JP1 Backup Exec 2012 ではじめる Windows Storage Server の保護 導入手順書
Contents 1 JP1/VERITAS Backup Exec のインストール 5 2 JP1/VERITAS Backup Exec のデバイス設定 13 3 JP1/VERITAS Backup Exec でバックアップしてみよう 21 4 JP1/VERITAS Backup Exec によるシステム全体のリカバリ 34 この資料では JP1/VERITAS Backup Exec のインストールから基本的な使用方法について説明します 対象製品 JP1/VERITAS Backup Exec 2012 本資料は JP1/VERITAS Backup Exec2012 が対象商品です 導入の流れ 本資料では JP1/VERITAS Backup Exec の導入からバックアップを始めるところまでをやさしく説明します 1 2 JP1/VERITAS Backup Exec のインストール JP1/VERITAS Backup Exec のデバイス設定 3 JP1/VERITAS Backup Exec でバックアップしてみよう 2
はじめに JP1/VERITAS Backup Exec のシステム構成 導入を始める前に まず製品の概要を見ておきましょう Windows Storage Server に JP1/VERITAS Backup Exec を導入する際のシステム構成は次のようになっています 本資料では Backup Exec メディアサーバと Backup Exec クライアントが同一の Windows Storage Server に構成された例を説明します Backup Exec システム構成概要 Backup Exec のシステムは メディアサーバ と クライアント により構成されます メディアサーバは デバイス や メディア を使ってバックアップデータを記録します Backup Exec メディアサーバ バックアップやリストアを実行するサーバです ローカルディスクのバックアップや LAN 経由で Backup Exec クライアントのバックアップをすることができます Backup Exec クライアント バックアップ対象になるサーバです 本構成ではメディアサーバとクライアントは同一の構成です また メディアサーバにはクライアント機能が含まれます 3
デバイス バックアップデータを記録する装置です 次の種類があります BackupExec 管理コンソールでの表示 テープ装置 スタンドアロンライブラリロボットライブラリ 単一のテープ装置 複数テープをロボットで制御しテープ切換えを自動化 ハードディスク装置 メディア バックアップデータを格納する媒体です 次の種類があります BackupExec 管理コンソールでの表示 テープメディア : LTO DAT など バックアップフォルダ ( 独自形式のファイルに記録 ) メディアはまとめて メディアセット として扱います メディアセットの種類 ( 初期時 ) メディアセットには 管理ルールとして 追記期間 と 上書き禁止期間 を設定します ディスクの場合は メディアセットではなく保持期間で管理されます 4
1 1 JP1/VERITAS Backup Exec のインストール この章の操作の流れ 手順 : Backup Exec をインストールする 5
JP1/VERITAS Backup Exec をインストールしよう JP1/VERITAS Backup Exec のインストール まず初めに サーバに Backup Exec をインストールしましょう 本資料では Windows Storage Server + Backup Exec メディアサーバ の構成を例として説明をすすめます JP1/VERITAS Backup Exec メディアサーバには Backup Exec インストール先として 約 2.5GB のディスク空き容量が必要です また バックアップデータを格納するために テープ装置またはディスク空き領域が必要です インストールの操作は Windows の管理者権限を有したユーザ で行ってください 6
1. 手順 : JP1/VERITAS Backup Exec のインストール 早速インストールメディアを DVD ドライブにセットし JP1/VERITAS Backup Exec のインストールを始めましょう 1 サーバにインストール媒体をセットします サーバに JP1/VERITAS Backup Exec の媒体をセットしてください インストーラが起動しますので 言語を 日本語 に設定します インストーラが起動しなかった場合は エクスプローラでドライブ直下に存在する Browser.exe ファイルをダブルクリックしてください 2 Backup Exec のインストールを開始します Backup Exec 2012 インストール DVD へようこそ 画面の 製品をインストールする をクリックします 3 インストールする製品を選択します インストール画面でインストールする製品を選択します ここでは Backup Exec を選択します 7
4 使用許諾を確認します 製品モジュールのロード 検証が終了すると使用許諾契約書の画面が表示されます 使用許諾契約書に同意します を選択し Backup Exec に使用状況の情報の収集を許可します のチェックを外して 次へ をクリックします JP1/VERITAS Backup Exec では 記録媒体の包装の開封をもって ソフトウェア使用許諾契約書 をご承諾いただき ソフトウェアの使用許諾が成立したものとさせて頂いております 5 カスタムインストール を選択します 実行するインストールの種類をここでは カスタムインストール を選択し 次へ をクリックします 6 ローカルインストール を選択します ローカルインストール の Backup Exec および各オプションのインストール を選択し 次へ をクリックします 8
7 環境チェック結果が表示されます JP1/VERITAS 内容を確認し 次へ をクリックします 8 ライセンスキーファイルをインポートします 用意したライセンスキーファイルを ファイルからのインポート をクリックしてインポートします インポートが完了したら 次へ をクリックします ( 補足 ) ( 備考 ) ライセンスキーはインストール後にインポートすることも可能です ライセンスキーを入力しない場合は 評価版としてインストールされます 評価期間は 60 日間です ライセンスは 購入時に送付されるライセンスキーからライセンスファイルを入手します インターネット経由で入手する必要がありますので インターネットに接続可能な環境でライセンスファイルを入手してください ライセンスファイルは < シリアル番号 >.sif ファイルというファイル名で保存されます 9
9 インストールするオプションを選択します インストールするオプションを選択して 次へ をクリックします 10 インストールする言語を選択します ここでは デフォルトのまま 次へ をクリックします 11 インストールするディスクを選択します Backup Exec をインストールするディスクを選択し 次へ をクリックします ここでは デフォルトの場所を選択します 10
12 管理者権限ユーザー / パスワードを入力します JP1/VERITAS Backup Exec サービスを実行するユーザー名 パスワード ドメインを入力します Administrator または管理者権限を持つアカウントを入力し 次へ をクリックします Backup Exec サービスの実行に必要な特権が不足している場合は 自動設定されます 次のダイアログが表示されたら [OK] を押してください 13 Backup Exec データベースを選択します バックアップ情報などを管理するデータベースを選択します ローカルに Backup Exec SQL Express インスタンス を選択し インストール先フォルダを入力してください 次へ をクリックします 14 テープ装置のドライバを選択します すべてのデバイスに Symantec テープデバイスドライバを使用する を選択してください このドライバは Backup Exec 用に最適化されています 次へ をクリックします 11
15 インストール処理を実行します ここまでの操作で インストールの準備ができました インストール をクリックしてください インストールには 数分掛かります しばらくお待ちください OS のセキュリティ設定によっては Symantec テープデバイスドライバのインストール時に次のダイアログが表示されます [ このドライバソフトウェアをインストールします ] を選択してください インストールが終わると インストールが完了しました が表示されます この例では 次のように指定します LiveUpdate はしない設定にする 完了 をクリックし インストールウィザードを終了します Readme が表示されますので内容を確認し すべてのウインドウを閉じた後 インストールメディアを DVD ドライブから取り出しコンピュータを再起動してください 使用する Backup Exec のバージョンによってはこの後修正モジュールのインストールが必要になります インストール完了! 以上で JP1/VERITAS Backup Exec がインストールできました 次のデバイス設定に進みましょう 12
2 2 JP1/VERITAS Backup Exec のデバイス設定 この章の操作の流れ 手順 1: RDX ドライブの設定 手順 2: LTO ドライブの設定 手順 3: LTO ロボットライブラリの設定 13
デバイスの設定を完了させよう JP1/VERITAS Backup Exec のデバイス設定 インストールした JP1/VERITAS Backup Exec をシステム構成に合わせてデバイス設定をします ホームタブに表示されている ストレージ状態 から ストレージを設定する をクリックしてデバイス設定を行います 各手順で 図の箇所を設定します 手順 1 手順 2 手順 3 デバイスとは : バックアップデータを記録する装置で テープ装置とハードディスク装置があります 14
1. 手順 1 RDX ドライブの設定 手順 1 では RDX ドライブにマウントした RDX カートリッジにバックアップフォルダを作成します パス D:\VERITAS ファイルサイズ 50GB (default) ファイル作成時割当 する 同時並列ジョブ 1 (default) 空き領域低しきい値 0GB (default) 左記のように設定すると バックアップフォルダに Backup Exec 独自形式ファイルが作成され バックアップデータが記録されます ( 例 ) D:\VERITAS\B2D000001.bkf B2D000002.bkf 1 デバイスの種類を選択します デバイス設定アシスタントウィザードから ディスクベースのストレージ を選択して 次へ をクリックします 2 設定するストレージの種類を選択します RDX ドライブをデバイスとして設定するために ディスクカートリッジデバイス を選択して 次へ をクリックします 3 デバイスを指定します 管理コンソールで表示する名前を入力して 次へ をクリックします 15
RDX ドライブを指定して 次へ をクリックします 4 設定内容を確認し 適用します 設定内容を確認して 完了 をクリックします 設定内容を確認してください 以上で RDX ドライブが設定できました 16
手順 2 LTO ドライブの設定 手順 2 では LTO ドライブの設定を行います シングルテープ装置をバックアップ先として使用する場合 特別な設定はありません 左記のように LTO ドライブのアクセスドアを持ち上げ LTO メディアを挿入します 新しいテープメディアを挿入する度に テープメディアの情報を Backup Exec のデータベースに登録する作業が必要になります 1 メディアを認識させます ストレージ タブから テープドライブを選択して 右クリック またはツールバーから インベントリ - 今すぐインベントリ処理 をクリックして実行します インベントリが終わると認識したメディアを表示します 17
デバイスを交換した時に実施してください 2 テープドライバをインストールします ストレージタブを選択し ストレージを設定 をクリックします テープストレージ をダブルクリックします テープデバイスドライバをインストールする をダブルクリックします 以下は 次へ をクリックします 次のダイアログが表示された場合には このドライバソフトウェアをインストールします を選択してください 完了 をクリックします 再起動を求められた場合は 再起動を実施してください 以上で LTO ドライブが設定できました 18
手順 3 LTO ロボットライブラリの設定 手順 3 では ロボットライブラリのパーティションを作成します ロボットライブラリ内のスロットをグループ化してパーティションを作成すると バックアップジョブでのメディアの使用方法を細かく制御することができます ジョブ毎に使用するテープスロットを決めます バックアップ容量に合わせて余裕のあるスロットを設定してください バーコードラベル対応のロボットライブラリ装置の場合はスキャンでもインベントリと同じように Backup Exec のデータベース上にテープメディアの情報を登録できます 1 ロボットライブラリのパーティションを作成する方法 ストレージ タブから 本例では ロボットライブラリを右クリックし パーティションの設定 をクリックします ストレージを設定 からパーティションを設定することもできます 2 パーティションのスロット数を指定します 作成するパーティション数を入力して スロットを分割します 次へ をクリックします 19
3 設定内容を確認し 適用します 設定を確認して 完了 をクリックします 以上で LTO ロボットライブラリが設定できました デバイスの設定完了! 以上で JP1/VERITAS Backup Exec のデバイスの設定が完了し バックアップを実行する準備ができました 次の章へ進み バックアップとリストアをしてみましょう 20
3 3 JP1/VERITAS Backup Exec でバックアップしてみよう この章の操作の流れ 手順 1 : バックアップジョブの作成 手順 2 : バックアップジョブのカスタマイズ 手順 3 : リストアジョブの作成 21
Backup Exec でバックアップ リストアをしてみよう バックアップ リストアをしてみよう JP1/VERITAS Backup Exec のインストールと環境設定が完了したら 早速 バックアップとリストアをしてみましょう 操作の流れ バックアップやリストアの操作も 見やすいインターフェースからかんたんに設定や実行ができます バックアップしてみよう 1 1 リストアしてみよう 2 2 それでは バックアップとリストアを始めましょう 22
1. 手順 1 : バックアップジョブの作成 バックアップジョブを設定し バックアップをしてみましょう バックアップ対象とバックアップ方法をカスタマイズします バックアップ対象 ディスクへのバックアップを選択した場合 デフォルトで完全バックアップと増分バックアップがスケジュールされています 完全バックアップ 毎週金曜日 バックアップデータは 2 週間保持 増分バックアップ 毎日実施 バックアップデータは 1 週間保持 バックアップ方法 1 バックアップ対象を設定します 編集 をクリックして バックアップするリソースを設定し OK をクリックします バックアップ対象は デフォルトで対象リソース全てを選択した状態になっています 今回は バックアップ前に用意したテスト用データをバックアップ対象とします 23
2 バックアップ方法を指定します ファイルのバックアップ方法を指定します バックアップ方法の種類は下表をご覧ください 編集 をクリックします 今回は 増分の をクリックして 完全バックアップのみ実行します ファイルのバックアップ方法の種類種類 説明 アーカイブビット 完全 選択したバックアップ対象をすべてバックアップ リセットする 差分 前回の完全バックアップ以降の変更ファイルをバックアップ リセットしない 増分 前回の完全バックアップまたは増分バックアップ以降の変更ファイルをバックアップ リセットする 3 バックアップジョブを実行するタイミングを選択します 本例では 今すぐに実行 を選択します OK をクリックします 24
4 バックアップ先を指定します バックアップ先のデバイスとバックアップデータの保持期間を指定します OK をクリックします 5 バックアップジョブの名前を指定し 実行します 管理コンソールに表示されるバックアップジョブの名前を指定します また これまでに行った設定を確認します 確認が終わったら OK をクリックし 実行してみましょう バックアップの実行状態を確認しましょう 25
6 バックアップジョブの状態を確認します 管理コンソールの サーバー ( サーバ名 ) でバックアップの状態を確認しましょう バックアップ処理が進むとジョブ状態が次のように変化します キューに格納 スナップショットの作成 実行中 成功 または 失敗 など バックアップジョブが終了した後 ジョブ履歴 タブから結果を確認できます 実行したジョブをダブルクリックして 詳細を確認しましょう 26
2. 手順 2 : バックアップジョブのカスタマイズ システム運用に合わせて バックアップ方法を詳細に設定する場合は バックアップジョブをカスタマイズします 本例では 手順 1 で作成したバックアップジョブをカスタマイズしてみましょう < 応用編 > 1 バックアップジョブの設定を確認します 管理コンソールのバックアップとリストア画面で バックアップジョブの設定を見てみましょう バックアップジョブを選択して バックアップを編集 をクリックします バックアップジョブのプロパティ画面を開きます バックアップの詳細設定が表示されますので 各項目をカスタマイズできます 2 保存先をテープドライブに変更してみましょう テープドライブを選択します 次に メディアへの書き込み方法を設定してみます 書き込み方法として 以下の 3 つがあります メディアに上書き メディアに追記 ( 上書き ) メディアに追記 ( ジョブ終了 ) 運用に応じて選択することができます 27
3 ログオンアカウントを変更してみましょう 次にログオンアカウントを変更してみます ログオンアカウント : ジョブ設定時に 他サーバのリソ - ス参照 別管理者権限でのリソース参照が可能となります 詳しくはマニュアルをご参照ください 環境設定のシステムログオンアカウントを変更するために クレデンシャルのテストと編集 をクリックします 変更したいリソースに設定されているログオンアカウントをクリックして < 新しいログオンアカウント > をクリックします ログオンクレデンシャルの追加 画面で 完全修飾のユーザー名 パスワード パスワードの確認入力を入力します また 所有者専用ログオンアカウント デフォルトログオンアカウント を選択します 本例では ユーザー名 =be2012\abc 所有者専用ログオンアカウントを選択してみます OK をクリックします 28
クレデンシャルのテスト / 編集対象 画面に戻り 新規に作成したログオンアカウントを確認し ログオンアカウントの変更は終わりです ログオンアカウント設定補足 ログオンアカウント設定前に 次のことをしてください 1.Backup Exec と同様の Windows の管理者を作成する 2. 管理者権限を持たせる (Administrators などの権限 ) 4 スケジュールを設定してみましょう バックアップジョブを定期的に実行するスケジュール機能を見てみましょう 繰り返し を選択します プルダウンをクリックすると スケジュールの設定画面が表示されます スケジュール設定の画面で 曜日や週 一定日数間隔での実行や開始時刻などを設定できます 29
3. 手順 3 : リストアジョブの作成 リストアウィザード を使って リストアジョブを設定し バックアップしたファイルをリストアしてみましょう 次へ をクリックします 1 リストアするリソースを選択します ファイルとフォルダのバックアップ を選択して 次へ をクリックします バックアップされているリソースが表示されますのでリストアしたいリソースを選択し 次へ をクリックします ( 定期的にバックアップしたなどにより 1 つのリソースに複数の世代のデータがある場合は日時を参照してリストアするデータを選びます ) 30
2 リストア先を指定します JP1/VERITAS 元の場所 を選択して 次へ をクリックします 必要に応じて 別の場所 をクリックして リストア先を変更することもできます システム復旧時はリストア先の変更をしないで下さい 3 既存ファイルのリストア方法を指定します リストアしようとしたファイルが既に存在している場合の上書き方法を指定します リストア対象や運用方法に応じて決めますが 本例では 常にディスク上のファイルを上書きする を指定します 次へ をクリックします 4 リストアで使うドライブを選択します ここでは デフォルトのまま 次へ をクリックします 31
5 コマンド実行有無を指定します リストアジョブの実施前後で実行したいコマンドがある場合 ここで設定します リストア対象や運用方法に応じて決めますが 本例では そのまま 次へ をクリックします ユーザー応答の必要なコマンドは指定できません 6 リストアジョブ名を指定します リストアジョブ名を入力して 次へ をクリックします 7 リストアジョブを実行します リストアジョブが作成できたら 完了 を選択して実行してみましょう 32
8 リストアジョブの状態を確認します リストアの実行状態を バックアップと同じように確認しましょう ( ジョブモニターの操作方法は バックアップジョブの場合と同じです ) また リストア先を参照し リストアできたかを確認しましょう バックアップ リストア完了! JP1/VERITAS Backup Exec でのバックアップ リストアが完了しました 33
4 4 JP1/VERITAS Backup Exec によるシステム全体のリカバリ この章の操作の流れ 手順 1 : Windows Storage Server 全体のバックアップ 手順 2 : DR ファイルの保存 手順 3 : Simplified Disaster Recovery の実行 34
システム全体のバックアップを取得して もしもの場合に備えよう 有事の際のシステム復旧を考えてみよう 本章では Winodws Storage Server( 以下 WSS) 全体のバックアップを取得する運用例と 災害や障害が発生したときに備えて システム全体のリカバリを説明します システム全体のリカバリには Simplified Disaster Recovery( 以下 SDR) を使用します 35
4. 手順 1 : Windows Storage Server 全体のバックアップ 3 章 JP1/VERIRAS Backup Exec をバックアップしてみよう を参考に WSS 全体のバックアップスケジュールを設定します バックアップ方式の種類バックアップ方法には次のような種類があります これらを 運用方法に合わせ 組み合わせます ファイルのバックアップ方法の種類種類説明完全選択したバックアップ対象をすべてバックアップします 最新状態にデータを復旧する場合 最後に行った完全バックアップのデータをリストアします 差分前回の完全バックアップ以降の変更ファイルをバックアップします 最新状態にデータを復旧する場合 完全バックアップデータと最新の差分バックアップデータをリストアします 増分前回の完全バックアップまたは増分バックアップ以降の変更ファイルをバックアップします 最新状態にデータを復旧する場合 完全バックアップデータと最新の増分バックアップデータまでのすべての増分バックアップデータをリストアします 各方法でのバックアップ対象ファイルは次のようになります ( 凡例 ) : ファイル J P 1 のファイルが変更 ファイルの変更 完全バックアップ 差分バックアップ 増分バックアップ 日曜 はじめは完全バックアップ はじめは完全バックアップ A B C D E A B C D E A B C D E A B C D E 月曜 A B C J P A B C J P J P J P 火曜 A B C J P 1 A B C J P 1 J P 1 1 また このような特徴があります 保護環境のバックアップ容量と作業可能時間を考慮してバックアップ方式を選ぶように検討してください バックアップ種別 バックアップに要する時間 リストアに要する時間 バックアップに必要な容量 完全バックアップ 遅い 早い 大きい 差分バックアップ 中 中 中 増分バックアップ 早い 遅い 小さい Backup Exec には バックアップシステム構成に合わせて すぐに使えるテンプレート ( 下表 ) がスケジュールされています これらは かんたんにカスタマイズできます ( 例 ) 36
バックアップジョブスケジュール ( 例 ) JP1/VERITAS サーバ 月曜 火曜 水曜 木曜 金曜 土曜 日曜 WSS 増分 増分 増分 増分 増分 完全 増分 23:00 23:00 23:00 23:00 23:00 23:00 23:00 WSS の保護設定完全バックアップ : 金曜 PM11:00 実行 ( バックアップ先 : ディスクカートリッジ ) 増分バックアップ : 土曜 ~ 木曜 PM11:00 実行 ( バックアップ先 : ディスクカートリッジ ) 編集 をクリックして バックアップ対象を選択します Simplified Disaster Recovery がオンの状態でバックアップを行う必要があります 今回は C ドライブ F ドライブ システム状態をバックアップします 除外 D: ディスクカートリッジ G:USB フラッシュメモリ 検討のすすめかた バックアップ対象データの重要性やシステム運用の考え方により 何をバックアップするかを決めます ここでは... システムをバックアップ (C: ドライブ システム状態 ) 業務データをバックアップ (F: ドライブ ) 37
編集 をクリックして バックアップ方法を設定していきます 今回は 完全バックアップ : 金曜 PM11:00 増分バックアップ : 土曜 ~ 木曜 PM11:00 検討のすすめかた 実行曜日完全および差分 / 増分のバックアップを実行する曜日を決めます 完全バックアップには時間がかかるため 業務をしていない休日を選びます 開始時間バックアップを実行する時間を決めます 指定した時間に Backup Exec がバックアップジョブを実行します 通常 バックアップウィンドウ ( バックアップにシステムを使用できる時間 ) の始めの時間を指定します 38
バックアップ先を変更したい場合には ストレージ をクリックします 検討のすすめかた 上書禁止期間バックアップしたデータへの上書きを禁止する期間 ( つまりバックアップデータを保管する期間 ) を決めます 推奨 保管したい期間 -1 日 を指定します 例えば 保管を 2 週間 (14 日 ) にしたい場合は 上書き禁止期間を 13 日にします Backup Exec では バックアップが完了した日時から上書禁止期間を計算します たとえば 週次で 日曜 AM1 時バックアップ し AM3 時まで掛かってバックアップ終了すると 上書禁止期間は次の AM3 時までです 上記の検討項目は メディアセットの属性として設定されます メディアセットを新規で作成する場合には をクリックして ウィザードに従って進めてください メディアセットテープメディア ( バックアップデータを格納する媒体 ) をまとめたもので 管理ルールとして 上書き禁止期間 と 追記可能期間 を設定します 上書き禁止期間は 上記の検討のとおり 保管したい期間 -1 日 を設定します 39
設定を完了させ バックアップとリストア タブにスケジュールしたジョブが存在することを確認します スケジュールしたジョブを右クリックし ジョブを開始することもできます バックアップ対象について 以下のことも検討しておきます 容量バックアップ対象の容量を確認します その時点の容量だけでなく 今後の増加も考えます 全体 バックアップ対象の全体のデータ量 ( 完全バックアップ時のデータ容量になります ) 更新量 バックアップ対象のうち 更新されるデータ量 ( 差分 / 増分バックアップ時のデータ容量になります ) バックアップ時間は バックアップ対象となるファイルの性質や ファイル数など環境に依存します 必ずしもご使用のテープ装置のもつハードウェアスペックと同じ性能がでるものではありません 頻繁に更新のかかるファイル数が多い場合 バックアップ先へデータを書き込む時間とは別にスナップショット作成に多くの時間が必要になります また 使用ディスク容量が大きくなるにつれて バックアップ時間は多く必要です 40
メディアをロード中で操作が止まった場合には アラートを確認してください ダブルクリックします メディアスパンが発生し メディア要求アラートが表示されます 上書き可能なメディア 2 を挿入し はい を応答 をクリックします ( 元から挿入されていたメディアをメディア 1 新たに挿入したメディアをメディア 2 とします ) バックアップデータを検証します メディア 2 が排出され メディア 1 を挿入して はい を応答 をクリックします メディア 1 の検証後 同様の操作をメディア 2 でも行い バックアップジョブを完了させます 注 RDX ディスクカートリッジをバックアップ先とした場合 メディアスパンが発生したバックアップセットを SDR で使用することはできません C: ドライブ システム状態が 1 本のカートリッジに収まるようにバックアップ量の調整をし その他のバックアップデータ (F: ドライブ等 ) とジョブを分けてください 41
5. 手順 2 : ディザスタリカバリ情報ファイルの保存 ディザスタリカバリ情報ファイル ( 以下 DR ファイル ) とは ハードディスクレイアウト インストールされたストレージ情報などを保持しており SDR を実施する際に必要なファイルです DR ファイルが万一のハードディスク障害時に失われないよう 別のハードディスクにコピーを保存する設定をします 1 DR ファイルの代替データパスを入力します Backup Exec ボタン をクリックし 構成と設定 から Backup Exec の設定 をクリックします 保存先の代替データパスを入力し OK をクリックします SDR 機能を使用してシステム復旧をするには DR ファイルが必ず必要になります DR ファイルはバックアップ選択リストにて [Simplified Disaster Recovery] がオンの状態になっているバックアップセットで作成されます システムのバックアップジョブを作成する際には必ずオンの状態になっていることを確認してください また DR ファイルは 存在しないフォルダ上には作成されません 代替データパスに指定したフォルダが存在していることを確認してください 42
2 プリ / ポストコマンドを使用します プリ / ポストコマンドを使用することで DR ファイルの作成 / 更新タイミングに合わせて USB フラッシュメモリなどに自動的にコピーすることができます 以下の点に 注意してください (1) コマンドとしてバッチファイルなどのパスを指定する場合 ローカルドライブのフルパスで指定してください (2) 存在しないコマンド 実行できないコマンド及び OS のシャットダウンまたは 再起動のコマンドを指定しないでください (3) VBScript は そのままでは実行できません バッチファイルまたは cscript から呼び出して使用するようにしてください (4) 対話型の実行ファイルは指定しないようにしてください 43
6. 手順 3 : Simplified Disaster Recovery の実行 SDR は Backup Exec が有するシステム復旧の機能です ローカル環境を SDR で復旧する一連の手順を説明していきます SDR とは Windows 環境でシステムを含めたリストアの手順を GUI によるナビゲーションで簡素化し 迅速な障害復旧を支援する機能です 障害回復作業の人的ミスを防ぎ迅速な障害復旧を実現することができます 以下 SDR を実行する上で必要となるものを明記します 用語説明毎日デフォルトで AM4:00 に実行される処理です システム復旧を行った場合データベースの保守は データベースの保守が実行された時点に復旧されます 他のジョブと時間がかぶらないように設定する必要があります バックアップ選択リストにて Simplified Disaster Recovery のランプが点灯しバックアップデータている状態でバックアップしたデータが必要です 例 :C ドライブ システム状態 DR ファイルを外部媒体に保存するために必要です デフォルトの格納場所で USB フラッシュメモリは ローカルディスクが壊れた場合などに DR ファイルを参照できなくなる恐れがあります SDR ブート DVD Backup Exec 2012 の機能である SDR を利用するための DVD です DR ファイル System Installer デバイス ハードディスク情報などを保持している SDR を実施するために必要なファイルです Simplified Disaster Recovery のランプが点灯している状態でバックアップしたときに更新されます システムに適用しているドライバが必要となります バックアップデータ格納先です 44
1 ローカル SDR を実行 JP1/VERITAS SDR ブート DVD をメディアサーバに挿入し サーバのリブートを実施し立ち上げます Press any key to boot from CD of DVD というメッセージが表示されたら いずれかのキーを押します Simplified Disaster Recovery - Japanese を選択して ENTER をクリックします 同意する をクリックします Simplified Disaster Recovery Disk ホームページが表示されます サーバのモデルによっては 内蔵 RAID ボードにドライバをロードする必要があります それ以外のモデルの場合は このコンピュータをリカバリする の手順に進みます 45
左のタブで ユーティリティ を選択し ドライバのロード を選択します ファイルを開く 画面が表示されます 管理サーバの CD/DVD ドライブ内のディスクを取り出し サーバ製品添付のドライバメディア (System Installer CD/DVD) に入れ替えます 該当するパスおよびファイルを選択します 選択したドライバが正常にロードされました と表示されたら OK をクリックします CD/DVD ドライブ内のドライバメディアを取り出し SDR ブート DVD を再び挿入します 修復 タブをクリックします 46
このコンピュータをリカバリする をクリックします データは このコンピュータにローカル接続されたデバイスにあります をクリックします DR ファイルを格納したデバイスを接続します 参照 をクリックし DR ファイルを指定します DR ファイルが正しく選択されていることを確認したら 次へ をクリックします 47
リカバリするバックアップセットを確認したら 次へ をクリックします 必要なバックアップセットのチェックを外すことはできません 追加のバックアップセットについては チェックを外してリカバリ対象から除外することができます 検出されたデバイスを選択します デバイスが表示されない場合は 参照 からデバイスを指定して 次へ をクリックします ボリュームレイアウトが表示されたら 本書では ディスクの詳細設定 をクリックします ディスクの詳細設定 画面が表示されます 現在のディスクレイアウト と 元のディスクレイアウト が異なっている場合 ディスク構成を作成 / ファーマットを実行して 同じ構成になるようにします ディスクの詳細設定 画面を閉じます ディスクの詳細設定 画面が表示された場合は はい をクリックします このあとで実際にディスクレイアウトが作成されます 48
プレビュー タブより作成したディスクレイアウトを確認して 次へ をクリックします 内容を確認して リカバリ をクリックします このコンピュータをリカバリするウィザード が起動し 設定が適用されます データのリストア 画面が表示され リカバリが開始されます 49
リカバリが完了したら 完了 をクリックします Simplified Disaster Recovery Disk ホームページ 画面に戻り 終了 をクリックします はい をクリックします システムが再起動されますので システムが再起動している途中に CD/DVD を取り出してください その他 注意事項につきましては Backup Exec 2012 ソフトウェア添付資料を参照してください システムリカバリ完了! JP1/VERITAS Backup Exec によるシステム全体のリカバリが完了しました 以上で Backup Exec 2012 ではじめる Windows Storage Server の保護導入編 の説明を終わります 最後までご覧頂きありがとうございました 引き続き JP1/VERITAS をご愛顧賜りますよう よろしくお願い申し上げます 50
本製品を輸出される場合には 外国為替および外国貿易法ならびに米国の輸出管理関連法規などの規制をご確認の上 必要な手続きをお取りください なお ご不明な場合は 弊社担当営業にお問合せください Symantec Symantec ロゴは Symantec Corporation およびその関連会社の登録商標です VERITAS および VERITAS ロゴは 米国 Symantec Corporation の登録商標です Windows Server は 米国およびその他の国における米国 Microsoft Corp. の商標です LTO, Linear Tape-Open, および Ultrium は,Hewlett-Packard Development Company, L.P., 米国 Quantum Corporation, および米国 International Business Machines Corporation の米国およびその他の国における商標です HP および StorageWorks は,Hewlett-Packard Development Company, L.P. の商標です その他記載の会社名および商品名は 各社の商標もしくは登録商標です 2012 年 10 月第 1 版発行 All Rights Reserved. Copyright (C) 2012, Hitachi, Ltd. 51