Microsoft PowerPoint 商法Ⅱ　第１回.ppt [互換モード]

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1 授業の進め方 商法 Ⅱ 第 1 回 9/29 基本的には講義スタイル 最初に有価証券法 (15 回ぐらい ) 教科書は 小塚 = 森田 支払決済法 判例集は 商法判例集 ( 第 5 版でも第 6 版でも ) 後半は総則 商行為法 ( 残り 15 回ぐらい ) 既存の体系とは異なる 参照教科書なし 読むためのマテリアルを執筆予定 手形 小切手法イントロ 君たちが本を買うとして 代金を支払う手段にはどのようなものがあるか なぜ その手段で支払おうと思うか 受け取る側は なぜその手段を受け入れるか 手形 小切手法イントロ 支払い 受取り両方について その支払手段の特徴 ( メリット デメリット ) を考えてみよ 現金 図書カード Edy ICOCA WAON クレジットカード PiTaPa id 振込 代引き 現金をベンチマークに考えてみよう 現金による支払いのメリット どこでも 誰でも使える すぐに支払が完了する 支払いにコストがかからない 特別な契約もいらない 何にでも使える ( 受け取り側 : すぐに再利用可能 ) 現金による支払のデメリット 持ち運ばなければいけない 盗まれたり落としたら終わり かさばる 対面でしか使えない ( 遠方には書留で送る ) すぐに支払が完了する 手元に必要な現金がなければ決済できない ツケ で買えない 数える必要がある 数え間違えるリスク 数えられるところ ( 人 自販機 ) でしか使えない

2 現金支払のデメリットの解消策 持ち運ぶ必要があるデメリットの解消 カードや券の形で運ぶ 証券の形で遠方に送る データで支払を完了させる すぐに支払が完了するデメリットの解消 今現金を持ち合わせていなくても買える 保有資産を超える買い物が可能になる 数える必要があるデメリットの解消 端数を機械で計算して支払 授受する金額を数字で指定 現金以外の支払方法 振込 現金でなく預金を使う 隔地取引可能に プリペイド ( プリペイドカード 電子マネー ) 先払いで現金代替物を作成 簡易な支払 ポストペイ ( 電子マネー クレジットカード ) 先に支払 後で決済をやる 手元に現金不要 手続は簡易 具体例 1: 振込のメリット 現金を持ち運ばなくても遠方に送金可 対面では基本的に使えない 現金書留より安全性高くコスト低い 振込指図後 数日あれば支払いは完了 ほぼ即時決済 振込人先履行が多いので 受け取りが確実 数える必要がない 送金額を指定すればよい 受け取ったら預金として再利用可能 具体例 2: プリペイドカードのメリット 現金を持ち歩かなくても支払可能 現金を数えなくても支払可能 バスに乗るとき 210 円を全員が払うならば 両替で大変なことになる払う側 受け取る側両方に 時間の節約 先にお金を払わなければいけない ( 事業者側のメリット ) 使う時点より前に資金が必要 囲い込み ができ これに応じた割引可能 鉄道の回数券はこの例 家電量販店のポイントもこのタイプ 市バスの割引率 具体例 3: クレジットカードのメリット 対面 隔地とも 現金を持ち歩かなくて支払可能 対面 : 現金をカウントする必要がない 隔地 : カード番号や有効期限のやりとりだけで決済可能 決済システムが構築されており コストが安い 現在 手持ちがなくても買える 持ち合わせがなくても OK 支払いを何ヶ月か先にできる 引き落としの日に請求額を口座に入れておけばよい Visa/Master/JCB がついていれば 多くの場所で使える 発行した会社以外でも ほとんどのところで使える 日本だけでなく海外でも カードに多くの付帯サービス ( 旅行傷害保険など ) 現金以外の支払方法の問題点 現金なら当然のことに問題が生じうる 使えない場面が出てくる 支払っても 決済完了まで安心できない ( ファイナリティの問題 ) 支払 受取にコストがかかる 誤記 データ消滅などの問題

3 現金以外の支払手段の問題点 支払後の決済が確実に行われるか 即時決済が望ましい場合に完了するか 最終的な決済までに時間をかける場合 支払いは確実か 関係者の倒産のリスクをどうするか 利用するためのハードルはどうか 通常 何かしらの道具が必要 コストはどれぐらいかかるか 使う上で特有の問題はあるか ハード面のハードル 口座開設 本人確認 端末整備 etc ソフト面のハードル 遠方の人の口座番号が間違っていたら? 無権限者の取引の問題 偽造通貨と対比 具体例 1: 振込のデメリット 受取人の口座 振込人の口座や ATM 必要 インフラが整っていればよいが 整備のコスト大 口座を持てなければ使えない マネーロンダリング対策の基本 現金 預金がないと振込できない 金額の打ち間違い 口座番号間違いなど 対面で渡すのと違い 送る相手の顔が見えない 振込人 or 金融機関のミス 他人に振込 ( 誤振込 ) 具体例 2: プリペイドカードのデメリット 事前に買わなければいけないし 払戻困難 発行者が倒産した場合 返ってこないことも 現在は未使用残高の 1/2 を発行保証金として供託 使えるところ 条件が決まっている ( 汎用性が低い ) 市バスカードは市バスでしか使えない 囲い込みと表裏一体である 偽造のリスクが高い 高額のプリペイドカードの偽造が発見され 利用できなくなる という例は多い 匿名で使えるので 偽造して売却できれば偽造者が利得を得る 正当な取引関係者がコストを負担することになる 具体例 3: クレジットカードのデメリット クレジットカードを取得する必要がある 裏付けとなる資産を見ずにフローで判断 金を持たない人間に発行したら回収できない 失業者 無職等の安定した収入のない人にとって 利用のハードルは高い 加盟店の審査をパスする必要がある 怪しいところではカードで決済させてもらえない 加盟店にとって手数料が数 % かかる 偽造のリスク ( 可能性 損害額 ) が高い カード会社は監視することになる 不正利用への保険が必要になる 暗証番号 セキュリティコード等の不正利用防止の仕組みもある 高額商品 抗弁の接続が例外的にある 現金以外の支払方法のデメリット ( 法律論以前の問題として ) 事業として成立するだけの採算性が必要 その支払方法が使われる 受け入れられるようにするための環境 通貨偽造よりは容易な 偽造の問題 汎用性の問題や不適切な人間を取引に入れないことでの取引システム安全の問題のバランス 約款や法はどう対処しているだろうか? 取引の規律 多くの取引は民法 手形法等の規律と約款 ( 名称は様々 )= 契約の世界 法律のルールが実務的に修正されている例は多い 修正されたルールが裁判所で否定されたり 法令で上書きされる例も多い 正常な場合は約款でうまくいくことがほとんど 取引ルールそのものではない倒産への対応は 約款や倒産法等の法律による対応 利便性と利用者保護 資金決済システムの安全性との兼ね合い 例 : 代引きにも資金決済に関する法律を適用するかについては反対意見が強かった

4 学習の視点 ベンチマークになる現金や振込による支払との対比 多くの取引は正常に決済される その正常な取引の特徴を理解すること 紛争が生じる (= 判例がある ) のは 多くは異常な取引である 個々の異常性の特徴を理解するとともに 異常事態に対処するルールを理解すること ( ただし あまり異常事態ばかりにならないように ) 商取引法の世界 アメリカから日本に 工作用の機械を輸入する この輸入に際し 代理店を経由して 一般企業が購入するものとする このとき どのような法律関係を考えなければいけないだろうか? 売主を甲 買主を乙とする 機械の輸入 運送人 甲社 アメリカ 保険会社 運送人 乙社 日本 倉庫 代理店 甲社 乙社 代理店の関係 代理店 契約 ( 代理? 代理商? 媒介? 仲立?) 売買契約 ( 甲乙間のことも 代理店 乙間のことも ) 代金の支払い ( 現金? 振込? 手形?) 物の売買契約と 代金の支払いが中核 代理店が入る場合 取引の仲介を行うため さらに法律関係が増える 国内売買 国際売買でルールが違う また 約款 契約の世界である 甲社 乙社と運送人との間の運送契約 直接引渡し ということでなければ 運ぶ会社がある 最初から最後まで運送人が同じこともあれば 陸上 海上で運送人が異なることもある 運送契約に関する法律問題も多い 倉庫 例えば 海上運送から陸上運送まで時間がある場合 運送品を保管する必要がある 引渡しが倉庫で行われる場合もある 主として保管 引渡しをめぐる法律関係

5 損害保険契約 運送品が 運送途中で滅失 毀損したら 危険負担をする当事者がその損失を負担することになる 運送人が損害賠償請求することに 実際には 被害が発生した場合 保険会社から保険金を受け取るように保険契約を手配する 損害保険契約をめぐる法律問題 このように 日本の乙社がアメリカの甲社から機械を輸入する というだけでも 非常に多くの法律関係がある この法律関係を 時系列に沿って講義する 他の法律問題 人の生活に関するもの 一家の家計の担い手が亡くなったら? 旅行したい 旅行の法律関係は? お店で物を買う この法律関係は? 商人間の売買契約との違いは? 英会話を習う この法律関係は? スキーに行く この際の法律関係は? こちらの問題は 余った時間で講義予定