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指定国官庁への手続 ( 指定国官庁としての日本国特許庁に対する手続 法第 68 条の 9~ 第 68 条の 39) 第 7 章では 国際登録出願において 海外の出願人が日本国を指定した場合に 指定国官庁としての日本国特許庁に対する手続について説明します 第 7 章 指定国官庁に対する手続 第 1 節指定国官庁としての日本国特許庁への手続概要 1. 日本国特許庁では 日本国を指定した国際登録出願に関し 国際事務局からの 指定通報 を受け実体審査を行います この実体審査により拒絶理由を発見した場合は 出願人に 暫定的拒絶通報 を WIPO 国際事務局を経由して送付します 在外者である海外の出願人は 暫定的拒絶通報 に対し意見書や補正書等の手続を行う場合は 国内代理人を選任したうえで日本国特許庁に手続を行うことになります ( なお 中途受任となるため 委任状の提出が必要です ) 2. 審査の結果 拒絶の理由が発見されなかった場合や意見書 補正書によって拒絶の理由が解消した場合 審査官は 登録査定 保護認容声明 及び 支払通知 を起案します 日本国特許庁は 出願人 ( 国内代理人がいる場合は国内代理人 ) へ直接 登録査定 を送付 ( 郵送 ) します また 保護認容声明 支払通知 は 国際事務局を経由して出願人 ( 国際登録簿に記録された代理人 ( 以下 IB 代理人という ) がいる場合は IB 代理人 ) に送付されます この 支払通知 には登録料に相当する個別手数料の第 2 の部分の支払期限日が記載されていますが これに国際事務局の カバーレター が添付されます カバーレター には 支払うべき個別手数料の第 2 の部分の金額と国際事務局の口座が記載されています 出願人が商標権の設定登録を受けたい場合は この登録料に相当する個別手数料の第 2 の部分を国際事務局へ支払います 国際事務局は受領を確認後 日本国特許庁に手数料が支払われた旨を通知し 日本国特許庁ではその通知を受け商標権の設定登録を行います 3. 国際事務局に個別手数料の第 2 の部分の納付がされなかった場合 国際事務局は国際登録簿から指定国日本に関する記録を取消し 日本国特許庁に納付がなかった旨を通知します 日本国特許庁では その通知を受け出願の最終処分として料金未納による取下げを記録します なお 支払期限までに納付をしなかった場合の救済措置はありません 期限を失念して支払を忘れ取り消されたが日本に対して保護を求めたいときは 日本を指定した事後指定書 (M M4) を本国官庁あるいは国際事務局に提出してください ( ただし この場合は事後指定日にされた出願とみなされるため 日本での出願日が繰り下がります ) 82 特許庁国際商標出願室編

4. また 提出された意見書や補正書等によっても拒絶の理由が解消しない場合や 暫定的拒絶通報 の応答期間を過ぎて 何も応答書類が提出されない場合は 審査官は拒絶査定を起案し 日本国特許庁は出願人 ( 国内代理人がいる場合は国内代理人 ) へ直接拒絶査定を送付 ( 郵送 ) します 拒絶査定に対する不服審判の請求期間 (3 ヶ月 ) を経過し 審判請求がなかった出願に対して 日本国特許庁は拒絶確定声明を国際事務局経由で出願人 (IB 代理人がいる場合は IB 代理人 ) に送付します なお 登録異議の申し立て 拒絶査定に対する不服審判 商標登録の取消し審判等は日本国特許庁に手続を行うことになります 5. 日本国特許庁は 指定通報を受けた際に 国際事務局とは別に公開国際商標公報を発行し また商標権の設定登録されたものに関しては 国際商標公報を発行しています 第 2 節国際商標登録出願 1. 国際商標登録出願 [ 法第 68 条の 9] 日本国を指定した領域指定は 国際登録日にされた商標登録出願とみなされます ただし 事後指定は 国際登録簿に記録された事後指定の日にされた商標登録出願とみなされます 2. 日本国特許庁の審査期間 [ 法第 16 条, 令第 2 条 ] 83 特許庁国際商標出願室編

日本国特許庁 ( 指定国官庁 ) は 国際商標登録出願について 領域指定 の通報日から 18 ヶ月以内に拒絶の理由を発見しないときは 商標登録すべき旨の査定を行います なお 上記期間内に拒絶の理由を発見したときは 暫定的拒絶通報 ( 拒絶理由通知に相当 応答期間 3 ヶ月 ) を国際事務局へ送付し 国際事務局は同通報を出願人に転送します 第 3 節代理人の選任 在外者 ( 日本国内に住所又は居所を有しない者 ) である国際商標登録出願人は 商標法の規定に基づく国内手続 ( 意見書 手続補正書の提出等 ) について 日本国特許庁に直接手続をすることができません よって日本国特許庁に手続をするためには 我が国に在住する代理人 ( 商標管理人 ) を選任しなければなりません [ 商標法第 77 条において準用する特許法第 8 条 ] 代理人の選任は 代理人受任届 により行い 代理権を証明する書面 ( 委任状 ) 及び同訳文を添付してください [ 商標施行規則第 22 条において準用する特許施行規則第 4 条の 3] なお 代理権を証明する書面 ( 委任状 ) の代わりに 手続書面に包括委任状番号を記載することもできます 84 特許庁国際商標出願室編

代理人受任届 ( 様式記載見本 ) 書類名 代理人受任届 ( 提出日 平成 25 年 10 月 1 日 ) あて先 特許庁長官殿 事件の表示 出願番号 国際登録第 123456 号 手続をした者 住所又は居所 氏名又は名称 15 chemin des Coiombettes 1131 GENÈVE 10 Suisse PASSIFLORE Société Anonyme 受任した代理人 ( 識別番号 ) 住所又は居所 東京都千代田区霞が関 3-4-3 氏名又は名称 国際太郎 印 提出物件の目録 物件名 代理権を証明する書面 1 又は 包括委任状番号 ( 注 1) 本手続は書面のみに限られ 受任した代理人 欄に ( 識別番号 ) を記載しても 住所又は居所 の記載の省略はできません また 識別ラベルは使用できません ( 注 2) 本件出願が事後指定の場合は 出願番号 の欄に 年 月 日に事後指定が記録された国際登録第 号 のように記載してください ( 注 3) 手続をした者 欄は 国際登録簿に記録された原語で記載してください ( 注 4) 受任した代理人 欄は 受任した代理人の住所 ( 居所 ) 及び氏名 ( 名称 ) を記載し 押印してください ( 注 5) 代理権を証明する書面には訳文を添付してください ( 注 6) 包括委任状による手続において 包括委任状の番号が通知されていないときには 包括委任状番号 の欄に代えて 物件名 の欄を設けて 代理権を証明する書面 と通数を記載し その次に 援用の表示 の欄を設けて 平成 年 月 日提出の包括委任状を援用する と記載し 包括委任状提出書の写し を添付してください ( 注 7) 代理権を証明する書面の提出が間に合わない場合には 提出物件の目録 欄には 代理権を証明する書面は 追って補充する と記載してください ( 後日手続補正書 ( 方式 ) に翻訳文とともに添付して提出してください ) 85 特許庁国際商標出願室編

代理人住所 ( 居所 ) 変更届 ( 様式記載見本 ) 書類名 代理人住所 ( 居所 ) 変更届 ( 提出日 平成 25 年 10 月 1 日 ) あて先 特許庁長官 殿 事件の表示 出願番号 国際登録第 123456 号 住所( 居所 ) を変更した代理人 旧住所又は旧居所 東京都千代田区霞が関 1-3-1 新住所又は新居所 東京都千代田区霞が関 3-4-3 氏名又は名称 国際太郎 印 ( 注 1) 本手続は書面のみに限られ 識別番号及び識別ラベルは使用できません ( 注 2) 本件出願が事後指定の場合は 出願番号 の欄に 年 月 日に事後指定が記録された国際登録第 号 のように記載してください ( 注 3) 代理人が同一であり 届け出の内容が同一の場合は 事件の表示 欄に 出願番号 の項目を繰り返し記載し 一通の書面で2 以上の事件に係る手続をすることができます また 事件の表示 欄に 別紙の通り と記載し 別の用紙に 別紙 と記載して 国際登録番号 ( 事後指定の場合は 年 月 日に事後指定が記録された国際登録第 号 ) を 繰り返し記載した書面を別紙として添付することもできます なお 第 2 番目以降に記載する国際登録番号の前には読点 を付してください ( 注 4) 住所 ( 居所 ) を変更した代理人が複数の場合は 住所 ( 居所 ) を変更した代理人 の欄を 繰り返し記載してください 受任した代理人の住所 ( 居所 ) 及び氏名 ( 名称 ) を記載し 押印してください 86 特許庁国際商標出願室編

第 4 節国際商標登録出願の後の手続書類に関する作成上の一般原則 1. 書面による手続 (1) 国際商標登録出願の手続は 書面により行い 書面は 1 件ごとに作成しなければなりません (2) 書面には 提出者の氏名 ( 名称 ) 及び住所 ( 居所 ) を記載し かつ押印をしてください なお 識別番号による住所の記載の省略 押印に代えた識別ラベルの使用はできません (3) 書面に記載する各項目にはデリミタ ( ) を付してください 2. 書面の言語 (1) 書面は下記 (2) 及び (3) を除き日本語を使用しなければなりません (2) 国際登録の名義人の記載 [ 法施規 5 条の 3] 名義人の氏名又は名称及び住所又は居所 の記載は 国際登録簿に記録された文字と同一の文字を使用しなければなりません (3) 国際登録に係る指定商品 ( 役務 ) の記載 [ 法施規 5 条の 4] 指定商品 ( 役務 ) は英語で記載しなければなりません 3. 様式上の要件 (1) 用紙は 日本工業規格 A 列 4 番 ( 横 21 cm 縦 29.7 cm ) の大きさとし インキがにじまず 文字が透き通らないものを縦長にして 折らずに片面のみを用い 用紙には不要な文字 記号 枠線 罫線等を記載してはなりません (2) 各用紙の提出方法各用紙は 綴じ方はなるべく左綴じとし 容易に分離しやすく 綴じ直すことができるように 例えばステープラー等を用いて綴じて提出してください 4. 国際商標登録出願を特定する番号の表示 国際商標登録出願の後にその出願に関して提出する手続書類には 国際登録番号を記載してください ただし 事後指定による国際商標登録出願では 年 月 日に事後指定が記録された国際登録第 号 のように記載してください 87 特許庁国際商標出願室編

第 5 節国際商標登録出願の特例 1. 国際商標登録出願時の特例 [ 法第 68 条の 10] 国際商標登録出願に係る登録商標及び商標権者と国内登録に基づく登録商標及び商標権者が同一であり 国際商標登録出願に係る指定商品 ( 役務 ) と国内登録に基づく登録商標に係る指定商品 ( 役務 ) とが重複している場合 国際商標登録出願はその重複している範囲について 国内登録に基づく登録商標に係る商標登録出願の日にされていたものとみなされます 2. 出願の特例 (1) 商標登録出願の分割 [ 法第 68 条の 12] 国際商標登録出願は 商標法第 10 条第 1 項に規定する分割出願をすることはできません (2) 出願の変更 [ 法第 68 条の 13] 1 通常の国際商標登録出願を 団体商標の国際商標登録出願に変更することはできません 2 団体商標の国際商標登録出願を 通常の国際商標登録出願に変更することはできません 3 国際商標登録出願を 防護標章登録出願に変更することはできません (3) 補正却下後の新出願 [ 法第 68 条の 18] 国際商標登録出願は 補正却下後の新たな国際商標登録出願をすることができません 第 6 節その他の手続 1. 手続補正の特例 国際商標登録出願については 暫定的拒絶通報 ( 拒絶理由通知 ) の指定期間内に限り 我が国在住の代理人 ( 商標管理人 ) により特許庁長官に対して手続の補正をすることができます [ 法第 68 条の 28 第 1 項 ] また 国際登録の名義人は 事件が日本国特許庁に係属している場合は 直接国際事務局に対し日本についての国際登録の指定商品 ( 役務 ) を限定する変更の記録の申請 (MM 6) をすることができ 出願人は これにより 暫定的拒絶通報に対する応答とすることもできます [ 議 9 条の 2(iii)] 88 特許庁国際商標出願室編

意見書 ( 様式記載見本 ) 書類名 意見書 ( 提出日 平成 25 年 10 月 1 日 ) あて先 特許庁審査官 殿 事件の表示 出願番号 国際登録第 123456 号 国際商標登録出願人 住所又は居所 15 chemin des Coiombettes 1131 GENÈVE 10 Suisse 氏名又は名称 PASSIFLORE Société Anonyme 代理人 住所又は居所 東京都千代田区霞が関 3-4-3 氏名又は名称 国際太郎 印 意見の内容 ( 証拠方法 ) ( 提出物件の目録 ) ( 物件名 ) ( 注 1) 本手続は書面のみに限られ 識別番号及び識別ラベルは使用できません ( 注 2) 本件出願が事後指定の場合は 出願番号 の欄に 年 月 日に事後指定が記録された国際登録第 号 のように記載してください ( 注 3) 本手続に必要な物件の提出方法は 手続補足書での提出ができませんので 必ず本手続の 提出物件の目録 の欄の次に 物件名 の欄を設け その物件名を記載し添付してください 89 特許庁国際商標出願室編

手続補正書 ( 様式記載見本 ) 書類名 手続補正書 ( 提出日 平成 25 年 10 月 1 日 ) あて先 特許庁審査官殿 事件の表示 出願番号 国際登録第 123456 号 補正をする者 住所又は居所 氏名又は名称 15 chemin des Coiombettes 1131 GENÈVE 10 Suisse PASSIFLORE Société Anonyme 代理人 住所又は居所 東京都千代田区霞が関 3-4-3 氏名又は名称 国際太郎 印 手続補正 1 補正対象書類名 国際商標登録願 補正対象項目名 第 14 類 補正方法 変更 補正の内容 第 14 類 指定商品 ( 指定役務 ) Watches, wristwatches, wall clocks. 手続補正 2 補正対象書類名 国際商標登録願 補正対象項目名 第 15 類 補正方法 削除 ( 注 1) 本手続は書面のみに限られ 識別番号及び識別ラベルは使用できません ( 注 2) 商標法第 68 条の 28 第 1 項の規定により 拒絶理由通知書 ( 暫定的拒絶通報 ) の指定された期間内に限り指定商品 役務についての補正をすることができます なお 指定された期間内に 期間延長請求書 を提出した場合は 一回の 1 ヶ月の延長が認められます ( 注 3) 本件出願が事後指定の場合は 出願番号 の欄に 年 月 日に事後指定が記録された国際登録第 号 のように記載してください ( 注 4) 指定商品 ( 指定役務 ) は英語で記載してください ( 注 5) 指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分 の全文を補正する以外は なるべく 商品及び役務の区分 の単位として記載してください ( 注 6) 指定商品 ( 指定役務 ) の補正は 国際登録の範囲内で補正してください なお 類を変更する補正はできません 90 特許庁国際商標出願室編

期間延長請求書 ( 様式記載見本 ) 特許印紙 (2,100 円 ) 書類名 期間延長請求書 ( 提出日 平成 25 年 10 月 1 日 ) あて先 特許庁長官 殿 ( 特許庁審査官 殿 ) 事件の表示 出願番号 国際登録第 123456 号 請求人 住所又は居所 氏名又は名称 15 chemin des Coiombettes 1131 GENÈVE 10 Suisse PASSIFLORE Société Anonyme 代理人 住所又は居所 東京都千代田区霞が関 3-4-3 氏名又は名称 国際太郎 印 請求の内容 ( 注 1) 本手続は書面のみに限られ 識別番号及び識別ラベルは使用できません ( 注 2) 本件出願が事後指定の場合は 出願番号 の欄に 年 月 日に事後指定が記録された国際登録第 号 のように記載してください ( 注 3) 商標法第 77 条第 1 項において準用する特許法第 4 条の規定により 期間の延長できる期間は 一回の 1 月のみです 91 特許庁国際商標出願室編

手続補正書 ( 方式 )( 様式記載見本 ) 書類名 手続補正書 ( 方式 ) ( 提出日 平成 25 年 10 月 1 日 ) あて先 特許庁審査官 殿 事件の表示 出願番号 国際登録第 123456 号 補正をする者 住所又は居所 氏名又は名称 15 chemin des Coiombettes 1131 GENÈVE 10 Suisse PASSIFLORE Société Anonyme 代理人 住所又は居所 東京都千代田区霞が関 3-4-3 氏名又は名称 国際太郎 印 手続補正 1 補正対象書類名 代理人受任届 補正対象項目名 提出物件の目録 補正方法 追加 補正の内容 提出物件の目録 物件名 代理権を証明する書面 1 又は 包括委任状番号 ( 注 1) 本手続は書面のみに限られ 識別番号及び識別ラベルは使用できません ( 注 2) 本件出願が事後指定の場合は 出願番号 の欄に 年 月 日に事後指定が記録された国際登録第 号 のように記載してください ( 注 3) 代理人 欄は 受任した代理人の住所 ( 居所 ) 及び氏名 ( 名称 ) を記載し 押印してください ( 注 4) 代理権を証明する書面には訳文を添付してください ( 注 5) 包括委任状による手続において 包括委任状の番号が通知されていないときには 包括委任状番号 の欄に代えて 物件名 の欄を設けて 代理権を証明する書面 と通数を記載し その次に 援用の表示 の欄を設けて 平成 年 月 日提出の包括委任状を援用する と記載し 包括委任状提出書の写し を添付してください 92 特許庁国際商標出願室編

2. 商標法第 9 条 ( 出願時の特例 ) の適用を受けるための手続 [ 法第 68 条の 11] 国際商標登録出願について 商標法第 9 条第 1 項の規定の適用を受けようとする場合には 出願人は その旨を記載した書面及びその事実を証明する書面を国際商標登録出願の日から 30 日以内に特許庁長官に提出しなければなりません 3. パリ条約の例による優先権主張の手続の特例 国際商標登録出願について パリ条約の例により優先権を主張しようとするときは その旨並びに第一国出願をした国の国名及び出願年月日を記載した書面を国際商標登録出願の日から 30 日以内に提出しなければなりません [ 法第 68 条の 15 第 2 項 ] なお 優先権証明書は国際商標登録出願の日から 3 ヶ月以内に特許庁長官に提出しなければなりません [ 法第 13 条第 1 項 ] 4. 国際登録の名義人の変更手続 (1) 届出の効力国際商標登録により生じた権利の承継は 国際事務局に届け出なければその効力は生じません [ 規則 25(1)(a) 法第 68 条の 16] 名義人の変更をする場合は 国際事務局に 名義人の変更の記録の請求 (MM5) を提出し 所定の手数料を納付してください (2) 名義人の変更に伴う国際商標登録出願国際登録簿の名義人の変更に伴い 指定商品又は指定役務の全部又は一部が分割して移転されたときは 国際商標登録出願は変更後の名義人についてのそれぞれの商標登録出願になったものとみなします [ 法第 68 条の 17] 93 特許庁国際商標出願室編

指定商品 ( 役務 ) の一部分割の例 国際商標登録出願国際登録番号 : 123456 国際登録名義人 : 甲指定商品 : X Y Z 名義人の変更の記録の請求 (MM5) 指定商品 Z を乙に移転 ( 一部移転 ) 国際商標登録出願 国際商標登録出願国際登録番号 : 123456 国際登録番号 : 123456A 国際登録名義人 : 甲国際登録名義人 : 乙指定商品 : X Y 指定商品 : Z 分割により生じた国際出願は 国際登録番号に アルファベット文字 が付与され新たな出願として管理されます (3) 作成要領 名義人の変更の記録の請求 (MM5) の作成要領は 第 4 章第 9 節国際登録の名義人の変更の記録の請求 を参照し これに準じて作成してください なお 我が国在住の代理人が 名義人の変更の記録の請求 (MM5) を国際事務局に提出することにより名義人の変更の手続を行う場合 本手続と同時に国際事務局に対する代理人となるため 国際事務局経由で出願人に発出する各種の通報も代理人に送付されます 第 7 節公報 1. 公開国際商標公報 [ 法第 12 条の 2] (1) 公開国際商標公報国際商標登録出願に関しても出願公開の対象となり 国際事務局から日本国特許庁へ指定通知が通報された後 速やかに 公開国際商標公報 を発行します この公報は国際事務局が発行する公報とは別個に日本国特許庁が発行するものです なお 掲載事項の特例により 一部読み替え規定が設けられています [ 法 68 条の 14] (2) 発行形態公開国際商標公報は 公開商標公報 及び 国際商標公報 と共に 公開 国際商標公報 としてインターネット利用による公報を発行します (3) 発行言語 94 特許庁国際商標出願室編

公開国際商標公報は 英語により作成されますが 出願人の氏名 名称及び住所 居所は国際登録簿に記載された言語で作成され 指定商品 ( 役務 ) については日本国特許庁による参考訳文が付されます なお この参考訳文はあくまでも参考的な性格のものであり 指定商品 ( 役務 ) の範囲は英語により記載されたものをもって判断されます (4) 公開国際商標公報番号公開国際商標公報の番号は 国際登録番号により管理し 新たに公開国際商標公報番号は付与しません (5) 発行周期原則 週 1 回発行となります 2. 国際商標公報 [ 法第 18 条第 3 項 ] (1) 国際商標公報国際商標登録出願に係る商標権の設定の登録があったときは 国際商標公報 を発行します (2) 発行形態国際商標公報は 公開商標公報 及び 公開国際商標公報 と共に 公開 国際商標公報 としてインターネット利用による公報を発行します (3) 発行言語国際商標公報は 英語により作成されますが 出願人の氏名 名称及び住所 居所は国際登録簿に記載された言語で作成され 指定商品 ( 役務 ) については日本国特許庁による参考訳文が付されます なお この参考訳文はあくまでも参考的な性格のものであり 指定商品 ( 役務 ) の範囲は英語により記載されたものをもって判断されます (4) 国際商標公報番号国際商標公報の番号は 国際登録番号により管理し 新たに商標登録番号は付与しません そのため 公開国際商標公報と誤認しやすく 注意が必要です (5) 発行周期原則 週 1 回発行となります 95 特許庁国際商標出願室編

第 8 節登録 1. 商標権の設定の登録 [ 法第 68 条の 19] 平成 15 年 1 月 1 日以降 日本国に係る個別手数料の支払が二段階納付になったことにより 国際商標登録出願について商標登録をすべき旨の査定又は審決後 国際登録に基づく商標権の設定の登録を受けようとする者は 個別手数料のうち第二の部分 ( 登録料相当分 ) を支払わなければなりません 日本国特許庁は 個別手数料の第二の部分 ( 登録料相当 ) の納付があった旨の通報が国際事務局からあったときに商標権の設定の登録を行います 参考 平成 14 年 12 月 31 日以前の国際登録に基づく商標権の設定の登録の特例平成 14 年 12 月 31 日以前の国際商標登録出願は 個別手数料が一括納付 ( 登録料相当含む ) であったことから 商標登録をすべき旨の査定又は審決があったときに商標権の設定の登録を行います 2. 国際登録に基づく商標権の設定の登録に必要な個別手数料 (1) 納付金額 1 件ごとに 380 スイスフラン (37,600 円に相当する額 ) に区分の数を乗じて得た額 (2) 納付先国際事務局 ( 送金方法は 第 5 章手数料第 2 節 6. 国際事務局への支払方法 を参照してください ) (3) 納付時期商標登録すべき旨の査定又は審決と同時に送付する NOTIFICATION OF SECOND PART OF INDIVISUAL FEE : 個別手数料 ( 登録料 ) 支払通知 の支払期限までとなります 支払期限は発送日から 3 ヶ月以内です 支払期限までに個別手数料の納付がされなかった場合の救済措置はありません なお 日本国特許庁は同通知を国際事務局へ送付し 国際事務局は同通知を出願人又は IB 代理人へ通報しますので 我が国に在住する代理人 ( 商標管理人 ) が 同通知を受領することはありません 注 平成 14 年 12 月 31 日以前の国際登録に基づく商標権の設定の登録に係るものは上記の支払は発生しません 96 特許庁国際商標出願室編

3. 商標登録証 [ 法第 71 条の 2] 商標権の設定の登録が行われた後に 商標登録証を商標権者 ( 又は 存在する場合は日本国内の代理人 ) に交付致します 商標登録証は日本語で作成されますが 指定商品 ( 役務 ) は英語で 商標権者は国際登録簿に記録された文字で作成されます 問い合わせ先登録証に関することは 以下にお問い合わせください 審査業務課登録室国際商標担当内線 2706 番 4. 国際登録に基づく商標権の消滅 [ 法第 68 条の 20 第 2 項 ] 国際登録に基づく商標権は 基礎とした国際登録が全部又は一部について消滅したときは その消滅した範囲で指定商品又は指定役務の全部又は一部について消滅したものとみなします 消滅の効果は 国際登録簿から当該国際登録が消滅した日から生じます 5. 国際登録に基づく商標権の存続期間 [ 法第 68 条の 21] 国際登録に基づく商標権の存続期間は 国際登録の日から 10 年をもって終了します なお 商標権の存続期間は以下の更新料の支払により更新することができます (1) 納付金額 1 件ごとに 490 スイスフラン (48,500 円に相当する額 ) に区分の数を乗じて得た額 なお 更新手続の際には 基本手数料として 653 スイスフランが別途必要になります ( 詳細は 第 5 章手数料第 2 節 3. 国際登録の存続期間の更新の申請 を参照してください ) (2) 納付先国際事務局 (3) 納付時期存続期間の満了前 6. 商標原簿への登録の特例 [ 法第 68 条の 27] 商標原簿への登録の特例のうち 国際登録に基づく商標権の存続期間の更新 移転 変更又は消滅は 国際登録簿に登録されたところによります なお 国際登録に基づく商標原簿は 日本国特許庁独自の番号は付与せず 国際登録番号で管理します 97 特許庁国際商標出願室編

第 9 節登録異議の申立て 1. 作成要領 登録異議の申立てに関する書類の作成は 商標法施行規則第 12 条様式第 13 に従い作成してください なお 商標登録異議申立書は インターネット利用による国際商標公報の発行の日の翌日から起算して 2 月が提出期限です ( 商標法第 43 条の 2) 第 10 節審判 1. 作成要領 拒絶査定に対する審判 及び 補正の却下の決定に対する審判 に関する書類の作成要領は このテキスト 第 7 章第 4 節国際商標登録出願の後の手続書類に関する作成上の一般原則 及び商標法施行規則第 14 条様式第 14 の 2 を参照し これに準じて作成してください なお 審判請求期間は 以下のとおりです 拒絶査定不服審判 : 査定の謄本の送達のあった日から 3 月以内 ( 商標法第 44 条 ) 補正却下不服審判 : 決定の謄本の送達があった日から 3 月以内 ( 商標法第 45 条 ) また 商標登録の無効の審判 及び 商標登録の取消しの審判 に関する書類の作成は 商標法施行規則第 14 条様式第 15 に従い作成してください 問い合わせ先審判の手続に関することは 以下にお問い合わせください 無効審判 取消審判審判課特許侵害業務室侵害第 4 担当内線 5804 番拒絶査定不服審判 補正却下不服審判 登録異議申立審判課第 9 担当内線 3682 番 98 特許庁国際商標出願室編

審判請求書 ( 様式記載見本 ) 特許印紙 ( 円 ) 書類名 審判請求書 ( 提出日 平成 25 年 10 月 1 日 ) あて先 特許庁長官 殿 審判事件の表示 出願番号 国際登録第 123456 号 審判の種別 拒絶査定に対する審判事件 商品及び役務の区分の数 審判請求人 住所又は居所 15 chemin des Coiombettes 1131 GENÈVE 10 Suisse 氏名又は名称 PASSIFLORE Société Anonyme ( 国籍 ) ( 電話番号 ) ( ファクシミリ番号 ) 代理人 住所又は居所 東京都千代田区霞が関 3-4-3 氏名又は名称 国際太郎 印 ( 電話番号 ) ( ファクシミリ番号 ) 請求の趣旨 原査定を取り消す 本願の商標は登録すべきものとする との審決を求める 請求の理由 証拠方法 提出物件の目録 物件名 ( 注 1) 本手続は書面のみに限られ 識別番号及び識別ラベルは使用できません ( 注 2) 本件出願が事後指定の場合は 出願番号 の欄に 年 月 日に事後指定が記録された国際登録第 号 のように記載してください ( 注 3) 本書と同時に手続補正書の提出はできません ( 注 4) 商品及び役務の区分の数 には拒絶査定時の区分数を記載し その区分数に応じた金額を納めてください なお 拒絶査定後審判請求までの間に国際事務局に 商品及び役務の一覧表の減縮の請求書 (MM6) を提出し区分を削除した場合は 審判請求書に MM6 の写しを添付する事により 当該欄に削除後の区分数を記載し 削除後の区分数に応じた金額を納付することが可能です 99 特許庁国際商標出願室編

第 11 節商標登録出願等の特例 1. 国際登録の取消し後の商標登録出願の特例 [ 法第 68 条の 32] (1) 国際登録の取消し ( セントラルアタック ) 後の商標登録出願の特例議定書第 6 条 (4) に規定するセントラルアタックにより 我が国を指定する国際登録の対象であった商標について 国際登録されていた指定商品 ( 役務 ) の全部又は一部が取り消されたときは 当該国際登録の名義人は取り消された指定商品 ( 役務 ) の全部又は一部について 我が国に新たな商標登録出願をすることができます 商標法第 68 条の 32 第 1 項の規定による商標登録出願をするときは ( 手数料の表示 ) の欄の次に その他 の欄を設けて その旨及び議定書第 6 条 (4) の規定により取り消された国際登録の番号を記載してください ( 当該国際登録が事後指定に係るものであるときは 事後指定が国際登録簿に記録された日を記載してください ) (2) 特例の要件上記 (1) の特例による商標登録出願は 次の要件に該当するときには 国際登録日 ( 又は事後指定の日 ) にされたものとみなします 1 国際登録が取消された日から 3 ヶ月以内に商標登録出願をすること 2 国際登録の対象であった標章と商標登録出願の標章が同一であること 3 商標登録出願に係る指定商品 ( 役務 ) が 国際登録における指定商品 ( 役務 ) の範囲に含まれていること (3) 優先権主張の効果国際商標登録出願について パリ条約による優先権の主張 ( 商標法第 13 条で準用する特許法第 43 条 ) 又はパリ条約の例による優先権の主張 ( 商標法第 9 条の 3 又は第 13 条で準用する特許法第 43 条の 2) が認められていたときは 商標登録出願にも優先権が認められます 2. 議定書廃棄後の商標登録出願の特例 [ 法第 68 条の 33] (1) 議定書廃棄後の商標登録出願の特例議定書の廃棄の規定 ( 議定書第 15 条 ) により 国際登録の名義人が国際出願をする資格を有するものでなくなったときは 国際登録されていた指定商品 ( 役務 ) について新たな商標登録出願をすることができます 商標法第 68 条の 33 第 1 項の規定による商標登録出願をするときは ( 手数料の表示 ) の欄の次に その他 の欄を設けて その旨及び議定書第 15 条 (5)(b) の規定による議定書の廃棄に係る国際登録の番号を記載してください ( 当該国際登録が事後指定に係るものであるときは 事後指定が国際登録簿に記録された日を記載してください ) (2) 特例の要件 100 特許庁国際商標出願室編

上記 (1) の特例を受けようとする者は 次の要件に該当するときは商標登録出願は国際登録日 ( 又は事後指定の日 ) にされたものとみなします 1 議定書の規定による廃棄の効力が生じた日から 2 年以内に商標登録出願をすること 2 国際登録の対象であった商標と商標登録出願の商標が同一であること 3 商標登録出願に係る指定商品 ( 役務 ) が国際登録における指定商品 ( 役務 ) の範囲に含まれていること (3) 優先権主張の効果国際商標登録出願について パリ条約による優先権の主張 ( 商標法第 13 条で準用する特許法第 43 条 ) 又はパリ条約の例による優先権の主張 ( 商標法第 9 条の 3 又は第 13 条で準用する特許法第 43 条の 2) が認められていたときは 商標登録出願にも優先権が認められます 第 12 節商標登録出願と国際商標登録出願 ( 指定国官庁 ) との相違点 国際商標登録出願項目商標登録出願 ( 指定国官庁 ) 手続オンライン可オンライン不可 紙手続のみ書類の様式墨付き括弧 を項目に使用 申請人制度利用できる利用できない手続書面に記載したときは住所を省識別番号の記載はできるが 住所又は居識別番号の記載略できる所 の住所の省略はできない識別ラベル貼付できる貼付できない予納制度利用できる利用できない出願人が在外者のときは 国内代理代理人の選任 人が必須包括委任状援用できる ( 商標法条約に基づく ) 代理人の住所 ( 居申請人単位で1 通を申請人登録室へ出願毎に特許庁長官に提出所 ) 変更提出代理人の氏名 ( 名申請人単位で1 通を申請人登録室へ出願毎に特許庁長官に提出称 ) 変更提出代理人の印鑑変申請人単位で1 通を申請人登録室へ出願毎に特許庁長官に提出更提出住所変更は MM9 を国際事務局へ提出出願人の住所 ( 居申請人単位で1 通を申請人登録室へ所 ) 変更提出 出願人の氏名 ( 名称 ) 変更 名義変更 申請人単位で 1 通を申請人登録室へ提出 出願毎に特許庁長官に提出 名称変更は MM9 を国際事務局へ提出 名義人の変更の記録の申請 MM5 を国際事務局へ提出 101 特許庁国際商標出願室編

指定商品 役務の補正 事件が係属しているときはいつでもできる 拒絶理由通知で指定した期間に限る ( 拒絶査定不服審判の請求後 30 日以内の期間も補正はできない ただし 商品 役務の減縮の申請 MM6 は 事件が係属している間 いつでも国際事務局に提出できる ) 補正却下後の新出願 できる できない 出願の変更 できる できない 出願の分割 できる できない パリ優先権主張願書に記載する国際出願の願書 MM2 に記載する パリ優先権証明書 出願の日から 3 月以内に提出 提出義務なし パリ条約の例によ国際出願の日から30 日以内に特許庁長官願書に記載するる優先権主張に提出 上記証明書 出願の日から 3 月以内に提出 国際出願の日から3 月以内に特許庁長官に提出 博覧会等へ出展し国際出願の日から30 日以内に特許庁長官たときの出願時の願書に記載するに提出特例 上記証明書 出願の日から 30 日以内に提出 国際出願の日から30 日以内に特許庁長官に提出 登録料の納付 特許庁長官に納付する 国際事務局へ納付する 更新登録料の納付 特許庁長官に納付する 国際事務局へ納付する 通信言語 日本語 英語 指定商品 役務 日本語 英語 事件の表示 出願番号 国際登録番号 出願人の表示 日本語 国際登録簿に記録された文字 代理人の表示 日本語 日本語 102 特許庁国際商標出願室編