[ APPLICATION NOTE #186 ] PowerChute TM Network Shutdown アドバンスド冗長セットアップ By David Grehan, Sarah Jane Hannon 概要 PowerChute TM Network Shutdown は APC UPS Network Management Card と 連動し 物理環境及び仮想環境の双方に おいて IT システムの可用性を高めます アドバンスド冗長 オプションは さまざまな電源環境に於いて より信頼性の高い強固なIT 環境を実現するために提供されています このアプリケーションノートでは アドバンスド UPS 構成における PowerChuteの展開方法について説明しています 用途 ITサーバールーム データセンター リモートのオフィス 分散ネットワーク利点 ネットワークベースの安全なシャットダウン 高度な冗長構成のサポート コマンドファイル実行 シーケンシャルなシャットダウン PowerChute 設定ウィザード ブラウザアクセス可能 イベントログ HTTPS 通信 IPv6サポート はじめに冗長 UPS 構成では PowerChute Network Shutdown (PowerChute) は複数のUPSをひとつのUPSとして認識します バージョン4.0では PowerChuteは アドバンスド UPSオプションを提供しています このオプションでは 従来の冗長 UPS 機能をより拡張し 複数のUPSグループを作成可能です それぞれの UPSグループは 異なる数のUPSを持つことができ 異なる冗長レベル (N+1, N+2, N+3 等 ) を設定可能です PowerChuteは複数のUPSグループが存在することを認識し 異なる冗長レベルが設定されていることを認識したうえで全ての Network Management Cardからシャットダウンコマンドを受信します
目次 ページ # アドバンスド冗長 UPS 構成の設定方法 3 シナリオ A 1 + 1 冗長 コントロールサーバーがない場合.. 11 シナリオ B 1 + 1 冗長 コントロールサーバーがある場合 12 シナリオ C 3 + 1 冗長 コントロールサーバーがある場合 シナリオ D 2 + 2 冗長 コントロールサーバーがある場合 13 14 2 February 2015
アドバンスド冗長 UPS 構成の設定方法 PowerChute 設定ウィザード : UPS Configurationスクリーンで Advanced オプションを選択してください UPS Details ページで + Add UPS(s) ボタンをクリックしてください UPS Group を選択し UPS Setup Name に UPS グループの名称を入力してください アドバンスド構成では シングル UPS と UPS グループの両方を混在させることができます. 3 February 2015
+ Add IP Address ボタンをクリックし 各構成に含まれる Network Management Card の IP アドレスを入力します 冗長 UPS グループの場合 最低 2 つの IP アドレスの入力が必要です 同様に UPS 情報を追加します 4 February 2015
図のように必要な Network Management Card 情報を全て入力します 仮想化環境では 各 UPS グループに対しホストを関連付けます 5 February 2015
使用している UPS にコンセントグループが含まれる場合 UPS グループ内の各 UPS について 負荷機器に対して給電するコンセントグループを選択してください このページは コンセントグループのない UPS に対しては表示されません 6 February 2015
Setup の Configure Shutdown Conditions ページでは それぞれの UPS グループに対して冗長レベルを設定できます UPS シャットダウンアクションとシャットダウンコマンドファイルもここで設定します 項目 仮想化環境以外では このオプションは表示されません Shutdown Conditions 設定項目の説明 : Number of UPS s required to Power Load 電源負荷に必要な UPS の数 説明 コントロールサーバーを使用する場合 コントロールサーバーに電源供給しているUPSグループ以外では このチェックボックスのチェックを外してください この値は グループ内の UPS によって電力供給されている装置をサポートするために必要な最低限の UPS の台数を設定します グループに含まれる UPS の合計からこの設定値を引いた数が追加 ( 冗長 )UPS 数に表示されます 冗長性レベルの表示では これは N+x の N に相当します この設定はシングル UPS の UPS 設定の場合は表示されません 7 February 2015
項目 Number of additional (redundant) UPS s 追加の ( 冗長 )UPS の数 説明 グループに複数の UPS が含まれる場合 この値が表示されます これはグループに含まれる冗長な UPS の数を示しています このオプションにより シャットダウンを実行するための UPS 重大イベントの数が決められます Total number of UPS s in Setup このグループに含まれる UPS の総数 Run Command コマンド実行 Shut down PowerChute Server PowerChute サーバーのシャットダウン Execute Virtualization Shutdown Sequence 仮想環境のシャットダウンシーケンスを実行 冗長性レベル シャットダウンシーケンスが開始される重大イベントの数 N+1 2 N+2 3 N+3 4 ひとつの UPS で複数の重大イベントが発生しても 複数のイベントとしてはカウントされません 冗長性レベルの表示では これは N+X の x に相当します この設定はシングル UPS の UPS 設定の場合は表示されません この値は上の 2 つの項目の値の合計で 自動的に計算されます シャットダウンシーケンスが開始されたときに コマンドファイルを実行するように PowerChuteを設定できます 注 : 各グループに同じコマンドファイルが設定されている場合 複数のグループに対してシャットダウンシーケンスが同時に開始された場合 コマンドファイルは1 回のみ実行されます シャットダウンコマンドファイル を参照してください これはデフォルトでは有効になっています PowerChute が稼働している物理マシンを正常にシャットダウンするために使用されます このオプションは PowerChute マシンの電源が特定の UPS グループによって供給されていない場合や PowerChute が他のサーバ / 装置をリモートシャットダウンする場合には無効にしてください このオプションは PowerChute が vma 上にインストールされているか 仮想アプライアンスとしてデプロイされている場合は表示されません 仮想環境サポートが有効になっている場合 このオプションを使用して Virtualization Settings ページで設定したアクションを実行することができます このオプションは UPS グループが仮想環境のホストマシン以外の機器 ( ストレージアレイなど ) に電力を供給している構成でのみ使用可能で デフォルトでは有効になっています 8
項目 Shut down if Redundancy lost 冗長性が失われた場合にシャットダウンを実行 説明 このオプションが有効で UPS 重大イベントの数が追加の ( 冗長 )UPS の台数と同じ場合 シャットダウンシーケンスが開始されます UPS Shutdown UPS シャットダウン このオプションにより シャットダウンを実行するための UPS 重大イベントの数が決められます 冗長性レベル シャットダウンシーケンスが開始されるされる重大重大イベントの数 N+1 1 N+2 2 N+3 3 ひとつの UPS で複数の重大イベントが発生しても 複数のイベントとしてはカウントされません このオプションは 追加の ( 冗長 )UPS がない場合は表示されません たとえば 負荷機器に電力を供給するのに必要な UPS の台数が グループに含まれる UPS の台数と同じ場合 このオプションは表示されません このオプションを使用して接続されたサーバ / 装置が正常にシャットダウンされた後の UPS の動作を設定できます 9
PowerChute 設定ウィザードの実行が完了した後は Configure Events ページでシャットダウンイベントアクションを有効にできます 10 February 2015
冗長セットアップ : 1 + 1 冗長 コントロールサーバーがない場合 PowerChute エージェントがブレードシャーシ内の複数のサーバにインストールされている この構成では UPS 1とUPS 2の双方またはUPS 3と UPS 4 の双方で重大イベントが発生する場合に PowerChuteはシャットダウンを開始します 設定 この構成ではコントロールサーバーがないため サーバーごとに PowerChute エージェントをインストールします 1. UPS Configuration の下の Advanced オプションを選択し UPS Details ページで 2 台の UPS を追加します 2. それぞれの PowerChute エージェントに対し UPS グループ A (UPS 1 & 2) およびグループ B (UPS 3 & 4) を設定します 3. 各 PowerChute エージェントは UPS グループ A & B を監視します 4. それぞれの UPS グループに対し 1 + 1 の冗長レベルを設定します シャットダウンシーケンス 1. 電源経路 1 で電源障害が発生し UPS1 および UPS 3 がオンバッテリになります シャットダウンシーケンスは開始されません 2. 次に 電源経路 2 で電源障害が発生し 残りの UPS もオンバッテリになります 3. オンバッテリイベントのシャットダウン遅延時間が経過すると 全てのブレードサーバーでシャットダウンシーケンスが開始します 4. OS シャットダウンシーケンスが開始すると UPS/ コンセントグループの電源オフコマンドが発行されます 5. 各 UPS グループに対し Shutdown PowerChute Server オプションを有効にしてください 6. ストレージやネットワーク機器は UPS のコンセントグループの出力がオフになるとシャットダウンします 7. オンバッテリイベントに対し シャットダウンアクションを有効にします 5. コンセントグループのない UPS では UPS は Low Battery Duration/Maximum Required Delay のうち長い方の時間待機します コンセントグループのある UPS では コンセントグループの Power Off Delay 時間待機します 6. ユーザが設定したシャットダウン遅延時間が経過するか Power Off Delay が経過すると UPS/ コンセントグループはオフになります 11 February 2015
冗長セットアップ : 1 + 1 冗長 コントロールサーバーがある場合 PowerChute エージェントが単一の物理マシン ( コントロールサーバー ) にインストールされている この構成では UPS 1 と UPS 2 の双方または UPS 3 と UPS 4 の双方または UPS 5 と UPS 6 の双方のいずれかで重大イベントが発生する場合に PowerChute はシャットダウンを開始します 設定 1. UPS Configuration の下の Advanced Redundant オプションを選択し UPS Details ページで 2 つの UPS グループを追加します 2. UPS グループ A (UPS 1 & 2) グループ B (UPS 3 & 4) およびグループ C (UPS 5 & 6) を設定します 3. コントロールサーバーにインストールした PowerChute エージェントは UPS グループ A B C を監視します 4. それぞれの UPS グループに対し 1 + 1 の冗長レベルを設定します シャットダウンシーケンス 1. 電源経路 1 で電源障害が発生し UPS1 UPS 3 および UPS 5 がオンバッテリになります シャットダウンシーケンスは開始されません 2. 次に 電源経路 2 で電源障害が発生し 残りの UPS もオンバッテリになります 3. オンバッテリイベントのシャットダウン遅延時間が経過すると シャットダウンシーケンスが開始します 4. すべての UPS セットアップに対し シャットダウンコマンドファイルが実行されます 5. コマンドファイルの実行が開始すると UPS/ コンセントグループの電源オフコマンドが発行されます PowerChute はひとつのコントロールサーバー上にインストールし 各 UPS セットアップに対してシャットダウンコマンドファイルを使用しブレードサーバーをリモートシャットダウンするように設定します 5. Shutdown PowerChute Server オプションはグループ C でのみ有効にしてください 6. ストレージやネットワーク機器は コマンドファイルを実行してシャットダウンします 7. オンバッテリイベントに対し シャットダウンアクションを有効にします 6. 各 UPS セットアップに対して シャットダウンコマンドファイルの遅延時間が経過します 7. 70 秒後 コントロールサーバー上で OS シャットダウンが開始します 8. コンセントグループのない UPS では UPS は Low Battery Duration/Maximum Required Delay のうち長い方の時間待機します コンセントグループのある UPS では コンセントグループの Power Off Delay 時間待機します 9. ユーザが設定したシャットダウン遅延時間が経過するか Power Off Delay が経過すると UPS/ コンセントグループはオフになります 12 February 2015
冗長セットアップ : 3 + 1 冗長 コントロールサーバーがある場合 PowerChute エージェントが単一の物理マシン ( コントロールサーバー ) にインストールされている この構成では UPS 1 2 3 4 のうちいずれか 2 台で または UPS 5 と UPS 6 の双方または UPS 7 と UPS 8 の双方または UPS 9 と UPS 10 の双方で重大イベントが発生する場合に PowerChute はシャットダウンを開始します 設定 1. UPS Configuration の下の Advanced Redundantオプションを選択し UPS Details ページで4つのUPSグループを追加します 2. UPSグループ A (UPS 1,2,3 および 4), グループ B (UPS 5 & 6) グループC ( UPS 7 & 8) およびグループ D (UPS 9 & 10) を設定します 3. UPSグループAに対し3+1の冗長レベルを設定します シャットダウンシーケンス 1. 電源経路 1 で電源障害が発生し UPS1 2 5 7 および 9 がオンバッテリになります 2. オンバッテリイベントのシャットダウン遅延時間が経過します 3. UPS グループ A に対するシャットダウンコマンドファイルの実行が開始し ブレードサーバーに対してリモート OS シャットダウンコマンドが発行されます 4. UPS グループ B C D に対してはシャットダウンシーケンスは開始しません 5. UPS 1 および UPS 2 に対し UPS/ コンセントグループの電源オフコマンドが発行されます 6. 電源経路 2 で電源障害が発生し 残りの UPS もオンバッテリになります 7. UPS グループ B C D に対しシャットダウンコマンドファイルが実行されます PowerChute はひとつのコントロールサーバー上にインストールし 各 UPS セットアップに対してシャットダウンコマンドファイルを使用しブレードサーバーをリモートシャットダウンするように設定します 4. その他の UPS グループには 1+1 の冗長レベルを設定します 5. Shutdown PowerChute Server オプションはグループ D でのみ有効にしてください 6. ストレージやネットワーク機器は コマンドファイルを実行してシャットダウンします 7. オンバッテリイベントに対し シャットダウンアクションを有効にします 8. UPS グループ B C D に含まれる UPS に対し UPS/ コンセントグループ電源オフコマンドが発行されます UPS グループ A の UPS 3 および 4 はシャットダウンしません UPS グループ A に対しては 2 回目となるシャットダウンコマンドファイルは実行されません 9. UPS グループ B C D に対して シャットダウンコマンドファイルの遅延時間が経過します 10. 70 秒後 コントロールサーバー上で OS シャットダウンが開始します コンセントグループのない UPS では UPS は Low Battery Duration/Maximum Required Delay のうち長い方の時間待機します コンセントグループのある UPS では コンセントグループの Power Off Delay 時間待機します 11. ユーザが設定したシャットダウン遅延時間が経過するか Power Off Delay が経過すると UPS/ コンセントグループはオフになります 13 February 2015
冗長セットアップ : 2 + 2 冗長 コントロールサーバーがある場合 PowerChute エージェントが単一の物理マシン ( コントロールサーバー ) にインストールされている この構成では UPS 1 2 3 4 のうちいずれか 3 台で または UPS 5 と UPS 6 の双方または UPS 7 と UPS 8 の双方または UPS 9 と UPS 10 の双方で重大イベントが発生する場合に PowerChute はシャットダウンを開始します 設定 1. UPS Configuration の下の Advanced Redundantオプションを選択し UPS Details ページで4つのUPSグループを追加します 2. UPSグループ A (UPS 1,2,3 および 4), グループ B (UPS 5 & 6) グループC ( UPS 7 & 8) およびグループ D (UPS 9 & 10) を設定します 3. UPSグループAに対し2+2の冗長レベルを設定します シャットダウンシーケンス 1. 電源経路 1 で電源障害が発生し UPS1 2 5 7 および 9 がオンバッテリになります 2. シャットダウンシーケンスは開始しません 3. 電源経路 2 で電源障害が発生し 残りの UPS もオンバッテリになります 4. オンバッテリイベントのシャットダウン遅延時間が経過し 全ての UPS グループに対してシャットダウンシーケンスが開始します 5. 全ての UPS グループに対してシャットダウンコマンドファイルが実行されます ブレードサーバーとストレージアレイはコマンドファイル実行によりリモートシャットダウンされます 6. 同時に UPS/ コンセントグループの電源オフコマンドが発行されます PowerChute はひとつのコントロールサーバー上にインストールし 各 UPS セットアップに対してシャットダウンコマンドファイルを使用しブレードサーバーをリモートシャットダウンするように設定します 4. その他の UPS グループには 1+1 の冗長レベルを設定します 5. Shutdown PowerChute Server オプションはグループ D でのみ有効にしてください 6. ストレージやネットワーク機器は コマンドファイルを実行してシャットダウンします 7. オンバッテリイベントに対し シャットダウンアクションを有効にします 7. シャットダウンコマンドファイルの遅延時間が経過します 8. 70 秒後 コントロールサーバー上で OS シャットダウンが開始します 9. コンセントグループのない UPS では UPS は Low Battery Duration/Maximum Required Delay のうち長い方の時間待機します コンセントグループのある UPS では コンセントグループの Power Off Delay 時間待機します 10. ユーザが設定したシャットダウン遅延時間が経過するか Power Off Delay が経過すると UPS/ コンセントグループはオフになります 14 February 2015