今後の研究開発の在り方

Size: px

Start display at page:

Download "今後の研究開発の在り方"

えいしろうよどぎみ
5 years ago
Views:

1 RIETI 政策シンポジウム今後の研究開発の在り方ライフサイエンス産業を中心として 2008 年 1 月 11 日大手町サンケイプラザ武田薬品工業株式会社常務取締役秋元浩 Jan. 11,

2 ライフサイエンス産業の研究開発知財人材 15~17 年上流 2~3 年 2~4 年 3~5 年 3~7 年 1~2 年創薬段階遺伝子機能解析医薬候補化合物のスクリーニンク動物試験ヒト臨床試験承認申請下流医薬上市 1/30,000 1/6, /5(1/10) 研究開発費 :200~500 億円 (~1000 億円 ) 上流 : 遺伝子リサーチツールスクリーニンク特許中流 : 物質製法用途製剤特許下流 : 併用合剤特許意匠商標権市販後 : 再審査期間 LCM 特許個人風土? システムスピード組織 Jan. 11, ~ 人材?

3 Top 20 Global R&D Spenders, 2006 Jan. 11,

4 世界医薬品市場の現状と予測世界における日本市場のシェアは低下し 10% を割り込む! Japan Others N. America Others N. America Others 21% 18% 14% 34% Bill $ 605 Bill $ 27% Japan Japan 11% % Europe 30% 45% Europe 16% Bill $ 29% N. America 46% 各地域の GDP シェア Japan Others Europe N. America 26% 27% 27% 32% 18% % Europe 11% 30% 出典 : 総務省統計局諸外国の主要指標ただし 1995 年シェアは当該資料をもとに推計課題 Source: IMS World Review, IMS Market Prognosis イノベーション 25 を支える基幹産業の一つとしての役割を果たすためには一にも二にも研究開発力の強化医療費増のコントロールと高齢化社会の QOL 維持改善に如何にして貢献していくか画期的新薬の創出 Jan. 11,

5 医薬品産業の海外市場への進出状況年度海外売上高 ( 百万円 ) , 社 ,360, 社 ,454,792 上位 19 社連結売上高に占める割合 (%) ,2002 年 : 製薬協 DATA BOOK : 国際医薬品情報 2007 年 6 月 11 日号 Jan. 11,

6 医薬品産業の海外市場への進出状況 3,000, ,500, ,000,000 1,500,000 1,000, 海外売上高 ( 百万円 ) 連結売上高に占める割合 (%) 500,000 5 ( 百万円 ) (%) 年 2002 年 2006 年 1997,2002 年 : 製薬協 DATA BOOK : 国際医薬品情報 2007 年 6 月 11 日号 Jan. 11,

7 日本発の医薬品発の医薬品の世界の世界ランク順位ブランド名メーカー名世界売上 ( 百万 $) 13 タケプロン ( 潰瘍 ) 武田 4, アクトス ( 糖尿 ) 武田 3, ブロプレス ( 降圧剤 ) 武田 2, クラビット ( 抗生物質 ) 第一三共 2, パリエット ( 潰瘍 ) エーザイ 2, アリセプト ( アルツハイマー ) エーザイ 2, ハルナール ( 前立腺肥大 ) アステラス 2, クレストール ( 高脂血症 ) 塩野義 2, メバロチン ( 高脂血症 ) 第一三共 1, リュープリン ( 前立腺癌 ) 武田 1, エビリファイ ( 総合失調症 ) 大塚 1, エポジン ( 腎性貧血 ) 中外 1, プログラフ ( 免疫抑制 ) アステラス 1, オルメテック ( 降圧剤 ) 第一三共 1,392 日本オリジン計 (14 品目 ) 33, 億ドル以上計 (85 品目 ) 230,781 ( 日本比率 ) (16.5%) 14.4% Jan. 11, ( 出典 ) ファルマフューチャー 2007 年 7 月 * 世界売上は輸出先での売上を含む

8 創薬型製薬企業における発明に対する意識 ( 製薬協アンケート調査結果 07) ライフサイエンス分野における研究者の意識と本音意識 : 画期的な新薬を発明し企業更には社会に貢献したい! 本音 : 発明者の功績 ( 寄与 ) を尊重して欲しい! ライフサイエンス ( 製薬 ) 産業側の意識本音と要望発明者に対する意識 : 企業発展の為発明者が活躍しヒット製品を多く創出してほしい! 企業もそれをバックアップしたい! 産業側の本音 : グローバルな生き残り競争は厳しい職務発明の訴訟で争っている余裕はない! 発明者と企業は手を取り合って厳しい研究開発環境を乗り越えたい! 発明の対価を最終決定する裁判所に対しての要望 : 創薬型製薬企業のビジネスモデルを維持する困難さが急激に増している ( 開発期間開発費用成功確立等 ) 他の産業と異なる企業リスクを認識して欲しい! 発明者への報奨と事業化における企業の寄与のバランスを考慮して欲しい! 特許法旧 35 条の適用に際し新 35 条の考え方を採り入れて適切な対価を算定して欲しい! Jan. 11,

9 今後!? エマージングテクノロジーズ?? ゲノム創薬ジェネティック創薬生物製剤抗体ワクチン新薬創出核酸医療医工薬連携再生医療 Jan. 11,

10 成功例に学ぶ産学官連携の秘訣 - 学主導の連携ー日本が優位に立つ糖鎖研究分野では大学 / 研究機関が主導する産学連携が進みつつある ( 糖鎖機能を活用した新産業育成支援計画 H.14~) 日立 HT 糖鎖自動合成装置の開発京都大学北海道大学大阪大学理研シオノギ糖尿病治療薬の開発協和発酵ポテリジェント技術 (6 社に技術供与 ) ( 阪大 - 協和発酵 : 糖鎖制御による次世代抗体医薬品の創出 ) 阪大が持つ糖鎖改変技術と協和発酵が持つ抗体活性増強技術の統合発展を阪大側より提案 ( 北大 - 日立 HT シオノギ : 未来創薬 & 医療イノベーション拠点形成 ) 北大が持つ糖鎖自動合成技術の創薬応用製品化を各協働企業に提案シーズとニーズを結びつける積極的な情報配信が必須! Jan. 11,

11 成功例に学ぶ産学官連携の秘訣学官連携の秘訣 - 産主導の連携ー日本初の抗体医薬品である IL-6 阻害薬 ( アクテムラ ) は大阪大学の研究成果と中外製薬の技術力が 20 年もの長きにわたり巧みに連携して開発された 84 年中外 IL-6 医薬研究の開始 86 年阪大 IL-6 遺伝子のクローニングに成功 06 年 05 年中外アクテムラを関節リウマチ治療薬として申請中外キャッスルマン病治療薬アクテムラ発売 00 年 86 年中外 & 阪大 IL-6 阻害薬開発のの共同研究を開始 87 年 88 年阪大 IL-6 受容体の同定 96 年中外キャッスルマン病を対象とする臨床試験開始阪大関節リウマチに対する抗 IL-6 受容体抗体の有効性を発表 98~ 99 年中外関節リウマチを対象とする臨床試験開始 ( 国内外 ) 阪大抗 IL-6 受容体抗体作製 88~ 89 年中外抗体のヒト化検討 MRC( 英研究機関 ) ヒト化抗体作製技術共同研究 90 年中外抗 IL-6 受容体抗体のヒト化に成功 11

12 ライフサイエンス分野における産学官連携と意義 BV の技術力 BV の化合物大学での研究成果企業の境界線研究開発製薬企業の強み研究力開発力知財力生産力販売力マネジメント力出典 :Henry Chesbrough, Open Innovation, HBS Press

13 ライフサイエンス分野における産学官連携の相関絶対数少ないエンジェル企業人材交流が希薄資金年金機関投資家未参入? ヘンチャーキャヒタルサラリーマン的大学研究者独自プラットフォーム技術を有する企業が少ないバイオベンチャー上場基準が厳格 ( 東証マザーズ大証ヘラクレス ) 実用化公開市場個人投資家支援インフラ支援する専門家サービスの強化出典 : 尾崎弘之バイオベンチャー経営論 ( 一部改変 ) 企業家候補者プール経営と技術の両面を理解できる人材が少ない

例えば ;RNAi; * 基盤技術とその応用分野について RNAi は医療化学農林水産業その他のバイオ産業に応用が期待され現在その実用化のための基幹技術の開発が盛んに行われている (*)RNAi(RNA 干渉 ): 短 RNA 鎖を利用して特定の遺伝子発現を抑制する技術 ( 医薬医療 ) RNAi 医薬 ( 化学 ) 物質生産用宿主の育種 ( 研究支援産業 )

14 例えば ;RNAi; * 基盤技術とその応用分野について RNAi は医療化学農林水産業その他のバイオ産業に応用が期待され現在その実用化のための基幹技術の開発が盛んに行われている (*)RNAi(RNA 干渉 ): 短 RNA 鎖を利用して特定の遺伝子発現を抑制する技術 ( 医薬医療 ) RNAi 医薬 ( 化学 ) 物質生産用宿主の育種 ( 研究支援産業 ) 試薬キット RNAi 関連受託研究 ( 農林水産業 ) 動植物の育種 / 改良 Dr.Fire &Dr.Mello, 2006 年ノーベル賞受賞線虫における RNAi 現象の発見 ( 98) スタンフォード大学マサチューセッツ大学 RNAi 基幹技術 sirna デザイン RNAi 導入技術評価技術 sirna の機能解明 ( 01) マックスプランク研究所 14

15 RNAi 基盤技術に関する産学 ( 官 ) 連携の現状マサチューセッツ大マックスプランクスタンフォード大ほか当分野のパイオニアである米国大学を起点としてべンチャーを介してメガファーマを産業化の出口とする強力なプロイノベーション体制の構築 GSK Novartis Merck & Co. Allergan Ambion Nastech Promega QIAGEN Sirna Alnylam Benitec Revivicor コロンビア大発毛遺伝子を標的とする sirna Cancer Res. Tech. (TLO) 哺乳動物細胞での RNAi 技術スタンフォード大 in vivo での RNAi 使用技術チューリッヒ大免疫応答誘発系 RNAi モチーフアイオワ大神経疾患治療のための RNAi 技術コールドスプリングハーバー研哺乳動物細胞での RNAi 技術マサチューセッツ大 Fire&Mello 特許マックスプランク研究所 sirna に関する Tuschl 特許 15 ( 参考資料 : 平成 17 年度特許出願技術動向調査報告書 : 特許庁 )

16 ライフサイエンス分野における産学官連携とは! ライフサイエンス企業新規医薬の創製動植物の育種 / 改良研究支援技術ツールの開発大学 / 研究機関 TLO 法 ( 98) 日本版バイドール法 ( 99) 知的財産戦略大網 ( 02) 国産業政策疾患メカニズムの解明標的分子の発見評価技術の開発新規モデルの創出基盤的リサーチツール産学連携を促すための様々な政策 ( 土壌 ) のもと企業ではできない基盤的研究を大学 / 研究機関が担うそして得られた研究成果 ( タネ ) を企業が育てることにより医薬その他の製品 ( 果実 ) を生み出す 16

健康研究推進戦略概要版平成 21 年 7 月 31 日健康研究推進会議

健康研究推進戦略概要版平成 21 年 7 月 31 日健康研究推進会議健康研究推進戦略概要版平成 21 年 7 月 31 日健康研究推進会議健康研究推進戦略策定の背景ライフサイエンスの成果を新しい治療法や医薬品医療機器として社会に還元していくための健康研究 ( 橋渡し研究臨床研究 ) の強力な推進が不可欠我が国の優れたライフサイエンスの成果をいち早く新しい医薬品医療機器等として国民の福利厚生に活かされることの期待が高い臨床研究分野の論文数が少なく