ICH-GCPとJ-GCPとの比較表

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3 治験実施計画書目的 当該治験について 治験実施計画書が手順書に従い適切に作成及び改訂されていることを確認する 次の事項を調べる (1) 治験実施計画書の記載項目 ( 再生医療等製品 GCP 省令第 7 条第 1 項に規定する項目 ) (2) 治験実施計画書の作成 改訂の手順と日付 (3) 治験計

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前項に規定する事項のうち当該被験薬の治験薬概要書から予測できないもの に改め 同項を同条第三項とし 同条第一項の次に次の一項を加える 2治験依頼者は 被験薬について法第八十条の二第六項に規定する事項を知ったときは その発現症例一覧等を当該被験薬ごとに 当該被験薬について初めて治験の計画を届け出た日等

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

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目次 第 1 章治験審査委員会... 3 ( 目的と適用範囲 )... 3 ( 治験審査委員会の責務 )... 3 ( 治験審査委員会の設置及び構成 )... 3 ( 治験審査委員会の業務 )... 4 ( 治験審査委員会の運営 )... 6 第 2 章治験審査委員会事務局... 8 ( 治験審査委

川崎市水道局規程第 号

第 4 章治験責任医師の業務 目次 1. 目的と適用範囲 1 2. 治験責任医師の要件 1 3. 治験実施計画書の遵守に関する合意 1 4. 同意説明文書の作成 1 5. 治験分担医師及び治験協力者のリストの作成 2 6. 治験の実施依頼 ( 新規 変更 継続 ) 3 7. 治験の実施等の了承 3

治験実施規程

医療機関のの指示 決定に 医療機関のが 治験審査委員会の決定 関する文書 に基づく医療機関のの指示 決定を ( 治験に関する指 治験依頼者及びに通知す 示決定通知書 ) ( 治験審査委員会の通知文 る文書 書写しを含む ) 治験審査委員会の日付入り通知文書の 写し の業務内容に関 医療機関のがの業務

( 委員会の業務 ) 第 4 条委員会は その責務の遂行のために以下の最新資料を病院長から入手する なお あらかじめ 自ら治験を実施する者 委員会及び病院長の合意が得られている場合においては GCP 省令第 26 条の6 第 2 項に関する通知に限り 自ら治験を実施する者から入手することができる ま

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治 験 実 施 標 準 業 務 手 順 書

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第 1 章目的と適用範囲 ( 目的と適用範囲 ) 第 1 条本手順書は 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 ; 平成 9 年厚生省令第 28 号 ( 以下 医薬品 GCP という ) 医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令 ; 平成 17 年厚生労働省令第 36 号 ( 以下 医療機器 G

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2) 治験薬概要書 (GCP 省令第 15 条の5 第 2 項の規定により改訂されたものを含む ) 3) 症例報告書の見本 ( 治験実施計画書において 症例報告書に記載すべき事項が十分に読み取れる場合は 当該治験実施計画書をもって症例報告書の見本に関する事項を含む ) 4) 説明文書 同意文書 (

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文書管理番号

特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

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じ ) その他の処方せん医薬品又は高度管理医療機器の製造販売に係る業務の責任者との密接な連携を図らせること ( 安全確保業務に係る組織及び職員 ) 第四条第一種製造販売業者は 次に掲げる要件を満たす安全確保業務の統括に係る部門 ( 以下この章において 安全管理統括部門 という ) を置かなければなら

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PSP 省令 と それぞれ略称する 記 1. 改正施行規則について希少疾病用医療機器その他の医療上特にその必要性が高いと認められる医療機器であり かつ 当該医療機器についての臨床試験の実施に特に長期間を要すると認められるものに係る承認申請をする場合においては 改正 GVP 省令第 9 条の3 第 1

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本手順書の構成 第 1 章総則... 1 ( 治験の原則 )... 1 ( 目的と適用範囲 )... 2 第 2 章病院長の業務... 2 ( 組織の設置及び運営 )... 2 ( 治験依頼の申請等 )... 2 ( 治験実施の了承等 )... 4 ( 治験実施の契約等 )... 5 ( 契約内容の

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法律第三十三号(平二一・五・一)

参考1

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目次 表紙... 1 目次... 2 改訂記録 目的 対象 製造部門 品質部門組織 PET 薬剤製造施設 ( 施設長 ) の責務 製造管理者の責務 各責任者の責務... 7 ( 別紙 1) (

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平成 30 年度新潟県自殺対策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務委託契約書 ( 案 ) 新潟県 ( 以下 甲 という ) と ( 以下 乙 という ) とは 平成 30 年度新潟県自殺対 策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務について 次の条項により委託契約を締結する ( 目的 ) 第 1 条

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参考資料 10 我が国の GCP と ICH-GCP の主な 1 治験の契約に関する規定 1-1 契約者に関する規定 1-2 実施医療機関の長との契約を規定したことに伴う規定 2 治験審査委員会 (IRB) に関する規定 2-1 IRB の設置に関する規定 2-2 IRB への審議依頼に関する規定 1/11

1. 治験の契約に関する規定 1-1. 契約者に関する規定 ICH-GCP 1.17( 用語の定義 : 契約書 ) 業務及び義務の委任と分担並びに 適切な場合には 金銭的事項についての取決めを記述した当事者問の合意文書で 日付を記入し署名されたもの 治験実施計画書は契約書の基礎としての役割を果たし得る 5.6.3( 治験依頼者 : 治験責任医師の選定 ) 治験依頼者は 以下の事項について 治験責任医師 / 治験実施医療機関から合意を得るものとする (a) GCP 適用される規制要件 及び治験依頼者が合意しかつ治験審査委員会が承認した治験実施計画書を遵守して 治験を実施すること (4.1.3 及び 4.5.1 参照 ) (b) データの記録 / 報告に関する手続きを遵守すること (c) モニタリング 監査及び査察を受け入れること (4.1.4 参照 ) (d) 治験に関連する必須文書を 治験依頼者が治験責任医師 / 治験実施医療機関に保存の必要がなくなったことを通知するまで保存すること (4.9.4 及び 5.5.12 参照 ) 治験依頼者及び治験責任医師 / 治験 ( 治験の契約 ) 第 13 条治験の依頼をしようとする者及び実施医療機関 ( 前条の規定により業務の一部を委託する場合にあっては 治験の依頼をしようとする者 受託者及び実施医療機関 ) は 次に掲げる事項について記載した文書により治験の契約を締結しなければならない 1) 契約を締結した年月日 2) 治験の依頼をしようとする者の氏名及び住所 3) 前条の規定により業務の一部を委託する場合にあっては 受託者の氏名 住所及び当該委託した業務の範囲 4) 実施医療機関の名称及び所在地 5) 契約担当者の氏名及び職名 6) 治験責任医師等の氏名及び職名 7) 治験の期間 8) 目標とする被験者数 9) 治験薬の管理に関する事項 10) 記録 ( データを含む ) の保存に関する事項 11) この省令の規定により治験依頼者及び実施医療機関に従事する者が行う通知に関する事項 12) 被験者の秘密の保全に関する事項 13) 治験の費用に関する事項 1 治験の契約は 実施医療機関の長が治験審査委員会の意見に基づいて治験の実施を了承した後に 治験の依頼をしようとする者と実施医療機関の間で文書により行うものとする なお 治験責任医師も 契約内容の確認のため契約書又はその写しに記名捺印又は署名するものとする 2 第 12 条の規定により治験の依頼をしようとする者が業務の一部を委託する場合には 治験の依頼をしようとする者 受託者たる開発業務受託機関及び実施医療機関の三者の間で文書により契約を締結すること 3 契約書には 次に掲げる事項が含まれていなければならない 1) 契約を締結した年月日 2) 治験の依頼をしようとする者 ( 契約書には治験依頼者と記載して差し支えない ) の氏名及び住所 ( 法人にあっては名称及び主たる事業所の所在地 ) 3) 開発業務受託機関に業務を委託する場合には 開発業務受託機関の氏名及び住所 ( 法人にあっては名称及び主たる事業所の所在地 ) 並びに委託する業務の内容 では 治験依頼者と実施医療機関が契約しなければならないと規定 ICH-GCP では 治験依頼者と治験責任医師又は実施医療機関が契約しなければならないと規定 2/11

実施医療機関は 治験実施計画書又はそれに代わる文書に署名することにより この合意を確認しなければならない 5.9( 治験依頼者 : 治験に関連する支払 ) 治験に係わる金銭の支払については 治験依頼者と治験責任医師 / 治験実施医療機関との間の合意事項として文書に記録すべきである 4.9.6( 治験責任医師 : 記録及び報告 ) 治験に係わる金銭の支払に関し 治験依頼者と治験責任医師 / 治験実施医療機関の間で 文書で取り決めておかねばならない 14) 実施医療機関が治験実施計画書を 4) 実施医療機関の名称 所在地遵守して治験を行う旨 5) 契約者の氏名及び職名 15) 実施医療機関が治験依頼者の求め 6) 治験責任医師及び治験分担医師 ( 複に応じて第 41 条第 2 項各号に掲げる数の場合には全員 ) の氏名及び職名記録 ( 文書を含む ) を閲覧に供する 7) 治験期間旨 8) 目標とする被験者数 16) 実施医療機関がこの省令 治験実 9) 治験薬の管理に関する事項 ( 実施医施計画書又は当該契約に違反するこ療機関の長の指名した治験薬管理者とにより適正な治験に支障を及ぼし等が第 16 条第 6 項及び第 7 項の規定たと認める場合 ( 第 46 条に規定するにより提供された手順書又は文書に場合を除く ) には 治験依頼者が治従って治験薬を適切に管理する旨を験の契約を解除できる旨含む ) 17) 被験者の健康被害の補償に関する 10) 記録 ( データを含む ) の保存に関事項する事項 ( 実施医療機関は 保存す 18) その他治験が適正かつ円滑に行わべき必須文書を 治験依頼者によっれることを確保するために必要な事て保存の必要がなくなった旨の通知項がなされるまで保存すること なお 実施医療機関の長又は治験審査委員会の設置者が記録を保存すべき期間については 各々第 41 条及び第 34 条を参照のこと また 治験依頼者がこれらの規定よりも長期間の保存を必要とする場合には 両者が協議するものであること ) 11) 本基準の規定により治験依頼者及び実施医療機関に従事する者が行う通知に関する事項 12) 被験者の秘密の保全に関する事項 13) 治験の費用に関する事項 ( 治験に係わる金銭の支払いについては 治験依頼者と医療機関との間で 文書で取り決めておかなければならない 3/11

14) 実施医療機関が本基準及び治験実施計画書を遵守して治験を行う旨 15) 治験依頼者が行うモニタリング及び監査並びに治験審査委員会及び規制当局による調査を受け入れること また 治験依頼者のモニター及び監査担当者並びに治験審査委員会及び規制当局の求めに応じて 原資料等の全ての治験関連記録を直接閲覧に供すること 16) 実施医療機関が本基準 治験実施計画書又は当該契約に違反することにより適正な治験に支障を及ぼしたと認める場合 ( 第 46 条に規定する場合を除く ) には 治験依頼者が治験の契約を解除できる旨 ( 第 24 条第 1 項参照 ) 17) 治験に関連して健康被害が発生した場合の補償に関する事項 18) その他治験が適正かつ円滑に行われることを確保するために必要な事項ア ) 治験課題名イ ) 治験内容ウ ) 治験依頼者が提供したデータの記録及び報告の手続きに関する事項エ ) その他必要な事項 ( 治験依頼者に帰属する情報の秘密の保全に関する事項等 ) 4/11

1-2. 実施医療機関の長との契約を規定したことに伴う規定 ICH-GCP 4.2.3( 治験責任医師 : 資源 ( リソース )) 治験責任医師は 治験を適正かつ安全に実施するため 治験の予定期問中に十分な数の適格なスタッフを確保でき また適切な設備を利用できなければならない 4.3.2( 治験責任医師 : 被験者に対する医療 ) 治験責任医師 / 治験実施医療機関は 被験者の治験参加期間中及びその後を通じ 治験に関連した臨床上問題となる臨床検査値異常等の全ての有害事象に対して 十分な医療が被験者に提供されることを保証するものとする 治験責任医師 / 治験実施医療機関は 併発症に対する医療が必要となったことを知った場合には 被験者にその旨を伝えなければならない 4.9.4( 治験責任医師 : 記録及び報告 ) 治験責任医師 / 治験実施医療機関は 治験実施のための必須文書 ( 第 8 章参照 ) 及び適用される規制要件を遵守して治験に関連する文書を保存するものとする 治験責任医師 / 治験実施医療機関は これらの記録が保存義務期問中に紛失又は廃棄されることがないよう措置を講じなければならない ( 実施医療機関の要件 ) 第 35 条実施医療機関は 次に掲げる要件を満たしていなければならない 1) 十分な臨床観察及び試験検査を行う設備及び人員を有していること 2) 緊急時に被験者に対して必要な措置を講ずることができること 3) 実施医療機関設置治験審査委員会が設置されていること ( 第 27 条ただし書の場合を除く ) 4) 治験責任医師等 薬剤師 看護師その他治験を適正かつ円滑に行うために必要な職員が十分に確保されていること 1 実施医療機関は 十分な臨床観察及び試験検査を行うことができ かつ 緊急時に必要な措置を採ることができるなど 当該治験を適切に実施しうるものでなければならない 通常 次の条件を満たすことが必要である 1) 実施医療機関設置治験審査委員会が設置されていること ( 医療機関が小規模であること 医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者の確保が困難であること等の理由により実施医療機関設置治験審査委員会を設置することができない場合を除く ) 2) 当該治験を安全に かつ 科学的に実施するための設備が備わっていること 3) 治験責任医師 治験分担医師 当該治験に関係する薬剤師 検査技師 放射線技師 栄養士及び看護職員等必要な職員が十分揃っていること 4) 治験薬管理者が治験薬の性質及び治験実施計画書を理解し 当該治験薬の適切な保管 管理及び調剤等を実施し得ること 5) 記録等の保存を適切に行い得ること では 治験を実施する医療機関の要件を規定 ICH-GCP では 治験責任医師の責務として適切な設備を有する施設において治験を実施しなければならないことを規定 5/11

( 該当なし ) ( 実施医療機関の長 ) 第 36 条実施医療機関の長は 治験に係る業務に関する手順書を作成しなければならない 2 実施医療機関の長は 当該実施医療機関における治験がこの省令 治験実施計画書 治験依頼者が治験を依頼する場合にあっては治験の契約書 自ら治験を実施する者が治験を実施する場合にあっては第 15 条の 7 第 1 項第 5 号から第 11 号までに規定する文書及び前項の手順書に従って適正かつ円滑に行われるよう必要な措置を講じなければならない 3 実施医療機関の長は 被験者の秘密の保全が担保されるよう必要な措置を講じなければならない 第 1 項 第 2 項 1 実施医療機関の長は 治験の実施に必要な手続きについて文書により定めるものとする 治験に係る業務に関する手順書 は 実施医療機関ごとに定められているべきである なお この手順書は個々の治験ごとに作成する必要はなく 治験に係る業務が恒常的に又は均質にかつ適正に実施されるよう標準的な手順を定めたものであること では 実施医療機関の長の責務を規定 ICH-GCP では 医療機関の長に関する規定はない ( 該当なし ) ( 治験事務局 ) 第 38 条実施医療機関の長は 治験に係る業務に関する事務を行う者を選任しなければならない 1 医療機関の長は 治験の実施に関する事務及び支援を行う者を指定し 又はその組織を設けるものとする ( 以下 治験事務局 という ) では 治験の実施に関する事務を行う者を選任することを規定 ICH-GCP では 治験責任医師の責務として適切に治験を実施するための資源 ( リソース ) を確保することを規定 治験事務局の設置は求めていない 6/11

4.6.1( 治験責任医師 : 治験薬 ) 治験実施施設における治験薬の管理責任は 治験責任医師 / 治験実施医療機関が負うものとする 4.6.2( 治験責任医師 : 治験薬 ) 許容されるか又は要求される場合は 治験責任医師 / 治験実施医療機関は 治験実施施設における治験薬の管理責任の一部又は全部を適切な薬剤師又は治験責任医師 / 治験実施医療機関の監督下にある適当な者に委任することができる ( 治験薬の管理 ) 第 39 条実施医療機関の長は 第 16 条第 6 項又は第 26 条の 2 第 6 項の手順書を治験薬管理者 ( 治験薬を管理する者をいう ) に交付しなければならない 2 前項の治験薬管理者は 第 16 条第 6 項又は第 26 条の 2 第 6 項の手順書に従って治験薬を適切に管理しなければならない 第 1 項 第 2 項 1 実施医療機関における治験薬の管理責任は 実施医療機関の長が負う 2 実施医療機関の長は 実施医療機関において治験薬を適正に管理させるために 治験薬管理者を選任しなければならない では 実施医療機関の長が治験薬管理者を選任することを規定 ICH-GCP では 治験責任医師の責務として規定 治験薬管理者の設置は求めていない 4.9.4( 治験責任医師 : 記録及び報告 ) 治験責任医師 / 治験実施医療機関は 治験実施のための必須文書 ( 第 8 章参照 ) 及び適用される規制要件を遵守して治験に関連する文書を保存するものとする 治験責任医師 / 治験実施医療機関は これらの記録が保存義務期問中に紛失又は廃棄されることがないよう措置を講じなければならない 4.9.5( 治験責任医師 : 記録及び報告 ) 必須文書は 当該治験薬の ICH 地域における最終の製造 ( 輸入 ) 承認後最低 2 年間 かつ ICH 地域において当該治験薬に係る製造 ( 輸入 ) 申請が審査中でなくなるまで 又は臨床開発の公式中止 ( 記録の保存 ) 第 41 条実施医療機関の長は 記録保存責任者を置かなければならない 2 前項の記録保存責任者は 次に掲げる治験に関する記録 ( 文書を含む ) を被験薬に係る医薬品についての製造販売の承認を受ける日 ( 第 24 条第 3 項又は第 26 条の 10 第 3 項の規定により通知を受けたときは 通知を受けた日後 3 年を経過した日 ) 又は治験の中止若しくは終了の後 3 年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間保存しなければならない 第 1 項 1 実施医療機関の長は 実施医療機関において保存すべき記録 ( 文書を含む ) の保存に際しては それぞれの記録ごとに記録保存責任者を定めて保存するものとする 2 治験責任医師は 治験の実施に係る文書を実施医療機関の長の指示に従って保存しなければならない 第 2 項 1 記録保存責任者は 実施医療機関において保存すべき必須文書を 次の 1) 又は 2) の日のうちいずれか遅い日までの期間保存しなければならない ただし 治験依頼者又は自ら治験を実施する者がこれよりも長期間の保存を必要とす では 実施医療機関の長が記録保存責任者を置き 記録保存責任者が記録を保存することを規定 ICH-GCP では 治験責任医師の責務として規定 記録保存責任者の設置は求めていない と ICH-GCP では必須文書の保存期間が異なる 7/11

後最低 2 年間 保存するものとする ただし これらの文書は 適用される規制要件又は治験依頼者との合意によって必要とされる場合は これよりも長期間保存するものとする これらの文書を保存する必要がなくなる時期について治験責任医師 / 治験実施医療機関に知らせるのは 治験依頼者の責任である (5.5.12 参照 ) る場合には 保存期間及び保存方法について治験依頼者又は自ら治験を実施する者と協議するものとする 1) 当該被験薬に係る製造販売承認日 ( 第 24 条第 2 項及び第 3 項又は第 26 条の 10 第 2 項及び第 3 項の規定により開発の中止若しくは治験の成績が承認申請書に添付されない旨の通知を受けた場合には開発中止が決定された若しくは申請書に添付されない旨の通知を受けた日から 3 年が経過した日 ) 2) 治験の中止又は終了後 3 年が経過した日 2 実施医療機関の長又は記録保存責任者は これらの記録がこの保存義務期間中に紛失又は廃棄されることがないように また求めに応じて提示できるような措置を講じなければならない 8/11

2. 治験審査委員会 (IRB) に関する規定 2-1.IRB の設置に関する規定 ICH-GCP ( 該当なし ) ( 治験審査委員会の設置 ) 第 27 条実施医療機関の長は 治験を行うことの適否その他の治験に関する調査審議を行わせるため 実施医療機関ごとに一の治験審査委員会を設置しなければならない ただし 当該実施医療機関が小規模であること 医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者の確保が困難であることその他の事由により当該実施医療機関に治験審査委員会を設置することができない場合において 当該治験審査委員会の設置に代えて次に掲げる治験審査委員会に当該調査審議を行わせるときはこの限りでない 1 実施医療機関の長は 実施医療機関が小規模であること 医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者を治験審査委員会の委員として確保することが困難であること等の理由により自らの実施医療機関に治験審査委員会を設置することができない場合を除き 治験の審査を行うため 治験審査委員会を自らの実施医療機関に設置するものとする では 実施医療機関ごとに IRB の設置が原則必要と規定 ICH-GCP では 設置者に関する規定はない ( 実施医療機関ごとに IRB の設置を求めていない ) 9/11

2-2.IRB への審議依頼に関する規定 ICH-GCP 4.4.1( 治験責任医師 : 治験審査委員会への申請等 ) 治験責任医師 / 治験実施医療機関は 治験開始前に 治験実施計画書 同意文書 ( 及びその最新版 ) 及びその他の被験者への説明文書並びに被験者の募集手順 ( 広告等 ) について 治験審査委員会から 日付入り承認文書を得なければならない ( 治験審査委員会の審査 ) 第 30 条実施医療機関の長は 当該実施医療機関において治験を行うことの適否について あらかじめ 実施医療機関設置治験審査委員会 ( 第 27 条第 1 項本文の規定により設置した治験審査委員会をいう 以下同じ ) 又は同項ただし書の規定により調査審議を行わせることとした治験審査委員会 ( 以下 実施医療機関等設置治験審査委員会 と総称する ) の意見を聴かなければならない 第 1 項 1 実施医療機関の長は 当該実施医療機関において治験を行うことの適否について あらかじめ 第 27 条第 1 項の規定による当該治験を行うことの適否等の調査審議を行わせるために設置した治験審査委員会 ( 実施医療機関設置治験審査委員会 ) 又は当該治験審査委員会の設置に代えて当該調査審議を行わせることとした治験審査委員会 ( 実施医療機関設置治験審査委員会を含めて 実施医療機関等設置治験審査委員会 と総称する ) の意見を聴かなければならない 2 実施医療機関の長は 治験を行うことの適否について実施医療機関等設置治験審査委員会の意見を聴く際は 第 32 条第 1 項各号に掲げられた文書を当該治験審査委員会に提出すること 3 実施医療機関の長は 実施医療機関設置治験審査委員会を設置した場合には 当該医療機関における治験の実施について当該治験審査委員会に意見を求めるものとする 4 実施医療機関の長は 実施医療機関が小規模であること 医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者の確保が困難であること等の理由により実施医療機関設置治験審査委員会を設置す では 治験を行うことの適否について実施医療機関の長が IRB に意見を聴かなければならないと規定 ICH-GCP では 治験責任医師又は治験実施医療機関が IRB から承認を得なければならないと規定 10/11

ることができない場合であって 複数の医療機関の長の協議により共同で治験審査委員会を設置した場合には 当該医療機関における治験について当該共同で設置した治験審査委員会に意見を求めるものとする 5 実施医療機関の長は 実施医療機関が小規模であること 医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者の確保が困難であること等の理由により実施医療機関設置治験審査委員会を設置することができず かつ共同の治験審査委員会を設置しない場合には 当該医療機関における治験の実施について 第 27 条第 1 項第 2 号から第 5 号までに規定する治験審査委員会に意見を求めるものとする 11/11