XPath式を用いたApplication Profileに基づくメタデータスキーマとインスタンスの関連付け

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ちとらたみや
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1 人工知能学会研究会資料 SIG-SWO-A XPath 式を用いた Application Profile に基づくメタデータスキーマとインスタンスの関連付け A Model for Mapping Metadata Instances to Metadata Schema based on DCMI Application Profile using XPath Expressions 本間維 1* 永森光晴杉本重雄 Tsunagu HONMA 1, Mitsuharu NAGAMORI, Shigeo SUGIMOTO 1 筑波大学大学院図書館情報メディア研究科 1 Graduate School of Library, Information and Media Studies,University of Tsukuba 筑波大学大学院図書館情報メディア系 Faculty of Library, Information and Media Science, University of Tsukuba Abstract: Various metadata are embedded in a HTML Document. However, most of those metadata don t have explicit metadata schema. This paper proposes a model to support interpretation of embedded metadata without formal schema by linking a metadata instance to DCMI Description Set Profiles (DSP). An XPath expression addresses a metadata instance encoded in HTML, and DSP define metadata schema. We propose extending DSP to include XPath for linking a metadata instance to a metadata schema. 1 はじめに WWW 上では, 様々な分野のリソースに対するメタデータが, コミュニティの目的に応じて作成され公開されている. 公開されたメタデータは, メタデータ公開者自身, あるいは第三者によって他のメタデータと組み合わせて利用されており, 例えばマッシュアップや Linked Data[1] といった取り組みが盛んに行われている. 多様かつ膨大なメタデータを計算機が自動的に組み合わせて利用するためには, 多様な語彙や構造によって記述されるメタデータを横断的に扱うための基盤が必要である. HTML 文書には. 多くのメタデータが本文中や head タグの中などに記述されている. 多様な情報を組み合わせて Linked Data の価値を高めるには, このような既に多くの情報が記述されている HTML 文書から,RDF など Linked Data に適した形式のメタデータを抽出し利用することが重要である. しかし,HTML 文書中に記述される情報の多くが, 第三者から参照可能なメタデータスキーマを持たない. このため,HTML 文書中に埋め込ま * 連絡先 : 筑波大学大学院図書館情報メディア研究科茨城県つくば市春日 1- tsuna@slis.tsukuba.ac.jp れたそれぞれの値と, メタデータスキーマで定義された各メタデータ記述項目定義との対応付けが明確でない. したがって, 計算機がメタデータスキーマに基づき HTML 文書中の多様なメタデータを解釈することは困難である. 本研究では, メタデータスキーマ記述手法である DCMI Description Set Profile を拡張して, 各メタデータ記述項目定義に HTML 文書中のメタデータインスタンスと対応付けるための XPath を記述する手法を提案する. 本手法により,HTML 文書中に埋め込まれたメタデータインスタンスをメタデータスキーマに基づき解釈するための基盤を提供する. HTML 文書からの埋め込みメタデータの抽出 WWW 上のリソースを結びつけてデータ共有を行う Linking Open Data (LOD) という試みが注目されている.Wikipedia の記事に書かれた情報を LOD 化する DBpedia[] を筆頭として, 各国の政府が持つ統計情報や図書館が持つ書誌情報の公開が盛んに行われている [3][4]. 今後 LOD の有用性を更に高めていくための手段の一つとして, 大組織が持つメタデータ 03-01

だけではなく, 様々なコミュニティが持つ情報を LOD として公開し, リソースを複数のコミュニティの視点で多面的に捉えたメタデータを利用可能にすることが考えられる. より多くの人々がメタデータを LOD として公開するためには, 既に作成されているメタデータを LOD に適した形式に変換して公開するための支援が求められる.

ニュース記事を例に挙げると, 記事が書かれた HTML 文書中には, 記事のタイトルや記者名, キーワード, 関連記事といったメタデータが含まれている. 数多く公開されている HTML 文書からこうしたメタデータを抽出して利用することが出来れば, LOD の成長を更に促進することができる.

2 だけではなく, 様々なコミュニティが持つ情報を LOD として公開し, リソースを複数のコミュニティの視点で多面的に捉えたメタデータを利用可能にすることが考えられる. より多くの人々がメタデータを LOD として公開するためには, 既に作成されているメタデータを LOD に適した形式に変換して公開するための支援が求められる. リレーショナルデータベースや CSV ファイルなどに記述されたメタデータを RDF 形式に変換し,LOD のデータの一つとして公開する研究やプロジェクトが行われており [][5], 既存データの LOD 化を支援するツールや Web サービスも多数公開されている [6][7]. 一方で, 既にメタデータが含まれ公開されている情報資源として,HTML 文書が挙げられる. ニュース記事を例に挙げると, 記事が書かれた HTML 文書中には, 記事のタイトルや記者名, キーワード, 関連記事といったメタデータが含まれている. 数多く公開されている HTML 文書からこうしたメタデータを抽出して利用することが出来れば, LOD の成長を更に促進することができる. メタデータは, メタデータの記述対象, メタデータの属性名であるプロパティと, 属性値となるメタデータの値という 3 つの要素で構成される. 計算機が HTML 文書中に埋め込まれたメタデータを利用するためには, メタデータの値となる文字列を HTML 文書中から抽出し, メタデータ記述対象に対して定義された適切なプロパティと対応付けて解釈する必要がある. しかし,HTML 文書にはメタデータの値だけが明記されることも多く, 以下のような問題を抱えている. 1) HTML 文書中のどこにメタデータが埋め込まれているのかが明示されていない ) HTML 文書から抽出したメタデータの値と, その解釈に用いるメタデータ記述項目定義が関連付けられていない前者の問題により, 計算機が HTML 文書からメタデータの値を取り出すことは困難になる. また, 後者の問題により,HTML 文書から取り出したメタデータの値をメタデータスキーマに基づき解釈することが難しくなる. 図 1 は, 朝日新聞デジタルで公開されている HTML 文書を Web ブラウザ上で表示した画像である. この HTML 文書から記事タイトル, 記者名, キーワードに該当するメタデータ記述項目を抽出するためには, それらの項目に該当する箇所を計算機に示す必要がある. また, 抽出した値を適切に解釈するためには, キーワードは記事の主題を表す語で, その値は文字列かつ Wikipedia の項目名図 1 メタデータを含む HTML 文書例 : ニュース記事を記述した HTML 文書引用 : 0314/TKY html 記事タイトル記者名キーワードに含まれている語であるといった, 項目の持つ意味と, 項目の値が属する語彙, 値の型などの情報が重要である.HTML 文書からメタデータを抽出する先行研究 [8] では,XPath 式でメタデータの値を取り出し, 独自のルール記法で値を RDF へマッピングしている.RDF へのマッピングルールとメタデータスキーマとの関係が計算機に明示されていないので, 生成された RDF 形式のメタデータをメタデータスキーマに基づいて解釈することは扱っていない. 前述の問題を解決して計算機が HTML 文書からメタデータを抽出し解釈するためには, 以下の手順が必要となる. 1) HTML 文書に含まれる文字列のうちメタデータの値として利用する文字列を選択する ) メタデータの値を解釈するためのメタデータスキーマを計算機に向けて公開する 3) メタデータの値とメタデータスキーマ中のメタデータ記述項目定義を対応付けるメタデータはメタデータの記述に用いる語彙や規則を定めたメタデータスキーマに従って作成される. メタデータスキーマは, 記述されたメタデータを計算機が解釈する際に, どの値をどのようなプロパティと対応させて解釈するのかといったルールとして利用できる情報である. そこで本研究では,XPath とメタデータスキーマによりメタデータの値の出現位置とその値の解釈に用いるルールを定義し, それらを関連づける情報抽出テンプレートを提案する.HTML 文書中に含まれる 03-0

3 メタデータの値を指し示す XPath 式を,DCMI Description Set Profile 中でメタデータ記述項目を定義する Statement Template にマッピングすることで, HTML 文書からのメタデータ抽出と解釈を支援するテンプレートを作成する. 3 埋め込みメタデータ抽出のためのメタデータスキーマ拡張手法 HTML 文書中に埋め込まれたメタデータを抽出して解釈するためには, どの文字列を値として利用し, どのような規則に基づいて解釈するかを計算機に指示する必要がある. 本研究では,DCMI Description Set Profile で定義したメタデータスキーマを拡張し XPath 式を記述できるようにすることで, メタデータインスタンスとメタデータスキーマの関連付けを行う. 3.1 XPath 式を用いたメタデータインスタンスの指示 HTML 文書中に記述された文字列は XPath 式で指し示すことができる. 図は, 図 1 の HTML 文書中で, 記事のタイトルが記述されている箇所のソースコードと, その記事タイトルを指し示す XPath 式である. 図 3 は, 図 1 の HTML 文書中で, 記事の記者名が記述されている箇所のソースコードと, その記者名を指し示す XPath 式である. 記者名は本文要素と一体になっているが, 正規表現で必要な値を取り出せるものであるため,XPath.0[9] の記述によりメタデータの値を指し示すことが可能である. 3. DSP の拡張によるメタデータスキーマとメタデータインスタンスの関連付けメタデータスキーマを表現する記法として,DCMI Description Set Profile(DSP)[10] を利用する.DSP は, 既存のメタデータ記述語彙を再利用し新たなメタデータスキーマを作成する DCMI Application Profiles(AP)[11] という手法の構成要素の一つであり, 機械可読な形式でメタデータの構造的制約を記述するための記法である. 本手法ではメタデータの値を指し示す XPath 式のマッピング先として, メタデータスキーマ中の個別のメタデータ記述項目に対して規則定義を用意する必要がある.DSP は各メタデータ記述対象を定義する Description Template の子要素として, メタデータ記述項目定義を表現する Statement Template 要素を持つ.Statement Template ソースコード : <div id="headline"> <h1> チンパンジー欲張ると二足歩行 4 カ国研究チーム発表 </h1> XPath 式 : //div[@id= HeadLine ]/h1 図ニュース記事のタイトルを含む HTML 文書のソースコード : <div class="bodytxt"> ソースコードと XPath 式 <p> 二足歩行になっていた ( 鍛治信太郎 )</p> </div> XPath 式 : //fn:reverse(fn:tokenize(//div[@class='bodytxt']/p[fn:m atches(., '(.*)$')], '( )'))[] 図 3 ニュース記事の記者名を含む HTML 文書のソースコードと XPath 式をメタデータの値を指す XPath 式とのマッピング対象とすることで, メタデータインスタンスとメタデータスキーマの関連付けに必要な情報を定義する. 図 4 は, ニュース記事のメタデータスキーマを記述した DSP の拡張記述例を表している.Description Set Template 内にメタデータ記述対象となる Description Template Article を定義し, メタデータ記述対象が持つメタデータ記述項目の定義として複数の Statement Template を設けている.XPath 式 /html/body/main/title の指す値を Statement Template Title の値として扱う場合,Statement Template の子要素として本研究で新たに定義した <dxl:location> にメタデータの値を指す XPath 式を記述する. これにより,HTML 文書中に埋め込まれたメタデータインスタンスの値と, メタデータの解釈に利用するメタデータスキーマをつなげることができる. 4 拡張 DSP に基づくメタデータ抽出用 XSLT スタイルシートの作成 3 章で提示した拡張 DSP の応用として, 任意のメタデータ記述規則を定義した拡張 DSP を入力として, HTML 文書から DSP に従った RDF/XML 形式のメタ 03-03

4 データを抽出する XSLT スタイルシートを生成するプログラムを実装した. 本プログラムは, 拡張 DSP に含まれている各 Statement Template 内の owl:onproperty で定義された URI を RDF Statement の述語として,dxl:location で定義された XPath 式によって指し示される文字列を目的語として RDF/XML を生成するための XSLT スタイルシートを出力する. 再帰的処理により, 記事の作成者は人物クラスのインスタンスで, 人物は名前という属性を持つといった構造化されたメタデータ記述規則からも XSLT スタイルシートを生成可能である. 事前に OWL-DSP 形式で記述された DSP に, メタデータの値を指す XPath 式を dxl:location 要素の値として記述した拡張 DSP を作成しておくことで, 本プログラムを利用した XSLT スタイルシート作成が可能となる. 図 5 は, 図 4 の拡張 DSP を入力とした場合に出力される XSLT スタイルシートの一部である. 出力された XSLT スタイルシートとメタデータ抽出対象の HTML 文書とを汎用の XSLT プロセッサに与えることで,HTML 文書中に含まれるメタデータが RDF/XML 形式で出力される. 5 おわりに本研究では,HTML 文書に含まれているメタデータを計算機が RDF 形式で抽出し解釈する基盤として,XPath 式と DSP を用いてメタデータスキーマと HTML 文書中のメタデータインスタンスとを関連付ける拡張 DSP を提案した. 拡張 DSP と, その実装である XSLT スタイルシート生成プログラムにより, 既存の HTML 文書からのメタデータ抽出と解釈をメタデータスキーマによって支援する手法を実現できた. 提案手法に残された課題は以下の通りである. DSP 作成支援非 URI のリテラルのリソース化提案手法の実現においては, メタデータ抽出対象の HTML 文書に対する DSP を予め作成し, 計算機が利用可能な形式で記述しておく必要がある.DSP を蓄積, 公開するメタデータスキーマレジストリ MetaBridge [1] では,Excel 形式で記述された簡易 DSP と呼ばれるフォーマットのメタデータ記述規則定義から, 本研究の実装で対象とした OWL-DSP 形式のメタデータ記述規則定義を生成する機能が提供されている. 簡易 DSP によって, メタデータ記述規 <rdf:rdf> <owl:ontology rdf:about= > </owl:ontology> <owl:class rdf:about= /Article > <rdf:type rdf:resource= /> <rdfs:subclassof> <dsp:statementtemplate rdf:about= /title > <owl:onproperty rdf:resource= /> <dxl:location>//div[@id= HeadLine/h1 </dxl:location> </dsp:statementtemplate> </rdfs:subclassof> </owl:class> </rdf:rdf> 図 4 拡張 DSP の記述例 <?xml version= 1.0 encoding= UTF-8?> <xsl:stylesheet xmlns= > <xsl:output method= xml encoding= UTF-8 indent= yes > <xsl:template match= / > <rdf:rdf> <rdf:description> <dc:title> <xsl:for-each select="//div[@id= HeadLine/h1 "> <xsl:value-of select="."/> </xsl:for-each> </dc:title> </rdf:description> </rdf:rdf> </xsl:template> </xsl:stylesheet> 図 5 拡張 DSP から生成した XSLT スタイルシートの記述例則を特定のフォーマットに落とし込む作業は簡便になったが, メタデータ記述規則の作成に対する支援は十分ではない. 膨大なメタデータ記述語彙から目的に合わせた語を組み合わせてメタデータ記述規則を作成することは大きなコストがかかる. 新たにメタデータ記述規則を作成する際, 既にメタデータスキーマレジストリに登録されたメタデータスキーマから, 類似するメタデータ記述対象を持つものを推薦する等の支援が必要である. 本研究の実装では,HTML 文書中に埋め込まれたメタデータのうち,URI はリソースとして, 非 URI はリテラルとして RDF 形式のメタデータを生成した. しかし,LOD において価値のあるメタデータを生成するためには, より多くのリテラルをリソースとして捉え, 他のリソースとリンクできる状態にすることが重要である.Statement Template の値語彙制約などを利用し, あるリテラルを適切なリソースに置き換えた上でメタデータを生成する等の仕組みを考えたい. これらの課題を解決することで, 既存の HTML 文 03-04

5 書から LOD に適したメタデータを生成し, メタデータスキーマと共に利用する環境を構築したい. 謝辞本研究の一部は科学研究費補助金基盤研究 (C) ( 課題番号 : ) の助成による. 参考文献 [1] W3C. Linking Open Data. yprojects/linkingopendata( 参照 : 01/05/01) [] DBpedia. 参照 : 01/05/01) [3] W3C Library Linked Data Incubator Group. 参照 : 01/05/01) [4] Government Linked Data Working Group. 参照 : 01/05/01) [5] Chris Bizer, Richard Cyganiak, Tom Heath. How to Publish Linked Data on the Web. orial/#recipes( 参照 : 01/05/01) [6] Google Refine. ( 参照 : 01/05/01) [7] LinkData. 参照 : 01/05/01) [8] 加藤文彦ほか. コレクション型ウェブサイトから Linked Data を構築するプラットフォームの開発第 6 回セマンティックウェブとオントロジー研究会. [9] XML Path Language (XPath).0 (Second Edition). 参照 : 01/05/01) [10] DCMI Description Set Profile. ile/( 参照 : 01/05/01) [11] Karen Coyle, Thomas Baker. Guidelines for Dublin Core Application Profiles 参照 : 01/05/01) [1] MetaBridge. 参照 : 01/05/01) 03-05

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Microsoft Word - swo_ver10.docx DCMI Description Set Profile に基づく RDF Refine を利用したメタデータ作成支援手法の提案 A Method for the Creation of RDF Metadata with RDF Refine Based on DCMI Description Set Profile 落合香織 1 三原鉄也 1 永森光晴 2 杉本重雄 Kaori Ochiai 1,