-RPC および SAAJ を使用して作成された Web サービスを WS-I Basic Profile に容易に適合するという J2EE 1.4 の Web サービスにおける大規模な取組みが行われました オラクル社 IBM 社 マイクロソフト社 サン マイクロシステムズ社などが定義した一連のベスト プラクティスである WS-I Basic Profile に準拠することにより 開発者は 作成した Web サービスが異機種環境の Web サービス実装全体で相互運用できるという十分な確信を持つことができます デフォルトでは Oracle Application Server 10g R3 Web Services を使用して構築された Web サービスは WS-I Basic Profile 1.1 に準拠します さらに WS-I Basic Security Profile 1.0 に準拠するオラクル社の WS-Security 実装の相互運用性の認定についても オラクル社は同様の取組みを行いました WS-I は Web サービスの準拠性を開発者がチェックできるテスト ツールも提供します また オラクル社は 大部分のベンダーおよび利用可能なオープン ソース Web サービス スタックをテストすることにより 相互運用性の範囲を拡大してきました その一例が 現実の相互運用性 を保証する DIME のサポートです このサポートは Microsoft.Net アプリケーションと相互運用できる添付を持つことを目標としてきました 同時に オラクル社はその Web サービス スタックも改善して Java と Microsoft Office 2003 間の統合を促進してきました 現在では スイートのコンポーネントから使用できる Web サービスを容易に開発できます サービス品質 (QoS) と管理 企業がアプリケーションを実装する場合 通常は 異なるシステム間で情報を交換するうえでセキュリティと信頼性に関する要件が定められています 稼働中のシステムを管理し監視するためのソリューションも必要です Web サービス アプリケーションも 他のアプリケーションと同様 QoS および管理の機能を提供する必要があります Oracle Application Server 10g R3 は Web サービスのセキュリティと信頼性を構成する包括的ソリューションを提供します Oracle には Web サービス アプリケーションの監視を容易にするために SOAP メッセージの監査とロギングに関連した拡張機能も実装されています 図 4: OracleAS 10g R3 Web Service の管理 Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 9

Web サービスの管理 Oracle Application Server Control は Web サービス エンドポイントを管理および監視する包括的手段を提供します Oracle Application Server Control は JMX により包括的なエンドツーエンド構成管理とリアルタイム監視を提供するために設計されました OracleAS 10g R3 で配置した場合 JAX-RPC とメタデータ Web サービスは自動的に管理コンソールに表示されます 図 5: Oracle Application Server Control Oracle Web Services Manager(WSM) この数年 多くの大企業がサービス指向アーキテクチャ (SOA) を実装する多くの Web サービスを配置してきました これらの Web サービスは 一般に様々なレベルのセキュリティと管理下に置かれたプラットフォームで稼働しています オラクル社は OracleAS 10g R3 に構築された Web サービス管理とセキュリティをサポートするだけでなく Oracle Web Service Manager も提供しています これは 企業のあらゆる Web サービスで可視性と制御を一元化できるソリューションで しかもその Web サービスが稼働するのは OracleAS に限定されません OracleAS Web Services フレームワークは Oracle Web Services Manager(Oracle WSM) と統合され セキュリティ ポリシーを構成し Oracle Application Server に配置された各種サービスを監視します Oracle WSM により 管理者は Oracle Identity Management のようなグローバルなエンタープライズ アクセス制御システムに Web サービスを容易に統合できます Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 10

Web サービスのセキュリティ Oracle Application Server 10g R3 では 次に示すように 認証 暗号化による機密保護 デジタル署名による整合性チェックを行うための包括的 WS-Security を実装しています XML Digital Signatures: メッセージ整合性は SOAP メッセージが送信中に不正変更を加えられていないことを確認するためのデジタル署名の使用方法を扱います Oracle Application Server は XML Digital Signatures を使用してメッセージ整合性を確保します XML Encryption: メッセージ機密性は SOAP メッセージの部分を機密扱いにするための暗号化の使用方法を扱います Oracle Application Server は XML Encryption を使用してメッセージ機密性を確保します セキュリティ トークン : メッセージ認証は ID をメッセージと対応付ける手段を提供します たとえば デジタル証明書やユーザー名トークンでこれを実現できます Oracle Application Server は メッセージ認証機能を提供するために WS-Security SecurityTokens を使用します SAML: WS-Security 内の認証メカニズムとして SAML トークン プロファイルをサポートします この機能により お客様は業界標準に準拠した認証を使用し 標準化された相互運用可能な方法で ID を 1 つの Web サービスから別の Web サービスに伝播できます 図 6: OracleAS WS-Security Oracle Application Server Control には 配置後にセキュリティを構成する宣言的な方法が用意されています 管理者は 様々な認証オプションや メッセージの整合性と機密性のためのオプションを簡単に選択できます Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 11

図 7: Oracle Application Server Control WS-Security の構成 Oracle Application Server 10g Web Services は Oracle セキュリティ ライブラリを 使用して SOAP メッセージに署名し暗号化します HTTP セキュリティによる Web Services アプリケーションの保護 WS-Security 実装を使用するメッセージ レベル セキュリティ (MLS) だけでなく Web サービスは Oracle Application Server 10g の HTTP セキュリティと認証を活用して 管理者と開発者に転送レベルでのセキュリティ (TLS) も提供します Web サービス クライアントと Web サービス間の通信を暗号化するための標準ソリューションは Secure Socket Laye(SSL) を使用することでした 認証は Basic Digest または証明書ベースのスキーマを使用して行われます サーバー側では 開発者は標準 J2EE セキュリティ モデル JAAS(Java Architecture for Authentication and Authorization) を使用して証明書情報の妥当性を検査し クライアント アプリケーションの権限をチェックします Web Services Reliable Messaging Oracle Application Server 10g R3 では オラクル社は 完全な SOAP Reliable Messaging インフラストラクチャを提供します この Reliable Messaging 実装は Web サービスのクライアントとサーバー間のメッセージ配信を保証して 少なくとも 1 回 最大 1 回 正確に 1 回 の条件に従い SOAP メッセージ配信を提供するように設計されています 現在のプレビューでは Oracle Application Server 10g R3 は OASIS 標準 WS-Reliability の実装を提供します しかし オラクル社は Reliable Messaging のバリアントとして オラクル社 IBM 社 BEA 社 Microsoft 社をはじめとする主要な Web サービス インフラストラクチャ ベンダーの合意から実現した WS-ReliableExchange の実装の提供を約束します Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 12

セキュリティ管理と同様 Web サービス Reliability は Oracle Application Server Control に公開されており 管理者は Web サービスの信頼性に関係する様々なポリ シーを容易に構成できます Web サービスの監視 Oracle Application Server 10g R3 では オラクル社は Web サービス交換を詳細に監視する方法を提供します 管理者や開発者は SOAP リクエスト レスポンス 障害のすべて または一部を保存するように Web サービス エンドポイントやクライアントを容易に構成できます 監査は 監査や否認防止のためにメッセージ コンテンツを記録します ロギングは メッセージのコンテンツを抽出し 保存します REST Web サービス Oracle Application Server 10g R3 では 通常の JAX-RPC Web サービスは 複数のプロトコルを介した SOAP メッセージと 一般に REST スタイルと呼ばれる Web サービス両方をサポートするように宣言的に定義できます REST は Representational State Transfer の略で HTTP の基本 Web インフラストラクチャ URI および従来型 XML(POX) の簡略化されたデータ フォーマットに基づいて Web サービスを構成するための簡略化されたモデルを定義します Oracle Application Server 10g R3 上に構築された JAX-RPC または Web Services Metadata Web サービスは SOAP Web サービスまたは REST Web サービスとして簡単に公開できます 後者の場合 メッセージ交換に必要なものは SOAP ラッパーはなく XML メッセージ コンテンツのみですが それでも結果のプレーン XML メッセージは WSDL に定義されたメッセージ スキーマの制約を受けます いずれにしても Web サービス統合とアプリケーションを構築する 非常に生産的でかつ非常に簡単なモデルです Web サービスの開発 分散テクノロジ同様 Web サービスにも様々な関係者があります サービス プロバイダは Web サービス エンドポイントを実装します サービス コンシューマは Web サービス クライアントを実装します OracleAS 10g R3 は Web サービスのプロバイダとコンシューマを開発するツールを提供し それをサポートします OracleAS Web Services フレームワークは WSDL ファイルの Java XML マッピング 生成 使用など Web サービスの複雑性を隠す強力なツールとランタイムによりアプリケーションの開発を促進します Web サービスの実装 Web サービスは 2 通りのアプローチを使用して開発できます ボトムアップ開発 トップダウン開発 Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 13

ボトムアップ方式の Web サービス開発は たとえば Java クラスなどのサービス実装から開始します OracleAS Web Services ツールは 必要な Java エンティティ デプロイメント ディスクリプタ WSDL をすべて手動操作なしで生成することにより 開発者を支援します トップダウン式の Web サービス開発は WSDL から開始します Oracle Web サービス ツールを使用して 開発者は必要な Java エンティティとデプロイメント ディスクリプタを WSDL から生成します OracleAS 10g R3 Web Services フレームワークでは どちらの開発アプローチもサポートしています ボトムアップ アプローチは 通常 Web サービスを開発する最も簡単で最も速い方法です しかし 相互運用性に影響が出ることがあります 開発者は プラットフォームに依存しない XML 標準を使用して 様々なメッセージ フォーマットを記述するサービスと操作の開発から開始するため 一般的には トップダウン アプローチが相互運用性を確保する最良の方法です Web サービスの使用サービス指向アプリケーションのもう 1 つの要素は サービス コンシューマです OracleAS 10g Web Service フレームワークにより 開発者は WSDL ファイルを使用するだけで Web サービス クライアントを簡単に作成できます JAX-RPC SAAJ および WSIF に基づく Oracle クライアント側 Web サービス API を使用して 開発者は Oracle Application Server や他のプラットフォームで稼働中のサービスにアクセスできます JAX-RPC クライアントの場合 開発者は宣言的アプローチを使用して セキュリティ 信頼性 監査を設定できます OracleAS 10g Web サービスおよびツール Oracle Application Server 10g R3 は コマンドライン インタフェースや Apache Ant から Oracle JDeveloper 10g に対する完全な統合まで Web サービスの開発を促進する各種ツールを提供します Oracle Web Services Assembler(WSA) Oracle Web Services Assembler(WSA) は フレームワークが公開するツールです により 各種ソースからの Web サービス エンドポイントの作成や WSDL ファイルからの Java クライアントの作成を簡単に行えます WSA には 2 通りのモードを使用してアクセスできます コマンドライン インタフェース Apache Ant タスクこれらの様々な操作により 開発者や設計者は Oracle Web Services スタックをあらゆるタイプの開発や市場の IDE に統合できます Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 14

Oracle JDeveloper 10g と Web Services Oracle JDeveloper 10g は サービス エンドポイントおよびクライアントの開発 配置 テストを行える完全な Web サービスのツールです Oracle JDeveloper 10g は J2EE アプリケーションの開発 デバッグ チューニング および配置に対するエンドツーエンド サポートを備えた Java IDE です JDeveloper は Web コンポーネント ( サーブレット JavaServer Page JavaServer Face) や EJB フレームワーク (2.x および 3.0) から J2EE アプリケーションの開発に必要なウィザードとツールをすべて提供するだけでなく Web サービス開発のための完全なツールのセットも提供します まず トップダウンまたはボトムアップの方法で Java アノテーションと JAX RPC コードを使用してサービスを作成できます JDeveloper は Java クラス EJB PL/SQL JMS を Web サービスとして公開するウィザードを提供しています WSDL に対してウィザードを指示し その後 JAX-RPC クライアントを作成することもできます これらのウィザードは 直接 WSA を使用するため中核となる Oracle Web Services スタックとの完全な統合が保証されます さらにサービスとクライアントの作成だけでなく JDeveloper はクライアントおよびサーバーにおいてもセキュリティ 信頼性 監査とロギングを構成するためのユニークな宣言的アプローチを提供します JDeveloper には Web サービスの作成 メンテナンス デバッグで開発者を支援する次のような機能があります WSDL エディタ : WSDL エディタにより 開発者は WSDL ファイルをグラフィカルな方法で編集 表示ができます UDDI サポート : 開発者は Oracle Application Services Registry のような UDDI リポジトリに接続し 登録されたサービスを使用してサービス指向アプリケーション (SOA) を簡単に作成できます HTTP アナライザ : JDeveloper は Web サービスのクライアントとサーバー間のプロキシとして介在し SOAP メッセージを取得できます SOAP メッセージの取得は SOAP ベースのアプリケーションをデバッグするための第 1 段階のひとつです WS-I ツール統合 : WS-I ツールが Oracle JDeveloper に統合され 開発者はサービスの WS-I プロファイル準拠をチェックできます XML 編集 : JDeveloper は 開発者が Web サービスを容易に使用できるように XML および XSL エディタ グラフィカル XML Schema エディタなど XML 関連ドキュメントを操作する各種ツールを提供します Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 15

図 8: Oracle JDeveloper WSDL エディタおよび HTTP アナライザ ORACLE FUSION MIDDLEWARE と WEB SERVICES Oracle Application Server 10g(10.1.3.1)Web Services フレームワークは Oracle Fusion Middleware における Web サービス ベースのインフラストラクチャです 開発者および管理者は Oracle Fusion Middleware をベースにして構築 配布および管理サービスが行え またそのサービスをアプリケーションの異なる部分で簡単に再利用できます Web サービス インフラストラクチャを直接利用する Oracle Fusion Middleware のコンポーネントには Oracle Web Services Manager BPEL Process Manager Enterprise Service Bus Services Registry などがあります 結論 Oracle Application Server 10g R3 Web Services フレームワークは コア Web サービス機能の面でメジャー リリースです Oracle Application Server の実証済 J2EE アーキテクチャ上で動作する業界標準ベースのソリューションを提供します オラクル社では JAX-RPC の標準だけでなく その Web サービス プラットフォームも WS-Security や WS-Reliability などの企業配置をサポートするように拡張してきました またこのリリースでは Java 5 および EJB 3.0 アノテーション開発の簡易性も活用して サービス指向アプリケーションの迅速な開発を実現しました Oracle Application Server 10g R3 は Oracle Business Rules Oracle BPEL Process Manager Oracle Web Services Manager Oracle Enterprise Service Bus Oracle Identity Management Oracle Application Server Service Registry などの Oracle Fusion Middleware 機能を配布するベースライン SOA プラットフォームであり 大規模かつ統合された相互運用可能なサービス指向アーキテクチャの開発 配置 管理を実現します Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 16

Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1)- Enterprise Web Services 2006 年 10 月著者 : Tugdual Grall 寄稿者 : Mike Lehmann Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口 : 電話 : +1.650.506.7000 ファックス : +1.650.506.7200 www.oracle.com Copyright 2006, Oracle. 無断転載を禁ず この文書はあくまで参考資料であり 掲載されている情報は予告なしに変更されることがあります オラクル社は 本ドキュメントの無謬性を保証しません また 本ドキュメントは 法律で明示的または暗黙的に記載されているかどうかに関係なく 商品性または特定の目的に対する適合性に関する暗黙の保証や条件を含む一切の保証または条件に制約されません オラクル社は 本書の内容に関していかなる保証もいたしません また 本書により 契約上の直接的および間接的義務も発生しません 本書は 事前の書面による承諾を得ることなく 電子的または物理的に いかなる形式や方法によっても再生または伝送することはできません Oracle JD Edwards PeopleSoft および Retek は Oracle Corporation および関連会社の登録商標です 他の製品名は それぞれの所有者の商標です