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3. インドネシア (1) 法令等整備状況インドネシアの意匠制度に関する法令等として 以下の法律 規則 審査基準 及び出願人向け解説等が提供されている (i) 法律 意匠法 122 (2000 年 12 月 20 日法律第 31 号 2001 年 6 月 14 日施行 ) 意匠に関する事項を規定する独立した法律である また 以下の解説が提供されている 意匠法解説 123 ( 資料編 3-2) (ii) 規則 政令等 意匠規則 124 (2005 年規則第 1 号 )( 資料編 3-1) 意匠に関する規則を規定する独立した政令である また 以下の解説が提供されている 意匠規則解説 125 ( 資料編 3-3) (iii) 職員向け基準 ガイドライン等 意匠審査基準 (DGIPR 提供 非公開 ) はじめに では 意匠の定義から始まり 審査では何が行われるか 審査が必要な理由 誰がどのように行うか等が解説されている A. 意匠の予備審査 では その内容として 物理的審査 ( 方式審査 ) 明確性及び単一性 分類付与の審査 公序良俗規定 等が解説されている B. 意匠の調査 では 調査対象として 登録された出願 処理中の出願 一般の刊行物 各国の意匠データベース が挙げられている C. 意匠の実体審査 では 類似性 同一性 について 例示を用いた詳細な解説がなされている 122 特許庁外国産業財産権制度情報インドネシア意匠法 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/s_sonota/fips/mokuji.htm( 最終訪問日 2012 年 8 月 1 日 ) 123 PENJELASAN ATAS UNDANG-UNDANG REPUBLIK INDONESIA NOMOR 31 TAHUN 2000 TENTANG DESAIN INDUSTRI( 意匠法解説 ) http://www.djpp.depkumham.go.id/inc/buka.php?czoy NzoiZD0yMDAwKzAmZj11dTMxL TIwMDBwamwuaHRtIjs=( 最終訪問日 2012 年 8 月 1 日 ) 124 インドネシア知的財産総局 (DGIPR) ウェブサイト PERATURAN PEMERINTAH REPUBLIK INDONESIA NOMOR 1 TAHUN 2005 TENTANG PELAKSANAAN UNDANG-UNDANG NOMOR 31 TAHUN 2000 TENTANG DESAIN INDUSTRI ( インドネシア意匠規則 2005 年第 1 号 )( インドネシア意匠規則 2005 年第 1 号 ) http://www.dgip.go.id/images/adelch-images/pdf-files/uu_pp/ppdi_1_2005.pdf 125 インドネシア知的財産総局 (DGIPR) ウェブサイト 上記意匠規則の後半に添付されている http://www.dgip.go.id/images/adelch-images/pdf-files/uu_pp/ppdi_1_2005.pdf( 最終訪問日 2013 年 1 月 21 日 ) 43

(iv) 出願人向けガイドライン 願書記載案内等出願人向けの資料として 願書様式 126 ( 資料編 3-5) 審査フロー図 127 ( 資料編 3-6) 料金表 128 ( 資料編 3-7) があり 本報告書の資料編に仮訳を収録したが 以下の本文でも一部を紹介する (2) 意匠登録制度の所管部局 インドネシア知的財産権総局 (Directorate General of Intellectual Property Rights: DGIPR) http://www.dgip.go.id/ 下記組織図 129 の意匠部 (Direktorat DI(Desing Industry)) が担当部署 となる (3) 統計情報 130 (i) 直近 5 年の意匠登録出願件数 2007 2008 2009 2010 2011 意匠登録出願件数 4,473 3,866 4,201 4,047 4,196 うち海外からの出願件数 4,244 1,000 600 1,060 1,458 うち日本からの出願件数 ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) 387 126 DGIPR ウェブサイト http://www.dgip.go.id/images/adelch-images/pdf-files/formulir_di.pdf( 最終訪問日 2013 年 1 月 21 日 ) 127 DGIPR ウェブサイト http://www.dgip.go.id/images/adelch-images/pdf-files/flowchart_di.pdf( 最終訪問日 2013 年 1 月 21 日 ) 128 DGIPR ウェブサイト http://www.dgip.go.id/images/adelch-images/pdf-files/tarif_di.pdf ( 最終訪問日 2013 年 1 月 21 日 ) 129 DGIPR ウェブサイト http://www.dgip.go.id/tentang-kami/profil-pimpinan-djhki( 最終訪問日 2013 年 1 月 21 日 ) 130 アンケート調査回答による これ以外のアンケートによる統計データ調査項目に関してはデータが無いとのことで 数字が得られなかった 44

(ii) 直近 5 年の意匠登録件数 2007 2008 2009 2010 2011 意匠登録件数 978 1423 2045 4538 5367 うち海外からの登録件数 ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) うち日本からの登録件数 ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) (iii) 審査等に要する期間 (2012 年のデータ ) 審査全体に要する期間 :6 月 出願から方式審査を完了するまでの平均期間 :3 月 出願から出願公告までの平均期間 :3 月 出願から最初の実体審査結果を通知するまでの平均期間 :12 月 出願から公報発行までの平均期間 :13 月 (iv) 審査結果最終処分内訳 (2011 年データ ) 登録 5367 件 拒絶 620 件 (4) 意匠登録制度の枠組み (i) 意匠保護の対象意匠法において 意匠 とは 形状 輪郭又は立体若しくは平面形状における線又は色彩からなる構図若しくは線及び色彩又はそれらの組み合わせに関する創作であって 美的価値を有し 立体又は平面図形に実現可能で 製品 物品 工業製品又は手工芸品の生産に使用されるものである と規定されている ( 意匠法第 1 条 (1)) 意匠審査基準では 形状 は意匠の複雑な線の単なる外形線又は外形 輪郭 は意匠における複雑な形状又は組み合わされた形状 線及び / 又は色彩の構図 は 意匠の表面に適用される模様 ( ここで 模様は色彩のない模様又は色彩のパターンのみからなる ) と説明されている 131 物品又は製品の一部に関して意匠の定義に明確に言及されていないため 部分意匠制度の有無は不明確であるが 保護を受けようとする部分を実線で 保護を求めない部分を点線で描き分けることは可能である ( 意匠規則第 6 条 (1)(g)) (ii) 審査フロー図 以下に意匠出願の審査フロー図 132 を示す ここでは公開の後 異議申 し立てのあった意匠のみが実体審査の対象となるフローとなっているが 131 意匠審査基準 C.3.(1) 意匠の定義の更なる説明 132 DGIPR ウェブサイト http://www.dgip.go.id/images/adelch-images/pdf-files/flowchart_di.pdf( 最終訪問日 2013 年 1 月 21 日 ) 45

運用としてすべての意匠について実体審査が行われている 133 (iii) 使用する意匠分類 134 ロカルノ分類 ( 第 9 版 ) が使用される 独自の意匠分類は存在しない (iv) 出願出願様式 135 への記載事項は以下のとおりであり これらの内容はインドネシア語での記載が求められる ( 意匠法第 11 条 ) また 4 部の謄本の提出 ( 意匠規則第 4 条 (1)) 及び出願に係る意匠が出願人若しくは創作 133 ヒアリング調査結果 134 アンケート調査結果 135 DGIPR ウェブサイト http://www.dgip.go.id/images/adelch-images/pdf-files/formulir_di.pdf( 最終訪問日 2013 年 1 月 21 日 ) 46

者の所有するものであることを陳述する公印若しくは公証人の認証のある陳述書 ( 以下の 権利者宣言 ) の提出が求められる ( 意匠規則第 5 条 (1)) 出願人 : 氏名 国籍 住所 電話 /FAX 納税者番号 代理人 : 氏名 住所 法人名 代理人番号 メールアドレス 電話 /FAX 意匠の名称 創作者の氏名及び国籍 優先権主張の有無有りの場合 : 国名 優先日 優先権番号 意匠の分類 ( ロカルノ分類 ) 以下の同封資料の有無チェックリスト 委任状 譲渡証 権利者宣言 優先書類及びその翻訳文 優先権を伴う意匠の書類( 出願書類 ) 及びその翻訳文 その他( 詳細記載 ) 以下の資料の謄本 3 部 意匠の説明又は図面の説明意匠の説明には 保護を受けようとする意匠の説明及び当該意匠を付した物品又は製品の説明を含める ( 意匠規則第 6 条 ) 見本 図面又は写真( 番号記載 ) 出願人の署名 出願人がインドネシア国外に居住する場合は インドネシアに居所を 持つ代理人を通じての出願が求められ ( 意匠法第 14 条 ) 委任状の提出 が必要となる ( 意匠規則第 5 条 (2)(b)) 意匠の説明には 保護を受けようとする意匠の説明及び当該意匠を付した物品又は製品の説明を含めることとなっており ( 意匠規則第 6 条 (3)) 具体的には 以下の事項を含める ( 意匠規則解説第 6 条 (3)) (1) 保護を受けようとする意匠の部分を明らかにする解説又は陳述 (2) 新規性を伴う意匠の部分を明らかにする解説又は陳述 (3) 意匠の物品又は製品について 意匠の物品又は製品への用途の範囲を説明する陳述 意匠は 製品及び物品そのものではないが 意匠の保護の範囲を限定するために出願した意匠が付される製品又は物品に関連するもの 47

また 複数の意匠であっても 意匠の単一性を有するか同一クラスに属するのであれば 一の出願として出願することができる ( 意匠法第 13 条 ) ここでいうクラスとはロカルノ分類のクラスを指し また 例えば一組のカップとティーポットは一の意匠とされる ( 意匠法解説第 13 条 ) 出願日は 出願人が以下の要件を満たし 出願書類が受理された日とされる ( 意匠法第 18 条 意匠規則 11 条 ) (1) 出願様式の謄本 4 部への必要事項の記入 (2) 出願意匠の図面等及びその説明の謄本 3 部の添付 (3) 出願料の支払い (v) 意匠の表現物及び表現手法表現手法に関して A4 サイズの白紙 (100g/m2 から 200g/m2) を使用すること 連続番号を付すること 図面の外観を説明する情報を伴うこと 上部の余白は 2.5cm 下部左右の余白は 2cm とすること 保護を求めない部分は点線で示すこと 図面データを記録したフロッピーディスクを添付してもよいこと等が意匠規則第 6 条 (1) に規定されている 動的意匠はいくつかの変化のバリエーションを表示して示すことが認められる 136 法令等に図面の必要枚数や図法などを規定する条項は見当たらないが 意匠審査基準には図面として 一組の図面 ( 正投影図法 ) 及び追加の参照図 / 参考図 が示されており 追加の参考図 には斜視図が例示されている また 色彩及び影を用いた場合 意匠の説明に記述を求めている また ジグザグ符号を用いて中央部を省略し 端部を描く手法を紹介している 137 写真は白黒が望ましいが カラー写真も要件が満たされていれば可としている インスタント写真は長期保存の観点から不可としている 写真のコピーは明瞭であれば受付けられる 背景や影は削除すべきとしている A4 サイズであればそのまま使用できるが それより小さい場合は A4 サイズの紙に貼り付けることを求めている 138 (vi) 優先権外国での出願が受理されてから 6 月以内にされた出願については 優先権を主張することできる ( 意匠法第 16 条 ) 優先権を主張して出願を行う場合 優先権書類として外国での先の出願の出願書類の認証謄本が必須であり また すでに権利が付与されている場合は意匠権の認証謄本 及び当該意匠が新規であることを判断す 136 意匠審査基準 A. 意匠の予備審査 2. 物理的審査 137 意匠審査基準 A. 意匠の予備審査 2. 物理的審査 a. 図面 138 意匠審査基準 A. 意匠の予備審査 2. 物理的審査 b. 写真 48

るためのその他の書類の謄本を求められる可能性がある ( 意匠法第 17 条 ) 外国語の書類は 優先権出願期限から 3 月以内にインドネシア語の 翻訳文の提出が必要となる ( 意匠法第 16 条 ) (vii) 登録要件方式要件 ( (5)(ii)) に加え 実体審査では 1 意匠の新規性 2 法規 公序良俗 宗教又は道徳に違反する事項 3 出願の単一性 4 意匠の表現の明瞭性について審査が行われる ( 意匠規則第 24 条 )( (5) (v)) 新規性については 出願日又は優先権主張がある場合は優先日の前にインドネシア国内外において公表された意匠と同一でない場合に 新規性があるものと認められる ( 意匠法第 2 条 ) 本規定における 同一 についてインドネシア最高裁判所は 実質的に同一 と解されると判示した ( (7) 意匠権に係る判例について ) (viii) 新規性喪失の例外規定 ( グレースピリオド ) インドネシア国内または国外での公の又は公とみなされる博覧会においての展示又は教育 研究 開発目的での創作者による国内での試験的使用が新規性喪失の例外として認められる ( 意匠法第 3 条 ) 公の博覧会とは政府主催の博覧会 公とみなされる博覧会とは政府の認定又は承認得ている民間主催博覧会である ( 意匠法解説第 3 条 ) (ix) 出願公開制度 第三者による情報提供方式審査 ( (5)(ii)) の後 意匠法第 4 条 ( 公序良俗 ) 及び同第 11 条 ( 願書及び図面等の提出 記載要件 手数料 ) 並びに意匠規則第 4 条 ( 願書及び図面等の提出 記載要件 ) 及び同第 9 条 ( 優先権 ) に規定する要件を満たす出願は 出願日から 3 月以内に公告される ( 意匠法第 25 条 意匠規則第 16 条 ) 公告から 3 月の間 何人も実体的な事由の異議を申立てることができる ( 意匠法第 26 条 (1) 及び (2) 意匠規則第 16 条 (1) 及び第 17 条 (1)) これ以外の情報提供に関する規定は見当たらなかった (x) 公開繰り延べ又は秘密意匠制度 公開の時期は 出願時に出願人の請求により出願日又は優先日から 12 月を超えない範囲で延期を請求することができる ( 意匠法第 25 条 (4) (5)) (xi) 権利付与前の異議申立制度方式審査終了後の公告後 3 月の間 何人も実体的な事由の異議を申立てることができる ( 意匠法第 26 条 (1) 及び (2) 意匠規則第 16 条 (1) 及び第 17 条 (1)) 異議申立は明確な理由を陳述し 書面により DGIPR に申 49

し立てる ( 意匠規則第 16 条 (2)) 異議の申立があった場合 その異義が出願人に通知され 出願人は当該通知の送付日から 3 月以内に答弁することができる ( 意匠法第 26 条 (3) 及び (4)) また 申立があったときは 審査官による実体審査 ( (5) (v)) が行われる ( 同条 (5)) 異議及び答弁は当該出願の登録又は拒絶の審査における参考資料として提供される ( 同条 (6)) 異議を認めるか否かの決定は 公告終了日から 6 月以内に下される ( 同条 (7)) したがって DGIPR はこの期間内に実体審査を完了させる必要がある 139 その決定は 出願人又は代理人に対して当該決定の日から 30 日以内に書面で通知される ( 同条 (8)) (xii) 登録手続 登録に要する費用異議申立による又は運用による実体審査で拒絶理由が見つからなかった場合 あるいは実体審査で拒絶理由が通知され 通知から 30 日以内に補正がなされ DGIPR の補正の受領から 30 日以内に補正が拒絶されなかった場合 DGIPR は意匠登録証を交付し 権利を付与する 意匠登録証は出願日から有効とする ( 意匠法第 29 条 意匠規則第 25 26 29 条 ) 登録までに要する費用としては 出願時に 600,000 インドネシアルピア (IDR) 140 登録時に登録証交付手数料 100,000IDR を支払うこととされている 141 (xiii) 意匠権の存続期間及び権利の効力範囲意匠権の存続期間は出願日から 10 年である ( 意匠法第 5 条 ) 意匠権者は 自ら所有する意匠を実施する排他的権利を有し 他の者が承認を得ずに意匠権が付与された意匠の製品を製造 使用 販売 輸入, 輸出及び / 又は頒布することを禁止する権利を有するが 当該意匠の使用が研究及び教育を目的とし, 意匠権者の利益を損わない場合は 除外される ( 意匠法第 9 条 ) (xiv) 無効理由 権利付与後の異議申立制度 無効審判制度登録意匠の取消訴訟は 新規性 現行の法規 公序良俗規定に反する場合 利害関係者による商務裁判所への訴訟が可能であるが 異議申立てあるいは無効審判制度は法令に見当たらなかった ( 意匠法第 38 条 ) (xv) 拒絶査定不服審判制度及びその他の審判制度 方式審査にて要件を満たさない場合 出願人へ不備が通知され 通知 139 意匠審査基準 ii. はじめに e. いつそしてどのくらいの期間 実体審査が行われるか? 140 日本銀行 基準外国為替相場及び裁定外国為替相場 ( 2013 年 2 月に適用 ) に基づくと 1,000IDR= 約 8.74 円 141 アンケート調査結果 料金表 50

の送付日から 3 月以内の補正が求められる この期間は 出願人の請求に基づいて最長 1 月延長できる ( 意匠法第 19 条 意匠法解説第 19 条 ) 期間内に不備が解消されなかった場合 出願は取り下げられたものとみなされたことが通知される ( 意匠法第 20 条 ) この通知に対して 通知を受けた日から 30 日以内の不服申し立てが可能である ( 意匠法第 24 条 (3)) 不服申立てが認められなかった場合 商務裁判所に訴訟を提起することができる ( 意匠法第 24 条 (5)) 公告期間中の異議申立てによって又は運用として実施される実体審査において拒絶された場合 出願人は不服を申し立てることができ また 不服申し立てが認められなかった場合 商務裁判所に訴訟を提起することができる ( 意匠法第 28 条 ) (xvi) その他 意匠保護の枠組みや出願等に関する手続き 特になし (5) 審査業務内容 (i) 審査業務を行う体制 ( 業務分担 決裁権限等 ) 願書の記載が手続要件に合致しているかどうかの審査官は専門の担当者が 3 名 意匠分類を付与 管理している専門の審査官は 10 名 実体審査を担当する審査官は 12 名となっている (ii) 登録前に行う意匠審査の範囲意匠法第 4 条 ( 公序良俗 ) 第 11 条 ( 願書及び図面等の提出 記載要件 手数料 ) 第 13 条 ( 単一性 ) 第 14 条 ( 外国出願人の場合の国内代理人の委任等 ), 第 15 条, 第 16 条及び第 17 条 ( 優先権 ) に関する方式審査が行われる ( 意匠法第 19 条 第 20 条及び第 24 条 (1)) 意匠規則によれば 方式審査は出願日から 30 日以内に実施されることとなっており 物理的審査 方式要件及び意匠の開示の明瞭性を含む 意匠規則第 4 条 ( 願書及び図面等の提出 記載要件 ) ないし同第 9 条 ( 優先権 ) についての審査が行われることとされている ( 意匠規則 11 条 ) ここでいう 物理的審査 とは 形式 種類 大きさ及び出願に添付されている図面の添付など 出願の物理的な質に関連するその他の事項の審査をいう また 方式要件 の審査とは 願書 意匠の図面 意匠の説明及びその他の出願関連書類など備わっていなければならない出願の審査をいう 意匠の開示の明瞭性 の審査とは 出願した意匠の範囲に関する審査をいい 意匠法第 1 条 (1) に規定されている意匠の定義 同第 13 条に規定されている出願の単一性 同第 4 条 ( 公序良俗等 ) の審査を含む ( 以上 意匠法規則解説 11 条 ) 審査官が不備を発見した場合は 出願日から 30 日以内に出願人又はその代理人に通知をする 出願人又はその代理人は 通知の発送日から 3 51

ヶ月以内に応答しなければならない 応答は出願人又は代理人からの申請により 1 月まで延長できる ( 意匠法第 19 条 意匠規則第 11 12 13 条 ) 単一性の審査において 複数の意匠が見られた場合 分割を求める通知が出され 出願人が期間内に分割を行わなかった場合 審査官は 出願に最も関連のある分類の出願についてのみ審査を行う ( 意匠規則第 13 条 ) 意匠法第 4 条 ( 公序良俗等 ) について不備がある場合は 拒絶をする旨が出願人に通知され 出願人は通知を受けた日から 30 日以内に不服を申し立てなければならない ( 意匠法第 24 条 ) 方式審査の後 意匠法第 4 条 ( 公序良俗 ) 及び同第 11 条 ( 願書及び図面等の提出 記載要件 手数料 ) 並びに意匠規則第 4 条 ( 願書及び図面等の提出 記載要件 ) 及び同第 9 条 ( 優先権 ) に規定する要件を満たす出願は 出願日から 3 月以内に公告される ( 意匠法第 25 条 意匠規則第 16 条 ) (iii) 分類付与に関する業務 ( 意匠分類を付与する業務及び出願人が付与した分類が不適切な場合の業務等 ) 方式審査における 意匠の開示の明瞭性 の審査時に 分類付与も行われる ( 意匠規則第 12 条 (5)) 意匠の分類は以下の流れで決定される ( 意匠審査基準 A. 予備審査 4. 分類 ) 1. 意匠の製品名 / 名称が意匠の表現と適合していることを確認する ( 適合していない場合 最も適した名称を決定する 2. 分類の決定 a. 決定した名称に基づき ロカルノ分類の物品のリストで同義語を調査する b. 物品の名称が広すぎる場合 種類及び機能により より詳細な他の名称に変更して調査する c. 出願人による名称がロカルノ分類の名称に似ている場合 変更してもよい d. 審査官が 物品が何であるかを結論付けたとき 分類及び副分類のリストを使用してインデックス付けがされる (iv) 審査順の定め方 ( 法令上は ) 異議の申し立てられた案件のみ実体審査対象となるが その審査は受付順で行われる 142 142 ヒアリング調査結果 52

(v) 実体審査等の内容現行の法制では 出願公告後に実体的な事由の異議申立があった場合に実体審査が行われることになっているが ( 意匠法第 26 条 (5)) 現在 DGIPR では異議の有無にかかわらず全ての出願に対し実体審査を行う運用がなされている 143 意匠法解説によると 意匠法第 26 条 (5) でいう実体審査とは 意匠法法第 2 条 ( 新規性 ) 及び第 4 条 ( 公序良俗等 ) に基づく出願の審査であって 出願された意匠の新規性という側面を既存の基準を用いて判断することをいう 実体審査は 該当する業務を行うために特別に訓練を受け 任命される専門家である審査官により行われる 意匠分野の審査官及び他の知的財産分野の審査官は 専門知識の特性及び一定の業務範囲に基づき 専門職員としての身分が与えられる ( 意匠法解説第 26 条 (5)) 実体審査は 1 意匠の新規性 2 法規 公序良俗 宗教又は道徳に違反する事項 3 出願の単一性 4 意匠の表現の明瞭性について行われる ( 意匠規則第 24 条 ) 全件実体審査を運用で行っていることについて ヒアリングで確認したところ 以前 無審査で登録された意匠に関して問題が続発し その後局長の指示で全件について審査を実施すようになったが 法令 規則は改訂されておらず 運用で実施しているとの回答があった 144 (vi) 知財庁からの不登録事由に関する通知内容及び出願人による不備の治癒出願人又はその代理人は 出願から登録が付与されるまで間 出願した意匠の範囲を拡大しない場合は 出願に対し修正又は補正を行うことができる 修正又は補正によりその範囲が拡大される場合 その修正又は補正は認められない ( 意匠規則第 20 条 ) 方式審査で出願書類や優先権書類に不備が見つかった場合 出願人又は代理人に不備が通知され 通知の発送日から 3 月以内に不備に対する応答を求められる 応答は出願人又は代理人からの申請により 1 月まで延長できる 期限内に応答が得られない場合 出願が取り下げられたものとみなされ 手数料の払い戻しはされない ( 意匠規則第 11 条 ) また 方式審査において意匠の説明 図面又は出願の単一性を含む図面の説明の明瞭性が欠如している場合は 出願から 30 日以内に出願人又は代理人に通知され 通知の発送から 3 月以内に補正が求められる この場合も申請により 1 月の延長が認められる 応答されない場合又は補正によっても明瞭性の欠如が解消されない場合 出願が取り下げられたものとみなされ 手数料の払い戻しはされない ( 意匠規則第 12 条 ) 143 ヒアリング調査結果 144 ヒアリング調査結果 53

方式審査において 一以上の意匠が見られた場合は 出願の日から 30 日以内に出願の分割を求める通知がなされ 通知の送付日から 3 月以内に出願を分割しなければならない この期限は申請により 1 月まで延長が可能である 期限までに出願の分割が行われない場合 出願に最も関連のある分類の出願についてのみ審査が行われる ( 意匠規則第 13 条 ) 実体審査において 現行の法規 公共の秩序 宗教又は道徳に違反する事項を含むことが判明した場合 出願は拒絶され 出願人又は代理人に通知される この拒絶の通知の発送から 30 日以内であれば修正を行うことができる 総局は修正を受領した日から遅くとも 30 日以内に修正を承認するか又は拒絶するかの決定を下し 修正を認める場合は出願手続きが継続される ( 意匠規則第 25 条 ) しかし 実際には拒絶に対する出願人の対応は反対意見を提出することだけであり DGIPR は修正を受付けていない 145 (vii) 権利の有効性又はサーチレポートの作成の有無に関する情報登録された意匠について 請求等により権利の有効性を評価する手続はない また 先行意匠の調査において確認された 意匠の登録の可否に直接関わらない先行意匠を参考情報として提供するサービスもない 146 (viii) 先行意匠調査の対象範囲 ( 先願 登録意匠 意匠公報調査対象国 公知文献等 ) 意匠規則においては 対応する分類においてこれまでに出願された意匠の公表について調査を行い 出願を審査 比較する と規定されている ( 意匠規則第 24 条 (3)) 先行意匠調査の対象は インドネシアの登録意匠 処理中の先願 一般の刊行物 海外の知的財産庁データベース (AU EU US WIPO シンガポール 香港 ) である 147 ただし 先行意匠調査のための専用のシステムは有さず また 外部のデータベースとの契約は行っていない 148 (ix) 先行意匠調査にかける期間 先行意匠調査にかける時間 調査対象意匠件数などの質問に対しては 回答が得られなかった 149 145 ヒアリング調査結果 146 アンケート調査結果 147 意匠審査基準 B. 意匠の調査 2. 調査の資料及び調査における他のいずれかの事項 アン ケート調査結果 148 アンケート調査結果 149 アンケート調査結果 54

(6) その他意匠制度の運用等に関する情報 (i) 審査等の業務内容に関する品質管理体制 手法審査官のトレーニング 審査官同士のディスカッションなどを行っている 150 (ii) 審査官を育成するための研修 基礎及び上級意匠審査研修 知財一般研修及び国内外特定意匠研修 151 (iii) 意匠制度に関する海外知的財産庁との会合 今のところ二国間の協力はない 152 (iv) 意匠登録制度に関する外国からの物的支援及び研修等の提供 WIPO JPO 等からの能力強化支援 153 (v) その他意匠制度に関し海外の機関から受けている支援 ( 交通費支援等 ) 韓国から キャパシティ ビルディングに係る支援が始まったところ である 154 (vi) 模倣品対策に関する国内関係部署との連携 ( 税関 警察 ) 一つは実施差止め命令に関するもの 155 権利侵害された権利者は警察 又は裁判所へ行く DGIPR は法廷での証人になる 156 (vii) 意匠登録制度の利用促進や活用支援に関する取り組み ( ユーザー向け説明会 研修 各種料金の減免 補助金等 ) に関する情報 DGIPR 及び / 又は他の機関 関係者と共に実施される 157 特に中小企業に対して登録費用の減額 中小企業は出願 登録費用が大企業の半額に設定されている 158 (7) 意匠権に係る判例について アンケート調査 ヒアリング調査に対し DGIPR から適当な判例の紹介が なかったので 外国産業財産権制度セミナー 2011 年 11 月で紹介された例 150 ヒアリング調査結果 151 アンケート調査結果 152 ヒアリング調査結果 153 アンケート調査結果 154 ヒアリング調査結果 155 アンケート調査結果 156 ヒアリング調査結果 157 アンケート調査結果 158 アンケート調査結果 料金表 55

を示す 159 なお 本判決については JETRO 模倣対策マニュアル インドネシア編 160 に詳細が紹介されている 判決番号 : 022K/N/HaKI/2005 判決日 : 2005 年 10 月 24 日原告 ( 上告人 ): 本田技研工業株式会社被告 ( 被上告人 ): PT.ANGLO SAMA PERTAMA MOTOR 知的財産総局 原告が登録意匠 ID0000109 ID0000106 を取得しているところ 被告が自身の新聞広告により公開した後に出願した意匠により登録意匠 ID0006493 を取得した 被告のリアコンビネーションランプは原告のものと酷似していた 原告は既に公知となっている意匠を出願した被告企業及びその意匠登録を認めた知的財産総局 (DGIPR) を提訴した スラバヤ商務裁判所で 新聞広告と登録意匠は細部が異なる として原告敗訴判決が下されたが 原告はこれを不服として上告し 最高裁判所は TRIPS 協定第 25 条第 1 項を引き合いにして 意匠の 同一 とは 実質的同一 である として 原告逆転勝訴の判決が下った (8) 参考文献 (i) 意匠法 (2000 年 12 月 20 日法律第 31 号制定 ) (ii) 意匠規則 PERATURAN PEMERINTAH REPUBLIK INDONESIA NOMOR 1 TAHUN 2005 TENTANG PELAKSANAAN UNDANG-UNDANG NOMOR 31 TAHUN 2000 TENTANG DESAIN INDUSTRI (iii) 意匠法解説 PENJELASAN ATAS UNDANG-UNDANG REPUBLIK INDONESIA NOMOR 31 TAHUN 2000 TENTANG DESAIN INDUSTRI (iv) 意匠規則解説 PENJELASAN ATAS PERATURAN PEMERINTAH REPUBLIK INDONESIA NOMOR 1 TAHUN 2005 TENTANG PELAKSANAAN UNDANG-UNDANG NOMOR 31 TAHUN 2000 159 インドネシアの知的財産権制度と模倣対策 (2011 年 1 月 ハキンダ インターナショナル山本芳栄 )http://iprsupport-jpo.go.jp/joho/pdf/indonesia-ipsystem2010.pdf( 最終訪問日 2013 年 1 月 22 日 ) 160 模倣対策マニュアル インドネシア編 (2008 年 3 月 ) 添付資料 10 p.108 http://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/manual/pdf/indonesia1.pdf ( 最終訪問日 2013 年 1 月 22 日 ) 56

TENTANG DESAIN INDUSTRI (v) BRICs およびアジア諸国の意匠制度 ( 日本知的財産協会 2012 年 3 月 30 日 ) 57

2013 年 2 月 特許庁委託平成 24 年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業 ASEAN 諸国の意匠登録制度及びその運用実態に関する調査研究 本調査研究報告書の著作権は特許庁に帰属します 作成 : 一般社団法人日本国際知的財産保護協会 105-0001 東京都港区虎ノ門 1-14-1 郵政福祉琴平ヒ ル 4 階電話 (03)3591-5315 FAX (03)3591-1510 http://www.aippi.or.jp/