PowerPoint プレゼンテーション

Size: px

Start display at page:

Download "PowerPoint プレゼンテーション"

あきひろこうだ
5 years ago
Views:

1 新入生ゼミナール第 13 回画像の処理と効果的なプレゼンテーション高谷智英 t-takaya.net 2018 年 7 月 3 日 * 画面は合成です

2 プレゼンテーション Presentation 自分の考え自分が伝えたいことを相手に理解納得してもらう行為自分が話したいことを話すのではない! 聞く人のことを考えて話すプレゼンテーションをするされる機会は今後の人生のあらゆる場面で出現プレゼンテーションプレゼンターオーディエンス講義教員学生卒論発表学生教員学生商品の販売営業販売員消費購入者選挙立候補者投票者プレゼンテーションの中身と効果は別物である! どんなに良い内容もプレゼンテーションが下手だと伝わらないプレゼンテーションが上手だと内容が良く見える

3 卒論発表もプレゼンテーションである学術論文 : 最新の研究内容を記載した文章卒業論文も基本的には同じ最新の研究内容は複雑に決まっている! プレゼンテーション能力がないと他者は理解できない様々な工夫が必要になってくるが... 卒論発表などでは PowerPoint を用いた図表 ( 写真グラフなど ) による説明が一般的である

4 画像処理と研究不正画像を正しく処理することは効果的なプレゼンテーションに必要だがそれ以上に科学的な正確さのために重要である不正確な画像処理はデータのねつ造改ざんなどの不正行為につながる小保方晴子 : STAP 細胞の樹立を報告した論文を Nature 誌に発表したが論文内の画像処理が不正であることが発覚し論文は撤回された画像処理によって存在しないものを存在するという主張していた

5 巨人の肩に立つ nani gigantum umeris insidentes 307ntl34wci12hk39n1c9pfv-wpengine.netdna-ssl.com

6 巨人の肩に立つ nani gigantum umeris insidentes 近代自然科学とともに成立した科学的方法では新たな科学的成果はそれ以前の成果の上に論理的整合性を持って積み重なりまたさらにその上に新たな仕事がなされるという形で順々に積み重なっていく例として物理学者の江崎玲於奈は自身によるトンネルダイオードや超格子の成果についてブロッホゼーナーショックレーなどの巨人の肩の上でなしたのだと言えるでしょうしまた私の肩の上でも新しい仕事が次々となされているのが現状であると述べる Wikipedia 巨人の肩の上学術論文の内容に誤りがあると続いて積み重ねられる研究が全て無駄になるそれが医学研究などの場合人命にも関わる研究の不正は絶対に許されないことである!

科学研究における熾烈な競争 The dietary compound curcumin inhibits p300 histone acetyltransferase activity and prevents heart failure in rats Morimoto T, Sunagawa Y, Kawamura T, Takaya T, Wada H, Nagasawa A,

7 科学研究における熾烈な競争 The dietary compound curcumin inhibits p300 histone acetyltransferase activity and prevents heart failure in rats Morimoto T, Sunagawa Y, Kawamura T, Takaya T, Wada H, Nagasawa A, Komeda M, Fujita M, Shimatsu A, Kita T, Hasegawa K. J Clin Invest, 2008, 118: Curcumin prevents and reverses murine cardiac hypertrophy Li HL, Liu C, de Couto G, Ouzounian M, Sun M, Wang AB, Huang Y, He CW, Shi Y, Chen X, Nghiem MP, Liu Y, Chen M, Dawood F, Fukuoka M, Maekawa Y, Zhang L, Leask A, Ghosh AK, Kirshenbaum LA, Liu PP. J Clin Invest, 2008, 118:

論文の撤回 During the preparation of the manuscript, different fields of the same sample for WGA immunofluorescence staining were mistakenly used to represent 2 distinct treatment groups on 2 occasions,

8 論文の撤回 During the preparation of the manuscript, different fields of the same sample for WGA immunofluorescence staining were mistakenly used to represent 2 distinct treatment groups on 2 occasions, in Figures 2 and 7, and some of the raw data for the earlier experiments were lost due to poor record keeping. All authors have agreed to retract the article. The authors sincerely apologize for any inconvenience this action has caused. 論文作成の過程で同じサンプルの異なる視野の WGA 免疫染色像を間違えて 2 つの異なる実験の写真として使ってしまった (Fig 2 と 7) また初期の実験の生データの幾つかは記録保持がお粗末で失われてしまった全ての著者はこの論文を撤回することに同意した著者らはこの騒動が起こした面倒について謝罪します

9 間違えて?

10 正しい画像処理の方法を身に付ける意図的な画像の不正処理は言語道断だが意図的でなくとも不正な画像処理は不正行為として処罰の対象になる卒業論文で不正な画像処理があれば... ealps に PDF ファイル研究者のための画像処理をアップしていますのでダウンロードしてよく読んで下さい今後も卒業研究に向けて研究者としての倫理講習などが随時行われます

11 画像の拡大縮小は元画像の比率を保つ元画像横長に拡大縦長に拡大縦横比を保って拡大

12 画像の明るさコントラストの調整をやり過ぎない明るさコントラストの過度な調整によって元画像が持つ情報の一部が失われている元画像明るさコントラスト元画像調整後明るさコントラストの過度な調整によって実験結果が変わってしまっている!

13 課題 6/26 の新ゼミ学術論文の読み方の課題で読んだ学術論文の abstract の内容を PowerPoint のスライド 1 枚にまとめなさい 7/9 ( 月 ) 17:00 までに PowerPoint のファイルをメールで高谷に送る (ttakaya@shinshu-u.ac.jp) ファイル名は 18A2099X 信州太郎.pptx とする

14 課題例 ( 学術論文の要旨 ) マウスおよびニワトリ骨格筋芽細胞の自律的な異種細胞融合細胞融合はハイブリドーマのような有益なハイブリッド細胞の創出に重要な技術である本研究では骨格筋芽細胞を用いた自律的な異種細胞融合の新規手法の開発を試みた筋芽細胞は単核の筋前駆細胞で筋分化の過程で互いに融合して多核の筋管を形成する我々は緑色蛍光タンパク質 (GFP) を発現するマウス筋芽細胞 (mmb-gfp) および赤色蛍光タンパク質 (DsRed) を発現するニワトリ筋芽細胞 (chmb-dsred) を作出した共培養した mmb-gfp と chmb-dsred を分化誘導すると 24 時間後には GFP と DsRed の両方を発現する多核の筋管が観察されマウスとニワトリの筋芽細胞が異種融合することが示されたこの GFP+/DsRed+ ハイブリッド筋管は多数の細胞核を有する成熟した筋管へと成長することができたまた未分化な mmb-gfp が分化した chmb-dsred 由来筋管に効率よく融合することも明らかになった本研究は哺乳類と鳥類の細胞の自律的な異種融合の最初の報告である筋芽細胞を基盤とした細胞融合技術は新たなハイブリッド細胞の創出に貢献することが期待される Takaya T, Nihashi Y, Kojima S, Ono T, Kagami H. Autonomous xenogenic cell fusion of murine and chick skeletal muscle myoblasts. Anim Sci J. 2017; 88:

マウスとニワトリの骨格筋芽細胞の異種細胞融合 + 筋芽細胞 ( 単核 ) 筋芽細胞 ( 単核 ) 筋管 ( 多核 ) 細胞核マウス筋芽細胞

筋芽細胞 ( マウス ) + 筋芽細胞 ( ニワトリ ) 筋管 ( マウス + ニワトリ ) 緑色のマウス筋芽細胞と

ニワトリ筋芽細胞合成論文の図から引用緑色蛍光タンパク質 GFP を発現するマウス筋芽細胞と赤色蛍光タンパク質 DsRed

マウス筋芽細胞とニワトリ筋芽細胞が融合することが明らかになった (Takaya T, Nihashi Y, Kojima S, Ono T,

15 マウスとニワトリの骨格筋芽細胞の異種細胞融合 + 筋芽細胞 ( 単核 ) 筋芽細胞 ( 単核 ) 筋管 ( 多核 ) 細胞核マウス筋芽細胞一匹の動物の筋肉組織の中で単核の筋芽細胞は互いに細胞融合をして多核の筋管を形成する問題 : マウスとニワトリの筋芽細胞は融合するのか? 筋芽細胞 ( マウス ) + 筋芽細胞 ( ニワトリ ) 筋管 ( マウス + ニワトリ ) 緑色のマウス筋芽細胞と赤色のニワトリ筋芽細胞から緑にも赤にも光る筋管が出現した ( 論文の図 ) 結論 : マウスとニワトリの筋芽細胞は融合する! ニワトリ筋芽細胞合成論文の図から引用緑色蛍光タンパク質 GFP を発現するマウス筋芽細胞と赤色蛍光タンパク質 DsRed を発現するニワトリ筋芽細胞を共培養した結果 GFP と DsRed の両方を発現する多核の細胞が観察されたことからマウス筋芽細胞とニワトリ筋芽細胞が融合することが明らかになった (Takaya T, Nihashi Y, Kojima S, Ono T, Kagami H. Autonomous xenogenic cell fusion of murine and chick skeletal muscle myoblasts. Anim Sci J. 2017; 88: )

調査委員会報告

調査委員会報告 1 論文 1: Obokata et al., Nature 505:641 647(2014) (1 1) 1) Figure 1f の画像の不自然さ (1 2) Figure 1iの画像切り貼りの疑い (1 3) Methods の記載の一部の盗用の疑い (1 4) Methods の記載の一部の間違い (1 5) Figure 2d, 2eの画像の取り違えと学位論文画像との酷似