はじめに 市と言っても様々です 人口 360 万人を超える横浜市から人口 5,000 人を下回る北海道歌志内市まで全国で 800 近い市があります 2013 年全国の市区町村数は 1,742 あり 政令市 20 市 特別区 23 区以外の市は全国で 769 市 ( このテキストではこれを一般市としま

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1 田村一夫の市役所採用試験面接対策講座 目次はじめに 2 田村一夫講師からのメッセージ添削指導依頼 質問等のメール方法について 3 第一章一般市試験を理解しよう 4 市の魅力 市職員の魅力 採用側が期待している人物 一般市が重視していることはなど第二章一般市試験ならではの面接試験対策 7 1. 面接の概要を知ろう 7 面接試験の概要と重要性など 2. 一般市の面接の特徴 8 面接重視の傾向は強くなる 一般市の採用候補者決定の特徴は最終評定会議など 3. 具体的な面接対策を始めよう 10 面接対策の基本とツボ 面接試験のチェックポイントなど 4. 自己 PRを再確認してみよう 15 自己 PRの重要性 面接官を共感させる自己 PRとは 自己 PRのツボ 自己 PRの作成手順 それでは自己 PR 考えてみようなど 5. 志望理由を再確認してみよう 19 志望理由の重要性 志望理由づくりの準備 ( 下調べ まち歩き 取組みたい仕事 ) 一般市志望理由の第一歩など 6. 受験申込書等の提出書類はどのように見られているか 25 受験申込書等の重要性 一般市受験時の言い直しのチャンスはなど 7. 一般市面接官は何をチェックしているのか 27 一般市だからこそ必要なポイントなど 8. 面接試験の形式ごとの対応 29 個別面接 集団面接 集団討論 ( グループディスカッション ) プレゼンテーション面接 グループワークなど第三章マナー編 43 第四章一般市面接本番のまとめ 46 最後にやってはいけないこと 47 面接で実際に使われた主な質問項目 48 添削用動画収録用の想定質問 53 一人ひとりの想定質問を考えてみよう 54 参考資料 55 自己 PR 作成シート 志望理由作成シートなど

2 はじめに 市と言っても様々です 人口 360 万人を超える横浜市から人口 5,000 人を下回る北海道歌志内市まで全国で 800 近い市があります 2013 年全国の市区町村数は 1,742 あり 政令市 20 市 特別区 23 区以外の市は全国で 769 市 ( このテキストではこれを一般市とします ) 町村は 948 となっています (2012 年の一部事務組合数は 1,372 団体 ) テキスト内容は町村でも一部事務組合でも共通しますので活用してください 人口規模の多い市では既に 6 月 7 月で一次試験を終えており 9 月時点では合格発表を終わったか 面接試験の最終段階に入っていると思います このテキストは 政令市以外の一般市あるいは町村等で これから 9 月以降に一次試験を控えている自治体を対象にしています 一般市試験では 知識系の問題もさることながら 受験者の人柄が表れる面接が非常に重視されています このテキストは 特に重要である面接対策にターゲットを絞り 短時間で効率的にノウハウを身につけることができる構成にしました また このテキストの特徴は 自己 PRや志望理由についての具体的例示を極力避けている点です それは 特に面接時に受験する皆さん個々のオリジナル性を最大限活かしてもらいたいからです 面接対策については 対面で指導したい気持ちもあるのですが 残念ながら実施は難しいと考えています それを補完する意味でも面接対策の基本として必勝倶楽部の面接対策動画講義を参考にしていただいたうえで 仮想の面接試験を 動画収録方式 で実施します ご自身で撮った動画を送っていただき それを私がチェックし 注意点などをコメントします 本講座で提供する面接シート添削や面接動画チェック 相談については回数制限をしません 何回でも出してください また 一人ひとりの個性に応じたあなた用の想定質問も提供したいと考えています これらのシステムを有効活用してあなたのオリジナル性を活かしていただき 残された 2013 年の一般市採用試験を突破することを願っております 田村一夫

3 第一章一般市試験を理解しよう 市の仕事を知って そこに魅力を感じる 市ではどのような人を求めているのかを理解することが 一般市を 受験するあなたの第一歩です! 市の仕事を知っているか 市の仕事は何かと改めて聞かれると答え難いのではないでしょうかそれでは困りますので最初に確認しておきましょう 自治事務 法令により義務付けられている事務と任意で行う事務 法定受託事務 国や都道府県が行うべき事務を市に委託している 国政 都道府県選挙 パスポート 戸籍 生活保護などの事務 具体的な業務は受験先自治体の 暮らしの便利帳 等の冊子を参考にしてください どのセクションでどのような仕事をしているのか理解していただけると思います 大雑把に分類すると 管理系 企画 財政 総務 人事 窓口系 事業系 市民 課税 福祉 福祉 環境 都市づくり 同じ地方自治体である都道府県と市は対等 平等の関係で 都道府県は 市町村を包括する広域の自治体 としての事務を処理し 市町村は 基礎的な自治体 として 都道府県が行うものを除く事務を処理することになっています つまり 都道府県は従来のように上下 主従の関係ではなく 対等 協力の関係にある広域的な地方公共団体として 地域における事務等 のうち 広域的 統一的な処理が必要なもの 連絡調整事務及び市で処理することが困難な規模のものについて事務を処理する存在となっています

4 市の魅力 市職員の魅力 市の業務は 災害対応から日常的な住民票や印鑑証明書の発行 市民税や固定資産税などの業務 高齢者や障がい者等の生活を支える補助金や介護保険制度に関わる業務 保育園や幼稚園など子育てに関する業務 市民の健康づくり ごみやリサイクル 公園整備や維持管理 上下水道の整備 維持管理 生活道路の整備 維持管理 環境問題 中小企業支援 創業支援 安全安心まちづくり 文化 スポーツの支援など市民生活に関連する幅広い業務を担当します しかもこれらの業務は 市民と日々顔を向かい合わせながら行っていますから 市民の反応が直接フィードバックされます 同時に 日々の業務は10 年先 20 年先にどうなるのかと考えていますので 長期的な視点も求められます 私は 市職員の魅力は業務規模の違いはありますが 一言で表現すれば 市民と一緒に汗をかきながら地域の実情に応じた小まわりの効く事業を長期的な視点を持って展開できることだと考えてきました 実はそれだけではありません 3~5 年ごとに人事異動があり様々な仕事に関わることができます 努力すれば評価され やりがいを感じることができます 派閥などもなく実力と努力次第でキャリアアップも可能です 比較的若い年代でも管理職ポストに就くこともあり 重要な責任を伴う仕事を任されます 従来のように国や都道府県と上下関係ではありませんし 市から情報を発信し 国や都道府県も動かすことができます 市民と一緒に汗をかき まち育てる そして 終の棲家にしたい と思ってもらえるようなまちを創る 生活面での安定性も確保されている ( 給与もそれほど低いわけではありません ) 一般市採用試験の概要 実施時期 政令市や県庁所在地の市 比較的規模の大きい市は 6 月 その後 7 月 全国的に一番多いのが 9 月に実施される一般市です (5 月 10 月以降も実施される市はありますが少数派です ) また 採用時期も翌年 4 月とは限らず 年度途中でも採用もあり 追加募集なども行われるので市公式 HPは頻繁にチェックする必要があります 試験内容は筆記試験 教養択一 専門択一 論 ( 作 ) 文面接試験 個別面接 集団面接 集団討論 グループワークなどその他 適性検査や体力測定が行われるところも 傾向 最近は専門択一を廃止する市や教養択一も従来のように公務員試験を勉強しなくても受験できると言って筆記試験のハードルを下げている市も増えています 筆記試験のハードルを下げる一方で論文や面接などの人物評価を重視する市が増えています 受験年齢 大学卒業等の受験資格は市によって様々で 中には採用後はその市に居住することを条件とするところもあるのでそれぞれの受験先の募集要項などをしっかりチェックしてください

5 過去の試験データ 東京都調布市 (2012 年 ) 申込 1 次試験 2 次試験 3 次試験 4 次試験最終合格 一般事務 教養択一 事務能力診 人物試験 ( 個別面接 ) 人物試験 ( プレゼン面 人物試験 ( 集団面接 ) ( 採用予 断 論文 接 個別面接 ) 定 20 人 ) 受験合格受験合格受験合格受験合格 1, プレゼン面接は 2012 年より実施 調布市を PR するチラシを作る 埼玉県所沢市 (2012 年 ) 申込 1 次試験 2 次試験 3 次試験 大卒事務 教養択一 論文 性格適性検査 集 個別面接 集団面接 最終合格 ( 採用予定 団討論 25 人 ) 受験合格受験合格受験 埼玉県川口市 (2012 年 ) 申込 1 次試験 2 次試験 大卒事務 個人面談 教養択一 事 人物試験 ( 適性検査 集団面接 個 最終合格 ( 採用予定 務適性検査 別面接 小論文 ) 15 人 ) 受験合格受験 千葉県一般市原市 (2012 年 ) 申込 1 次試験 ( 教養択一 ) 2 次試験 最終合格 上級事務 247 人受験 個別面接 集団討論 適性検査 20 採用側が期待している人物 新規に採用する職員に市は何を求めているのかを理解してください 一般的には以下のことが言えると考えています 職員として地域に貢献する 熱意と意欲 コミュニケーション能力 協調性 公務員としての社会常識 問題意識 問題解決能力 積極性 などです 採用したいと思うタイプは何と言っても 明るさ と 溌剌さ です 加えて 採用してから更に伸びると感じる人財 ( 人材ではありません ) を求めています これらについては受験する市の職員採用パンフレットや人材育成計画 職員研修計画の中にもそれぞれの市がどのような人物を求めているかが公表されていますので必ずチェックしてください 一般市が重視していることは しかし 人口規模が小さい一般市は職員数も限られるということですですから 新規採用職員に求められるものも都道府県や政令市 規模の大きな市とは若干異なります それは 今備えている知識量と云った頭の良さだけではない 臨機応変な柔らか頭

6 と 何にでも取り組んでみたいという意欲 協調性 があることだと思います 一般市ならではの採用基準ということではありませんが 専門性よりもオールラウンドプレイヤーが求められる傾向が強いと思います 少ない採用者の中から 将来の成長可能性 を見極めながら 将来の幹部候補生になって行けるような積極性は欠かせないことだと考えています 第二章一般市試験ならではの面接試験対策 面接試験とは 限られた時間内で 私はこれだけお役に立つ商品です 買わないと皆さん損をしますよ とアピールすることです 面接官に こいつを自分の部下にして使ってみよう と思わせることができれば合格切符を手にできます そのために必要なことは 意欲 熱意を伝える 演技しない素直な態度 面接官と対話する意識 抽象論ではなく具体的に話すこと を大切にしてください 1. 面接の概要を知ろう 面接試験の概要と重要性 面接試験とは一言でいえば筆記試験だけではわからない人間性や公務員としての適性を 複数の面接官が見極めるために実施する試験です 市の仕事は多種多様です 定例的な業務での事務処理だけでなく 地域の抱える問題を解決するには 他自治体のみならず 市民や立地企業との連携関係の構築 調整など定例的ではない業務も多くあります つまり 公務員には 基礎的な業務を間違いなく処理できる基本的な能力とともに 関係機関との連絡調整や様々な案件に対して柔軟に自律的に対応しなければならない側面もあります ある意味サービス業に近くなったと言われています 私が入庁した時 ( 今から40 年も前のことですが ) の最初の研修で 市役所 とは 市 民の 役 に立つ 所 だと教わりました 従って そこで働く職員には知識の多さだけではなく 対外的な交渉能力や調整力等の能力が重要視され 関係機関や外部との交渉 住民の生活満足度を最大にするような柔軟性を持った対応など臨機応変に行動できる資質が求められています 知識の多さや事務処理の正確性は択一形式の教養 専門試験や事務適性検査などである程度は推し量ることができますが 臨機応変に行動できるかなどの潜在的な能力はわかりません

7 だからこそ 人物の内面を見る 面接試験が重要になるわけです つまり 面接試験とは その人という人間を試す ことで 人間そのものを見極める試験であるわけです 面接試験が 人物試験 と言われる所以もここにあります 繰り返しますが 筆記試験では 知識や事務処理能力などを量ることは可能ですが その人のやる気 性格 仕事に対する適性といった 人物の内面 を見ることはできません 面接試験が重視されているのは 前述したように公務員に求められる資質が変化していることに関連し 単に知識量の違いだけで採用の合否を判断できないからです 2. 一般市の面接の特徴 面接重視の傾向 繰り返し実施される面接試験重視される協調性とオールラウンドプレイヤー身だしなみ 態度 マナーなどのチェックが厳しい合否判断は後日行われるので印象に残ることが必要短い時間で自分を最大限アピールする 面接重視の傾向は強くなる 面接試験の配点は殆どの一般市で公表されていません しかし 面接倍率は東京都や東京特別区が 2 倍 を下回るのに対して 道府県や政令市が 3 倍程度 一般市では様々ですが東京にある人気の市は面接倍率が何と 20 倍 にもなっています 平均すると 5~6 倍程度 と考えて気を引き締めてください 面接試験は 1 回や 2 回では終わりません 繰り返し行われ 面接試験の内容も個別面接だけではなく 集団面接 集団討論 プレゼンテーション面接 グループワークなど様々な手法で行われます 一般市は都道府県や政令市に比べると人口規模も小さくなります 2012 年の総務省 地方公共団体定員管理調査結果 によれば 全国の一般市 ( 政令市 特別区を除く ) 町村 一部事務組合の総職員数は 953,801 人となっています 全国にある一般市と町村は 1,717 団体ですから職員数の単純平均は 555 人です これはあくまでも目安であり正確な数値ではありません もちろんこの職員の中には消防職員も含まれますし 全国にある 1,300 を超える一部事務組合も考えれば 一般市 1 市当たりの事務職員はもっと少なく 300 人を切ることになるはずです なぜ このような数値を出したかというと 限られた職員の中で組織としての仕事をしなければならないのですから 協調性 が求められるということを頭に入れてもらいたかったからです また 専門分野をひたすら極めてきたということよりも オールラウンド に様々なことを対応してきたという点も重要になります 限られた職員数の中で専門バカでは困るわけで 何にでも対応できる要素を持った オ