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. シーケンス回路の論理 Ⅰ. シーケンス制御入門 Ⅰ-. シーケンス制御とはコンピュータを扱ったことのある人にとって 制御 と言う言葉は コンピュータを用いて物を動かす ということを意味することが多い. しかし, 実際の工場や, 建築物, あるいは交通機関において, 制御用に用いられている機器にはコンピュータではなくシーケンサーがいまだに多用されている. これは, コストや設置条件, 耐久性などの理由によるところが多い. さて, シーケンス制御とはどういった制御をいうのであろうか. シーケンスというのは手順を意味しており, その言葉からいうとあらかじめ決められた手順に従って順番に制御を行っていくことをいう. 言い換えると, コンピュータプログラムでいうところの条件分岐や繰り返しの無い単純な手続きだけによって機器を制御することである. 本実験では, このシーケンス制御について, 電気回路による制御から, リレーを用いた制御, そしてシーケンサーを用いた制御まで順を追って基礎から説明していく. そして, 制御の世界におけるシーケンス制御の基礎技術の習得を目標とする. Ⅰ-2. 電気回路を用いた制御電気回路を用いた最も簡単な制御は, スイッチによる電灯の制御であろう. スイッチを入れることにより電灯をつけるという制御を行う回路は図 に示すような回路構成によって実現される. これを電気の回路図に表示すると図の真ん中に示すような回路図になり, さらにシーケンス制御に用いる回路図 ( シーケンス図 ) で表現すると, 図 右の様になる. この図は立派に一つの電灯制御のシーケンス図となる. シーケンス図では, 電源を省略し, 論理回路のみを指し示す. スイッチ ランプ スイッチ ランプ スイッチ ランプ 電池 電池 配線図回路図シーケンス図 図 電気回路を用いた制御回路とシーケンス図 Ⅰ-3. 制御要素シーケンス制御の世界では, シーケンス図を用いて動作を定義する. そのためには, スイッチやセンサーを代表とする入力機器, そしてランプやモータを代表とする出力機器を, 電気回路で用いる記号と同じように, 記号化して用いる. Ⅰ-3-. 入力機器主な入力スイッチには次に示す物がある. (a) 手動操作自動復帰ボタンを押している間のみ接点が動作する (b) 保持形接点操作後, 操作状態を保持し続ける (c) 残留接点ボタンを押した時動作し, ボタンをはなすとボタンは戻るが動作状態は変わらないまた, 各接点には a 接点と b 接点がある. (a) a 接点スイッチを押したとき (ON したとき ) に接点が ON する. (b) b 接点スイッチを押したとき (ON したとき ) に接点が OFF する. 2

入力接点には様々な機器があるが, ここでは代表的なスイッチに限定し図 2 に示す. 保持形接点 S S 手動操作自動復帰接点 残留接点 CS CS a 接点 図 2 入力接点の例 b 接点 Ⅰ-3-2. 出力機器主な出力機器には次に示す物がある. (a) ランプ (b) モータ (c) ソレノイド ( 電磁弁 ) (d) ブザー図 3 にこれの出力機器を示す. ランプ M モータ SO(SV) BZ ブザー H ヒータ ソレノイド ( 電磁バルブ ) 図 3 出力機器の例 Ⅰ-3-3. センサー入力機器人間がスイッチを押す入力機器ではなく, センサー信号から取り込まれる入力. (a) リミットスイッチ移動物体がスイッチを押した場合に動作する. (b) 光電スイッチ二つのセンサーの間を遮った場合に動作する. (c) 近接スイッチ人あるいは物が近づくと動作する. これらのセンサー入力機器を図 に示す. S S PHS PHS PXS リミットスイッチ PXS 光電スイッチ 近接スイッチ図 入力機器の例 3

Ⅰ-3-. 簡単な回路の例車のルームランプの例をシーケンス図で示したのが図 5 である. S ランプ 図 5 車のルームランプの例 Ⅱ. 論理回路とタイミングチャートスイッチを複数個用いることにより論理回路を構成することができる. ここでは, 最も簡単な 2 入力の論理和 (O) と論理積 (AND) を構成する. また, 制御において状態は時間軸とともに変化する. Ⅱ-. 論理回路スイッチを用いた簡単な電気回路で論理回路を構成する. 図 6 は 2 入力による AND と O のシーケンス図を示している. ランプ O 回路 AND 回路 ランプ 図 6 シーケンス図による AND と O の例 Ⅱ-2. タイミングチャートスイッチの変化による動作の変化について, 横軸に時間をとり状態を表した図をタイミングチャートと呼ぶ. タイミングチャートの状態はスイッチの ON/OFF ではなく 回路や接点に電流が流れているかいないかを表す 前述の O 回路におけるスイッチの変化のタイミングチャートを図 7 に示す. O 回路のタイミングチャート AND 回路のタイミングチャート 図 7 AND と O のタイミングチャート Ⅱ-3. 論理回路の利用例実際にこれらの入出力機器を用いて作成した回路の例を次に示す. () 自動ドアドアの両サイドにあるセンサーが人間を感知すると接点が動作しソレノイドによりドアを開ける. ただし, この回路はもっともシンプルであるので, 閉める部分は省略してある. この回路のシーケンス図とタイミングチャートを図 に示す. (2) ドライヤーメインスイッチの ON によりモータが駆動し, 冷風を送る. そして温風スイッチが押されるとヒータが動作して温風を送る. メインスイッチを押さないで温風スイッチを押しても動作しない. この回路のシーケンス図とタイミングチャートを図 9 に示す.

S S2 SO(DOO) S S2 SO 図 自動ドアのシーケンス図とタイミングチャート S( メインスイッチ ) S2( 温風スイッチ ) ファン M H ヒータ OFF S S2 M H 冷風 温風 OFF 図 9 ドライヤーのシーケンス図とタイミングチャート Ⅱ-. 課題 () 以下に示す二つのシーケンス図のタイミングチャートを作成せよ ランプ 3 ランプ 2 3 2 5

(2) 次の二つのタイミングチャートよりシーケンス図を完成せよ S ランプ S S S2 ランプ Ⅲ. リレーの基本回路スイッチのみの回路では複雑な制御を行うことができない. 例えば a 接点を持ったスイッチを b 接点のように動作させるにはスイッチそのものを取り替えるしか方法がない. しかし, リレーを用いることによって接点の反転はもとよりさらに複雑な動作を行うことが可能となる. Ⅲ-. リレーリレーは電磁石を利用した接点で, 電流を流すと電磁石によって接点が引き寄せられることにより接点の ON/OFF 制御を行う機器である. リレーの機器の記号とピン番号を図 0 に示す. コイル a 接点 b 接点 3 5 2 6 3 2 5 5 6 6 7 7 図 0 リレーの記号とピン番号 Bottom View ピン番号と配線 Ⅲ-2. リレーの特徴リレーが多くの制御装置で用いられている理由は, リレーが次の二つの特徴を持っていることによる. () 制御信号と出力信号を別にできる例えば, 制御側のスイッチ制御信号に 2V を用いて制御し, 出力側では 00V のモータを回転させたい場合にリレーであれば簡単に実現できる. このような例を図 に示す. (2) 一つの制御信号で同時に複数の制御ができる. 6

一つのボタンの ON/OFF 信号により, 同時に複数のスイッチ入力の代わりとして利用できる. このような例を図 2 に示す. DC5V S GND AC00V M GND 図 制御用電源と出力電源が異なる回路の制御例 2 M 図 2 つの制御信号で複数の出力信号を制御する例 Ⅲ-3. リレーを用いた論理回路では次に, 前述した 2 入力の論理回路 AND と O について, 実際にリレーを用いて回路を構成する. また, スイッチだけでは実現できなかった反転回路も実現する. これらの例を図 3 に示す. 2 2 2 AND 回路 AND 回路のタイミングチャート 2 O 回路 2 2 O 回路のタイミングチャート NO 回路 NO 回路のタイミングチャート 図 3 リレーを用いた制御回路 (AND,O,NO) Ⅲ-. 自己保持回路 Ⅲ--. 自己保持回路 7

自己保持回路は, リレー利用の最大の特徴を持つ回路であり, またリレー利用の最も基本となる回路なのであらゆる場面で利用される. 自己保持回路を図 に示す. 図 自己保持回路 この自己保持回路を解除するには,b 接点を用いてリセット回路を挿入する. この自己保持を解除するボタンを付加した回路を図 5 に示す. 図 5 自己保持を解除できる回路 Ⅲ--2. 自己保持回路の例自己保持回路を利用した回路の例として, 図 6 にバスの降車ボタンの回路を示す. この回路は - の乗客の降車ボタンが押されると運転手のところにある降車ランプが点灯し, 運転手が 5 を押すことにより回路が解除されランプも消灯する. 3 5 3 5 図 6 自己保持回路を用いたバスの降車ボタンの回路 Ⅲ--3. 課題 () 以下に示す つのシーケンス回路のタイミングチャートを完成させよ 2 2

9 (2) 以下に示す 3 つのタイミングチャートをもとにシーケンス回路を完成させよ S S S S S S PHS PHS S S S S S S2 S

Ⅳ. 優先回路リレーをうまく使うことによって, ボタンに優先順位をつけることや, 条件がそろわないとスイッチが有効にならないなどの機能を付加することができる. Ⅳ-. インターロック回路インターロック回路は, 機械が動作しているときに機械カバーが開かないようにするなど, 優先順位の高い回路が動作中は, 低い優先順位の入力を無効にする回路である. すなわち, 優先順位の高い方の回路を ON にし, 他の回路が作動できなるようにする回路である. インターロック回路の構成図を図 7 に示す. 同図より, 優先回路は二つの自己保持回路と, 優先順位の低い方の回路にインターロック部 ( リレーの b 接点 ) を設けた回路より構成されていることがわかる. 2 2 2 2 2 図 7 インターロック回路 Ⅳ-2. インターロック回路の例インターロックを利用した回路の例を図 に示す. この回路は, モータ とモータ 2 が動いているときにリミットスイッチが入るとモータ とモータ 2 を停止させる回路である. 2 S 3 3 3 M 2 M2 3 S M M2 図 インターロック回路 Ⅳ-3. 並列優先回路並列優先回路はどちらか先に ON された回路の方が優先される回路である. 並列優先回路の構成を図 9 に示す. 同図の場合, または のどちらか先に押されたボタンの回路に接続されたモータが動作する. Ⅳ-. 並列優先回路の例並列優先回路がよく使われているケースに, 早押しクイズがある. つまり, 最も早く押された人のランプが点灯し, 後からボタンを押してもランプが点灯しない回路である. 早押しボタンを三人用として構成した回路を 20 図に示す. 0

3 2 2 3 2 2 2 2 図 9 並列優先回路 2 3 3 2 3 3 2 2 2 3 3 3 2 3 図 20 早押しクイズ回路 Ⅳ-5. 新入力優先回路新入力優先回路は, 常に後から入力された信号が優先される回路である. 新入力優先回路の例を図 2 に示す. 3 2 3 2 2 2 2 2 図 2 新入力優先回路

Ⅳ-6. 直列優先回路直列優先回路は電源側に近い回路の優先が最も高く, 電源側のスイッチから順に ON しないと動作しない回路である. 直列優先回路の例を図 22 に示す. 2 2 3 3 3 3 2 3 図 22 直列優先回路 Ⅳ-7. 課題 () 次に示す つのシーケンス図をもとにタイミングチャートを完成させよ 2 2 2 2 2 2 S 3 2 3 2 2 3 3 S 2 3 2

2 3 2 3 3 3 2 2 3 3 2 3 2 S 3 3 3 2 2 3 S 2 3 2 (2) 次のタイミングチャートを満たすシーケンス図を完成させよ 3 2 3 2 2 3 3 Ⅴ. タイマーとカウンタリレーを用いて制御を行うとき, 時間の管理や回数の管理を行うことによりその応用範囲は広がる. 例えば, 指定時間後に電源を入れたり切ったりする機能や指定された回数だけ処理が行われると電源を入れたり切ったりする機能は広く利用されている機能である. これらを実現するためにタイマーやカウンタが利用される. 3

Ⅴ-. タイマータイマーは指定された時間差を作って動作するリレーである. タイマーには以下に示す二つの種類がある. (a) オンディレイタイマー ON してから一定時間後に動作する. この回路の記号と使用例, そしてタイミングチャートを図 23 に示す. コイル a 接点 b 接点 ( コイル ) 図 23 オンディレイタイマーの記号と動作 (b) オフディレイタイマー ON と同時に動作して, コイルを OFF してから一定時間後に OFF する. この回路の記号と使用例, そしてタイミングチャートを図 2 に示す. コイル a 接点 b 接点 ( コイル ) 図 2 オンディレイタイマーの記号と動作 また, タイマーの配線図とピン番号を図 25 に示す. 2 2 2 9 5 5 9 9 + - 3 3 Bottom View 図 25 タイマーの配線図とピン番号 Ⅴ-2. 遅延動作回路スイッチを入れてから指定された時間遅延した後に動作する. つまり, スイッチを入れてから設定した時間後に電源が入る回路である. この回路の例を図 26 に示す. 2 2 図 26 遅延動作回路

Ⅴ-3. 遅延動作回路の例タイマーを三つ用意し, スイッチを入れてから指定された時間後毎に, 順番にランプを点けていく. この回路を図 27 に示す. 2 2 2 2 3 3 3 3 2 3 図 27 遅延動作回路 Ⅴ-. 一定時間動作回路スイッチを ON 操作すると同時に作動し, タイマーの設定時間後に停止する ( スイッチ ON 後, 一定時間で切れる ). この回路を図 2 に示す. 図 2 一定時間動作回路 Ⅴ-5. タイマーのタイミング問題タイマーを用いて回路を作る時, タイマー制御のタイミングを考慮する必要がある. 特に, 一定時間動作回路として図 29 に示すような回路を使った場合に問題が生じることがある. ここで, 注意が必要なのは タイマーはコイルの電流供給がないと, 瞬時に前の状態に戻る ということである 図 29 不安定な一定時間動作回路 具体的な動作を図 30 に示す. 5

図 30 不安定な一定時間動作回路の動作 タイマーにより OFF するとき, コイル よりコイル の方が先に切れる場合, 接点 が切れる前に接点 がつながって が保持されてしまう. タイマーにより OFF するとき, コイル よりコイル の方が先に切れる場合, 自己保持が保たれ が先に切れる. Ⅴ-6. 繰り返し動作回路 2 個のタイマーを用いて一定時間毎に ON/OFF を繰り返す. この回路を図 3 に示す. S 2 2 2 S - 2 2 図 3 繰り返し動作回路 6

Ⅴ-7. 課題次に示す二つの回路のタイミングチャートを完成させよ. 2 2 2 2 3 3 3 3 2 3 S ON OFF OFF ON S OFF Ⅵ. カウンタ Ⅵ-. カウンタコイルに電流が流されるとカウントアップまたはカウントダウンし, その数を数える. または, 指定された回数だけ信号が入力されると接点が動作するリレーである. カウンタの記号を図 32 に示す. カウントコイルリセットコイル a 接点 b 接点 CC C CC CC 図 32 カウンタ Ⅵ-2. カウンタ回路の例カウンタを用いてスイッチが入力された回数を数える回路を図 33 に示す. また, プリセットカウンタを用いて 3 回数えたら一定時間動作する回路の例を図 3 に示す. CC カウンタ 2 3 図 33 カウントアップ回路 7

図 3 プリセットカウンタ回路 MEMO

2. シーケンス回路の実配線と動作チェック 前章までにリレーを用いた様々なシーケンス回路について説明を行った. この章では実際にリレーを用いて前述した回路を配線し, 動作の確認を行う. 用いる機器は各種スイッチ, リレーそしてタイマーである. 制御および出力用に用いる電源は +2V と +5V である. Ⅰ. 入出力機器配線に用いる入出力機器として以下の機能を持った機器を用いる. Ⅰ-. リレーリレーは つのコイルで二つの接点を動作することができる機器を用いる. 各機器の使用とピン番号を図 35 に示す. なお, リレーには端子台を付けて使用するので直接リレー端子に配線しないように注意することが必要である. また, 端子台とリレーには二種類あるのでリレーの印字を確認して配線するように注意すること. 図 35 実験に使用するリレー Ⅰ-2. タイマータイマーは s,0s,m,0m 単位の設定ができる機器を用いる. また, 動作も複数設定可能であるが, この実験ではコイルに電流が流れてから指定時間後に動作する機能を用いる. 使用するタイマーの配線図とピン配置を図 36 に示す. タイマーには端子台を付けて使用するので直接リレー端子に配線しないように注意することが必要である. 図 36 実験に使用するタイマー Ⅰ-3. 接点スイッチと出力機器入力のためのスイッチとしては,a 接点のみの手動操作自動復帰接点および a,b 接点を持つ手動操作自動復帰接点, そしてリミットスイッチを用いる. 出力機器としてはランプとブザー (5V) を用いる. 図 37 にこれらの代表的な機器の接点番号を示す. 9

図 37 実験に使用する入出力機器 Ⅱ. 実配線例次に, 実際にリレーを用いて回路を作る作業に入る. 実配線はシーケンス図に比べてかなり複雑な回路となる. また, 配線を行う前に, シーケンス図に使用する機器の接点番号を書き込むことにより比較的簡単に実配線を行うことができる. Ⅱ-. 自己保持回路実配線の例として, シーケンス回路で最も基本となる自己保持回路についての配線を行う. 図 3 に, 自己保持回路のシーケンス図に接点番号を付加した回路を示す. (2V) 2 (GND) 7 6 図 3 接点番号を付加したシーケンス回路 このシーケンス回路をもとに, 実際に配線した配線図は図 39 のようになる. 6 7 AC00 2V V2 G2 V G 2 図 39 自己保持回路の実配線図 20

ON (ON) ON (ON) また, この回路に自己保持の停止機能を追加し, さらに制御回路には +2V, 出力回路に +5V を用いた場合のシーケンス回路と実配線図を図 0 に示す. (2V) 2 2 6 (GND) 7 (5V) (GND) 6 7 3 5 5V(ED) AC00 2V V2 G2 V G 2 2 5V V G 図 0 制御と出力電源が異なる自己保持回路の実配線図 Ⅲ. 課題次に示す各回路の実配線図を作成するとともに, その動作を確認せよ. Ⅲ-. インターロック回路 6 5 2 2 2 3 5 3 2 2 2 7 7 2 2 インターロック回路 インターロック回路のタイミングチャート 必要部品, (a 接点 ) 3 (b 接点 ),2,2 (2V) 2 2 6 2 3 3 5 6 5 7 7 3 AC00 2V V2 G2 V G 2 2 2 2

Ⅲ-2. 並列優先回路次に示す 2 入力の並列優先回路を実際に配線し, その動作を確認せよ. 3 2 2 3 2 2 2 2 MEMO 22

Ⅲ-3. オフディレイタイマー下図のシーケンス図に示すように, スイッチを入力した際にランプを点灯し, 指定時間後に消すオフディレイタイマーを構成する一定時間動作回路のシーケンス回路の実配線図を作成し, 実際に動作を確認せよ. 6 2 2 7 3 一定時間動作回路 一定時間動作回路のタイミングチャート 必要部品 (a 接点 ), (2V) AC00 2V V2 G2 V G 2 2 3 5 9 6 2 7 3 5 Ⅲ-. 繰り返し回路次に示す制御用と出力用の電源の異なり, 一定時間毎にランプの ON/OFF を交互に繰り返す, 繰り返し回路を実配線し, その動作を確認せよ. (2V) S 2 6 2 3 (GND) S - 2 5 3 2 2 2 7 3 2 2 2 (5V) 9 2 5 (GND) BZ 繰り返し動作回路のタイミングチャート 繰り返し動作回路 23

MEMO 2

3. シーケンサーによるシーケンス回路の制御 前回は, リレーやスイッチといった入力機器を用いて, 実際にシーケンス回路を配線した. この実配線の実験を通して, 簡単なシーケンス回路であっても, 実際に配線するとかなり面倒で, 複雑になることが体験できたと思う. 実際にリレーを用いて制御する場合には, 簡単なシーケンス回路である場合を除いて, このようなリレーを用いて実際に配線することは少ない. では, 何を用いるかというと Programmable ogic Controller(PC) と呼ばれる装置を用いることが一般的である. この装置を総称してシーケンサーと呼ぶことが多い. このシーケンサーの中にはコンピュータが組み込まれており, 内部でリレー制御を配線することなしに行うことができる. よく使われるシーケンサーメーカとしては, 三菱電機, オムロン, キーエンスがある. Ⅰ. シーケンサーの概要シーケンサーは, 図 に示すようにシーケンス図から入力や出力部分と論理部とを分離し, 論理回路部分のみについて実際に配線することなくプログラム化する装置である. これにより, 論理回路の作成 修正が容易になるとともに, コンパクトに納めることができるので, パーソナルコンピュータを用いた制御に比べて, サイズ, 価格ともにコンパクトにすることができる. (2V) 2 2 6 (GND) 7 分離 入力 制御 出力 S CC M M Programmable ogic Controller 図 シーケンサー Ⅰ-. シーケンサーの概念シーケンサーはシーケンス図から入出力部と制御部 ( 論理部 ) を分離した回路のうち, 制御回路をプログラム可能にした装置である. 具体的な回路を例に, どのような仕組みになっているのかを自己保持回路を例に示す. 図 2 に示したのは, 制御電源 +2V, 出力電源 +5V を用いた解除付きの自己保持回路のシーケンス図である. この回路に対し, 二つの入力スイッチ ( 自己保持開始, 自己保持解除 ) と一つの出力ランプを入力と出力に分け 25

る. そして論理部はこれらの入出力記号を入出力信号 (X0,X,Y60,YA0) に置き換えて回路を構成する. シーケンサー内におけるこのような記号表現回路をラダー ( はしご ) という. このようにした時, 実際にシーケンサーではこのようなリレー X0,X や出力のスイッチをも内部に取り込んだ構成となる. そして, 実際に配線は入力に対しての電源供給と信号の X0,X 端子への入力, そして出力電源の供給と出力信号 YA0 にランプを接続することにより組み立てることができる. このため, リレーの複雑な配線が省略でき, 入出力の配線と論理回路の制作だけでシーケンス図に対する実配線が可能となる. 入力 (2V) 2 2 6 入力 (GND) 7 (5V) 出力 (GND) 入力制御 ( 論理回路 ) 入力 X 出力 Y 出力 X0 X Y60 Y60 Y60 YA0 PC X0 X X0 Y60 Y60 X Y60 YA0 Y60 YA0 図 2 シーケンサーを用いた自己保持回路と実配線 Ⅰ-2. シーケンサーの構成実験に用いるシーケンサーは三菱電機製の MESEC ASJC という, 工業用小型シーケンサーである. 後付で機能を追加できるが, 実験に用いる装置は入力 2/2V 信号 6 点 5/2V 信号 32 点出力 2/2V 信号 6 点 5/2V 信号 32 点アナログ入出力 2ポートの機能を持っている. また, シーケンサー内部にはデータレジスタ 02(6bit), タイマー (256 点 ), カウンタ 256(6bit) などが標準で用意されている. シーケンス図 ( ラダー図 ) の作成にはパーソナルコンピュータを用い, シーケンサーへのアップロードやシーケンサー回路のモニタリングなどが可能である. このソフトを起動するには >gpp usr gppa と DOS 上で入力する. 26

2/2V 5/2V 2/2V 5/2V 6 点 32 点 6 点 32 点 ASX2 ASX7 ASY2 ASY7 AS62DA ASJ-CPU X0 X20 X0 Y60 Y0 YA0 XC0 XF X3F X5F Y7F Y9F YBF XDF YDF 入力出力 AD/DA データレジスタ (6bit) D0 02 個 D023 タイマー 0 00msec 99 200 0msec 255 カウンタ (6bit) C0 ビットレジスタ (20 点 ) M: 内部リレー出力されない内部利用用のリレー : ラッチリレー電源を切る直前の状態を保持 S: ステーブルリレー Mと同じファイルレジスタ 0 09 Dと同じだが バックアップされている 256 個 C255 時計 図 3 シーケンサーのピン構成 図 3 に使用するシーケンサーの入出力信号ピン番号を示す. ただし, これらのピン番号の付け方等はメーカによって異なる. Ⅱ. シーケンサー制御例 Ⅱ-. 自己保持回路シーケンサーを用いて実際にどのように配線するのかについて, 自己保持回路を例に説明する. 入力 X 入力 制御 ( 論理回路 ) 出力 Y 出力 X0 X Y60 Y60 Y60 YA0 X0 X Y60 AC00 2V V2 G2 V G X0 COM YA0 COM V G 5V AC00 入力端子出力端子 図 シーケンサーを用いての実配線図 27

図 は, 入力 2V 出力 5V の解除付き自己保持回路の例である. 解除に用いられる は b 接点であるがシーケンス回路上の論理を反転することにより, 入力は a 接点扱いとする. これにより論理の統合をとることができる. シーケンサーでの 2V 入力は X0 から X3F までであるので, この中にある X0,X に配線する. また, 出力は 5V であるので,YA0 を用いる. Ⅲ. 課題以下に示す各回路のラダー図を完成させると共に, 実配線図を作成し回路の動作確認を行う. ラダー作成におけるタイマーやカウンタの利用についてはマニュアル等を十分に参考にすること. Ⅲ-. インターロック回路 2

Ⅲ-2. 並列優先回路 Ⅲ-3. オフディレイタイマー 29

Ⅲ-. 繰り返し回路 Ⅳ 考察 参考文献資料 ) 制御基礎講座 リレーシーケンス制御 : 松下電器製造技術研修所編著, 廣済堂 2) 三菱電機 MESEC A シリーズ ASJ ユーザマニュアル 30