EMC Virtual Infrastructure for Microsoft SharePoint Server Enabled by EMC CLARiiON and VMware vSphere 4

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Transcription:

EMC CLARiX および VMware vsphere 4 によって実現する Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ 詳細レビュー EMC 情報インフラストラクチャ ソリューション US ホワイトペーパー翻訳版 要約 お客様は 規模が拡大してもスケールによってパフォーマンスが低下しない Microsoft SharePoint ファームを設定するためのベスト プラクティスを求めています より多くのお客様が 高度に統合され 仮想化されたデータ センターやプライベート クラウドに移行しつつあり これによって パフォーマンスの問題が発生しやすくなります 本ソリューションは SharePoint 2010 ファームに対して大規模なパフォーマンス テストを実施することによって ファームの各コンポーネントの拡張方法を示すとともに EMC が推奨する Microsoft EMC および VMware のベスト プラクティスに従った構成について示すものです 2010 年 8 月

Copyright 2010 EMC Corporation. 不許複製. 本文書に記載されている情報は 文書の発行日時点で正確だとみなされている情報です この情報は予告なく変更されることがあります 本文書に記載される情報は 現状有姿 (AS IS) の条件で提供されています EMC Corporation は 本文書に記載される情報に関する どのような内容についても表明保証条項を設けず 特に 商品性や特定の目的に対する適応性に対する黙示の保証はいたしません 本文書に記載された EMC ソフトウェアの使用 複製 配布については 適用されるソフトウェアライセンスを必要とします 最新の EMC 製品名リストについては http://japan.emc.com/ にある EMC Corporation の商標 を参照してください 他のすべての名称ならびに製品についての商標は それぞれの所有者の商標または登録商標です パーツ番号 :h8024-j Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 2

目次 エグゼクティブ サマリー... 5 ビジネス ケース... 5 ソリューションの概要... 5 主な結果... 6 追加機能のサポート... 6 概要... 7 目的... 7 範囲... 7 対象読者... 7 主なコンポーネント... 8 コンポーネント リスト... 8 EMC CLARiX CX4-240... 8 VMware vsphere... 8 EMC PowerPath/VE... 9 物理的アーキテクチャ... 10 概要... 10 物理的アーキテクチャの図... 10 環境プロファイル... 11 ハードウェア... 11 仮想割り当て... 11 ソフトウェア... 12 ファーム... 12 ソリューションの設計と検証... 13 概要... 13 VMware インフラストラクチャ... 16 Microsoft SQL Server 2008... 16 Microsoft SharePoint 2010 VM リソース... 16 設定に関する観察事項... 16 テスト方法... 17 概要... 17 データ入力... 17 テスト ツール... 17 負荷生成... 17 許容可能なユーザー レスポンス タイム... 17 SharePoint ユーザー プロファイル... 18 概要... 18 参照... 18 検索... 18 変更... 18 プロファイル ミックス... 18 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 3

ユーザー レスポンス タイムの計算式... 19 テスト結果 :80% 参照 10% 検索 10% 変更... 20 概要... 20 1 秒あたりに通過したテスト... 20 オペレーション タイプごとの平均時間... 21 平均 CPU 使用率 (%)... 22 平均および最大 IOPS... 23 ESX サーバ 仮想マシン CPU およびメモリ使用率... 24 テスト結果 :70% 参照 5% 検索 25% 変更... 25 概要... 25 1 秒あたりに通過したテスト... 25 オペレーション タイプごとの平均時間... 26 平均 CPU 使用率 (%)... 26 平均および最大 IOPS... 27 ESX サーバ 仮想マシン CPU およびメモリ使用率... 28 テスト結果 :50% 参照 20% 検索 30% 変更... 29 概要... 29 1 秒あたりに通過したテスト... 29 オペレーション タイプごとの平均時間... 29 平均 CPU 使用率 (%)... 30 平均および最大 IOPS... 31 ESX サーバ 仮想マシン CPU およびメモリ使用率... 32 まとめ... 33 サマリー... 33 最適なストレージ設計... 33 簡素化されたホスト環境設定... 33 コスト効率... 33 将来の拡大のサポート... 33 次のステップ... 34 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 4

エグゼクティブ サマリー ビジネス ケース Microsoft Office SharePoint 2010 は 数多くの組織におけるコア ビジネスのアプリケーション プラットフォームとしてすぐに普及しました SharePoint はその豊富な機能で容易にコア ビジネス システムと統合されるため すぐにミッション クリティカルなアプリケーションとなります お客様は 規模が拡大したとしてもパフォーマンスが低下しない Microsoft SharePoint ファームを設定する方法に関するベスト プラクティスを求めています また より多くのお客様が 高度に統合され 仮想化されたデータ センターやプライベート クラウドに移行しつつあり これによってパフォーマンスの問題が発生しやすくなります このため ベスト プラクティスを理解することが重要です SharePoint の優れた検索機能は コンテンツ管理 ビジネス コラボレーション ワークフロー プロセス およびその他の生産性機能 ( ビジネス インテリジェンス 情報アクセシビリティなど ) に対する理想的なプラットフォームになります この理由においても SharePoint は適切に保護しなければならない重要なビジネス プラットフォームです SharePoint 2010 はアプリケーション設計者に一層の拡張性をもたらします たとえば BDC(Business Connectivity Services) によって SharePoint 設計者は外部のサービスやデータベースから大量のデータを直接統合できるようになりました SharePoint の SLA(Service Level Agreement) を順守し続ける課題がある一方 IT リソースはより多くのことを より速く実現できるように拡張されており これが IT コスト ビジネスにおける障害発生といったリスクの継続的管理と同時に行われています 組織は SharePoint の可用性と保護に対する要求を管理するだけではなく データ センターの効率性を万全なものにしながら将来の拡大に向けて十分に準備しておく必要があります ソリューションの概要 十分なパフォーマンスを備えた エンタープライズ クラスの SharePoint 2010 ファームを構築するための要件を正確に理解することは IT プロフェッショナルにとって困難な挑戦となります 連携コラボレーション プラットフォームであること また数多くのパーツに分かれており それぞれが CPU ネットワーク ストレージといった点で異なるニーズを伴うことから 適切なガイドなしに適切なソリューションを構築することはほぼ不可能に近いといえます まずはこれを明確に理解することが重要です 本ソリューションは 十分なパフォーマンスを備えた エンタープライズ クラスの SharePoint 2010 ファームを示すものです このファームはコスト パフォーマンスと拡張性に優れ 可用性の高いものになります EMC のテクノロジーと専門技術によって 本ソリューションは確実に最大の効率で 管理および維持が可能な形で稼働します EMC CLARiX CX4-240 アレイはストレージと統合を提供します VMware vsphere による仮想化は VMware High Availability と連動して SharePoint ファーム全体にサーバの高可用性と統合をもたらします VMware vcenter Server は ESX ホストの使用率をモニタすることによって 利用可能なすべてのホスト サー Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 5

バ ハードウェアが均一に利用され 最適なファーム パフォーマンスが実現されるようにします 本ソリューションは SharePoint 2010 ファームに対して大規模なパフォーマンス テストを実施することによって ファームの各コンポーネントがどのようにスケールするかを示すとともに EMC が推奨する Microsoft EMC および VMware のベスト プラクティスに従った構成について示すものです 主な結果 本ソリューションの検証テストの主な結果は次のとおりです 本ソリューションに従い構成された SharePoint ファームは 最大許容ユーザー数 200,000 人以上を維持します ストレージの統合は 一貫した方法で連携環境の将来的な保護を実現するための鍵となります EMC CLARiX CX4-240 によって 優れたストレージ統合パフォーマンスと柔軟性がもたらされます 分散されたストレージ モデルはこれに対応しません EMC Navisphere Manager および VMware vcenter は 全体にわたり卓越したエンド ツー エンドのソリューション管理を提供します VMware vsphere 4.0 は 8 個の vcpu をサポートし SQL サーバなど CPU 依存の仮想マシンがファームの必要パフォーマンスを維持するために十分な処理能力を確保できるようにします 追加機能のサポート 本ソリューションは 次に示す追加機能をサポートしています これらはいつでも実装できます 注 これらの機能は検証テストの対象とはなりませんでしたが 拡張性を示す例となります EMC Replication Manager による迅速なバックアップとリカバリ EMC RecoverPoint および SRM(VMware Site Recovery Manager) による自動災害復旧の統合 EMC SourceOne アーカイブを用いたリモート BLOB ストレージ RSA Data Loss Prevention による情報漏えい保護 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 6

概要 目的 このホワイト ペーパーは EMC と Microsoft Corporation 双方のアプリケーション エキスパートによるコラボレーション活動によって作成されたものです 本書によって 可用性 スケーラビリティ 保護を確実なものにする SharePoint ファームを拡張するための優れたソリューションが示されます 本書はお客様および EMC フィールド担当者を対象としており EMC CLARiX CX4-240 ストレージ アレイ上に仮想 SharePoint 2010 ファームを設計 構築する際の ( 結果を予測可能とするための ) ガイドとなります 範囲 本ホワイト ペーパーは エンタープライズ クラスの Microsoft Office SharePoint 2010 仮想環境が EMC テクノロジーによってどのように合理化 統合化 簡素化され 高パフォーマンスで拡張性の高いソリューションへと変わるかを示すものです 本書は特に次のような点について説明します 大規模かつ非常に活動的なデータベースを持った 仮想 Microsoft SharePoint 2010 ファーム向けに パフォーマンスの高いストレージ設計を実施する VMware vsphere サーバ上に SharePoint 2010 ファームを設計および展開する ユーザー ロードが大きい状況での SharePoint 2010 ファームのパフォーマンスを報告する 本環境の計画およびテスト時においては お客様のアプリケーション体験を最優先事項としました 本ホワイト ペーパーでは お客様がいかにして最高レベルのパフォーマンスと可用性を確保しつつ SharePoint へのコストを削減できるかを示すものです 迅速なバックアップ 自動災害復旧 アーカイブ およびセキュリティに関する追加の要件も 本ソリューションの設計段階で検討されました 対象読者 本ホワイト ペーパーの対象読者は EMC 社内開発チーム プロフェッショナル サービス グループ およびお客様の環境において Microsoft SharePoint 2010 の導入を行うシステム統合パートナーです 本書は Microsoft SharePoint 2010 の計画およびインストールに関心のあるお客様にも適しています Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 7

主なコンポーネント コンポーネント リスト このセクションでは 検証されるソリューション環境の主要なコンポーネントについて確認し 簡単に説明します コンポーネントは次のとおりです EMC CLARiX CX4-240 EMC PowerPath /VE VMware vsphere 4.0 VMware vcenter Server 4.0 EMC CLARiX CX4-240 ストレージのパフォーマンスが高ければ SharePoint 環境のパフォーマンスも高まります 仮想化の高可用性を活用するには 柔軟な共有ストレージ ソリューションが必要です EMC CLARiX CX4 シリーズ アレイによって これら両方の要件が満たされます EMC CLARiX CX4 モデル 240 は ( 最大容量 231 TB まで ) シームレスに拡張できる高性能ネットワーク ストレージ システムであり より多くのアプリケーションを統合できます CLARiX CX4-240 は CLARiX の実証済みのファイブ ナイン (99.999%) の可用性と フラッシュ ドライブ 仮想プロビジョニング 64 ビット オペレーティング システム マルチ コア プロセッサなどの革新的なテクノロジーとを組み合わせます CLARiX CX4-240 の UltraFlex テクノロジーによって デュアル プロトコル (iscsi および FC) オンラインで拡張可能な接続オプションを利用でき また将来のテクノロジーの統合にも対応できます CLARiX CX4-240 によって お客様は CX4 の先進的な機能を使用して 予期しない出来事からデータを保護し 消費電力を削減できます VMware vsphere VMware vsphere 4 は 業界で最も普及している仮想化プラットフォームです このプラットフォームは データ センターを動的で合理化されたインフラストラクチャへと移行し プライベート パブリック ハイブリッドのクラウド環境を実現する唯一の基盤です VMware vsphere は 可用性 セキュリティ リソース最適化 ビジネス継続性に関する非常に包括的な独自機能によって どのような規模のお客様にも選ばれるプラットフォームとなりました VMware vsphere は 基盤となる複雑なインフラストラクチャからアプリケーションとデータを抽象化し 社内クラウド インフラストラクチャを構築します そのため IT 組織はビジネス価値のサポートと活性化に注力できます 次のようなメリットがあります コスト削減と IT 効率性の最大化 サービス レベルの自動化による IT 制御の向上 自由な選択で IT 部門を強化 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 8

EMC PowerPath/VE EMC PowerPath/VE では PowerPath マルチ パス機能によって VMware vsphere 仮想環境を最適化します PowerPath/VE により 異機種が混在する物理および仮想環境にわたるパス管理を標準化できます また 動的な仮想環境でサーバ ストレージ パスの使用率を自動的に最適化できます これにより 高度な統合環境で 数百または数千に及ぶ仮想マシン および I/O 集中型アプリケーションに対して手動でロード バランシングを行う必要がなくなります Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 9

物理的アーキテクチャ 概要 本環境は 3 台の VMware vsphere サーバで構成します これらの VMware vsphere サーバには SharePoint 2010 ファームを稼働させるために必要なインフラストラクチャ全体 ( ドメイン コントローラ アプリケーション サーバ WFE (Web フロント エンド ) など ) が含まれます Microsoft SharePoint Server 2010 は データ ストアに Microsoft SQL Server 2008 を使用します EMC CLARiX CX4-240 は SharePoint ファーム全体の十分なパフォーマンスを確保しつつ 柔軟かつ可用性の高いストレージを提供します VMware vsphere によって 仮想化によるサーバの統合が実現します 物理的アーキテクチャの図 次の図に 検証されるソリューション環境の全体的な物理的アーキテクチャを表します Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 10

環境プロファイル ハードウェアリソース 次の表に 本ドキュメントのソリューションを検証する際に使用するハードウェアを示します ハードウェア数量構成 ストレージ アレイ 1 次の仕様を伴う EMC CLARiX CX4-240 SP あたり 8 個の FC ポートと 4 個の iscsi ポート FLARE 29-04.29.000.5.003 40 * 450 GB / 15k rpm FC ドライブ VMware ESX ホスト 3 4 ソケットのクアッド コア (16 コア ) Xeon X7350 2.93 GHz 48 GB RAM VMware vcenter Server ネットワーク スイッチ ファイバ チャネル スイッチ 1 4 ソケットのクアッド コア Xeon X5355 2.66 GHz 16 GB RAM 2 48 ポート スタックのネットワーク スイッチ 2 32 ポートのファイバ チャネル 4 GB スイッチ 仮想割り当て 本環境で使用するハードウェア リソースの仮想割り当てを次に示します 仮想マシンの役割数量構成 WFE(Web フロント エンド ) 6 4 個の vcpu 8 GB RAM アプリケーション サーバ 2 2 個の vcpu 4 GB RAM クロール サーバ 2 4 個の vcpu 8 GB RAM クエリー サーバ 2 4 個の vcpu 8 GB RAM MS SQL サーバ 2 8 個の vcpu 32 GB RAM ドメイン コントローラ 2 2 個の vcpu 4 GB RAM Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 11

ソフトウェアリソース 次の表に 本ドキュメントのソリューションを検証する際に使用するソフトウェアを示します ソフトウェア Windows Server 2008 Enterprise Edition R2 バージョン情報 RTM VMware vsphere 4.0 Microsoft SQL Server 2008( 64 ビット Enterprise Edition) Microsoft Office SharePoint Server 2010 SP1 RTM PowerPath(PowerPath/VE) 5.4 Visual Studio Test Suite 2008 Sp1 KnowledgeLake Docloader 1.1 ファームリソース 次の表に SharePoint サーバのファームのリソースを示します 項目 数量 / タイプ / サイズ SharePoint ファームのユーザー データ 1 TB 同時アクセス 1% サイト コレクション 10 サイト コレクションあたりのサイト 1 VMware vsphere サーバ ( 物理的 ) 3 ノード Microsoft SQL 2008 サーバ (VM) 2 Web フロント エンド (VM) 6 アプリケーション サーバ (VM 中央管理サーバもホスティング ) SharePoint 2010 クロール サーバ (VM) 2 2 SharePoint クエリー サーバ (VM) 2 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 12

ソリューションの設計と検証 概要 本環境の設計を検証する際の手順は 次に示す順序で行いました EMC ソフトウェアとハードウェアにまつわる エンタープライズ レベルの SharePoint Server ファーム ソリューションの設計および実装に必要な手順を特定する エンタープライズ SharePoint 2010 ファームを CLARiX CX4-240 プラットフォーム上に展開する KnowledgeLake VSTS シミュレーション コードで生成したワークロード セットを実行して vsphere アーキテクチャ上でファームのパフォーマンス テストを実行する SharePoint ファームの設定 SharePoint ファームは パブリッシュ ポータルとして設計されました このファームは 1 TB のユーザー コンテンツを格納するもので それぞれ 100 GB のランダム ユーザー データを格納する 10 個の SharePoint サイト コレクション ( ドキュメント センター ) によって構成されています SharePoint コンテンツ データベースは次のような設計としました : 130 GB の LUN 上に 110 GB のデータ ファイル ( この余裕を持たせたレイアウトは SQL インデックス再構築と SharePoint 拡散によって生じ得る また予期されるコンテンツ データベースのデータ ファイル増大に対応するものです ) 10 GB の LUN 上に 9 GB のログ ファイル (SharePoint データベース ログ ファイルは BLOB( バイナリ ラージ オブジェクト ) ファイルの変更やアップロードによって急速に増大します ) SharePoint 2010 ストレージのベスト プラクティス SQL Server 2008 ベスト プラクティスに従って RAID 1/0 LUN 上に TempDB データベースを配置した 検索データベース ( プロパティ ストアおよびクロール ストア ) にはファーム内でいくつか最高負荷の I/O が発生するため これらのデータベースを RAID 1/0 LUN 上に配置した これらのデータベースには それぞれ 100 GB LUN が割り当てられ 合計でファーム コンテンツの 10% を構成した コンテンツ データベースの I/O 負荷が比較的低いため RAID 5 LUN 上にコンテンツ データベースを配置した SharePoint 2010 では クロール サーバ インデックス LUN は増分クロール データのみを保持するため SharePoint 2007 の場合よりもはるかに小さくなります これらの LUN は 1 TB のコンテンツ DB の場合でもわずか数ギガバイトで済むようになりました クロール サーバ インデックスを RAID 5 LUN 上に配置した クエリー サーバ インデックス LUN はパーティション分割されているため 比較的小さかった このソリューションでは 2 台のクエリー サーバにはそれぞれコンテンツ インデックス ファイルの半分が格納された クエリー サーバ インデックスを RAID 5 LUN 上に配置した SharePoint 検索 SharePoint 2010 の新しい検索サーバは SharePoint ファームにおける設計上の検 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 13

設定 討事項を新たにもたらします これまで SharePoint 2007 においては 検索サービスは 1 台のクロール サーバで構成されていました このサーバによって検索コンテンツ インデックス ファイルのクロールやメンテナンスが行われた後 各クエリー サーバに完全に複製されました コンテンツ インデックスのメタデータは SQL サーバ上の SSP 検索データベース内に保持されました これら 2 つのインデックス ストア間の不一致があると すべてのコンテンツ データのフル クロールが必要になりました SharePoint 2007 では 1 台のクロール サーバのみがサポートされており これが単一障害点となりました SharePoint 2010 では 検索サーバは複数のクロール サーバで構成されます これらのクロール サーバによって SQL server サーバ上の各クロール ストアおよびプロパティ ストアに対してクロールや格納が実行されます これらのクロール サーバがコンテンツ インデックス ストアをホストする必要はなくなりました クエリー サーバがそれらの間にあるコンテンツを分割することで それぞれがコンテキスト インデックス ファイルの 1 つのサブセットのみを保持するようになり クエリーがそれらの間に分散されます プロパティ ストアはすべてのインデックス付けされたコンテンツの信頼できるソースとなり クロール サーバと同期する必要はありません SharePoint 2007 と SharePoint 2010 との間にはこのような違いにより クロール サーバではキャッシュ作成時に 5% から 30% のユーザー コンテンツ サイズではなくわずかなスペース (500 MB) が使用されるのみとなりました 検索サービスでは 複数のクエリー サーバにわたりインデックス コンテンツが分配 分散されるようになりました 本ソリューションでは OSearch(Office SharePoint Search Server サービス ) が使用されました 検索は 2 台のクロール ( 以前のインデックス ) サーバで設定されました クロール用検索インデックスはこれら 2 台のクロール サーバ間でパーティション分割されました 検索は 2 台のクエリー サーバで設定されました 検索インデックスはこれら 2 台のクエリー サーバ間で分割されました SharePoint 2010 のプロパティ ストア データベースを専用の RAID 1/0 LUN 上に配置しました このデータベースが検索リポジトリとなります SharePoint 2010 のクロール ストア データベースを専用の RAID 1/0 LUN 上に配置しました このデータベースは増分クロールが実行され 更新が必要な場合に使用されます 増分クロールは 15 分おきに発生するよう設定しました ネットワークの構成 ネットワーキングに関する SharePoint のベスト プラクティスは VLAN( 仮想ローカル エリア ネットワーク ) に特化したもので エンティティとしてのファームのセキュリティ パフォーマンスを支援するための境界の設定には NIC が使用されました パブリック ネットワーク プライベート ネットワークの両方に対して 分散スイッチが vsphere に作成されました クライアントとデータ センターのバックエンド ネットワークとの間の論理境界を作成するために WFE がデュアル ホーム化されました SQL サーバではプライベート ネットワークのみが使用されました Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 14

ディスク レイアウト 本環境では SQL SharePoint 2010 のコンテンツ データベースそれぞれに対して 100 GB を使用しました 合計 1 TB のユーザー データ (4,600,000 ドキュメントと同等 ) を 130 GB のボリューム上に 100 GB x 10 のコンテンツ データベースとして分割し RAID 5 の利用により 400 GB x 5 のディスクに分散して冗長性を確保しました すべての VM で システムおよびコンテンツ ドライブ用に CX4-240 を使用しました 検索および TempDB データベースには RAID 1/0 LUN が割り当てられました ボリューム レイアウト エンクロージャ RAID グループ RAID タイプ ボリューム 0_0 0 R5 1 R5 SharePoint 構成データベース SQL システム データベース DC アプリケーション インデックス およびクエリー OS インデックス データ コンテンツ データベース ログ WFE OS SQL およびクエリー OS クエリー データ 1_2 2 R5 コンテンツ データベース 0_2 および 1_2 5 R1/0 6 R1/0 検索データベース SQLTemp データベース検索データベース SQLTemp データベース 0_2 および 1_2 20/21 HS ホット スペア 注 :RAID グループについては 前述のディスク レイアウト図を参照してください Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 15

VMware インフラストラクチャ VMware VSphere 4.0 が 3 台のサーバにインストールされ ファーム VM をホストしました パブリック ネットワーク プライベート ネットワークに対して 分散スイッチが作成されました VM は 3 台のサーバにわたって可能な限り均一になるように分散されました VM ブート ディスクはすべて CLARiX 上のデータ ストアにある VMDK とした セカンダリ ディスクはすべて CLARiX 上の Raw デバイス (RDM) とした Microsoft Clustering EMC Replication Manager といった製品との将来的な使用を考慮し 柔軟性をより高めるために RDM を選択した ファーム VM を設定 維持するために 別個の物理 vcenter サーバを使用した Microsoft SQL Server 2008 本環境では SQL SharePoint 2010 のコンテンツ データベースそれぞれに対して 100 GB を使用しました SQL パフォーマンスを最大化するために 2 台のデータベース サーバを使用しました 1 台目のデータベース サーバには SQL 内部データベースおよび SharePoint 内部データベースが保持されました これには検索データベースと 5 台のコンテンツ データベースが含まれます 2 台目の SQL サーバにはさらに 5 台のコンテンツ データベースが保持されました 各 SQL サーバには 100 GB の Temp データベースが 2 個 および 20 GB の Temp データベース ログ ファイルが 1 つ保持されました プロパティ ストア データベースは 100 GB LUN のうち 31 GB を クロール ストア データベースは 100 GB LUN のうち 26 GB を使用しました プロパティ ストアとクロール ストアのログ ファイルは 30 GB LUN を共有しました これらの LUN はすべて 2 つの RAID 1/0 RAID グループに割り当てられました Microsoft SharePoint 2010 VM リソース WFE は CPU 集中型であるため WFE 仮想マシンそれぞれに対して 4 個の仮想 CPU を割り当てました 1 つのアプリケーション サーバを中央管理サーバとして設定し 1 つの汎用アプリケーション サーバを ( ドキュメント変換などの目的で ) ファーム用に使用しました クローリングは CPU 集中型のアクティビティであるため クロール サーバは 4 個の仮想 CPU で構成されました クロール速度を向上させるために クロール サーバで専用の WFE ロールも実行し WFE がクロールによる影響を受けないようにしました また 検索用に 2 台のクエリー サーバを用意しました 設定に関する観察事項 2 台のクエリー サーバと 2 台のクロール サーバによって本環境に最適な検索設定を提供することで 弾力的な検索も可能としました スケール アウトのアプローチにおいて 2 台の SQL サーバを使用し パフォーマンス向上とワークロードの隔離を実現しました EMC CLARiX CX4-240 の容量を大幅に追加し 将来のワークロードに備えました Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 16

テスト方法 概要 このセクションでは 本環境のテストに用いるアプローチと方法について説明します データ入力 データ入力ではサンプル ドキュメントのセットが使用されました ドキュメント名と ( 挿入前の ) メタデータの変更によって 各ドキュメントをユニークにしました 各 WFE に対して 1 つの負荷エージェント ホストを用意し 目標の 1 TB = 4,600,000 ドキュメントが達成されるまでデータを並列にロードできるようにしました データは 10 個のサイト コレクション ( 各コレクションはユニークなコンテンツ データベース ) にわたり均一に分散させました テスト ツール SharePoint ファームに対する負荷のシミュレートには Microsoft VSTS を使用しました SharePoint ファームが確実に最適なパフォーマンスをするように 独立系サード パーティ ベンダー (KnowledgeLake, Inc. マイクロソフト認定ゴールドパートナー ) が提供するクライアント負荷エミュレーション ツールを使用しました 負荷生成 クライアント負荷を生成およびエミュレートするために Microsoft VSTS 2008 と KnowledgeLake コードの両方を使用して実際の SharePoint ユーザー アクティビティをシミュレートしました VSTS チームのテストの環境は 1 個のコントローラと 6 台の VSTS チーム エージェント ホストで構成されました コントローラによってエージェント ホストにわたりクライアント負荷が均一に分散し これによって WFE にまたがって負荷が均一に分散しました 許容可能なユーザー レスポンス タイム 次の表に SharePoint 操作に対する許容可能なユーザー レスポンス タイムを示します CLARiX CX4-240 は最大ユーザー テスト時に負荷が掛けられませんでした SP 使用率は 10% を超えませんでした LUN 使用率は許容可能なパラメータ内でした 操作のタイプ 例 許容可能なユーザー レ スポンス タイム 一般的参照 3 秒未満 一般的検索 3 秒未満 一般的ではない変更 5 秒未満 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 17

SharePoint ユーザー プロファイル 概要 ユーザー プロファイルは参照 検索 変更の 3 つのユーザー操作で構成されました 参照 参照テストでは ユーザーによるサイトの参照がコードによってシミュレートされます このシミュレートはユーザーがサブページを含まない最終ドキュメントに到達するまで実行されます 検索 検索テストでは ユーザーによる SQL データベース内のストアド プロシージャの実行がコードによってシミュレートされます このシミュレートによって ユニークな数字 ( この場合は SSN( 社会保障番号 )) が検出されます その後 コードによって Web リクエストが実行され このユニークな番号が検索されます 変更 変更テストでは ユーザーによるドキュメントの取得がコードによってシミュレートされます 各テストの実行前に データベースからドキュメント ID が抽出されます その後 コードによってそのドキュメントのメタデータが変更されてから そのメタデータが変更後の形式でファームに再度保存されます プロファイル ミックス ユーザー プロファイルの一般的にみられる混在状態を用いて 異なるタイプのビジネス組織をエミュレートしました たとえば 参照集中型の組織や 検索集中型 変更集中型といった組織です ユーザー プロファイル テストされたプロファイル 参照 / 検索 / 変更 80/10/10, 70/05/25, 50/20/30 テストはすべて負荷コントローラ ホストから実行されました このホストによって 6 つの負荷エージェント ホストのそれぞれにわたって負荷が均一に分散されました また 負荷コントローラ ホストによって ファーム内のすべての負荷エージェントおよびホストから 分析用のパフォーマンス メトリックスが収集されました Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 18

ユーザー レスポンス タイムの計算式 すべてのユーザーは 1 時間あたり 60 リクエストとする Microsoft 社の高ユーザー負荷プロファイルに従いました すべてのテストに 0% の思考時間を適用しました 0% の思考時間 とは 一般にユーザーが Office SharePoint Server を使用して参照 検索 変更を行う際の意思決定に要する時間が排除された状態のことです すべてのユーザー リクエストは一時停止することなく始めから終わりまで処理されます これは システムにとって継続的なワークロードとなります 最大許容ユーザー数は 次の計算式によって取得されます # = 1 時間あたりの秒数 /RPH/ 同時実行の割合 (%) * RPS 例 : 3600 / 60 / 1% * 34.15 = 204,900 例 :3600 / 60 / 10% * 34.15 = 20,490( 同時実行の割合 10% で対応できる許容ユーザー数 ) Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 19

テスト結果 :80% 参照 10% 検索 10% 変更 概要 次のグラフと表は 80% 参照 10% 検索 10% 変更のテスト結果について説明するものです このテストでは読み取り集中型のユーザー プロファイルをシミュレートしました このユーザー プロファイルは ユーザーが参照および低負荷のコラボレーションを行う組織に一般的なものです この環境は 1% の同時実行を伴う 204,900 人の高ユーザー負荷 (Microsoft による定義 ) に対応しました 1 秒あたりに通過したテスト 1 秒あたりに通過したテストの平均数は 34.15 でした Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 20

オペレーション タイプごとの平均時間 Microsoft 社が推奨する SharePoint オペレーションの制限時間は オペレーションあたり 3 秒です オペレーション タイプごとの平均時間 ( 秒 ) は次のとおりでした 参照 :2.93 検索 :1.05 変更 :1.51 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 21

平均 CPU 使用率 (%) サーバまたはサーバ タイプごとの平均 CPU 使用率 (%) は次のとおりでした SQL-01:43.92% SQL-02:18.15% WFE:91.02% クエリー サーバ :5.63% クロール サーバ :3.94% 検索データベースを含む SharePoint データベースが SQL-01 サーバ上に配置されていたため SQL-01 の使用率は SQL-02 を上回りました SharePoint ファームの制限要素は WFE でした 90% の CPU 使用率でパフォーマンスが低下し始めました 比較的尐ない変更または検索操作を伴う参照集中型のプロファイルであったため インデックス サーバおよびクエリー サーバの CPU 使用率は非常に低くなりました (15 分おきに発生する ) 増分クロールによってクロール サーバのスパイクが生じました Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 22

平均および最大 IOPS OS DB およびストアの平均 IOPS は次のとおりでした WFE OS:101.98 コンテンツ DB:70.96 プロパティ ストア :14.94 クロール ストア :24.35 Temp DB:47.86 OS DB およびストアの最大 IOPS は次のとおりでした WFE OS:211.21 コンテンツ DB:103.46 プロパティ ストア :107.70 クロール ストア :133.68 Temp DB:55.33 15 分おきにスケジュールされた増分クロールによって プロパティ ストアおよびクロール ストアのスパイクが発生しました IIS アクティビティによって WFE OS LUN の IOPS が最高レベルになりました Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 23

ESX サーバ 仮想マシン CPU およびメモリ使用率 次の表に テスト時の ESX サーバ 仮想マシン CPU およびメモリ使用率を示します サーバ /VM 平均 CPU 使用率 (%) 平均メモリ消費 (GB) R900-01 68.99 49.88 DC-01 5.83 1.26 App-01 12.30 3.63 WFE-01 87.13 5.87 WFE-02 87.18 5.90 SQL-01 43.73 27.64 R900-02 64.39 38.86 Index-01 9.25 7.58 Query-01 10.58 7.82 WFE-03 90.30 6.93 WFE-04 90.08 6.73 SQL-02 25.88 4.13 R900-03 50.69 35.18 DC-02 18.58 1.15 App-02 4.15 2.24 Index-02 5.37 4.81 Query-02 3.73 7.79 WFE-05 89.05 7.30 WFE-06 89.52 7.26 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 24

テスト結果 :70% 参照 5% 検索 25% 変更 概要 次のグラフと表は 70% 参照 5% 検索 25% 変更のテスト結果について説明するものです このテストでは ユーザーによって高負荷のコラボレーションが実行されるが検索アクティビティの割合は低い組織に一般的なプロファイルをシミュレートしました このテストは 1% の同時実行を伴う 200,820 人のユーザーに対応しました 1 秒あたりに通過したテスト 1 秒あたりに通過したテストの平均数は 33.47 でした Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 25

オペレーション タイプごとの平均時間 Microsoft 社が推奨する SharePoint オペレーションの制限時間は オペレーションあたり 3 秒です オペレーション タイプごとの平均時間 ( 秒 ) は次のとおりでした 参照 :2.58 検索 :0.91 変更 :1.45 平均 CPU 使用率 (%) サーバまたはサーバ タイプごとの平均 CPU 使用率 (%) は次のとおりでした SQL-01:50.73% SQL-02:21.01% WFE:93.40% クエリー サーバ :3.00% クロール サーバ :7.12% 変更操作の割合が比較的高かったため SQL サーバおよび WFE の CPU 負荷が高まりました また 変更操作によって 比較的多数のドキュメントが段階的にインデックス付けされたため クロール サーバの CPU 負荷も高まりました Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 26

平均および最大 IOPS OS DB およびストアの平均 IOPS は次のとおりでした WFE OS:181.83 コンテンツ DB:205.85 プロパティ ストア :39.99 クロール ストア :59.17 Temp DB:114.70 OS DB およびストアの最大 IOPS は次のとおりでした WFE OS:1008.44 コンテンツ DB:230.92 プロパティ ストア :363.76 クロール ストア :226.91 Temp DB:127.66 変更操作が比較的多かったため すべての LUN にわたり IOPS が高まりました Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 27

ESX サーバ 仮想マシン CPU およびメモリ使用率 次の表に テスト時の ESX サーバ 仮想マシン CPU およびメモリ使用率を示します サーバ /VM 平均 CPU 使用率 (%) 平均メモリ消費 (GB) R900-01 73.65 50.23 DC-01 5.1 1.30 App-01 18.57 3.69 WFE-01 84.99 5.92 WFE-02 86.16 5.92 SQL-01 53.03 27.71 R900-02 62.21 43.44 Index-01 11.81 7.75 Query-01 9.94 7.85 WFE-03 84.19 7.90 WFE-04 83.79 7.89 SQL-02 26.82 6.35 R900-03 47.43 36.93 DC-02 16.43 1.18 App-02 4.03 2.30 Index-02 5.67 5.06 Query-02 5.24 7.83 WFE-05 82.55 7,97 WFE-06 82.43 7.97 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 28

テスト結果 :50% 参照 20% 検索 30% 変更 概要 次のグラフと表は 50% 参照 20% 検索 30% 変更のテスト結果について説明するものです このテストでは 1% の同時実行での 212,340 人のユーザー プロファイルをシミュレートしました このユーザー プロファイルは ユーザーが高負荷のコラボレーションを行い 高い割合で検索アクティビティを実行する組織に一般的なものです 1 秒あたりに通過したテスト 1 秒あたりに通過したテストの平均数は 35.39 でした オペレーション タイプごとの平均時間 Microsoft 社が推奨する SharePoint オペレーションの制限時間は オペレーションあたり 3 秒です オペレーション タイプごとの平均時間 ( 秒 ) は次のとおりでした 参照 :2.86 検索 :1.10 変更 :1.52 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 29

平均 CPU 使用率 (%) サーバまたはサーバ タイプごとの平均 CPU 使用率は次のとおりでした SQL-01:53.59% SQL-02:22.23% WFE:90.62% クエリー サーバ :14.04% クロール サーバ :8.68% Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 30

平均および最大 IOPS OS DB およびストアの平均 IOPS は次のとおりでした WFE OS:149.68 コンテンツ DB:259.34 プロパティ ストア :50.80 クロール ストア :69.24 Temp DB:147.61 OS DB およびストアの最大 IOPS は次のとおりでした WFE OS:624.97 コンテンツ DB:285.12 プロパティ ストア :320.72 クロール ストア :291.43 Temp DB:161.10 変更および検索操作が比較的多かったため すべての LUN にわたり IOPS が向上しました Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 31

ESX サーバ 仮想マシン CPU およびメモリ使用率 次の表に テスト時の ESX サーバ 仮想マシン CPU およびメモリ使用率を示します サーバ /VM 平均 CPU 使用率 (%) 平均メモリ消費 (GB) R900-01 72.09 49.91 DC-01 5.66 1.31 App-01 9.51 3.43 WFE-01 87.50 5.88 WFE-02 87.77 5.87 SQL-01 49.99 27.74 R900-02 65.63 44.06 Index-01 13.38 7.63 Query-01 6.76 7.81 WFE-03 90.23 7.87 WFE-04 90.16 7.87 SQL-02 28.09 7.16 R900-03 50.69 36.77 DC-02 18.58 1.18 App-02 4.15 2.31 Index-02 5.37 5.01 Query-02 3.73 7.79 WFE-05 89.05 7.92 WFE-06 89.52 7.92 Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 32

まとめ サマリー 本ソリューションは EMC CLARiX CX4 シリーズのストレージ アレイと VMware vsphere 4.0 の仮想化機能とを組み合わせるメリットについて説明するものです 本ソリューションには次の特長があります エンタープライズ SharePoint 2010 環境など 大規模の連携アプリケーション環境用の 統合された 高パフォーマンスのストレージ プラットフォームを提供します ソリューションのすべてのレイヤーにおけるベスト プラクティスに基づく設計を通じて SharePoint アプリケーションのパフォーマンスと可用性を最大化します TCO を最小限に抑え すべてのコンポーネント レベル ( サーバ インフラストラクチャの接続性 ストレージ ) でソリューション投資の ROI を最大化します 統合された管理アプローチで 導入 管理 および複雑な環境のサポートの容易さを実証します 経営者およびアプリケーション オーナーに対して 拡張性に優れたかつ結果が予測可能な 確かなソリューションを提供します このソリューションは ビジネス要件とともに拡張していくことが可能です 最適なストレージ設計 SharePoint のストレージ設計は困難な作業です 特に SharePoint 2010 など新しいメジャー バージョンがリリースされ 要件がその時点で十分に把握されていない場合には骨の折れる作業となります 本ソリューションでは ストレージの要件が 仮想マシンのブート ボリュームから アプリケーション ボリューム SQL ボリュームまで SharePoint のストレージ エレメントごとに分類可能である点について説明されます 簡素化されたホスト環境設定 エンタープライズ SharePoint 2010 環境では サーバ ハードウェア 要件のプロファイリングと 仮想マシンおよびアプリケーション ボリュームの作成 導入が簡素化され VMware テクノロジーの使用によって効率性が高まりました コスト効率 1 つのストレージ プラットフォーム (EMC CLARiX CX4-240 ストレージ アレイ ) でストレージの効率性が最大化されます VMware の仮想化によって TCO が最小限に抑えられ サーバ 電力 冷却 フロア面積 および接続性に関する要件が緩和されます 将来の拡大のサポート EMC CLARiX CX4 シリーズ アレイを通じて ファームの持続性と拡大が達成されます EMC CLARiX CX4 シリーズ アレイは高い可用性を備え 仮想マシンから SQL サーバ ストレージまで ソリューションのすべてのコンポーネントに拡張性もたらします Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 33

次のステップ 本ソリューションおよび他のソリューションに関する詳細については EMC の担当 営業までお問い合わせください あるいは 当社の Web サイト (japan.emc.com) をご参照ください Microsoft SharePoint Server 2010 向けの EMC 仮想インフラストラクチャ詳細レビュー 34