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BIG-IP と Office Communications Server 2007 の設定の概要 Microsoft と F5 ネットワークス ( 以下 F5) は F5 が提供する BIG-IP アプリケーション トラフィック管理デバイスによって Microsoft Office Communications Server 2007 のトラフィックをインテリジェントに導く高効率な手法について共同で研究してきました さらに Microsoft と F5 は BIG-IP Local Traffic Manager( 以下 BIG-IP LTM) と Office Communications Server 2007 間の相互運用性のテストを行ってきました BIG-IP LTM を使用することで 企業は Office Communications Server 導入でのミッション クリティカルなアベイラビリティ インテリジェントなトラフィック管理 シンプルなスケーラビリティ 強力なセキュリティを実現できます Office Communications Server 2007 は インスタント メッセージ VoIP 音声 ビデオ会議など すべてのリアルタイム ( 同期 ) 通信を管理します 既存のテレコミュニケーション システムと連携して動作するため 企業では 既存の電話網を無駄にすることなく 先進の VoIP や会議システムが導入できます また Microsoft Office Communications Server 2007 は Microsoft のユニファイド コミュニケーションの最大の利点であるプレゼンス機能を活用し 人と人とのコミュニケーション方法に応じて Active Directory に保存されたすべてのコンタクト情報を統合します プレゼンスを使用することで ユーザの空き時間情報をひと目で把握し インスタント メッセージや電話 ビデオ会議を使用して それらのユーザに 1 クリックでコンタクトできます Microsoft Office Communications Server の詳細については http://www.microsoft.com/uc/products/ocs2007.mspx を参照してください BIG-IP LTM の詳細については http://www.f5networks.co.jp/product/bigip/ltm/index.html を参照してください 前提条件と設定上の注意 この導入における前提条件は次のとおりです BIG-IP LTMのバージョン9.0 以降が稼働していること バージョン9.4 以降の使用を強くお勧めします Microsoft Office Communications Server 2007 が稼働していること BIG-IP バージョン 4.5 および 9.0 における Microsoft Live Communications Server 2005 Enterprise Edition の導入ガイドについては F5 ソリューションセンターをご覧ください http://www.f5networks.co.jp/solution/application/microsoft.html 注 本書は 読者が BIG-IP LTM と Office Communications Server 2007 の両方を熟知しているものとして記述されています これらの製品の設定に関する詳細については 該当するマニュアルを参照してください 1

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 設定例 BIG-IP LTM は Office Communication Server 2007 のエンタープライズ プールのハイアベイラビリティの提供とトラフィックの誘導を行います また BIG-IP LTM は プール内のサーバ間通信に必要とされる SNAT の機能を提供します 次の例は BIG-IP LTM および Office Communications Server の導入の代表的な設定を示します 複数の Office Communications Server がプール内に存在する場合には 着信したセッション要求をサーバ間に分配する必要があります 図 1 は BIG-IP LTM を Office Communications Server プールの前に配置する方法を示しています OCS BIG-IP Local Traffic Manager Access Edge Servers BIG-IP Local Traffic Manager OCS OCS Microsoft Office Communications Server SQL 図 1 BIG-IP LTM - Microsoft Office Communications Server の論理設定 F5 導入ガイド 2

Microsoft Office Communications Server 2007 に関する BIG-IP LTM の設定 この導入ガイドは 次の項で構成されています 初期設定タスクの実行 (3 ページ ) OCS フロントエンドサーバに関する BIG-IP LTM の設定 (6 ページ ) OCS エッジサーバに関する BIG-IP LTM の設定 (21 ページ ) ヒント この導入ガイドの手順を開始する前に 現在の BIG-IP の設定を保存しておくことをお勧めします BIG-IP 設定の保存方法については 付録 BIG-IP 設定のバックアップおよび復元 (31 ページ ) を参照してください BIG-IP LTM には Web ベースの設定ツールとコマンドライン設定ツールの両方があり ユーザの使いやすい環境に応じて選択できるようになっています この導入ガイドでは BIG-IP 設定ユーティリティを使用して BIG-IP LTM を設定する手順のみを掲載しています bigpipe コマンドライン インターフェイスの使用方法を熟知している場合以外は 設定ユーティリティのご使用をお勧めします 初期設定タスクの実行 以下の設定作業では BIG-IP LTM での VLAN およびセルフ IP の作成を行います これらのオブジェクトの設定がすでに完了している場合は これらの手順を繰り返す必要はありません OCS フロントエンドサーバに関する BIG-IP LTM の設定 (6 ページ ) に進んでください BIG-IP への接続 この設定の最初のステップは BIG-IP LTM への接続です 設定ユーティリティを使用して BIG-IP LTM に接続します コマンドラインを使用して BIG-IP LTM に接続することもできますが この導入ガイドでは 設定ユーティリティからの設定手順のみを掲載しています Web ブラウザを使用して BIG-IP の Web ベースの設定ユーティリティにアクセスするには 次の手順を実行してください 3

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 設定ユーティリティを使用して BIG-IP LTM に接続するには 1. ブラウザの URL 欄に https://<big-ip デバイスの管理者用 IP アドレス > と入力します [Security Alert] ダイアログボックスが表示されたら [Yes] をクリックします 認証用ダイアログボックスが表示されます 2. ユーザ名とパスワードを入力し [OK] をクリックします [Welcome] 画面が表示されます BIG-IP LTM へのログオンが完了すると 新しい設定ユーティリティの [Welcome] 画面が開きます 設定ユーティリティからは BIG-IP LTM の設定および監視 オンラインヘルプへのアクセス SNMP MIB およびプラグインのダウンロードができるほか 特定オブジェクトの検索もできます VLAN の作成 次のステップは BIG-IP LTM 上での VLAN の作成です 必要なネットワーク アーキテクチャに応じて 以下のように BIG-IP LTM 設定に 1 つまたは複数の VLAN を関連付けます One-Arm 設定 Communicator 2007 クライアントが Office Communications Server のフロントエンドサーバと同じネットワーク上にある場合 必要な VLAN は 1 つだけです これを One-Arm 設定といいます 注 : 65,000 を超える同時接続のある導入においては 複数の SNAT アドレスを BIG-IP LTM 上に設定する必要があります SNAT の作成 (12 ページ ) を参照してください Routed 設定典型的な例は Communicator 2007 クライアントが Office Communications Server フロントエンドとは異なるネットワークにある場合です この場合 着信クライアント用の外部 VLAN と Office Communications Server フロントエンドサーバ用の内部 VLAN が必要となります これを Routed 設定といいます VLAN を作成するには 1. [Main] タブで [Network] を展開し [VLANs] をクリックします [VLANs] 画面が開きます 2. [Create] ボタンをクリックします 新しい [VLAN] 画面が開きます 3. [Name] ボックスに一意の VLAN 名を入力します この例では ocs-vlan と入力します F5 導入ガイド 4

4. [Resources] セクションで タグ付きトラフィックへのアクセスを可能にするインターフェイスを [Available] リストから選択し [<<] ( 追加 ) ボタンをクリックして [Untagged] ボックスに追加します この例では 1.4 を選択します 図 2 を参照してください 5. [Finished] ボタンをクリックします 図 2 BIG-IP LTM 設定ユーティリティでの VLAN の追加 セルフ IP の作成 セルフ IP アドレスとは BIG-IP LTM が所有する IP アドレスのことで 内部 VLAN および外部 VLAN へのアクセスに使用します この設定の次のステップは 前の手順で作成した VLAN のセルフ IP アドレスの作成です 設定ユーティリティを使用してセルフ IP アドレスを作成するには 1. [Main] タブで [Network] を展開し [Self IPs] をクリックします [Self IP] 画面が開きます 2. [Create] ボタンをクリックします 新しい [Self IP] 画面が開きます 3. [IP Address] ボックスに 前の手順で作成した VLAN 内のスタティック IP アドレスを入力します これは Office Communications Server デバイスと同じネットワーク上であることが必要です この例では 10.133.35.10 を使用します 4. [Netmask] ボックスに 対応するサブネットマスクを入力します この例では 255.255.255.0 を使用します 5. [VLAN] リストから VLAN の作成 の手順で作成した VLAN を選択します この例では ocs-vlan を選択します 5

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 6. [Finished] ボタンをクリックします 新しいセルフ IP アドレスがリストに表示されます 図 3 BIG-IP LTM 設定ユーティリティでのセルフ IP アドレスの追加 OCS フロントエンドサーバに関する BIG-IP LTM の設定 次の手順では Office Communications Server フロントエンドサーバに関する BIG-IP LTM の設定を行います フロントエンドサーバとは 内部ネットワーク内で IM カンファレンス サービス アドレス ブック サービス テレフォニー カンファレンス サービスをホストして登録 プレゼンス IM およびカンファレンスをサポートする Office Communications Server 2007 サーバのことです OCS フロントエンドサーバに関する設定は 以下の項で行います OCS フロントエンドサーバでの HTTPS(444) トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定 OCS フロントエンドサーバ上の SIP トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定 ワイルドカード仮想サーバの作成 冗長システムを使用している場合の BIG-IP 設定の同期 F5 導入ガイド 6

OCS フロントエンドサーバでの HTTPS(444) トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定 Microsoft OCS クライアントは カスタムポート 444 でのフロントエンドサーバとの HTTPS 通信を必要とします BIG-IP LTM を使用してフロントエンドサーバのプールにトラフィックを導くことにより 負荷分散 ハイアベイラビリティ および強力なスケーラビリティが提供されます ヘルスモニタの作成 フロントエンドサーバに関する BIG-IP LTM の設定の最初のステップは BIG-IP LTM でのヘルスモニタの設定です ここでは HTTPS 親モニタを使用してヘルスモニタを作成します さらに このモニタをポート 444 のチェック専用として設定します ヘルスモニタを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Monitors] をクリックします [Monitors] 画面が開きます 2. [Create] ボタンをクリックします [New Monitor] 画面が開きます 3. [Name] ボックスにモニタの名前を入力します この例では ocs-fe-https と入力します 4. [Type] リストから [HTTPS] を選択します TCP モニタの設定オプションが表示されます 5. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 詳細な設定オプションが表示されます 6. [Configuration] セクションで [Interval] ボックスと [Timeout] ボックスに間隔とタイムアウトの値を入力します 間隔とタイムアウトの比率は 1:3 +1 以上をお勧めします この例では 間隔として 30 を タイムアウトとして 91 を使用します 7. [Alias Service Port] ボックスに 444 と入力します 8. その他の構成設定はすべて任意選択です 実際の導入に合わせて設定してください 9. [Finished] ボタンをクリックします ( 図 4 を参照 ) 7

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 図 4 フロントエンド ヘルスモニタの設定 フロントエンド SSL プールの作成 次に Office Communications Server フロントエンドサーバ用 BIG-IP LTM のプールを作成します BIG-IP LTM プールは 一連のデバイスをまとめてグループ化したもので ロードバランシング方式に従ってトラフィックを受信します フロントエンド SSL プールの作成 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Pools] をクリックします [Pool] 画面が開きます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New Pool] 画面が表示されます 3. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 詳細な設定オプションが表示されます 4. [Name] ボックスにプールの名前を入力します この例では ocs-frontend-ssl と入力します 5. [Health Monitors] セクションでは ヘルスモニタの作成 の手順で選択したモニタ名を選択し [<<]( 追加 ) ボタンをクリックします この例では ocs-fe-https を選択します F5 導入ガイド 8

6. [Configuration] セクションの残りの項目は 実際の導入に合わせて設定してください 7. [Resources] セクションでは [Load Balancing Method] リストから適当なロードバランシング方式を選択します ( 最適な結果をもたらすロードバランシング方式はネットワークによって異なることがあります ) この設定の場合 [Least Connections (node)] を選択することをお勧めします Least Connections( 最小接続数 ) モードの場合 BIG-IP LTM は新しい接続を 現在の接続数が最小のノードに渡します Least Connections モードは ロードバランシングの対象となるサーバやその他の機器が同等の機能を持つ環境で最も良好に動作します Office Communications Server の場合 サーバからクライアントに向かうトラフィックは 各接続においてほとんど同じです 8. [New Members] セクションでは Office Communications フロントエンドサーバをプールに追加します a) [Address] ボックスに Office Communications Server の IP アドレスを入力します この例では 10.133.35.21 と入力します b) [Service Port] ボックスに このデバイスに使用するサービス番号を入力します この例では 444 と入力します c) [Add] ボタンをクリックして この番号をリストに追加します d) プールに追加する Office Communications Server サーバごとに手順 a ~ c を繰り返します この例では 別の 2 つのフロントエンドサーバ (10.133.35.22 と 10.133.35.23) に対してこれらの手順を繰り返します 9. [Finished] ボタンをクリックします ( 図 5 を参照 ) 図 5 OCS フロントエンドプールの作成 9

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 TCP プロファイルの作成 次に TCP プロファイルを作成します この TCP プロファイルでは アイドル タイムアウト (Idle Timeout) の値を 1200 秒 (20 分 ) に設定します この期間に接続が完全にアイドルの場合 BIG-IP LTM はこの接続をリセットします アイドル タイムアウト値をデフォルト設定より大きくするのは 接続がオープンされ アイドルの状態を継続できる期間を長くすることが重要であるためです これが OCS クライアントの通常の動作です 新しい TCP プロファイルを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開します 2. [Profiles] をクリックします [HTTP Profiles] 画面が開きます 3. [Menu] バーの [Protocol] メニューから [TCP] を選択します 4. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New TCP Profile] 画面が表示されます 5. [Name] ボックスに名前を入力します この例では ocs-fe-ssl と入力します 6. [Idle Timeout] 行の [Custom] ボックスのチェックをオンにします 2 番目のボックスに 1200 と入力します 7. 残りの設定は 実際のネットワークに合わせて変更してください 大半のネットワークにおいては デフォルト設定で十分のはずです 8. [Finished] ボタンをクリックします 図 6 新しい TCP プロファイルの作成 F5 導入ガイド 10

仮想サーバの作成 仮想アドレスを持つ仮想サーバは 可視かつルーティング可能なエンティティであり 仮想サーバを介してロード バランシング プール内の Office Communications Server がクライアントに利用可能となります ( クライアントに与えられる IP アドレスまたは DNS に追加される IP アドレス ) この設定の次のステップでは 作成したプロファイルおよびプールを参照する仮想サーバを定義します フロントエンド SSL 仮想サーバを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Virtual Servers] をクリックします [Virtual Servers] 画面が開きます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New Virtual Server] 画面が表示されます 3. [Name] ボックスに この仮想サーバの名前を入力します この例では ocs-frontend-ssl-vs と入力します 4. [Destination] セクションで [Host] オプションボタンを選択します 5. [Address] ボックスに この仮想サーバの IP アドレスを入力します この例では 10.133.35.50 を使用します 6. [Service Port] ボックスに 444 と入力します 図 7 フロントエンド SSL 仮想サーバの [General Properties] セクション 7. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 8. [Protocol Profile (Client)] リストから TCP プロファイルの作成 の手順で作成したプロファイルの名前を選択します この例では ocs-fe-ssl を選択します 9. [Resources] セクションの [Default Pool] リストから フロントエンド SSL プールの作成 の手順で作成したプールを選択します この例では ocs-frontend-ssl を選択します 11

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 10. [Finished] ボタンをクリックします 図 8 フロントエンド SSL 仮想サーバの [Resources] セクション SNAT の作成 SNAT(Source Network Address Translation) は サーバ間通信のために使用するものであり 特定の Office Communications Server プールレベルの管理操作をプール内のサーバから実行できる機能を提供します また One-Arm 設定において SNAT を使用することにより Office Communication Server ホストと同じ IP サブネット上に仮想サーバが存在可能となります 大半の導入においては デフォルトの SNAT で十分です 65,000 を超える同時ユーザが Office Communications Server 導入に接続する場合には 大規模な Office Communications Server 導入の場合の SNAT の設定 (13 ページ ) を参照してください 実際の導入に最も適した手順を使用してください 同時ユーザが 65,000 未満の場合のデフォルト SNAT の作成 この手順は Office Communications Server 導入の同時ユーザが 65,000 より少ない場合に使用してください SNAT を作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [SNATs] をクリックします [SNATs] 画面が開きます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New SNAT] 画面が表示されます 3. [Name] ボックスに この SNAT の名前を入力します この例では ocs-default-snat と入力します F5 導入ガイド 12

4. [Translation] リストから 実際の構成に適した設定を選択します この例では [Automap] を使用します 5. [VLAN Traffic] リストから [Enabled on] を選択します 6. [VLAN List] 行の [Available] リストから OSC デバイスがある VLAN を選択し [<<]( 追加 ) ボタンをクリックします 7. [Finished] ボタンをクリックします ( 図 9 を参照 ) 図 9 デフォルト SNAT の設定 大規模な Office Communications Server 導入の場合の SNAT の設定 大規模な導入 ( 同時ユーザが 65,000) の場合には SNAT プールを作成します SNAT プールとは 仮想サーバおよび Office Communications Server と同じサブネット上に予約済みアドレスを 1 つ持つプールのことです 65,000 のクライアント ( またはその何分の 1 か ) のそれぞれに対して SNAT プールを作成する必要があります 重要 この手順は 大規模な導入の場合のみに必要です Office Communications Server 導入の同時ユーザが 65,000 未満の場合には SNAT プールの作成は必要ありません 同時ユーザが 65,000 未満の場合のデフォルト SNAT の作成 (12 ページ ) の手順を使用してください 大規模な OCS 導入の場合に SNAT プールを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [SNATs] をクリックします [SNATs] 画面が開きます 2. [Menu] バーの [SNAT Pool List] をクリックします 13

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 3. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New SNAT Pool] 画面が表示されます 4. [Name] ボックスに この SNAT プールの名前を入力します この例では ocs-snat-pool と入力します 5. [IP Address] ボックスに OCS 2007 フロントエンドサーバを含むサブネット上の有効な予約済みアドレスを入力し [Add] ボタンをクリックします この例では 10.133.35.110 と入力します 6. 必要な追加アドレスごとに手順 5 を繰り返します 65,000 の同時接続ごとに最低 1 つのアドレスを追加する必要があります ( 通常 接続数は OCS クライアント数に一致します ) この例では 10.133.35.111 を追加します 7. [Finished] ボタンをクリックします 図 10 大規模な OCS 導入の場合の SNAT プールの作成 SNAT プールの設定の次のステップは SNAT プールを使用するデフォルト SNAT の設定です SNAT プールを使用するデフォルト SNAT を作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [SNATs] をクリックします [SNATs] 画面が開きます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New SNAT] 画面が表示されます 3. [Name] ボックスに この SNAT の名前を入力します この例では ocs-default-snat と入力します 4. [Translation] リストから [SNAT Pool] を選択します 5. [Select] リストから 前の手順で作成した SNAT プールの名前を選択します この例では ocs-snat-pool を選択します 6. [VLAN Traffic] リストから [Enabled on] を選択します 7. [VLAN List] 行の [Available] リストから OSC デバイスがある VLAN を選択し [<<]( 追加 ) ボタンをクリックします 8. [Finished] ボタンをクリックします ( 図 11 を参照 ) F5 導入ガイド 14

図 11 大規模な OCS 導入の場合のデフォルト SNAT の作成 OCS フロントエンドサーバ上の SIP トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定 次の作業は SIP トラフィックを Office Communications Server フロントエンドサーバに導くための BIG-IP LTM の設定です ヘルスモニタの作成 フロントエンドサーバ上の SIP トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定の最初のステップは ヘルスモニタの設定です ここでは TCP 親モニタを使用してヘルスモニタを作成します さらに このモニタをポート 5061 のチェック専用として設定します ヘルスモニタを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Monitors] をクリックします [Monitors] 画面が開きます 2. [Create] ボタンをクリックします [New Monitor] 画面が開きます 3. [Name] ボックスにモニタの名前を入力します この例では ocs-fe-sip と入力します 4. [Type] リストから [HTTPS] を選択します TCP モニタの設定オプションが表示されます 5. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 詳細な設定オプションが表示されます 15

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 6. [Configuration] セクションで [Interval] ボックスと [Timeout] ボックスに間隔とタイムアウトの値を入力します 間隔とタイムアウトの比率は 1:3 +1 以上をお勧めします この例では 間隔として 30 を タイムアウトとして 91 を使用します 7. [Alias Service Port] ボックスに 5061 と入力します 8. その他の構成設定はすべて任意選択です 実際の導入に合わせて設定してください 9. [Finished] ボタンをクリックします プールの作成 次に BIG-IP LTM 上にプールを作成します フロントエンド SIP プールの作成 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Pools] をクリックします [Pool] 画面が開きます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New Pool] 画面が表示されます 3. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 詳細な設定オプションが表示されます 4. [Name] ボックスにプールの名前を入力します この例では ocs-frontend-sip と入力します 5. [Health Monitors] セクションでは ヘルスモニタの作成 の手順で選択したモニタ名を選択し [<<]( 追加 ) ボタンをクリックします この例では ocs-fe-sip を選択します 6. [Configuration] セクションの残りの項目は 実際の導入に合わせて設定してください 7. [Resources] セクションでは [Load Balancing Method] リストから適当なロードバランシング方式を選択します ( 最適な結果をもたらすロードバランシング方式はネットワークによって異なることがあります ) この設定の場合 Least Connections (node) を選択することをお勧めします Least Connections( 最小接続数 ) モードの場合 BIG-IP LTM は新しい接続を 現在の接続数が最小のノードに渡します Least Connections モードは ロードバランシングの対象となるサーバやその他の機器が同等の機能を持つ環境で最も良好に動作します Office Communications Server の場合 サーバからクライアントに向かうトラフィックは 各接続においてほとんど同じです F5 導入ガイド 16

8. [New Members] セクションでは Office Communications Server をプールに追加します a) [Address] ボックスに Office Communications Server の IP アドレスを入力します この例では 10.133.35.21 と入力します b) [Service Port] ボックスに このデバイスに使用するサービス番号を入力します この例では 5061 と入力します c) [Add] ボタンをクリックして この番号をリストに追加します d) プールに追加する Office Communications Server サーバごとに手順 a ~ c を繰り返します この例では 別の 2 つのフロントエンドサーバ (10.133.35.22 と 10.133.35.23) に対してこれらの手順を繰り返します 9. [Finished] ボタンをクリックします TCP プロファイルの作成 次に TCP プロファイルを作成します この TCP プロファイルは すでに作成済みの TCP プロファイルと同一ですが この仮想サーバ用に新しい TCP プロファイルを作成することを強くお勧めします これにより 他の仮想サーバに影響を与えることなく この仮想サーバに対する TCP プロファイルの微調整が可能になります 新しい TCP プロファイルを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開します 2. [Profiles] をクリックします [HTTP Profiles] 画面が開きます 3. [Menu] バーの [Protocol] メニューから [TCP] を選択します 4. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New TCP Profile] 画面が表示されます 5. [Name] ボックスに名前を入力します この例では ocs-fe-sip と入力します 6. [Idle Timeout] 行の [Custom] ボックスをクリックします 2 番目のボックスに 1200 と入力します 7. 残りの設定は 実際のネットワークに合わせて変更してください 大半のネットワークにおいては デフォルト設定で十分のはずです 8. [Finished] ボタンをクリックします 17

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 仮想サーバの作成 この設定の次のステップでは 作成したプロファイルおよびプールを参照する仮想サーバを定義します フロントエンド SIP 仮想サーバを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Virtual Servers] をクリックします [Virtual Servers] 画面が開きます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New Virtual Server] 画面が表示されます 3. [Name] ボックスに この仮想サーバの名前を入力します この例では ocs-frontend-sip-vs と入力します 4. [Destination] セクションで [Host] オプションボタンを選択します 5. [Address] ボックスに この仮想サーバの IP アドレスを入力します この例では 10.133.35.50 を使用します 6. [Service Port] ボックスに 5061 と入力します 7. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 8. [Protocol Profile (Client)] リストから TCP プロファイルの作成 の手順で作成したプロファイルの名前を選択します この例では ocs-fe-sip を選択します 9. [Resources] セクションの [Default Pool] リストから フロントエンド SSL プールの作成 の手順で作成したプールを選択します この例では ocs-frontend-ssl を選択します 10. [Finished] ボタンをクリックします ワイルドカード仮想サーバの作成 Office Communications Server フロントエンドの設定における最後の作業は ワイルドカード仮想サーバの作成です この仮想サーバは ドメイン認証などの OCS 専用以外のトラフィックや WINS トラフィック用のサーバです 重要 この手順により BIG-IP LTM の後ろにある Office Communications Server と外部との通信が可能になります 目的の環境でワイルドカード仮想サーバが不要な場合には この手順は省略できます ワイルドカード仮想サーバを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Virtual Servers] をクリックします [Virtual Servers] 画面が開きます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New Virtual Server] 画面が表示されます 3. [Name] ボックスに この仮想サーバの名前を入力します この例では ocs-wildcard-virtual と入力します 4. [Destination] セクションで [Host] オプションボタンを選択します F5 導入ガイド 18

5. [Address] ボックスに 0.0.0.0 と入力して ワイルドカード仮想サーバに指定します 6. [Service Port] リストから [*All Ports] を選択します 7. [Configuration ] セクションの [Type] リストから [Forwarding (IP)] を選択します 8. [Protocol] リストから [All Protocols] を選択します 9. [VLAN Traffic] リストで [All VLANS] が選択されていることを確認します ( 図 17 を参照 ) 10. [Finished] ボタンをクリックします ( 図 12 を参照 ) 図 12 ワイルドカード仮想サーバの作成 19

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 冗長システムを使用している場合の BIG-IP 設定の同期 冗長化した BIG-IP 設定を使用している場合には 最後のステップとして ピア側の BIG-IP に設定を同期させる必要があります 設定を同期させるには 1. [Main] タブで [System] を展開します 2. [High Availability] をクリックします [Redundancy] 画面が開きます 3. [Menu] バーの [ConfigSync] をクリックします 4. [Self --> Peer] ボタンをクリックします 設定がピア側と同期されます 重要 また 冗長化した BIG-IP 設定 ( アクティブ - アクティブまたはアクティブ - スタンバイ ) を使用している場合には 最初の 2 つの手順 ( VLAN の作成 および セルフ IP の作成 ) を両方のデバイスで実行する必要があります それ以外の手順は 片側の BIG-IP のみ実行するだけで済みます 最初の 2 つの手順は BIG-IP 間で同期する項目に含まれていません 冗長設定においては 両方のデバイスに対して浮動セルフ IP アドレスを設定する必要もあります 浮動セルフ IP アドレスを作成するには セルフ IP の作成 (5 ページ ) の手順に従い さらに [Floating IP] ボックスのチェックをオンにします 冗長デバイスでは 基本のデバイスと同じ IP アドレスを使用して浮動セルフ IP アドレスを作成し [Floating IP] ボックスのチェックをオンにします F5 導入ガイド 20

OCS エッジサーバに関する BIG-IP LTM の設定 この導入における次の作業は OCS エッジサーバの設定です エッジサーバとは 外部ユーザに対する接続およびパブリック IM 接続を提供する周辺ネットワークにある Office Communications Server 2007 サーバのことです 出張中または自宅やリモートオフィスの従業員がエッジサーバを使用して リモートからサービスにアクセスします 重要 エッジサーバやサービスを使用せずに Office Communications Server 2007 を導入することも可能です ( たとえば 内部のみの導入など ) 目的の設定にエッジサーバが含まれない場合には この手順を実行する必要はありません OCS エッジサーバに関する設定は 以下の項で行います OCS エッジサーバでの HTTPS(444) トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定 OCS エッジサーバ上の SIP トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定 OCS エッジサーバは 複数のサービスを実行することや 異なる設定で稼働することが可能です 以下の例は SIP または HTTPS OCS エッジサーバ トラフィックに対して BIG-IP LTM を設定する方法を示します OCS エッジサーバでの HTTPS(444) トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定 この設定における最初の作業は エッジサーバの HTTPS トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定です 前述のように Microsoft Office Communications Server クライアントは カスタムポート 444 での各種サーバとの HTTPS 通信を必要とします ヘルスモニタの作成 エッジサーバに関する BIG-IP LTM の設定の最初のステップは ヘルスモニタの設定です ここでは HTTPS 親モニタを使用してヘルスモニタを作成します ヘルスモニタを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Monitors] をクリックします [Monitors] 画面が開きます 2. [Create] ボタンをクリックします [New Monitor] 画面が開きます 3. [Name] ボックスにモニタの名前を入力します この例では ocs-edge-https と入力します 4. [Type] リストから [TCP] を選択します TCP モニタ設定オプションが表示されます 21

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 5. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 詳細な設定オプションが表示されます 6. [Configuration] セクションで [Interval] ボックスと [Timeout] ボックスに間隔とタイムアウトの値を入力します 間隔とタイムアウトの比率は 1:3 +1 以上をお勧めします この例では 間隔として 30 を タイムアウトとして 91 を使用します 7. [Alias Service Port] ボックスに 444 と入力します 8. [Finished] ボタンをクリックします 図 13 ヘルスモニタの設定 F5 導入ガイド 22

エッジサーバ SSL プールの作成 次に BIG-IP LTM 上にエッジサーバプールを作成します エッジ SSL プールの作成 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Pools] をクリックします [Pool] 画面が開きます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New Pool] 画面が表示されます 3. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 詳細な設定オプションが表示されます 4. [Name] ボックスにプールの名前を入力します この例では ocs-edge-ssl と入力します 5. [Health Monitors] セクションでは ヘルスモニタの作成 の手順で選択したモニタ名を選択し [<<]( 追加 ) ボタンをクリックします この例では ocs-edge-https を選択します 6. [Configuration] セクションの残りの項目は 実際の導入に合わせて設定してください 図 14 TLS プールに関するオプションの設定 7. [Resources] セクションでは [Load Balancing Method] リストから適当なロードバランシング方式を選択します ( 最適な結果をもたらすロードバランシング方式はネットワークによって異なることがあります ) この設定の場合 Least Connections (node) を選択することをお勧めします Least Connections( 最小接続数 ) モードの場合 BIG-IP LTM は新しい接続を 現在の接続数が最小のノードに渡します Least Connections モードは ロードバランシングの対象となるサーバやその他の機器が同等の機能を持つ環境で最も良好に動作します Office Communications Server を使用する場合 サーバからクライアントに向かうトラフィックは 各接続においてほとんど同じです 23

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 8. [New Members] セクションでは Office Communications Server をプールに追加します a) [Address] ボックスに Office Communications Server の IP アドレスを入力します この例では 10.133.36.22 と入力します b) [Service Port] ボックスに 444 と入力します c) [Add] ボタンをクリックして この番号をリストに追加します d) プールに追加する Office Communications Server サーバごとに手順 a ~ c を繰り返します この例では 別の 2 つの Office Communications Server(10.133.36.23 と 10.133.36.24) に対してこれらの手順を 2 回繰り返します 図 15 を参照してください 9. [Finished] ボタンをクリックします 図 15 プールのリソースの設定 その他の OCS エッジサーバについても この手順を繰り返します その際には プールごとに一意の名前を作成し 適切な IP アドレスおよびサービスポートを使用する必要があります TCP プロファイルの作成 次に TCP プロファイルを作成します この TCP プロファイルは すでに作成済みの TCP プロファイルと同一ですが この仮想サーバ用に新しい TCP プロファイルを作成することを強くお勧めします これにより 他の仮想サーバに影響を与えることなく この仮想サーバに対する TCP プロファイルの微調整が可能になります F5 導入ガイド 24

新しい TCP プロファイルを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開します 2. [Profiles] をクリックします [HTTP Profiles] 画面が開きます 3. [Menu] バーの [Protocol] メニューから [TCP] を選択します 4. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New TCP Profile] 画面が表示されます 5. [Name] ボックスに名前を入力します この例では ocs-edge-ssl と入力します 6. [Idle Timeout] 行の [Custom] ボックスをクリックします 2 番目のボックスに 1200 と入力します 7. 残りの設定は 実際のネットワークに合わせて変更してください 大半のネットワークにおいては デフォルト設定で十分のはずです 8. [Finished] ボタンをクリックします 仮想サーバの作成 この設定の次のステップでは 作成したプロファイルおよびプールを参照する仮想サーバを定義します エッジ SIP 仮想サーバを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Virtual Servers] をクリックします [Virtual Server] 画面が表示されます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New Virtual Server] 画面が表示されます 3. [Name] ボックスに この仮想サーバの名前を入力します この例では ocs-edge-ssl と入力します 4. [Destination] セクションで [Host] オプションボタンを選択します 5. [Address] ボックスに この仮想サーバの IP アドレスを入力します この例では 10.133.36.51 を使用します 6. [Service Port] ボックスに 5061 と入力します 図 16 TSL 仮想サーバの [General Properties] セクション 25

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 7. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 8. [Protocol Profile (Client)] リストから TCP プロファイルの作成 の手順で作成したプロファイルの名前を選択します この例では ocs-edge-ssl を選択します 9. [Resources] セクションの [Default Pool] リストから エッジ SSL プールの作成 の手順で作成したプールの名前を選択します この例では ocs-edge-ssl を選択します 図 17 仮想サーバ作成時のプールの選択 10. [Finished] ボタンをクリックします F5 導入ガイド 26

OCS エッジサーバ上の SIP トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定 次の作業は SIP トラフィックを Office Communications Server エッジサーバに導くための BIG-IP LTM の設定です ヘルスモニタの作成 エッジサーバ上の SIP トラフィックに関する BIG-IP LTM の設定の最初のステップは ヘルスモニタの設定です ここでは TCP 親モニタを使用してヘルスモニタを作成します ヘルスモニタを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Monitors] をクリックします [Monitors] 画面が開きます 2. [Create] ボタンをクリックします [New Monitor] 画面が開きます 3. [Name] ボックスにモニタの名前を入力します この例では ocs-edge-sip と入力します 4. [Type] リストから [HTTPS] を選択します TCP モニタの設定オプションが表示されます 5. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 詳細な設定オプションが表示されます 6. [Configuration] セクションで [Interval] ボックスと [Timeout] ボックスに間隔とタイムアウトの値を入力します 間隔とタイムアウトの比率は 1:3 +1 以上をお勧めします この例では 間隔として 30 を タイムアウトとして 91 を使用します 7. [Alias Service Port] ボックスに 5061 と入力します 8. その他の構成設定はすべて任意選択です 実際の導入に合わせて設定してください 9. [Finished] ボタンをクリックします エッジ SIP プールの作成 次に BIG-IP LTM 上にプールを作成します エッジ SIP プールの作成 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Pools] をクリックします [Pool] 画面が開きます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New Pool] 画面が表示されます 3. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 詳細な設定オプションが表示されます 27

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 4. [Name] ボックスにプールの名前を入力します この例では ocs-edge-sip と入力します 5. [Health Monitors] セクションでは ヘルスモニタの作成 の手順で選択したモニタ名を選択し [<<]( 追加 ) ボタンをクリックします この例では ocs-edge-sip を選択します 6. [Configuration] セクションの残りの項目は 実際の導入に合わせて設定してください 7. [Resources] セクションでは [Load Balancing Method] リストから適当なロードバランシング方式を選択します ( 最適な結果をもたらすロードバランシング方式はネットワークによって異なることがあります ) この設定の場合 Least Connections (node) を選択することをお勧めします Least Connections( 最小接続数 ) モードの場合 BIG-IP LTM は新しい接続を 現在の接続数が最小のノードに渡します Least Connections モードは ロードバランシングの対象となるサーバやその他の機器が同等の機能を持つ環境で最も良好に動作します Office Communications Server の場合 サーバからクライアントに向かうトラフィックは 各接続においてほとんど同じです 8. [New Members] セクションでは Office Communications Server をプールに追加します a) [Address] ボックスに Office Communications Server の IP アドレスを入力します この例では 10.133.32.21 と入力します b) [Service Port] ボックスに このデバイスに使用するサービス番号を入力します この例では 5061 と入力します c) [Add] ボタンをクリックして この番号をリストに追加します d) プールに追加する Office Communications Server サーバごとに手順 a ~ c を繰り返します この例では 別の 2 つのフロントエンドサーバ (10.133.32.22 と 10.133.32.23) に対してこれらの手順を繰り返します 9. [Finished] ボタンをクリックします TCP プロファイルの作成 次に TCP プロファイルを作成します この TCP プロファイルは すでに作成済みの TCP プロファイルと同一ですが この仮想サーバ用に新しい TCP プロファイルを作成することを強くお勧めします これにより 他の仮想サーバに影響を与えることなく この仮想サーバに対する TCP プロファイルの微調整が可能になります 新しい TCP プロファイルを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開します 2. [Profiles] をクリックします [HTTP Profiles] 画面が開きます 3. [Menu] バーの [Protocol] メニューから [TCP] を選択します 4. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New TCP Profile] 画面が表示されます 5. [Name] ボックスに名前を入力します この例では ocs-edge-sip と入力します F5 導入ガイド 28

6. [Idle Timeout] 行の [Custom] ボックスをクリックします 2 番目のボックスに 1200 と入力します 7. 残りの設定は 実際のネットワークに合わせて変更してください 大半のネットワークにおいては デフォルト設定で十分のはずです 8. [Finished] ボタンをクリックします 仮想サーバの作成 この設定の次のステップでは 作成したプロファイルおよびプールを参照する仮想サーバを定義します エッジ SIP 仮想サーバを作成するには 1. [Main] タブで [Local Traffic] を展開し [Virtual Servers] をクリックします [Virtual Servers] 画面が開きます 2. 画面の右上の [Create] ボタンをクリックします [New Virtual Server] 画面が表示されます 3. [Name] ボックスに この仮想サーバの名前を入力します この例では ocs-edge-sip-vs と入力します 4. [Destination] セクションで [Host] オプションボタンを選択します 5. [Address] ボックスに この仮想サーバの IP アドレスを入力します この例では 10.133.36.51 を使用します 6. [Service Port] ボックスに 5061 と入力します 7. [Configuration] リストから [Advanced] を選択します 8. [Protocol Profile (Client)] リストから TCP プロファイルの作成 の手順で作成したプロファイルの名前を選択します この例では ocs-edge-sip を選択します 9. [Resources] セクションの [Default Pool] リストから エッジ SIP プールの作成 の手順で作成したプールを選択します この例では ocs-edge-ssl を選択します 10. [Finished] ボタンをクリックします 29

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 冗長システムを使用している場合の BIG-IP 設定の同期 冗長化した BIG-IP 設定を使用している場合には 最後のステップとして ピア側の BIG-IP に設定を同期させる必要があります 設定を同期させるには 1. [Main] タブで [System] を展開します 2. [High Availability] をクリックします [Redundancy] 画面が開きます 3. [Menu] バーの [ConfigSync] をクリックします 4. [Self --> Peer] ボタンをクリックします 設定がピア側と同期されます 重要 また 冗長化した BIG-IP 設定 ( アクティブ - アクティブまたはアクティブ - スタンバイ ) を使用している場合には 最初の 2 つの手順 ( VLAN の作成 および セルフ IP の作成 ) を両方のデバイスで実行する必要があります それ以外の手順は 片側の BIG-IP のみ実行するだけで済みます 最初の 2 つの手順は BIG-IP 間で同期する項目に含まれていません 冗長設定においては 両方のデバイスに対して浮動セルフ IP アドレスを設定する必要もあります 浮動セルフ IP アドレスを作成するには セルフ IP の作成 (5 ページ ) の手順に従い さらに [Floating IP] ボックスのチェックをオンにします 冗長デバイスでは 基本のデバイスと同じ IP アドレスを使用して浮動セルフ IP アドレスを作成し [Floating IP] ボックスのチェックをオンにします F5 導入ガイド 30

付録 BIG-IP 設定のバックアップおよび復元 設定を開始する前には 現在の BIG-IP 設定を保存しておくことを推奨します BIG-IP 設定を保存する際 以下の重要データが収集され 1 つの UCS (User Configuration Set) ファイルに圧縮されます BIG-IP 設定ファイル BIG-IP ライセンスおよびパスワード SSL 証明書 SSH キー BIG-IP 設定の保存および復元 [Configuration Management] 画面では BIG-IP を設定するために編集可能なすべての設定ファイルの保存および復元ができます これらの設定ファイルは UCS(User Configuration Set) と呼ばれます [Configuration Management] 画面には 設定を保存するセクションと復元するセクションがあります これらのセクションのリストボックスには /usr/local/ucs ディレクトリ内のファイルのみが表示されます 別のディレクトリのファイルを保存または復元する場合は ボックスに絶対パスを入力する必要があります 設定ユーティリティを使用して BIG-IP LTM 設定を保存するには 1. ナビゲーションペインで [System Admin] をクリックします [User Administration] 画面が表示されます 2. [Configuration Management] タブをクリックします [Configuration Management] 画面が表示されます 3. [Save Current Configuration] セクションで 設定ファイルを保存するパスを入力するか リストボックスからパスを選択します パスを指定しない場合 ファイルは /usr/local/ucs に保存されます 拡張子がないファイルには BIG-IP により拡張子.ucs が付加されます この例では pre_ocs_backup.ucs と入力します 4. [Save] ボタンをクリックすると 設定ファイルが保存されます BIG-IP 設定を復元するには 1. ナビゲーションペインで [System Admin] をクリックします [User Administration] 画面が表示されます 2. [Configuration Management] タブをクリックします [Configuration Management] 画面が表示されます 3. [Restore a Configuration] セクションで 復元する設定ファイルをリストボックスから選択するか 設定ファイルの保存先のパスを入力します 31

Microsoft Office Communications Server 2007 と F5 BIG-IP LTM の導入 4. [Restore] ボタンをクリックします 復元状態を確認するには [View Log] ボタンをクリックします ログファイルの生成が開始されるまでしばらく待ってから [View Log] をクリックしてください このボタンを繰り返しクリックすると 復元が完了するまで 画面が最新のログファイル情報に更新されます F5 導入ガイド 32