2 経済の主な動き (1) 政府の各種政策 統計ア第 1 四半期 GDP 成長率ベネズエラ中央銀行 (BCV) によると, 第 1 四半期のGDP 成長率が前年同期の5.9% に比し,0.7% となった また 第 1 四半期の輸入額は, 公的分野が前年同期比 20.8% 増加したことに起因し, 同

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マドゥーロ大統領代行は大統領府において閣議を開催し,CADIVIによる外貨決済の役割を補完する新たな外貨供給メカニズムであるSICAD(Sistema Complementario de Administracion de Divisas) を創設した また同閣議の場において,SICADの創設とは別

2 経済の主な動き (1) 政府の各種政策 統計ア 6 月末時点での金保有量ベネズエラ中央銀行 (BCV) データに基づく計算によると,6 月末時点におけるBCV 外貨準備高に占める金保有量は3,658トンで外貨準備高に占める割合としては7 0% となった なお, 世界金評議会によると, ラテンアメ

2 経済の主な動き (1) 政府等の各種政策 統計ア経済指標 ( 実績 ) インフレ率ベネズエラ中央銀行 (BCV) は,1 月のインフレ率は, 前年同月の3.3% と同率の3. 3% となった旨発表した また, 併せて累積インフレ率が, 年率 56.3% となった旨発表した (11 日付ヘ ネス

2 経済の主な動き (1) 政府等の各種政策 統計ア経済指標 ( 実績 ) インフレ率ベネズエラ中央銀行 (BCV) は,11 月及び12 月 ( 暫定 ) のインフレ率がそれぞれ4. 8%,2.2% であった旨発表した また,2013 年の累積インフレ率は56.2% に達した (2013 年 12

2 経済の主な動き (1) 政府等の各種政策 統計ア経済指標 政策 ( 予測 ) 国内外の各経済機関は,2016 年のベネズエラの各経済指標を以下のとおり予測 <GDP 成長率 > ラ米 カリブ経済委員会 (CEPAL): マイナス8% <インフレ率 > Torino Capital:353%, ゴ

計で 8 回もの操業停止が発生した PDVSA によると 2011 年のガソリンの生産コストは 2010 年比 14.4% 増とな る 1 バレル 6 ドル 33 セントとなった OPEC 作成の報告書によると,2011 年の当国の原油生産量は,2010 年に比し 2% 増となる, 日量 238 万

2 経済の主な動き (1) 政府等の各種政策 統計アメルコスール会合メルコスール加盟国外務省は10 月 30 日カラカスにて会合を持ち, 中米 カリブ, 及びEUとの関係を促進していく旨合意に至った (1 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) イ生産業従事者数国家統計局 (INE) によると,2013 年

KUBI 鉱区における 14% の株式を取得する旨発表した ウルグアイ国営石油会社の ANCAP と PDVSA は,ANCAP が PDVSA に対し負っ ている未払いの原油購入代金として 8 億 3,000 万ドルを支払う旨合意した パラグアイ国営石油会社の PETROPAR は, 同社が PD

2 経済の主な動き (1) 政府等の各種政策 統計ア経済指標 政策 ( 予測 ) 2017 年末の通貨流通量は,1,169 億 2 千万ボリバル増加する1,273 億 5 千万ボリバルとなって,1,121% 上昇した (8 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) 国家労働組合とベネズエラ工業連盟は,2017

【ロシア最新経済金融週報】

ベネズエラ経済 (2014 年 9 月 ) 1 経済概要 (1) 政府の各種政策 統計 マドゥーロ大統領は, 経済革命, 知識革命, 社会主義ミッション革命, 国家政治革命, 社会主義領域革命の5つの重点分野における革命を推し進める旨述べた 内閣改造し, アレアサ副大統領 ( 憲法上規定 ) の他,

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ベネズエラ経済 (2018 年 9 月 ) 1 経済概要 (1) 政府の各種政策 統計 国会財務 経済開発委員会 ( 野党のみより構成 ) は,2018 年 8 月のインフレ率を,223.1% と発表し,2018 年の累積インフレ率は,34,680.7%, 年間インフレ率は,200,005% となり

及び対内債務 (358 億ドル ) の合計で,2010 年比で 10% 増となる 792 億ドルとなっ た 24 日及び 26 日, 政府が中国と総額 100 億ドルの新たな融資を含む 21 件の新たな協定を 締結した (2) エネルギー 資源 2012 年 1 月の米エネルギー省の報告書によると,

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ベネズエラ経済 (2016 年 9 月 ) 1 経済概要 (1) 政府の各種政策 統計 中銀の非公式情報によると,2016 年 8 月のインフレ率は,26.9%,2016 年 1 ~8 月のインフレ率は,331.9%,2015 年 8 月 ~2016 年 8 月の累積インフレ率は, 675.1% で

グアテマラ経済 (2012 年 5 月 ) 平成 24 年 6 月在グアテマラ日本国大使館 5 月の主な動き 5 月 対米ドル ケツァル為替は 1 ドル=7.751~7.817 の範囲で推移した 5 月 インフレ率は 消費者物価指数は対前月比 0.13% 対前年同月比 3.90% 上昇した 5 月

VSA より, プエルト ラ クルス製油所の拡張工事を受注した旨発表した 工費は 29 億 9,000 万ドルで, 工期は 42 ヶ月 24 日, チャベス大統領はパラグアイへの石油の輸出を停止する旨発言した 当国からパ ラグアイへの石油の輸出は二国間協定に基づき,2004 年から日量 2.5 万

2 経済の主な動き (1) 政府等の各種政策 統計ア経済指標 政策 ( 予測 ) 国会財務 経済開発委員会 ( 野党 ) は,2017 年 9 月のインフレ率は, ベネズエラ経済史上最も高い36.3%,2017 年 1 月からの累積インフレ率は,536.1% になったと発表 (6 日付エル ナシオナ

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ベネズエラ経済 (2014 年 10 月 ) 1 経済概要 (1) 政府の各種政策 統計 官報 号により, 中国からの融資の返済に充てられる最低原油輸出量の条項が削除された 国際投資争解決センター (ICSID) は, ベネズエラ政府とエクソン モービル社 ( エクソン社 ) による係争

2 経済の主な動き (1) 政府等の各種政策 統計ア経済指標 政策 ( 実績 ) 22 日, メネンデス企画大臣は,2015 年の極貧率は,9.3%(2014 年の 9.5% から 0.2% 減少 ),2015 年 12 月,1 日 3 食の国民の割合は,94% と発表 (23 日付エル ウニヘ ル

コロンビア経済情勢 (5 月分 ) 1 概要 ポイント 国家統計庁が第一四半期のコロンビアの経済成長率が前年同期比 +2.2% となった旨発表 コロンビアの OECD 加盟 経済社会政策審議会が, ボゴタメトロ公社に対し, ボゴタメトロ整備計画第一次路線の必要経費に関し, 最大 7.8 兆ペソ (

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

現代資本主義論

( 約 75.3 億ドル ) となった 4 日 デルピノ PDVSA 副総裁はオリノコ ベルト地帯フニン第 10 鉱区の早期生産を 同地帯の新たな事業の中で最も早い 今年 6 月に開始する旨明らかにした ロイター通信は PDVSA は日本及び韓国の企業と共同で ペトロベトナムが保有する DUNG Q

2 経済の主な動き (1) 政府等の各種政策 統計ア経済指標 政策 ( 予測 ) 国会の財務 経済開発委員会は,1 月のインフレ率を 84.2%, 前年同月から年間インフレ率を 4,068% と発表した また 現在のインフレ率が, 継続する場合は本年の年末までの年間インフレ率は 10 万 % を上回

(2)物価上昇率

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

GDP + subsektorer (kvartal)

2 経 済 の 主 な 動 き (1) 政 府 等 の 各 種 政 策 統 計 ア 経 済 指 標 ( 実 績 ) 食 糧 バスケット 労 働 者 情 報 分 析 センター(CENDA)は, 3 月 の 食 糧 バスケットは,20, ボリバルと 発 表 した 前 月 比 5.3%の 増

ラ石油公社 (PDVSA) より燃料供給の契約は継続して有効とする旨連絡があったことを明らかにした 仏トタールは, 当国グアリコ州にて運営しているユカル プラセール ガス田の生産量を, 2014 年末までに日量 3 億立方フィート ( 原油換算で日量 5 万 5,000 バレル ) まで引き上げる旨

[グループⅠ]公募仕様書案

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今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

Microsoft Word - ブラジル経済概観(2019年2月)

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GDP + subsektorer (kvartal)


コロンビア内政・外交等定期報告(4月)

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(2)物価上昇率

アジア/世界エネルギーアウトルック 2013

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ

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米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

法 とは異なる 組織法 が存在する 組織法 とは, 公権力を編成する法律, 憲法上の権利を発展させるための法律, ほかの法律の模範となる重要な法律を指す 絶対過半数の国会議員が賛成票を投じれば可決される 一般法 と異なり, 組織法 の法案可決には国会議員の 3 分の 2 の賛成票 (165 議席中

TOPICs 世界の原油需給 by OPEC Oil Market Rerort 214 年 3 月号より 世界の原油需要 世界の原油需要 28 年 29 年 21 年 211 年前年比 212 年前年比 213 年 OPEC Oil Market Report 214 年 3 月号 前年比 28

Microsoft Word - ギリシャ概況(2019年7月号)

ロシア 3節 第 第3節 ロシア 1 マクロ経済動向 ロシア経済は 緩やかな回復基調にある 2014 年 7 以下 輸出 個人消費 消費者物価 金融市場の動 月以降のウクライナ危機発生及びクリミア併合に伴う 向を中心に概観する 欧米からの経済制裁に加え 2015 年以降 原油価格 の下落を主因として

コロンビア内政・外交等定期報告(4月)

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は好調も、旧正月の影響を均せば増勢鈍化

スライド 1

2007年12月10日 初稿


スライド 1

経済指標カレンダー 8 月 5, 月 10,2018 AUD 1.50% NZD 1.75% EUR 0.00% CAD 1.50% GBP 0.75% USD 2.00% CHF -0.75% JPY -0.10

パラグアイ定期定期報告 (9 月分 ) 経済情勢 2012 年 10 月作成 概要 (1) 国内経済 3 日,8 月に議会によって承認されたペニャ, ララ及びホルストが, 中銀理事として就任した 2013 年の予算案をめぐっては, 予算の拡大を求める各省庁及び公務員労組に対して, フェレイラ大蔵大臣

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )


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トルコにおけるクーデター未遂事件に伴う非常事態宣言と 経済 ビジネスへの影響について (2016 年 10 月 18 日版 ) 本資料は クーデター未遂および非常事態宣言発令後のトルコ経済の状況をトルコ共和国経済省から提供されたデータや数値を元に 駐日トルコ共和国大使館商務部で作成した資料です 資料


仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

日本のアルゼンチンにおける産業協力

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

Microsoft Word 年度現況【修正】

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ギリシャ概況 (2018 年 5 月号 ) 1. 内政 16 日サケラリウ行政最高裁判所長官が辞任した 19 日国会がNOVARITS 社贈賄疑惑に関する国会の調査委員会に権限がないとし 本件を司法に差し戻すことを賛成票 168で承認した ( 議員 172 名が出席 ) 2. 外政 4 月 30 日

フ ァ ン ド の 特 色 ハイグレード ハイグレード オセアニア オセアニ ニア ボンド マザーファンド マザーファンド を通じて オーストラリア ドル建ておよびニュージーラ ドル建ておよびニュージーランド ドル 建ての 債券等 に投資します 債券等 には コマーシャル ペーパー等の短期金融商品を

当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(10月号)~輸出はスマホ用電子部品を中心に高水準を維持

平成 22 年基準 秋田県鉱工業生産指数月報 平成 30 年 12 月分 鉱工業生産指数の推移 季節調整済指数全国 東北 : 平成 27 年 =100 秋田 : 平成 22 年 =

ベネズエラ 2013 年 3 月に 1999 年以来大統領を務めたチャベス前 大統領が死去した 4 月 14 日に大統領選挙が行われ 後継指名されたニコラス マドゥロ氏が正式に大統領に選出された しかし マドゥロ大統領にはチャベス前大統領ほどの求心力がないとされ 相次ぐ閣僚交代など与党内部の混乱がみ

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金融政策決定会合における主な意見

2018 年第 1 四半期ベトナム経済事情 2018 年 4 月 在ベトナム日本大使館経済班 ( 注 ) 本資料の記載情報は, 信頼できると考えられる情報源等を元に作成しておりますが, その正確性 完全 性を保証するものではありません また, 記載された数値, 意見, 予測等は, 作成時点のものであ

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表1-4

1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

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PowerPoint プレゼンテーション

(2)物価上昇率

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【No

第1章

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アルゼンチン:経済状況悪化によるVacaMuertaシェール開発への影響

NZD NZDANZActivityOutlook 01:00 21: NZD ニュージーランド NBNZビジネス信頼感指数 01:00 21: AUD オーストラリア HIA 新規住宅販売件数 (MoM) 01:00 21:00 0.6% AUD オーストラリア民間事業

○ユーロ

パラグアイ経済報告(2010年7月~8月)

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リムLNG年鑑2010

コロンビア内政・外交等定期報告(4月)

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Transcription:

ベネズエラ経済 (2013 年 6 月 ) 1 経済概要 (1) 政府の各種政策 統計 ベネズエラ中央銀行 (BCV) によると,5 月のインフレ率が4 月の4.3% を上回り6. 1%(1996 年 6 月以来最高水準 ) となり,1-5 月の累積インフレ率が19.4%( 前年同期は 6.0%) となった ベネズエラ中央銀行 (BCV) によると, 第 1 四半期のGDP 成長率が前年同期の5.9% に比し,0.7% となった (2) 政府予算 財政 第 1 四半期のPDVSAによるベネズエラ中央銀行 (BCV) に対する拠出額は, 同期の原油分野の輸出額のうち約 46% 相当の97 億ドルであった ベネズエラ中央銀行 (BCV) によると,5 月の通貨供給量 (M2) は直近 12カ月で65. 9% 増の8,070 億ボリバルとなった (3) 石油 天然ガス産業 米国エネルギー情報局によると, ベネズエラの非在来型資源の可採埋蔵量は,41カ国中 6 番目になった OPECによると,1-5 月の原油生産量は日量平均前年同期に比し2.32% 減の2 75.2 万バレルとなった (4) 自動車産業 ベネズエラ自動車会議所 (CAVENEZ) によると,1 5 月の国内自動車組立 ( 生産 ) 台 数は, 前年同期に比し 34.37% 減の 31,153 台となった (5) その他産業 チャコン電力大臣は, 電力関連設備の国内生産を図るための原材料輸入を請け負う公 社を設立する意向がある旨発表した (6) 外貨発給状況 メレンテス財務大臣は,CADIVI による外貨決済の役割を補完する新たな外貨供給メカニズムとして3 月に導入された SICAD(Sistema Complementario de Administracion de Divisas) に類似した外貨供給スキームを準備する意向を示した 1

2 経済の主な動き (1) 政府の各種政策 統計ア第 1 四半期 GDP 成長率ベネズエラ中央銀行 (BCV) によると, 第 1 四半期のGDP 成長率が前年同期の5.9% に比し,0.7% となった また 第 1 四半期の輸入額は, 公的分野が前年同期比 20.8% 増加したことに起因し, 同 1.5% 増の139.16 億ドルとなった (1 日付エル ウニヘ ルサル紙, エル ナシオナル紙, 及びウルティマス ノティシアス紙 ) イ第 1 四半期原油輸出額及び輸入額ベネズエラ中央銀行 (BCV) によると, 第 1 四半期の原油分野の輸出額は, 前年同期に比し13% 減の213.68 億ドルとなった 他方, 第 1 四半期の原油分野の輸入額量は, 前年同期に比し28% 増の20.19 億ドルとなり, 石油輸入量前年同期の3.5 万バレル / 日に比し8.2 万バレル / 日となった (3 日及び4 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) ウ第 1 四半期民間分野最終消費及び財政支出ベネズエラ中央銀行 (BCV) によると, 第 1 四半期の民間分野における最終消費は, 前年同期が5.9% 増であったのに比し,3.2% 増であった また, 財政支出は同比 4.1% 増であった (3 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) エ対米貿易黒字額米国商務省によると,1-4 月のベネズエラの対米貿易黒字額は前年同期の88.18 億ドルに比し33% 減の59.11 億ト ルとなった (5 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) オ 5 月インフレ率ベネズエラ中央銀行 (BCV) によると,5 月のインフレ率が4 月の4.3% を上回り6. 1%(1996 年 6 月以来最高水準 ) となり,1-5 月の累積インフレ率が19.4%( 前年同期は 6.0%) となった また, 直近 12ヶ月における累積インフレ率は,35.2%( 前年同期は 22.6%),5 月の物資の不足を表す指数は20.5% となった (6 日付 BCV フ レスリリース ) 2

カ第 1 回南米銀行代表者会議 12 日, カラカスにおいて第 1 回南米銀行財務大臣会議が開催された < 南米銀行概要 > 南米銀行は,2007 年 12 月, アルゼンチンにおいて, ボリビア, ブラジル, エクアドル, パラグアイ, ウルグアイ, 及びベネズエラにより設立の合意に至り,2009 年 9 月, ベネズエラのマルガリータ島にて開催された第 2 回南米 アフリカ首脳会議 (ASA) において設立協定を採択するに至った 南米銀行は, 加盟国からの70 億ドルの出資を元に社会開発プロジェクト推進, 及び地域統合に向けた金融支援の目的で設立され, インフラ, 生産チェーンをはじめ, 経済, 社会, 環境等の分野における開発プロジェクトに対し金融支援を行っていく 南米銀行は, ラテンアメリカにおいて, 特にチャベス前大統領の様な偉大なリーダーの遺志を引き継ぎ地域統合を具体化していくために,IMFや世界銀行から独立した金融構造を構築していく (12 日付外務省フ レスリリース及びエル ウニヘ ルサル紙 ) キミレニアム開発目標 (MDG1) 及び世界食料サミット目標食糧農業機関 (FAO) によると, ミレニアム開発目標 (MDG1) 及び世界食料サミット目標をベネズエラ含む18カ国 (38 カ国中 ) が達成した (17 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) ク 5 月食糧バスケット価格国家統計局 (INE) によると,5 月の食糧バスケット価格は, 前月に比し8.65% 増の2,620.62ボリバルとなった (18 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) ケスタンダード アンド プアーズ (S&P) 格付け引下げ格付け会社大手スタンダード アンド プアーズ (S&P) は, ベネズエラの外貨建てソブリン債格付けを B プラス から B へ1 段階引き下げた なお, ムーディーズ インベスターズ サービスは B2(S&Pの B と同等), フィッチ レーティングスは B+(S&Pの B を1 段階上回る ) とそれぞれ格付けしており, 見通しは ネガティブ としている (18 日付エル ナシオナル紙 ) コ 2012 年コンテナ取扱量国連ラテンアメリカ カリブ経済委員会 (CEPAL) によると, ベネズエラの2012 年のコンテナ取扱量 (20ft コンテナ換算ヘ ース ) は, 前年に比し17.6% 増となった ベネズエ 3

ラにおける取扱量はプエルト カベージョ港が全体の 54%, ラ グアイラ港が同 28% を占めている なお, ラテンアメリカ カリブ諸国においては, ドミニカ共和国の同前年比 18.4% をはじめペルー, コロンビア, メキシコ, 及びコスタリカ等が前年比増加した一方で, アルゼンチン, ジャマイカ, チリ, パナマ, 及びブラジルが同前年比減少した (24 日付エル ナシオナル紙 ) サ 5 月失業率国家統計局 (INE) によると,5 月の失業率は前年同月の7.9% に比し,7.8%( 失業者数 :1,053,764 人 ) となった なお, フォーマルセクター及びインフォーマルセクター従事者はそれぞれ,60.3%, 39.7% であった (26 日付エル ウニヘ ルサル紙及びウルティマス ノティシアス紙 ) (2) 政府予算 財政ア第 1 四半期のPDVSAによるベネズエラ中央銀行 (BCV) への拠出第 1 四半期のPDVSAによるベネズエラ中央銀行 (BCV) に対する拠出額は, 同期の原油分野の輸出額のうち約 46% 相当の97 億ドルであった (4 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) イ予算追加承認 国会の財務 経済開発委員会において, 軍人の給与増に伴う国軍向けに11 億ボリバル, ボリバル州サン フェリックス病院建設向けに3 億 7,830 万ボリバル, 内務司法省向けに2 億 750 万ボリバル, 外務省向けに3 億 7,700 万ボリバル等をはじめとした6つの分野に対し, 約 21 億 8,000 万ボリバルの追加予算が承認された また, 同委員会において,2013 年度の借款法にて予算編成されていた環境省向け 77 億ボリバルにつき, 国防省における武器購入に振り替えられる旨承認された (12 日付エル ウニベルサル紙及びエル ナシオナル紙 ) 国会の財務 経済開発委員会において, 会計検査院労務関係費, ロス テケス鉄道建設に関する労務費, 及び工事関連費用等向けに5 億 6,910 万ボリバル, ベネズエラ航空会社 Avensaの元従業員に対する社会保障給付向けに5,270 万ボリバル等をはじめとした6つの分野に対する, 約 8 億 580 万ボリバルの追加予算が承認された この結果, 年初からの2013 年国家予算の追加承認額は計 491 億ボリバルとなり, 現時点での国家予算累計額は, 当初予算額の3,964 億ボリバルから4,455 億ボリバルとなった また, 同委員会において, 既にロシアと結ばれている軍事協力に関する40 億ドルの 4

融資協定に対し,(20 億ト ルは既にロシアからヘ ネス エラへ融資実行済みであり ) 残り 20 億ド ルのクレジット ラインが承認された (27 日付エル ウニヘ ルサル紙及びウルティマス ノティシアス紙 ) ウ通貨供給量 (M2) ベネズエラ中央銀行 (BCV) によると,5 月の通貨供給量 (M2) は直近 12カ月で65. 9% 増の8,070 億ボリバルとなった (13 日付エル ナシオナル紙 ) (3) 石油 天然ガス産業ア第 163 回 OPEC 定時総会 OEPCは第 163 回定時総会を開催し, 生産量の上限を変更せず, 日量 3,000 万バレルにて合意した なお,PDVSAは, 世界原油需要は2012 年の8,890 万バレル / 日から8,970 万バレル / 日に増加する見込みであると発表した (1 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) イラミーレス石油鉱業大臣兼 PDVSA 総裁訪中 PDVSAプレスリリースによると, ラミーレス石油鉱業大臣兼 PDVSA 総裁が中国を訪問し, 中国からの融資契約への署名含め二国間のエネルギー協力関係の深化につき関係者と協議を持った < 中国からの融資契約への署名内容 > ペトロ シノベンサ(Petrolera Sinovensa:PDVSAと中国石油公社 (CNPC) の合弁石油開発事業 ) と中国開発銀行 (BDC) の間で,BDCによるペトロ シノベンサ向け 40 億 1,500 万ドルの融資契約 ペトロ シノベンサ社による, 日量生産引上げ (14 万バレルから33 万バレル ) ペトロ シノベンサ社におけるプロジェクト実施の保証, 及び融資契約を補完する目的でCNPCとPDVSAとの間での原油売買に関する契約 (3 日,4 日及び6 日付 PDVSAフ レスリリース ) ウラミーレス石油鉱業大臣兼 PDVSA 総裁訪日ベネズエラ石油公社 (PDVSA) プレスリリースによると, ラミーレス石油鉱業大臣兼 P DVSA 総裁が,2009 年に日 ベネズエラ両国間にて交わされたエネルギー協力に関する覚書の進捗確認を行うべく,6-8 日にかけ日本を訪問した < 茂木経済産業大臣との会合 > ラミーレス石油鉱業大臣兼 PDVSA 総裁は, 茂木経済産業大臣とカラボボ第 3 鉱区, 鉄道ミッション,JBICによる融資, 及び第 5 回日 ベネズエラ エネルギー協力会 5

合等のテーマにつき会合を行った (8 日付 PDVSA フ レスリリース ) エ非在来型資源の可採埋蔵量米国エネルギー情報局によると, ベネズエラの非在来型原油の可採埋蔵量は,134 億バレル, 非在来型天然ガスの可採埋蔵量は,167 兆立法フィートとなり調査対象 4 1カ国中 6 番目になった (11 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) オ 5 月原油生産量 OPECの月次報告によると,5 月のベネズエラの原油生産量は, 前年同期に比し2. 46% 減の275.8 万バレル / 日となった また,1-5 月の原油生産量は日量平均前年同期に比し2.32% 減の275.2 万バレルとなった (12 日及び17 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) カ原油生産計画達成に向けたモニタリング委員会の創設ベネズエラ石油公社 (PDVSA) プレスリリースによると, ラミーレス石油鉱業大臣兼 PDVSA 総裁が当国で資源開発に携わる外資系企業と原油生産計画達成に向けたモニタリング委員会を創設し, 初回会合を実施した (13 日付 PDVSAフ レスリリース ) キアムアイ製油所精製量パラグアナ製油所センターの報告によると, アムアイ製油所の原油精製量は, 精製能力 64.5 万バレル / 日の77% 相当の49.4 万バレル / 日となった (27 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) (4) 自動車産業ベネズエラ自動車会議所 (CAVENEZ) によると,2013 年 5 月の国内自動車組立 ( 生産 ) 台数は, 前年同期に比し23.32% 減の8,152 台となった この結果 1 5 月の国内自動車組立 ( 生産 ) 台数は, 前年同期に比し34.37% 減の31,153 台となった なお,1 5 月の国内自動車販売台数は, 前年同期に比し9.7% 減の49,54 8 台となった 国内販売台数のうち, 輸入販売台数は同比 114.4% 増の19,275 台であった (7 日付エル ウニヘ ルサル紙, エル ナシオナル紙, 及びウルティマス ノティシアス紙 ) 6

(5) その他ア電力チャコン電力大臣は, 電力関連設備の国内生産を図るための原材料輸入を請け負う公社を設立する意向がある旨発表し, 既にマドゥーロ大統領に対して提案を実施した旨明らかにした なお, 同大臣は, 本公社を通じて輸入した物資は, 国内業者との間では現地通貨ボリバルで決済され, 他方, 輸入代金決済における外貨調達は電力省が一手に引き受けることで, 簡便な決済スキームになると付言した (4 日付エル ウニヘ ルサル紙, エル ナシオナル紙, 及びウルティマス ノティシアス紙 ) イ建設ベネズエラ中央銀行 (BCV) によると,2013 年 5 月の建設資材のインフレ率は, 前年同月の2.4% に比し5.4% となり,1-5 月の累積で27.2%, 直近 12カ月で4 4.2% となった (18 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) (6) 外貨発給状況ア外貨発給改善に関するメレンテス財務大臣の発表チャコン電力大臣及びメレンテス財務大臣は, 電力分野における外貨発給問題を軽減させるベく,15 日以内に外貨を発給していく旨発表し, メレンテス大臣は併せて外貨発給の正常化に向け対応していく旨述べた (4 日付エル ウニヘ ルサル紙, エル ナシオナル紙, 及びウルティマス ノティシアス紙 ) イ外貨発給進捗状況 メレンテス財務大臣は記者会見を行い, 国内生産及びインフレ率の低下策を推進させるため製造業界各社と同 26 日に会合を持つとともに自動車業界に対する外貨発給遅延が発生しているとの認識のもと, 遅延日数の短縮を図っていく旨発表した (26 日記者会見 ) ベネズエラ中央銀行(BCV) プレスリリースによると,5 月 5 日より, 鋭意外貨発給遅延問題に取り組んで来ており, それぞれの分野毎に現状の分析を通じ, 一連の経済政策を行うことで, 外貨発給遅延日数の劇的な短縮を遂げているとした また, 零細企業については, 外貨発給遅延問題は解決に至っており, 以前の外貨決済承認 (ALD) の申請からALDまでの日数は,158 日から30 日へ改善されており, 恩恵を受けている企業は約 1,500 社に上り, 中規模の企業においては, 同所要日数は,2 35 日から135 日へ, 大企業においては, 同 275 日から145 日へと, 依然として目標の平均 60 日という所要日数へは隔たりがあるものの, 重要な進展が見られると発表した 7

また, メレンテス財務大臣は, 食糧, 自動車, 繊維, サービス, 運輸, 航空 機械設備等の業種をはじめとして既に計 4,400 社余りの企業と12の分科会を実施し, 共通理解を持った旨付言した 他方で, メレンテス財務大臣は,CADIVIによる外貨決済の役割を補完する新たな外貨供給メカニズムとして3 月に導入されたSICAD(Sistema Complementario de Administracion de Divisas) に類似した外貨供給スキームを準備する意向を示した なお, 本スキームでは, 個人, 中銀, 及び国家開発基金 (FONDEN) をはじめとした公的機関も入札への参加が可能な旨公表した さらに, メレンテス財務大臣は,CADIVIの機能をサプライチェーンと結びつける準備を行っている旨述べた また,BCVと観光省は, 旅行者に対し, 米ドルへの両替を可能とするスキーム構築に向け作業を行っている旨述べた (26 日付 BCVフ レスリリース ) ウ外貨発給額シンテシス フィナンシエラ (Sintesis Financiera) 社によると, 本年の外貨発給額は, 第 1 四半期が日額平均 1 億 1,900 万ドル,5 月が同 1 億 3,300 万ドル,6 月が1 億 5,400 万ドルであった なお, 同社は, 本年上期 (1-6 月 ) の外貨発給額は前年同期に比し4.2% 増, 前年下期 (7-12 月 ) に比し11.8% 減の150 億ドルと算定した (26 日付エル ウニヘ ルサル紙 ) 8