目次 1. はじめに 3 AAC (Augmentative and Alternative Communication) とは 4 2. 文字盤を使用したコミュニケーションとは 5 2. 文字盤を使用したコミュニケーション方法の主な種類 5 1 読み取り方式 5 ( ポジショニング ) 6 2 口

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はなみつだ
5 years ago
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1 文字盤の使い方群馬県難病相談支援センター岡田美砂 1

2 目次 1. はじめに 3 AAC (Augmentative and Alternative Communication) とは 4 2. 文字盤を使用したコミュニケーションとは 5 2. 文字盤を使用したコミュニケーション方法の主な種類 5 1 読み取り方式 5 ( ポジショニング ) 6 2 口話方式 7 3 指差しスキャン方式 7 4 ブロックスキャン方式 7 4. 注意点 8 5. まとめ 9 2

3 1. はじめにもしも発声によるコミュニケーションができなくなったらどうやって意思の疎通を図ったらいいでしょうか? 手の運動障害もあって筆談も思うようにいかないとしたら神経 - 筋難病疾患では障害が加わる事によって患者さんは自分が考えていることや自分の今の状態を相手に伝えにくくなることが生じる事が少なくありませんそのような時にしばしば自分の意見や状態や意思決定が正しく伝わらなかったり他人からの体の変化が見落とされる事が起こる事が危惧されます群馬県難病相談支援センターでは神経 - 筋難病疾患のコミュニケーションの障害が疾患やそのステージによって違うことを正しく理解してもらいステージ毎に起こりうるコミュニケーションの問題を整理してコミュニケーション障害を軽減できるようにその手段を工夫していくお手伝いを行っています神経 - 筋難病には筋萎縮性側索硬化症 (ALS) や孤発性脊髄小脳変性症 ( 多系統萎縮症 [MSA] と [ 遺伝性脊髄小脳変性症 ]) パーキンソン病などの神経変性疾患を中心に多くの疾患がありますその中で特に ALS と MSA では運動が障害されてくると気管切開などの医療処置も加わってくることもありこの障害も時間を追って対応して行くことが必要となってきますコミュニケーションが困難になってくる大きな要因は運動障害による運動機能の低下です球筋の運動障害による構音障害で呂律が回らなくなり四肢筋の運動障害で書字による伝達が困難となり呼吸筋の運動障害では会話が困難になりそれぞれの障害に合わせたコミュニケーション手段が必要となりますコミュニケーションは大別して目に前にいる相手と行う場合と離れた相手と行う場合に分けられます目の前にいる相手には主として文字盤を使用し離れた相手には残っている運動機能をもちいて音声信号にして知らせるなど療養者の状況に合わせた対応手段を個々に検討しています現在様々な AAC を用いてのコミュニケーションの維持が工夫されていますがそのような道具が使用困難な状態になることも起こってきます群馬県難病相談支援センターではそのような状況に対し他職種と連携し対応手段を相談取り組んでいます 3

4 AAC とは :(Augmentative and Alternative Communication) 拡大代替えコミュニケーション AAC の基本は手段にこだわらずその人に残された能力とテクノロジーの力で自分の意思を相手に伝えることです文字盤透明文字盤とは 50 音や定型句をアクリル板や紙などに書いておいたもので指や視線で指し示し言葉を伝えます電源や特殊な装置が不要な手軽なコミュニケーション手段です基本は1 対 1の会話慣れていないと読み取りが困難な場合も多い相手は家族や介護者などになる場合が多い相手がいる時しか使うことができないこの文字盤の使い方は文字盤を使用したことのない看護者介護者でもスムーズに使用できるようにしたいと考え作成したものです文字盤の使い方には患者さんそれぞれに違いがあり統一した方法というものはありませんが使いこなすことが QOL( 生活の質 ) 向上には欠かせません文字盤を初めて使用する際などに参考にしていただければと思います 4

文字盤を使用したコミュニケーション方法の主な種類 1 読み取り方式 ( 視線で直接文字を示せる時 )

5 1. 文字盤を使用したコミュニケーションとは 50 音や数字などが書かれた透明もしくは白の文字盤を通して発信者 ( 療養者 ) と読み手 ( 介護者 ) が合図を使って文字を拾い文章を組み立てていきます 2. 文字盤を使用したコミュニケーション方法の主な種類 1 読み取り方式 ( 視線で直接文字を示せる時 ) 支援者が対面で療養者の視線の動きをもとに見つめている文字等を読みとって文章にし意思を伝える慣れてくると支援者がメモを取りながら 1 分間に 10 文字から 15 文字読み取る事が出来ます 5

6 発声ができず手足が動かせない場合でも眼球運動が保たれている限りずっと使い続けられる便利な道具ですお互いの視線を合わせて直接文字を読み取っていく方法は慣れると走査方式の意思伝達装置の入力速度よりずっと早く言葉を伝えることができますポジショニング (1) 療養者支援者のそれぞれが姿勢に無理のないように文字盤を挟んで真正面 (180 度 ) に向かい合います文字盤は20~30cm ほど離し療養者は伝えたい言葉の文字を見ます支援者は文字盤を動かして相手の視線と文字と自分の視線が一直線上にくるようにします (2) 文字盤はゆっくりと直線的に動かして眼球がついてきやすいようにすると良いでしょう (3) 支援者は見ていると思われる文字を読み上げ療養者はあっている時に YES のサインを送ります ( あらかじめ YES NO のサインを決めておきます ) (4) 療養者は読み上げられた文字が異なる場合には伝えたい文字を見続けます支援者は YES のサインがない場合には文字盤の位置をまた少しずらして調整し正しい文字を見つけます注意点眼球を動かす事によって眼も疲れてくるので休憩も入れましょう利き手と同じように利き眼もあるので見て確認しやすい方の眼球で行うとスムーズにいくこともあります 6

7 2 口話方式 ( 口を動かすことが可能な時 ) (1) 療養者に口形を作ってもらう (2) 口形からあ段い段う段え段お段を Yes/No サインで確認例 ) う段反応! うくすつぬふむ (3) 確認した段の文字を横に追っていく (4) 注目文字を読み上げるか指で指し示して Yes/No サインで確認 3 指差し音声スキャン方式 (1) 療養者支援者のそれぞれが姿勢に無理のないように文字盤を挟んで向かい合います文字盤は20~30cm ほど離し支援者はあかさたなと指で指し示ながら読み上げます (2) 療養者は該当する文字の列に来た時に Yes サインを送ります (3) 介護者は該当する列の縦文字 ( さ行ならさしすせそと指で指し示しながら読み上げます (4) 療養者は該当の文字のところで Yes サインを送ります 4 ブロックスキャン方式 ( 文字盤 2-1or2-2) (1) まず四分割のブロックから該当のブロックを選択し Yes サインを送ります (2) ブロックの中から行を選択し Yes サインを送り音声で確認します (3) 縦列を指さし選択文字の時に Yes サインを送ります必ず声で確認します ( ですね?) 7

8 5 指差し方法発語が難しくペンを握って文字を書くことは難しいけれど指や手首肘などを少し動かすことができるそのような場合に役に立ちます (1) 療養者本人または介護者が文字盤を持ち療養者本人が文字盤の文字を指差す注この方法の場合文字を指し易い位置角度文字盤をさせる範囲を調べる目で見て確認できる文字の大きさにする上肢を動かせる範囲が狭く指でさせる範囲が小さい場合には手首の動きだけで指すことができるように文字盤のサイズを小さくする 3. 注意点姿勢や文字盤の使用方法を療養者に確認する大きさ文字の並び順は療養者の使い勝手に合わせて調整しますあまり大きすぎると眼球を動かす範囲が大きくなり疲れやすくなります小さすぎると支援者が読み取りにくくなります聞き手は文字の読み取りに集中して前の文字を忘れてしまう事がよくあるのでなれるまでメモを取りながら進めると良いでしょうある程度まとまった時間お話する時にはどの位で疲れてくるかということを確認しておくと良いです文字盤に室内灯が反射して文字が見えにくい場合には少し角度を調整すると見やすくなります指差しをする場合は必ず指は1 本で!! パーは NG です 8

老眼鏡をかけるかけない等様々なことが読み取りに影響するので環境を整えることが重要です Yes/No のサインはまばたきがポピュラーですが療養者によっては目を見開く上を見る横を見る

9 支援者は途中で単語がわかったとしてもの事ですねというような先読みはしてはいけません合っていればそれほど問題はありませんが間違った先読みは混乱を招きますし療養者の思考の流れを邪魔することが多いのでかえって読み取りの効率が落ちます単語が予測できた場合は次の文字を速やかに探しやすくすると良いでしょう窓からの光線や天井の照明で眩しかったり老眼鏡をかけるかけない等様々なことが読み取りに影響するので環境を整えることが重要です Yes/No のサインはまばたきがポピュラーですが療養者によっては目を見開く上を見る横を見る口を開けるなどまた No にも合図があるなど様々なので事前に確認しておく個々によって合図も違うので療養者によって合図しやすい方法を検討することが大切です文字だけでなく療養者の状態の情報を組み合わせて要求を理解するようにしましょう 9

10 4. まとめ気管切開などにより声が使えなくなってもコミュニケーションが不可能になるわけではありません実際に文字盤を使い始めるときは言葉や文字によるやりとりから別の手段へ変えていくことになるのですがそのことに抵抗を感じられることもあるかと思いますまずその気持ちを受け止めることは大切なことですそして新しい拡大代替コミュニケーション方法を身につけることによって伝達速度は音声言語を使う時よりは遅くなりますが快適に意思を伝えることができます一言ひとことに思いを凝縮させて伝えその思いを宝物のように大切に受け止めるそんな時間のかかるやり取りの中にかえって冗長な言葉の氾濫の中で私たちが忘れてしまっているコミュニケーションの原点があるような気さえしますいろいろなコミュニケーション方法がありますから最大限に活用して快適に意思を伝えおしゃべりを楽しんでいただきたいと思います群馬県難病相談支援センターでは療養者一人ひとりに合わせて文字盤及びコミュニケーションボードを無料で作成していますご希望の方がいらっしゃいましたら見本が一式ありますので担当保健師にご相談ください連絡先群馬県難病相談支援センター群馬県前橋市昭和町三丁目電話 : FAX :

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演習：キャップハンディ～言葉のわからない人の疑似体験～ 2 日目 10:50 演習強度行動障害とコミュニケーション 2017 年 10 月 18 日テキスト p.37-53 - 言葉のわからない人の疑似体験 - 太陽の里福祉会生活支援センターぷらねっと八木澤新治演習で使う物指示書 A B : それぞれ受講者 2 枚スケジュール時間間隔内容 20 分間演習のねらい進め方 20 分間演習の説明準備 20 分間演習 1 の実施と振り返り