原子力損害賠償の実施状況

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原子力損害賠償紛争解決センターの手引き

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原子力損害賠償紛争審査会の状況 1 指針の策定 原子力損害賠償紛争審査会は 可能な限り早期の被害者救済を図るため 賠償すべき損害として一定の類型化が可能な損害項目や その範囲等を示した指針を順次策定 昨年 8 月策定の 中間指針 に加え 昨年 12 月策定の 中間指針第一次追補 において 自主的避難等をされた方々への損害をとりまとめ 本年 3 月 16 日に策定した中間指針第二次追補において 今後の検討事項とされていたこと等について 避難区域の見直し等も踏まえ 現時点で可能な範囲で考え方を提示 2 原子力損害賠償紛争解決センター 原子力損害賠償紛争審査会は 損害賠償請求に係る紛争を円滑 迅速 公平に解決するため 原子力損害賠償法に基づく公的な紛争解決機関として原子力損害賠償紛争解決センターを開設 ( 東京事務所 : 東京都港区 福島事務所 : 福島県郡山市 ) し 昨年 9 月 1 日より和解の仲介の申立の受付を開始 本年 6 月 28 日現在 申立数 2,908 件 和解成立件数 264 件 ( 全部和解 228 件 ) 打切 86 件 取下 134 件 本年 2 月 14 日 3 月 14 日及び 4 月 20 日 迅速かつ効率的に和解案を作成するため総括基準 ( 注 : 多くの申し立てに共通な問題点に関して 一定の基準をしたもの ) を策定 ( 合計 8 件 今後も順次策定 公表予定 ) 本年 4 月 27 日及び 5 月 18 日 和解案提示理由書の実例 和解契約書の実例を公表 ( 今後も順次公表予定 ) 被害者の方々が和解の仲介をできる限り負担なく受けられるような体制整備を図るため 福島事務所の支所を福島県内に 4 カ所設置 (7 月 2 日より業務を開始 ) 県北支所 ( 福島市内 ) 会津支所 ( 会津若松市内 ) いわき支所 ( いわき市内 ) 相双支所 ( 南相馬市内 )

東京電力株式会社福島第一 第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する指針について経緯 原子力損害賠償紛争審査会は 賠償を円滑に進めるため 原子力損害の範囲の判定等のための指針を原子力損害に該当する蓋然性の高いものから 順次策定 第一次指針 ( 平成 23 年 4 月 28 日 ): 政府指示等に伴う損害 第二次指針 ( 平成 23 年 5 月 31 日 平成 23 年 6 月 20 日追補 ): いわゆる風評被害や避難生活等に伴う精神的損害 中間指針 ( 平成 23 年 8 月 5 日 ): これまでの指針で示された損害の範囲も含め 原子力損害の範囲の全体像 中間指針第一次追補 ( 平成 23 年 12 月 6 日 ): 自主的避難等に関する損害 中間指針第二次追補 ( 平成 24 年 3 月 16 日 ): 政府による避難区域等の見直し等に係る損害 ( 赤字部分 ) 中間指針に示されなかったものが直ちに賠償の対象とならないというものではなく 個別具体的な事情に応じて 相当因果関係のある損害として賠償の対象と認められ得る 指針に明記されていない損害についても 指針の趣旨を踏まえ かつ 当該損害の内容に応じて 東京電力に合理的かつ柔軟な対応を求めることが明記されている 政府指示等の対象地域等 Ⅰ 避難等に伴う損害 ( 避難区域 [ 警戒区域 ] 屋内退避区域 計画的避難区域 緊急時避難準備区域 特定避難勧奨地点 南相馬市より一時避難要請があった区域 ) 避難 一時立入 帰宅費用 : 交通費 宿泊費 家財道具移動費用等 生命 身体的損害 : 避難等によって生じた健康状態悪化等による治療費等 精神的損害 ( 避難費用のうち通常の範囲の生活費の増加費用を含む ) 計画的避難区域 警戒区域 緊急時避難準備区域 3 特定避難勧奨地点 3 政府指示等の対象外地域等 Ⅴ いわゆる風評被害 一般的基準 放射性物質による汚染の危険性を懸念して敬遠したくなる心理が平均的 一般的な人を基準に合理的な場合 原則として損害と認める類型を提示 営業損害 取引数量減少 価格低下による減収分 商品廃棄費用等の追加的費用 就労不能等に伴う損害 検査費用 ( 物 ) 農林漁業 食品産業 観光業 製造業等 輸出を類型化 ( 詳細は右に記す ) Ⅵ いわゆる間接被害上記 Ⅰ~Ⅴの損害を受けた第一次被害者との関係で 取引に代替性のない場合 ( 事業の性質上 販売先又は調達先が地域的に限定されている事業で必然的に生じたもの等 ) ( 間接被害者の営業損害の例 ) 1 中間指針上 第 2 期は月額 5 万円だが 実際は月額 10 万円が賠償されている 顧客の大半が避難したことで売上げが 2 どの時点で帰還したかを問わず一律で賠償 特段の事情がある場合は 期間経過後も賠償され得る 減少した避難区域に近接する商店等 3 第 1 2 期に帰還した場合や滞在しつづけた場合 個別具体的な事情に応じて賠償の対象となり得る 操業停止で水揚げがない漁港の製氷業 4 楢葉町の区域は避難指示区域の解除後相当期間まで 財物価値の喪失又は減少等者 仲買人等 現実に生じた価値喪失 減少及び追加的費用( 修理 除染費用等 ) 帰還困難区域内の不動産: 全損と推認 ( 再取得価格に配慮する等 合理的に価値を評価 ) Ⅶ その他 居住制限区域 避難指示解除準備区域内の不動産: 事故発生直前の価値から一定程度減少 放射線被曝による損害 と推認 復旧作業に従事した原発作業員 自衛官 営業損害 ( 農林水産業 製造業等事業一般 ) 等または住民等の急性 晩発性放射線障 営業 取引等の減収分 ( 特別の努力は損害額から控除しない等の合理的 柔軟な対応が必要 ) 害 就労不能等に伴う損害 ( 特別の努力は損害額から控除しない等の合理的 柔軟な対応が必要 ) 各種給付金等と損害賠償金との調整 検査費用 ( 人 ) 検査費用 ( 物 ): 商品の汚染検査費用 地方公共団体等の財産的損害 Ⅱ 航行危険区域等 飛行禁止区域設定に係る損害 営業損害 ( 漁業者 海運業者 旅客船事業者 航空運送事業者等 ): 操業困難による減収分 航路迂回による費用増加分 就労不能等に伴う損害 Ⅷ 自主的避難等に関する損害 Ⅲ 農林水産物 ( 加工品含む ) 及び食品の出荷制限指示等に係る損害 平成 23 年 12 月末まで : 自主的避難等対 ( 出荷 作付制限 放牧 牧草等給与制限 食品衛生法に基づく販売禁止 検査等 ) 象区域 ( 福島県内 23 市町村 ) の自主的避 営業損害 ( 農林漁業者 流通業者等 ): 出荷断念等による減収分 商品廃棄難者 滞在者に生じた損害 : 妊婦 子供 (40 万円 ) それ以外(8 万円 ) 費用等の追加的費用 就労不能等に伴う損害 検査費用 ( 物 ) 平成 24 年 1 月以降 : 区域の設定は行わ Ⅳ その他の政府指示等に係る損害 ( 水に係る摂取制限 上下水道副次ず 子供及び妊婦について個別に判断産物取扱指導 学校等校舎 校庭利用に関する通知等 ) ( 平均的 一般的な人を基準としつつ 合理性を 営業損害 : 代替水提供 汚泥保管 校庭の線量低減対策費用等有していると認められる場合は賠償の対象 ) 就労不能等に伴う損害 検査費用 ( 物 ) Ⅸ 第 1 期 第 2 期 (~ 区域見直し時点 ) 1 ( 体育館等への避難は 12 万円 ) 第 1 期 第 2 期 (~ 事故後 1 年 ) 1 ( 体育館等への避難は 12 万円 ) 除染等に係る損害 第 3 期 (~ 終期 ) ( 避難者と移住者に差を設けない ) 避難指示解除準備区域 居住制限区域 帰還困難区域 (2 年分を一括し 240 万円も可 ) 一括 600 万円 第 3 期 (~ 終期 ) 解除後に賠償される期間 現時点で実際に解除された区域がないこと等から 今後の状況を踏まえて判断 2 解除後に賠償される期間 平成 24 年 8 月末まで ( 4) を目安 2 解除後 3 か月を目安 2 必然的に生じた追加的費用 減収分及び財物価値の喪失 減少 地方公共団体や教育機関が行う必要かつ合理的な検査等に係る費用 いわゆる風評被害について 専門委員による詳細な被害の実態調査結果を踏まえ 風評被害の範囲を明示 農林漁業 食品産業に係る風評被害 農林産物( 茶 畜産物を除き 食用に限る ) 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 千葉県 埼玉県 茶 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 千葉県 埼玉県 神奈川県 静岡県 畜産物( 食用に限る ) 福島県 茨城県 栃木県 牛肉( セシウムに汚染された牛関連 ) 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 新潟県 岐阜県 静岡県 三重県 島根県 これらの道県以外で新たに汚染された稲わらの流通 使用による牛肉の価格下落等が確認された場合 同様の扱い 水産物( 食用 餌料用に限る ) 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 千葉県 花き 福島県 茨城県 栃木県 その他の農林水産物( 木材等 ) 福島県 農林水産物の加工品 食品 主たる事務所又は工場が福島県に所在するもの 主たる原材料が上記の産品であるもの等 上記以外の被害 買い控えの発生状況 出荷制限の内容等を考慮し 相当因果関係が認められる場合は賠償の対象 観光業に係る風評被害 少なくとも相当因果関係が認められる地域 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 外国人観光客に係る損害 平成 23 年 5 月末までの通常の解約率を上回る解約 ( 日本全体 ( 上記 4 県除く )) 上記以外の被害 個別具体的な事情に応じ 解約 予約控え等の被害について 相当因果関係が認められる場合は 賠償の対象 風評被害 の範囲 類型化された業種 ( 農林漁業 食品産業 観光業 製造業 サービス業等 輸出 ) 類型化できない個別の被害について 一般的基準に照らし 個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められ得る 製造業 サービス業等に係る風評被害 国内の製造業 サービス業等 福島県で製造 販売を行う物品 サービス等に係る損害 ( 例 : 福島県 内で製造された繊維製品 県外事業者による貨物の受取拒否 ) 事業者が福島県へ来訪拒否することにより生じた損害 ( 例 : 運送事業者の来訪拒否 美術展覧会等のイベン ト中止 ) 上下水道汚泥 ( 原材料とする製品含む ) の引き取り忌避により生じた損害等 外国人来訪によるサービス等 平成 23 年年 5 月末までの解約 ( 日本全体 )( 例 : 外国人アーティストの来日拒否 外国船舶の寄港拒否 ) 輸出に係る風評被害 輸出先国の要求による検査費用 証明書発行費用等 輸出先国の輸入規制や取引先からの要求によって現実に生じた検査費用 証明書発行費用等 ( 当面の間 日本全体 輸入拒否による損害 輸出先国の輸入拒否 ( 輸入規制や取引 先の輸入拒否 ) がされた時点で 既に輸出又は生産 製造を開始していた場合の現実に生じた損害 ( 日本全体 )

4/15 4/30 5/15 5/30 6/14 6/29 7/14 7/29 8/13 8/28 9/12 9/27 10/12 10/27 11/11 11/26 12/11 12/26 1/10 1/25 2/9 2/24 3/10 3/25 4/9 4/24 5/9 5/24 6/8 6/23 東京電力による損害賠償の仮払い 本賠償の支払状況 4/28 6/20 8/5 ( 億円 ) 第 1 次指針 第 2 次指針追補 中間指針 10000 5/31 第 2 次指針 9000 8000 仮払い : 計 1,465 億円 (6 月 27 日現在 ) 本賠償 : 計 8,314 億円 (6 月 27 日現在 ) 12/5 個人 法人 9/12 個人 9/21 法人第 1 期本賠償受付開始 第 2 期本賠償受付開始 12/6 中間指針追補 3/9 自主避難等賠償受付開始 3/16 個人 法人第 3 期本賠償受付開始 自主的避難等約 2,526 億円 ( 約 585,000 件分 ) 7000 6000 5000 4000 本賠償 ( 個人 ) 約 1,381 億円 ( 約 96,100 件分 ) 本賠償 ( 事業者 ) 約 2,642 億円 ( 約 55,500 件分 ) 本賠償 3000 2000 中小企業者 : 損害額の 2 分の 1 約 85 億円 ( 仮払 ) 本賠償 ( 団体 地方公共団体 ) 約 1,765 億円 1000 0 農林漁業者 ( 出荷制限等 ): 損害額の 2 分の 1 約 364 億円 ( 仮払 ) 避難住民 ( 追加 ) : 避難状況に応じて 1 人当たり 10~30 万円約 441 億円 ( 仮払 ) 避難住民 ( 当初 ) :1 世帯当たり 100 万円 ( 単身世帯 75 万円 ) 約 544 億円 ( 仮払 ) 仮払い 国による仮払い ( 福島 茨城 栃木 群馬の観光業者 ( 中小企業者に限る ) 向け ) 等 ( 約 31 億円 ) は除く

指針に明示されていない損害への対応について 東京電力の原子力損害賠償における課題 指針に明示されていない損害の賠償を加速させる観点から 指針の類型化の考え方の準用 賠償金額 比率の調整による賠償対象の認定の柔軟化 多様な原因による被害のうち事故との関係がより深い項目を抽出することによる柔軟な賠償対象の類型化などの取組を進めていく また 個人の請求についても円滑な賠償を図るため 同様に 柔軟な賠償の認定を進めていく ( 平成 24 年 3 月 23 日 第 4 回原子力損害賠償円滑化会議にて合意 ) ( 参考 : 取組の具体例具体例 ) 東京電力から 中間指針に明示されていない損害に対する賠償として 3 月 22 日 福島県に対し 事故発生時点で福島県南地方に居住していた妊婦及び子供に対し損害を認め 避難の有無に拘わらず 指針に明示された自主的避難等対象区域の妊婦及び子供の半額に相当する 一人 20 万円の賠償を提示 中間指針第 2 次追補を踏まえた賠償方針について 中間指針第 2 次追補を踏まえた賠償の方針について 下記の考え方を念頭に 国及び東電において検討を進め 地元自治体とも意見交換しつつ 基準策定の作業を進める ( 財物に係る賠償 ) 1 不動産 ( 土地 建物 ) については 帰還困難区域 は全損とし 居住制限区域 及び 避難指示解除準備区域 は 避難指示解除までの期間等を考慮して価値減少率を推認するが 区域が異なっても 解除までに要する期間が同程度の場合には 実質的な格差が生じない仕組みとする 2 居住困難区域 避難指示解除準備区域 の住宅については 建物の規模に応じて算定した修復等費用を先行して支払う 3 家財については 賠償手続きの迅速化のため 家族構成に応じて算定した賠償額を支払うことを原則とし 実損の積み上げによる請求も選択可能とする 4 上記の考え方を基に 東京電力は賠償方針の検討状況を速やかに公表し 復興庁 資源エネルギー庁 原子力災害対策本部等国の関係部局とともに地元自治体との意見交換を進め 具体的な賠償基準を策定する ( その他 ) 5 営業の再開 就労による収入を営業損害 就労損害から控除しない取り扱い等 第二次追補で求められる項目について検討 6 避難区域の見直しが行われ 復興への取組が本格化する中で 東京電力による賠償と国等による政策支援が一体として進められることが不可欠であることから 東京電力 国の賠償担当部局及び復興庁はじめ政策担当省庁等が密接に連携し 整合性のとれた復興支援の体系の構築 実施に努める ( 平成 24 年 4 月 23 日 第 5 回原子力損害賠償円滑化会議にて合意 )