Article ID: NVSI-090200JP_R1 Created: 2010/2/4 Revised: 2010/9/17 NetVault Backup サーバと Windows Server 2008 / フェールオーバークラスタとの統合 1. 検証目的 Windows Server 2008 では アプリケーションの可用性を高めるフェールオーバークラスタ機能を提供しています 本検証では NetVault Backup (NVB) サーバをフェールオーバークラスタと統合させ その動作を確認します 2. 構成 ハードウェア構成 (1) クラスタ ノード 表 2.1 1 ノード目 (Node1) メーカー Dell モデル PowerEdge1950 CPU Intel Xeon E5320 1.86GHz x 1 メモリ 2GB 内蔵ディスク 80GB(SATA, 7200rpm) FC Card QLogic QLE2460 表 2.2 2 ノード目 (Node2) メーカー Dell モデル PowerEdge1950 CPU Intel Xeon E5320 1.86GHz x 1 メモリ 2GB Page(s): 1/30
内蔵ディスク FC Card 80GB(SATA, 7200rpm) QLogic QLE2460 (2) 共有ディスク 表 2.3 共有ディスクメーカーモデル I/F Dell AX4-5 FC (3) バックアップクライアント 表 2.4 Backup Client/Domain Controller メーカー HP モデル DL145 CPU AMD Opteron 1.6GHz x 1 メモリ 1GB 内蔵ディスク 40GB IDE x 1, 120GB IDE x 1 ソフトウェア構成 (1) クラスタ ノード 表 2.5 Node1 ホスト名 OS クラスタソフトウェアバックアップソフトウェア表 2.6 Node2 ホスト名 OS クラスタソフトウェアバックアップソフトウェア表 2.7 Backup Client/Domain Controller ホスト名 OS バックアップソフトウェア node1 Windows Server 2008 Enterprise Edition SP2 (x8664) 標準のフェールオーバークラスタ NetVault 8.2.2 R2009MAY14-GENUS node2 Windows Server 2008 Enterprise Edition SP2 (x8664) 標準のフェールオーバークラスタ NetVault 8.2.2 R2009MAY14-GENUS tipsdc Windows Server 2008 Enterprise Edition SP2 (x8664) NetVault 8.2.2 R2009MAY14-GENUS ディスク構成 表 2.8 Node1 パーティション タイプ ドライブ割り当て Disk0 NTFS (36GB) C:\ (OS) Disk1 ( 共有 ) NTFS (1GB) Q:\ (Quorum) Disk2 ( 共有 ) NTFS (10GB) R:\ (Data) 表 2.9 Node2 パーティション タイプ ドライブ割り当て Disk0 NTFS (36GB) C:\ (OS) Disk1 ( 共有 ) NTFS (1GB) Q:\ (Quorum) Disk2 ( 共有 ) NTFS (10GB) R:\ (Data) Page(s): 2/30
表 2.10 Backup Client/Domain Controller パーティション タイプ ドライブ割り当て Disk0 NTFS (40GB) D:\ ( 未使用 ) Disk1 NTFS (120GB) C:\ (OS) ネットワーク構成 表 2.11 Node1 ホスト名 IP アドレス ネットマスク node1: パブリック 192.168.66.51 255.255.0.0 node1: プライベート 10.1.1.51 255.0.0.0 表 2.12 Node2 ホスト名 IP アドレス ネットマスク node2: パブリック 192.168.66.52 255.255.0.0 node2: プライベート 10.1.1.52 255.0.0.0 表 2.13 フェールオーバークラスタ ホスト名 IP アドレス ネットマスク mycluster 192.168.66.50 255.255.0.0 表 2.14 Backup Client ホスト名 IP アドレス ネットマスク tipsdc 192.168.66.30 255.255.0.0 3. 設定方法 フェールオーバークラスタ上に NVB サーバを構成するには 通常の NVB サーバのインストールと異なる方法を取る必要があります 下記にその概要を示します それに続けて より詳細な手順を示します 表 3.1 設定手順概要 手順 内容 手順 1 フェールオーバークラスタの構成 手順 2 node1 での NVB サーバのインストール 手順 3 node1 での NetVault Backup 自動起動の削除 手順 4 node2 へのフェールオーバー 手順 5 インストール フォルダのリネーム 手順 6 node2 での NetVault Backup インストール サービスの自動 起動の削除 手順 7 ライセンス ファイルのコピー 手順 8 不必要なフォルダの削除 手順 9 クラスタ用ネットワーク設定 手順 10 クラスタへの NVB サービスの登録 手順 11 フェールオーバーの確認 Page(s): 3/30
3.1. フェールオーバークラスタの構成 3.1.1. Windows Server 2008 のドキュメントを参考に フェールオーバークラスタを構成します 3-1-2. フェールオーバークラスタ管理の GUI で 空のサービスまたはアプリケーションの作成 を選択し 新しいサービスまたはアプリケーション を作成します Page(s): 4/30
3-1-3. 作成したサービスの名前を NetVault Backup に変更します Page(s): 5/30
3.1.4. そのサービスに NVB をインストールする共有ディスク上のパーティションを追加します Page(s): 6/30
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以上で フェールオーバークラスタ側で NVB のインストールを行うための準備が整いました 3.2. node1 での NVB サーバのインストール基本的には 簡単設定ガイド を参照して NVB サーバとしてのインストールを行って下さい 下記にてクラスタ上にインストールを行う際に注意が必要なポイントを説明します 3.2.1. node1 で NetVault Backup サービスを稼働させます 3.2.2. NetVault Backup のインストールファイルである install.exe を実行し node1 で NVB のインストールを開始します 3.2.3. インストールタイプの選択 までは簡単設定ガイドの通りに進めます インストールタイプの選択 で NVB サーバとしてインストールするので サーバ を選択します Page(s): 8/30
3.2.4. マシン名 では クラスタ上で稼働する共通の名前 ( 本検証では nvscluster ) を指定します 3.2.5. パスワード は 適切なパスワードを指定します Page(s): 9/30
3.2.6. インストール先フォルダの選択 では 共有ディスクへのパス ( 本検証では R:\NetVault ) を指定します 3.2.7. NetVault データベース フォルダの選択 では 共有ディスクへのパス ( 本検証では R:\NetVault\db\ ) を指定します 3.2.8. その後は 簡単設定ガイド の通りに インストールの完了 まで進めます Page(s): 10/30 バックボーン ソフトウエア株式会社 163-0711 東京都新宿区西新宿 2-7-1 小田急生命ビル11 階
3.3. NetVault Backup 自動起動の削除 3.3.1. クラスタ上では NVB のサービスはクラスタから管理されます NVB のサービスが OS の再起動時に自動的に起動しないように Windows のサービスを管理する画面で NetVault Process Manager の起動を 手動 に変更します 同時にサービスも停止しておきます 3.4. 別ノードへのフェールオーバー 3.4.1. クラスタ管理 GUI で NetVault Backup サービスを node2 に移動します Page(s): 11/30
3.5. インストール フォルダの名前変更 3.5.1. node2 でエクスプローラーを開きます node1 でインストールした共有ディスク上のフォルダ ( 本検証で は R*\NetVault ) を別の名前 ( 本検証では R:\NetVault.node1 ) に変更します 3.6. node2 での NetVault Backup のインストール サービスの自動起動の削除 3.6.1. node2 で install.exe を実行し NVB のインストールを開始します 3.6.2. node1 で行ったのと同じく 3.2.3 から 3.2.9 を実行します 3.7. ライセンス ファイルのコピー 3.7.1. NVB はホスト名に関連付けてライセンスを管理します いずれのクラスタ ノードで NVB サーバが実行されても問題が起きないように共有ディスクに両ノードのためのライセンス ファイルをコピーします node1 でインストールしたフォルダの R:\NetVault.node1\db\bkl\ に下にあるファイルを R:\NetVault\db\bkl\ にコピーします コピーされたファイル Page(s): 12/30
3.8. 不必要なフォルダの削除 3.8.1. node1 のインストール フォルダはライセンス ファイルをコピーしたら必要なくなりますので削除しておき ます 3.9. クラスタ用ネットワーク設定 3.9.1. node2 でコンフィギュレータを起動し ネットワーク マネージャタブのコネクションタブに以下の設定を行 います 表 3. Network Manager の設定 項目 設定 概要 除外するネットワーク アドレス 192.168.66.50 10.1.1.51 10.1.1.52 フォールバック アドレス 192.168.66.51 192.168.66.52 複数指定する場合にはカンマ, で区切って入力可能です 接続を行わない IP アドレスを指定します 通常クラスタサービス用のアドレスやアプリケーション用のアドレスを指定します フェイル オーバした際に NetVault サーバが代行するホストの IP アドレスを指定します Page(s): 13/30
3.10. クラスタへ NVB サービスへの登録 3.10.1. クラスタ管理 GUI ですでに作成してある NetVault Backup サービスに 汎用サービス を追加します Page(s): 14/30
3.10.2. 新しいリソースウィザードに従って設定を行います サービスとしては NetVault Process Manager を選択します 3.10.3. 確認画面では 次へ を選択します Page(s): 15/30
3.10.4. 新しいリソースが正常に作成されたことを確認したら 完了 を選択します Page(s): 16/30
3.10.5. 追加した NetVault Process Manager リソースをオンラインにします Page(s): 17/30
3.10.6. NetVault Process Manger リソースがオンラインになる前には そのファイルが存在する ボリューム (R) がオンラインになっている必要があるため 依存関係を作成します NetVault Process Manager のプロパティを開きます 3.10.7. 表示される画面の 依存関係 タブで 挿入 ボタンを押し NetVault Backup をインストールしたディスクを選択します Page(s): 18/30
3.11. フェールオーバーの確認 3.11.1. フェールオーバーが問題無く行われるかの確認を行います クラスタ管理画面で NetVault Backup サービスを右クリックし このサービスまたはアプリケーションを別のノードに移動 -> ノード xxx に移動 を選択します 3.11.2. NetVault Backup サービスの現在の所有者が意図したノード名になり状態が オンライン になることを確認します Page(s): 19/30
4. NetVault Backup の操作 4.1. NVB クライアントの追加 4.1.1. バックアップ対象のクライアントが存在する場合は クライアントを NVB サーバに管理対象として追加します 特にクラスタであることは意識することなくクライアント管理画面でクライアント追加が行えます 詳細は 簡単設定ガイド をご参照ください 4.2. 稼働ノードの確認 4.2.1. NVB サーバが node1 で稼働している時に nvscluster のプロパティを確認すると その IP アドレスが node1 のものが表示されます Page(s): 20/30
4.2.2. NVB サーバが node2 で稼働している時に nvscluster のプロパティを確認すると その IP アドレスが node2 のものが表示されます 4.3. NetVault Database のバックアップ 4.3.1. 不測の事態に備えて定期的に NetVault Database(NVDB) のバックアップを行います Page(s): 21/30
4.3.2. NVDB のバックアップを行う際は バックアップオプションにて バックアップの前にデータベース テーブルをチェックします のチェックはオンにして下さい ( デフォルトはオン ) これにより NVDB に対する障害の確認と良い状態の NVDB のバックアップが行うことが可能です 4.4. NVDB のリストア 4.4.1. NVDB が失われてしまった場合やジョブの実行中にフェールオーバーが発生して NVDB に障害が発生してしまった場合などには 取得済みの NVDB のバックアップをリストアします NVDB バックアップ時にチェックを行っているため正常な NVDB のリストアが行えます 作業手順としては 特にクラスタであることを意識することなく NVDB のリストアが行えます Page(s): 22/30
4.5. フェールオーバークラスタからの NVB サーバのアンインストール実 IP を使用したクラスタ環境の場合 通常とは異なる方法でインストールを行っているため アンインストールの場合にも特別な注意が必要です 以下は その手順の概要です こちらに従ってアンインストールを実行してください NetVault アンインストール手順 手順 内容 手順 1 NetVault Process Manager リソースの削除 手順 2 node1 での共有ディレクトリのコピー 手順 4 node1 での NetVault Backup のアンインストール 手順 6 クラスタウェアによるフェール オーバ 手順 7 node2 での共有ディレクトリのリネーム 手順 9 node2 での NetVault Backup のアンインストール 4.5.1. クラスタ管理 GUI で NetVault Process Manager リソースをオフラインにします Page(s): 23/30
4.5.2. NetVault Process Manager リソースを削除します 4.5.3. 2 ノード目での削除に備えて 共有ディスクにインストールされている NetVault Backup ディレクトリ R:\NetVault を R:\NetVault.uninstall としてコピーしておきます Page(s): 24/30
4.5.4. node1 でコントロールパネルの プログラムと機能 から NetVault Backup をアンインストールします 4.5.5. 共有ディスクの NetVault フォルダ (R:\NetVault) を削除します Page(s): 25/30
4.5.6. node2 側でアンインストールをするために NetVault Backup サービスを node2 に移動します 4.5.7. 事前にコピーしておいたフォルダを R:\NetVault.uninstall から R:\NetVault へ名前を変更します Page(s): 26/30
4.5.8. node2 でも プログラムと機能 から NetVault Backup をアンインストールします 4.5.9. 共有ディスク領域の NetVault ディレクトリを削除します Page(s): 27/30
4.5.10. NetVault Backup をインストールしていたディスクリソースをオフラインにします 4.5.11. ディスクリソースを NetVault Backup サービスから削除します Page(s): 28/30
4.5.12. NetVault Backup リソースをオフラインにします 4.5.13. NetVault Backup リソースを削除します Page(s): 29/30
5. 検証項目 結果 以下の項目のテストを行い 動作を確認しました 項目 結果 コメント (1) node1 上で稼働する NVB サーバから NVB クライアントのファイルをバックアップ Pass NVB クライアント側の VTL へバックアップ (2) node2 にフェールオーバーを行い 同じジョブを実行 Pass (3) node2 で (1) のバックアップ データからリストア Pass (4) node2 で (2) のバックアップ データからリストア Pass (5) node1 で (1) のバックアップ データからリストア Pass (6) node1 で (2) のバックアップ データからリストア Pass (7) node1 で full バックアップ そのままフェールオーバー Pass し node2 で inc バックアップ (8) node1 で世代数を設定して full バックアップ その後 Pass node2 にフェールオーバーに同じジョブを再実行 世代数が減ることを確認 (9) node1 での NVDB のバックアップ Pass (10) フェールオーバー後に node2 で (9) の NVDB のリストア Pass 6. バージョンアップ 本ドキュメントの手法でインストールを行った場合 特殊な方法でのインストールとなるため 通常の上書きでのバージョンアップはできません 一旦 アンインストールを行った後に 再度インストールを行い 一から再構成を行ってください バージョンアップ後 デバイス ジョブ等はすべて再設定が必要になります 取得済みのバックアップ データはメディアをスキャンすることで利用可能となります 7. まとめ Windows Server 2008 のフェールオーバークラスタ上に NVB サーバサービスを構成し 以下の動作を確認しました 両製品を統合して使用するための構成方法 File System プラグインによるバックアップ リストア フェールオーバーを介しても差分バックアップ 世代数の管理を継続できること フェールオーバーを介しても NVDB のバックアップ リストアが可能なこと NetVault Backup のアンインストール方法 ジョブが実行中にフェールオーバーが発生した場合 そのジョブは失敗します 必要があれば フェールオーバーが完了した後に 失敗したジョブを再実行して下さい この時 ジョブは最初から実行されます 以上 Page(s): 30/30