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1 1. 長野県北信地域における抗菌薬感受性調査と背景要因の多面的解析 鹿角昌平 田中健二 飛澤知佳 ( 長野県立須坂病院薬剤科 ) 久保田健 清原健二 (JA 長野厚生連北信総合病院薬剤部 ) 安岡信弘 ( 飯山赤十字病院薬剤部 ) 丸山晴生 ( 長野市民病院薬剤部 ) 堀勝幸 ( 長野赤十字病院薬剤部 ) 緒言 感染対策において薬剤師の果たす役割は多岐に渡る 1) 中でも抗菌薬の使用量と薬剤感受性率の把握は 抗菌薬の耐性化が進む現在 数限りある抗菌薬を有効に使用していく上で重要な情報となる また 病原微生物は病院間での患者の紹介や移動など 人の動きに伴い伝播していくことが知られており 感染対策は一医療施設内だけの問題でなく 地域全体の問題として捉える必要がある ) 今回我々は 感染対策水準の向上を目的とした地域ネットワーク構築の第一歩として 各医療施設の感染担当薬剤師が中心となり 患者層の近似する近隣医療施設での抗菌薬使用量と抗菌薬感受性の調査 ならびに合同 infection control team( 以下 ICT) ラウンドを実施したので報告する 対象と方法 1. 対象施設長野県の北信医療圏 (3 次 ) に属する長野医療圏 ( 次 ) および北信医療圏 ( 次 ) に所在する医療施設のうち 長野医療圏から A 病院 (7 床 長野市 ) B 病院 (3 床 須坂市 ) C 病院 ( 床 長野市 ) の 3 施設 北信医療圏から D 病院 (7 床 中野市 ) E 病院 ( 床 飯山市 ) の 施設の計 5 施設を対象とした. 調査期間抗菌薬使用量と抗菌薬感受性の調査は 9 年 1~ 月の 1 年間 合同 ICT ラウンドは平成 年 1~7 月とした 3. 調査内容 (1) 抗菌薬使用量の集計抗菌薬の使用量は 施設規模や患者数の変化の影響を補正するために world health organization(who) の提唱する anatomical therapeutical chemical classification/defined daily doses( 以下 ATC/DDD) システム 3) を用いた抗菌薬使用密度 (antimicrobial usage density 以下 AUD) により集計した なお AUD は以下の式により算出した AUD(DDD/bed days)=( 調査期間の抗菌薬使用量 (g) )/(DDD 調 3

2 査期間の入院患者延べ入院日数 ) () 抗菌薬感受性率対象菌種は 調査期間中に分離された入院由来 P. aeruginosa とし CLSI ( clinical and laboratory standards institute) の基準を用いて susceptible(s) intermediate(i) resistant(r) の判定で S を感受性ありとし S の割合を求めた (3) 合同 ICT ラウンド対象施設の ICT ラウンドの時 AUD ペニシリン系第一世代セフェム系第二世代セフェム系第三世代セフェム系第四世代セフェム系カルバペネム系抗 MRSA 薬アミノグリコシド系フルオロキノロン系 図 1 医療施設別の AUD の実数 A B C D E 間に合わせ同行する形で評価を行 った 評価には独自に作成した共 通点検表を用いた 結果 1.AUD の比較医療施設別の AUD の実数を図 1 に示した 医療施設別では カルバペネム系薬の使用量が最も大きかったのは A 施設で AUD として 3.3 であった B 施設と D 施設はペニシリン系の使用量が多く AUD としてそれぞれ であり 他の施設に比べてその使い方に特徴が見られた C 施設はセフェム系の使用量が多く E 施設は他の施設と比べ全体的に使用量は少なかった これらの結果から 抗菌薬の使い方には施設間に違いが認められた. 薬剤感受性率の比較医療施設別の P. aeruginosa に対する薬剤感受性率を表 1 に示した カルバペネム系薬である meropenem(mepm) に対する P. aeruginosa の感受性は A 施設 D 施設がそれぞれ 79% 75% で低い感受性を示していた 一方 他の施設では 9% 以上と感受性は良好であった 第 世代セフェム系薬では E 施設で cefpirom(cpr) に対する感受性が 5% で 他の施設に比べ低い値を示していた piperacillin( PIPC) ceftazidime(caz) amikacin(amk) ciprofloxacin(cpfx) はどの施設も良好な感受性を保っていた 表 1 医療施設別の P. aeruginosa に対する薬剤感受性率 (%) 施設 検体数 PIPC CAZ CFPM CPR MEPM AMK CPFX A B C D E 9 5

3 3. 合同 ICT ラウンド共通点検表で問題が指摘された項目の数を合算し 5 施設全体の平均および各施設の項目別指摘数を図 に示した 5 施設全体の平均では の環境整備に対する指摘が最も多く 次いで廃棄物だった また 看護手技 輸液調製 消毒薬 薬品保管も指摘が多かった 施設別では 施設 B がほとんどの項目で 5 施設全体の平均以内の指摘数であったのに対し 施設 A はの環境整備 廃棄物 手指衛生設備 施設 C はカート類 消毒薬 施設 D は業務掲示 輸液調製 消毒薬 薬品管理 施設 E は全般的に平均的以上の指摘を受けた また 施設 C はの環境整備に対する指摘が 件で 他施設と大きく違う傾向が見られた 抗菌薬薬品保管消毒薬輸液調製患者収容 抗菌薬薬品保管消毒薬輸液調製患者収容 (a) 施設 A 時計 装飾品の着用手指衛生抗菌薬看護手技薬品保管カート類消毒薬 輸液調製患者収容 経路別感染予防策 情報共有 業務掲示清掃 汚染物面会者等 (b) 施設 B 薬品保管消毒薬輸液調製患者収容 抗菌薬 経路別感染予防策 汚染物 面会者等 (c) 施設 C 時計 装飾品の着用手指衛生抗菌薬薬品保管看護手技カート類消毒薬輸液調製患者収容 (d) 施設 D (e) 施設 E 施設の指摘数 5 施設の平均指摘数 図 施設別合同 ICT ラウンドにおける指摘数. 情報の活用得られた情報を各施設の状況にあわせ活用した その結果 感染対策委員会での資料として活用した施設は 施設 医師を対象とした勉強会で活用した施設は 施設 感染対策の院内情報紙の記事として活用した施設は 施設であった 考察 今回集計した P. aeruginosa に対する AUD と薬剤感受性率の結果は A 施設はカルバペ ネム系薬の使用量が多く 薬剤感受性率も低かった A 施設でカルバペネム系薬の使用量 5

4 が多い理由として 5 施設の中で唯一血液内科を有していることが一因と考えられた 一方 C 施設ではカルバペネム系の使用量が多かったが 薬剤感受性率は良好であり D 施設は 使用量が少ないにもかかわらず 薬剤感受性率は低い結果であった E 施設では 第 世代セフェム系薬の使用量は低いにもかかわらず 感受性率は低かった Monnet は 抗菌薬の使用量が多いのに薬剤耐性率が低い場合には 微生物検査室の耐性菌検出力の改善が必要であること 抗菌薬の使用量と相関しない細菌の可能性があることを報告している また抗菌薬の使用量が少なくても薬剤耐性率が高い場合には 接触感染予防策の徹底 保菌患者の入院の監視 抗菌薬投与量の適正化 他の抗菌薬使用のコントロールが必要と報告している ) また荒川は 薬剤耐性菌にはフルオロキノロン耐性緑膿菌や D ポーリン減少型カルバペネム低度耐性緑膿菌のように 抗菌薬を使うと必然的に発生する耐性菌と メタロベータラクタマーゼ産生カルバペネム高度耐性緑膿菌のように 抗菌薬を使っても自然には発生しない耐性菌があることを報告している 5) 今回の我々の集計期間は 1 年間であり 抗菌薬使用量と薬剤耐性化の相関については更なるデータの蓄積が必要であるが これらの観点から抗菌薬使用量と薬剤耐性化の関係が検討できれば 得られた情報を共有化し 各施設で活用することで感染対策の水準を向上させるという我々の目的は大きく前進するものと考える 一方 合同 ICT ラウンドにおける共通点検表の結果 ( 図 ) から 北信地域に共通した指摘項目として の環境整備対策 が浮かび上がった 水場を好む微生物は その対策を怠ると環境に住み着き 高齢者や免疫不全の患者にとって大きな脅威になることから 各医療施設の ICT ラウンドでの環境整備は重点項目として取り組まれている しかしながら 合同 ICT ラウンドの結果からその取り組みは不十分であることが判明した 事実 合同 ICT ラウンドを行う中で 手洗い時 または器具洗浄時にシンクの周りに水が飛び跳ね ペーパータオルでふき取りがされなかった場面 また スポンジやブラシが その使用後清潔に乾燥できない場所に放置されている場面などが多くの施設で確認された さらに 手洗いには不向きである小さな洗面台も使用されていて 必然的に水が環境に飛び跳ねているケースもあった 以上から 今後医療スタッフへの手洗い教育 スポンジやブラシの使用中止もしくは確実な乾燥などの対策が重要であると考えられた 今回は各施設にフィードバックされた情報は 各施設の状況に合わせ活用することとしたところ 全ての施設で 感染対策委員会や医師に対する勉強会 薬剤部からの情報誌の発行など何らかの形で活用されていた 今後は各施設まかせでなく相互評価を行うことにより 抗菌薬使用量と薬剤感受性の情報 そして合同 ICT ラウンドの情報をより実践的なものとして活用できれば 自施設の問題として実感を持ちながら地域全体の感染対策が図れるようになる 情報のより効果的な活用方法や共通の介入方法についてもあわせて検討していきたい 地域の医療施設同士で行う抗菌薬使用量と薬剤感受性率の調査や合同 ICT ラウンドにより 医療水準や患者背景が近似する他施設の状況を把握することができ 自施設の感染

5 対策に係わる状況をより客観的に把握することが可能となった また 他施設の優れた取り組みを学び 自施設の改善に繋げることが出来る実践的な活動であることが示唆された 現在では同合 ICT ミーティングや模擬 ICT 症例ラウンドなどの取り組みも試行的に実施しており 総合的な地域連携は感染制御に有用であると考えられた 今後もこの取り組みを継続することで 一医療施設のみならず 地域の感染対策水準の向上に貢献できると考える 引用文献 1) 日本病院薬剤師会 : 薬剤師のための感染制御マニュアル第 版 薬事日報社 東京 pp ) 日本病院薬剤師会 : 薬剤師のための感染制御マニュアル第 版 薬事日報社 東京 pp ) WHO:WHO Collaborating Center for Drug Statistics Methodology 9 年 5 月 1 日アクセス ) D.L.Monnet:Toward multinational antimicrobial resistance surveillance systems in Europe Int. J.Antimicrob.Agents (). 5) 国立感染症研究所感染症情報センター : 多剤耐性緑膿菌について 9 年 5 月 1 日アクセス 経費使途明細 調査集計 統計処理ソフト (SPSS Dr.SPSSⅡ) 参考書籍購入費 (SPSS マニュアル 他 9 冊 ) 交通費 ( 他地域視察 : 長野 東京 ) 消耗品費 ( 封筒 名札 DVD-R 等 ) 研修会会場借上費 ( 合同 ICT ラウンド ) 研修会議事録テープ起こし費 (, 円 1) 研修会駐車場整理費 (5, 円 ) オンラインデータベース利用料 ( メディカルオンライン ) 通信運搬費 ( 特定記録速達 1 通 ) 合計 3, 円 3,115 円,3 円 39,15 円 9, 円, 円, 円,7 円 57 円 351,5 円 7

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表 5-1 機器 設備 説明変数のカテゴリースコア, 偏相関係数, 判別的中率 属性 カテゴリー カテゴリースコア レンジ 偏相関係数 性別 女性 男性 ~20 歳台 歳台 年齢 40 歳台 第五章数量化 Ⅱ 類による解析の結果 本章では, 環境配慮行動の実践と回答者の性別と年齢, 業種, 業務といった属性との関 係性において, 環境配慮行動により大きな影響を与えている属性を特定するために実施し た数量化 Ⅱ 類の解析結果とその考察について述べる. 5-1 分析の目的と対象データ 本研究では, 環境配慮行動の実践と回答者の属性との関係性をより定量的に明らかにすることを目的に, 説明変数カテゴリーと目的変数カテゴリーとの関連性,

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