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Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

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石油業界のバイオ燃料への取組み と持続可能性等の課題について 2012 年 7 月石油連盟

1. これまでのバイオマス燃料への取り組み 2007 年 4 月より バイオガソリン ( バイオETBE 配合 ) の試験販売を開始し 2010 2011 年度の原油換算 21 万 KL( バイオETBE84 万 KL) のバイオ燃料の導入目標は完全達成しました この間 バイオ燃料の共同調達組織 (JBSL) を設立 輸入基地の整備 ( 千葉 和歌山 ) 外航船の建造 調達 (3 隻 ) 内航船の調達(3 隻 ) ETBE 製造装置の改造などを実施しました 2008 年 7 月にはバイオエタノールの長期安定調達のため ブラジルで 経産大臣と開発商工大臣の立会いの下で購入に関する覚書を締結しました 2009 年 9 月からは国内 ( 北海道 ) で生産されたバイオエタノールの引取を開始しています (2012 年度以降 3 万 KL/ 年の引取予定 ) ( 注 )2007 年から 2 年間は国の補助事業 ( 流通実証事業 ) として実施 1

2.2017 年度に向けたバイオ燃料導入拡大への取組み エネルギー供給構造高度化法における非化石エネルギー ( バイオエタノール ) の導入目標を達成すべく 2017 年度には原油換算 50 万 KLの導入拡大に取組みます 導入拡大にあたっては LCA( ライフサイクルアセスメント ) での温室効果ガス削減効果 ( ガソリン対比 50% 以上 ) 食料競合や生物多様性など持続可能性基準を遵守するとともに 消費者の安全 安心を確保するため 引き続きバイオETBE 方式による利用を進めていきます エネルギー供給構造高度化法 2017 年度のガソリン内需見通しとバイオ ETBE の混合割合 ( 平均 ) 目的 : エネルギー供給事業者 ( 電気 石油 ガス事業者 ) による 1 非化石エネルギー源の利用 2 化石エネルギー原料の有効な利用を促進する具体的施策 : エネルギー供給事業者による取り組みの促進 太陽光 原子力等の非化石電源を2020 年までに50% 以上とする等 非化石電源の利用を拡大することを義務付け ( 電気事業者 ) 太陽光発電による電気の利用に係る適正な対価での買取りの義務付け ( 電気事業者 ) バイオ燃料 バイオガスの利用を義務付け ( 石油事業者 ガス事業者 ) 原油や天然ガスの有効な利用を義務付け ( 石油事業者 ガス事業者 ) ( 万 KL) 6,000 5,500 5,000 4,500 4,000 <2010 年度 > 5,816 万 KL <2010 年度 > 1.4% ガソリン内需量 ( 万 KL) ETBE 混合率 <2017 年度 > 4.4% <2017 年度 > 4,432 万 KL (%) 5 4 3 2 石油精製事業者によるバイオエタノールの利用目標 ( 単位原油換算 ) 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2017 年度 21 万 KL 21 万 KL 26 万 KL 32 万 KL 38 万 KL 44 万 KL 50 万 KL * 揮発油にバイオエタノールを混和して自動車用の燃料として利用する 目標達成にあたって以下の持続可能性基準を満たすことが必要 1LCAの温室効果ガス (GHG) 排出量の削減効果 50% 以上 ( ガソリン対比 ) 2 食料需給 食料価格への影響回避 ( 生産者の宣誓書など ) 3 原料生産国の生態系への影響回避 ( 生産者の宣誓書など ) 3,500 内需見通し 3,000 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 0 2017 年度 ( 注 ) ガソリン内需量は 2012 年度以降は見通し値 (2014 年度までは需想検の見通し 2015 年以降は同見通しの年減少率から試算 ) 2009~2010 年度の ETBE 混合率は石連目標ベース 2011 年度以降は エネルギー供給構造高度化法に基づく利用目標量から計算 2 1

3. バイオ燃料の課題 1LCA の温室効果ガス削減効果 LCAの温室効果ガス (GHG) 削減効果の高いエタノールは限定的 高度化法において導入された基準 (GHG 削減効果 50% 以上 ) を満たすのはブラジルの既存農地から生産されたサトウキビを原料としたエタノールのみです ( 量的拡大はほぼ不可能 ) 欧州では LCA 評価に 間接的土地利用変化 ( 注 ) による影響を加える動きがあり 今後 バイオ燃料の導入目標 (2020 年に10% など ) の政策等が大きく変更される可能性があります ( 注 ) バイオ燃料用作物の生産により当該土地で従来生産されていた作物が別の土地で生産されることに伴う土地転換の影響 ( 例えば BDF 増産による植物油の生産地が移転して泥炭地を開墾するなど ) バイオエタノールの LCA で見た温室効果ガス (GHG) 削減効果 ブラジル産サトウキビ 国産 ( 参考値 ) ガソリン 既存農地草地からの転換森林からの転換多収量米 1 多収量米 2 MA 米規格外小麦余剰てん菜建設廃材廃糖蜜 GHG 排出小 10% 40% 70% 73% 54% 48% 68% 土地利用変化原料栽培原料輸送燃料製造燃料輸送 0 50 100 150 200 g-co2/mj ガソリン比 50% 86% GHG 排出大 112% 水管理状況の変化を伴わない水田 ( 既存水田等の転用 ) 50% 以上の削減効果があるのは 既存農地で生産されたブラジル産サトウキビのみ 340% 250 300 ( 出所 ) 非化石エネルギー源の利用に関する石油精製業者の判断の基準 ( 経産省 2010 年 11 月 ) 欧州のバイオ燃料目標と持続可能性基準の動向 バイオ燃料導入目標 1 2020 年までに運輸部門の再生可能エネの割合を10% 以上 ( 熱量 ) とする 22020 年末までにLCAのGHG 排出量を 2010 年比 10% 削減 (6% は義務 ) する 再生可能エネルギー指令(RED 2009/28/EC) 燃料品質改正指令(FQD 2009/30/EC) 間接的土地利用変化 の評価によって 1BDF( 植物油 ) の増産は GHG 削減効果にマイナス 2 第一世代 ( 食料用 ) での目標達成は困難第二世代 ( 非食料用 ) は限定的 2020 年導入目標の引下げ 持続可能性基準の強化 などの政策変更があり得る 3

4. バイオ燃料の課題 2 供給安定性 バイオ燃料の導入に積極的な欧米では 地球温暖化対策よりも国内農業振興とエネルギーセキュリティ確保を目的としているため 自国内での生産消費 ( 国産国消 ) が原則です わが国で 2020 年までに導入量を大幅拡大しようとすれば バイオエタノールの供給はブラジル一国に限られ セキュリティ上の問題となる可能性があります 2011 年 これまでエタノールの最大供給国であったブラジルは 天候不順によるサトウキビの不作などにより 生産量 純輸出量は大幅に減少しました ( 米国からの輸入も実施 ) 主要国 地域のバイオエタノールの自給率 ( 単位 : 百万 KL) ブラジルのエタノール輸出入量の推移 100% 80% 1% 9% 国産 40% 19% 輸入 60% 40% 20% 99% 91% 60% 81% 100% 100% 97% 0% 3% 2008 1 年 2013 2 年 2008 3 年 2013 4 年 2008 5 年 2013 6 年 2008 7 年 米国 EU ブラジル日本 ( 出所 ) バイオ燃料導入に係る持続可能性基準等に関する検討会 ( 出所 )Ministerio do Desenvolvimento,Indausria e Comercio 4

5. バイオ燃料の課題 3 食料競合 ( ランドラッシュ含む ) の回避 2008 年の小麦など食料価格高騰の要因のひとつに バイオ燃料の利用拡大があったと言われています 食料供給を脅かすことのないよう バイオ燃料の原料には 廃棄物や未利用バイオマスの利用を推進することが求められています また バイオ燃料 食料の増産により 多くの途上国において 大規模な開発 あるいは開発名目のもと 土地の買い上げや囲い込みが進行しています ( ランドラッシュ ) トウモロコシ価格とバイオエタノール導入量の推移 アフリカ アジア等における土地開発の目的 アフリカアジア中南米 単位 : 百万 ha 4.3 15% 5.5 19% 8 18.8 66% 29% 4.3 15% 15.8 56% 2.3 39% 1.6 27% 2 34% バイオ燃料食物その他 ( 出所 ) バイオ燃料導入に係る持続可能性基準等に関する検討会 ( 出所 )International Land Coalition / Land Rights and The Rush for Land 5

6. バイオ燃料の課題 4 次世代バイオとバイオマス資源の最適利用 石油各社は 食料供給に影響を与えることもなく さらに LCA の温室効果ガス削減効果が高いセルロース原料からの次世代バイオ生産技術の開発を積極的に行っています 2018 年以降のバイオ燃料の導入は 数値目標ありきではなく 持続可能性の確保に加えて 次世代バイオの実用化 国産化への道筋がついた段階で 検討すべきです その際は バイオマス資源を燃料利用するだけでなく 資源の効率的利用 GHG 削減効果の観点から 熱や電気の発生源として利用するなど バイオマス資源の最適利用も検討すべきです 石油各社のセルロース原料からのバイオ燃料生産技術開発の取り組み事例 国連環境計画の報告書におけるバイオマス資源の最適利用に係る提言 JX 日鉱日石エネルギーコスモ石油出光興産 ハ イオマス燃料技術革新計画 に主導的に参画 2015 年に 技術革新ケース として40 円 /Lでの生産を目指す 藻を原料としたハ イオシ ェット燃料の製造に関する共同研究を推進 ハ ルフ 製造過程で発生する黒液からのハ イオエタノール生産技術に係るフィーシ ヒ リティ調査を実施 セルロースをエタノールに変換する技術開発 (C5 C6 糖からの同時発酵 ) を推進 国連環境計画 (UNEP) レポート Towards sustainable production and use of resources: Assessing Biofuels 78 ページより抜粋 1 MJ of biomass may replace about 0.95 MJ of fossil fuel in heat and electricity production, whereas 1 MJ of biomass can only replace about 0.35-0.45 MJ of crude oil in the transport sector. 和訳 バイオマス資源は 運輸部門で燃料として利用した場合に原油の 35~45% を代替するのに対し 熱や電気として利用すれば化石燃料の 95% を代替する 6

7. バイオ燃料の課題 5 経済性 バイオ燃料 ( バイオエタノール ) はガソリンと比べて割高です これを熱量等価で比較すると バイオエタノールは常にガソリンより 40~50 円 /L より高い水準で推移しています 2009 年 ( 平成 21 年 )2 月から バイオ ETBE( バイオエタノール ) をガソリンに混合した場合 ガソリン税 (53.8 円 /L) の免税が受けられる制度がスタートしました 2017 年度までの目標達成に向けて 消費者負担の軽減のためには 今後ともガソリン税免税制度の継続が必須です 140.0 120.0 円 /L 最近のバイオエタノールとガソリン価格の推移 エタノール ( ガソリンと熱量等価 ) 100.0 40~50 円 /Lの価格差 80.0 60.0 40.0 ガソリン 20.0 2007 年 1 月 2008 年 1 月 2009 年 1 月 2010 年 1 月 2011 年 1 月 2012 年 1 月 バイオエタノールの導入に係るガソリン税免税制度の概要制度の概要バイオ ETBE エタノールを混合したガソリンを製造場 ( 製油所など ) から移出する際 配合されたエタノール数量 ( 注 ) について ガソリン税 ( 揮発油税及び地方揮発油税 ) が免税される ( 注 ) バイオ ETBE を混合した場合 バイオ ETBE に含まれるエタノール分が免税される適用期間平成 21 年 2 月 25 日 ~ 平成 25 年 3 月 31 日 ( 出所 ) 財務省貿易統計等 ( 注 ) ガソリン価格は税 ( ガソリン税 石油石炭税 原油関税 ) 抜きの国内取引価格 エタノール価格 ( オレンジ線 ) は輸入価格をガソリンと熱量等価 (6 割 ) で換算した価格 7