資料 5-6 通信プラットフォーム研究会第 5 回資料 2008 年 7 月 3 日 社団法人日本インターネットプロバイダー協会 (JAIPA: Japan Internet Provider Association) 1
目次 1. ISP の考えるプラットフォーム機能 2.ISP とキャリアの通信プラットフォームの連携 3.ISP と NGN との連携による新たなサービス 2
1.ISP の考えるプラットフォーム機能 3
プラットフォーム機能とはネットワーク上で多様なサービスを提供するための共通基盤であり ISPは自ら有するプラットフォーム機能 ( サービスプラットッフォーム ) を活用して インターネット接続からコンテンツ アプリケーション提供まで 幅広くインターネット利用環境を提供している ISP が一貫して提供ISP とプラットフォーム機能 インターネットは国民生活に欠かせない重要インフラ 1. インターネットの必須機能の提供 1 利用者 サーバーへの IPv4,v6 アドレスの付与管理 2 インターネット経路制御 運用管理 ( 自律 分散 協調 ) 3ISP 相互接続 海外接続によりインターネットを構築 4 インターネットに必須な DNS サーバー等を運営 2. 接続機能提供 1 利用者へのインターネットへの接続提供 2 企業やコンテンツ事業者への接続提供 3. ユーザサポート 接続管理 1 利用者の登録 管理 2 認証 課金 決済 3 利用に関するサポート提供 ( コールセンターを通じ PC OS サービス利用などあらゆる問い合わせに対応 ) 4. 安心 安全 セキュリティ提供 1 迷惑メール 違法有害情報対策 2 ボットネット DDoS 対策など 5. コンテンツ提供者への決済機能提供 6. 利用者に対する多様なコンテンツ アプリケーションの提供 1 メール ホームページ ブログ IP 電話 2 各種コンテンツ 2007 年 1 月 24 日ネットワークの中立性に関する懇談会第 3 回 JAIPA 提出資料から 4
インターネットを支える ISP の役割 ISP は多岐に渡る役割を担う コンテンツ アプリケーションレイヤー ワンストップで提供されると便利 プラットフォームレイヤー 一体として提供するのが ISP の基本的提供形態 通信サービスレイヤー 利用者に対する多様なコンテンツ アプリケーションの提供メール ホームページ ブログ IP 電話 各種コンテンツ提供 ユーザサポート 接続管理 1 利用者の登録 管理 2 認証 課金 決済 3 サポート提供 ( 電話 メール オンサイト ) 安心 安全 セキュリティ提供 1 迷惑メール 違法有害情報対策 2 ボットネット DDoS 対策など コンテンツ提供者への決済機能提供 インターネットの必須機能の提供 1 利用者 サーバーへの IPv4,v6 アドレスの付与管理 2 インターネット経路制御 運用管理 ( 自律 分散 協調 ) 3ISP 相互接続 海外接続によりインターネットを構築 4 インターネットに必須な DNS サーバー等を運営接続機能提供 1 利用者へのインターネットへの接続提供 2 企業やコンテンツ事業者への接続提供 セキュリティや消費者保護の観点から今後ますます重要な機能 物理網レイヤー アクセス網 ネットワーク提供における基本機能 5
インターネットにおけるプラットフォームの現状 エンドユーザ コンテンツプロバイダ サービスプロバイダ ホスティング /ASP 事業者のプラットフォーム ISP のプラットフォーム キャリアの通信プラットフォーム (NGN や携帯 ) 上位のサービス事業者のプラットフォーム (Yahoo! など ) サーバ提供 ドメイン提供 ASP 提供 ( メール Web ショッピング機能) ユーザ認証 ( 接続契約者 ) 課金 IPレイヤーのネットワークセキュリティ Abuse 対応 P2P( 事業者のある ないプラットフォーム ) 検索 ユーザ認証 DRM 課金 コンテンツ配信 コンテンツフィルタリング コンテンツ配信 アプリケーションレイヤーのセキュリティ 回線認証 ( 端末認証 ) 課金 QoS 制御 プレゼンス管理 セッション管理 winny,bittorrent DRM:Digital Rights Management: 著作権管理 Abuse 対応とは ISP 契約者による迷惑メール送信や著作権侵害 爆破予告 自殺予告 有害情報の掲載など利用者の様々な違法や約款違反行為への対応 6
ISP が提供するインターネットのプラットフォーム コンテンツ /ASP 事業者 コンテンツ / サービス提供 コンテンツ /ASP 事業者はネットワーク構築について気にすることなく 調達さえすれば事業を構築できる これを提供するのが ISP のプラットフォーム コンテンツ提供プラットフォーム ホスティング事業者 ISP ISP のネットワークプラットフォームは基本的にすべての上位事業者に対してオープン 課金プラットフォーム ネットワーク制御 DNS 海外との接続の提供 海外 ISP メール等の基本機能の提供 セキュリティ提供迷惑メールフィルタリング提供違法有害コンテンツフィルタリング提供 IPv4/v6アドレスの付与によるインターネットへの接続の提供 個人ユーザ ユーザ認証 課金 利用者管理サポート違法な利用への対応 7
2.ISP とキャリアの通信プラットフォームの連携 8
NGN を含めた今後のネットワーク NGN とインターネットは それぞれがもつ 利便性 有用性 機能的特長 を相互に生かし合い 利用者はネットワーク上のあらゆるプラットフォームやコンテンツ アプリケーションサービスの選択ができ 多様なユーザニーズを満たすソリューションが実現されていく 2007 年 1 月 24 日ネットワークの中立性に関する懇談会第 3 回 JAIPA 提出資料から 9
NGN 以前の経験 i モード通信網の開放 (2002 年 ) 携帯電話会社が ISP に対して i モードのパケット通信網への接続インタフェースを提供し ISP が携帯電話インターネット接続サービスに独自のポータルサイトを提供するなど i モードと同等のサービスをユーザーに提供できる仕組みが実現 しかし結果的に参入したのは 1 社のみ 理由は ユーザにとって設定変更が面倒 ユーザがこれを選択すると i モードが使えなくなる また ユーザにとって特に i モード以外のポータルへ変えるインセンティブがない ISP にとっても独自インターフェースの携帯電話会社との接続は大変 通信プラットフォーム開放の課題 独自規格ではない標準的なインターフェース ユーザにとっての操作性 ユーザ及び提供者双方にとってのインセンティブ メリット NGN で解消? 10
NGN への要望 NGNはサービス認可の範囲のみならず NGNの本来的な利活用を睨み 国際的な標準化動向を踏まえた取組が必要 JAIPAとしても テレコムサービス協会提案と同様 NGNの サービス制御機能 (NGNのプラットフォーム機能) のオープン化を要望 NGNから提供される網機能 網情報をISPのプラットフォームと連携させることにより 新たなサービスの開発 提供が可能になり ビジネスの拡大が期待できるものと考える ISP は IPv4 のマイグレーションを考慮しながら NGN 上で IPv6 サービスを提供できるよう関係事業者と共に取り組んでいく NGN のプラットフォーム機能のオープン化においては 1)NGN 事業者との接続における同等性の確保 2)NGN 事業者間共通のインタフェース条件 3) 適正な利用料金 費用負担で ISP に提供していただきたい 現在 ISP に提供されている接続 I だけでなく QoS や認証など NGN が持つ特有の機能を利用した NNI 接続を提供いただきたい ( ネットワークの中立性に関する懇談会 報告書から引用 ) 11
3.ISP と NGN との連携による新たなサービス 12
アクセス機能を提供する NGN と ISP の連携により実現する新機能 より安全安心なインターネット社会の実現 NGN の回線情報による認証を利用した利用者の特定例 : 迷惑メールを送信端末の所在の特定悪質な 渡り を行なう利用者のブラックリスト化 ISP による帯域保証サービスの提供 ( これにあたっては ISP と NGN 提供事業者との提供条件の同等性が必要 ) ISP による IPv6 インターネット接続の実現 ( 次頁 ) 13
海外事業者のNGN ISP による IPv6 インターネット接続の実現 4 月 1 日にJAIPAが提唱し 現在 NTT 東西と協議中のNGN 上でのIPv6インターネット接続提供のための提案 ( 一部 ) NGN の世界 別の NGN 別の NGN NNI GW NNI NNI SBC: Session Boarder Controller NNI: Network Network Interface UNI: User Network Interface NAT: Network Address Translation STB: Set Top Box HGW: Home Gateway SBC SBC SBC キャリアの NGN NGN の IPv6 アドレス ( ネイティブ ) NGN 側へは NAT STB サーヒ ス v6 HGW LAN 情報家電 実現イメージ 新設する IPv6 インターネット接続 ISP の IPv6 アドレス トンネル終端 UNI PC v4 トンネル終端 デフォルトルートは Internet 側 ベストエフォートの世界 ISP 現行の IPv4 インターネット接続 サーヒ ス ユーザ側 the internet ユーザ内ネットワークを NGN とインターネットで分けないことで ユーザは NGN 上のサービスもインターネット上のサービスも切り替えなどを意識せず利用可能になる 14
結論 リアル社会のビジネスをインターネット上で実現しようとすると 色々なサービス事業者との連携が必要 ( カード決済ビジネスの事業者など ) 端末認証 回線認証 位置情報 本人認証の連携 ( ただし個人情報保護などが課題 ) レイヤー間のオープン化が必要 標準化の推進が必要 標準化する部分と自由競争に任せる部分の切り分けが重要 15
参考 インターネットの事業構造 (1) 垂直統合タイプ 卸 相互接続タイプ インターネット ISP インターネット接続サービスレイヤー 携帯電話事業者 CATV 事業者 ケイオプティコムなど一部電力系事業者 ソフトバンク BB などの一部 ADSL 事業者 卸役務提供 イーアクセスなど ADSL アクセス事業者 ダイヤルアップ メタル回線 ( ドライカッパ ) 相互接続 NTT 東西フレッツ 卸役務提供 FTTH 回線 イーアクセスなどの一部移動体通信事業者 PHS 事業者 ( ブロードバンド ) アクセスサービスレイヤー 物理網レイヤー 利用者 16
参考インターネットの事業構造 (2) NTT 東西との関係 インターネット NTT に直接接続せず ローミングを提供する ISP 経由でインターネット接続を提供する ISP もある ISP ISP ISP 合計約 ISP ISP ISP 788ISP*2 NTT 東西の地域 IP 網と物理的につながっている ISP は 160 社 *1 ISP 接続 地域 IP 網 /NGN ユーザ *12008 年 3 月 27 日情報通信審議会次世代ネットワークに係る接続ルールの在り方について答申より数値は 2007 年 10 月現在 *2 フレッツに接続している ISP として NTT 東西がホームページで各県毎に公表しているリストから JAIPA がユニークに集計 2007 年 5 月現在 17