Backup and Recovery for VMware Using EMC Data Domain Deduplication Storage

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EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリ ベスト プラクティスの計画 要約 VMware は 非常に大きなメリットを提供しますが その一方で ストレージやバックアップ リソースが余分に必要になり 管理負荷が増加するという欠点があります EMC Data Domain 重複除外ストレージは VMware データ バックアップにかかわる冗長データを削減し ディスク速度で稼働し 迅速な DR( 災害復旧 ) のためにコスト パフォーマンスの高いレプリケーションを提供することにより これらの課題を解決します このホワイトペーパーでは 使用するバックアップ ソフトウェアやスクリプトの区別なく Data Domain システムを使用して VMware のバックアップ リカバリ および DR 手法を構築する際のベストプラクティスについて説明します 2010 年 6 月

Copyright 2010 EMC Corporation 不許複製 EMC Corporation は この資料に記載される情報が 発行日時点で正確であるとみなしています この情報は予告なく変更されることがあります この資料に記載される情報は 現状有姿 の条件で提供されています EMC Corporation は この資料に記載される情報に関する どのような内容についても表明保証条項を設けず 特に 商品性や特定の目的に対する適応性に対する黙示の保証はいたしません この資料に記載される いかなる EMC ソフトウェアの使用 複製 頒布も 当該ソフトウェア ライセンスが必要です 最新の EMC 製品名については http://japan.emc.com/ 上の EMC Corporation Trademarks を参照してください 記載されている他のすべての商標は 各社の所有物です パーツ番号 h7300-j EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 2

目次 エグゼクティブ サマリー...4 概要...4 対象読者... 5 VMware Infrastructure 3...6 VMware インフラストラクチャのさまざまなバックアップ方法 : 成功のメトリクス...6 初めての場合...9 手法 1:VM ゲスト OS ファイルのバックアップ... 10 手法 2:ESX および VMDK のバックアップ... 11 手法 3:VCB(VMware Consolidated Backup) の使用... 12 手法 4:Data Domain システムによる統合バックアップ... 13 高度なベストプラクティス... 14 vsphere の VADP と市販バックアップ ソフトウェア...15 導入例...16 最後に...17 EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 3

エグゼクティブ サマリー VMware は 物理コンピューティング システムに複数の仮想マシンを作成する場合に使用される オープン システムの世界の主流ソフトウェアです 仮想システムを物理的制約から分離することで これらをより簡単に管理できるようになり 使用率が向上します また フロア面積も削減されます システムの統合によって強力なサーバ資産をより有効に活用でき グリーン化計画にも貢献できます しかし VMware サイトでは 管理や保護のために物理サイトよりも多くのストレージが必要になる場合もあります サーバをより簡単に追加できるようになると ストレージのフットプリントは増加する傾向にあります バックアップやリカバリ時にこの影響は顕著に現れます 例 : 類似する VM( 仮想マシン ) 環境が複数存在し さらに データ保護や DR 用にストレージ イメージの複数のバージョンが存在することを考慮すると クローン サーバの作成がより高コストであったときと比べて ストレージははるかに大容量になると考えられます VMware 環境をバックアップする場合 リストア時には VMDK( 仮想マシン ディスク ) のフル イメージだけでなく ゲスト OS への個別のリストア ファイルも必要になる場合があります VMDK とゲスト OS ファイルの両方をバックアップすることで 最大限の保護が提供されますが かなりのデータが重複することになります そのため テープ バックアップまたはプレーンディスク バックアップのターゲット ストレージでは テープの使用本数やディスクの使用容量が増加します そこで EMC Data Domain システムをVMware 環境のバックアップ ターゲットとして導入すると これらの類似したファイルが保存される前に高速で重複データが除外されるため オンサイトの保護およびDR( 災害復旧 ) サイトへのレプリケーションにおけるストレージ容量と帯域幅の要件を最小限にできます ほとんどのファイル システムのバックアップ データは Data Domainシステムで 10~30 分の 1 に削減でき VMDKを含むバックアップのデータ量は 通常 40~60 分の 1 になります アワードを受賞したData Domain 重複除外ストレージ システムのVMware 環境への導入の詳細については http://www.datadomain.com/solutions/vmware.html を参照してください Data Domain システムは バックアップやスナップショットのベストプラクティスをよく理解したうえで VMware 環境に導入することにより 整合性のあるイメージを容易に管理できます 保存されたイメージは いつでもローカルにリストアできます また リモートの DR サイトでは 最適化した重複除外レプリケーションを使用することができます このホワイトペーパーでは VMware のバックアップおよびレプリケーション管理のベストプラクティスについて説明します ここに掲載するベンダーの参考事例とスクリプト サンプルは 例として紹介したものであり EMC ではこれらの例に限定せず 保証もいたしません 概要 このホワイトペーパーは VI3(VMware Infrastructure 3) で VCB(VMware Consolidated Backup) を実行している VM( 仮想マシン ) のバックアップに EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用するための一般情報を提供します 主なトピックとして VI3 コンポーネントの概要 ディスク (VMDK) イメージ データおよびゲスト OS ファイルのさまざまなバックアップ手法と個別のリカバリ ( ローカルに または DR サイトでリモートから ) などを取り上げます 特に 特定のニーズに最も適したバックアップ アプローチの選定に重点を置きます さらに DR サイトへのオンラインのリストアおよびレプリケーションを支援する Data Domain システムの利用方法についても説明します EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 4

このホワイトペーパーでは 新しい vsphere 4.0 VADP(vStorage API for Data Protection) 環境で Data Domain 重複除外ストレージを使用する方法については詳しく取り上げません VI3 と異なり VADP は VCB に代わる製品として vsphere 4.0 に導入されました VADP は 使用するバックアップ アプリケーションによって プロキシ サーバを使用できる場合と使用できない場合があります ( 市販のバックアップ ソフトウェアにはプロキシ サーバを完全統合できるものもあります ) 表 1 では VADP と VCB の相違点を比較しています 1 表 1:VADPとVCBの比較 追加ダウンロードおよびインストール VADP なし バックアップ アプリケーションに完全統合 あり VCB VM イメージのフル バックアップ ([Source]>[VCB proxy] >[Target] の 2 ステップでコピー ) VM イメージの増分バックアップ ファイル レベルのバックアップ (Windows および Linux 対応 ) (Windows のみ ) VM イメージのフル リストア VM イメージの増分リストア ファイル レベルのリストア (VMware Converter 使用 ) ( リストア エージェント使用 ) ( リストア エージェント使用 ) VADP 対応の市販バックアップ ソフトウェアを使用している場合 Data Domain サーバがそのままバックアップ ターゲットになります Data Domain ストレージを別の環境で標準バックアップ ターゲットとして使用する場合のベストプラクティスについては www.datadomain.com/solutions を参照してください 注 :VI3 コンポーネントは本製品に統合されておらず バックアップを設定するために入念な計画と別個のプロキシ サーバが必要になることから ここでは VCB に関するベストプラクティスを中心に説明します 対象読者 このホワイトペーパーは バックアップ管理者 システム エンジニア および EMC パートナーを対象とし 各環境に最適な VMware バックアップ ソリューションの構築を支援することを目的としています ここでは Data Domain 重複除外ストレージを使用して VM およびゲスト OS ファイルのバックアップおよびリカバリを簡略化し コストを削減する方法を説明します 読者は 仮想化技術の基本を理解し バックアップおよびリカバリ ソフトウェアおよびコンセプトの使用経験があることを前提とします 1 VMwareストレージのブログ :http://blogs.vmware.com/storage/2010/02/introduction-to-vstorageapis-for-data-protection---vstorage-apis-for-data-protection-were-introduced-in-vsphere-40-tofacil.html EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 5

VMware Infrastructure 3 VMware コンポーネントの正しい導入方法 用語 使用方法については www.vmware.com を参照してください VI3(VMware Infrastructure 3) は 4 つのコンポーネントから成るバンドル製品です 4 つのコンポーネントとは VI Client(Virtual Infrastructure Client) ライセンス サーバ VC Server (VirtualCenter Management Server) および ESX サーバ コンソールです ESX ホストは ハイパーバイザのカーネル (vmkernel) を実装し VM を実行します このサービス コンソールは 実はそれ自体が VM で ESX ホスト マシン構成へのアクセス特権を付与されています 図 1 は 2 台の VM を構成した典型的な VI3 環境の例です 各 VM は 独自の VMDK を 1 つまたは複数実装しています VMDK のコレクションは VMFS ファイル システムと ESX サービス コンソール ( 管理特権を持つ VM) で管理されています VI3 には VCB(VMware Consolidated Backup) も統合されています VCB では 単独で ESX データにアクセスする専用の Windows プロキシ サーバを使用する ESX オフホスト バックアップの一元的アプローチを実施できます VCB を適切に導入した場合 VM および VMDK ファイルのバックアップの拡張性の点で多くのメリットがあります 図 1:2 台の VM を構成した典型的な VI3 環境 専用のバックアップ プロキシ サーバは 共有 VMDK ファイルとそのゲスト OS ファイル システムにアクセスできます このプロキシ システムを使用してバックアップ ソフトウェアが VMDK とゲスト OS ファイルのバックアップを取得できるため アプリケーション VM へのインパクトは少なく ESX サーバへのインパクトもそれほど大きくありません このシステムを使用するにはプロキシ サーバが必要です VMware インフラストラクチャのさまざまなバックアップ方法 : 成功のメトリクス VMware データをバックアップするには さまざまな方法があります 各サイトに合ったベストプラクティスを導入するためには 以下の特性を考慮してください 簡便性 スピード コスト および復元可能性のバランスがとれたソリューションを見つける必要があります EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 6

VMDK の復元性 : 一貫した VMDK コンポーネント全体をリストアできる方法を選択します VMDK は すべてのゲスト OS 設定を含む ポータブルな ベアメタル ストレージ ユニットであるため VM の状態をリストアするのに最も簡潔な復元可能ユニットと言えます 一般に 比較的大量のデータとして表示されることから 定期的なバックアップ作成をおっくうがる管理者もいます それに対し VMDK は Data Domain システムに保存したときに重複除外により大幅にデータ量が削減されるため 頻繁なバックアップを実施可能です ゲスト OS ファイルの復元性 :Gartner によると リカバリの約 80% はファイル リカバリです VMware の役割がラボ機能からサーバおよびデスクトップのアクティビティ全般のサポートに移行すると 特定のゲスト OS の単一ファイルのリストアが中心になります アプローチに応じて 従来のバックアップ ソフトウェアのカタログまたはインデックスを使用するか 一般的な NAS ファイル システムのスナップショット作成でするように 一般的なネームスペースでファイルを検出するブラウジング手段を使用して リストア対象のファイルの検出をサポートできます アプリケーション VM へのバックアップのインパクト : ごく小規模の環境を除き バックアップが実稼働 VM に与えるインパクトは最小限に抑えることが重要です ほとんどのバックアップ ソフトウェアでは サーバへのインパクトをシステム リソースの使用量を 5% 未満に抑えようとします 一方 単一の ESX ホストに 10 台の VM が構成され これらを同じ手法で同時にバックアップする場合 物理ホストのかなりの割合のリソースを消費することが考えられます アプリケーション VM を実行する ESX サーバへのバックアップのインパクト :ESX ホスト サーバが低速になると 特定の VM のゲスト OS が原因でない場合でも アプリケーションの速度は低下します 一般的なバックアップのベストプラクティスとしては アプリケーションのエコシステムに支障をきたさないようにします バックアップ パフォーマンス : バックアップ ウィンドウは 物理システムの世界でも仮想化の世界でも同じように重要です バックアップは速ければ速いほど良いのです バックアップの拡張性 : 選択したバックアップ手法が VM や ESX サーバを追加したときのニーズに対応できることを確認する必要があります VMware のバックアップにはさまざまな手法があるため 最適な手法の選定が難しく感じられることがあります バックアップの実行には 次のようなアプローチがあります VM 内 VM を実行している ESX サーバ内 VI3 VMware Consolidated Backup プロキシを使用している別の ESX サーバから ( 共有ストレージ ファブリックを使用するか 対象の ESX サーバで Ethernet 経由で仮想 LUN を使用 ) 基盤となる SAN または NAS ストアで直接 ファイルのコピーやスナップショットのスクリプトを実行市販バックアップ ソフトウェアを使用 多くの選択肢がありますが 表 2 にまとめたように ほとんどの環境では適切な手法は数種類しかありません 以下の手法については制約があり ベストプラクティスとみなされないことから ここでは説明しません バックエンドのデータ ストアのみをバックアップまたはレプリケートする : ほとんどの VMware 環境は 適切にプロビジョニングされたブロック ストレージ ( 多くは SAN 上にある ) にバックアップされます バックアップおよびリストア可能なのは そのストレージのブロック ボリュームのみです この方法では バックアップを実行する前に すべての必要手順を実施して整合するイメージのスナップショットを作成しなければならず ミスや失敗が起こりやすいため ベストプラクティスとは言えません 最も EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 7

良いのは ESX ゲスト OS および VCB またはそのいずれかの論理イメージ内にバックアップを作成する方法です クライアント ベースの重複除外機能付きバックアップ ソフトウェアを VM ESX または VCB 内で使用する :VMware の要点は 多くのワークロードをサーバが最適に処理できるようにすることです バックアップのために負荷が増加したのでは 逆効果です さらに これらの専用アプリケーションでは通常 データセンターのすべてのバックアップ ニーズに対応できないため バックアップの管理負荷が余分に発生し メリットが打ち消されてしまいます VMware に対応した標準的なバックアップ ソフトウェアを使用してストレージや DR 用に重複除外を適切に実行したほうが 最適なバックアップやリストアをより効率的に実施できます 表 2: バックアップの選択肢 VMDK のリカバリ ゲスト OS ファイルのリカバリファイル リカバリ方法 VM とサービス コンソールの両方にバックアップ クライアント ( サービス コンソールのバックアップ ) VCB:VMDK およびゲスト OS ファイル プロキシから Data Domain システムへ VMDK をコピー / スナップショット作成 (VM 内の場合 ) 市販バックアップ ソフトウェアのカタログ 市販バックアップ ソフトウェアのカタログ ネームベースのブラウジング アプリケーション VM へのインパクト : 高 低 低 アプリケーション VM を実行している ESX サー 高 中 低 バへのインパクト バックアップ パフォーマンス 低速 中速 高速 拡張性プロキシを使用し小規模の環境のみプロキシを使用して拡張対応て拡張対応 ゲスト OS のサポート どの OS にも対応 Windows のみ どの OS にも対応 いくつかのバックアップ ソフトウェア パッケージは VMware 環境での最適な使用方法に関する追加情報を提供しています この情報は随時変更される可能性がありますが フォローアップとして下記の最新文書が掲載されています 2 VMware: VI3 以前のインフラストラクチャの情報については ホワイトペーパー Using VMware ESX Server System and VMware Virtual Infrastructure for Backup, Restoration, and Disaster Recovery (www.vmware.com/pdf/esx_backup_wp.pdf ) を参照してください VI3 インフラストラクチャについては 情報ガイド VMware Consolidated Backup: Improvements in Version 3.5 (www.vmware.com/files/pdf/vcb_35_new.pdf ) を参照してください VMware Virtual Machine Backup Guide ( http://www.vmware.com/pdf/vsphere4/r40/vsp_vcb_15_u1_admin_guide.pdf ) を参照してください 2 これらの文書は 読者に便宜を図るために掲載したものであり 情報の質と正確性について EMC は一切保証いたしません EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 8

企業規模のバックアップ ソフトウェアのプロバイダの例 : EMC NetWorker については http://japan.emc.com/collateral/software/data-sheet/h2257- networker-ds.pdf に掲載されているデータシートを参照してください EMC Avamar については ホワイトペーパー Optimizing Backup and Recovery for VMware Infrastructure with EMC Avamar (http://info.emc.com/mk/get/ama00007001_land_std ) を参照してください Symantec NetBackup については ホワイトペーパー Veritas NetBackup 6.5 for VMware 3.x Best Practices (http://eval.symantec.com/mktginfo/enterprise/white_papers/entwhitepaper_veritas_netbackup_6.5_vmware_nov2007.pdf ) を参照してください IBM Tivoli Storage Manager のベストプラクティスについては http://www.ibm.com/developerworks/wikis/display/tivolistoragemanager/best+practices を参照してください Using IBM Tivoli Storage Manager V5.4 and V5.5 for backup and restore operations on the VMware service console ( http://www.ibm.com/developerworks/wikis/display/tivolistoragemanager/using+ibm+tivoli+stor age+manager+v5.4+and+v5.5+for+backup+and+restore+operations+on+the+vmware+service+c onsole ) を参照してください CommVault Galaxy については www.commvault.com/pdf/cv_solutionbrief_vmware.pdf に掲載されている Partner Solution Brief を参照してください VMware 専用バックアップ製品プロバイダ : Vizioncore vranger Proについては http://vizioncore.com/products/vrangerpro/documents/vrangerprodatasheet.pdf に掲載されているテクニカル データシートを参照してください Veeam については http://www.veeam.com/tips_to_a_successful_veeam_backup_and_vcb_integration_rev2_wpp.pdf を参照してください 初めての場合 VCB を使用せずに標準的なバックアップ クライアントを使用して VM ゲスト OS ファイルおよび VMDK をバックアップするこの手法では バックアップ オペレータが直感的に操作でき 小規模環境であれば十分に対応できます 手順は非常にわかりやすく データセンターの他のシステムと同じバックアップ ソフトウェアを使用します ただし 拡張性はあまりありません この手法は 2 つの部分に分かれています 各部ともに明快で それぞれ異なるリカバリ パスに適しています まず 各 VM を物理マシンとみなして 一般的なバックアップ クライアントを各 VM 内で使用し ゲスト OS ファイルをバックアップします これにより ファイル リカバリを容易にします 次に サービス コンソールを実行している専用の Linux VM で標準のバックアップ クライアントを使用し ESX 構成データおよび VMDK をシステムの完全リカバリ ポイントとしてバックアップします 図 2 は 市販のバックアップ エージェントを使用して VM と ESX サーバの両方をバックアップするケースを図示したものです EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 9

図 2: 市販エージェントを使用した VM と ESX のバックアップ 手法 1:VM ゲスト OS ファイルのバックアップ この技法は最もよく知られており おそらくは VMware 内で実行されるオペレーティングシステムをバックアップする最も直接的な方法と言ってよいでしょう 標準のバックアップ クライアントを VM にインストールします 次に VM 上のゲスト OS のバックアップ スケジュールを設定し 物理マシンで行うのと同じ要領でファイル レベルのバックアップを実行します どの標準クライアントでも ファイルのリストア手順は同じです このバックアップ インフラストラクチャは 標準的なバックアップ導入環境のもう一つの要素としてのみ共有できます 追加ハードウェアは必要ありません このゲスト VM によるアプローチは アプリケーション (SQL Server Oracle など ) を実行している VM にも適用できるシンプルなソリューションです 使用するバックアップ アプリケーションには これらの状況に対応した専用エージェントが付属していることがよくあります このエージェントを使用すると 確実に整合性のとれたポイントインタイムのアプリケーションバックアップを作成することができます メリットファイル レベルのバックアップは 通常 環境内の他のバックアップ クライアントと同じ方法で実行します バックアップとリストアは ゲスト OS が仮想マシンではなく物理マシンでホストされているかのように実行されます ゲスト OS がバックアップ ソフトウェアと VMware でサポートされている限り ゲスト OS を安全にバックアップできます ファイル レベルのリストアはサポートされています Data Domain システムは この手法にうまく適合して 高いデータ削減率を実現し DR( 災害復旧 ) を目的として WAN 用に最適化したレプリケーションを提供します この技法の導入は簡単です また VM のバックアップだけでなく 別の非 VM 制御のストレージ パーティション ( raw ディスク や NAS など ) に常駐するアプリケーション データのバックアップも可能です EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 10

検討事項第一に この手法では あっという間に増える可能性のある VM 総数を管理するのが困難な場合があります 第二に 多数のクライアントを同時にバックアップする場合 ESX ホストの CPU メモリ その他のリソースがオーバーランする可能性があります 潜在的なリソースの過負荷を避けるためには この手法を使ってファイル レベルでどれだけの仮想システムをバックアップするか また具体的にどの仮想システムをバックアップするかを IT 管理者が慎重に選択する必要があります ゲスト OS 技法は 拡張性がなく 中規模から大規模の VMware 導入環境に適した管理ソリューションを持ちません 上記のステップだけでは ESX サービス コンソールまたは VMDK イメージを含む ESX ホストをバックアップすることはできません その場合は 手法 2 を実施する必要があります 手法 2:ESXおよびVMDKのバックアップ各 VMware のゲスト OS には 少なくとも 1 つのディスク ファイルとその他の関連する構成ファイルがあり ESX ホストの /vmfs/volumes の下位ディレクトリ [DataStoreName]/VMname 内に保存されています VMware は VMFS の上位にファイルを配置し 各ファイルに拡張子 vmdk を追加します これらのファイルは 標準ファイルとしてバックアップおよびリストアできます これを DR( ベアメタル リストア ) に使用できる VM 全体のイメージ バックアップとみなします この構成の場合 VMware サービス コンソールに Linux バックアップ エージェントをインストールします 仮想マシンをリストアするには VMDK ディスク ファイルを含む個別の VM フォルダをリストアする必要があります つまり シャットダウンされた時点の VM のイメージをリストアします Data Domain システムは この手法を使用して ローカル ストレージで高いデータ削減効果を発揮し DR を目的とする WAN 経由のレプリケーションを実行できます サービス コンソールからバックアップする場合 VM と同じストレージ エリア ( たとえば ディスク ) 上にあるデータのみバックアップおよびリストアできます アプリケーション データは 別個のファイル システム上にある場合もあります メリットこの手法は Linux ベースの (ESX) クライアントをサポートする すべての市販バックアップ ソフトウェアで実行できます 各 ESX ホストに Linux クライアントが 1 つしか存在しないので 前の手法 1 よりも管理しやすくなります 必要であれば ESX ホスト全体をバックアップすることも簡単にできます ESX サーバにはある程度の負荷がかかりますが 小さなファイルよりも大きなファイルのほうがはるかに高速にストリーミングできることから ゲスト OS ファイルのバックアップよりもインパクトが抑えられます 通常の環境では VDMK ファイルが並列にではなく順次バックアップされるため 任意の ESX サーバで負荷を抑制するのにも役立ちます 検討事項この手法は 事実上のディスク イメージ バックアップであるため これと同様にリカバリの細分性が制限されます バックアップ ソフトウェアのカタログを使用して ゲスト OS ファイル レベルのリストアを実行することはできません もう一つ重要な点は VMDK ファイルおよびフォルダがバックアップされる VM システムのスナップショットを作成する必要があることです これを行うには 適切なコマンドまたはスクリプトを実行して イメージの整合性を維持する必要があります また 一部のバックアップ アプリケーションでは Linux がサポートされません 最後に VM の台数が増加すると VM のシャットダウンのスケジュール VM のシャットダウン バックアップのスケジュールというプロセスを管理するのが難しくなります ただし スクリプトを作成するか ESX サーバ上のすべての VM を同時にシャットダウンできるようにすることで 負荷を軽減できます VMotion を構成に追加した場合 ゲスト OS のロケーションはシステム内で固定されないため 管理負荷がさらに増えます 特に 選択した VM のみバックアップする場合などの管理は難しくなります EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 11

手法 3:VCB(VMware Consolidated Backup) の使用 VADP をサポートしない市販バックアップ ソフトウェアで VCB を使用する vstorage API をサポートする市販バックアップ ソフトウェアがない場合 代わりにバックアップ ソースである Windows 2003 以上のホストをバックアップ プロキシとして使用する方法があります バックアップされるストレージは バックアップ プロキシ ホストと共有されます プロキシ ホストは ESX サーバとプロキシによって共有されるストレージ アレイを使用するか ESX 3.5 の仮想 LUN 構成の一部として別の ESX サーバに LAN 接続し ストレージにアクセスできます Windows システムでは 必要な場合 ファイル システム レベルのバックアップ アクセスを可能にするために VCB プロキシ サーバに共有ストレージをマウントすることもできます ただし サポートされるのは Windows ゲスト OS のみです 図 3 は VMware VCB 構成を示しています 図 3:VCB(VMware Consolidated Backup) と Data Domain システム 統合バックアップ エージェントは Windows 2003 プロキシ ホスト上に別個のパッケージとしてインストールされ 単独の VMware 仮想マシン ( スクリプトを使用する場合は複数の VM) のスナップショットを作成し そのデータを一時フォルダにコピーします このデータは バックアップ ソースとして使用されます スナップショットを作成する直前に /usr/sbin/pre-freeze-script または C:\Windows\pre-freezescript.bat を実行します バックアップが完了した後 /usr/ sbin/post-thaw-script または C:\Windows\post-thaw-script.bat を実行します スナップショットの作成に要する時間はわずか数分なので たとえば データベースを静止または停止させるためにこのスクリプトを使うこともできます プロセスを自動化するには スナップショットおよびコピーの全プロセスについて理解しておく必要があります 変動要素には ディスク ファイルのサイズ ESX サーバ リソースの使用量などがあります VMDK の スナップショット作成 には.redo という拡張子を持つ特殊な VMDK ファイルの作成が含まれます このファイルは 書き込み可能なディスク ファイルとなります 一方 メインの.vmdk ファイルは書き込みのために閉じられる ( さらに VMFS によってロックされる ) ため サービス コンソールからバックアップを実行することができます 図には EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 12

示されていませんが Data Domain システムを仮想テープ ライブラリとして使用することも可能です メリット VCB を使用する場合の最も重要なメリットは システムが静止し VM のスナップショットが作成されると バックアップの実行中でもすぐに VM を動作させることができる点と バックアップ処理が VM のパフォーマンスに与えるインパクトが最小限で済む点です また スクリプトまたはバックアップ ソフトウェアを使用して VMDK イメージとゲスト OS ファイル イメージの両方を安全な場所にコピーできます さらに 複数の仮想マシンを一度にバックアップでき VM または ESX ホストへの負荷は限定的です この手法は他の手法に比べてはるかに簡単で拡張性があるため VI3 を実行している大規模な VMware 環境の多くがこの手法を選択しています Data Domain システムは この手法を使用して ローカル ストレージで高精度の重複除外を実行し DR を目的として WAN 用に最適化したレプリケーションを実行できます 検討事項 VCB(VMware Consolidated Backup) を使用する場合 次のようなデメリットがあります 統合バックアップでは 手作業でコマンドラインを作成して実行する必要があります このプロセスは VMware の提供スクリプトを使用して自動化することができます 注 : 新しい vstorage API(VADP) では 手作業のスクリプト作成は不要になりました 共有 SAN 接続ストレージを使用する場合 LUN にプロキシや ESX ホストと同じ LUN 番号を割り当てる必要があります また プロキシと ESX ホストは どちらも同じ SAN 上に配置します VMware VI3 Consolidated Backup フレームワークでは Windows 2003 ホストをプロキシとして使用する必要があります その他の OS はサポートされません 手法 4:Data Domainシステムによる統合バックアップこれは 統合バックアップ プロキシをセットアップし Data Domainシステムに統合する方法の例です この例では バックアップ ソフトウェアが ファイル システムのバックアップ用に構成された別個のホストにインストールされていること および Data Domain システムが正しくインストールされていることが前提となります 使用する接続は 図 3のレイアウトのとおりです プロキシのインストールシステム要件は Windows 2003 サーバが VCB(VMware Consolidated Backup) フレームワークとともにインストールされ このサーバと 1 台または複数の ESX サーバが SAN に直接接続していることです どちらのサーバからも VMFS LUN に配置されたすべての VM イメージを直接表示できる必要があります この Windows ホストを バックアップ プロキシ または端的に プロキシ と呼びます プロキシ ホストを使用して初めて統合バックアップを実行する際は VM の電源を必ずオンにしておきます システムの構成後 プロキシは ESX サーバ (1 台または複数 ) と通信し スナップショットを作成して ローカルに接続されたディスクにコピーします このプロセスは手作業ですが スクリプト化するのに向いています VMware は EMC NetWorker や Symantec NetBackup といった一部の市販バックアップ製品と連携可能なスクリプトを提供しています EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 13

高度なベストプラクティス ESX または VCB から Data Domain システムへ VMDK イメージのスナップショットを作成するかコピーし ゲスト OS ファイル コピーをブラウジング機能を使用してリストアする前出の手法では 市販のバックアップ ソフトウェアを使用してゲスト OS ファイル VMDK さらには ESX システムそのものを特定 移動 カタログ化 およびリストアしました これらの手法でデータが完全に保護されますが 拡張性の度合いはそれぞれ異なります これらの他に 通常スクリプトと組み合わせてのみ使用される重要な手法がもう一つあります 一部のバックアップ ソフトウェア プロバイダは ローカル リストアとリモート リストアや DR リストアに対応するために VMware Infrastructure および Data Domain システムとスムーズに連携するソフトウェア パッケージの形でバックアップ ソフトウェアを提供し始めています この手法でデータ保護のために Data Domain システムに実際にコピーされるのは VMDK のみです このプロセスは サービス コンソールから または VCB プロキシから実行できます コピーされた VMDK ファイルは 容易に見つけやすい簡潔な特徴を示す名前 (VM の名前 ESX サーバ名 時刻と日付の組み合わせなど ) が付けられている場合 Data Domain システム上で ( たとえば NFS などを使用して ) ネットワーク共有に保存することができます こうすれば ローカルでもリモートからでも簡単に VMDK をリカバリできます ネットワーク共有にコピー後 そのデータは完全に保護されます 特定の VMDK を ESX ストレージにリカバリして戻すには ファイル コピーを実行するだけです この手法では ゲスト OS ファイルをバックアップせずにファイルをリカバリできます Data Domain システムのランダム アクセスのプロパティを使用すると Data Domain システム上に保存された VMDK から新しい VM を起動できます VM の起動後 ユーザーはゲスト OS ファイル システムをブラウズし 目的のファイルを見つけ そのファイルを実稼働 VM のゲスト OS にコピーして戻すことができます 高速の対話操作 (IOPS) が必要な場合は Storage VMotion を使用して VM のデータ イメージ全体をプライマリ ストアに移行することができます 図 4 は この構成を表しています メリットこの手法は VM および ESX インフラストラクチャの実行に与えるインパクトが最小限で済みます 個別ファイルをリストアするためにゲスト OS ファイル システムをバックアップする必要がないため すべての手法の中で最も短時間にバックアップができます また 管理対象のファイル数が減ることで 長期的な管理負荷が軽減されます ヘルプデスクの観点からは 比較的大きな VMDK のみを重要ファイルとして追跡すればよいことになります VCB を使用する手法と異なり この手法は Linux Solaris NetWare など あらゆるゲスト OS をサポートします 検討事項市販バックアップ ソフトウェアでは バックアップ イメージがそれぞれの形式 (.tar など ) でディスクに保存されます 一部の形式についてはよく理解されていますが リストアの際にカタログまたはバックアップ アプリケーションを使用しないと ファイル内のデータがはっきりとわからない場合があります 結果として ほとんどのバックアップ パッケージは手法 3 のバックアップには向きません ( これらのパッケージでは VCB のスクリプト実行の要件が十分に簡略化されていないため ) バックアップの整合性を維持するために VMware が推奨する規則に従ってスナップショット作成と VM 再起動のスクリプトを作成する必要があります VMware の立場からこの点を説明したドキュメントへのリンクが 8 ページに掲載されています EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 14

図 4:ESX または VCB から Data Domain 重複除外ストレージに VMDK イメージをコピー / スナップショット作成し ブラウジング機能を使用してゲスト OS ファイル コピーをリストアする 図 4 の 6 つのステップを以下に説明します 1. VMDK イメージのスナップショットを作成する 2. VMDK を Data Domain システムにコピーする 3. 保存 / レプリケートする ローカルで または DR サイトで以下の手順が発生します 4. Data Domain システムから VMDK をリストアする 5. DR サイトでファイルをゲスト OS にリストアする 6. VMotion を使用してプライマリ ストアに移動する vsphere の VADP と市販バックアップ ソフトウェア 冒頭の概要セクションで述べたように 最も簡単な仮想環境のバックアップおよびリストア方法の 1 つは vsphere の vstorage API をサポートするバックアップ ソフトウェアを使用することです vstorage API をサポートするソフトウェア パッケージでは VM のフル 差分 および増分バックアップおよびリストアの一元管理機能が提供されるため 各 VM または ESX サーバ内からタスクを管理する必要がありません メリット vstorage API をサポートするバックアップ ソフトウェアを使用する重要なメリットは ユーザーが各 VM で個別のプロセスやソフトウェア エージェントを実行する必要がないことです ユーザーは バックアップ ソフトウェアがインストールされた単一の VM システムまたは物理システムを使用して 特定の ESX サーバで検出されたすべての VM をバックアップおよびリストアできます バックアップのプロセスが簡素化されるのに加え EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 15

標準のバックアップ ソフトウェアを使用してプロセスを管理することにより ESX サーバに VM バックアップの管理タスクの負荷をかけずに済み バックアップ ウィンドウを短縮できます 検討事項 vstorage API は すべてのバックアップ ソフトウェア パッケージでサポートされているわけではありません vstorage API のサポートは次第に増加しつつありますが 現時点では すべてのユーザーが使用できる方法ではありません ユーザーは バックアップ タスクが簡素化されることにバックアップ ソフトウェア アプリケーションを乗り換えるだけの価値があるかどうかや 別の VM バックアップ手法を選択したほうがよいかどうかを判断する必要があります 導入例 2009 年に 55 億ドル ( 約 4,800 億円 ) 以上の収入を計上したある金融サービス業の Fortune 500 企業が VMware および EMC ストレージ環境に Data Domain を導入しました このプロジェクトは 1,000 人を超える社員が働く 同社最大規模のグローバル オフィスのビジネス継続性プランを完全に刷新するものでした それまでのバックアップおよびリカバリ アプローチは分断されていましたが 今では 仮想インフラストラクチャと物理インフラストラクチャの両方の資産が 統合された一貫性のある方法で保護されるようになりました 現在は 60 TB 以上のデータをバックアップし 災害復旧サイトにレプリケートしています 3 か所のテープ サイロがなくなり 現在は 新しいソリューションの下でバックアップが安定運用され オペレーションはスムーズに実行されています 図 5 は Data Domain ソリューションの導入図です 図 5: 金融サービス企業における導入例 VMDK ファイルは ネイティブ形式で移動されます ( テンプレート アーカイブ マウント ブート ) VMDK ファイルのライブ移行には VMware Storage VMotion を使用します 新しい環境では DR( 災害復旧 ) テストが簡単になりました EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 16

最後に このホワイトペーパーでは バックアップ保存 リカバリ およびレプリケーションの簡便性 スピード 安全性を考慮して Data Domain 重複除外ストレージ システムを VMware 環境にリンクさせる主なアプローチを紹介しました VMware のメリットを享受するために ストレージ ( 特にバックアップ ストレージ ) の拡張をせまられることが少なくありません Data Domain 重複除外ストレージを効率よく使用することにより バックアップ時間をうまく管理し DR のために使用するバックアップ ストレージとレプリケーション帯域幅の制御を取り戻すことができます 通常のファイル システムのバックアップと保存期間の場合 Data Domain でデータ量を 10~30 分の 1 に削減できます また VMware 環境では 40~60 分の 1 のデータ削減を達成できるケースがよくあります それぞれのゴールを明確にし 以下の選択肢の中から最適な方法を選定してください 初めての場合は 従来のバックアップ クライアントを各ゲスト OS で使用することを検討します ただし この方法には拡張性があまりありません プロフェッショナルな IT 環境の場合 ほとんどのバックアップ ソフトウェアで長期的にサポートされますが Windows 仮想化技術を利用し VI3 VCB の導入を検討します 拡張性と効率性を最大限に高めるには ほとんどのケースでスクリプト作成が必要ですが 整合性のある VMDK を Data Domain システムにコピーする方法があります VM リストアの際は VMDK を直接コピーするか Storage VMotion を使用してコピーします ファイル リストアの際は Data Domain システム上で VMDK から VM をブートし VM の実行中にファイルをプライマリ ストレージにコピーするか Storage VMotion を使用します スクリプト作成の手間をかけず 拡張性を最大化するには vstorage API をサポートするバックアップ ソフトウェアを使用する方法があります また vstorage API を使用する場合 すべての既存の VM にバックアップ エージェントをインストールする必要がなくなります バックアップ エージェントをインストールした単一の VM または物理サーバさえあれば VM 環境全体のすべてのバックアップおよびリストアを管理できます このように多数の選択肢がありますが 実際にベストプラクティスと呼べるものは数通りしかありません さらに詳しい説明については http://www.datadomain.com/solutions/vmware.html を参照してください EMC Data Domain 重複除外ストレージを使用する VMware のバックアップおよびリカバリベスト プラクティスの計画 17