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1 NASH における脂肪毒性と肝臓 腸管相互作用 Lipotoxicity and the gut liver axis in NASH pathogenesis J Hepatol /j.jhep 要旨 非アルコール性脂肪肝疾患 NAFLD の原因, 特に少数の患者が肝細胞障害, 炎症, 線維化を来してより進行する機序は未だよく分かっていない. このレビューでは,NASH の 2 つの中心的な原因について論じる. まず, 過剰な脂質の有毒作用によって起きる肝細胞障害と炎症の, 発症メカニズムを分析する. 脂肪毒性を主に決めるのは肝細胞に蓄積する中性脂肪の量ではなく, 特定の種類の脂質が有害であることを示すデータが増えている. 特に, パルミチン酸のような遊離脂肪酸, コレステロール, リゾホスファチジルコリン, セラミドの役割が最近注目されている. これらの脂肪毒性は, シグナル伝達経路とデスレセプターの活性化, 小胞体 (ER) ストレス, ミトコンドリア機能の異常, 酸化ストレスなど, 複数のメカニズムによって細胞の動作に影響を及ぼす. 第 2 に, 腸と肝臓の間の相互作用に関与する細胞と分子に言及する. 腸内細菌叢が変化すると, 腸と細菌産物のシグナル伝達や腸内で産生されるホルモンに影響して, 肝臓を含む様々な場所における代謝に作用することも論じる. 最後に, 胆汁酸による核内受容体の活性化にも言及する. はじめに NAFLD の特徴は, 肝細胞の中に様々な種類の脂質が蓄積することである. 肝臓と, 脂肪組織や腸などの他組織との複雑なバランスによって, 有害な脂質が蓄積し, 肝細胞障害が生じる. 最近の研究では, 腸内細菌叢の変化が NAFLD の病因と脂肪毒性に影響する, 肝臓 腸管相互作用が明らかになってきた. 脂肪毒性の定義とメカニズム 脂肪毒性は, 脂質環境 and/or 細胞内の脂質組成の調節の異常によって有害な脂質が蓄積し, 細胞の機能不全, 細胞傷害, 細胞死を起こすこと, と定義される. 脂肪毒性は, 肥満, 糖尿病, メタボリック シンドロームなど, 慢性炎症 ( 代謝性炎症, すなわち代謝が誘発する炎症 ) と密接に関連しており,NAFLD と NASH になりやすくなる

2 キーポイント脂肪毒性は脂質環境 and/or 細胞内組成の調節の異常であり, 細胞内小器官の機能不全, 細胞傷害, 細胞死につながる可能性がある. 有害な脂質 受容体とリン酸化酵素 ミトコンドリア 細胞内シグナル伝達経路 細胞核 活性酸素種 ストレス 炎症 細胞死 図 1. 脂肪毒性の一般的メカニズム (1) 有害な脂質は,ER やミトコンドリアなどの細胞内小器官の生理と機能に影響する. (2) 更に脂質は細胞内シグナル伝達経路に直接影響するため, 代謝と炎症の経路に変化を起こす. (3) 細胞表面や細胞質に位置する脂質とリン酸化酵素 ( キナーゼ ) の相互作用は, シグナル伝達に間接的に影響し, 炎症や他の生物学的効果をもたらす

3 有毒な脂質 中性脂肪 NAFLD の特徴は, 中性脂肪を含む脂肪滴の形で, 肝細胞に脂肪が蓄積することである. インスリン抵抗性によって脂肪組織から遊離脂肪酸の供給が増加すること, また肝内での脂質の新生, および食物からの脂質が, 中性脂肪が蓄積する主なメカニズムである. 遊離脂肪酸遊離脂肪酸は CD36 を含む受容体複合体を介して細胞内に取り込まれる.CD36 の発現はインスリン抵抗性の状態で亢進する. 脂肪酸は, 炭素鎖の長さと二重結合の数によって分類される. 飽和脂肪酸にはパルミチン酸 (C16:0) やステアリン酸 (C18:0) があり, 食事の主成分であり, また炭水化物からも新生される. 飽和遊離脂肪酸, 特にパルミチン酸とステアリン酸 (C18:0) は, 様々な機序によってアポトーシスと炎症を誘導し, 強力な毒性効果を持つことが, いくつかの研究により示された. オレイン酸 (C18:1) のようなモノ不飽和脂肪酸の生成は, ステアリン酸 CoA 脱飽和酵素に大きく依存する. これらの遊離脂肪酸はパルミチン酸よりも毒性が低く, 脂肪蓄積と脂肪毒性が同義ではないことを示す. さらに, これらの脂質は, 細胞死, アポトーシス タンパク BIM(BCL2L11) と PUMA(BBC3) の値を低下させ, 中性脂肪の中にパルミチン酸を隔離する. ある種の脂質は実際に細胞傷害に対して保護的である. 多価不飽和脂肪酸 (PUFA) は, 肝細胞からの脂肪除去に寄与する.NASH の患者では n 3 PUFA 値の低下が見られ, この種類の脂質を補給する治療が, いくつか研究的アプローチとして試された. その結果ではしかし, 脂肪の蓄積は減少したが,NASH 活動性スコアや線維化には改善は見られなかった. 同様に,n 6 多価不飽和脂肪酸である α リノレン酸は, 肝細胞をアポトーシスから保護し,c Jun N 末端キナーゼ (JNK [MAPK8]) の活性化を低下させ, 炎症性メディエーターの発現をもたらすことが示されている

4 インスリン抵抗性 過剰な脂質の供給 中性脂肪モノ不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸 (?) パルミチン酸他の飽和脂肪酸リゾホスファチジルコリンセラミド遊離コレステロール より安全な脂質の蓄積 脂肪毒性 単純性脂肪肝 図 2. 脂肪毒性の バランス 肝細胞への脂質の過剰な供給, 特に遊離脂肪酸は, 主にインスリン抵抗性による脂肪組織の脂質の分解に由来する. 他の供給源は, 食事性カイロミクロンや脂質新生である. 肝臓では, 遊離脂肪酸を中性脂肪に変換して脂肪毒性から細胞を保護する一方, 高濃度の遊離脂肪酸, 特にパルミチン酸のような飽和遊離脂肪酸は脂肪毒性が強い. 一部の遊離脂肪酸は中性脂肪に取り込まれやすく, 脂肪毒性が低いことがある. セラミドやリゾホスファチジルコリンを含むいくつかの毒性の強い種類の脂質の増加も, 細胞傷害に関連する. 様々な種類の脂質のバランスが, 非アルコール性脂肪肝疾患の病態に関与する. 脂肪毒性と糖毒性 NAFLD は複雑な代謝障害であり, 糖代謝の異常も認められ,NASH の病態には糖毒性も関与する. 過剰な炭水化物は, アセチル CoA カルボキシラーゼ,SCD 1, 脂肪酸合成酵素などのいくつかの脂質生成経路を活性化して脂肪蓄積に関与する. 様々な糖類の中でフルクトースは,CD36 の発現増加と脂質新生を調節する ChREBP の調節などにより, 脂肪生成経路を誘導して, 強く脂肪蓄積を促進する. これらの異常はインスリン感受性の低下に関わり,NASH の発症に寄与する. さらに, フルクトースとブドウ糖の添加は, 脂質生成転写因子である ChREBP と SREBP1c の発現を亢進させることが, 最近明らかにされた. 両方の糖類が ChREBP b を亢進したが, フルクトースは独自に SREBP1c と下流の脂肪酸合成遺伝子を亢進させ, 脂肪蓄積を悪化し, 肝臓インスリン信号伝達を低下させた. キーポイント脂肪毒性と並んで, 糖毒性も NASH の複雑な病態に関係している

5 脂肪毒性の分子効果 ER ストレス ER は, タンパク質の成熟と折り畳み, 脂質の輸送など, 重要な細胞機能を担っている. これらの生理機能の異常, 例えば脂質過剰などは,ER の ストレス になり, これはまず 折り畳まれていないタンパク質反応 と総称されるシグナル伝達経路を活性化する. これは ER のホメオスタシスを取り戻す防御反応であるが, 活性化が長引くとアポトーシス反応の引き金になり, 細胞障害と細胞死につながる.ER ストレスの主要な下流メディエーターは 3 つ同定されており ( 図 3), このすべてがアポトーシス遺伝子の発現を調節する. キーポイント 脂質の過剰は,ER ストレスを引き起こし, 折り畳まれていないタンパク質反応を活性化し, 長期間続くとアポトーシス経路の活性化をもたらし, 細胞傷害と細胞死をもたらす. 脂質の過剰負荷タンパク質折り畳み反応の異常 折り畳まれていないタンパク質反応 ストレス 適応性の変化 インスリン抵抗性細胞毒性炎症 生存 図 3.ER ストレスに関連する経路脂質の過剰は最初,ER のホメオスタシスを回復させる目的がある,ER の折り畳まれていないタンパク質反応を活性化する. しかし, その反応の活性化が長引くと, アポトーシス, 炎症経路, 脂肪毒性を引き起こす. IRE-1(ERN1),PERK(EIF2AK3),ATF6 は,ER ストレスの 3 つの主な下流メディエーターであり, アポトーシス遺伝子の発現を調節する. それらの活性化は,ER から GRP78(HSPA5) が遊離して媒介される. TNF 受容体スーパーファミリーのタンパク質である TRAF2,JNK(MAPK8),CHOP(DDIT3) および XBP1 が下流の標的である

6 c Jun N 末端キナーゼ JNK は,MAP キナーゼファミリーに属し, インスリン抵抗性と脂肪酸による脂肪毒性の重要なメディエーターである. 肝細胞では, JNK 活性化は細胞死を媒介するが, マクロファージでは炎症と M1/2 分極に関係する.JNK 経路はまた脂肪化,PPARα の抑制による脂肪酸の酸化阻害に関与する. 肝臓は JNK1 と JNK2 を発現し, 実験では両方が脂肪性肝炎に関係すると思われるが, より確実な細胞レベルの証拠は JNK1 について得られている.JNK は,ER ストレス反応の一部や, 酸化ストレスによって活性化し,PUMA の機能亢進をもたらし,BIM を介して細胞死を引き起こす.BCL 2 関連 X タンパク質 (BAX) は,c Jun(JUN) の下流の別の標的であり, また, ミトコンドリア経路のアポトーシスにも関与している. キーポイント 脂肪毒性物質は, マクロファージや肝臓の他の非実質細胞にも深く作用する. ストレス 有毒な脂質 細胞死 図 4.Bcl-2 ファミリーのタンパク質による細胞死の調節このタンパク質群は, ミトコンドリア外膜の透過性の調節において中心的役割を持つ.PUMA (BBC3) は CHOP(DDIT3) および c-jun によって活性が亢進する.CHOP はまた, 脂肪毒性の刺激に反応して FOXO3 を介して BIM(BCL2L11) の活性亢進を誘導する.KEAP1 値の低下は,PUMA および BIM の活性亢進を介したアポトーシスを誘導する.BAX は, PUMA と BIM によって活性化され, カスパーゼ 3 と 7 を活性化する. 抗アポトーシス効果を有する BCL-2 または MCL-1 は, 脂肪毒性の刺激に曝露された細胞で低下する

7 脂肪毒性と肝細胞以外の細胞 脂肪毒性による障害 細胞外小胞 エクソソーム 信号タンパク 肝細胞 クッパー細胞 微細小胞 脂質 血管内皮細胞 肝星細胞 アポトーシス小体 炎症細胞 図 5. 細胞外小胞および脂肪毒性正常な細胞は異なるサイズの粒子を細胞内に放出する. これらの粒子は大きさと放出の仕組みによって分類される. 脂肪毒性の刺激に肝細胞が暴露されると, 細胞外小粒子を放出し, 炎症, 線維化, 血管新生を誘導する. 腸内細菌叢と NAFLD 健康な腸内細菌叢 腸内細菌叢の異常 腸管の内腔腸管の内腔グラム陰性細菌 緻密結合 インスリン抵抗性 遊離脂肪酸 脂肪組織 正常な肝臓 脂肪組織の肥大 マクロファージの浸潤 組織のホメオスタシス エネルギー消費 活性酸素種 図 6. 腸内細菌叢の異常の影響健康な腸内細菌叢が存在することで, 代謝活性の異なる組織の間のホメオスタシスが維持される. 腸内細菌叢の異常, 透過性の亢進した腸粘膜によって, 細菌由来の産物は代謝異常の発症に関与し, 脂肪組織の炎症, 脂肪肝や NASH を誘発する. CPTIA, カルニチン パルミトイル トランスフェラーゼ ; Nlrp3,3 を含む NLR ファミリー ピリン ドメイン

8 脂質新生 糖新生 炎症線維化 短鎖脂肪酸 図 7. 腸内細菌叢が NAFLD の病因に関係する機序 NAFLD の発症と進行における腸内細菌叢の関与は,1) 脂肪組織および肝臓の両方において脂肪沈着を増加させるリポタンパク質リパーゼ阻害剤 ANGLPTL4 の抑制,2) 短鎖脂と肪酸の合成は, 肝臓における糖と脂質の新生の基質として働き,GPR41/GPR43 依存性機構も活性化する. 最後に, 細菌とその産物は, 肝臓内の特異的な TLR 受容体に結合し, それによって肝細胞の炎症および線維化をもたらす炎症誘発経路を活性化することがある. ANGLPTL4, アンギオ ポイエチン like 4; GPR,G タンパク質共役型受容体 ; PAMP, 病原体関連分子パターン ; TLR, トール様受容体. キーポイント腸内細菌叢を標的とした治療法を開発するには, 腸内細菌叢がどのような病原性に関与するのか, 正確に理解する必要がある

9 消化管ホルモンと肝臓 インクレチンは, 食事摂取後にインスリン分泌をブドウ糖依存的に増強する腸ホルモンである. 2 つのインクレチン,GIP と GLP 1 が最も研究され, 島 β 細胞に高度に発現する別々の G タンパク質共役受容体を介してインスリン分泌作用を発揮する.GLP 1 受容体 (GLP 1R) はまた, 膵島細胞以外の細胞, 例えば腎臓, 腸の平滑筋, 脳, 脂肪組織, 心臓, 肝臓, 胎盤にも広く発現する. これらの受容体は間接的な代謝作用も持つ. インクレチンの作用時に, 経口のブドウ糖は静脈内投与よりも高いインスリン分泌反応を誘発するが, 健康な個体では血糖値は同等に管理される. この効果は GIP と GLP 1 が関与するが,2 型糖尿病の患者では見られない. インクレチンの効果が血糖のホメオスタシスの維持に重要であることは, 現在確立しており, インクレチンベースの治療は 2 型糖尿病の最も有望な新しい治療法の 1 つである.GLP 1 の半減期は短いため,2 型糖尿病の治療戦略は 2 つある.DPP 4 阻害剤は,DPP 4 の酵素サブユニット (N 末端切断と,GIP と GLP 1 の不活化に関与する酵素 ) に高い選択性を有する, 経口投与可能な薬剤である. インクレチンベースの第 2 の治療薬は, ヒト GLP 1 または非哺乳動物 GLP 1R アゴニストと構造的相同性を示す, 注射可能な GLP 1R アゴニストである.GLP 1RA は内因性のホルモンと同様に, 膵臓のインスリン分泌を刺激し, グルカゴン分泌を抑制するが,DPP 4 のタンパク質分解作用に対して耐性である (GLP 1 は体内ではで数分以内に分解される ). GLP 1 は, 主に腸管の内分泌細胞で産生される. また, 抗肥満効果を発揮する細菌代謝物である酪酸塩などの SCFA によって,GLP 1 の分泌は刺激される.GLP 1 はインスリン分泌を刺激するだけでなく, グルカゴン分泌の阻害もするので,GLP 1 とグルカゴンは密接に関連している. 短時間作用 (2 回 / 日 ) または長時間作用 (1 回 / 日または週 ) の GLP 1RA の注射剤は, 血糖低下や他の多くの作用を有する内因性 GLP 1 の作用を模倣する.GLP 1RA は,i) 中枢神経系において, 脳のブドウ糖代謝を刺激し, 食欲と胃内容の排出を低下させ, 結果的に体重を減少させる.ii) 心臓に関しては, 心機能を改善する.iii) 肝臓では, 肝臓のブドウ糖産生を, グルカゴンとは無関係に, おそらくは肝臓 GLP 1R への結合を介して,and/or 中枢 / 末梢神経系を介して抑制する.GLP 1 と GLP 1RA の肝臓における効果が直接的なのか間接的なのかどうかは ( すなわち, インスリン - 9 -

10 の増加とグルカゴン分泌の減少を介する ), 依然としてよく分かっていない. キーポイントインクレチン GIP と GLP 1 などの消化管ホルモンは, 肝臓のブドウ糖と脂質代謝に大きく影響する. 胆汁酸, 核内受容体と肝臓 脂質新生 糖新生 β- 酸化 胆汁酸 中性脂肪の排泄 図 8.FXR による脂質代謝の調節胆汁酸による FXR の活性化は, 脂肪酸代謝の様々な経路を刺激する.1)PPARα を活性化し, 脂肪酸の酸化を促進する,2) SREBP-1c 阻害, その結果 SHP 結合後の中性脂肪の合成, 3)VLDL の産生を調節して, 中性脂肪を低下させる.FXR の活性化後に腸細胞から分泌されるヒトの FGF19( マウス相同体 FGF15) は, 肝臓の FGFR4 と β-klotho の複合体に結合し, 脂質蓄積を減少させ, インスリン抵抗性を改善する. FXR, ファルネソイド X 受容体 ; PPARα, ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体 -a; SHP, 小型ヘテロ二量体パートナー ; SREBP-1c, ステロール調節エレメント結合タンパク質 -1c. キーポイント核内受容体, 例えば FXR/FGF 系を標的とした治療は, 現在いくつかの臨床試験において検討されている

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