1(1). 労働力過剰を背景とした生産性の低迷 バブル崩壊後の投資の減少局面では 建設投資が労働者の減少をさらに上回って ほぼ一貫して労働力過剰となり 省力化につながる建設現場の生産性向上が見送られてきた 160 建設投資額および建設業就業者の増減 建設投資額がピークである平成 4 年を 100 と

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参考資料 機密性 22 i-construction ~ 建設現場の生産性革命 ~ 参考資料 平成 28 年 3 月 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 1

1(1). 労働力過剰を背景とした生産性の低迷 バブル崩壊後の投資の減少局面では 建設投資が労働者の減少をさらに上回って ほぼ一貫して労働力過剰となり 省力化につながる建設現場の生産性向上が見送られてきた 160 建設投資額および建設業就業者の増減 建設投資額がピークである平成 4 年を 100 とした場合の値 140 120 100 80 60 40 20 建設投資のピーク 84.0 兆円 (4 年度 ) 建設就業者数のピーク 685 万人 (9 年平均 ) 42% 減 27% 減 建設就業者数 500 万人 (27 年平均 ) H1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 建設業就業者 建設投資額 建設投資 48.5 兆円 (27 年度 ( 見込み )) 2

1(2). 労働力過剰時代から労働力不足時代への変化 技能労働者約 340 万人のうち 今後 10 年間で約 110 万人が高齢化等により離職の可能性 若年者の入職が少ない (29 歳以下は全体の約 1 割 ) 2014 年度就業者年齢構成 60 歳以上 55~59 50~54 45~49 40~44 35~39 30~34 25~29 20~24 15~19 歳 技能労働者約 110 万人が離職の可能性 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 資料 :( 一社 ) 日本建設業連合会 再生と進化に向けて より作成 3

1(4). 安定的な経営環境 (1) 我が国の今年度の建設投資額の見通しは 前年度と同程度の約 48 兆円 これは ピークだった平成 4 年度の約 84 兆円の約 6 割の水準 ( 兆円 ) 90 建設投資のピーク 84 兆円 (H4) 80 70 60 民間投資額 ( 兆円 ) 政府投資額 ( 兆円 ) 52 リーマンショック 48 兆円 (H27) 50 40 30 20 10 32 28 20 0 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 出所 : 国土交通省 建設投資見通し 注投資額については平成 24 年度まで実績 25 年度 26 年度は見込み 27 年度は見通し ( 年度 ) 4

1(4). 安定的な経営環境 (2) ( 兆円 ) 16.0 14.9 補正 当初 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 11.2 1.6 10.5 0.8 5.9 12.2 2.8 11.5 11.4 2.1 1.9 10.0 1.6 8.3 0.2 8.9 1.1 8.0 0.5 7.8 0.6 減額補正 ( 執行停止分 ) 7.4 7.5 0.5 0.8 9.5 8.8 1.7 6.4 0.6 5.3 7.0 6.3 2.4 1.0 6.4 0.4 4.0 9.6 9.7 9.0 9.4 9.4 9.4 8.4 8.1 7.8 7.5 7.2 6.9 6.7 7.1 0.3 2.0 5.8 5.0 4.6 5.3 6.0 6.0 0.0 平成 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27( 年度 ) 本表は 予算ベースである 平成 26 年度補正及び平成 27 年度当初は政府案 平成 21 年度は 平成 20 年度で特別会計に直入されていた 地方道路整備臨時交付金 相当額(0.7 兆円 ) が一般会計計上に切り替わったため 見かけ上は前年度よりも増加 (+5.0%) しているが この特殊要因を除けば6.4 兆円 ( 5.2%) である 平成 23 年度及び平成 24 年度については同年度に地域自主戦略交付金へ移行した額を含まない 平成 25 年度は東日本大震災復興特別会計繰入れ (356 億円 ) 及び国有林野特別会計の一般会計化に伴い計上されることとなった直轄事業負担金 (29 億円 ) を含む また これら及び地域自主戦略交付金の廃止という特殊要因を考慮すれば 対前年度 +182 億円 (+0.3%) である 平成 23 24 25 26 年度において 東日本大震災の被災地の復旧 復興や全国的な防災 減災等のための公共事業関係予算を計上しており その額は以下の通りである H23 一次補正 :1.2 兆円 H23 三次補正 :1.3 兆円 H24 当初 :0.7 兆円 H24 一次補正 :0.01 兆円 H25 当初 :0.8 兆円 H25 一次補正 :0.1 兆円 H26 当初 :0.9 兆円 ( 平成 23 年度 3 次補正までは一般会計ベース 平成 24 年度当初以降は東日本大震災復興特別会計ベース また このほか東日本大震災復興交付金がある ) 平成 26 年度については 社会資本整備事業特別会計の廃止に伴う経理上の変更分 ( これまで同特別会計に計上されていた地方公共団体の直轄事業負担金等を一般会計に計上 ) を除いた額 (5.4 兆円 ) と 前年度 ( 東日本大震災復興特別会計繰入れ (356 億円 ) を除く ) を比較すると 前年度比 +1,022 億円 (+1.9%) である なお 消費税率引き上げの影響を除けば ほぼ横ばいの水準である 5

2.i-Construction を進めるための視点 (1) 建設現場の宿命 i-constructionを進めるための3つの視点 建設現場の特性 一品受注生産 異なる土地で 顧客の注文に基づき 一品毎生産現地屋外生産 様々な地理的 地形条件の下で 日々変化する気象条件等に対処する必要がある労働集約型生産 様々な材料 資機材 施工方法と専門工事会社を含めた様々な技能を持った多数の作業員が作り出す IoT 建設現場を最先端の工場へ 近年の衛星測位技術等の進展と ICT 化により 屋外の建設現場においても ロボットとデータを活用した生産管理が実現 建設現場へ最先端のサプライチェーンマネジメントを導入 鉄筋のプレハブ化等による建設現場の生産工程等と一体化したサプライチェーンの管理の実現 製造業等で進められてきた ライン生産方式 セル生産方式 自動化 ロボット化 などに取り組めないことが建設現場の宿命とあきらめ 建設現場の 2 つの キセイ の打破と継続的な カイゼン イノベーションを阻害している書類による納品などの 規制 や年度末に工期を設定するなどの 既成概念 の打破 IoT(Internet of Things): 自動車 家電 ロボット 施設などあらゆるモノがインターネットにつながり 情報のやり取りをすることで モノのデータ化やそれに基づく自動化等が進展し 新たな付加価値を生み出す ( 出典 : 平成 27 年版情報通信白書 ) IoT により 製造業のサービス業化 サービス提供のボーダーレス化 リアルタイム化 需要と供給のマッチング ( 最適化 ) 大量生産からカスタマイズ生産へのシフト が実現 6

2.i-Construction を進めるための視点 (2) 建設現場の宿命打破のため 衛星測位技術や ICT 技術による建設生産プロセス全体のシームレス化と 施工段階等における効率的なサプライチェーンマネージメントを導入 地質調査会社測量会社コンサルタント建設会社建設会社 調査 測量 建設生産プロセス上の課題 設計と現地条件の不一致 施工性や管理の効率化等まで含めて設計の段階では配慮されにくい 設計 発生 専門工事会社 建材メーカー生コン会社 材料メーカー 施工 組立等 発注者 ( 現場 or 工場 ) 部材 ( 部品 ) ( 鉄筋 型枠 生コン等 ) 原材料 ( 鋼材 木材 セメント 骨材等 ) サプライチェーンマネージメントを導入手戻りの 階において効率的な建設現場の各生産段階(例えば施工段検査 メンテナンスしづらい構造 待ち時間によるロス 在庫のロス 建設会社コンサルタント 維持管理 更新 施工段階でのサプライチェーン上の課題 過去の需要などによる見込み生産 一品生産が基本であり 発注後 仕様の確認 製作という順となり 納期に時間がかかる 7

2(3)1. 建設現場を最先端の工場へ 調査 測量から設計 施工 検査 維持管理 更新までのあらゆる建設生産プロセスにおいて 3 次元データ等を導入することで ICT 建機など新技術の活用が実現するとともに コンカレントエンジニアリング 1 フロントローディング 2 の考え方を導入 UAV レーサ ースキャナ ナローマルチヒ ーム 3 次元測量点群データの取得 ICT 建機による敷均し 地質調査会社測量会社 コンサルタント 建設会社 発注者 調査 測量設計施工検査 航空レーザ測量による土工の監視 建設会社コンサルタント 維持管理 更新 最適ルート選定 配筋シミュレーション 3 次元モデル 3 次元モデル 3 次元 CAD による設計 1 コンカレントエンジニアリング製品やシステムの開発において, 設計技術者から製造技術者まですべての部門の人材が集まり, 諸問題を討議しながら協調して同時に作業にあたる生産方式 開発のある段階が終わってから次の段階に移るのではなく, 開発段階の最後のほうですでに次の段階をオーバーラップしながら開始していく ( 三省堂大辞林より ) GNSS ローバー等による現地検査 音響ビデオカメラによる水中構造物の健全性確認 2フロントローディングシステム開発や製品製造の分野で 初期の工程において後工程で生じそうな仕様の変更等を事前に集中的に検討し品質の向上や工期の短縮化を図ること CIM においては 設計段階でのRC 構造物の鉄筋干渉のチェックや仮設工法の妥当性検討 施工手順のチェック等の施工サイドからの検討による手戻りの防止 設計段階や施工段階における維持管理サイドから見た視点での検討による仕様の変更等に効果が見込まれる (( 一財 ) 日本建設情報総合センター HPより ) 8

2(3)2. 建設現場へ最先端のサプライチェーンマネジメントを導入 現場 コンクリート打設 生コン車 専門工事会社 建材メーカー生コン会社 材料メーカー 施工段階 サ建組立等プ( 現場 or 工場 ) ライチェーンマ部材 ( 部品 ) ネ( 鉄筋 型枠 ー生コン等 ) ジメント原材料 ( 鋼材 木材 セメント 骨材等 ) 設現場の生産工程と一体化したを導入建設会社 工場 工場製品の組立 鉄筋の溶接 原材料の調達 各部材の製作 運搬 部材の組立等の工場や現場における作業を最適に行う効率的なサプライチェーンマネジメントを実現 効率的なサプライチェーンマネジメントを実現するため 設計段階に全体最適設計の考え方を導入 セメント 鋼材 9

2(4). 留意すべき点 全産業と比べて 2 倍の死傷事故率 ( 年間労働者の約 0.5%( 全産業約 0.25%)) 事故要因としては 建設機械との接触による事故は 墜落に次いで多い 死傷事故率の比較 建設業における労働災害発生要因 千人率 6.0 5.0 死傷事故率 2 倍 爆発 火災等 0.5% その他 19.9% 電気 0.5% 墜落 24.7% 4.0 建設業 クレーン等の転倒 下敷 接触 衝突等 0.5% 3.0 2.0 1.0 0.0 全産業 H26 土砂崩壊 1.6% 落盤等 1.6% 取扱運搬等 2.7% 自動車の転倒 下敷き 接触 衝突等 3.2% 倒壊 5.9% 飛来 落下 9.1% 工具等取り扱い 14.5% 建設機械等の転倒 下敷 接触 衝突等 15.1% 千人率 =[( 年死傷者数 / 年平均労働者数 ) 1,000] 10

3(1). トップランナー施策の推進 トンネルなどは 約 50 年間で生産性を最大 10 倍に向上 一方 土工やコンクリート工などは 改善の余地が残っている ( 土工とコンクリート工で直轄工事の全技能労働者の約 4 割が占める ) トンネル工事 ( 人日 /1000m2) ( 人日 /m) 60 40 20 0 土工 トンネル 1m あたりに要する作業員数 58 矢板工法 1000m 2 あたりに要する作業員数 20 15 10 5 0 16 S59 年度 東海道新幹線 (S30 年代 ) 生産性横ばい 13 H24 年度 生産性 10 倍 6 NATM 工法 出典 : 日本建設業連合会建設イノベーション ( 人日 /100m3) 近年の新幹線 (H22 年代 ) コンクリート工 100m 3 あたりに要する作業員数 20 15 10 5 0 生産性横ばい 12 11 S59 年度 H24 年度 標準歩掛より算出 機械土工 舗装関連 及び 現場打ちコンクリート関連 で全体の約 40% その他, 30% 地盤改良関連, 2% 橋梁架設関連, 3% 仮設関連, 3% 土砂等運搬関連, 5% NATM 関連, 7% 機械土工 舗装関連 22% 現場打ちコンクリート関連 16% 工場製作 運搬 据付関連, 12% H24 国土交通省発注工事実績 11

3(1)1. トップランナー施策の推進 (ICT 技術の全面的な活用 ) 1 ドローン等による 3 次元測量 23 次元測量データによる設計 施工計画 3 次元測量データ ( 現況地形 ) と設計図面との差分から 施工量 ( 切り土 盛り土量 ) を自動算出 3ICT 建設機械による施工 3 次元設計データ等により ICT 建設機械を自動制御し 建設現場の IoT ( ) を実施 4 検査の省力化 ドローン等による 3 次元測量を活用した検査等により 出来形の書類が不要となり 検査項目が半減 ドローン等による写真測量等により 短時間で面的 ( 高密度 ) な 3 次元測量を実施 3 次元設計データ等を通信 OK IoT(Internet of Things) とは 様々なモノにセンサーなどが付され ネットワークにつながる状態のこと 発注者 i-construction これまでの情報化施工の部分的試行 測量 1 設計 施工計画 2 3 次元データ作成 施工 3 重機の日当たり施工量約 1.5 倍 作業員約 1/3 2 次元データ作成 検査 4 従来方法 測量 設計 施工計画 施工 検査 平面図 縦断図 測量の実施 横断図設計図から施工土量を算出 設計図に合わせ丁張り設置 丁張りに合わせて施工 検測と施工を繰り返して整形 書類による検査 12

3(1)2. トップランナー施策の推進 ( 全体最適の導入 ( コンクリート工の規格の標準化等 )) 現場毎の一品生産 個別最適設計であり 工期や品質の面で優位な技術を採用することが困難 設計 発注 材料の調達 加工 組立等の一連の生産工程や 維持管理を含めたプロセス全体の最適化が図られるよう 全体最適の考え方を導入し サプライチェーンの効率化 生産性向上を目指す 部材の規格 ( サイズ等 ) の標準化により プレキャスト製品やプレハブ鉄筋などの工場製作化を進め コスト削減 生産性の向上を目指す ( 例 ) 鉄筋をプレハブ化 型枠をプレキャスト化することにより 型枠設置作業等をなくし施工 クレーンで設置 中詰めコン打設 現場打ちの効率化 鉄筋 型枠の高所作業なし 三井住友建設 脱型不要 従来方法 鉄筋組立 型枠設置 生コン打設 脱型 ( 例 ) 各部材の規格 ( サイズ ) を標準化し 定型部材を組み合わせて施工 プレキャストの進化 ラーメン構造の高架橋の例 大林組 13

3(1)3. トップランナー施策の推進 ( 施工時期の平準化 ) 公共工事は第 1 四半期 (4~6 月 ) に工事量が少なく 月毎の出来高工事量の最大値と最小値の比は約 1.8 倍 (2014 年度 ) と偏りが激しい 限られた人材を効率的に活用するため 施工時期を平準化し 年間を通して工事量を安定化する ( 億円 ) 30,000 建設総合統計出来高ベース ( 全国 ) 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 民 公 間 共 4 月 6 月 8 月 10 月 12 月 2 月 4 月 6 月 8 月 10 月 12 月 2 月 4 月 6 月 8 月 10 月 12 月 2 月 4 月 6 月 8 月 10 月 12 月 H24 年度 H25 年度 H26 年度 H27 年度 出典 : 国土交通省 建設総合統計 より作成 14

3(2). トップランナー施策から全ての建設現場へ 建設現場の生産性向上を実現するため i-construction トップランナー施策を先行的に進め 得られた知見等を踏まえて他の施策への展開を図り 全ての建設現場に i-construction の取組を浸透 ICT 技術の全面的な活用 (ICT 土工 ) 浚渫工等への拡大 全体最適の導入 ( コンクリート工の規格の標準化等 ) 他の工種へ 施工時期の平準化 書類の簡素化など 他のキセイのカイゼンへ 15

4(2)1. 新基準の導入 調査 測量 設計 施工 検査 維持管理 更新のあらゆる建設生産プロセスにおいて ICT 技術を全面的に導入するため 3 次元データを一貫して使用できるよう 15 の新基準を整備 調査 測量 設計 施工 検査 維持管理 更新 測量成果 UAV を用いた測量マニュアルの策定 ( 従来 ) 発注のための施工量の算出 土木工事数量算出要領 ( 案 ) の改訂 ( 従来 ) 平均断面法により施工土量を算出 検査方法 監督 検査要領 ( 土工編 )( 案 ) 等の策定 ( 従来 ) L( 断面間距離 ) 中心線形 ( 改訂後 ) (2 次元の平面図 ) ( 改訂後 ) V=(A1+A2) 2 L 3 次元測量点群データ ( 現況地形 ) と設計図面との差分から 施工量 ( 切り土 盛り土量 ) を自動算出 ( 改訂後 ) 施工延長 200m につき 1 ヶ所検査 (3 次元測量点群データ ) GNSSローバー現地検査はTSやGNSSローバーを活用 16

4(2)2.ICT 土工に必要な企業の設備投資に関する支援 平成 28 年度より ICT 土工に必要な企業の設備投資への支援をするため ICT 土工に対応した新積算基準を導入し 一定期間 ICT 導入コストを負担 (ICT 建機用の積算基準の導入 ) 機械経費 ( イメージ図 ) 労務費 その他経費 ( 標準施工 ) ICT 建機の導入による増 省力化による減 i-construction 導入時 ICT 建機の投資に見合う積算基準を導入 ( 一定期間 ) ICT 建機の普及による減 ( 将来 ) 17

4(2)3.ICT 土工に対応できる技術者 技能労働者の拡大 ) 官民で共同した推進体制を構築し ICT 土工に対応できる技術者 技能者を拡大するため 民間の協力を得ながら全国の技術事務所等の 30 ヶ所程度の研修施設を活用し講習を開催予定 <ICT 土工関係研修等施設 > [ 現状 ] [H28~] 技術事務所等の研修回数の増加 民間の協力を得ながら研修施設を増加 ICT オペレータの増加 (( 一社 ) 日本建設機械施工協会 ) 18

5. 全体最適の導入 ( コンクリート工の規格の標準化等 ) コンクリート工の生産性を向上させるため フロントローディングの考え方を導入し 調査 設計から施工 維持管理 更新までプロセス全体の最適化を目指す 規格の標準化により 現場作業の屋内作業化 ( 工場製作 ) を図る コンクリート工の現状 (1) 現地屋外生産導1 気象条件により作業が影響を受けやすく 計画的な施工が困難 2 危険伴う労働環境での作業 (2) 個別最適設計 一品受注生産現地条件に応じて 材料が最少となるように設計 施工するため 新技術を導入しやすくし 施工の自由度を高めるために 仕様規定から創意工夫が可能な性能規定へ要1 型枠加工 配筋作業などが現場毎に異なり 複雑 2スケールメリットが生じにくい 3ストックを準備すると無駄になるリスク 4 工期短縮など コスト以外の観点で優位な技術が採用しづらい 全体改善のポイント (1) 建設生産プロセスの全体最適化 1 プロセス全体の最適化を図る設計手法入最適2 コスト以外の項目を総合評価する手法の3 技術開発やフロントローディングの考え方を実現できる仕組みとし 全国へ普及 (1) 部材の規格の標準化 1 橋脚 桁 ボックスカルバート等の規格を標準化し 定型部材を組み合わせた施工 2 プレキャストの大型構造物への適用拡大素(2) 工場製作による屋内作業化技1 鉄筋のプレハブ化術2 永久 埋設型枠の活用の一(3) 新技術の導入般化1 鉄筋の継手 定着方法の改善 ( 機械式継手 機械式定着工法 ) 2 コンクリート打設の改善 ( 材料 方法 ) ( 高流動コンクリート 連続打設工法 ) (4) 品質規定の見直し 19 1 施工の自由度を高めるための仕様の見直し 2 工場製品における品質検査項目の合理化

6. 施工時期の平準化 〇年度当初に事業が少なくなることや 年度末における工事完成時期が過度に集中することを避け 債務負担行為の活用などにより 施工時期を平準化する 〇地域発注者協議会を通じて 国や地方公共団体等の発注機関が協働して平準化を推進 必要に応じて入札契約適正化法等を活用して国から地方公共団体に平準化を要請 長期的な平準化を視野に入れた発注に関するマネジメントを実施 発注年度で事業を終えなければならないという既成概念の打破 発注年度 翌年度 国 地方公共団体における月別出来高工事量の推移 閑散期 繁忙期 発注 契約 工事 年度内に完了させるため 人材 機材を無理 ( 集中 ) して投入 発注年度 翌年度 発注 契約 工事 2 カ年国債等の活用 適正工期を確保し 人材 機材投入を平準化 無理に年度内完了とせず 必要な工期を確保 〇 2 カ年国債の活用 H27-28: 約 200 億 H28-29: 約 700 億 〇国土交通省所管事業において 平準化に向けた計画的な事業執行を推進するよう通知 (H27.12.25) 〇国の取組も参考に 平準化を推進するよう 総務省とも連携して 自治体に通知 (H28.2.17) 20

7.i-Construction の目指すべきもの i-construction の 3 つのトップランナー施策による生産性向上効果は ICT 技術の全面的な活用による省力化や工事時期の平準化などにより 1 人あたりの生産性が約 5 割向上 土工 1,000 m2あたりに要する作業員数 平準化による効果 i-construction の導入により より創造的な業務への転換 賃金水準等の向上 十分な休暇の取得 安全の向上 多様な人材の活躍 地方創生への貢献 希望が持てる新たな建設現場の実現が期待 21

8(1).i-Construction の推進体制 国交省では 直轄事業に i-construction を本格的に導入するとともに 地方公共団体等の他の発注者への普及を技術的に支援するため 本省及び地方整備局等に推進体制を整備 <i-construction 推進体制 > < 推進に向けた具体的検討事項 > 地方整備局等 新基準類導入 及び 基準類改善のための業務体制の確立 i-construction の推進に適応した仕組みや体制の整備 本省 関係地方公共団体等との基準類 発注 契約方式等の情報共有 地方公共団体等 地方整備局等 22

8(2).i-Construction を推進するためのコンソーシアム 急速に進展する IoT など技術の動向を踏まえて技術の現場導入を進めるため 産学官が連携して i-construction に取組むコンソーシアムを設立する i-construction コンソーシアム ( 仮称 ) のイメージ 活動項目事例 ( 案 ) プラットフォームの確立最新技術の集積を図る見本市やコンペの開催 ICT の全面的活用等で蓄積されるデータの活用に関する検討国際標準化に向けた戦略的な取組に関する検討 23

維持管理 測量更新検査施 設計査 8(3).i-Construction に伴うビックデータの活用調調査 測量 設計 施工 検査 維持管理 更新の建設生産プロセスや各生産段階 ( 例えば施工段階 ) において作成される3 次元データ等のビッグデータをデータベース化することにより 更なる生産性の向上や維持管理 更新等に有効活用 資材 機材 データシステム 集める分析利用 課題 オープンデータ化 セキュリティ確保 データ所有権の明確化 官民連携によるデータ管理の確立 ビッグデータ活用事例 ( 案 ) 施工履歴データによる現場の見える化 効率化 事故や異常発生時に 同種 類似のリスクを有する施設の特定 将来的にはクラック等の経時変化累積機能を付加し 点検履歴 ( クラック 漏水等 ) を参照して維持管理の更なる効率化 24

8(4). 他の屋外生産分野との連携強化 建設業は現地屋外生産であり 製造業で進められてきた工場化等による生産性向上は困難とあきらめていたが i-construction により本格的な生産性向上に向けた取り組みに着手 今後 他の現地屋外生産分野である林業等で実施されている技術との連携を強化 ( 林業 ) ( 鉱業 ) (i-construction) ( 農業 ) 25

8(5). 海外展開 i-construction の海外展開は 国際標準化に向け取り組むことが重要 i-construction で構築した ICT 技術 マネジメントシステム 発注方式 人材育成等をパッケージ化し 海外展開 パッケージ化 ICT 技術など 技術基準発注方式 3 次元データを活用するための基準類 測量基準設計基準施工管理基準検査基準 i-construction を発注するための方式 発注 契約方式積算基準 人材育成 諸外国の現地技術者育成 教育プログラムの提案 提供 日本の専門家 技術者などの現地派遣 データシステム 国際標準化 (ISO 等 ) 26