生物多様性をめぐる最近のトピックスからオオタカイシガメウズラ坂本優オオタカ希少種指定解除の可能性 1984 年の環境省の調査で全国の生息数が約 400 羽とされたオオタカは 1993 年に種の保存法に基づき国内希少動植物種に指定され環境省のレッドデータブックでも絶滅危惧 Ⅱ 類に分類

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ゆあかなり
5 years ago
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1 生物多様性をめぐる最近のトヒックスから坂本優 2 活動報告 5 運営委員会だより No158 野外活動のご案内 < 駒場周辺の自然観察 > 日時 :2013 年 6 月 9 日 ( 日 ) 13:30~16:30 現地集合解散集合解散場所 : 井の頭線駒場東大正門前駅東大正門側改札参加連絡先 : 坂本まで 13 年度の会費のお支払がまだの方はお振込みよろしくお願いします千代田区一番町 9-7 一番町村上ビル6F TEL FAX 個人年会費 :7000 円郵便口座 : ハルティース研究会銀行口座 : みずほ銀行麹町支店 ( 普 ) ハルティース研究会会費は個人会員 7 千円各種団体会員 7 千円法人会員 5 万円振込先はみずほ銀行麹町支店( 普 ) バルディーズ研究会です 1

2 生物多様性をめぐる最近のトピックスからオオタカイシガメウズラ坂本優オオタカ希少種指定解除の可能性 1984 年の環境省の調査で全国の生息数が約 400 羽とされたオオタカは 1993 年に種の保存法に基づき国内希少動植物種に指定され環境省のレッドデータブックでも絶滅危惧 Ⅱ 類に分類されたゴルフ場建設などで環境アセスメントを実施するときオオタカの生息の有無は工事の可否を左右することもあったその後の生息数の増加により 2006 年の新レッドリスト以降準絶滅危惧種となったが生態系の頂点に立つ生物として豊かな自然と自然保護のシンボルとしての位置づけは変わらなかった近年は大都市にも分布を広げ人間が設置したネットに獲物を追いこんで狩りをする様子や貯水池で同じような大きさのカラスを水中に押し込んで水死させてからついばむ姿をテレビで見た人も少なくないと思う 2008 年には関東地方とその周辺だけでも 5800 羽という数字も公表され当面種の存続の危機を脱したことは間違いないただ自然が回復した現れと受け止めてよいかは即断できないオオタカが人慣れした結果あるいは営巣の方法や狩りの対象を変えたことで人里を中心に分布を広げているのかもしれない本来の自然の中での生息数はどれほど増えたのだろうかある種の野生生物が増加したからといって自然環境が改善されたと即断することは禁物である人間社会とのかかわりの中での生態の変化も無視することはできない 40 年ほど前キジバトは都会では珍しい野鳥だったその頃警戒心が強いとされていたキジバトが目白通りのイチョウに営巣していると聞いてわざわざ観察にいった記憶があるそのキジバトは今や都区内でも探さずとも散歩の途中普通に視界に入ってくる鳥となったこの背景にはやはり人間社会に順応してあるいは人間を利用して生き抜いてきた側面があったに違いないオオタカの減少は自然破壊による餌となる野鳥や小動物の減少営巣地となる林営巣できる高木の減少天敵のカラスの増加更に加えて全国的組織的な密猟などが原因とされていたこのような状況に大きな変化はあったのだろうか生態系の頂点に立つ生物であるからこそ検証が必要と考える希少種指定の解除はそれからでも遅くないのではないだろうかかつてオオタカの減少に非常に大きな影響を与え続けてきた要素として密猟の存在があった密猟を防ぐために保護団体の方がテントを張って監視しあるいは巣がある木の根元を柵で囲うなどの対策を講じてもあざ笑うように間隙をぬって雛を捕獲していく密漁者が絶えなかった 2

3 なぜそのようなことをするのかといえば成長後剥製にして売れば数十万円の価格がつくからである今もって猛禽類の剥製は高価な家具調度品として売られている猛禽類のオオタカが希少種から外れることで密猟に対する監視の目が緩んでしまうことはないだろうか剥製目的の猛禽類の密猟について考えるとき私には常に思い起こされることがあるそれは王貞治選手に対する国民栄誉賞の副賞として贈呈されたワシ ( オオカンムリワシ ) の剥製のことである私の記憶では日本では希少なワシなのでフィリピン ( 台湾?) 産のワシを使った再び大きく羽ばたいてほしいという願いを込めたなどという私にとっては理解しがたい説明があったように記憶する国民栄誉賞の副賞は百万円相当の記念品ということのようだがそのような賞品にワシの剥製が使われたということで改めて密猟をあおる結果になったことだろうフィリピンや台湾のオオカンムリワシが商業的な狩猟圧に耐え得るほどに生息しているとは到底思えない高価な剥製とされるワシは傷つかぬよう羽根を痛めぬよう密猟または人為的に繁殖させた雛から育てられた個体が大多数と思われる国民的な英雄に対して大空を飛翔したことのないワシの剥製を再び羽ばたいてほしいと言って贈呈しそのことが密猟を増加させ大空を飛翔するワシの減少につながったとするならば何と罪深い皮肉ではないだろうかイシガメワシントン条約附属書 Ⅱ 掲載ほとんど報道はされていないが 3 月に行なわれた第 16 回ワシントン条約締約国会議において附属書 Ⅱにアジア産イシガメ 15 種を掲載することが承認されこの中にはリュウキュウヤマガメとニホンイシガメが含まれる附属書 Ⅱ 記載の動植物はただちに絶滅のおそれのある種ではないが取引を厳重に規制しなければ絶滅のおそれが生じかねないもので輸出入には輸出国の許可が必要となるニホンイシガメといえばゼニガメと呼ばれる幼体とともに日本中の祭りや縁日でおなじみのカメで私自身も中学生の頃まで飼っていた元々の野生の個体か飼育下から逃げた個体かわからないが笛吹川の支流で子供同士小魚を捕っているとき時に捕まえることもある大変身近な生きものだったただちに危惧される状況ではないにせよ子供の頃からなじみ深いニホン固有種のカメがワシントン条約の附属書に記載されるというニュースはオオタカの増加が認められる一方で以前として身近な自然が失われつつあることへの警鐘のように感じられたちなみに附属書への掲載にあたっては以下のように解説されている生息地の自然環境の改変の他ペットとして捕獲され続け外来種であるアカミミガメ (Trachemys) に生息地を奪われ減少している状況が端的に述べられている < 引用 > Mauremys japonica Endemic to Japan; widespread, known from Honshu, Shikoku, Kyushu and several smaller islands. 3

4 Although often found at high density, many populations are thought to be depleted or in decline, mainly because of land-use changes, also affected by collection for pets and competition with the introduced Trachemys. Assessed by IUCN in 2000 as Lower Risk/near threatened. アカミミガメといえば日本へ大量に持ち込まれたきっかけを私たちの世代は知っているそれは子供向け商品の景品として日本中に頒布されたテレビコマーシャルでアマゾンのミドリガメ ( 実際は北米産 ) として紹介され金魚鉢 (?) の中を泳いでいたかわいい姿を記憶しているそれが金魚鉢にはおさまらない大きさに育ち飼いきれなくなって捨てられて ( 飼い主としては放生したつもりだったかもしれないが ) 全国に分布を広げたカメの寿命から考えてアマゾンのミドリガメとして持ちこまれた第一世代のミシシッピアカミミガメも少なからぬ個体が今も生き続け子孫を殖やし続けていることだろうそして片やイシガメは附属書 Ⅱに記載されたもちろんアカミミガメには何の罪も責任もないことであるがウズラ狩猟対象から除外環境省の野生生物小委員会は野生のウズラを鳥獣保護法の狩猟鳥獣から外し希少鳥獣に指定することを正式決定した野生ウズラは激減しており 2007 年からは狩猟鳥獣としての分類はそのままに一時的な狩猟禁止措置がとられてきたしかし生息数の回復には至らず昨年 8 月に発表されたレッドリストでは絶滅危惧 2 類 ( 絶滅の危険が増大 ) に分類されていた実はウズラは身近だが不思議な鳥でもある古代エジプトの壁画にも描かれているほど古くから家禽化され世界に広まるとともに各地で野生化している日本の野生ウズラは壁画の形態との類似性などから古代エジプトのウズラとの関連性を指摘する説もある一方日本在来の家禽ウズラは 400 年ほど前に野生ウズラを家禽化したと言われるが遺伝的にはむしろ中国の野生ウズラに近いとも言われているウズラの聞きなし ( 鳴き声を言葉に置き換えたもの ) は御吉兆でおめでたいことから戦国時代には戦場に持っていくこともあり啼き合わせは江戸時代から明治にかけても盛んに行なわれた鳴き声のよいウズラを山野に求めるとともに中国 ( 清 ) から輸入することも珍しくなかったと聞く古代エジプトのウズラの子孫が日本の山野で繁殖し ( 中国東北地方の野生ウズラもこれに近いと言われる ) それとは若干別系統のウズラが家禽として飼われ戦国武士の勇を鼓舞してきたと聞くとウズラの世界も奥深い現在日本で大規模に飼育されているウズラはアメリカやフランスから輸入された品種によって品種改良がなされ日本野生種とのつながりは非常に薄くなっているこのような中で日本の野生ウズラが失われることはウズラの奥深い世界を探求する手掛かりを失うことでもあるもちろんスーパーで売られているウズラの卵には何の影響もないが < 坂本優 / バルディーズ研究会議長 > 4

5 有害化学物質削減ネットワーク活動報告 (1) 総会および学習会の開催 5 月 26 日 ( 日 ) 東京で総会を開催昨年度事業報告会計報告今年度事業計画予算等を審議し承認された午前中に総会を開催し午後に PM2.5 をテーマとしたシンポジウムを実施予定だったが登壇依頼をした方々が多忙のため総会開催時間を午後からに変更し終了後 15:00 から運営委員からの問題提起による内部の勉強会に変更した問題提起は中地代表 PM2.5 と PRTR について井上理事 Tウオッチの放射能測定活動から ( 注 : 井上さんのレジュメにはタイトルがなかったため角田で仮につけたもの ) 角田自治体質問票調査からの問題提起の 3 本熱心な意見交換がおこなわれ終了予定時刻の 16:30 を延長し会場借用時刻 17:00 直前に終了した (2) その他 5 月 7 日 T ウオッチ通信第 24 号を作成発送した地球環境基金の助成金の一部で実施した自治体への質問票調査結果に関する報告書総会議案書等を同封した三井物産環境基金への活動報告書(2 年目上期活動報告書 ) を作成提出したこの夏東北に 2-3 回調査を予定 10 周年記念活動冊子については中地理事が過去に執筆した論考をまとめてPRTR 制度の 10 年をふりかえることができるようにした全体の印刷は総会に間に合わなかったため総会では中地代表の論考部分を配布した * 活動の詳細や最新情報については Tウオッチのウエブサイトをご参照願います ( 角田季美枝 / 運営委員 ) 第 246 回運営委員会日時:2013 年 5 月 9 日 ( 木 )18:30~ 出席: 坂本阿部澤井運営委員会だより 1. バルディーズ研究会通信 158 号の内容確認 2. 年間事業計画についての追加検討 3. ホームページのリニュウアルについての検討次回運営委員会 2013 年 7 月 4 日 ( 木 )18:30~ 5

1 自然に対する関心 (1) 自然に対する関心平成 24 年 6 月平成 26 年 7 月関心がある( 小計 ) 90.4% 89.1% 非常に関心がある 29.5% 21.9%( 減 ) ある程度関心がある 60.9% 67.2%( 増 ) 関心がない( 小計 ) 8.8% 10.5% あま

1 自然に対する関心 (1) 自然に対する関心平成 24 年 6 月平成 26 年 7 月関心がある( 小計 ) 90.4% 89.1% 非常に関心がある 29.5% 21.9%( 減 ) ある程度関心がある 60.9% 67.2%( 増 ) 関心がない( 小計 ) 8.8% 10.5% あま環境問題に関する世論調査の概要平成 26 年 9 月内閣府政府広報室調査対象全国 20 歳以上の者 3,000 人有効回収数 1,834 人 ( 回収率 61.1%) 調査期間平成 26 年 7 月 24 日 ~8 月 3 日 ( 調査員による個別面接聴取 ) 調査目的環境問題に関する国民の意識を調査し今後の施策の参考とする調査項目 1 自然に対する関心 2 エコツーリズム